法務委員会

2009-03-11 衆議院 全344発言

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会議録情報#0
平成二十一年三月十一日(水曜日)
    午前九時五分開議
 出席委員
   委員長 山本 幸三君
   理事 大前 繁雄君 理事 桜井 郁三君
   理事 塩崎 恭久君 理事 棚橋 泰文君
   理事 加藤 公一君 理事 細川 律夫君
   理事 大口 善徳君
      赤池 誠章君    稲田 朋美君
      近江屋信広君    河井 克行君
      木村 隆秀君    笹川  堯君
      清水鴻一郎君    杉浦 正健君
      平  将明君    長勢 甚遠君
      萩山 教嚴君    早川 忠孝君
      武藤 容治君    森山 眞弓君
      矢野 隆司君   山本ともひろ君
      石関 貴史君    河村たかし君
      中井  洽君    古本伸一郎君
      山田 正彦君    神崎 武法君
      保坂 展人君    滝   実君
    …………………………………
   法務大臣         森  英介君
   法務副大臣        佐藤 剛男君
   文部科学副大臣      山内 俊夫君
   法務大臣政務官      早川 忠孝君
   最高裁判所事務総局人事局長            大谷 直人君
   最高裁判所事務総局民事局長            小泉 博嗣君
   最高裁判所事務総局刑事局長            小川 正持君
   最高裁判所事務総局家庭局長            二本松利忠君
   政府参考人
   (内閣官房内閣参事官)  河合  潔君
   政府参考人
   (警察庁刑事局組織犯罪対策部長)         宮本 和夫君
   政府参考人
   (警察庁交通局長)    東川  一君
   政府参考人
   (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       吉良 裕臣君
   政府参考人
   (法務省大臣官房司法法制部長)          深山 卓也君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    倉吉  敬君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    大野恒太郎君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    尾崎 道明君
   政府参考人
   (法務省保護局長)    坂井 文雄君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  富田 善範君
   政府参考人
   (法務省入国管理局長)  西川 克行君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 石井 正文君
   政府参考人
   (財務省大臣官房審議官) 道盛大志郎君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           前川 喜平君
   政府参考人
   (文化庁文化財部長)   高杉 重夫君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           中尾 昭弘君
   政府参考人
   (防衛省防衛参事官)   枡田 一彦君
   参考人
   (日本郵政株式会社専務執行役)          米澤 友宏君
   参考人
   (日本郵政株式会社執行役)            清水 弘之君
   法務委員会専門員     佐藤  治君
    —————————————
委員の異動
三月十一日
 辞任         補欠選任
  柳本 卓治君     山本ともひろ君
同日
 辞任         補欠選任
  山本ともひろ君    柳本 卓治君
    —————————————
三月十一日
 国籍選択制度の廃止に関する請願(丸谷佳織君紹介)(第八九二号)
 成人の重国籍容認に関する請願(丸谷佳織君紹介)(第八九三号)
 離婚後の共同親権・両親による共同での養育を実現する法整備に関する請願(下村博文君紹介)(第八九四号)
 同(泉健太君紹介)(第九〇八号)
 同(枝野幸男君紹介)(第九四二号)
 同(市村浩一郎君紹介)(第九七三号)
 同(小沢鋭仁君紹介)(第九七四号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出第一七号)
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件
     ————◇—————
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山本幸三#1
