国土交通委員会

2020-11-26 参議院 全162発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
令和二年十一月二十六日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     岩本 剛人君     世耕 弘成君
     熊谷 裕人君     蓮   舫君
 十一月二十四日
    辞任         補欠選任
     清水 真人君     櫻井  充君
     世耕 弘成君     岩本 剛人君
     蓮   舫君     熊谷 裕人君
 十一月二十五日
    辞任         補欠選任
     櫻井  充君     清水 真人君
     西田 実仁君     里見 隆治君
 十一月二十六日
    辞任         補欠選任
     里見 隆治君     西田 実仁君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         江崎  孝君
    理 事
                足立 敏之君
                大野 泰正君
                青木  愛君
                杉  久武君
                浜口  誠君
    委 員
                青木 一彦君
                朝日健太郎君
                岩井 茂樹君
                岩本 剛人君
                金子原二郎君
                清水 真人君
                末松 信介君
                鶴保 庸介君
                牧野たかお君
                増子 輝彦君
                熊谷 裕人君
                野田 国義君
                森屋  隆君
                里見 隆治君
                竹内 真二君
                西田 実仁君
                室井 邦彦君
                榛葉賀津也君
                武田 良介君
                木村 英子君
   国務大臣
       国土交通大臣   赤羽 一嘉君
   副大臣
       財務副大臣    伊藤  渉君
       国土交通副大臣  岩井 茂樹君
   大臣政務官
       国土交通大臣政
       務官       朝日健太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  浩之君
   政府参考人
       総務省大臣官房
       審議官      川窪 俊広君
       財務省主計局次
       長        角田  隆君
       国土交通省大臣
       官房長      水嶋  智君
       国土交通省大臣
       官房公共交通・
       物流政策審議官  久保田雅晴君
       国土交通省大臣
       官房技術審議官  東川 直正君
       国土交通省総合
       政策局長     石田  優君
       国土交通省国土
       政策局長     中原  淳君
       国土交通省不動
       産・建設経済局
       長        青木 由行君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        井上 智夫君
       国土交通省道路
       局長       吉岡 幹夫君
       国土交通省鉄道
       局長       上原  淳君
       国土交通省自動
       車局長      秡川 直也君
       国土交通省航空
       局長       和田 浩一君
       国土交通省北海
       道局長      後藤 貞二君
       観光庁長官    蒲生 篤実君
       気象庁長官    関田 康雄君
       海上保安庁長官  奥島 高弘君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国土の整備、交通政策の推進等に関する調査
 (流域治水の在り方に関する件)
 (防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急
 対策後の取組に関する件)
 (中央自動車道の跨道橋の耐震補強工事施工不
 良に関する件)
 (公共交通の維持・確保に関する件)
 (Go To トラベル事業に関する件)
 (バリアフリーの地域格差の解消に関する件)
 (民族共生象徴空間に関する件)
 (一般会計から自動車安全特別会計への繰戻し
 に関する件)
 (ユニバーサルデザインタクシーに関する件)
    ─────────────
この発言だけを見る →
江崎孝#1
○委員長(江崎孝君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告をいたします。
 昨日、西田実仁君が委員を辞任され、その補欠として里見隆治君が選任されました。
    ─────────────
この発言だけを見る →
江崎孝#2
○委員長(江崎孝君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、総務省大臣官房審議官川窪俊広君外十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
江崎孝#3
○委員長(江崎孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
この発言だけを見る →
江崎孝#4
○委員長(江崎孝君) 国土の整備、交通政策の推進等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →
大野泰正#5
○大野泰正君 おはようございます。自由民主党の大野泰正でございます。
 本日は、皆様の御理解の下、質問の機会をいただいたこと、誠に感謝を申し上げたいと思います。
