法務委員会

2017-04-28 衆議院 全434発言

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会議録情報#0
平成二十九年四月二十八日(金曜日)
    午前九時七分開議
 出席委員
   委員長 鈴木 淳司君
   理事 今野 智博君 理事 土屋 正忠君
   理事 平口  洋君 理事 古川 禎久君
   理事 宮崎 政久君 理事 井出 庸生君
   理事 逢坂 誠二君 理事 國重  徹君
      赤枝 恒雄君    赤澤 亮正君
      秋本 真利君    穴見 陽一君
      安藤  裕君    井野 俊郎君
      池田 佳隆君    奥野 信亮君
      加藤 鮎子君    門  博文君
      神山 佐市君    菅家 一郎君
      城内  実君    國場幸之助君
      新谷 正義君    鈴木 貴子君
      辻  清人君    中川 郁子君
      野中  厚君    鳩山 二郎君
      藤原  崇君    古田 圭一君
      宮川 典子君    宮路 拓馬君
      八木 哲也君    山田 賢司君
      若狭  勝君    枝野 幸男君
      緒方林太郎君    階   猛君
      山尾志桜里君    浜地 雅一君
      吉田 宣弘君    畑野 君枝君
      藤野 保史君    松浪 健太君
      上西小百合君
    …………………………………
   法務大臣         金田 勝年君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長) 松本  純君
   法務副大臣        盛山 正仁君
   外務副大臣        岸  信夫君
   法務大臣政務官      井野 俊郎君
   外務大臣政務官      武井 俊輔君
   防衛大臣政務官      小林 鷹之君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 高木 勇人君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 白川 靖浩君
   政府参考人
   (警察庁刑事局組織犯罪対策部長)         中村  格君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    林  眞琴君
   政府参考人
   (法務省人権擁護局長)  萩本  修君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 飯島 俊郎君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局次長) 岡  真臣君
   法務委員会専門員     齋藤 育子君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十六日
 辞任         補欠選任
  吉野 正芳君     國場幸之助君
同月二十八日
 辞任         補欠選任
  城内  実君     穴見 陽一君
  國場幸之助君     八木 哲也君
  宮川 典子君     神山 佐市君
  宮路 拓馬君     加藤 鮎子君
  山尾志桜里君     緒方林太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  穴見 陽一君     城内  実君
  加藤 鮎子君     鳩山 二郎君
  神山 佐市君     新谷 正義君
  八木 哲也君     池田 佳隆君
  緒方林太郎君     山尾志桜里君
同日
 辞任         補欠選任
  池田 佳隆君     中川 郁子君
  新谷 正義君     宮川 典子君
  鳩山 二郎君     秋本 真利君
同日
 辞任         補欠選任
  秋本 真利君     赤枝 恒雄君
  中川 郁子君     國場幸之助君
同日
 辞任         補欠選任
  赤枝 恒雄君     宮路 拓馬君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第六四号)
     ――――◇―――――
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鈴木淳司#1
○鈴木委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官高木勇人君、警察庁長官官房審議官白川靖浩君、警察庁刑事局組織犯罪対策部長中村格君、法務省人権擁護局長萩本修君、外務省大臣官房参事官飯島俊郎君及び防衛省防衛政策局次長岡真臣君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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鈴木淳司#2