○山本委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 各件調査のため、本日、参考人として日本郵政株式会社専務執行役米澤友宏君、日本郵政株式会社執行役清水弘之君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房内閣参事官河合潔君、警察庁刑事局組織犯罪対策部長宮本和夫君、警察庁交通局長東川一君、総務省情報流通行政局郵政行政部長吉良裕臣君、法務省大臣官房司法法制部長深山卓也君、法務省民事局長倉吉敬君、法務省刑事局長大野恒太郎君、法務省矯正局長尾崎道明君、法務省保護局長坂井文雄君、法務省人権擁護局長富田善範君、法務省入国管理局長西川克行君、外務省大臣官房参事官石井正文君、財務省大臣官房審議官道盛大志郎君、文部科学省大臣官房審議官前川喜平君、文化庁文化財部長高杉重夫君、厚生労働省大臣官房審議官中尾昭弘君、防衛省防衛参事官枡田一彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山本幸三#2
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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山本幸三#3
○山本委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局大谷人事局長、小泉民事局長、小川刑事局長及び二本松家庭局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山本幸三#4
○山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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山本幸三#5
○山本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤池誠章君。
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赤池誠章#6
○赤池委員 自由民主党の赤池誠章です。
 法務行政は、共同体としての秩序を維持していくという、国家国民にとって大変重要な職務であります。
 昨日、森法務大臣は所信表明の中で、「司法は常に国民の視点に立って、その常識とともになければならない」「常識の通用する法務行政を着実に行っていく」との覚悟を表明なさいました。まさに至言、そのとおりであり、立法府の一員として、私も微力ではありますが力を尽くしてまいりたいと存じます。
 そのような中で、国民の視点、常識が通用する、そんな法務行政の中で、きょうは幾つかの懸念について御質問をさせていただきたいと思います。
 その懸念に共通しているというのは、世界百九十三カ国の多くの国々の中で、私たちのこの日本というのは、一番歴史が古くて長く続いた国であります。しかし、残念ながら、自分さえよければいいとか、今さえよければいいとか、人様にわからなければいいというような考え方が横行をしてしまっているのではないかということであります。
 特に、私たち政治家というものは、国民代表として法律をつくり、そして国家を守る中心的な役割を担っているわけであります。だからこそ、法をつくる者、法を犯すべからずと言われており、まさに法治国家の大前提となっているわけであります。
 その一方で、絶対権力は絶対腐敗するとも言われており、戦後、幾つかの疑獄事件が起こるたびに国民の政治不信が広がり、そのたびごとに政治改革が実行されてきたわけであります。その一連の改革を主導した中心人物が小沢一郎現民主党代表でありました。
 東京地検特捜部は、平成二十一年三月三日に、小沢一郎民主党代表公設秘書らを政治資金規正法違反で逮捕いたしました。これに対して、小沢民主党代表は記者会見の場で、このようなこの種の問題で今まで逮捕、強制捜査というやり方をした例は全くなかった、今回の検察の強制捜査は異常な手法と言い、衆議院選挙前のこの時期での逮捕は不公正な国家権力、検察権力の行使と、記者会見で批判を展開しております。
 それに対して、森法務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
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森英介#7
○森国務大臣 検察当局においては、常に法と証拠に基づいて、不偏不党かつ厳正公平を旨として、その捜査の対象がどなたであっても、刑事事件として取り上げるべきものがあればこれを取り上げて、適切に対処するものと承知しております。
 いろいろなお話もあったようでございますけれども、法務大臣たる私といたしましては、検察に全幅の信頼を置いておりまして、個別の事件の捜査や処理について検察を指揮することは毛頭考えておりません。今回の事件に関しても、指揮権を行使したことは一切ないということを断言申し上げます。
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赤池誠章#8
○赤池委員 小沢民主党代表が言っているように、今まで政治資金規正法で逮捕や強制捜査がなかったんでしょうか。その有無、そして、あれば、具体的な事例が挙げられるのであれば教えていただきたいと思いますし、選挙前であるから政治的意図を持って検察が独自捜査を展開するものかどうか、改めて法務当局の見解をお伺いしたいと思います。
