科学技術・イノベーション推進特別委員会

2014-11-12 衆議院 全208発言

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会議録情報#0
平成二十六年十一月十二日(水曜日)
    午前九時一分開議
 出席委員
   委員長 清水鴻一郎君
   理事 石原 宏高君 理事 坂井  学君
   理事 馳   浩君 理事 三原 朝彦君
   理事 山本 幸三君 理事 小川 淳也君
   理事 岩永 裕貴君 理事 伊藤  渉君
      岩田 和親君    大串 正樹君
      大見  正君    加藤 寛治君
      勝沼 栄明君    神田 憲次君
      小林 茂樹君    小林 史明君
      小松  裕君    笹川 博義君
      瀬戸 隆一君    田中 良生君
      武村 展英君    渡海紀三朗君
      福田 達夫君    船橋 利実君
      前田 一男君    宮内 秀樹君
      村井 英樹君    八木 哲也君
      簗  和生君    山下 貴司君
      山田 賢司君    湯川 一行君
      大串 博志君    奥野総一郎君
      田嶋  要君    細野 豪志君
      前原 誠司君    鈴木 義弘君
      伊佐 進一君    輿水 恵一君
      三宅  博君    宮沢 隆仁君
      柏倉 祐司君    宮本 岳志君
      村上 史好君
    …………………………………
   国務大臣
   (科学技術政策担当)
   (宇宙政策担当)
   (情報通信技術(IT)政策担当)         山口 俊一君
   文部科学副大臣      丹羽 秀樹君
   防衛副大臣        左藤  章君
   内閣府大臣政務官     松本 洋平君
   文部科学大臣政務官   山本ともひろ君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  向井 治紀君
   政府参考人
   (内閣官房内閣参事官)  二宮 清治君
   政府参考人
   (内閣官房内閣情報調査室内閣衛星情報センター次長)            河邉 有二君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   倉持 隆雄君
   政府参考人
   (内閣府宇宙戦略室長)  小宮 義則君
   政府参考人
   (内閣府宇宙戦略室審議官)            中村 雅人君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房政策評価審議官)       岩瀬 公一君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           義本 博司君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           佐野  太君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           山脇 良雄君
   政府参考人
   (文部科学省科学技術・学術政策局科学技術・学術総括官)          村田 善則君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁次長) 高橋 泰三君
   政府参考人
   (特許庁長官)      伊藤  仁君
   政府参考人
   (気象庁地震火山部長)  関田 康雄君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房技術監) 外園 博一君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局次長) 山本 条太君
   衆議院調査局科学技術・イノベーション推進特別調査室長           行平 克也君
    —————————————
委員の異動
十一月十二日
 辞任         補欠選任
  大野敬太郎君     瀬戸 隆一君
  神田 憲次君     岩田 和親君
  宮内 秀樹君     小林 茂樹君
  宮崎 謙介君     勝沼 栄明君
  八木 哲也君     湯川 一行君
  山田 賢司君     笹川 博義君
  田嶋  要君     奥野総一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  岩田 和親君     大見  正君
  勝沼 栄明君     宮崎 謙介君
  小林 茂樹君     宮内 秀樹君
  笹川 博義君     山田 賢司君
  瀬戸 隆一君     大野敬太郎君
  湯川 一行君     八木 哲也君
  奥野総一郎君     田嶋  要君
同日
 辞任         補欠選任
  大見  正君     神田 憲次君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件
     ————◇—————
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清水鴻一郎#1
○清水委員長 これより会議を開きます。
 科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官向井治紀君、内閣官房内閣参事官二宮清治君、内閣官房内閣情報調査室内閣衛星情報センター次長河邉有二君、内閣府政策統括官倉持隆雄君、内閣府宇宙戦略室長小宮義則君、内閣府宇宙戦略室審議官中村雅人君、文部科学省大臣官房政策評価審議官岩瀬公一君、文部科学省大臣官房審議官義本博司君、文部科学省大臣官房審議官佐野太君、文部科学省大臣官房審議官山脇良雄君、文部科学省科学技術・学術政策局科学技術・学術総括官村田善則君、資源エネルギー庁次長高橋泰三君、特許庁長官伊藤仁君、気象庁地震火山部長関田康雄君、防衛省大臣官房技術監外園博一君及び防衛省防衛政策局次長山本条太君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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清水鴻一郎#2
