農林水産委員会

2004-03-30 参議院 全158発言

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会議録情報#0
平成十六年三月三十日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     西山登紀子君     市田 忠義君
 三月三十日
    辞任         補欠選任
     服部三男雄君     小泉 顕雄君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         岩永 浩美君
    理 事
                加治屋義人君
                段本 幸男君
                常田 享詳君
                和田ひろ子君
                紙  智子君
    委 員
                市川 一朗君
                太田 豊秋君
                小泉 顕雄君
                小斉平敏文君
                松山 政司君
                三浦 一水君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                信田 邦雄君
                羽田雄一郎君
                千葉 国男君
                福本 潤一君
                市田 忠義君
                岩本 荘太君
                中村 敦夫君
   国務大臣
       農林水産大臣   亀井 善之君
   副大臣
       農林水産副大臣  市川 一朗君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       福本 潤一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高野 浩臣君
   政府参考人
       警察庁長官官房
       審議官      関   一君
       林野庁長官    前田 直登君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○森林法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
 議院送付)
○植物防疫法の一部を改正する法律案(内閣提出
 、衆議院送付)
    ─────────────
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岩永浩美#1
○委員長(岩永浩美君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 去る二十六日、西山登紀子君が委員を辞任され、その補欠として市田忠義君が選任されました。
    ─────────────
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岩永浩美#2
○委員長(岩永浩美君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。
 森林法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に警察庁長官官房審議官関一君及び林野庁長官前田直登君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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岩永浩美#3
○委員長(岩永浩美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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岩永浩美#4
○委員長(岩永浩美君) 森林法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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加治屋義人#5
○加治屋義人君 自由民主党の加治屋義人でございます。
 昨年、経済同友会が取りまとめた森林再生とバイオマスエネルギー利用促進のための二十一世紀グリーンプランという提言をされておられます。このことについて政府の見解と、そしてまた森林・林業の重要性についてお伺いをしていきたいと思っています。
 経済同友会の提言は、六ページにまとめられた非常にコンパクトな、誠に時宜を得た濃厚なもので、農林水産省に対する応援歌とも言うべきものではないのかと、そういうふうに読ませていただいております。
 まず、提言は最初に、危機的状況にある人工林について述べております。いわゆる、いわく、一千万ヘクタールの人工林の荒廃は深刻である、人工林の相当部分は間伐が不十分だ、また下草が生えない状況で、中にはもやしのような杉、ヒノキが放置をされている、そして戦後一貫して行われてきた森林経営の基本方式、すなわち三十五年から五十年で皆伐と造林を繰り返す方式は生物多様性の保全に適さない、木を植えて育てるまで最低でもヘクタール当たり二百万円も掛かることから、林業の採算性を飛躍的に向上させることは不可能である、また伐採や木材の搬出は、路網の整備、機械化の推進でコスト削減の余地はあるけれども、コストの八割を占める植林や下刈りのコストの削減は困難だと、こういうふうに提言をいたしております。