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大野恒太郎#9
○大野政府参考人 政治資金規正法違反事件についてのお尋ねでありますけれども、法務省が把握している事例の中でも、これまで、収支報告書の虚偽記入の罪等で被疑者が逮捕され、起訴がなされた事案が複数ございます。
 例えば、政党支部の会計責任者が、市長らと共謀の上、実際には市長の資金管理団体において会社からの寄附の受領の禁止に違反して会社から寄附を受けたにもかかわらず、市長の資金管理団体の収支報告書にはその寄附を除外するなど虚偽記入し、一方で、政党支部の収支報告書に会社からの寄附があった旨虚偽記入するというような事件がございました。あるいは、市長の政治団体の会計責任者が収支報告書に虚偽の記入をしたという事件もございます。県会議員の政治団体の会計責任者が、ほかの者と共謀の上、収支報告書に虚偽の記入をしたという事件もございます。さらに、知事の政治団体の資金管理を統括する者が収支報告書に虚偽の記入をしたという事実もございます。
 こうした今申し上げた事例におきましては、いずれも、その会計責任者等が逮捕され、その後有罪が確定したものと承知しております。
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赤池誠章#10
○赤池委員 今、大臣また法務当局からの御見解、お話を聞かせていただきました。そういう面では、小沢民主党代表の発言がいかに間違っていたかということがよくわかったわけであります。
 小沢民主党代表初め民主党執行部の批判の根拠となっているのは、検察への基本的な認識だと思うんですね。それは、検察というのは行政組織の一つであり、時の内閣や政権与党の意向、つまり都合によってどうとでもなるものであるという考えだと思うんですね。
 そういう面では、検察庁とはそもそもどういう組織であるのか、検察の独立性、特に特捜部というものが今回タッチをしているわけでありますが、改めて法務当局の見解をお伺いしたいと思います。
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大野恒太郎#11
○大野政府参考人 最初に、検察庁の位置づけにつきまして御説明を申し上げます。
 検察庁は、検察庁法一条によりまして、検察官の事務を統括するところと規定されております。各省を初めとする一般の行政機関の場合には、基本的にその長たる大臣が所掌事務に関して有する権限をその職員が分掌し、あるいは補助していると言われておりますのに対しまして、検察庁の場合は、個々の検察官が法により定められた事務を取り扱う権限を有する、いわゆる独任制の官庁とされておりまして、検察庁は、そうした権限を有する個々の検察官が行う事務を統括するところとされているわけであります。そして、国家行政組織法上は、同法八条の三の規定する特別の機関として法務省に置かれることとされております。
 このように、検察庁につきましてほかの行政機関と異なる位置づけがされておりますのは、検察官が有する権限であります検察権は、その行使が司法権行使の前提となるために、司法権と密接不可分な関係にあり、司法権の独立を確保し、刑事司法の公正を期するためには、検察権の独立についても配慮を要すると考えられたからであると認識しております。
 この関係で重要なのが、法務大臣の指揮権との関係であります。検察はもとより行政機関でありますから、法務大臣の管理のもとにあるわけであります。しかし、検察庁法十四条は、検察権行使に関する法務大臣の一般的な指揮監督権は規定しているわけでありますけれども、同時に、個々の事件の取り調べや処分については検事総長のみを指揮することができるというように定めているわけであります。
 その趣旨は、具体的な事件の処理に関する検察権行使のあり方が、先ほど申し上げましたような司法権の独立や刑事司法の公正と密接に関係していることにかんがみまして、法務大臣の指揮権に一定の制約を加え、個々の検察官に対して直接の指揮はなし得ないという仕組みにしたものでございます。
 このような仕組みにおきまして、検察権が行政権に属することによる法務大臣の責任と検察権の独立性の要請との調和が図られているというように理解しているところでございます。
 委員の御質問の中にございました特別捜査部、特捜部でありますけれども、これは、法務省訓令であります検察庁事務章程によりまして、東京、大阪、名古屋の三つの地方検察庁に特別捜査部が置かれております。そして、財政経済関係事件それから検事正があらかじめ指定する事件等につきまして、その捜査や処分の決定に関する事務を所管することとされておりまして、いわゆる独自捜査等によって汚職、企業犯罪、脱税事件等の捜査を行っているものと承知しております。
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赤池誠章#12
