農林水産委員会

2003-04-17 参議院 全78発言

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会議録情報#0
平成十五年四月十七日(木曜日)
   午後四時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 四月十六日
    辞任         補欠選任
     信田 邦雄君     直嶋 正行君
     池田 幹幸君     市田 忠義君
 四月十七日
    辞任         補欠選任
     直嶋 正行君     信田 邦雄君
     市田 忠義君     池田 幹幸君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         三浦 一水君
    理 事
                国井 正幸君
                田中 直紀君
                常田 享詳君
                和田ひろ子君
                紙  智子君
    委 員
                岩永 浩美君
                太田 豊秋君
                加治屋義人君
                松山 政司君
                郡司  彰君
                信田 邦雄君
                羽田雄一郎君
                本田 良一君
                日笠 勝之君
                渡辺 孝男君
                池田 幹幸君
                岩本 荘太君
                中村 敦夫君
   国務大臣
       農林水産大臣   亀井 善之君
   副大臣
       農林水産副大臣  太田 豊秋君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       渡辺 孝男君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        山田 榮司君
   政府参考人
       農林水産省総合
       食料局長     西藤 久三君
       農林水産省生産
       局長       須賀田菊仁君
       食糧庁長官    石原  葵君
       水産庁長官    木下 寛之君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○農林水産に関する調査
 (食料の安定供給に関する件)
 (農村の振興に関する件)
 (WTO農業交渉に関する件)
 (中山間地域の役割に関する件)
 (有明海ノリ被害と諫早湾干拓事業に関する件
 )
○種苗法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ─────────────
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三浦一水#1
○委員長(三浦一水君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 昨十六日、池田幹幸君が委員を辞任され、その補欠として市田忠義君が選任されました。
    ─────────────
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三浦一水#2
○委員長(三浦一水君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に農林水産省総合食料局長西藤久三君、農林水産省生産局長須賀田菊仁君、食糧庁長官石原葵君及び水産庁長官木下寛之君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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三浦一水#3
○委員長(三浦一水君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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三浦一水#4
○委員長(三浦一水君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次発言願います。
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和田ひろ子#5