○清水委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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清水鴻一郎#3
○清水委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林史明君。
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小林史明#4
○小林(史)委員 自由民主党の小林史明でございます。
 きょうは発言の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。理事各位の皆様に御礼を申し上げたいと思います。
 それでは、早速質問に移らせていただきたいと思います。
 今般、ノーベル賞に日本の科学者が三名も選ばれる機会がありました。大変喜ばしいことでありますので、これを機に、より一層科学技術の振興に我々は努めるべきだというふうに考えております。
 このようにノーベル賞を受賞できる科学者をしっかり輩出できる環境を整えるのが我々の責務だというふうに考えますので、今回、この環境に着目をして、何点か質問させていただきたいと思います。
 まず、受賞された三名のうちのお二人、赤崎さんと天野教授、このお二人の研究を支えたのは、JST、文部科学省の施策でつくられた団体だという認識をしております。その当時、石田調査員が教授のところに足を運んで、ぜひ民間と協力をして研究を進めるべきだと熱心に説得をされた結果、豊田合成との共同研究がスタートしたというふうに認識をしております。一九八五年でありますので、まだ私が二歳のころ、大分昔のころに始まった結果が、今しっかりと日の目を見たということであります。
 科学者と中小企業をしっかりつなぐこのマッチングの機能というのは大変重要だというふうに思いますし、今回は大きな成果を上げたわけですが、これから地方創生を考える意味では、やはり、地域の中小企業にしっかり目を光らせてその技術、シーズを拾い上げる、そして、なかなか出会うことのできない研究者とマッチングをさせる、こういう機能が大変重要になってくるというふうに思っております。
 今後、こういった策をしっかり文科省の方で用意しているのか、まずはお伺いしたいと思います。
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村田善則#5
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘をいただきましたとおり、今般のノーベル物理学賞受賞が決定しました赤崎教授の青色発光ダイオードの発明を企業による実用化に導くに当たりましては、JSTの目きき人材が重要な役割を果たしたところでございます。こうした研究成果と企業を結びつける機能というのは、非常に重要なものだと考えております。
 また、これもあわせて先生から御指摘をいただきましたが、地方創生のためには、地域の中小企業が全国や世界のマーケットで戦える高付加価値の製品を生み出すなど、地域経済の振興、雇用創出につなげていくということも大切であると認識してございます。
 文部科学省では、今後とも、こうした取り組みを支援するため、一つは、目きき人材が地域の中小企業のニーズをすくい上げた上で、地元の大学のみならず、全国の大学等のシーズとマッチングする取り組みの支援、それからもう一つは、大学、研究機関、企業が集積した研究開発・実証拠点を形成し、研究から事業化まで行う取り組みの支援、こういった取り組みを一体的に推進する、我が国の研究開発力を駆動力とした地方創生イニシアチブ事業を、来年度、二十七年度予算について、概算要求させていただいているところでございます。
 文部科学省といたしましては、こうした事業も含めて、地方創生の取り組みを支援してまいりたいというふうに考えております。
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小林史明#6
○小林(史)委員 ありがとうございます。
 私もいろいろな地方の中小企業の方とお会いをしますけれども、技術のある企業ほどこういう思いを持っていらっしゃいますが、一方で、悩ましいのは、どこの研究所もしくはどこの研究者が専門の研究を行っているのかがわからないという声もたくさんいただきます。ぜひ、しっかりと予算を確保して、そういった中小企業がイノベーションを起こせるように応援をしていただきたいと思います。
 一方で、もう一人の、中村氏の方に目を向けていきたいというふうに思います。
 今般、中村さんの発言がたくさん注目を浴びているわけですけれども、先ほどの赤崎教授はJSTが支えた、そして豊田合成が支えたということです。一方で、中村氏の場合は、所属をしていた日亜化学が支えたものだというふうに私は認識をしております。
 その内容が皆様に配付をさせていただいた記事に書いてあるわけでございまして、これは、中村氏の発言に対しての、裁判になりましたけれども、当時の日亜化学工業社長の見解が載っているものであります。
 先ほどのJSTの事業は、委託開発事業ということで、最初の事業費はJSTが出します、それで、失敗したら返さなくていいよ、成功したらしっかり費用を返していただいて、それプラスアルファ、ロイヤリティーを支払ってくださいという契約なわけですけれども、この日亜化学も、もちろん、研究員に対しては無償でしっかりと投資をしてさしあげて、その後、よくよく見ると、一枚目の右側ですが、当時、十一年間の合計で、同世代の一般社員よりも六千二百万円ほど上乗せして支給しているということですし、四十五歳での所得は二千万円弱だったと。これは、大変大きな給与をいただいているということがわかります。
 裏側に回りまして、二ページの大体中段あたりでございます。その当時、十億円の設備投資をやっておりますし、四億円はする機材を五台も買っているということで、それぐらい、この研究者のことをしっかり支えた、この研究を支えたのではないかなというふうに考えます。
 今般、職務発明制度について見直しの見解が出されております。その議論の中で、この中村教授の発言だけを捉えて、やはり個人をしっかり応援するべきじゃないか、企業に職務発明制度の特許を渡すのはどうなんだということがありますが、私としては、これは冷静に考えるべきだと考えます。