 それでは、早速質問に入らせていただきますが、その前に、まずは、今般の新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられました皆様に改めてお悔やみを申し上げますとともに、今まさに闘病中の皆様の御回復を心よりお祈りいたしております。また、様々な形で被害を受けている皆様に心よりお見舞いを申し上げます。そして、何より、この新型コロナウイルス禍の中、国民の生命と暮らしを守り、我が国経済を支えるために献身的にその責任を果たしていただいている全てのエッセンシャルワーカーの皆様に心から敬意と感謝を申し上げます。
 また、近年は何十年に一度という豪雨が毎年のように降り、今年も大きな被害が出ました。亡くなられた皆様の御冥福と被災された皆様にお見舞いを申し上げ、質問に入らせていただきたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。
 菅総理の所信表明演説において、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、二〇五〇年カーボンニュートラル実現を目指すことが宣言されました。実現に向けては、国全体の明確な方針を示し、オールジャパンでの取組にしていくことが重要であります。
 こうした中で、交通、物流といった運輸部門や家庭などの民生部門が我が国のCO2総排出量の約五割を占めている状況に鑑みると、カーボンニュートラルを実現する上で国土交通省が果たす役割は非常に大きいものがあると言えます。国民の暮らし、経済の基盤を支える国土交通省が関わる幅広い分野において、産学官がしっかりと連携を取って、オールジャパンで一層の省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの活用等を進めることが重要なことは間違いありません。
 そのためには、菅総理が言及されたように、あしき前例や縦割りの排除が大切であります。今日までの取組の延長線ではなく、全体を俯瞰した上での国交省としての役割を改めてしっかりと見詰め直し、オールジャパンで取り組むため、国交省として、組織の在り方を含め、一二〇%の力を発揮できる体制づくりをしなくては掛け声倒れになってしまいます。
 実現に向けた確かな歩みを進めるために、二〇五〇年カーボンニュートラルに対する赤羽大臣の受け止めと、その実現に向けた意気込みを伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
赤羽一嘉#6
○国務大臣(赤羽一嘉君) 御質問ありがとうございます。
 私の私見になるかもしれませんが、これまで、環境問題と経済問題というのは相対立する関係で捉えられた傾向があったと思います。
 しかし、近年のこれだけ激甚災害が頻発化する、また、本当に、気候変動による影響でと私も答弁で繰り返しておりますが、最近は、こうしたことが気候変動というよりも気候危機の状況に陥っていると、全ての生き物の生存基盤自体が脅かされるような状況であるという認識に立たなければいけないのではないかと。恐らく、そうしたことで菅総理大臣の所信の中で二〇五〇年カーボンニュートラルと。
 これは、これまでの状況でありますと、相当経済界から反対をされるですとか、そのもの自体も相当チャレンジングで、これを公約にするということは政治家としては大変大きなリスクも伴うというようなことで、ここまではっきり言い切られた政権というのはなかったのではないかと思いますが、総理がそうしたことを決意をされ、政権の一員としてそれはしっかりと呼吸を合わせてやっていかなければいけないと、こう思っております。
 加えて、国土交通省は、今御指摘のように、運輸、また民生部門と、大変排気量の大きな部門を抱えておりますので、我々がどれだけ真剣に取り組めるのかというのは大変政権公約に関わってくるという自覚で取り組まなければいけないと。具体的には、電気自動車ですとか燃料電池自動車等の次世代自動車の普及ですとか、また、公共交通を利用促進をしていただいてマイカーの削減に努めるですとか、また、住宅自体も省エネ住宅、ZEH等々ありますが、これは経済産業省と、梶山大臣とともに連携をしながらやっていこうというような話ももう既にさせていただいております。
 また、港湾ですとか下水道といった社会インフラも活用して、再エネですとか水素等の次世代エネルギーの利活用も進めていくこともできると思います。具体的には、今、経産省と連携しながら、なかなかこれ洋上風力発電、これまでなかなかスタートをしてこれませんでしたが、しっかりとした港湾を基地として改良を進めることで、業界というだけじゃなくて経済界全体がこの洋上風力いよいよ本気になったということで、大きな動きになっていると思います。
 また、水素等の次世代エネルギーにつきましても、水素サプライチェーンにまず必要な液化水素の海上輸送の体制の確立に取り組むとともに、海事局でもゼロエミッション船の開発、実用化の加速等々を具体的に進めております。
 本当に、縦割りではなくて、各局、加えて他の省とも連携をしながら、これは、二〇五〇年のゼロというのは各省の全ての共通の公約だという意識の下で取り組むことが何より大事だと思っておりますので、繰り返しになりますが、国土交通省としても、置いていかれないようにというよりも、積極的にトップランナーとして引っ張っていけるように頑張っていきたいと思っております。
この発言だけを見る →
大野泰正#7
○大野泰正君 大臣、ありがとうございます。
 大変意気込みが伝わってまいりました。どうかみんなで頑張っていきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
 次に入ります。
 頻発する大規模災害や感染症の拡大、東京一極集中など、我が国が現在直面しているリスクに対応していくため、ハード、ソフト両面から国土の在り方を見直し、災害に強くしなやかで安心、安全な国土をつくっていくことが求められていますが、その取組方針について伺っていきたいと思います。
 今日、頻発、激甚化する災害から国民の生命、財産を守るため、三か年で防災・減災、国土強靱化のための緊急対策に取り組んでいただいておりますが、今年も、私の地元岐阜県では、豪雨により大きな被害に見舞われました。また、九州では更に厳しい状況で、尊い命が奪われました。しかしながら、平成三十年七月豪雨で大きな被害を受けた私どもの岐阜県の津保川においては、その後三か年緊急対策を実施していただいた結果、本年七月豪雨においては水位を下げることができ、被害を逃れることができました。緊急対策の効果が確実に表れていることに、地元からは感謝の声が寄せられています。