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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鈴木淳司#3
○鈴木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮崎政久君。
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宮崎政久#4
○宮崎(政)委員 おはようございます。自由民主党の宮崎政久です。
 法務委員会も、本日、このような形で開催ができる運びとなりました。
 前復興大臣の不適切な発言は、東北の皆様初め多くの方の信頼を失うこととなりました。私も、与党の一人として、改めておわびを申し上げますところであります。これからも被災地の皆様とともに復興を前進させていくために、今後とも緊張感を持って信頼の回復に取り組んでいくことをまずお誓い申し上げるものでございます。
 その上で、この法務委員会で組織的犯罪処罰法の改正案の審議を進めていく責務、当然私たちこの法務委員会に所属する議員としてございますので、理事、委員各位の皆様の御協力を改めてお願い申し上げるところでございます。
 さて、きょうは、前回の質疑で特に議論となっておりました、一般の方々はテロ等準備罪の捜査の対象にならない、この点について私は質疑を進めさせていただきたいと思っております。
 このフレーズというか、このことが最初どこから出てきたかということを言えば、過去に提出された共謀罪の法案と今回の組織的犯罪処罰法の改正案にあるテロ等準備罪は法形式が異なるということを説明する中で、つまり、犯罪の主体を団体から組織的犯罪集団に法文上も明確に限定したことにより、従前危惧されていた一般の団体であるとか一般の方々を取り締まりの対象としているものではない、こういう懸念への対応をした文脈でまず用いられてきたものと理解しております。
 順に確認をしていきたいと思います。
 まず、一般の方々はテロ等準備罪の捜査の対象とはならないという文脈において、この一般の方々というのはどういう意味でありましょうか。確認をさせてください。
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林眞琴#5
○林政府参考人 もちろん、一般の方々という言葉に定まった定義があるわけではなくて、使用される文脈によってその意味は異なると考えますけれども、本法律案の審議の過程で法務省が用いております一般の方々とは、本法律案の中でテロ等準備罪の犯罪主体を組織的犯罪集団に限定したということとの関係から、組織的犯罪集団とかかわりがない方々ということの意味でございます。
 言葉をかえれば、何らかの団体に属していない人はもとよりでございますが、通常の団体に属し、通常の社会生活を行っている方々という意味でございまして、そうした方々は、組織的犯罪集団、すなわち一定の重大な犯罪等を目的としているテロリズム集団、暴力団、薬物密売組織等とは無縁の生活を送っておられると考えられるわけでございまして、組織的犯罪集団に関与するということがないことはもちろん、また関与していると疑われることも考えられないということから、この一般の方々というのは組織的犯罪集団とかかわりがない方々という意味で用いているものでございます。
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宮崎政久#6
○宮崎(政)委員 もちろん、今御説明のとおりでありまして、法案の法文上の文言で出てきているというわけではなくて、今まで質疑の中の説明で用いていることの説明をしていただいているということを改めて確認したいと思います。
 次に、同じこの文脈においてということでありますけれども、捜査の対象とならないというのはどういう意味で使われているか、御説明をお願いします。
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林眞琴#7
○林政府参考人 この捜査の対象というものももちろん定まった定義があるわけではなくて、使用される文脈によってその意味は異なると思いますけれども、処罰の対象というものが限定されているということを踏まえた上で、その上で、この法務省が用いている意味における捜査の対象とならないというものは、テロ等準備罪の嫌疑を受けて被疑者として捜査の対象とされることはない、こういう意味でございます。
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宮崎政久#8