 実際の検討状況をお伺いしたいと思います。
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伊藤仁#7
○伊藤政府参考人 お答えいたします。
 先生御質問のとおり、職務発明制度でございますけれども、これは、企業や大学など、法人の中で従業員がその職務として行う発明について、その扱いを特許法三十五条で定めているものでございます。
 この職務発明制度につきましては、本年六月の閣議決定におきまして、日本再興戦略の中で、企業のメリットと発明者のインセンティブ、この二つが両立するような制度の改善を図るとされておりまして、現在、産業構造審議会のもとで御審議をいただいているところでございます。
 先月の審議会で、見直しの三つの方針案について御審議をいただきました。
 一つ目は、従業員に対しまして現行の法定の対価請求権と同等の権利を保障することを前提としつつ、二つ目に、発明のインセンティブに関する企業と従業員の間の調整のガイドラインを政府が策定した上で、三つ目として、職務発明に関する特許を受ける権利を初めから法人に帰属するということを審議していただいているところでございます。
 さまざまな意見がございますが、今後とも各方面の意見を審議会などで十分伺った上で具体的な制度案を検討していく、こういう段階にございます。
 以上でございます。
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小林史明#8
○小林(史)委員 ありがとうございます。
 これ以上の詳細はまた別の委員会で議論が進むものというふうに思いますので、お任せをしたいと思います。
 私自身も、企業に帰属するのは賛成だというふうに思っておりますが、一方で、必ずバランスをとらなければいけないのは、発明に対する対価をどういうふうに制度設計するか、ここが大変重要だというふうに思います。ともすると、やはり団体側からすると、なるべく企業に有利なようにという発言が多いかもしれませんけれども、このあたりはしっかり確保していただいて、研究者のモチベーションを高めるような制度設計にしていただくことをお願いしたいと思います。
 プラスアルファで、やはり、一般の方々、私も理系の端くれですけれども、特に理系の学生にもそういうことが伝わるように、皆さんのモチベーション、能力をこれから日本という国は評価をするんだ、そしてそれを発揮していただく一つの場所として企業があるんだという形でお伝えできるように、広報もしっかりお願いをしたいというふうに思います。
 さて、この議論の締めくくりとして、大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
 今回のノーベル賞受賞に当たって、このお三方が取り上げられる。大変重要なことだというふうに思います。
 一方で、これを支えた、先ほど申し上げたJSTや日亜化学、ここにももっとスポットライトが当たってもいいんじゃないか。
 さらには、日亜化学の社員さんが中村さんの研究を支えたという記事もたくさん出ていますし、社員さんの提案からこの特許が生まれたというような記載があります。そういった方々もできればマスコミに取り上げていただきたいわけですが、そういうわけにもいきませんので、大臣から少し、激励をするとか表彰してさしあげる、こういうことはいかがかなというふうに思います。
 この職務発明制度についての考えも含めて、大臣の御所見を伺いたいと思います。
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山口俊一#9
○山口国務大臣 先生の御指摘のとおりだと思います。
 実は私も、中村教授も日亜化学もよく知っておりまして、先般も中村教授ともお目にかかったわけですが、今回、文化勲章もお受けになって、大分考え方も落ちついてこられたのかなというふうな思いがします。
 おっしゃるとおりで、やはり、チームでしっかり頑張ったわけですね。会社としても、それをずっと支えてきた。
 とりわけ、さっき、まさに地方からというふうなお話がございました。今回私も大変うれしいのが、徳島大学を出て、しかも、地元の中小企業、まあ徳島では大きい企業なんですが、中小企業でああいうふうな成果を上げられた。非常にすばらしいことだと思っております。
 ちなみに、日亜化学の創業者のお話を聞いたことがあるんですが、どうやって優秀な研究者に地元に居ついてもらうか、就職してもらうか、聞きますと、やはり女性の力だとおっしゃっていました。というのも、中村教授の奥様が、どうしても徳島から離れたくない、徳島じゃないとだめだということで、中村教授が折れて、地元の会社に就職をしたと聞いております。
 そういったいろいろなことはあるんだろうと思いますが、確かにチームとして頑張ったわけでございますので、私も日亜化学の方にお電話をさせていただきまして、社長はお留守だったんですが、専務に、本当にすばらしかったですね、チームの皆さん方にもよろしくお伝えくださいというふうなお話はさせていただきました。そういったことは非常に大事だと思います。
 同時に、いわゆる職務発明の成果の件でございますが、これは先ほど答弁もございましたけれども、今、経産省の方で見直し作業が進んでおります。
 今回、確かに、いわゆる特許の問題が、企業にというふうなベースでやっておりますが、やはり、発明者あるいは従業員の方のインセンティブをいかに高めるかというのは最も大事な話でありますし、同時に、それがなければ企業にも優秀なそういった技術屋さん等が来てくれないわけで、そこら辺は、しっかりと双方が生かされるようにやっていきたいと思いますし、ガイドラインでどういうふうに書き込むかということが大変重要だと思います。
 これからも、発言すべきはしっかり発言をしながら、ちゃんとした制度になるように努めていきたいと思います。
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小林史明#10
○小林(史)委員 大臣、ありがとうございます。
 まさに御地元の方のお話でございますので、よくよく御存じのことだと思いますので、ぜひ御尽力をいただきたいというふうに思います。