 今年度はその最終年度に当たります。しかしながら、まだまだ対策を講じなくては国民の生命を守れないことは間違いありません。真の強靱化のためには、今後も中長期的な視点を持って対策を計画的に進める必要があります。
 先週総理から指示のあった経済対策においては、十五か月予算の考え方の下、第三次補正予算において防災・減災、国土強靱化を機動的、弾力的にしっかりと進めるとの考えが示されました。三か年緊急対策後の対策については、経済対策として補正予算で措置するという考え方もあれば、計画的に取組を進める観点から当初予算において別枠で措置するという考え方もあります。
 私は、国土強靱化は一朝一夕にできない中で、中長期的に計画的に取り組む必要性とともに、地域を守る皆様が将来的な見通しを持って計画的に事業を維持継続できるようにしなくては、いざというときの地域を守る担い手がいなくなってしまいます。
 災害時の映像で、自衛隊が派遣され、各地域に安心と希望を届けていますが、自衛隊の皆様が被災地に入ってくる、その道を啓開しているのは地元の皆様だということを忘れてはなりません。その人たちは、テレビに映ることはありません。
 着実に国土強靱化事業を進めるだけでなく、地域の担い手を守り育てる観点から、雇用なども計画的に、そして事業を継続していただくために、当初予算において別枠で私は措置することこそが事業者に対し安心と計画性を示すことに大変大切なことだと思いますが、国土交通大臣のお考えをお聞きいたします。
この発言だけを見る →
赤羽一嘉#8
○国務大臣(赤羽一嘉君) 私、昨年の九月十一日に国土交通大臣を拝命いたしましたが、まさにその日は台風十五号が横浜、千葉に上陸をした直後でございました。以来、十七号、十九号等々で計三十回以上、この激甚災害の被災地に足を運んでおります。
 そのときに、常に現地で頑張っていただいているのは、今御指摘のありましたように、地元の建設業、土木業の皆さん方です。まさに地域の社会インフラの担い手として、また、防災、災害時の守り手として本当に全力で二十四時間体制で頑張っていると、そこに我々テックフォース部隊も飛び込んで必死にやってきているというのが実態だというふうに思っております。
 そうした中で、その地域の守り手の皆さんたちにとってコンスタントな仕事の量が、事業量があるのかどうかということと、それに対して担い手たる若手の建設技能労働者が育成できるかどうかというのは大変大きな課題だというふうに思っております。仕事の量につきましては、防災・減災、国土強靱化のこの緊急三か年対策、大変感謝をされました。訪問した首長の皆さん全て、お会いした人が全員異口同音に有り難いと言っていただいたと同時に、三か年で終わるわけではないので、今後の五か年、十か年という中長期的に是非継続をお願いしたいと。
 何より、この三か年対策、非常に有効だったんですが、例えばインフラの老朽化というのは入っておりませんので、老朽化対策も含めて、また、治水については、足立先生が専門ですけれども、これまでの対策ではなくて、河川の上流から下流、本川、支川と、流域全体を俯瞰する流域治水をやろうという抜本的な転換もしておりますので、それは、掛け声だけではなくて内実が伴うように、しっかりとした予算セットもしなければいけないと思っております。
 どうも、これまでいろいろ話しておりますと、災害関連の予算というのは補正で帳尻を合わせればいいだろうという傾向があったかと思いますが、補正でやるということは、地元の企業の側では定期的に人が採れないわけですし、また、中長期的な防災・減災対策も講じることができないと思っておりますので、大変財務当局は壁が厚いのでありますが、今、自由民主党、公明党の与党の皆さんからも骨太の方針の過程においても相当応援もいただいておりますので、これは、与野党超えて、是非野党の皆さん方にも、来年度の予算編成、大きな御支援をいただきながら、国交省としても、国民の皆様の声を体して、しっかりと先の見通せる防災・減災、国土強靱化対策が講じられる予算を獲得できるように頑張っていきたいと思っております。
この発言だけを見る →
大野泰正#9
○大野泰正君 大臣、ありがとうございます。
 本当に、今のメッセージは、非常に地元にとって、担い手の皆さんにとって大変温かいメッセージであり、力強いメッセージであったと思います。多くの方にこれを伝えさせていただき、また、しっかりとした予算取りのため、みんなで頑張っていきたいと思います。
 それでは、次に入らせていただきます。
 一方、国土強靱化のためには、必要な場所に必要なインフラを整備することは、当たり前ですが極めて重要なことであります。このインフラ整備の実施に当たっては、事業採択段階で公共事業評価を行うこととされています。
 事業評価に当たっては、災害時においての人命や物資の輸送を確保する機能や過去の災害発生状況など、様々な要素を勘案して評価を行うこととされていますが、実態としては、BバイCによる評価が大きな影響を占めているのが現状であります。このため、地方の特に中山間や辺境の地では、インフラについてのBバイC評価は低くなり、切捨てになりがちです。こうしたBバイCの計算には人口が大きく影響しますが、大規模災害や感染症への対応、分散型社会の構築といった今日の社会変化を反映させ、公共事業の必要性を適正に評価するには、現状のBバイCによる評価は既になじまないのではないかと考えます。
 例えば、強靱な国土づくりには日本海と太平洋をつなぐ大動脈をつくることが大切なことは、東日本大震災のときに命をつないだ物資輸送でも明らかです。
 具体的な事例としては、中部地域において一宮西港道路という東海北陸自動車道の南進部を名古屋港まで直結させることによって、太平洋と日本海をつなぐ強靱な大動脈を完成させることができます。このワンピースがはまれば、東海北陸自動車道を始めとする名神高速、新名神、中部縦貫自動車道、東海環状自動車道、東名高速、中央自動車道、北陸自動車道などが災害に強い高規格道路で結ばれることになります。このことは、日本海と太平洋をつなぐ大動脈というだけではなく、本州全体の高規格道路と港湾の結節が可能になり、経済効果はもとより、災害時の本州全体の安心、安全に寄与します。
 しかしながら、このことは、日本地図を大きく広げて見なくては分かりません。このワンピースの大切さは、本当に、ともすれば愛知県の環状道路のワンピースにしか見えなくなってしまうのも事実であります。本当に重要で効果的なワンピースであることを見落としてしまうかもしれません。
 アフターコロナを見据えた新たな日常に対応した強靱な国土をつくり上げるためには、今のBバイCが中心の評価では正確な評価ができないことは明らかです。公共事業の評価は現在BバイCに偏り過ぎており、本当に必要な事業を見極め進めていくためには時代に即した思い切った改善が必要と考えますが、大臣の御所見を伺います。