○赤池委員 戦前は、いわゆる検事局というのが、裁判所の一部局ではないということなんですが、裁判所に附置されていたということでもありまして、今法務当局の説明があったとおり、そういう面での司法と行政の中間、まさに独立性があればこそ公益の代表者としての役割を担っているということではないかということであります。そういう面では、今回の小沢民主党代表の批判というのは全くそういった認識を欠いているということで不穏当きわまりないものでありますし、野党の中には、検事総長を喚問するという、司法府へのとんでもない挑戦ということではないのかなというふうに感じております。
 そういう面では、今回の一連の事件というのは、すべての検察官の正当な行為がどうかというのは、これは最終的には裁判所で判断されることでありますが、私たち政治家が考えなければならないのは、私自身、個人の法的な正当性という意味ではなくて、国民さらに国家に対しての影響、いわゆる政治責任ではないかというふうに思っております。
 世界的な大不況の中で多くの国民が苦境に陥っているときに、国民代表である政治家が違法行為をしたのかどうか、その中で、法律や予算、最も大事なものを議論せずに一体何をやっているのかというような国民からの視点、常識からの批判というものは大変大きいものがあるのではないかというふうに感じております。これは与野党、党派を超えて深刻に受けとめなければならない点だと思っておりますし、そういう面では、今回は、リーダーである政治家が腐敗し信頼されなくなったらまさに国家そのものが崩壊しかねない、そのことを、私自身、政治家の一人として自戒とともに恐れるものであります。
 次の質問に移りたいと思いますが、前回も質問をさせていただきました裁判員制度の点であります。
 今回、司法制度改革の大きな柱の一つということで、五年間の周知期間を経ていよいよ本年五月二十一日から始まるわけでありますが、昨年末には、全国各地約三十万人の方々に裁判員の候補者通知が行われております。最高裁のコールセンターには問い合わせが多数寄せられているということでありますので、候補者になった国民からの反応について、最高裁の方から教えていただきたいと思います。
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小川正持#13
○小川最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 昨年十一月の二十八日でございますが、全国で二十九万五千二十七人の方に裁判員名簿記載通知を送付させていただいたところでございます。名簿に登録された方からのお問い合わせに対しましては、十一月の二十九日から本年の一月三十一日までの間、最高裁の専用のコールセンターを設置して対応をさせていただいたところでございます。
 コールセンターの運用状況の概要を御紹介いたしますと、総受電数は約三万三千九百四十本でございました。これは、名簿記載通知を発送させていただいた方の約一一・五%の方からコールセンターにお電話をいただいたということになります。
 この内訳ですが、九八%、約三万三千二百十本の電話が相談と問い合わせです。それから、二%、約七百三十本、これが苦情その他となっております。
 相談、問い合わせの内容でございますが、おおよそ半数が辞退事由に関するもので、具体的には、どのような場合に辞退することができるのかという相談等が最も多く寄せられました。これに続くものとしては、個別的な辞退事由に関する相談等が多数寄せられましたが、中でも、法律上、辞退を希望すれば必ず認められる七十歳以上であることを理由とする辞退事由に関する質問が多数を占めました。
 また、お寄せいただいた苦情の内容としましては、この制度には反対であるとか、あるいは勝手に選ばないでほしいといった、制度そのものに対するものもございましたけれども、これは総受電数に占める割合としましては、それぞれ約〇・五%、約〇・三%程度にとどまったものでございます。
 コールセンターの照会状況から見ますと、候補者の方々の反応は比較的冷静なものであったように思っております。
 以上でございます。
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赤池誠章#14
○赤池委員 最高裁は冷静な対応だったというふうな認識なんですが、私自身としては、国民の不安というのは払拭した、周知が進んでいるというのは現状においても大変言いがたいのではないかということで、大変心配をしているところであります。
 森法務大臣も、所信表明の中で、より多くの国民の方々に、裁判員制度の意義を十分御理解いただいて、不安なく裁判員として参加していただくことができるよう、広報啓発活動を積極的に行うなど、引き続き全力を尽くすとおっしゃっているわけでありますが、ずっと私自身が気になっているのは裁判員制度の意義であります。
 国民は、意義あることであれば、多少の不満や不平があったとしても参加をしてくれるというふうに思っておりますが、意義自体に問題があれば、幾ら広報しても啓発しても、国民の理解は深まるどころか、逆に不満や不平、さらに不安が広がるばかりではないかというふうに思っております。
 前回も聞いたわけでありますが、改めて、裁判員制度の意義をどう国民に説明するのか、法務当局から再度御見解をいただきたいと思います。
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大野恒太郎#15