 そこで、同一林齢の林木で構成される単層林から、年齢や樹種の異なった林木で構成される複層林にすべきである、こういうことも言っております。非皆伐・循環型の森林の整備を目指すべきであるとしております。オーストリアやスイスなどの林業先進国はこのような事例を多く取り入れているんだそうであります。また、現在の森林を複層林にするためには相当長期間を要するわけで、綿密な移行計画を作るとともに、これを着実に実施する体制を確立する必要がある、このことも指摘をしております。このような認識の下に必要な改革を行えば、森林・林業の再生は今からでも間に合うとして、経済同友会として、森林整備や林業の在り方を抜本的に改革すべきであり、二十一世紀グリーンプランとして三十年計画を提言したものであることは林野庁も御承知のとおりであります。
 具体的には、最初の十年で皆伐を止めた上で公的資金で人工林の間伐を行う、林道などの整備も行う、森林の機能を最大限に引き出しつつ、効率的な林業生産を実現するための近代的林業サポート体制を構築する、また間伐材をバイオマスエネルギー利用に振り向けるよう助成措置を導入をする、そして第二段階、第三段階と、単層林から複層林への移行を進め、林業経営の自立を図るとしています。また、提言ではこのような改革に第一段階で二兆五千億から三兆円の公的資金が必要であると、金額まで明らかにしているのであります。
 森林組合の位置付けにつきましては私と少し意見を異にするのでありますが、基本的には極めて意欲的な内容であり、また財界からの意見でありますので、正に農林水産省が我が意を得たと、こういう気持ちであるのではないかと、そう思っております。
 そこで大臣にお尋ねをいたしますが、この経済同友会の提言について大臣としてどのように評価をされておられますか。また、極めて具体的な提言内容となっていますが、森林整備、林業振興など、今後の森林・林業政策をどのように推進されていこうとしておられるのか、方針あるいは今後の対応について、お聞かせいただきたいと思います。
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亀井善之#6
○国務大臣(亀井善之君) 今、委員から御指摘ございました昨年二月の十七日に経済同友会から森林再生とバイオマスエネルギー利用促進のための二十一世紀グリーンプラン、こういう形でその発表が、公表がなされたわけでありまして、正に地球温暖化防止に向けた取組が急務と、このような中に経済界からこのような提言をいただいた、これは正に時宜を得たものと、このように認識をいたしております。
 今、委員からもいろいろその概要をお話しいただきましたが、正にこれらの問題、間伐の推進やあるいはまた複層林等の多様な森林整備の促進など、この傾聴すべき点たくさんあるわけでありまして、誠に意義深いものと、このように認識をいたしております。
 そういう中で、我が省といたしましては平成十三年に制定されました森林・林業基本法に基づきまして、森林の有する多面的な機能の持続的な発揮と、あるいは林業の持続的かつ健全な発展と林産物の供給及び利用の確保、こういう基本理念の下に森林・林業政策を総合的に展開してまいりたいと、このように考えております。
 具体的には、平成十四年に制定した地球温暖化防止森林吸収源十か年対策、この着実な実施でありまして、公的機能を重視した多様な森林の整備の促進、あるいは緑の雇用等を通じた担い手の育成と施業の集約化、バイオマスエネルギーとしての利用も含めた地域材利用の推進など、林業、木材産業の構造改革の推進、更には国民参加の森林づくり、都市と山村の共生・対流等の活力ある山村づくりと、これらの施策を積極的に進めてまいりたいと、このように考えております。
 この経済同友会の提言、こういうものが国民の皆さん方にも十分理解をしていただきまして、また経済界としても提言だけでなしに、いろいろの角度からこの推進のために御努力をいただくことができればと、このように願っておる次第であります。
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加治屋義人#7
○加治屋義人君 ありがとうございます。
 この提言には明記されていないのでありますが、林業経営が採算割れして厳しい状況に置かれているのは、ほとんど無制限に木材が輸入されているからだと言われております。
 林野庁長官、伺いたいと思いますが、国内産業を健全に育成するためにも節度ある木材輸入がなされなければならない、こう考えているんですが、政府として今日までどのような対応を取ってこられたのか、伺いたいと思います。
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前田直登#8
○政府参考人(前田直登君) 木材輸入につきましては、需要に見合いました適切な輸入が行われると、そういった方向で木材の需要者ですとか供給者、あるいは有識者、こういった方々をメンバーにいたしまして木材需給対策中央協議会、こういったものを設けておりまして、そういった中で木材需給の見通しの作成、あるいは情報の提供、こういったものを行っているところでございます。
 なお、木材の輸入そのものを規制するということにつきましては困難と考えているわけでありますが、国内林業の健全な発展を図っていくために、経営規模の拡大あるいは路網の整備、機械化等、こういったことを推進いたしまして安定的な林業経営の確立に努めますとともに、国産材の需要拡大に積極的に取り組んでいくということが重要というふうに考えている次第でございます。
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加治屋義人#9
○加治屋義人君 このことについては過去、私どもこの委員会で三年間いて、この委員会でも多々議論されておりまして、全く答弁は一緒のように思うんです。できれば来年の今ごろの委員会では実績、数字の上をもって是非答弁していただきますように御努力をいただきたいと、そういうふうに思っています。