この発言だけを見る →
赤羽一嘉#10
○国務大臣(赤羽一嘉君) 私は、初当選からもう二十七年間を経過するんですが、この間に、無駄な公共事業の議論というのは大変国会で占めてきました。無駄な公共事業とは何ぞやというときに出てきたのがやっぱりBバイCの概念だったと思います。
 ただ、そのときに、もう既に私は阪神・淡路大震災の被災をした経験がありましたので、交通量が多いところが無駄な公共事業ではない、交通量が少ないところは無駄な公共事業だというような考え方だと、いざといったときのセーフティーネットというかそうしたことは評価されないということについては、私は個人的に、これは果たして正しい、何というか、評価基準なのかということは個人的に思ってまいりました。しかしながら、大変公共事業に対する見方の厳しい時代がありましたので、BバイCというのは大変な影響力を持ってきた。
 それに対して、もう御承知のように是正もされておりまして、例えば災害時における人や物資の輸送ですとか違うファクターも入っておりますが、しかし、多分、国土交通省とか公共事業の関連のところにはBバイCの概念というのが多分刷り込まれていて、BバイCがこれプラスにならないともう駄目という、これはもう最初からなっていると。こうしたことで、やはりそこは改善の余地は随分あるんじゃないかと。
 今日御質問のその一宮西港道路というのは、私、知らなかったので昨日地図を見ていたんですが、これは、結構、北陸の方から来る道と名古屋のど真ん中をつなぐ、こんなにこれ効果が、BバイC相当高いんじゃないかというふうな話をしたら、いや、ここ土地代も高くて、実は通行量も多いけれど費用も掛かるのでBバイC的には非常に厳しい数字が出るんですと、何か非常にそれは違和感がありまして。そうしたこととか、あと、ミッシングリンクを解消するみたいな副次的な効果まで入れないと本当の意味でのネットワークの評価というのはならないのではないかと、私もそう思います。
 ですから、そうした御質問もいただいたので、今後、公共事業の評価手法研究委員会がございますので、このBバイCの在り方、公共事業の本当の意味での、時代の状況も変わってきましたので、これだけ災害が多い、また感染症といったようなこともありますから、そうしたことも広く考えながら、ミッシングリンクも随分進んでいるのでそうした効用も入れた、なかなか完璧な評価基準というのは難しいかもしれませんが、できるだけ改善していくように、委員会の先生方にも私からもお願いする予定でございます。
この発言だけを見る →
大野泰正#11
○大野泰正君 大臣、ありがとうございます。
 大臣のリーダーシップで本当に大切なものがしっかりと見詰め直していただけますように、そして、一日も早く本当に安心、安全につなげていただけますよう、よろしくお願いしたいと思います。
 ちょっと質問を飛ばさせていただきますが、私の地元岐阜県では、古くから水害に見舞われてきた地域であります。昭和三十四年の伊勢湾台風や昭和五十一年九月の台風十七号では、長良川の国管理区間が決壊するなど、大きな被害を受けました。このような大きな被害を受けて、様々な反対運動等の困難もありましたが、先人の皆様の御努力で長良川河口堰や徳山ダムの建設が進められた結果、最近の豪雨ではこれらの施設が大きな効果を発揮して、沿川の皆様から感謝の声をいただいております。
 さらに、今年の出水期には、今日まで災害対策上の事前放流の対象となっていなかった長野県にある木曽川上流部の利水ダムで事前放流が実施されたことで下流は二割流量を減らすことができ、沿川住民の安心、安全につながりました。このように、前例を取り払い、全てのダムを水害対策に利用する新たな取組が進められたことで、大きな治水効果が発現いたしました。
 また、現在、一時見直しの対象となり事業がストップしていた木曽川の新丸山ダムや長良川上流部の遊水地の建設等が着実に進められていますが、過去の厳しい経験を礎として総合的な取組をしていただけることは、流域に暮らす私どもにとって何より有り難いことであります。このような取組は、国交省が打ち出した流域治水プロジェクトの先駆的な事例であり、更に進化させていただき、全ての皆様が安心して枕を高くして休めるようにしていただきたいと思います。
 上流、下流の相互理解を深め、流域は一つの生命体であり運命共同体であることを基礎とするこれからの流域治水の在り方、進め方について、お考えを伺います。
この発言だけを見る →
井上智夫#12
○政府参考人(井上智夫君) お答えいたします。
 近年の頻発化、激甚化する水災害に対応するためには、委員御指摘の木曽川水系のように、河川管理者が主体となって河川区域で行う対策をこれまで以上に充実強化することに加え、集水域や氾濫域を加えた流域全体であらゆる関係者の協働により治水対策に取り組む流域治水を推進することが重要と認識しております。
 このため、堤防や遊水地、ダム等の整備を加速するとともに、集水域においては、水を貯留し、氾濫をできるだけ防ぐ取組を強化してまいります。例えば、利水者の協力を得て行う利水ダムの事前放流に加え、農政部局等と連携した水田やため池での貯留、民間企業による貯留施設の整備促進などの対策の充実を図ってまいります。
 さらに、氾濫域においても、河川が氾濫した場合の被害を減少させるために、まちづくり部局との連携によるリスクのより低い地域への居住誘導、不動産業界との連携によるリスク情報の周知徹底、壊滅的な被害を受けても事業が継続できるように、民間企業によるBCPの策定、住民の確実な避難のために、高齢者福祉施設におけるスロープ等の設備の改善や高台などの避難場所の確保などの対策も併せて推進し、被害の回避、軽減を図ってまいります。
 国土交通省としては、一級水系ごとに国、都道府県、市町村等から成る協議会を設置するなどして各流域における様々な対策が相乗効果を生み出すよう、河川整備等の実施主体としてだけでなく、流域における対策の取りまとめ役となって関係機関と連携し、流域治水の強化充実を図ってまいります。
この発言だけを見る →
大野泰正#13
○大野泰正君 どうもありがとうございました。
 本当に、私ども流域に住む人間にとって、このプロジェクト、どんどん進化していただくことを切に願うものであります。
 それでは、次に入ります。
 近年の気候変動により激甚化、頻発化する自然災害に対応することは我が国の喫緊であることは間違いありません。特に、線状降水帯による豪雨災害への対応は、早急に解決しなくてはならない課題であり、予断を許さない状況であります。