○宮崎(政)委員 そうすると、今の御説明を重ねますと、一般の方々はテロ等準備罪の捜査の対象とならない、こういうふうに、一つの文であるものをつなげますと、組織的犯罪集団とかかわりのない方々はテロ等準備罪の嫌疑を受けて被疑者として捜査の対象とはならない、こういう御説明になるかと思うわけでありますけれども、まず端的にお聞きしますが、なぜそう言い切れるのかというところを御説明ください。
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林眞琴#9
○林政府参考人 処罰範囲を限定する、法律の構成要件をつくる場合に、例えば一般の刑法犯のように犯罪の主体というものが限定されていない、例えば組織的犯罪集団に限定していない、こういった場合には、一般の方々も、犯罪が行われたという嫌疑があれば捜査の対象になろうかと思います。他方で、今回のテロ等準備罪におきましては、犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定いたしました。そのことによりまして、組織的犯罪集団に関与しているという嫌疑がなければ当該人物に対する捜査は行われないわけでございます。
 加えて、組織的犯罪集団とは、一定の重大な犯罪等を行うことを構成員の結合関係の基礎としての共同の目的とする団体ということでございますので、国内外の犯罪情勢等を考慮いたしますれば、テロリズム集団、暴力団、薬物密売組織など、違法行為を目的としている団体に限られまして、一般の方々がこれらとのかかわり合いを持つということは考えがたいわけでございます。
 したがいまして、組織的犯罪集団とのかかわりのない一般の方々、すなわち、何らかの団体に属していない人はもとよりでございますが、通常の団体に属して通常の社会生活を行っている方々はこのテロ等準備罪の捜査の対象とならないと考えておる次第でございます。
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宮崎政久#10
○宮崎(政)委員 今、定義も含めて御説明をいただいたかと思いますけれども、一般の方々、つまり、今の御説明の文脈でいえば要するに通常の社会生活を送っている方々でありますから、そういう皆さんが組織的犯罪集団とは無縁である、組織的犯罪集団とは無縁である以上、主体要件にかかわることがないということで、被疑者として捜査の対象にはならないということで、今、定義も含めて御説明いただいたところだというふうに思います。
 つまり、法案の条文の第六条の二に例示されているテロリズム集団その他の組織的犯罪集団、つまり、この委員会の中でも説明で出てきておりますけれども、テロ集団、暴力団、麻薬密売組織などの違法行為を目的とする団体に限られる組織的犯罪集団にかかわることなく通常の社会生活を送っておられる方々、つまり一般の方々が主体要件を満たすことはない、ゆえに被疑者として捜査の対象にはならない、こういう御説明であったかと思います。
 ただ、こういったことも考えられないでしょうか。例えば、テロ等準備罪について捜査があったり、捜査の結果でありますけれども起訴されて裁判になるというケースも考えられる。その後、それぞれ捜査であったり裁判の結果、テロ等準備罪を犯したとは証明されずに例えば不起訴になるとか裁判の結果で無罪になる、こういうことがあったという方がいたとする。
 この場合には、結果として不起訴や無罪になったという一般の方がテロ等準備罪の捜査の対象になっていたということになるんじゃないでしょうか。御説明をお願いします。
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林眞琴#11
○林政府参考人 今委員御指摘のような説明のもとで、文脈のもとで、結果的に無罪になった方、こういった者を一般の方々と呼ぶかどうか。
 これについては、それは文脈の中での言葉の使い方だろうと思いますけれども、一つ、テロ等準備罪に関する捜査の結果例えば不起訴となったり、裁判の結果無罪となったといたしましても、その理由はさまざまでございます。一概にそれが組織的犯罪集団とはかかわりのない方々とは言えないわけであります。例えば、暴力団員のように組織的犯罪集団の構成員であったといたしましても、今回のテロ等準備罪の捜査の中における具体的な犯罪の計画に関与していないことなどを理由としてテロ等準備罪が結果的に成立しないと判断されることはあり得るわけでございます。
 テロ等準備罪の捜査というものは、第一に組織的犯罪集団が関与する犯罪、第二に一定の重大な犯罪の計画行為、第三にその計画に基づく実行準備行為という三つの点について嫌疑がある場合に行われるものでございまして、例えば、およそ団体に属していない方、これはもとよりでございますが、通常の団体に属して通常の社会生活を行っている方々にそのような三つの点についての嫌疑が生じるということは考えられないと考えております。
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宮崎政久#12