○和田ひろ子君 私は、三月二十五日に大島農林水産大臣に所信に対しての質問をさせていただきました。それからわずか三週間しかたっておりませんが、またその際には前大臣と十分議論できなかったこともありますので、そのことも含めて、改めて亀井大臣に所信的発言に対して御質問をさせていただきます。
 今日は、時間の関係もありますので、大臣がどのようなビジョンをお持ちなのかということをお聞きしたいんですが、私は、食料・農業・農村基本法そして森林・林業基本法、水産基本法が制定をされて、農林水産政策というのは新たな展開を迎え、新たな発想が求められてきたと思っています。
   〔委員長退席、理事田中直紀君着席〕
 しかしながら、新基本法の制定後の農林水産政策の具体的な中身はというふうに見ますと、旧来の農基法の施策の延長ではないのかというような感じがいたしております。市場原理の導入とか、自由化、国際化への対応とか、あるいは財政の効率化の視点というのは新たなものが見られるとしても、多面的機能や食料の安全保障を確保するために本当に必要と思われる新しい発想が行われているんだろうかと大変疑問であります。
 そこで、大臣にお伺いします。
 大臣の御発言の中で、食の安全、安心、米政策改革、WTOの農業交渉など当面する多くの課題に対して、食料・農業・農村基本法、森林・林業基本法、水産基本法に基づいて各般の課題に着実に対応していくというふうに言われております。
 まず、基本的な問題ですが、食料・農業・農村基本法の下で施策の原点、基軸というものは何だと思われますか。そして、食料と農業と農村の間にはどのような位置関係があるというふうに思われておられるか、お尋ねをいたします。
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亀井善之#6
○国務大臣(亀井善之君) 食料・農業・農村、これ、正に人の生命をはぐくみ、あるいはまた健康で充実した生活の基礎となるわけでもあります。また、国土や自然環境の保全、文化を形作る極めて重要な役割を果たすわけでありますし、正に国の土台、このように考えることができるわけであります。
 国家存立の基盤である農林水産業、農山漁村を健全な姿で維持発展させることが我が国において真に豊かな安定した国民生活を保障する、こういうことになるわけであります。
 そこで、一昨年、BSEの問題あるいは食品の表示問題、食と農に関する様々な問題が顕在化している中で、消費者の視点に立った食料・農業・農村政策の再構築、これが急務であるわけでありまして、いわゆる川上から川下、生産、消費双方が共存共栄を図るような社会形成、農村の分野の更なる改革に全力を尽くすということが必要なことであるわけでありまして、このような認識の下に、食料・農業・農村基本法の基本的理念の実現に向けて、二十一世紀の食料・農業・農村づくりに向けて積極的に政策の展開を図ってまいりたいと、こう考えております。
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和田ひろ子#7
○和田ひろ子君 さきの大臣は所信で、「いのち・循環・共生」の基本的な枠組み作りを国の責務として受け止め、生産、加工、流通、消費を一体的にとらえた食料の在り方、環境の保全を始め多面的機能を十分に発揮できる農林水産業や農山漁村の在り方を常に意識するとともに、食の国際化の中での国民の食料確保に向けた中長期的戦略を持って事に当たってまいる決意であるというふうにすごく決意を述べていただいたんですが、亀井大臣は、国際化の中での国民の食料の確保に向けた中長期的戦略、どのようにお考えになっていますか。また、それを具体的にどんなふうに施策に反映されるおつもりか、お伺いいたします。
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亀井善之#8
○国務大臣(亀井善之君) 国民に対しまして食料を安定的に供給していく、このことは国の基本的なことであるわけであります。
 中長期的に世界を見たときに、人口は現在約六十億、六十一億、このようなことでありますが、今世紀半ばには五割くらい増えるんじゃなかろうかと、八十九億人というようなことが予測をされておるわけであります。一方、耕地面積も人口の増加に見合うほど増加は期待できないわけでありまして、毎年我が国の耕地面積に匹敵する面積が砂漠化している、こういう環境問題が顕在化しておるわけであります。
 このような逼迫する可能性、こういうものがある中で、食料の六割を海外に依存をしております我が国にとりましては、食料の安定供給の確保、これは大変重大なことでありまして、食料・農業・農村基本法に基づき、農業の生産性の向上を促進し、国内農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄等を適切に組み合わせて考えていくことが必要なことではなかろうかと。