 あわせて、今回、この中村さんの発言、たくさんいろいろお話があったわけですけれども、いろいろ読んでみますと、研究者がすばらしいイノベーションを生み出した後に大きな対価を得るチャンスがないじゃないかということが発言の要旨になっているのかなと思います。御本人も、最近は、やはり日本はベンチャーの制度が甘いんだということをおっしゃっているような感覚がいたします。
 要は、研究者が、新しい技術を生み出し、そこから独立をされて、また新たな研究をするところにお金が入ってきて、さまざまな方と一緒に新たなイノベーションを起こしていく、こういうことができれば、企業を飛び出しても、しっかりと対価を得る、得たいと思う方は得ることができますし、一方で、安定した職場の中で継続的に事業をやっていきたいという方はそういう選択ができると思いますので、さまざまな選択ができる環境を整えるのが大事なのではないかと思います。
 この分野は経産省の分野だと思いますので、せっかくですので、伊藤長官が来られておりますので、お願いをしておきたいというふうに思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、少し話題を移しまして、イノベーションという観点でいくと、安倍総理もこだわっていらっしゃるところですが、ICTの分野というのは大変重要なポイントになってまいります。山口大臣も大変造詣の深い分野だと思いますので、こちらについて少しお伺いをしたいと思います。
 最も注目が大きいと私が考えているのは、やはりマイナンバー制度のスタートであります。
 このスタートに当たっては、行政システムの効率化だけではなくて、サービスの充実、さらには民間への利用の開放も検討してありますので、新たな民間サービスの創出、こういったものの期待は非常に大きいというふうに考えておりますし、さまざまなITの事業者からも期待を伺っております。
 ただ、現状の制度設計では、この期待の効果は限定的だというふうに考えております。これは、随時拡大をしていかなければいけないと思いますし、見直しのチャンスがあるものですが、例えば、預金口座とか金融の分野、そして本丸はやはり医療の分野、こういったところにしっかり適用してビッグデータとして活用する、こういったことが重要になるわけですが、現在検討中のシステム、これが将来の設計に対してちゃんと対応できるものになっているかどうか、これをしっかり確認したいと思いますが、いかがでしょうか。
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向井治紀#11
○向井政府参考人 お答えいたします。
 マイナンバー制度は、より公平な社会保障制度や税制を実現するために、そのインフラといたしまして、まず、利用範囲を社会保障、税及び災害対策に関する行政事務に限定して導入するものでございますが、他方、マイナンバーの利用範囲拡大についての検討もしておりまして、本年六月に閣議決定されました日本再興戦略におきましては、金融、医療・介護・健康のいわゆる身体情報、それから、戸籍、旅券、自動車登録などの公共性の高い分野を中心に、マイナンバーの利用範囲の拡大の検討をしているところでございます。
 当然のことながら、こういうふうな利用範囲の拡大に当たりましては、現状準備しておりますシステム面におきましても十分な対応が必要と考えておりまして、これらについても、将来の制度拡大に容易に対応可能な設計とするようにしてまいりたいというふうに考えてございます。
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小林史明#12
○小林(史)委員 このシステムの設計に関しては、非常に多くの民間企業から心配の声が上がっておりますので、ぜひ、しっかりと、確認をいただいて、対応いただきたいというふうにお願いしたいと思います。
 一方、今度は、IT系ではなくて、マイナンバーを導入する側の一般の企業の方々と話をしていると、まだどんな対応が必要なのかわからないと。彼らにも法人ナンバーというのが振られますし、彼らの社員一人一人にはマイナンバーというものが振られて、それによって社内の業務も少し変わってくるわけでありますし、社内システムも変更が必要です。これをまだまだ知らない企業がたくさんあるというのは大変問題だというふうに思っておりますが、これはしっかり広報できているのか、確認をしたいと思います。
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向井治紀#13
○向井政府参考人 お答えいたします。
 マイナンバー制度は、来年十月に番号の通知、再来年の一月、一年二カ月後ぐらいには番号の利用を開始することとしてございます。これに向かいまして、官民を挙げて円滑な導入、定着に必要な準備を進めていただく必要があるものと考えております。
 特に、民間企業におきましては、例えば、従業員ないしアルバイト等のいわゆる給与の源泉徴収、これは、従業員からマイナンバーを聞いて、それを企業が税務署に出す、こういうスタイルになりますし、保険料につきましても、特別徴収については同様のこととなります。
 したがいまして、民間企業にもシステム改修等の対応をしていただく必要があるということでございますので、私どもとしては、できるだけ広報を進める必要があるということから、先月、十月でございますが、コールセンターを設置し、一般からの問い合わせに対応しておるほか、民間事業者向けの対応といたしまして、経団連等の経済団体等を通じました民間事業者への周知、広報の協力依頼を発出しております。また、関係府省と協力、連携いたしました民間事業者向けの説明会を実施するなど、広報については万全を期したいと思っておりますが、さらにより一層広報活動に注力してまいりたいというふうに考えております。
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小林史明#14
○小林(史)委員 ありがとうございます。
 しっかり頑張っていただきたいと思いますが、頑張るといっても、予算がないと頑張れないというふうに思いますので、そこの確保もしっかりしていただいて、多くの、特に地方の中小企業まで伝わるように広報をしっかり頑張っていただきたいと思いますし、やはりこのシステム改修にもお金がかかるわけですので、このあたりへの対応もしっかり検討いただいて、混乱のないように推進をしていただきたいというふうに思います。