○宮崎(政)委員 それでは、聞き方を少し変えてみたいと思いますけれども、例えば殺人であるとか窃盗であるとか、これを一般の犯罪類型と仮に言わせていただきますけれども、一般の犯罪類型については、当然のことでありますけれども、いわゆる通常の社会生活を営んでいるような方が罪を犯したりまた捜査の対象になるということは、これは通常あり得るわけであります。これに対して、テロ等準備罪における今までの説明によりますと、通常の社会生活を送っている人が捜査の対象になることはないというふうな説明なわけであります。
 今私が例を挙げた一般の犯罪類型に当たるものと今回審議の対象としているテロ等準備罪とは、何が違って、どういう論理からこの説明の違いが出てくると言えるのか、改めて説明をお願いします。
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林眞琴#13
○林政府参考人 御指摘のとおり、例えば犯罪主体の限定などが加えられていない一般の刑法犯等を想定いたしますと、これは、通常の社会生活を送っておられる方々もこういった主体の限定のない刑法犯、犯罪を犯す可能性はあるわけでございます。したがいまして、具体的な嫌疑を受けて、その場合に被疑者として捜査の対象となること、あるいはさらに処罰の対象となるということは当然あり得るわけでございます。
 しかし、今回のテロ等準備罪については、これについて、組織的犯罪集団の関与という要件を新たに設けておるわけでございます。テロ等準備罪を犯すためには、組織的犯罪集団、すなわちテロ組織、暴力団、薬物密売組織という違法行為を目的とする団体、こういった団体に属するなどした上で、一定の重大な犯罪の計画行為及びその実行準備行為を行う必要があるわけでございます。
 そのために、通常の社会生活を送っておられる方々、あるいは団体にすら属していないような方々、こういった方々とテロ等準備罪を犯すということとの間には、特に組織的犯罪集団という要件があることによって大きな隔たりがあるというふうに考えます。
 その点が、一般の刑法犯について、一般の方々が捜査の対象になるのか、処罰の対象になるのかというその御質問との関係でいえば、今回のテロ等準備罪は、そうした組織的犯罪集団の関与という要件を設けることによってそうした意味での一般の方々が対象とならないように、今回の構成要件にしたという次第でございます。
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宮崎政久#14
○宮崎(政)委員 テロリズム集団その他の組織的犯罪集団という定義を改めてしたことによる、のりの高さというか、そういったことの御説明をいただいたかと思います。
 もう少し聞き方を変えますと、今度は捜査の過程みたいなところから考えて御説明いただきたいと思います。
 テロ等準備罪の嫌疑が生ずると捜査が開始される。捜査を実施することで、犯罪の成否であったり、例えば起訴に値する程度に嫌疑があるかどうかということが調べられる。その結果、起訴に値するだけの嫌疑が例えばないということで起訴されない、これは裁定書の記載でどうなるかということは別にしまして、嫌疑なしとかそういうところはちょっと別に置いておきまして、起訴に値するだけの嫌疑がないとなって起訴がされないというような段階を踏んでいったということを考えてみる。
 そうすると、一度捜査の対象となったが起訴に値するだけの嫌疑がなく起訴されなかったという人の中で、その理由が組織的犯罪集団にかかわりがなかったことであったとした場合には、結果として一般の方が捜査の対象になっていたということになるのではないかと思いますけれども、この点の御説明をお願いいたします。
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林眞琴#15
○林政府参考人 その委員御指摘のような事案、例えば組織的犯罪集団に関与しているという嫌疑があり捜査の対象になったものの、捜査の結果または判決におきまして組織的犯罪集団にかかわりがなかったと認められて不起訴や無罪になる場合、こういったものはあり得ると考えます。そういった場合の捜査の対象になった方々、こういった方々を一般の方々と言うかどうか。
 これについては、先ほど申し上げたように、どのような文脈でそれを使うかということにかかわってくると思います。犯罪者、犯罪として成立を認められた者との比較において一般の方々と呼ぶことももちろん可能でございますし、それはその文脈の中での言葉の使い方であろうかと思います。
 しかし、このような方々を一般の方々と仮に呼ぶといたしましても、テロ等準備罪につきましては、先ほど来申し上げましたが、組織的犯罪集団の関与等の要件を設けたことによりまして、通常の社会生活を送っておられる方々、すなわち、団体にはそもそも属していないような方々はもちろんでございますが、通常の団体に属して通常の社会生活を行っているような方々、こういった方々とテロ等準備罪を犯すこととの間には大きな隔たりがあるわけでございます。