 政府においては、間伐対策や複層林造成も推進されているところでありますが、提言にもありますように、長期的なビジョンの下に更に徹底した取組が必要なのではないかと、そう思っています。緊急間伐五か年対策や緑の雇用対策などに取り組んでおられますが、しかし間伐がまだまだ不十分だと、林業後継者も不足をしていると。このままでは国土の七割を占める森林の整備やそれを支える林業・木材産業が本当に大丈夫なのか不安だと、こういう地方の現場の声は依然として大変大きいのであります。経済界からこれほどのエールを送られたわけですから、国民に対して十分な説明をして、公的な資金できちんと森林を整備し、林業が産業として成り立つようにすべきではないのか。地球温暖化防止対策の推進のためにも是非必要なことだと考えています。
 そこで、農林大臣に伺いますが、今後の森林の整備、保全にかかわる新たな財源の確保についてどのように考えておられますか。今後の森林整備、林業振興への取組の方針についてもお伺いしたいと思います。
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亀井善之#10
○国務大臣(亀井善之君) 先ほども御答弁申し上げましたが、森林の整備、林業振興、このことにつきましては、平成十四年の地球温暖化防止森林吸収源十か年対策を策定し健全な森林の育成と、これに森林の整備等々、これに積極的に取り組むと、こういうことが基本であります。あわせて、このためにはやはり何といっても財源が必要なことでもございます。この吸収源三・九%を実施する大変厳しい状況にあるわけであります。そういう面では、一般財源はもとより新たな税財源の確保、このことに取り組んでいかなければならないと、このように考えております。
 私ども農林水産省といたしましても、昨年来この議論をいろいろ省内で地球温暖化対策税、こういうものが導入される、こういう場合には積極的にこの問題にかかわっていかなければならない、そして森林整備あるいは吸収源対策、こういう面での努力をする必要があると。もう一方、昨年末の与党の税制調査会におきましても、このことにつきましてもお触れをいただいておるわけであります。そのような努力をしてその財源を確保し、森林の整備、また林業の振興、これに取り組んでまいりたいと、このように考えております。
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加治屋義人#11
○加治屋義人君 温暖化対策税の問題は、今おっしゃるとおり、本当に極めて重要な問題だと思っています。地域の森林・林業関係者も大変期待をしておりますので、農林水産省としても努力をしていただきたいと思います。
 ところで、森林整備のための財源確保の観点から、地方においても高知県や岡山県など、この法定外目的税、いわゆる水源税的なものを創設する動きがあるとお聞きしておりますが、私の鹿児島県でもそのことが今検討中だと言われております。
 このことについて、地方の動きについてどのような見解あるいは感想をお持ちなのか、長官にお伺いしたいと思います。
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前田直登#12
○政府参考人(前田直登君) ただいま御指摘のように、高知県などにおきましては県民税に上乗せする税制度が今年度から、また岡山県とかほかの県におきましても近々実施するというようなことになっているところでございます。
 そういった中で、近年、多数の都道府県におきまして森林整備のための財源を確保する言わば森林環境税のような独自課税、これにつきまして内外の識者を集めて検討するといったような取組が見られるところでございます。
 このような地方の動きにつきましては、これらの取組を通じまして森林整備ですとかあるいは吸収源対策の推進、こういったものに対します国民的な支援、意識の醸成につながるというように評価しているところでございます。
 林野庁といたしましては、先ほど大臣お話し申し上げておりますが、地球温暖化防止を始めとします森林の有する多面的な機能の発揮を図るための安定的な財源の確保が重要な課題であるというように考えておりまして、一般財源はもとより、温暖化対策税が導入された場合の税収の活用についても積極的に取り組んでいくということが必要ではないかというように考えている次第でございます。
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加治屋義人#13
○加治屋義人君 ありがとうございました。
 続いて、地域の森林整備などに大きな役割を果たしている森林組合についてお尋ねをしたいと思います。
 森林組合は森林所有者に最も身近で森林経営を請け負わせることができる組織であります。森林施業計画の作成、造林や間伐などの実際の施業でも例えば新植では民有林全体の九割を担うという森林整備の中核的な担い手としてその役割が大きく期待をされているところであります。
 実は、先ほどの経済同友会の提言においては、森林組合は地域森林管理の担い手として森林所有者に対する専門的アドバイス業務等コンサルタントビジネスに特化することが挙げられているんでありますが、私はこのことについては少しこの意見、間違いなのではないかと、そういうふうに思ったりしているんですけれども、しかし現在、森林組合が果たしている機能、この地域の実情を考えた場合には、森林組合をどう育成していくのか、そのことが今必要なのではないか、そういうふうに思っています。
 もちろん、森林組合の改革は必要であります。私の鹿児島県の森林組合も改革プランを作って自ら地域の森林整備、林業を今後とも担っていくための努力をいたしております。自らの森林整備、林業を今後とも担っていくための努力が必要だ、そういうふうに思っています。全国的にも森林組合の経営基盤はまだ脆弱なところが多いわけでありますが、もっと効率的にやっていく努力をお互いしなければいけないのではないか、そういうふうに思います。
 そこで長官にお伺いしますが、地域の森林整備や林業振興に中核的な役割を果たしている森林組合について、その現状どうなのか、あるいは国としてどのような支援策を講じていくのか、そしてどのように育成をされていこうとされているのか、そのことについて長官にお伺いしたいと思います。