 私としては、中長期的な視点に立って、米政策改革を始めとして、効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の大宗を担う望ましい農業構造を実現するための農業構造の改革の加速化を図ることが必要じゃなかろうかと。また、こうした改革を推進し、各国の多様な農業が共存し得る国際的な枠組みの構築に向けWTO交渉への対応、これに取り組んでまいりたいと、こう考えております。
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和田ひろ子#9
○和田ひろ子君 次の質問にもお答えいただいたような気がするんですが、そういう逼迫するというふうに予想されているこういう時代に、国民の食料確保に向けた中長期的な戦略というのは、すなわち食料安全保障を前提にしたものというふうに思っていますから、そのことを亀井さん、大臣にお尋ねしたんですが、半分くらいお答えをいただいたんですが、食料安全保障というのはどういうふうにお考えですか。
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亀井善之#10
○国務大臣(亀井善之君) やはり、我が国の自給率を考えてみますときに、大変今四〇%というような中で、これを四五%の目標を掲げて努力をするなどいろいろの施策を進めるわけでありますが、特に農村、農山漁村、あるいは農林水産業の生産基盤である自然環境の保全、あるいは良好な景観の形成、文化の伝承と、重要な役割を農山漁村、農林水産業の生産基盤が果たしておるわけであります。
 このような中で、農村基本法、あるいは森林・林業基本法、水産基本法と、これにおいても、食料の安定供給の確保と多面的機能の発揮を実現する上で農林水産業の健全な持続的な発展を図るとともに、これらの基盤となる農山漁村の振興を図ることが不可欠であるわけであります。
 このような農林水産業の持続的な発展基盤である農山漁村の維持発展が、国民への食料の安定供給、食料安全保障の基礎を成すものと、このように考えております。
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和田ひろ子#11
○和田ひろ子君 本当に私は何というか、農政の中長期的な戦略ということでいろいろお尋ねをしますので、きっと、重複するお答えは結構ですし、大臣のお考え、そういうお考えでいいというふうに思っていますが、何しろ中長期的な戦略が食料安全保障を前提にしたものでなければならないと言っていただけるなら、自給率の向上に最大の努力が求められますし、持続可能な農林水産業と農村漁村の維持発展が不可欠だと思っています。今お答えをいただきました。
 特に、農村、農山村の維持発展なしには持続可能な農林水産業の実現にも国民の食料の安定確保にも限界があるというふうに思っています。すなわち、農山漁村の維持発展こそが食料安全保障に極めて重要だというふうに思っています。そのことを、今もお尋ねをしたお答えなんですけれども、この質問に対して大島大臣は、全く同感だ、農村は農業者だけの価値ではない、国土の均衡ある形を作るために美しいという概念を農水省としてももう一度考え直して、来年度の概算要求からそういう施策体系の柱を立てて積極的に立ち向かっていきたいというふうにおっしゃっていただきました。
 亀井大臣はいかがですか。
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亀井善之#12
○国務大臣(亀井善之君) いろいろ農業生産を行う上におきましても、やはりその基盤と、また農山漁村がそれらのいろいろの整備がなされて、そして生産が円滑に行われることが大変重要なことであるわけでありまして、そういう面での基盤整備、またもろもろの集落の形成等々につきましていろいろの予算措置をするなり努力をしていかなければならないと、それがなされなければその目的というものは達成できないと、このように考えております。
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和田ひろ子#13
○和田ひろ子君 そうであるならば、食料安全保障の確保とか自給率を向上させるための、さらには多面的機能を発揮させるための新たな発想が政策に求められるというふうに思っています。
 食料・農業基本法の下での政策展開の基軸は何にするのか、そこをはっきり言っていくのが大事だというふうに思います。だから先ほど大臣に食料と農業と農村の位置関係を伺ったんですが、基本理念を実現するためには、各局とか各課が満遍なくいろんな事業を行うというんではなくて、何か基軸をきちんと立てて、それにいろんな施策を組み合わせて、それが相乗効果になっていくような政策目標、結局はそれは食料安全保障と自給率の向上というふうになっていくんだと思いますけれども、それを達成していくという循環を作っていくことが結局は、結果的には財政の効率化にもなっていくというふうに私は思います。
 そんな、そういうふうに思いながらも、新基本法が制定され、また食の国際化の時代の中で、将来の日本の農業の方向性を考えていくべきこの重要な時期に施策の基本は旧来どおりである。もっと言えば、九二年型の新政策以降、発想に余り変化がないのではないかというのが大変残念です。大きな違いがないのが本当に残念です、残念なんです。