 これまで、平成二十六年八月豪雨を始めとし、平成二十九年七月、平成三十年七月豪雨、本年の七月の豪雨など、線状降水帯による豪雨は近年全国的に多発している状況であり、私の地元である岐阜県においても、今年も大きな被害が発生いたしました。日本の地理的状況から線状降水帯の発生を抑止することはできない中で、確かな予報こそが国民の生命と暮らしを守る早期避難を可能にする唯一の手だてであります。
 線状降水帯の発生を事前に予測する取組こそ、現在の最優先課題と考えます。来年度からは、気象庁は、海上保安庁と連携して洋上の水蒸気観測を強化して線状降水帯の予報につなげていくと聞いておりますが、縦割りや前例にとらわれず、オールジャパンの力を結集し、早期に私たちの安心、安全に結び付けていただきたいと思います。
 国民の命を守る最前線の取組に対する見解を伺います。特に、先日、気象庁は庁舎を移転し、気持ちも新たにスタートを切られたと思います。ニュー気象庁の力のこもった希望あふれる御答弁をお願いいたします。
この発言だけを見る →
関田康雄#14
○政府参考人(関田康雄君) お答えいたします。
 線状降水帯の発生を事前に予測することは現在の技術では残念ながら困難でございますが、防災上非常に重要な課題であるというふうに認識しているところでございます。
 線状降水帯を精度よく予測し、防災気象情報を提供するためには、スーパーコンピューターを活用した予測技術の高度化に加えまして、線状降水帯の発生に結び付く大気の状態を正確に観測し、特に、水蒸気の流入量を把握することが必要となります。
 このため、気象庁では、雨雲の監視や水蒸気の把握のため、従来より観測精度の高い気象レーダーの設置、アメダスにおける湿度観測の開始のほか、ただいま委員から御指摘いただきました気象庁及び海上保安庁の連携による洋上での水蒸気観測等、線状降水帯の観測監視体制の強化に向けた新たな取組を令和三年度概算要求に盛り込んでいるところでございます。
 加えまして、ただいま議員からも御指摘いただきました、関係者の総力を結集して取り組んでいくということが大変重要であるというふうに認識しております。先ほど申し上げました洋上観測における海上保安庁との連携のほか、文部科学省及び研究機関との協力によりますスーパーコンピューター「富岳」を利用した新たな予測技術の開発、民間分野の協力を得た観測データの一層の利用など、産学官連携を進めているところでございます。
 現在、交通政策審議会気象分科会におきまして更なる産学官連携のための方策について審議を進めているところでございますので、これまで以上に民間事業者や大学、研究機関との連携が進む環境づくりを進めてまいりたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →
大野泰正#15
○大野泰正君 ありがとうございました。しっかり頑張っていただきたいと思います。
 それでは、私の質問は終わらせていただきます。
この発言だけを見る →
足立敏之#16
○足立敏之君 皆さん、おはようございます。自由民主党の足立敏之でございます。
 本日は、江崎委員長を始め理事の皆様に、質問の機会を与えていただきまして、心から感謝を申し上げたいと思います。
 私は、建設省、国土交通省で長年勤務をしまして、インフラ整備あるいは防災、災害対応に取り組んでまいりました。本日は、そうした経験を踏まえまして、少し大野先生とダブるところがありますけれども、お許しをいただきまして質問をさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。
 まず、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いまして、社会的な面だけではなくて経済面でも大きな影響が出ています。
 お手元に資料一をお配りをしてございますけれども、四月から六月のGDPの伸びはマイナス二八・一%、十一月十六日に発表されました七月から九月のGDPは二一・四%、済みません、先ほどマイナス二八・一で、今回は二一・四、回復はいたしましたけれども、一月―三月期に比べますとまだマイナス一二・七%と、厳しい状況にあるというふうに考えられます。そんな中で、小さい字で書いてありますが、公共投資は四月から六月では四・六%の増、七月から九月につきましても一・五%の増と、景気を下支えする大事な役割を果たしてきています。
 このような状況の下、これまで一次、二次にわたりまして経済対策が発表されてまいりました。しかし、これまで補正は感染症対策とコロナの直接的影響への対応に限られており、経済回復が道半ばであることを考えれば、公共投資を含めた更なる経済対策が必要だというふうに考えております。
 総理は、十月十日、当面の経済財政運営についてを発表されまして、新たな経済対策を策定することを表明されておられます。この経済対策の三つの柱のうちの一つに、防災・減災、国土強靱化を機動的、弾力的にしっかり進めるとともに、災害からの復旧復興を加速するなど、安全、安心を確保するという項目がございます。大変重要な判断だと敬意を表したいと思います。しっかり進めていただきたいと思います。
 しかしながら、こうした動きに対しまして、一部には、公共工事を追加して経済対策を行ったとしても、建設分野の人手不足の影響で繰越しが増えるだけだとか、不調、不落ばかりで執行ができないのではないかなどという指摘がございます。
 実際のところ、資料二の方にお示ししましたけれども、建設投資がピークであった平成四年当時と比べまして、金額ベースでは現在三三%減っておりますけれども、建設分野の就業者数という観点で見ますと約二〇%ぐらいしか減少しておらず、マクロ的に見れば施工能力は十分確保できるのではないかというふうに考えております。私が建設分野の皆さんから聞いている話でも、人手不足は災害の非常に激しかった一部の地域のことで、現在は仕事不足というような状況だというようなことも聞いております。
 公共工事が人手不足で執行できないというようなことはないと思いますけれども、国土交通省の認識を青木不動産・建設産業局長にお伺いします。
この発言だけを見る →
青木由行#17
○政府参考人(青木由行君) お答え申し上げます。
 お話がございましたように、公共事業費を増やしても建設業の人手不足の状況で事業が執行できないではないかという一部の指摘があることは承知をしてございます。
 しかしながら、資料でもお示しいただきましたように、建設業界の施工能力について申し上げますと、まず、マクロで見ますと、建設投資額、これはピーク時の平成四年から三・四割減少、そして公共投資に限って言えば四割減少しているのに対しまして、建設業の就業者数は二割減少にとどまっておりまして、マクロで見れば施工人員の確保は十分可能というふうに考えてございます。