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前田直登#14
○政府参考人(前田直登君) 森林組合でございますが、平成十四年度末現在九百九十組合が設立されておりまして、我が国森林整備活動のうちの新植面積で見ますと八割、除間伐面積で見ますと六割を実施するといったようなことで、その中心的な担い手となっているわけでございます。
 一方、常勤役職員がいない組合が約一割、払込済出資金が一千万円を下回る組合が三割あるというようなことで、経営基盤ですとか業務執行体制、脆弱でございます。厳しい経営環境の中で地域の森林整備の中心的な担い手として役割を果たしていくためには、健全な自立的経営の確立が急務というようになっているわけでございます。
 このようなことから、森林組合系統におきましては、平成十四年十一月に策定されました森林組合改革プラン、これに基づきまして、組織、事業改革に取り組んでいるところでございます。国といたしましても、都道府県と連携しながら、こうした自主的な取組に対し指導、助言等を行いながら、これを側面から支援していくこととしているところでございます。
 このために、森林組合の役職員の資質向上ですとか情報機器の整備など、業務執行体制の強化等を図るための経費につきまして助成いたしますとともに、森林整備事業ですとか、あるいは林業・木材産業構造改革事業等の各般の事業を通じまして、その安定的な経営に寄与しているところでございます。
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加治屋義人#15
○加治屋義人君 最近、森林ボランティア活動が活発になっています。このことは森林・林業関係者へ大きな励みともなっております。このような中で、森林法改正案において、森林ボランティア団体と森林所有者の間の施業実施協定を市町村長が認可する制度を創設するとともに、この協定に基づき森林ボランティア団体が行う森林間伐等の森林整備活動は森林整備事業補助の対象となることが予定をされているとお聞きしています。
 森林ボランティア団体の中には、それなりの経験を積み、継続的に森林整備を担い得る団体もあるようでありますけれども、特に私の鹿児島県における例を見てみても、多くは普通の住民が余暇を利用して集まって、森林組合等の指導や助言を受けながら体験的に汗を流しているにすぎない、そういうふうに実態があると思っています。国民参加の森林づくりを助長するという法改正や助成措置の趣旨には賛同するものでありますけれども、その運用に当たっては、作業の適切かつ効率的な実施、安全確保の面などから、ボランティア団体等の実情や能力に応じて地域の森林の状況を熟知した森林組合等の連携を深めるべきだと、そういうふうに思っております。
 長官にお伺いしますけれども、国民参加の森林づくりを更に推進、支援する観点から、ボランティア団体等が行う森林整備の場合、体験的な活動の場合はもちろんのこと、事業的に行う場合であっても団体の実情に応じて地域の森林組合等々との連携を深めるよう促す必要があると、そういうふうに思っておりますが、いかがでございましょうか。
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前田直登#16
○政府参考人(前田直登君) 近年、一般の市民の方々が下刈りですとか間伐等の森林整備に参加する森林ボランティア活動が活発化しているわけでございますが、このような活動につきましては、森林・林業を社会全体で支えようという国民意識を醸成し、また森林の多面的機能の持続的発揮、これを実現する観点からも大変重要な意義を有しているのではないかというように考えております。
 また、これらの中には、体験的な活動にとどまらず、継続的に活動箇所を確保して取り組むものも見られるところでございまして、今般の森林法の一部を改正する法律案におきましては、ボランティア団体と森林所有者等が締結します施業実施協定について市町村長が認可する制度の創設を盛り込んでいるところでございます。
 他方、森林組合は、地方におきます森林整備の担い手として重要な役割を果たしているとともに、ボランティア団体などとの関係におきましても、専門的な知識に基づいて的確な施業の確保やあるいは安全な作業の実施が図られるよう指導、助言を行っている例も見られるところでございます。
 今後のボランティア団体によります森林整備の推進に当たりましては、新たな協定制度の運用を含めまして、団体の実情等に応じ、地域の森林の状況等を熟知した森林組合等と連携して実施していくこととなるよう、都道府県を通じて指導を行うなど適切に対処してまいりたい、かように考えている次第でございます。
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加治屋義人#17
○加治屋義人君 ありがとうございます。
 また、今回の改正案においては、間伐等の施業が適正に行われていない要間伐森林における施業確保の措置として、協議勧告の対象に施業の委託を追加する措置が取られております。植林や間伐など、民有林における施業の多くが森林組合等との受委託により進められていることを考えると、この改正は、要間伐森林整備はより的確に機能することになる、そういう評価をさせていただいています。
 しかしながら、それ以前の問題として、森林・林業を取り巻く情勢が厳しく、森林所有者の経営意欲が低下している中で、今制度の適正かつ強力な運用を図るためには市町村における体制の整備が極めて重要だと思っていますが、現実には、各市町村における森林・林業行政にかかわる職員数は限られている上に、兼務という多くの市町村の実態で、結果として市町村と森林組合が連携し森林組合の推進に当たっているのが現状であるということは長官御承知のとおりだと思っています。