 将来を見据えた新たな発想がない、そういうことを思えば、具体的に言っていけば、農業を生産性の面から見ることが施策の中心であるような今の政策、規模拡大によってコストだけが、コストの低減だけをやっていくような今の政策、経営の法人化を物すごく言っていくような、偏重しているような今の政策、これが大変残念に思います。
 例えば、「「食」と「農」の再生プラン」の具体的な中身は農業の構造改革の加速化が中心で、育成すべき担い手に施策を集中する、重点化する、そして、そこには小泉さんの構造改革の流れに沿った市場原理の導入とか自由化とか国際化への対応とか、あるいは財政負担を少なくするという財政の効率化だけがその視点の基本となっているように思います。また、それ以外の柱、例えば食の安全と安心の確保と都市と農村の共生・対流も、消費者の信頼回復や農山村の活性化に十分機能するとは必ずしも思えません。
 これで持続可能な農林水産業と農山漁村の維持発展は可能なんでしょうか。そして、自給率の向上や食料安全保障は大丈夫なんでしょうか。私は大きな疑問があります。大臣の新鮮な目で何か視点というか、お答えがあったらお願いをいたします。
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亀井善之#14
○国務大臣(亀井善之君) 食料・農業・農村基本法というもの、これを目指して特にいろいろ農村地域の活性化のために努力をすると同時に、もう一方、国民全体として国民の皆さん方にも日本の農業を御理解いただく、そして、先ほども申し上げましたが、川上から川下、いわゆる消費者のニーズに合ったいろいろの生産体制ができるような形と。これにはやはりいろいろ施策を進めなければ、農村の基盤整備等々、中山間地の問題等々、これいろいろと整備をしていかなければならないわけでもあります。
 是非そういう面で、大変、日本の食料自給率が四〇%、これを何とか四五%にしなければならないと。これは大変難しいいろいろな課題を持っておるわけでありますが、私ども行政といたしましても、農林水産省といたしましても、地域に出向きまして、そして国民の皆さん方に日本の農業全体のいろいろなことを御理解いただくような努力を積み重ね、また学校教育等々におきましても、あるいは消費者の皆さん方にもいろいろの、農業あるいは生産がどう行われているかと、生産物等々に対する是非御理解をいただいて、総合的な形で、食料の安全保障、日本の農業を、農村を、あるいはまた森林あるいは林業、また水産をしっかり守り、また発展させていく努力をいたさなければならないんではなかろうかと、こう思います。
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和田ひろ子#15
○和田ひろ子君 米政策改革と食糧法改正案も農業の構造改革の加速化という視点で考えられているのではないかというふうに思います。具体的な措置はこれから決めることになりますけれども、米も他の農産物と大差のないものになってしまう。主食の安定確保、米価の安定、備蓄の規模、集落の維持といった観点から見ると、大変不安です。それでいいのかなという気がしますが、いかがでしょうか。
 現在の農政の中では、法人経営への期待が余りにも大き過ぎはしないかというふうに思います。各国の農業いろいろ比較されますが、自然的や経済的や社会的や歴史が違います。このため、我が国の自然条件などの下では内外価格差を解消するためのコスト競争にも限界があるというふうに思います。
 付加価値を高めるための対策、農業生産以外の部門も含めて経営を維持するための政策を、対策を農政の柱に取り込みながら、我が国の自然条件などの特性を生かし、長い時間掛けて維持されてきた地域農業を再生していくという発想が再生プランに求められなければいけないというふうに思っています。その意味では、地域農業の担い手の一つとして法人経営に期待するということは大変必要なんですけれども、家族農業や兼業農家なども含めた多様な担い手の確保に向けた取組も軽んじてはいけないというふうに思っています。
 所得政策への転換なんかも真剣に考えなければいけない時期に来ているというふうに思います。財政が厳しい状況だから無駄をなくすということは大変大切ですが、国民の食料を確保するということは国の責務ですから、そして安全保障ということは危機管理ですから、危機管理を、必要な財政負担を無駄と言ってしまえば何にもならないというふうに思います。
 危機管理は、危機が来なかったら、これだけのものを準備したけれども必要なかった、必要ないのは、それが危機管理、何も必要なかったという点で大変いいことだ、通常の備えに要した費用とは比べものにならないというふうに思います。このことはBSEでも明らかだったと思いますが、予算が単年度だから、そのときそのときの費用が掛からなければいいという考え方ではなくて、非常事態が起きたときに必要な予算を使えばいいというふうに考えるのであれば、それは安全保障でも何でもないというふうに思っています。