○大野政府参考人 裁判員制度は、広く国民が裁判の過程に参加し、その感覚が裁判の内容に反映されることにより、司法に対する国民の理解や支持が深まり、司法がより強固な国民基盤を得ることができるようになるという重要な意義があるものと考えております。加えまして、裁判が迅速に行われるようになるとともに、裁判の手続や判決が国民にとってわかりやすいものになることも期待されるわけであります。
 この点、もう少し具体的に申し上げますと、我が国の現在の刑事裁判は、基本的には国民の信頼を得ているものと認識しております。そして、刑事裁判の運営に当たる裁判官、検察官、弁護士の法曹三者におきましても、これまで国民の信頼を得るべく努力を重ねてきたわけでありますけれども、それでも、国民の意識、価値観が多様化し、社会が急速に変化する中で、裁判に時間がかかり過ぎる、あるいは時として裁判が国民の感覚に合わない、あるいは裁判の手続や内容がわかりにくいというような指摘がなされることがあるわけであります。
 そこで、今回、裁判員制度を導入することによりまして、国民の方々に裁判官とともに司法を担っていただくという重要な役割をお願いいたしまして、国民の良識や感覚を裁判に反映させることにより、司法に対する国民の理解や支持をより一層深めてもらえるのではないかと考えているわけであります。それによりまして、新しい時代に期待される、司法に期待される役割、身近で頼りがいのある司法を実現するというような大きな目的に資するところがあると考えるわけであります。
 また、職業や家庭を持つ国民の方々に裁判に参加していただくことができるようにするため、裁判が迅速に行われるようになり、また、裁判の手続、判決の内容が裁判員の方々にとってわかりやすいものとしなければいけないということから、国民にとってわかりやすい裁判が実現されることになるわけであります。
 さらに、裁判員制度の導入は、社会秩序や治安、あるいは犯罪の被害や人権というような問題につきまして、国民一人一人にかかわりのある問題としてお考えをいただく契機にもなるものと考えております。
 国民一人一人が、自分を取り巻く社会について、他人事ではなく自分たちのことだというように考えることにつながり、先ほど委員が御指摘されましたように、自分のことだけではなしに、社会全体がよりよいものになっていく、その足がかりになることが期待されているというように考えるわけでございます。
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赤池誠章#16
○赤池委員 司法を国民により身近で頼りがいのあるものにしたい、そのことに関してはどなたも異論がないことでありますが、問題はその中身だということだと思うんですね。
 国民の常識からいえば、司法を身近にする、頼りがいのあるものにする中身というのは、先ほど法務当局が言ったとおり、裁判を、よりわかりやすくて、早くて、国民感情に沿って執行してほしいというのはもちろんそのとおりだと思っています。しかし、そのために、裁判自体になぜ国民がみずから参加しなければそのことが実現できないかということに関して、ここに疑念が生じているのではないかと思っています。
 その根底には、私が考えるところ、間接民主主義より直接民主主義の方がよくて、アマチュアの方がプロよりも良識を発揮しやすいのではないか、そんな信仰があるような気がしてならないわけであります。特に、これだけ巨大化して複雑化して情報化が進んだこの現代国家の中で、直接民主主義やアマチュアが逆に弊害をもたらすということも指摘をされているところであります。
 そういう面では、これはもう五月ということに迫っているわけでありますが、私自身は、治安大国と言われる日本の中で国民の常識にはないことをさせようとしているこの裁判員制度導入というのは、世界的な不況の中で、改めて考え直して、これは一時的でも凍結も含めて検討する余地がまだまだあるのではないかということを考えております。
 続いて、時間がございませんが、国籍法の問題についても触れさせていただきたいと思っております。
 御承知のとおり、昨年、国籍法が改正をされまして、ことし一月から施行されているわけであります。そういう面で、現行の施行状況に関して法務当局からお伺いをしたいと思います。
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倉吉敬#17
○倉吉政府参考人 御指摘の改正国籍法、本年一月一日から施行されております。施行から二カ月が経過した二月末現在の数字でございますが、百十九件の届け出がありました。そのうち約半数の六十二件が、改正により新たに届け出が可能となった、父母が婚姻していない方であります。
 それから、既済、未済の関係ですが、二月末現在で四十一件が既済となっておりまして、これはいずれも国籍取得証明書を発行したというものであります。不受理のものは今のところない、残りが審査中という状況でございます。
 なお、この国籍取得届の届け出状況につきましては、月に一回、法務省のホームページに掲載することとしております。
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赤池誠章#18
○赤池委員 二カ月で申請が百十件を超えて、その半数が今回の改正国籍法に伴う結婚のない認知だということでありまして、大変多いということには驚いたわけであります。