 長官にお伺いしますが、要間伐森林制度の適正な運用を図るためには、市町村の体制整備が必要と考えます。体制整備に向けた林野庁の考え方をお聞かせいただきますとともに、地域の森林の実情を熟知している森林組合の活用を、先ほど答弁にもありましたとおり、もっともっと活用すべきではないかと、そう思っておりますが、伺いたいと思います。
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前田直登#18
○政府参考人(前田直登君) 要間伐森林制度を適切に運用しまして森林の有する多面的な機能を持続的に発揮させていくためには、地域に密着した行政機関でございます市町村の役割が非常に重要であるというふうに考えている次第でございます。このため、国におきましても、一つには、要間伐森林の整備も含みます市町村森林整備計画の達成を目指して森林整備事業を始めとする支援措置を講じますとともに、地方財政措置においても、森林整備促進のための経費、これは特別交付税でありますが、こういったものに加えまして、今般の森林法改正に併せまして市町村が行う要間伐森林の施業の促進等のための事務費、これにつきましても措置、こちらの方は普通交付税ということでございますが、することとしておるところでございます。
 また、市町村におきます要間伐森林の指定及び勧告等に関します事務手続ですとか、技術的知見等についての具体的な解説あるいは研修、指導、こういったものの充実等に努めまして、各市町村において制度の適切な運用が図られるように努めてまいりたいというふうに考えている次第です。
 また、お話ございました森林組合、地域の森林現況ですとか森林所有者を熟知しているわけでございまして、従来から地域の森林整備の中核的な役割を担っております。このような森林組合が市町村と連携し、要間伐森林の間伐の推進を始めといたしまして、地域の森林整備に積極的な役割を担っていただけるよう、今後とも指導、支援を行ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
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加治屋義人#19
○加治屋義人君 ありがとうございます。
 次の質問にさせていただきますが、今回の森林法改正による間伐の推進や保安林における森林施業の確保が重要であります。これと同様に、治山対策にもきちんと取り組んでいく必要があると思っています。特に私の鹿児島県では、火山灰が県道を覆っておりまして、一雨降れば土砂が多くの人命を奪いかねない、そういう状況にありまして、森林を守り育てる治山事業は私どもにとって住民の生活そのものだというふうに思っています。また昨年は、熊本県水俣、鹿児島県菱刈など、大きな災害が発生しております。安全な暮らしを実現をしていくためにも、これらの山地災害の未然防止に取り組んでいくことは極めて重要だと思っています。
 そこで、最近の山地災害の発生状況と今後の治山事業の展開等について長官にお伺いしたいと思います。
 次に、続けて質問させていただきます。
 経済同友会の提言でも、森林バイオマスエネルギーの利用について本腰を入れるべきだと提言をされておられます。その特性についてはもうここでは省略をいたしますが、このような優れた素材である木材について、本来の役割を終えたものや未利用で放置又は廃棄されるものを石油などの代替エネルギーとして利用することにより、化石燃料の消費を減らし二酸化炭素の発生を抑えることが可能と言われております。こうした意味で木材のバイオマスエネルギーの利用の推進は喫緊の課題だと考えますが、その利用の現状とこれからの推進方策についてお聞かせいただきたいと思います。
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前田直登#20
○政府参考人(前田直登君) 前段の方の治山の関係の話でございますが、最近の山地災害、流域全体にわたります大規模な災害の発生は減少しつつあるわけでありますけれども、異常気象に伴います局地的な集中豪雨、これが多発する傾向にございまして、毎年、山地の崩壊、土石流あるいは地すべり、あるいはこれらに伴います流れ木等が発生しておりまして、過去五年間の山地災害によります被害額は平均値で約一千二百億円に及んでおります。特に、今お話にございましたが、平成十五年には九州地方における梅雨前線豪雨災害によりまして二十二名の方が亡くなられるなど、九州から北海道までの広範な地域におきまして人命、財産等に甚大な被害を伴う山地災害が発生しております。
 治山事業は、このような山地災害から国民の生命、財産を保全し、また水源涵養、あるいは生活環境の保全、形成といったものを図ります重要な国土保全施策であるとともに、その計画的な実施によります森林の荒廃の防止は地球温暖化防止の観点からも重要となっているわけでございます。
 このため、平成十六年度予算におきましては、治山事業として千三百四十七億円、これを計上いたしまして、事業の効率化を図りつつ、激甚な山地災害の多発、あるいは防災等の機能が低下した保安林の増大に対応するために、荒廃地の復旧整備等を図るための治山施設の整備、災害に強い森林づくり等から成る総合的な防災対策等を重点的に実施していくということにしているところでございます。
 今後とも、山地災害の防止、水源涵養等、森林の有する公益的機能の継続的な発揮が図られるよう、治山事業の積極的かつ効果的な推進に努めてまいりたいというふうに考える次第でございます。
 また、後段お話のございましたバイオマスエネルギーの関係でございます。
 木質バイオマスエネルギーの利用につきましては、地球温暖化の防止、廃棄物の減量化等によります循環型社会の形成、地域の未利用資源を活用しました産業の育成等による新たなる可能性の創出と、こういったことを図るものとして極めて重要というように考えている次第でございます。
 木質バイオマスでございますが、林地残材、製材残材等としまして年間約三千七百万立方の発生が見込まれるわけでありますが、このうち約半数、一千八百万立方ぐらいでありますが、パルプ、燃料、ボード原料という形で活用されておりまして、このうちエネルギー利用につきましては七百万立方メートルというように推計されます。