 自給率を上げる、食料安全保障が農林水産政策の原点ということを考えれば、農村の活性化は基軸にしていかなければいけないし、危機管理を、そして国民の食料を本当に危機と考えて施策に反映していかなければいけないというふうに思いますが、いかがでしょうか。
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亀井善之#16
○国務大臣(亀井善之君) 日本の農村また日本の農業経営と、大変地理的にも大規模でできる、ヨーロッパやアメリカ等々のような大規模でできるには限界があるわけであります。小農業あるいはまた中農業、また非常に複雑な地形の中でいろいろ進めていかなければならない限界があるわけでもあります。そういう中で、いろいろ、集落で共同していろいろなことを進めていただくなど、そういう知恵を、また私ども行政の立場におきましても、いろいろのお手伝いをしてそれらの農業生産が行われるような、そういう努力をお互いにしていかなければならないわけであります。
 そういう中で、生産の面でも、やはり米の生産につきましてもいろいろ努力をされ、ただしかし、現実に米につきましては、消費量がもう近年大変少なくなってきておるわけでありまして、私どもの子供のころは、百キロや百二十キロくらい、またかつては一石を消費したと、こういう時代があるわけでありますけれども、今日六十数キロと、こういうような現実であるわけであります。
   〔理事田中直紀君退席、委員長着席〕
 そういう中で、やはりまた時代が変わり、消費者のニーズも変わってきておるわけでありまして、消費者とそして生産者がいろいろの情報を共有し、そして消費者のニーズに合った生産というものを一方ではしていただく時代に入ってきておるわけであります。
 また、万々一、不作等々の問題もあるわけでございまして、そのときにどう対応するかと。また、安全保障、食料の安全保障と、こういう面でもやはり是非私ども努力をし、農家の皆さん方もそのような視点に立って食料の生産と、またいろいろの情報を提供し、安心して農業生産ができるような、そのような努力を予算措置等々につきましてもし、そして食料が生産され、そして食料の安全保障と、こういうものが確立できるような地道な努力をしていかなければならないんではなかろうかと、こう思います。
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和田ひろ子#17
○和田ひろ子君 農地と担い手の確保というのが大変重要な課題なんですが、大臣は、若い担い手というか、特に若い後継者の人が農村に残らないのは何でだと思われますか。将来に夢が持てないんですね。耕作放棄地が拡大しているのは何でだというふうに思いますか。そこに生活ができないからなんです、農家では、農業では。農地の確保と担い手の確保というのは、農村地域の活性化、すなわち元気のある農村と農家を作っていくことなんですけれども、それが持続可能な農林水産業と農山漁村の維持発展というのが可能にすることだというふうに思いますが、どういうふうに思われますか。
 農産物価格の低迷や厳しいWTOの交渉の現状を考えていくと、特に条件不利地域で耕作放棄地を借りて経営を拡大していくなんということは考えにくいんですよね。中山間地の直接支払でも限界があります。むしろ、その地域の自然などの資源を生かした地域の活性化を図りながら経営を維持していく中で、将来に明るい展望が持てるような政策、そしてその結果、耕作放棄地の解消と若い担い手が増えるなんということもあるのではないかというふうに思っているんですが、大臣の新鮮なアイデアはありますか。
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亀井善之#18
○国務大臣(亀井善之君) なかなか新鮮なアイデア、非常に難しいことであります。是非、意欲と能力のある若い人たちが是非農業をやっていただきたいと。
 私の周辺も都市化が進み、正直申し上げて、私が生まれたころは水田地帯であったわけでありますが、現実に、今、私のもう年まで、年以下の者が農業をやっておるというようなことはないわけであります。まあしかし、少し離れたところで施設園芸ですとかあるいは酪農あるいは養豚と、大変規模を努力をし、拡大をし、あるいは施設園芸につきましても、水耕栽培等々の経営をして農業をやっております姿を見ますときに、彼らは大変努力をしておりますと同時に、やはり将来の、花の、花卉栽培等につきましても先進的な技術を導入してやっております。それを見ますと、同じ世代の人たちも、彼らが大変元気に農業をやっております、ごく例外かもしれませんけれども、そういうことを承知をいたしております。