 毎月公開されるということには、法務当局の御努力には大変敬意を表しますけれども、昨年にも中国人ブローカーによる偽装認知も起きております。不正認知防止のために、窓口となる法務局での審査の厳格化、警察や入管との連携強化が実施されているということではありますが、偽装認知を一件たりとも見過ごさない、見過ごすことがあるようであれば、改めてもう一度、国籍法の再改正も含めて考えていくべきだというふうに思っておりますし、DNA型鑑定の導入の検討も附帯決議に盛られているわけでありますから、その施行状況を見ながらしっかり検討をお願いしたいというふうに思っております。
 そして、重国籍者が現在五十三万人もいるという状況の中で、この重国籍者に対する対応ということも喫緊の課題ではないかというふうに思っております。重国籍者に対して、これは法務当局として、自主的な啓発のみならず、個別のアプローチ、手紙を出すとか、改めて催告という制度の中で選択を求める、つまり違法状態をそのまま法務省が放置しているということがないように、ぜひ引き続き強い措置をお願いしたいというふうに思います。
 最後に、駆け足になりましたが、人権擁護法のことに関しましてもお伺いをしたいというふうに思います。
 一点、本通常国会において人権擁護法案を提出するかどうか、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
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森英介#19
○森国務大臣 人権侵害による被害者の実効的救済を図ることなどを目的とする人権擁護法案については、人権擁護推進審議会の答申を踏まえたものでございますが、同答申を最大限に尊重すべきとした人権擁護施策推進法の附帯決議の趣旨に照らし、かかる目的を実現すべき法案の国会への提出を目指すべきものと考えております。
 しかしながら、法案の国会への提出については、与党内においてもさまざまな御意見があることから、その御議論を踏まえつつ、各般の御意見を承りながら真摯に検討を進めてまいりたいと思っております。
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赤池誠章#20
○赤池委員 ありがとうございました。十分な検討を与党の中でもしたいと思いますし、慎重な対応をお願いしたいと思います。
 以上、駆け足で質問をさせていただきましたが、改めて、先人たちから受け継がれたこのかけがえのない日本国をこれから生まれてくる子供たちに渡していくために、精いっぱい法務行政の中で御努力をお願いしたいと思いますし、私自身も頑張ってまいりたいと存じます。
 きょうはありがとうございました。
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山本幸三#21
○山本委員長 次に、矢野隆司君。
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矢野隆司#22
○矢野委員 おはようございます。自由民主党の矢野隆司でございます。
 昨年の十一月に続きまして、森法務大臣の所信に対する質疑をさせていただきます。また、佐藤剛男副大臣、そして早川忠孝大臣政務官にもよろしくお願いしたいと存じます。
 まず最初に、この国会に提出をされております在留管理制度の新設についてお尋ねをしたいと思います。
 過日の大臣の所信の中にも盛り込まれておりましたけれども、二十二万人いた不法残留外国人が、大臣の所信では本年一月には十一万三千人まで削減したということでございました。
 そこで、おさらいをするようで大変恐縮ですが、そもそも論ということで、これまでよく、不法滞在である外国人家族が入管法の違反などに問われると、公立学校に通うその御家族の子供さんの教育のためなどの理由で、法務大臣に対し在留特別許可を申し立てる事案が少なからずございました。今週もたまさか同じような事案があり、報道された次第でございますが、そもそもなぜ不法滞在の一家のお子さんが公立学校に通えるのか、その仕組みを教えていただきたいと思います。
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前川喜平#23
○前川政府参考人 外国人につきましては、その保護する子を公立の小中学校へ就学させることを希望する場合におきましては、国際人権規約等の規定によりまして、保護者もしくは本人の在留資格の有無のいかんを問わず無償で受け入れるということになっているわけでございます。
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矢野隆司#24
○矢野委員 大変簡潔に、わかりやすい御説明をありがとうございました。
 要は、国際人権規約という大原則があるということでございますが、さらに言えば、「在留の資格なし」という文言が明記された外国人登録証でも、学校に入学する就学時の居住地確認の際にはそれを地域の教育委員会等で確認のために提出して、提出するのか見せるのかいろいろあるんでしょうけれども、通用するというのがあるんだろうと思います。