 林野庁といたしましては、木質バイオマスエネルギーとしての有効利用を進める観点から、林地残材等の収集、運搬を効率化するための、効率化に資するための機材等の整備、ペレット製造施設の整備ですとか、公共施設へのペレットストーブ、ペレットボイラーの導入、あるいは製材残材等を利用しました木質バイオマス発電施設、熱供給施設の整備、こういったことにつきまして支援を行っているところでございます。
 今後とも、地球温暖化防止森林吸収源十か年対策あるいはバイオマス・ニッポン総合戦略、こういったものを踏まえながら、関係府省と連絡を密にして木質バイオマスエネルギーの利用を積極的に進めてまいりたいというふうに考えております。
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加治屋義人#21
○加治屋義人君 ありがとうございます。
 災い転じて福となすという言葉が、格言が今永田町を走り回っておりますが、これはやはり、苦しいこの現状を脱却したい、そういう気持ちの表れの言葉なんだろうと思っています。食の安心、安全について、亀井大臣、本当にこの福を実現をされつつある、そのことに大変高く評価をさせていただいております。しかしながら、この森林・林業、木材、住宅、このことについての安心、安全、大変気にさせていただいております。
 どうか、この日本の森林を救ったという歴史に残る名大臣に大きな期待を寄せさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。
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和田ひろ子#22
○和田ひろ子君 民主党・新緑風会の和田ひろ子でございます。
 まず、今回の改正案についての質問に入ります前に、前回の改正案の際にこの委員会で付けた附帯決議について政府はどのような対策を取られましたか、お伺いをいたします。平成十五年五月二十二日の附帯決議についてお伺いをいたします。
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前田直登#23
○政府参考人(前田直登君) 昨年の森林法改正に当たりまして四項目から成ります附帯決議をいただいたところでございます。
 まず、森林計画の見直しに係ります事項への対応状況につきましては、事前に計画策定の基礎資料とするための森林資源現況調査を行うとともに、林政審議会での審議や都道府県知事からの意見聴取に加えまして、パブリックコメント等によりまして広く国民一般の意見を踏まえ、昨年十月に全国森林計画を策定したところでございます。
 次に、森林の保全に関する事項につきましては、全国森林計画におきまして森林の区分ごとに保安林や治山事業等の森林の保全に係る施策の基本方針を明記すると、そういったことで施策の指標としての役割が発揮されるよう措置したところでございます。また、森林整備保全事業計画については、関係する公共事業計画と十分な調整を行いつつ、事業の目標等を国民に分かりやすく示すことができるよう検討しているところでございます。
 複層林等に関します事項につきましては、複層林施業の着実な推進に向けまして、複層林施業等を効果的に実施し得る高性能林業機械の開発・改良や林道、作業道を効果的に組み合わせた効率的な路網整備を推進しているところでございます。また、基幹的な林業就労者の確保、育成に向けまして緑の雇用事業を平成十六年度におきましても実施することとしているほか、森林組合の体制整備にも引き続き取り組んでいるところでございます。さらに、NPO等の多様な主体の参加によります森林整備については、正に本法案に盛り込んでいるというところでございます。
 最後に一項でありますが、国有林野事業に関する事項につきましては、森林管理署等が地方公共団体等との間で協定を締結して民有林と協調した森林整備等を推進しているほか、財政の健全化に向けた収支両面にわたります死力、努力を尽くしまして、集中改革期間後の平成十六年度におきましては新規借入金からの脱却を図ることとして十六年度予算が決定されたところでございます。
 このように、いずれの事項につきましてもその趣旨を尊重し、着実に対応しているところというような状況でございます。
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和田ひろ子#24
○和田ひろ子君 このときには、同じ委員会で林業経営の改善等に必要な資金の融通の円滑化のための林業改善資金助成法等の一部を改正する法案という、附帯決議も出ております。どうぞ、検討中というところもあるようでございますけれども、是非附帯決議をきちんととらえられてやっていただきたいなというふうに思います。
 次に、大臣、よろしくお願いします。
 私は、もっと山を大切にしてほしい、施策をしっかりしてほしい、元気を出してみんなで日本の山を守っていこう、そういう思いで質問をさせていただきます。
 平成十三年に林業基本法を抜本的に改正して、森林の有する多面的機能の持続的な発揮を第一の基本理念とする森林・林業基本法が制定をされました。この新たな基本法の下に、日本の山を守っていこう、そういう機運が高まり、私も大いに期待をしております。先ほど、大臣も長官も質問に答えて、国民の機運が高まった、環境税とか水源税とか考えていかなければいけないというふうな答弁をされました。
 森林・林業基本法が制定されて三年たちました。でも、何が変わったんだろうというふうに大変疑問を持っています。平成十四年には、新たな地球温暖化対策推進大綱で我が国の温室効果ガスの六%削減目標を達成するために森林が三・九を担うということになりました。農林水産省も地球温暖化防止森林吸収源十か年対策を策定して、その推進を図っています。しかし、森林予算は本当に、微増しているといいながら、本当に森林整備を重視したものであるだろうか、本当に森林整備に資するものであるだろうか、大変疑問に思い、疑問ばっかり思っているんですが。三・九の約束があるから森林を整備をしなくてはいけないということは国民の間でも認識をされているようですが、これはこれで大変結構なんですけれども、三・九があるから森林の整備をするのではなくて、国土の保全や水源の涵養とか心のふるさとである山を守る、これに森林整備を進めていくのが私は本来の日本を守る、山を守る意味だというふうに思っています。ここを逆転の発想をしていただきたくないんです。是非日本の山、守っていただきたい。