 何とか将来に向けて夢を持って農業に取り組んでいただくいろいろの環境条件を整えていかなければならないんではなかろうかと、こう思っております。農業という職業が、自分の能力の発揮あるいは所得の確保の面から、魅力とやりがいのある、実感できるものというような感じを受けていただけるような施策を私ども行政としても努力をしていかなければならないと、こう思います。
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和田ひろ子#19
○和田ひろ子君 先日も大島大臣にフランスのDJAのようなことをお尋ねをしたんですが、本当に日本の国が若い就農者を育成する、その人たちが立っていけるようにするというのなら本当にきちんとした政策こそ必要だというふうに思います。
 大島大臣に、このことに関して農村民泊ということをこの間大島さんにもお尋ねをしましたが、それは、素材生産による経営の維持発展ということも大事ですけれども、素材生産からその素材を生かした付加価値を高めるための加工部門まで行う経営に打って出られるような施策を、農村の重要な施策の一つとしてもっと積極的に展開すべきというふうに思ったからお伺いしました。これは、国内総生産に占める農業の生産額と食品関連製造業の生産額からも明らかではないかというふうに思っています。
 亀井大臣の発言の中で、農村漁村政策について、農村資源の観光活用を図りつつ都市と農村漁村のつながりの強化を進めていくという御発言がありました。これは大島大臣の所信にはなかったというふうに思っています。私もグリーンツーリズムを進める上で、農村の生活環境の整備やe—むらづくりも必要だと思っています。そのようなニーズは農村の人にも農村を訪れる都市部の人にも大変必要だというふうに思っています。農村の良さを、農家の良さをありのままに生かすことを求めている農村の人もいると思いますし、それを期待している都会の人もおります。
 私も県会議員のときに、ドイツの民泊行ってきましたけれども、余り規制もなくて簡単に農家の奥さんが中心になって宿泊客の世話をしたり、御主人の作った作物を使った料理でおもてなしを受けたというような記憶があります。私の町の会津坂下町でもそういう取組をしているけれども、余り規制の大きさにみんなびっくりしています。先日もネックは何と言ったら、消防法とか一人に対する平米数とかそういういろんな規制があるというふうに聞きましたけれども、そういうのではなくてありのままがいいんだというふうに思います。それが口コミやちょっとした公的な支援で情報を得た人が村を訪ねたり、そしてリピーターが多く、毎年あるいは各シーズンごとに訪れる客が多くなるというふうに思っています。
 しかし、日本の農村民泊をやっていく人たちのネックが余りにも多いんですが、それは所管が国土交通省とか消防庁とか、そういうふうになるんですが、外国との余りの違いの、規制の違いというよりは農林省が支援しにくい何かがあるんでしょうか、ちょっと大臣は、お答えいただけますか。
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亀井善之#20
○国務大臣(亀井善之君) 都市と農山漁村との共生・対流、こういう中で農家民宿とグリーンツーリズムのことを積極的に進めていく必要が私はあると思っております。是非このことにつきましては、一つは関係七省の副大臣プロジェクトチームで農山漁村を舞台とした新しいライフスタイルを提案と、こういう面でいろいろ努力をされているところもございます。是非いろいろ、日本は観光資源に恵まれ、かつての観光という面では温泉地であるとかいろいろな施設というようなところに今までは来ておる面があろうかと思います。しかし、自然環境ですとか、すばらしい緑に恵まれたいろんな場所があるわけでありまして、余暇活動を通じてそういう場所に新しい時代の観光と、こういう面で目を向けていただき、出向いていただければと、こういう願いを持っておるわけであります。
 そういう中で、農家民宿につきましてはいろいろ国土交通省あるいは厚生労働省の関連やらあろうかと思いますが、是非そういうものもできるだけ規制の緩和をして、そして都市の方々が農家の民宿が安易に利用できるようないろんな手だてをしなければならないと思いますし、そういう面で旅館業法、あるいはまたいろいろ地元でできる果物からワインをお造りになるとかいろいろお知恵をお持ちでございます。食品の問題もあります。そういう面では、酒税法の改正の問題とかあるいはいろいろ道路運送法等の問題、車の問題等々があろうかと思います。これらのことの運用改善、改善を図って是非農村資源の観光活用を図り、グリーンツーリズムの推進に積極的に努力をしてまいりたいと。そして、国民の皆さん方に農業の、農村を理解をしていただき、あるいはまた生産というものにつきまして理解をしていただくことが必要なことじゃなかろうかと、こう思います。
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和田ひろ子#21