 また、足下、現在の建設業界の状況を申し上げますと、建設技能労働者の過不足率という数値大変落ち着いてきているということ、それから、手持ち工事高もこの数年安定的に推移しているということ、また、近年のICT施工の増加などによりまして施工効率も向上していることなどから、施工能力に問題はないというふうに国土交通省として考えてございます。
 さらに、これも御指摘ございましたけれども、建設業の人手不足で公共事業予算の年度をまたぐ繰越額が増えているのではないかとの指摘もございますが、これは、建設業の働き方改革を推進いたしますために繰越制度の積極的な活用を図っていることの結果というふうに認識をしてございます。
 また、御指摘もございましたように、新型コロナウイルスの影響などによりまして現在民間投資が落ち込んでいるということでありまして、例えば、大手建設業の集まりでございます日建連の受注実績の調査によりますと、令和二年度上半期、国内工事全体で前年度比七・七%の減少、特に民間発注の工事では一五・五%減少となっているところでございまして、建設業界からは今後更なる落ち込みを懸念する声が私どもに多く寄せられていると、こういう状況でございます。
 以上でございます。
この発言だけを見る →
足立敏之#18
○足立敏之君 ありがとうございました。
 今回の経済対策の一つの柱であります防災・減災、国土強靱化でございますけれども、資料三にお配りしておりますが、平成三十年度から、三か年緊急対策という形で毎年一兆円近い公共事業予算が六兆円の当初予算に加え別枠で上積みをされてまいりました。しかしながら、令和三年度の概算要求ではこの分が現時点では事項要求という形で、具体的な金額が明示されていないのが実情でございます。
 この三か年緊急対策については、先ほど大野先生からも、赤羽大臣の御答弁の中でもお話ありましたけれども、身近な公共事業に投入されまして、河床掘削あるいは堤防強化で水害を防止したり、道路ののり面対策などによりまして道路ネットワークの強化に活用されるなど、地方自治体の皆さんから、大変大きな効果があったと大きな評価をいただいています。
 このため、全国の知事さんや市町村長さんからは、この予算については三か年にとどまらず五か年に延長して中長期的に拡充すること、さらには、老朽化対策や交通ネットワークの整備など事業メニューの充実を図ること、こういう要望もいただいてございます。また、政府・与党において、国土強靱化につきましては五か年に延長して、当初予算の別枠で上乗せして必要十分な予算を確保すべきというような方向で一致しているというふうにも聞いております。
 防災・減災、国土強靱化、今後どのように取り組んでいかれるのか、赤羽国土交通大臣の見解を伺います。
この発言だけを見る →
赤羽一嘉#19
○国務大臣(赤羽一嘉君) 先ほど御答弁をさせていただいておりますが、防災・減災、国土強靱化緊急三か年対策に続いての中長期的な対策の必要性というのは、もう全国のほぼ全員の首長の皆様、そして自由民主党、公明党の与党の皆さんからも具体的にそれは明確に発せられているわけでございます。
 それに対して、なかなか、抵抗するというか財源を守らなければいけないという部分もあって、先ほどから、最初に質問を青木局長にいただいた人手不足ですとか年度末の繰越額の多さなんというのを、非常に私は、ミスリードする、情けない議論をしているところがございます。こうしたことについて国会で衆参の両予算委員会でも質問を受けまして、明確に否定をし、答弁もさせていただいているところでございますが、ややもすると大きな日本の新聞社でもそうした記事をいまだに書いているところもあって根強いわけでありますけど、これは、そうした懸念を払拭しながら、また、河川については、もう言わずもがなでございますけど、流域治水ということで、国、県、市町村、これはもう抜本的に見直さなければいけないと。
 昨年の台風十九号では、一級河川、国の直轄が七河川で大変大きな被害を受けるという本当に未曽有の出来事がございましたので、国直轄の全ての河川で流域協議会というのをしっかり立ち上げて抜本的にやると、そのために中長期的な予算が必要だということはしっかりと話せば分かっていただけるというふうに思いますので、国民の皆様の命と国土を守るためにしっかりと最大の手を打って全力を尽くしていきたいと、こう考えております。
この発言だけを見る →
足立敏之#20
○足立敏之君 ありがとうございました。赤羽大臣のリーダーシップでしっかりと予算が確保されるようにお願いしたいと思います。
 続きまして、本年七月に激甚な被害が発生しました球磨川の治水対策についてお伺いをいたします。
 今年七月にも、国土交通委員会で赤羽大臣に質問をさせていただきました。熊本県南部を流れる直轄河川の球磨川では、これまでに経験したことのないような洪水に見舞われまして、人吉市や下流の球磨川沿川の市町村、大きな被害を受けました。赤羽大臣も再三現地に足を運ばれましたけれども、私も、これまで五度にわたり被災地に伺いまして現地を見させていただきまして、元々計画されていた川辺川ダムがあればもう少し被害を軽減できたのではないか、とても残念に思っているところであります。
 川辺川ダムにつきましては、御承知のとおり、民主党への政権交代直後に前原国土交通大臣の一声で中止されまして、その後、球磨川につきましては、ダムによらない治水を検討する場、そこで議論を積み重ねてこられました。しかしながら、結論を得ることができないまま今回の大災害が発生してしまいました。私は、川辺川ダムを前提とした河川整備基本方針、これを平成十九年に策定した当時の国交省の担当課長でございましたので、川辺川ダムが建設されていない現状につきましては、自らの責任も痛感しているところであります。
 今回の豪雨災害後、国土交通省、県、流域市町村が参加して検証の場が設けられました。川辺川ダムがあった場合の効果について検証がなされています。その場に国土交通省が示した資料、お手元に資料四、資料五を準備させていただきました。
 資料四は、人吉地点で水位は一・九メーター低下したんじゃないかという資料でございます。もう一点、資料五につきましては、浸水面積についても約六割低減したのではないかという資料でございますけれども、川辺川ダムがあった場合にはこの熊本の豪雨災害に対してどのような効果があったと見込まれるのか、改めて井上水管理・国土保全局長に伺います。
この発言だけを見る →
井上智夫#21
○政府参考人(井上智夫君) 本年七月の球磨川の豪雨災害につきましては、九州地方整備局及び熊本県が球磨川豪雨検証委員会を設置し、河川の水位や流量などを検証しました。