 基本法は森林の多面的機能の発揮に重要な役割を果たす森林・林業の持続的かつ健全な発展を図ることとしています。また、森林の適正な整備と保全を図るためには山村での持続的な林業の生産活動が重要でありますから、定住の促進などの山の振興が図られるように配慮することとしています。さらに、森林・林業施策を実施するために必要な財政上の措置も講ずるということになっています。この三年間、このような施策がどんなところで実施されたのか、私には見えてきません。
 大臣、去年も森林法の改正が出されました。先ほど附帯決議に対する対応をお答えをいただきましたが、そのときの提案理由で、木材価格の低迷等により林業生産活動が停滞している、管理が適正に行われていない森林が増加していると説明されました。森林の整備と保全の一体的な推進を図る措置や、人工保安林の複層林化を推進するための択伐の手続を簡素化するなどの改正が行われました。また、今回、採算性の悪い等に伴い、必ずしも適正な森林施業が行われているとは言い難い状況にあるというふうに説明されています。要間伐森林制度などの施業の勧告が発動されやすいようにするなどの改正案が出されてきました。
 先ほども、来年は是非数字を、数値を明示してなんという質問もありますが、同じことをまた来年もされるんですか。今年出したらこれをきちんとやっていく、それが大臣のお役目だというふうに思います。そもそも先が見えないから施業がなされない、勧告しても意味がないということなんではないんですか。
 御承知のとおり、林業の採算性の向上、あるいは少しでも向上の兆しが見えれば、所有者は自分の山は自分で守るんです、本当は。ただ、山になりわいがないからもうほっておかなければいけない状況になっているんです。杉とかヒノキが一人前というか成木になるには四十年も五十年も掛かります。林業は世代を超えて営んでいるんです。すぐに簡単に好転はしないというのは分かります。せめて政府が本腰を入れているぞ、将来にわたって日本の山を守ろうとする気持ちがあるぞというメッセージがあれば森林所有者に伝わってくるような、そういう思いがあると思います。そういう施策が実施されなければ一向に改善をされることはないのではないでしょうか。山は大事だ、そういうことを口で言うのは簡単です。山を守って生活している人のことを本当に見ていただきたいんです。
 まず大臣、もう私も熱い心で質問をしておりますので、どうぞ大臣のお気持ちをお答えいただきたい。
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亀井善之#25
○国務大臣(亀井善之君) 我が国の国土は七割山と。私も、家に、外に出ますと、丹沢山塊からずっと山がこうすぐ目に見えるわけであります。また、時には、夏になりますと、集中豪雨で山が崩壊をして、あの本当に悲惨な姿を私たちはテレビやいろんなことで見るわけでありまして、そういう面で、国土の保全、水源の涵養、また地球温暖化、この防止、多面的な機能、先ほどもいろいろお話しいただきましたとおり、いろいろな問題があるわけであります。
 そういう中で、この地球温暖化防止十か年計画と、それにつきましてもステップ・バイ・ステップと、いろいろ政策を常にその進捗状況を把握をし、見直しをして、そしてそれが実現できるような努力をしなければならないわけであります。そういう面でのことは厳しくいろいろな対応を今、私、事務当局にも言っておるわけであります。しかし、なかなか厳しい財源、またなかなか厳しい今の状況下と。
 実は、昨日、森の名人・名手と、これ百人、昨年から林野庁、いろいろその人たちを選びまして、そしてその人たちに、高校生に一人そこに行っていただいて、その名人・名手の人たちに山を守る、あるいは特産品ですとか、いろいろ林野の関係の百人の方々にいろいろな話を聞き、それを甲子園、作文甲子園というような形でそれを書いていただいて、それを表彰するようなことをしております。
 そして、昨日、私、その人たちにお目に掛かって、その名人・名手の方と高校生とお話をし、いろいろその経験、どういうことでこういうことをしておられるかと。今、熊本の方ですけれども、船大工をして、漁船をずっと木造で造ってきた、しかし今日なかなか厳しい、そしてプラスチック等々で造らなければいけない状況に来ていると。そこに高校生が行きましてお話を聞きまして、大変感心をして、自分もこういうことを、日本はなかなか厳しくなったら、これアジアの地域に行ってそういう技術を教えることができればと、こういう話ですとか、あるいは木を育てる、間伐の仕事をされている方のお話を伺って、いかに木を育てることが重要なことかと。そして、是非自分もこういうような仕事を将来やってみたいと、こういうような話が出てきたり、いろいろ意見、考え方を伺ったわけでありまして、幅広く、そのようなやはり山に対する、森林に対する、森に対する意識というものを国民が持っていただくことが大変重要なことだと、このように思っております。
 そういう面で、十三年に制定されました、先ほど委員からも御指摘いただきました森林・林業基本法に基づきますいろいろの施策を進めております。大変施策として体系的に基本理念あるいは主要施策と、このようにいろいろの体系が作られておりまして、またそれが地方にも、都道府県におきましても構造改革のプログラム等々、事例が出てきております。これらを何とか、厳しいいろいろの外的要因もありますけれども、私どもとしてはこうして法律の、法案の改正等々をしていただくと、そういうものが着実に林業関係者に、また林業に、森林整備に着実に反映できるように努力をすると。