○和田ひろ子君 担い手に施策を集中する、担い手に農地を集積するということは、農産物のコスト競争を前提にしているものですから、これというのは限界があるというふうに私は思います。
 私は、農村民泊も農業と農村に希望を持って若者が地域で生活していくための環境整備の一つとして必要であると思いますし、これがひいては条件不利地域等において持続可能な農林水産業と農山漁村の維持発展につながるというふうに思います。発想を変えていかないとなかなか大変なものだというふうに思います。
 農業だけでは生活できない小規模の農家であっても、その若い後継者がその農地を生かして地域で生活できるような環境づくりをする、素材生産だけでは生活できないけれども、付加価値を高めて生活できるような所得を得ることの環境づくりをしていく、農山漁村の活性化、耕作放棄地の解消、担い手の確保にとって極めて大事だと思います。
 例えば農山漁村の自然を生かして若い後継者が農村民泊をやり、自ら生産した地域の素材、そういうものを加工を含めて宿泊客にごちそうする、そしてその需要を拡大してその需要に応じた必要な生産規模を拡大する。地域の農家と契約栽培したり、耕作放棄地を利用、活用して生産拡大していくというようなことがあるんですが、大臣に私提言なんですけれども、例えば閣議なんというのがあるときに農林省が、今、日本の国をリードするのは農林省だというふうに思います。
 是非頑張っていただきたいのは、例えば、農村民泊なんかを大きな企業と組んだ例えば一つの町村がその企業の保養地になり得るような、そういうことをしていくとか、それは厚生省が言っている国民健康保険とか、例えば病気になってからの健康保険ではなくて病気以前の健康保険というかそういうものに使われるようにするとか、あとは労働省のワークシェアリングなんと言ってはちょっと僣越なんですけれども、休みを多く取ってリフレッシュをしていただく、そういう企業、何というか少し体を休めていただく、そういうことが、例えば年次休暇というのですか、ああいうものを全部使っていけば新しい雇用の創出にもなるはずだし、それがひいてはその方の健康のためでもあるし、それが大きくは、術後の大きな負担になるような健康保険のお金の増大をも防げるんではないかというふうに思うんですよ。
 そういう意味で、こういう農家民泊なんて簡単に農林省だけで考えるんではなくて、国の大きな施策として、ドイツの大臣が言われたように、休暇は農家で過ごそうみたいなことを是非大臣の方から言って、リードしていっていただければいいなという思いがするんですが、いかがですか。
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亀井善之#22
○国務大臣(亀井善之君) 御指摘のお話、全く私もそのとおり共感をいたします。いろいろ農業政策の中で今のお話等、是非進めていきたいと、こう思います。
 大変、各市町村であるとかあるいは会社等でも地方に保養所とか契約の施設等々をお持ちになっております。そういう面で、今まではただその宿泊の施設だけだったんではなかろうかなと、こう思います。
 そこで、そういうところと大変都市近郊でも、あるいはそのほかのところでも市民農園ですとかいろいろのが今普及しておりますし、是非そういう地域で、いわゆる地域、地方のそういう場所でその民宿なりあるいは契約の施設等が、農家の皆さん方といろいろコミュニケーションを図っていただいて、そしてそこにお越しになる方々が体験をしていただくなり、あるいは市民農園的なものに参画をしていただいて、その地域での特産と申しますか、そういうものを生産していただくなり、あるいはまた加工していただくなど、そういう触れ合いが大変必要なことではなかろうかと、こう思います。
 是非、そういう面でこの農家民宿、グリーンツーリズムの問題等々の中でいろいろ幅広く考えてやっていきたいと、こう思います。
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和田ひろ子#23
○和田ひろ子君 私がドイツで農家民泊したところは、子供たちが馬に乗る経験ができるというので、子供たちが大変喜んで馬に乗っていたんですが、そういうことを思えば子供も大人もリフレッシュするような、そんな施策を是非実現していただきたいというふうに思います。
 いつもそうですけれども、農林省は最近、消費者に軸足を置いた施策の展開ということをよく言われます。そこに消費者は食材、農産物を食するものというふうに位置付けられているような気がします。従来、食の安全とか安心とかいう視点を忘れてきたことを指摘されて、食や農政に対する信頼を取り戻すために消費者第一主義というか、それが強調され、そして食の安全というのができるのは当然だし、それは絶対に必要だというふうに思います。