 御指摘のような場合があるといたしましても、犯罪主体を組織的犯罪集団に限定していない例えば他の犯罪の場合とは異なりまして、今回のテロ等準備罪におきましては、我々が一般の方々と言っている、すなわち、何らかの団体に属していない人、あるいは通常の団体に属し、通常の社会生活を送っている方々、こういった方々には具体的な嫌疑が生じて捜査の対象となるということは考えられませんし、処罰をされないということは、今回のテロ等準備罪において組織的犯罪集団という要件を設けたことによってそのようになるものと考えております。
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宮崎政久#16
○宮崎(政)委員 今の主体論、捜査の過程と主体論との関係で、前回の質疑の確認をちょっとさせていただきたいと思います。
 盛山副大臣に確認をさせていただきたいと思います。四月二十一日、前回の法務委員会での逢坂委員との質疑での御発言について確認をさせていただきます。
 副大臣の御答弁の中で、一般の方が実際の調査の対象になるということは大変限られていると思いますし、その次の、刑事訴訟法上の捜査となることも限られていると我々は考えているところでございます、こういう御答弁があります。
 一方、金田大臣の御答弁は、その日も、前回も含めてそうですけれども、組織的犯罪集団とかかわりがあるという嫌疑のある人について捜査をするものでありますから、一般の方々を捜査するものではない、この御答弁であるわけであります。
 この一般の方々について捜査の対象となるかということについて、きょう、少し整理をさせていただきましたけれども、盛山副大臣の方から、四月二十一日の答弁の御趣旨などを御説明いただきたいと思います。
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盛山正仁#17
○盛山副大臣 今、大臣の答弁と私の答弁の趣旨が違っているのではないか、こんなことでございましたが、これまでの委員と刑事局長とのやりとりで相当明らかになってきたと思いますが、大臣が答弁されているときにお使いになった一般の方々と、私が四月二十一日の答弁で申し上げた、グレーの人というふうに申し上げたかと思いますが、それをどういうふうに考えるかということかと思います。
 私は、逢坂議員からの御質問に対して、組織的犯罪集団に属している黒の人、これに属さない例えば白の人、そして、その間にある、嫌疑が生じたグレーの人、こういうふうに三つに分類して御答弁をいたしました。
 大臣が御答弁された一般の人々というのは、組織的犯罪集団とかかわりがない方々のことを言うと理解しております。私が答弁で申し上げた白の方というのがそれに当たると思います。
 これに対し、テロ等準備罪の嫌疑を生じた人を私はグレーの人というふうに言ったわけでございますけれども、大臣の答弁あるいは今の刑事局長の答弁にもありますとおり、テロ等準備罪の捜査は、第一に組織的犯罪集団が関与する犯罪であるかどうか、第二に一定の重大な犯罪の計画があるかどうか、第三にその計画に基づく実行準備行為があるか、こういう三点について嫌疑がある場合に初めて行われるものでございますので、通常の団体に属しまして通常の社会生活を送っている方々にそのような嫌疑が生じることは考えられないと思います。私も、先日の答弁の中で、グレーの人は全くの一般の方、真っ白な方とは違うと申し上げたつもりでございます。
 もっとも、私は、無罪推定の考え方によりまして、テロ等準備罪の嫌疑が生じたグレーの人も、黒と確定されるまでは白であり、一般の方と呼ぶことができるのではないかと考え、そういう方も捜査の対象となり得るという意味で答弁をしたものであります。
 なお、私は、そのように、白の人、グレーの人、一般の方々というふうに分けて説明をしたわけでございますが、犯罪主体を組織的犯罪集団に限定しない他の犯罪の場合とは異なり、テロ等準備罪におきましては、組織的犯罪集団とかかわりがない方々、すなわち、何らかの団体に属していない人はもとより、通常の団体に属し、通常の社会生活を送っている方々は捜査の対象とはならず、処罰されることはないと考えております。
 このような私の答弁が大臣の御答弁とそごしているように受け取られて、私も大変残念でございますけれども、その私の説明というか意図は大臣と全く同じでございます。誤解を与えたとしたら、まことに申しわけないと思っております。グレーな人にも、具体的な嫌疑が生じている以上、組織的犯罪集団とかかわりのない人ではないのですから、大臣が御答弁されているとおり、一般の方々には含まれないと考えていただければと思います。
 よろしくお願いします。
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宮崎政久#18
○宮崎(政)委員 ありがとうございます。
 同様に、井野政務官にも確認させていただきたいというふうに思います。
