外務委員会

2021-04-23 衆議院 全158発言

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会議録情報#0
令和三年四月二十三日(金曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 あべ 俊子君
   理事 伊藤信太郎君 理事 鈴木 貴子君
   理事 鈴木 憲和君 理事 辻  清人君
   理事 中根 一幸君 理事 阿久津幸彦君
   理事 小熊 慎司君 理事 佐藤 茂樹君
      池田 佳隆君    小田原 潔君
      尾身 朝子君    城内  実君
      黄川田仁志君    國場幸之助君
      新藤 義孝君    鈴木 隼人君
      薗浦健太郎君    田畑 裕明君
      中曽根康隆君    中谷 真一君
      藤原  崇君    松島みどり君
      簗  和生君    青山 大人君
      岡田 克也君    重徳 和彦君
      緑川 貴士君    山川百合子君
      渡辺  周君    竹内  譲君
      穀田 恵二君    浦野 靖人君
      山尾志桜里君
    …………………………………
   外務大臣         茂木 敏充君
   外務副大臣        鷲尾英一郎君
   防衛副大臣        中山 泰秀君
   外務大臣政務官      國場幸之助君
   外務大臣政務官      鈴木 隼人君
   防衛大臣政務官      大西 宏幸君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房長)   大塚 幸寛君
   政府参考人
   (内閣府沖縄振興局長)  原  宏彰君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 加瀬 徳幸君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 保坂 和人君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 池松 英浩君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 大鶴 哲也君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 遠藤 和也君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 有馬  裕君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 徳田 修一君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 御巫 智洋君
   政府参考人
   (外務省アジア大洋州局南部アジア部長)      小林 賢一君
   政府参考人
   (外務省欧州局長)    宇山 秀樹君
   政府参考人
   (外務省国際協力局長)  植野 篤志君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           岩井 勝弘君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議官)           道野 英司君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房政策立案総括審議官)       川嶋 貴樹君
   政府参考人
   (防衛省大臣官房審議官) 町田 一仁君
   政府参考人
   (防衛省防衛政策局次長) 野口  泰君
   政府参考人
   (防衛装備庁装備政策部長)            青柳  肇君
   外務委員会専門員     小林 扶次君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十三日
 辞任         補欠選任
  小田原 潔君     池田 佳隆君
  中谷 真一君     田畑 裕明君
  簗  和生君     藤原  崇君
  山川百合子君     重徳 和彦君
同日
 辞任         補欠選任
  池田 佳隆君     小田原 潔君
  田畑 裕明君     中谷 真一君
  藤原  崇君     簗  和生君
  重徳 和彦君     山川百合子君
    ―――――――――――――
四月二十二日
 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とセルビア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第五号)
 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とジョージアとの間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第六号)
 投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とジョージアとの間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第七号)
 日本国における経済協力開発機構の特権及び免除に関する日本国政府と経済協力開発機構との間の協定の規定の適用範囲に関する交換公文を改正する交換公文の締結について承認を求めるの件(条約第一一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 日本国の自衛隊とインド軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とインド共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第三号)
 民間航空の安全に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第四号)
 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とセルビア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第五号)
 所得に対する租税に関する二重課税の除去並びに脱税及び租税回避の防止のための日本国とジョージアとの間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第六号)
 投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とジョージアとの間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第七号)
 日本国における経済協力開発機構の特権及び免除に関する日本国政府と経済協力開発機構との間の協定の規定の適用範囲に関する交換公文を改正する交換公文の締結について承認を求めるの件(条約第一一号)
     ――――◇―――――
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あべ俊子#1