 マイナンバーが導入をされて進んでいきますと、最終的には、このマイナンバーのデータを活用しようという話が出てくるわけであります。
 それに先立っての話だと思いますけれども、今既に民間事業者や国が持っている、行政が持っているパーソナルデータ、個人の重要なデータでありますが、こういったものを活用すればもっとビジネスが広がる、もしくは、サービスを効率化できるのではないか、こういう議論がずっと起こってきたわけであります。
 そういった中で、これからどんどんそれを促進していかなきゃいけないわけですけれども、まず最初に起こったのは、JR、このデータを別の業者に販売して活用していく、これによってマーケティングを分析していくんだ、こういうことを発表した瞬間に、多くの一般の方々から批判の声を浴びて、それは実現ができなくなってしまった。最近でいきますと、TSUTAYAさん、こういったところがパーソナルデータの活用をしますということでありますけれども、余り新聞記事にはなっていませんが、ネット上ではかなりの批判が殺到しているところであります。
 これからこのパーソナルデータを活用したイノベーションを起こしていくためには、やはり、しっかりとした利活用のルールを明確にして、一般の方にも納得いただいた上で、企業が積極的に参入できる、こういう環境をつくるべきだと思います。
 現在、個人情報保護法の整備の検討が進んでいるということですが、この検討状況をお伺いしたいと思います。
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向井治紀#15
○向井政府参考人 パーソナルデータの利活用につきましては、情報通信技術の進展に伴いまして、新たなビジネス、サービスの創出と国民の安全、安心の向上等につながるものといたしまして、政府の成長戦略におきましても、産業再興に資するものと位置づけられておるところでございます。
 一方で、現行の個人情報保護法が制定から十年が経過しておりまして、国民の個人情報等に対する認識も、先生御指摘のとおり、高まっておるというふうな状況でございますので、事業者がパーソナルデータの利活用にちゅうちょする、利活用の壁というふうなものが出現しているというのも事実であると認識しております。
 このような状況も踏まえまして、本年六月、IT総合戦略本部で、パーソナルデータに関する制度改正大綱を決定いたしまして、一方で、そういうICTの発展等に対応するような個人情報の保護、プライバシーの保護を図りつつ、一方で、さらに利活用を進めるような、パーソナルデータの利活用を推進するための法整備を行うとしたところでございます。
 これを受け、現在、来年の通常国会への法案提出に向け、具体的には、特定の個人を識別することを禁止するなど一定の条件のもとで、本人の同意なくデータを匿名化して利活用できることを可能とする枠組みの創設、一方で、パーソナルデータの保護と利活用をバランスよく推進するための独立した第三者機関の体制整備等を柱といたしまして、国際的に調和のとれた制度を整備するための法案作成作業を行っているところでございます。
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小林史明#16
○小林(史)委員 ありがとうございます。ぜひ、しっかり、バランスよく進めていただきたいと思います。
 この議論の締めくくりで、最後に大臣にお伺いをしたいと思っております。
 今回、この検討の結果として大綱が出てまいりまして、パーソナルデータを第三者機関で一元化をして管理するというふうに記載があります。
 これは大変すばらしいことなんですけれども、なぜこういう話が出るかというと、皆様に配付をしている資料のめくっていただいたところに「個人情報保護に関する法体系イメージ」というものがあります。
 これはピラミッド形になっているわけですけれども、まず左下であります。各事業分野での個人情報保護のガイドラインというのが、全部主務大臣ごとに区切られちゃっているんですね。これは縦割りになっている。これによって何が起こったかというと、前回の、ベネッセさんの名簿屋の事件であります。
 こういうなかなかグレーな、余りさわりたくないところは、皆さん、どこにも属さない。なので、それがエアポケットになってしまう。一方で、自分たちで管理したいところはしっかり握っている。こういう状況が起こっているわけでありますので、これを第三者機関で一元化しようという話であります。これは大変重要なことであります。
 これを、やはり大臣として、しっかりリーダーシップを発揮して、各省庁、横串を刺して、全部吸い上げて、しっかり一元化をする、こういったところに御尽力をいただきたいと思いますので、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
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山口俊一#17
○山口国務大臣 ただいまるる御指摘がございましたように、現行の個人情報保護制度の中で、民生部門に関する法律であります個人情報保護法、これは御指摘のとおり、各分野ごとに主務大臣を採用しておりまして、各主務大臣がその所管分野に属する事業者を監視、監督というふうな体制になっております。
 お話しのとおり、そういったことで、二十七分野も実は存在していまして、結果として、四十ものガイドラインがあるわけですね。
 ところが、御指摘いただいたベネッセのように、ではどこが所管しておるんですか、名簿事業者を。これは、たらい回しみたいになって、結局、事態に対する対応がなかなか進まなかったわけです。
 ある意味で、事業者が一つの事案に対して複数の省庁への対応が求められるということも実はございます。そういったことを踏まえまして、ただいま御指摘をいただきました。
 同時に、もう一つが、データが国境を越えて流通をする中で、フランスとかイギリスとかオーストラリアは、独立した第三者機関が個人情報を一元的に監視、監督をして、それらが各国を代表して国際的ないろいろな話し合いが行われておるわけですが、残念ながら、我が国にはそのような機関がございません。
 そういったことを受けて、これらの課題につきましては、パーソナルデータの利活用に関する制度改正大綱に対するパブリックコメントの中でも同じような指摘がかなりございました。現在、来年の通常国会への提出に向けて法案作成中でございますが、第三者機関による実効性のある体制整備というのをしっかりとつくっていきたいと思っております。