 そこで、不法滞在を一方では取り締まる法務省が、不法残留外国人、正確には法では在留の法的根拠がない外国人と言うそうですが、こういった方々にも外国人登録を認めてきたからでありまして、これは昭和二十七年以来の外国人登録法第三条に、簡単に言えば、日本の土地を踏んでおる外国人は一定の期間のうちに外国人登録の申請をしなければならない、そして第五条で、市町村の長は登録した外国人には登録証を交付しなければならないと法で定めているからでございます。
 極論すれば、密入国であろうが不法残留であろうが、在留資格のいかんを問わずに外国人登録の申請が義務づけられているということに起因するのだろうと私は思っておりますけれども、しかも、この外国人登録法上の居住地というのは、私もきのういろいろ教えていただいたんですが、住居を示す言葉ではないので、これも極論すれば、極端な話、公園でも構わないという実態というか解釈もあるそうでございます。
 そこで、不法滞在が長期化しているがゆえに、こういった学校の問題とかさまざまな行政サービスでの問題、そういったことが起きているのだと思いますけれども、今回のこの在留管理制度の新設に絡む法案、この法案はこれらの問題を解消する仕組みをつくるものと理解をいたしますけれども、その辺のことを御説明いただきたいと思います。
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森英介#25
○森国務大臣 矢野委員御指摘のとおりでございまして、新たな在留管理制度は、外国人の公正な管理を行うため、外国人の在留状況に関し必要な情報を継続的に把握するとともに、在留期間の伸長等、適法に在留する外国人の利便性を向上させるための措置を講ずるものでございます。
 現在は不法滞在者にも外国人登録証明書が御指摘のとおり交付されておりますが、今後は、基本的身分事項、在留資格、在留期間等を記載した在留カードを、在留資格を持って我が国に中長期間適法に在留する外国人に交付することといたしております。
 また、これらの外国人の在留状況に関する情報を必要な範囲で住民行政を担当する市区町村に提供することによりまして、正規に在留する外国人が行政サービスを受ける機会を確保するとともに、これら外国人に、在留資格に応じて、身分関係等に変動があったときには入国管理局にその事実を届け出てもらうことといたしております。
 一言で言いますならば、適正に在住している外国人には便利に快適に暮らしていただく、一方、不法に滞在している方にはとにかくなるべく早く出ていってもらうということを明らかにするための法改正でございまして、これらの諸方策を通じて、不法滞在の発生や長期化の防止を図ってまいりたいと考えております。
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矢野隆司#26
○矢野委員 適正に在留しておられる外国人の方には、今大臣のお言葉では、便利に快適に過ごしていただくための仕組みづくりでもある、こういうことで、外国人登録証を廃止して在留カードに一元化するということだと思いますが、これは先ほど大臣の御答弁にもありましたが、何も管理することだけがねらいではない。
 たまさかといいますか、いみじくもといいますか、政府の犯罪対策会議が昨年十二月にまとめた犯罪に強い社会の実現のための行動計画二〇〇八では、外国人に対する生活支援の一つとして「ワンストップ型の総合相談窓口を設置する。」と書かれております。在留外国人に対し利便性向上が見込まれるということですが、その総合相談窓口等についての具体的な内容を教えていただきたいと思います。
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森英介#27
○森国務大臣 ワンストップ型の総合窓口のイメージでございますけれども、これは、入国管理局が外国人が集住する地方公共団体等と連携し、入国、在留手続等の入管手続のほか、生活に関する相談、情報提供を一つの窓口で行うことを予定しているものであります。
 この相談窓口は、平成二十一年度において、三つの自治体、すなわち東京都、埼玉県及び浜松市において開設予定でございます。
 その業務の実施については、外部への委託を予定しております。
 この総合相談窓口の開設により、外国人が在留するために必要とする各種情報の入手及び相談を一カ所で行うことが可能になり、定住する外国人の利便性の向上が図られるとともに、外国人が各種情報を得やすくなることなどによって、我が国での在留が安定化し、適正化が図られることを期待しております。
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矢野隆司#28
○矢野委員 済みません、通告外の質問になりますが、今大臣の方から東京、埼玉、浜松という地名が挙げられたんですが、関西というか西日本ではそういう窓口を設けるというお考えというか計画というのはないんでしょうか。
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西
西川克行#29
○西川政府参考人 お答え申し上げます。
 本年度の予算要求において開設場所と申請いたしましたのが東京、埼玉、浜松市ということでございまして、この運用の状況を見ながら、必要があれば、必要な地域にさらに拡大することを考えてまいりたいというふうに考えております。
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