 この検証の中で、今回の豪雨に対する現行の貯留型の川辺川ダムを整備していた場合の効果についても推計しており、具体的には、人吉地点のピーク流量は毎秒七千四百立方メートルから毎秒四千八百立方メートルにまで低減されるとしています。この流量は、人吉地点において河道で安全に流下させることができる流量の毎秒約四千立方メートルを上回っており、このダムだけによって浸水被害を完全に防ぐことはできませんが、例えば、委員からお示ししていただいたように、人吉市内の人吉大橋付近では球磨川本川の水位が約一・九メートル程度低下し堤防高以下になる、それからまた、人吉市街部から球磨村渡地区にかけての浸水面積が約六割程度減少する、さらに、浸水深が家屋の二階の高さに相当する三メートルを超えることとなる浸水面積は約九割程度減少するなどの効果があることを推計しております。
この発言だけを見る →
足立敏之#22
○足立敏之君 ありがとうございます。川辺川ダムがあれば大変大きな効果を発揮したものと確信できます。
 こうした検証の場での検討と、その後の流域の関係者へのヒアリングを踏まえまして、蒲島熊本県知事が十一月十九日に県議会で、川辺川ダムにつきましては、これまでの貯留型のダムから流水型のダムに変更して、緊急治水対策プロジェクトの一環として実施すると表明をされました。大変重要な一歩だというふうに思います。これまでのダムによらない治水から大きく転換されたことにつきましては、心から敬意を表したいというふうに思います。
 球磨川につきまして、今後更に地球温暖化に伴って水害が激甚化することを考えますと、今回の熊本県知事の御発言を踏まえて、川辺川ダムを始め様々な対策を急ぐべきだというふうに考えますが、赤羽国土交通大臣の御見解を伺います。
この発言だけを見る →
赤羽一嘉#23
○国務大臣(赤羽一嘉君) この川辺川ダムをめぐる熊本の蒲島さん、また地元の皆さん、それなりの、これまでの歴史の中で様々な葛藤というのはあったというふうに思っております。知事も十一月二十日に東京に来られてお会いしましたが、率直に、やはり自分が掲げた公約をある意味では変えるということは大変厳しい選択でもあったというお話もされておりました。私も、その心情はよく分かります。
 また同時に、当時の前提である災害の大きさと頻度、全く前提が違っているわけでありますし、そうした中で、環境と災害に強いということで、緑の流域治水ということで新たな流水型のダムを整備するという御決断をされたということは、また、その過程において三十か所での住民集会を自ら参加をし、そして県でも有識者会議を開いて、国との評価委員会等々もやりながら最善の手を打たれたということで、その結論は尊重したいというふうに思っております。
 このことにつきまして、まだ若干検討しなければいけないというか、環境評価ですとか、随分設計も変わるわけですからそのことについてですとか、そういうことを時間を掛けずにスピード感を持って行いながら、同時に、治水対策だけではなくて、今、道路や鉄道、観光などのなりわいですとか住まいの再生、これも国交省の責任でございますので、そうしたことも含めて総合的な、再度災害を防止できて、地元の地域の人が安心で安全に暮らせるような地域の再生をしっかりと地元と連携しながら取り組んでいこうと、そのために川辺川ダムにかじを大きく切れたということは私もよかったのではないかというふうに思っております。
この発言だけを見る →
足立敏之#24
○足立敏之君 ありがとうございます。
 赤羽大臣のリーダーシップに大きく期待したいというふうに思います。球磨川の流域の未来のために、これまでと同じ過ちは繰り返さないように、心からお願いを申し上げたいというふうに思います。
 次に、建設業の被災についての質問に参ります。
 今年の台風十号の際に、宮崎県の椎葉村で大変痛ましい災害が発生してしまいました。資料六にお示ししてございますけれども、大雨によりまして土石流が発生し、建設会社の社屋と住宅が直撃を受けました。社長さんは何とか助かったんですけれども、奥様と御子息の専務、ベトナム人の技能労働者二名が巻き込まれました。まだ三名の方が行方不明でございます。御子息の奥様とお子様は、ずっと下流の安全な日向市に避難されたと聞いております。
 実は、被災された方々は、台風通過後の復旧作業のためにそこにとどまって待機をしていて土石流に巻き込まれたというふうに聞きました。まさに、住んで守っている地域の建設業の役割自体を示した大変悲しい出来事だったというふうに思っております。
 国土交通省にはこうした方々への支援方策を現在検討していただいておりますけれども、地域の守り手として災害のときにも頑張っている建設業の方々への適正な評価、そして処遇の改善が必要だというふうに思います。
 こうした災害による被害に対しまして、国交省としてどういう支援を考えておられるのか、青木局長に答弁をお願いします。
この発言だけを見る →
青木由行#25
○政府参考人(青木由行君) お答えを申し上げます。
 お話ございましたように、本年九月六日、宮崎県の椎葉村におきまして、台風十号の災害対応に備えて待機中でございました地元の建設企業が被災をされまして、そして、土砂崩れによりましてベトナム人の技能実習生一人がお亡くなりになるとともに、現在も三名の方が行方不明になっているという大変痛ましい事案が発生いたしました。お亡くなりになられた方に心からお悔やみ申し上げますとともに、行方不明の方々が一日も早く発見されることを願ってございます。
 この被災事案を受けまして、国土交通省といたしましては、九月十八日に、災害待機時等の作業員の安全確保を図りますために、待機拠点につきまして、あらかじめ市町村が作成しておりますハザードマップで災害の危険性を確認して作業員などに周知をすること、そして、災害の危険が差し迫った際には、市町村等から発表される避難情報等に注意をしていただいて、作業員等の安全確保を最優先に行動することにつきまして、事業者団体宛てに通知をいたしたところでございます。
 また、亡くなられたベトナム人技能実習生のほか行方不明者三名の労災認定が円滑に受けられますように、私どもとして、厚生労働省に情報提供を行いつつ助言を受け、そして、それを踏まえて、宮崎県と連携して、被災した建設企業への助言、支援を実施するなど、建設企業の立場に立ちまして対応を行ってきたところでございます。