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小林史明#18
○小林(史)委員 ありがとうございます。
 ICTに造詣の深い大臣の重いお言葉だというふうに思いますので、ぜひ御尽力をいただきたいと思いますし、大臣の御答弁にもありましたが、やはりクラウドサービスというものが当たり前になっている時代の中で、データの所管の場所が国内だけにはとどまらないという時代がやってきているというのが現状でありますので、それにしっかり対応できる制度設計をお願いしたいというふうに思います。
 あわせて、もう一つお願いをさせていただきたいのは、このピラミッドの右下にあるパーソナルデータ、行政が持っているパーソナルデータ、これもしっかり吸い上げて、一元管理ができる体制設計をお願いしたいと思っています。
 病院、医療の分野に例えますと、国立病院は国の行政機関、青いところが持っているわけでありますし、自治体の病院は黄色いところが持っている。現状をお伺いしますと、それぞれ持っているデータが微妙に違うんですね。なので、これから医療をビッグデータとして解析をして、そして健康寿命を延ばしていこう、こういったことが日本として大変重要な課題なわけですが、それを活用するにもこれが邪魔になっているというのがやはり現状であります。
 ぜひ大臣にリーダーシップを発揮していただいて、ガイドラインをつくって、そして第三者機関でしっかりと管理をしていただくことをお願いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
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清水鴻一郎#19
○清水委員長 次に、伊佐進一君。
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伊佐進一#20
○伊佐委員 おはようございます。公明党の伊佐進一です。
 本日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
 きょう私が取り上げたいのは、日本の若手研究者に対する支援、あるいは現状がどうなっているかということについて質疑をさせていただきたいと思います。
 このたび、青色LEDということで、中村修二先生初め赤崎先生、天野先生、日本のこの三人がノーベル物理学賞を受賞されました。
 非常におめでたいことではありますが、決してこれは手放しでは喜んでいられない、そう思っております。といいますのは、このノーベル賞というのは、もう御案内のとおりで、日本の過去の成果に対する評価ということだと思います。
 お配りさせていただきました資料を見ていただきますと、これは日本がこれまでノーベル賞を受賞してきた実績をリスト化しておりますが、研究発表した年と受賞の年とでどれぐらいタイムラグがあるのか。近年の動きを見ていると、大体三十年から四十年ぐらいの差がある。山中先生、iPS細胞だけは六年後という非常に短い期間なんですが、通常は三十年、四十年前の研究成果に対して評価がなされる。例えば南部先生なんかは、二〇〇八年に受賞されておりますが、四十八年後、半世紀たって評価されるというような状況です。
 こういうことを考えますと、では今後、日本の未来を推しはかると、どういうような科学技術の分野で日本が発展をしていくか。これは、今の若手研究者を見れば将来の日本がわかる、そう思います。
 では、ちょっと幾つか資料を用意させていただきましたので、現在の若手研究者が置かれましたさまざまな状況というものを、次の二枚目の資料から説明をさせていただきます。
 まず、二枚目、資料二の左側、これは教員です。若手のポジション、赤色ですが、二十五歳から三十九歳、これがどんどんどんどん減ってきている、若手のポジションが減っている。
 次のページ、資料三を見ていただきますと、これはその年に博士号を取られた取得者の数です。これも平成十九年をピークに今どんどんどんどん減っているという傾向にあります。
 こうして研究者の数が減っている、若手が減っているというと、もちろん、少子化の影響があるんじゃないか、そういうような御意見もあるわけですが、資料四を見ていただきますと、左側、折れ線グラフになっていますのが進学率です。つまり、進学率ですので、人口当たりでどれぐらい博士課程に皆さんが進んでいるかというグラフですが、これを見ていただいても、少子化とは関係ない。人口当たりで見てみても、どんどんどんどん理系で博士課程に進んでいく人が減っているんです。これが今の日本の状況だ。
 もう一つ、最後、資料五を見ていただきますと、これは各国と比較してどうかというのが資料五です。見ていただいたら歴然でして、人口百万人当たりで博士号を取得する数というのは、米国よりも、ドイツ、フランス、イギリスよりも低い、韓国よりも低いというのが現在の日本の若手研究者の状況ということです。
 そこで、まず冒頭、質問です。
 こうした今の若手研究者の置かれた現状、これを政府は今どうごらんになっているか、まず伺いたいと思います。
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松本洋平#21
○松本大臣政務官 御質問にお答えをいたしたいと思います。
 図を使いまして大変わかりやすく現状の御説明をいただき、御指摘をいただきまして、ありがとうございます。
 我が国においては、御指摘のとおり、博士号の取得者及び博士課程進学者数が減少していることに加えまして、国際的にも博士号取得者数が少ないとの現状にあることは、我々国といたしましても承知をしているところであります。
 さらに、大学における本務教員のうち若手教員の割合が低下傾向にあるなど、将来の我が国の科学技術・イノベーションの担い手である若手研究者にとって大変厳しい状況にある、そういった認識をしているところであります。
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伊佐進一#22
○伊佐委員 政務官も認識していただいているとおり、非常に厳しい状況だ。
 もちろん、一つは、先ほど私の中でお話しさせていただいたとおり、まずポスト、教員、若手の研究者がつくポジションというのが非常に少ない。