 しかし、食料・農業・農村基本法が求めている機能は、こればかりではないんではないでしょうか。国土の保全とか維持なんかも含めて多面的機能に対峙する消費者は、食生活の面での消費者、多面的機能の恩恵を受ける人もすなわち国民であり消費者なんですよね。だから、食の、消費者に軸足を置く農業というのと多面的機能を保持する農業というのは同じなんですね、実は。多面的機能を享受するのはみんな国民なんですから、国民が消費者なんですから、だから軸足が変わったんでも何でもないというふうに私思うんですね。
 それを今度、消費者に軸足を変えたというのは本当変な感じなんで、そこをちょっと、食の安全とか安心に限ったことではなくて、食料・農業・農村の有する機能に対する国民のニーズに的確にこたえていくということも、消費者に軸足を置くということになるんではないかというふうに思います。
 どうですか、大臣は、そういうふうに思われませんか。
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亀井善之#24
○国務大臣(亀井善之君) 今の御意見、そのように受け止めます。
 また、あわせて、私自身、かつて米の流通に関係をしておりまして、なかなか末端で消費者の皆さん方の御意向に沿うようなお米を販売することのできなかった厳しさというものを持っておるわけでありまして、そういう面でいろいろ農業を知り、農業の多面的ないろいろな問題をお互いに理解をし合っていくことは大変重要なことでありますし、農業全体が、また食料全体がそういう中で生産され、また消費されると、そういう日本の置かれております、また農村地域のその農業の多面的な機能と、こういうものを理解した上で生産、消費というものが行われるということが、どちらに軸足を置くというようなことよりも、全く同じような枠の中、円の中で行われるということが必要なことではなかろうかと、こう思います。
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三浦一水#25
○委員長(三浦一水君) 和田アキ子君。失礼しました。和田ひろ子君。
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和田ひろ子#26
○和田ひろ子君 済みません、黙って許します。
 正にそうなんですね。のではなくではなくて、と同時になんですね。大臣は、ではなくではなくて同時にだと思います。安全な食料、軸足を置くとか変えるとかというんではなくて、全部それは消費者であり国民であるということなんですから、そういうことをきちんと踏まえていただきたい。消費者に軸足を置いた施策の展開ということの範疇に入っていくんだというふうに思います。それが農林水産業に対するいろんな意味での社会的負担を可能にするということだと思います。その視点が不足していると思いますので、そのことをどうぞきちんと留めておいていただきたいというふうに思います。
 何回も同じことを言っていますけれども、農地の確保一つに取ってみても、人口の増加や経済成長に伴う農用地の他用途への転用によって大量の農地が失われるのに加え、条件不利地域等において耕作放棄地は拡大しております。その一方で、耕地拡大の可能性は今や限られたものであって、自然環境の保全のために抑制されなければならないというような状況にあります。農業生産の基礎となる耕地の開発は人類あるいは民族の数千年、営々とした努力の蓄積ですから、食料自給をわずか十年や二十年の、そういう問題ではないというふうに思います。
 農業の多面的機能を発揮させて、耕作の放棄を防止して農地を確保する上からも、今後の農林水産業の基本、軸足は所得政策に移すという、この軸足を移すというのは、所得政策に移すというところで軸足を是非移していただきたいんです。あるいは付加価値を高めるための加工部門まで行う経営に打って出られるような施策、農山漁村の自然の資源を活用して経営を維持発展できるように政策を移す、そのような大胆な投資が農山漁村の活性化ができ、維持発展につながるというふうに思います。持続可能な農林水産業と食の安定供給、自給率の向上もそれだから期待できるというふうに思いますが、その所得政策、どうぞ大臣のお答えをお願いいたします。
 これで質問を終わります。
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亀井善之#27
○国務大臣(亀井善之君) 多面的機能を発揮し、農業の持続的な発展と農村の振興を図るための各種の施策を講じていきたいと、このように考えております。また、農業者の所得を直接補償するという措置につきましては、いろいろこれ検討しなければならない問題と、このように考えております。
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三浦一水#28
○委員長(三浦一水君) よろしいですか。
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和田ひろ子#29
○和田ひろ子君 よろしくないんですけれども終わります。
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