 同じく四月二十一日の答弁でありますけれども、政務官の方から、疑いがある段階ではあくまでもまだ一般の方々であり、それが、捜査の結果、これは組織的犯罪集団に属する人々だということになった段階で、組織的犯罪集団に属する方々になるという御答弁と、捜査の結果、それが組織的犯罪集団の方だったのか、そうでない一般の方だったのかということが言えるんだというふうに思います、嫌疑の段階では、まだ捜査中でありますので、確定的には申し上げることができないということであります、こういう御答弁をいただいているところであります。
 あわせて、きょう、法文の言葉ではありませんけれども、一般の方々がテロ等準備罪捜査の対象にならないというようなことの議論と大臣の御答弁との整合性について御説明をお願いいたします。
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井野俊郎#19
○井野大臣政務官 御答弁申し上げます。
 四月二十一日の法務委員会での答弁についてでございますけれども、先ほど宮崎先生が御紹介していただいたとおり、一般論として、刑事手続においては、黒か白かの未確定の段階でこれを黒と言うわけにはいかないので、その点、申し上げられないというふうに答弁したつもりでございます。
 いずれにしても、先ほど刑事局長、副大臣が答弁したとおり、テロ等準備罪においては、我々がこれまで一般の方々と言ってきた、組織的犯罪集団とかかわりのない方々、すなわち、何らかの団体に属していない人はもとより、通常の団体に属し、通常の社会生活を送っている方々は、そもそも主体の限定の観点から捜査の対象にはならないし、処罰をされないというふうに考えております。
 いずれにしても、そういった意味では、捜査の対象で、組織的犯罪集団とかかわりのある方々は、通常、大臣が答弁されているとおり、一般の方々とは違う位置づけになるのかなというふうに考えているところでございます。
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宮崎政久#20
○宮崎(政)委員 きょう、改めて、このことだけに限って質疑をさせていただきました。
 お聞きいただいて、組織的犯罪集団というものの取り上げ、定義、のりの高さと私は先ほど申し上げましたけれども、そういうこともぜひ御理解いただきたいし、また、この委員会でも質疑がされている点でもあります。
 一定の重大な犯罪などを目的としているテロリズム集団、暴力団、麻薬密売組織のようなものが組織的犯罪集団でありまして、これがテロ等準備罪の主体であり、三つの要件でよく出てきますけれども、主体の要件、計画、そして計画に基づき、かつ計画と別の実行準備行為という三要件の主体の部分でありますので、この主体として想定されている者が、普通に、市井の生活というんでしょうか、一般的な社会生活を営んでいるような方々と縁があるわけではないということを含めて、従前の法案との対比の説明もしていただいたということだと理解をしているところでございます。こういったところもしっかりと国民の皆様に御理解いただきたいということをお願い申し上げまして、私の質疑を終えさせていただきます。
 ありがとうございました。
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鈴木淳司#21
○鈴木委員長 次に、平口洋君。
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平口洋#22
○平口委員 このたびの法案は組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案というものでございますが、その大もとになった条約、すなわち国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約、いわゆるパレルモ条約あるいはTOC条約について、外務省にまずお伺いをしたいと思います。
 まず、対象犯罪をリスト化、つまり限定してかかるということはTOC条約上許されるものであるかどうか、それについてお伺いをいたします。
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飯島俊郎#23
○飯島政府参考人 お答え申し上げます。
 本法案の立案に当たりましては、過去の国会審議等において受けたさまざまな御指摘を踏まえ、政府として真摯に検討を重ね、その結果として、今回、一般の方々が処罰の対象とならないことを明確にするという観点等から、本条約が認めるオプションを活用するという新しいアプローチでテロ等準備罪を立案いたしております。
 すなわち、法文上犯罪主体が組織的犯罪集団に限られることを明記した上で、対象犯罪につきましても、組織的犯罪集団が関与することが現実的に想定される重大な犯罪に限定することとしたものでございます。
 このようなテロ等準備罪の対象犯罪の限定は、本条約が対象犯罪を組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪に限定することを条約上のオプションとして締約国に認めていることを活用したものであり、条約の義務を履行できるものと考えております。