 ちなみに、資料二の右側を見ていただくと、常勤で任期なし、いわゆる安定したポジションです。研究者で常勤、任期なしでどれぐらい若手がいるかというと、平成十九年、二二・五%、二十二年、さらに減って一七・九%。より不安定な状況になっているというのが現状です。
 こうした雇用への不安、博士課程に進んだとしても、果たしてポジションがあるのかどうか、働き口があるのかどうか、こういう不安がまず一つあるわけです。
 若手研究者の声を聞くと、もう一つ不安がある。
 先日、私、博士課程あるいは修士課程の学生、また若手研究者の皆さんと意見交換をさせていただきました。そこでいろいろな声がありました。
 少し紹介をさせていただきますと、生活が苦しい、アルバイトで勉強時間が余りとれない、あるいは、就職が年々困難となっていて、就職活動で研究に時間がとれない、あるいは、学部一年から博士まで九年間奨学金を借り続けたら、物すごい借金となってびっくりした、あるいは、三十代の博士課程の女性の方は、妊娠された、妊娠したけれども、本当に研究職で就職先が見つかるのか不安、保育園の入園でも、学生という身分が不利に働くんじゃないかと心配だ、そういうさまざまな不安の声をいただきました。
 これは大きく分けると二つだと思います。一つは、先ほど議論になりました、雇用、ポジションがない、もう一つは、経済的に苦しい、生活できないというのが今の若手研究者の状況だと思います。
 次の資料六、最後につけさせていただきましたが、この資料六を見ていただいてもわかりますとおり、これは何かというと、博士課程進学を考えたけれども結局就職したという人が、進学するときに何を考えたのか、何が重要だと思ったのか。結局、就職して、博士課程へ行かなかったわけですが、その理由が並んでおりますが、一番トップに挙がっているのは、経済的支援、生活が苦しいんだというところなんです。
 そこで、質問させていただきますと、日本の状況は非常に大変だ、では、ほかの国じゃどうなんだ。欧米の博士課程の学生はどうなっているか。例えば米国の大学院生に対してどういう経済的支援、どういう制度になっているか、わかる範囲で教えていただければと思います。
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義本博司#23
○義本政府参考人 お答えいたします。
 アメリカにおきます博士課程の学生に対する経済的な支援に対する御質問でございますけれども、特に理工系分野を中心にしまして、例えば、研究分野に専念できるよう奨学金を給付いたしますフェローシップ、それから、特定の研究分野の研究者を養成するために大学自身が支給しますトレーニーシップ、あるいは、研究の補助者として雇用しますリサーチアシスタントというふうな形で授業料あるいは生活費相当額を支援するというふうな制度がございまして、博士課程全体の学生の大体四割ぐらいをカバーしているということでございます。
 それから、あわせまして、教育の補助者として雇用いたしますティーチングアシスタントという学生が大体二割程度ございまして、授業料を支援しているというような状況でございます。
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伊佐進一#24
○伊佐委員 ありがとうございます。
 今おっしゃっていただいたとおりで、欧米の場合、まあアメリカの場合は、基本的に、学生といえども研究者扱いなわけですね。つまり、一人前の研究者としてラボの中で働いてもらっている、ティーチングアシスタントだったりリサーチアシスタントだったり。雇用契約の中できちんと給料が払われて、その中でみずからの研究もやっている、これが今のアメリカの状況だったと思います。
 日本はどうか。日本の博士課程の学生だって、ラボの中で一生懸命働いているわけですよ。さまざまな研究支援をやっている、活動をやっている。ところが、日本の場合は、よく言われますのは、雑用ばかりに使われて、ただ働きをさせられている、こういうような声も伺います。
 また、まさしくTAをされて、ティーチングアシスタントとして、労働の対価として払われている場合もあると聞いていますが、その場合でも、お給料をいただいているのは一年間で十万円というような状況だと伺っております。生活費には全くほど遠いわけです。
 もちろん、教授にしっかりついて、いろいろな雑用をしながら、その中でいろいろなものを学んでいく、こういう側面はあると思いますが、ただ、現実はなかなか自分のやりたい研究に打ち込めない、また生活が苦しいというのが今の学生の、若手研究者の状況です。
 先日、党内の、公明党の会議の中で、LEDで今回ノーベル賞受賞が決まりました天野先生に来ていただきました。そこで御講演いただきました。天野先生が御講演の中で一番強くおっしゃっていたのも、まさしくそこなんです。経済的支援をどうするんだという点でした。
 天野先生がおっしゃっていたのは、イノベーションの担い手になるのは若手人材だ、研究課題が行き詰まったときに、それを乗り越えていったのは若手の突破力なんだということをおっしゃっておりました。だからこそ、若手研究者、とりわけ博士課程の学生に経済的支援をお願いしたいということを強調されておりました。
 そこで、伺いますが、博士課程の学生向けに、今貸与は多少あると聞いていますが、給付という形、新たな給付金制度というものも検討すべきじゃないかと思います。もちろん、いきなり全員にというのは難しいかもしれませんが、少なくとも、例えば優秀な博士課程の学生には何らかの支援の充実ということを図るべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
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丹羽秀樹#25
○丹羽副大臣 先生おっしゃるように、研究開発における若手の人材の確保と育成というのは非常に重要なことだと考えております。そこの中で、優秀な学生が特に安心して大学院の博士課程を目指すことができるように、学生に対する給付型支援をさらに充実させていくことが重要かなというふうに思います。
 現在の科学技術基本計画においても、博士課程の学生の約二割が生活費相当程度の経済的支援を受給できることを目指しておりますが、しかしながら、現在、そのような支援を受けている学生はまだ約一割にとどまっております。