 さらに、今後、この危険回避、安全確保というのが最優先ではあるんですけれども、その上でも、災害対応で被害に遭われた場合にはしっかり補償が受けられますように、今回の事案の検証を行いまして、労災適用を確実にするための留意事項を整理をして周知を行うこと、そして、補償をより充実確保するための方策について、災害協定の見直しも含めて検討を行うなど、地域の守り手として最前線で災害対応に当たる地元の企業の皆様がより安心して業務に従事できますよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
この発言だけを見る →
足立敏之#26
○足立敏之君 ありがとうございました。
 地域の守り手、建設業にとって少しでも心の支えになれば有り難いと思います。青木局長は宮崎県でも勤務されましたので地域のことは精通されておられますが、よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、デジタル化について、残りの時間で御質問させていただきたいと思います。
 国交省では、i―Constructionとしまして、ICTやAIを駆使して、さらに、デジタルデータも活用しまして建設分野のデジタル化を進めてこられました。赤羽大臣の所信の中でも、インフラ、物流分野等のデジタルトランスフォーメーションという文言がございました。菅義偉内閣の一丁目一番地の政策であるデジタル化について、政府をリードして国交省取り組んでこられたことにつきましては心から敬意を表したいというふうに思います。
 お手元の資料、資料七でございますけれども、先日、秋田県の東成瀬村の東北地方整備局が建設を進めている成瀬ダムというダムの現場に伺いました。
 台形CSGという最新のダム施工技術で工事が進められているんですけれども、ここでは、自動化施工が全面的に展開されています。具体的に言いますと、このダム本体の施工をブルドーザーだとか振動ローラーだとか、表面を締め固める章動ローラーだとか、いろんな機械が、重機があるんですけれども、その熟練者の操作を分析してプログラミングして、同時に複数の重機が全自動で動いて作業をしてございます。
 私は、二つのダムの現場で担当しておりました経験がございますが、ブルーワークとかそういったものが全自動化なんかできるなんて想定したこともなかったので、現地で大変驚きました。これからまたダンプトラックも自動運転にして、来年ぐらいになると二十数台の機械が無人化で施工すると、そういうような場面も見られるというふうに伺いまして、大変驚いたところであります。
 また、平成二十八年の熊本地震の際には、阿蘇大橋のところで大規模な崩壊がありました。この危険な現場の施工でも全自動の、遠隔操作ですかね、そういった最新技術を活用したというふうに聞いておりますし、雲仙の砂防ダムや水資源機構の川上ダムなんかでも自動化施工というのが進んできているというふうに伺いました。
 こうした建設現場のデジタル化について、国土交通省として今後どのように技術的に取り組んでいかれるのか、東川大臣官房技術審議官にお伺いをいたします。
この発言だけを見る →
東川直正#27
○政府参考人(東川直正君) お答え申し上げます。
 インフラ分野におきまして、将来の人手不足や災害対策、またインフラ老朽化などの課題に対応するために、国土交通省では、ICT技術の活用などによりまして建設現場の生産性向上を目指すi―Constructionに二〇一六年度から取り組んできたところでございます。
 また、今般、新型コロナウイルスを契機として社会のデジタル化が進展し、働き方が大きく変わることが予想されておりまして、国土交通省におきましては、建設現場だけでなく公共サービスや業務など、インフラ分野全体の変革を行うデジタルトランスフォーメーションを推進しているところでございます。
 インフラ分野のデジタルフォーメーションにつきましては、その実現する未来像に向けて省横断的に検討を進め、本年十月十九日に施策概要を公表したところでございます。その施策に基づきまして、例えば、具体的な建設現場の取組といたしまして、従来現場で行っていた施工状況や材料の確認、これを映像と音声データを活用いたしまして遠隔で行う非接触型の検査、確認方法、あるいは二十数台の、先ほど委員からも御指摘ございましたけれども、数台の建設機械が連携し、人の操作なしで施工するなど、建設機械の自動運転の現場実装の取組、また、災害現場で活用されてきたところでございますけれども、これを円滑に行うために5Gを用いた取組、こういったものをこれから積極的に採用していきたいというふうに考えております。
 こうした新しい技術を用いました取組を積極的に活用いたしまして公共投資の円滑な執行や感染リスクの低減などに貢献するとともに、建設業の新しい働き方への転換などを図ってまいります。
この発言だけを見る →
足立敏之#28
○足立敏之君 ありがとうございました。
 建設産業の未来に向けて、すばらしい環境となりますように国土交通省でしっかり進めていただければ有り難いと思います。よろしくお願いします。
 以上です。
この発言だけを見る →
青木愛#29
○青木愛君 新立憲民主党に合流をさせていただきました立憲民主党・社民の青木愛です。
 改めて国土交通委員会に所属をさせていただきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 早速質問に入りますが、最近、道路に関して様々問題が発生しております。まず、跨道橋の耐震手抜き工事からお尋ねをしてまいります。
 現在中央自動車道で進められています耐震補強工事で、東京都日野市にある緑橋を支える橋台、下り線側に必要な鉄筋八本が不足していることが判明しました。その後の調査で、同じ緑橋の上り線、また、高井戸インターチェンジと調布インターチェンジ間にある北原橋と絵堂橋、いずれも下り線の橋台で施工不良が判明しました。耐震補強のための工事であるにもかかわらず強度を確保する鉄筋が欠落をしているということはあり得ないことであります。
 施工不良の原因に関してはこれから徹底的な調査が行われると思いますけれども、元請の大島産業、また、一次下請のダイコウ、二次下請の吉岡建設設計、三者の意見が食い違っているようであります。もちろん、発注者である工事を確認するNEXCO中日本にも大きな責任があると思います。
 まず最初に質問をさせていただきますのは、この工事の施工不良を受けて、NEXCO中日本が十一月の十三日にコメントを発表しております。その中に、通常時の安全性には支障がありませんとありました。今日明日にも大地震が発生するかもしれない、そのための耐震工事でありますから、通常時は安全だという発言はそもそもの工事の趣旨を分かっていないのではないかというふうに考え、大変不適切な発言ではないかと捉えました。
 この点について、まず、赤羽大臣の御見解をお伺いさせていただきます。
この発言だけを見る →
← 戻る