 これはなかなか厳しい問題がありますけれども、しかしこれは精一杯やらなければならないことでありますので、そういうことをやることによって着実にこの問題、地球温暖化防止十か年計画と、この達成も、先ほど御指摘の三・九%、なかなか厳しい状況にあるわけでありまして、これをやはり着実に今実現するような、先ほど来お話しの一般財源が限界があるということであれば、地球温暖化税と、こういうものも是非御理解をいただく中で、そしてそれを森林整備に活用すると。今森林関係者もこのことにつきましては御理解をいただき、大変関心をお持ちいただいておるわけでありますから、そういうことはやはり行政におきまして私が先頭に立ってやらなければならないことであるわけでありますので、是非御理解を得、そしてこれらの対応をしっかりやってまいりたいと、こう思っております。
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和田ひろ子#26
○和田ひろ子君 先日の質問で小斉平さんが宮崎県の現状とか、今、加治屋さんが鹿児島県の状況なんかを御説明いただいたんですけれども、私は福島県の実情をちょっと申し上げたいと思います。
 造林関係の費用として、杉の人工林を一ヘクタール造林して育てる各作業に必要な経費は三百万円掛かります。例えば、杉、五十年生の杉を伐採した場合、販売価格は四百八十万です。四百八十万で売れた杉を今度は搬出してくるのに三百二十万掛かります。差引き百六十万円しか手元には戻りません。三百万円掛かる育林、造林の事業がこの中でできるでしょうか。再び造林する経費は出てこないというふうに言っています。
 また、杉の立木の価格は、昭和三十六年の杉の立木の価格は伐採作業者賃金の約十二倍あったそうです、九千八十一円でした。作業者の賃金の十二倍なんですね。これに対して、平成十年、十二年は七千七百九十四円です。賃金の約〇・六倍です。これほど山というのは大変な状況に、五十年たった杉が賃金の〇・六倍にしかならない状況にあります。そういうことを是非踏まえていただいて、これからの質問にお答えをいただきたいと思います。
 では、具体的にどんなふうに今の山の状況を見ていらっしゃるのか、お伺いをします。
 民有林、国有林、それぞれ間伐が必要な森林面積はどの程度ありますか、そのうち適切な間伐がなされていない森林面積はどのくらいでありますか、間伐が必要な面積は年間にどのくらいになりますか、お伺いをいたします。
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前田直登#27
○政府参考人(前田直登君) 御存じのように、戦後、造林されました森林の多くが実は間伐等の森林整備を必要とする時期に当たっております。そういった中で、通常、間伐の対象となります三齢級から九齢級、林齢にいたしますと十一年生から四十五年生でございますけれども、この人工林面積は、民有林におきましてはその人工林面積の約七割、これに当たります五百八十五万ヘクタールとなっているところでございます。
 このような森林資源の状況の下で、確かに御指摘のように林業の採算性の悪化によりまして間伐が適切に進み難くなっているというような状況にはございますけれども、民有林につきまして平成十一年に、緊急に間伐が必要な森林面積、これを都道府県に照会いたしまして把握したわけでございますが、平成十二年度以降五年間に緊急に必要な間伐量、これが約百五十万ヘクタールでございました。これに基づきまして、年間三十万ヘクタールの間伐、これを計画的に推進しているということでございまして、地勢とかあるいは立地条件によりまして、多少進んでいるところ、あるいはなかなか奥地等で進みにくいところ、そういったものはあろうかと思いますが、総量といたしましてはおおむね計画に近い形で間伐が民有林の場合は進んでいるというような状況でございます。
 また、国有林におきましても同様に、人工林面積の約八割に当たります百九十一万ヘクタール、これが間伐対象となる林齢になっておりまして、五年ごとに策定されます国有林野施業実施計画、これは地域別の森林計画に基づきまして属地的に場所を指定して決めていっているわけでございますが、それで基づきまして間伐の推進を図っているわけでございますが、平成十二年度から平成十四年度、最近時点までの最近三か年のデータでございますが、年平均で面積にいたしまして約六万ヘクタール、材積にいたしまして約二百九十万立方というふうになっておりまして、おおむね計画どおりに実施というような状況にはなっているところでございます。
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和田ひろ子#28
○和田ひろ子君 おおむねというお答えがありますけれども、ちょっと後でまたこのことは言っていきたいというふうに思います。
 採算性の悪化等に伴い、必ずしも適正な森林施業が行われているとは言い難い状況という、悪化等に伴いと言うんですから、採算性の悪化以外にどんな原因があるんですか。評価、どういうふうに評価されていますか。
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前田直登#29
○政府参考人(前田直登君) 先ほど申し上げましたように、間伐、毎年三十万ヘクタール目標に進めてきているわけでございますが、一方では、間伐等の必要な箇所におきまして森林施業が十分に進まないという面も見られます。その原因といたしましては、今お話ございましたように、木材価格の低迷等によります林業採算性の悪化、これの以外にも、例えば森林所有者の世代交代ですとかあるいは不在村化等、こういったものを背景としまして施業意欲が減退している、あるいは適切な間伐等の森林整備、これに必要な林道、作業道等の整備が不十分であるといったようなことも影響しているというように考えている次第でございます。
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