 これらもまだ改善しなきゃならない点があると思いますが、ここの中で、文部科学省は、優秀な博士課程の学生が研究に専念するため、特別研究員事業等による経済的支援、さらには、博士課程学生に生活費相当額の奨励金を給付できる博士課程教育リーディングプログラム事業を実施いたしております。
 今後とも、科学技術基本計画の目標値を目指して、意欲と能力のある学生が安心して大学院博士課程を目指すことができるように、経済的支援、やはり研究か生活かというと非常に難しいところでもございますので、そういったところをしっかり議論しながら進めていきたいと思います。
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伊佐進一#26
○伊佐委員 今後、しっかり、まず二割を目指してやっていただけるという決意を伺いました。ありがとうございます。
 今、若手のポジションの話と、そして経済的な支援の話をさせていただきました。もう一つ、若手を育てる、未来に向けて若手を育てていくという点で、研究資金について少し議論させていただきたいと思うんです。
 若手を育てていくときに、私、一つ大事なことは何かというと、若手の研究者が自立して研究を進めていく中で、その分野の先達、大先輩の方々から適時適切なアドバイス、指導を受けていくということも非常に大事なことだろうと思っております。
 先ほど申し上げた天野先生も、師匠の赤崎先生とともにノーベル賞を受賞されたということで、まさしく子弟で、二人三脚で成果を出されてノーベル賞に輝いたわけですが、赤崎先生の研究室に弟子である天野先生が入ったのは実は二十三歳、ノーベル賞受賞の理由になった論文を発表されたのは一九八六年、つまり天野先生はまだ二十六歳のときなんです。さらに、これでノーベル賞受賞になったわけですが、その論文で書かれたLEDを実際に実現したのは一九八九年ですので、天野先生は二十九歳です。つまり、受賞された天野先生、全部二十代の成果なんですよ。二十代でこれだけ結果を出されている。
 これだけ若いときに成果を上げられた天野先生に来ていただいたときにお話を伺うと、どうおっしゃっていたかというと、師匠である赤崎先生は好きなことをやらせてくれた、そして折々の大事なところで適切なアドバイスがあったんだ、こういう趣旨のことをおっしゃっておりました。
 そこで、若手の研究者が自立して研究をやっていくという中で、しっかりと先達の方々からアドバイスを受けられる、こういう制度が非常に重要だと思いますが、いかがでしょうか。
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村田善則#27
○村田政府参考人 お答え申し上げます。
 ただいまお話がございましたとおり、若手研究者の育成のためには、すぐれた指導者から適切なアドバイスを受けられる、大切なことだと認識してございます。
 文部科学省では、若手研究者が自立して研究に専念できる環境を整備しつつ、シニアの研究者のメンターから助言を得ることができるテニュアトラック普及・定着事業を推進してきたところでございます。
 また、若手研究者が自立してイノベーション志向の研究を行うさきがけ制度におきましては、研究総括を初めとしたシニアの研究者や同じ研究領域に参画する若手研究者が一堂に会し、研究成果や今後の方向性について議論を行うなど、研究実施過程で触発を受けることができる仕組みとなっているところでございます。
 文部科学省といたしましては、引き続き、こうした取り組みを通じ、若手研究者がその能力を発揮できる環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
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伊佐進一#28
○伊佐委員 テニュアトラック制度であるとか、さきがけについて触れていただきました。
 まさしく若手研究者のための研究資金の提供という例で今さきがけを挙げていただいたと思いますが、このさきがけも、非常に、これは若手研究者にとって物すごく評価が高かった、あれは本当にいい制度だという声をたくさん聞いていました。非常によかったと聞いていたと過去形で申し上げるのは、また後で理由は申し上げたいと思うんです。
 このさきがけというのは、一九九一年に創設をされて、三十人に三年間、毎年一千万円の研究費を渡して、さらに別途給与も渡す。これは、特に若手の研究者に対する資金、さきがけです。受けられている方の平均は三十五歳。一千万円は決して大きなお金ではないんですが、まとまった資金を受けて、自立して、自分の中でしっかりと研究を進めていくことができた。
 さらには、メンター制度というものがあって、きちんとそれを全部取りまとめるメンター、領域を取りまとめるメンター、三十人を取りまとめる相談役みたいな方がいて、この方が適時適切に全員を集めていろいろなアドバイスをしていくというものでした。このメンターは、本当に若手からも信望があるような方が選ばれておりまして、若手研究者が暴れ馬のようにいろいろなところを飛び回っているのを取りまとめる牧場主という言われ方をずっと若手の間ではされておりました。このメンター、牧場主、先達のアドバイスが非常にうまく回った例です。
 では、このさきがけ、九一年に創設されましたが、これまでの成果について伺いたいと思います。
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山脇良雄#29
○山脇政府参考人 さきがけの研究につきまして、研究面の成果といたしましては、世界に先駆けた光合成のたんぱくの構造解析の成功など、我が国発のイノベーションにつながる成果を上げているところでございます。
 また、このさきがけにつきましては、若手研究者の育成の観点からも成果を上げております。例えば、採択時には任期つきの職にあった研究者が、三年半の研究期間終了時には、任期のない、いわゆるテニュア職についた割合が約六〇%、それから、さきがけの研究者が研究期間の終了時までに助教から准教授のように昇進をした割合が約四〇%となっておりまして、若手研究者のキャリアアップにとっても大きく貢献をしているものと考えております。
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