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平口洋#24
○平口委員 限定してかかることは許されるということを確認したいと思います。
 次に、同じく外務省ですが、主要先進国の中で、テロ等準備罪の対象を、長期四年以上の自由刑が定められている罪よりも刑を狭くしている、つまり刑を引き上げるなど狭くしている国はあるかどうか、それについてお伺いをしたいと思います。
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飯島俊郎#25
○飯島政府参考人 お答え申し上げます。
 一般に、他国が条約を国内で実施するに当たりましていかなる立法措置を講じているかについて我が国として必ずしも網羅的にその詳細を承知しているわけではございませんが、その上で申し上げますと、G7各国のうち重大な犯罪の合意罪を犯罪化している米国、英国及びカナダにおきましては、いずれも対象犯罪について法定刑による限定を行っておらず、本条約に言う重大な犯罪よりも広い範囲を対象犯罪としていると承知しております。
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平口洋#26
○平口委員 自由刑が定められている罪よりも狭くしている国はないということで理解したいと思います。
 次に、同じく外務省にお伺いしたいんですが、TOC条約締結のためには合意罪かあるいは参加罪というものを設ける必要があるのでございますが、主要先進国の国内担保法の状況はどうなっているのか、お伺いをしたいと思います。
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飯島俊郎#27
○飯島政府参考人 お答え申し上げます。
 各国の法制の内容につきましては、各国の法令そのものの規定ぶりのみならず、実際の運用や背景を含めて全体像の中で検討する必要があり、これを我が国政府として一概に論ずることは困難なところがございますが、その上で申し上げますと、OECD加盟国全てに対して照会を行いましたところ、我が国を除くOECD加盟国三十四カ国の全てから、重大な犯罪の合意または組織的犯罪集団への参加の一方または双方を犯罪化しているとの回答がございました。
 また、これらのOECD加盟国のうち、本条約の締結に伴い新たな立法を行って合意罪または参加罪を創設したと回答した国はオーストリア、カナダ、ニュージーランド、ノルウェーの四カ国であり、それ以外の大部分の国は、従前から必要な国内法を有していたため、新たに犯罪化を行う必要がなかったものと承知しております。
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平口洋#28
○平口委員 OECD三十四カ国のほとんど全てが国内担保法があるということで理解をしたいと思います。
 外務省はどうもありがとうございました。
 そこで、次に法務省にお伺いしたいのですが、TOC条約を実施するため、組織的な犯罪処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第六条の二のテロリズム集団その他の組織的犯罪集団による実行準備行為を伴う重大犯罪の遂行の計画というものについてです。
 まず、テロ等準備罪の対象犯罪は、従前の六百七十六から今般二百七十七に絞ったというふうに言っておりますが、どのような基準により選んだのか、御説明いただきたいと思います。
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金田勝年#29
○金田国務大臣 平口委員から御指摘がございました質問にお答えをいたします。
 ただいま外務省から説明がございました国際組織犯罪防止条約は、重大な犯罪の合意の犯罪化に当たりまして、締約国に対し、国内担保法上組織的な犯罪集団が関与するものとの要件を付すことを認めているわけであります。
 この要件を付した場合には、犯罪化が義務づけられる合意の対象は組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪となることから、組織的な犯罪集団が関与することが現実的に想定される罪を重大な犯罪の合意罪の対象とすれば、本条約の義務を履行する上で問題ないと解されているものと承知をするわけであります。
 そこで、このような解釈に基づきまして、長期四年以上の懲役、禁錮に当たる罪のうち、犯罪の主体、客体、行為の態様、犯罪が成立し得る状況、現実の犯罪情勢等に照らしまして、組織的犯罪集団が実行を計画することが現実的に想定されるか否かという基準によりましてテロ等準備罪の対象犯罪を選択しまして、本法案により新設することとした証人買収罪を除きまして二百七十七個としたものであります。
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