○あべ委員長 これより会議を開きます。
 日本国の自衛隊とインド軍隊との間における物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とインド共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び民間航空の安全に関する日本国と欧州連合との間の協定の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 両件審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房長大塚幸寛君、沖縄振興局長原宏彰君、総務省大臣官房審議官加瀬徳幸君、法務省大臣官房審議官保坂和人君、外務省大臣官房審議官池松英浩君、大臣官房参事官大鶴哲也君、大臣官房参事官遠藤和也君、大臣官房参事官有馬裕君、大臣官房参事官徳田修一君、大臣官房参事官御巫智洋君、アジア大洋州局南部アジア部長小林賢一君、欧州局長宇山秀樹君、国際協力局長植野篤志君、厚生労働省大臣官房審議官岩井勝弘君、農林水産省大臣官房審議官道野英司君、防衛省大臣官房政策立案総括審議官川嶋貴樹君、大臣官房審議官町田一仁君、防衛政策局次長野口泰君、防衛装備庁装備政策部長青柳肇君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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あべ俊子#2
○あべ委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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あべ俊子#3
○あべ委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がございますので、順次これを許します。尾身朝子君。
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尾身朝子#4
○尾身委員 おはようございます。自由民主党、群馬一区の尾身朝子です。
 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 日・EU航空安全協定及び日印物品役務相互提供協定、いわゆる日印ACSAについて質問させていただきます。
 まず、日・EU航空安全協定について伺います。
 今回、日・EU間で航空安全協定が締結される運びとなりました。以前は、EUとの間で当局間の取決めを結んでおり、主に欧州から我が国への航空製品の輸入に際して検査等の重複が取り除かれてきたと承知しております。そして、今回、日・EU航空安全協定の締結により、日・EU双方のバランスの取れた形で検査等の重複を取り除くことが可能となります。
 EUとの航空機関連の輸出入においては、主なものとして、エアバス社からの航空機の輸入が挙げられます。近年では、二〇一六年に、全日空がエアバスA380を導入したことが広く知られています。また、国内のLCCでも何機か導入されています。他方、日本からは、昨年度、約三百三十億円程度の規模で各種航空機材がEUに輸出されています。
 日本の航空関連産業には先端技術が集積しており、それぞれの規模は大きくないものの、特化した技術が幾つも見受けられます。また、言うまでもなく、航空関連産業の維持は我が国の安全保障の側面からも非常に重要です。国内での民間航空機の開発が決して順調に進んでいるとは言えない現在、販路を海外に求めて技術を維持することは喫緊の課題です。その点からも、本条約の締結は重要な意義があるものと確信しています。
 今回の締結においては、二〇一六年の交渉開始から七度にも及ぶ正式交渉を経て、二〇一九年に実質合意に至り、二〇二〇年六月にブリュッセルのEU代表部にて署名に至るなど、五か年を要したと聞いております。その御苦労に敬意を表するとともに、改めてお尋ねいたします。
 今回、日・EU航空安全協定を締結することにより、主に日本の航空関連産業にどのような影響があるのでしょうか。お答えください。
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宇山秀樹#5
○宇山政府参考人 お答え申し上げます。
 日・EU航空安全協定は、日本とEUとの間で輸出入される民間航空製品に課される検査等の重複を取り除いて、こういった製品の流通を容易にすることを目的としております。
 日本企業は、EUに向けて、エンジン関連部品、航空機用タイヤ、航空機内の座席、厨房設備等を輸出しております。従来、こういった製品の輸出入に際しましては、輸出側、輸入側それぞれの航空当局が安全性確認等のための検査を実施しておりまして、製造者等の負担となっておりました。
 今回の航空安全協定が締結されますと、輸出側当局の交付する証明書等を輸入側当局が受け入れることが可能となりますので、我が国の民間航空製品に対するEU側における検査等の重複が取り除かれ、日本の航空製品製造者のEU市場への新規参入を含めまして、大きな経済効果、そして更なる航空産業の発展に資することが期待されるところでございます。
 また、EUは、航空産業を持つほかの主要国、米国、カナダ、ブラジル、中国との間で既に協定を締結しております。日・EU航空安全協定の締結は、我が国の航空産業、民間航空製品の競争条件をEUの市場においてこういった国々と同等なものにするという意味でも重要でございます。
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尾身朝子#6
○尾身委員 ありがとうございました。
 引き続きお伺いします。
 民間航空製品の輸出入に際して相互に検査等の重複を省略することは、効率の面から考えれば重要なことです。
 しかしながら、その部品などが人の命を預かる航空機に使用される以上、安全性の確保に不安を与えるようなことは断じて許容できません。
 そこで、お尋ねいたします。
 日・EU航空安全協定によって、相互に検査や監督の簡略化が図られることになりますが、民間航空製品の安全性の確認は十分でしょうか。この点について御説明ください。
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宇山秀樹#7
○宇山政府参考人 お答え申し上げます。
 日本とEUは、この日・EU航空安全協定の締結に向けたプロセスにおきまして、双方の民間航空製品の安全性に関する基準、審査体制等が同等の水準を十分に確保しているということについて、書面のみならず、現地調査を実施して厳格に確認しております。その上で、輸出入に際する双方における検査等の重複を輸入側において省略できるというふうにするものでございます。
 したがいまして、本協定の締結によって、民間航空製品の安全性の確認の水準が低下することはございません。
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尾身朝子#8
○尾身委員 ありがとうございました。この協定によりまして、日・EUの航空関連産業が一層発展することを願ってやみません。
 次に、日印物品役務相互提供協定、日印ACSAについてお伺いします。
 ACSAに関しては、二〇一七年に、平和安全法制の成立を受け、以前の日米ACSAに代わる協定として発効した現行の日米ACSAを皮切りに、同じく二〇一七年に日豪と日英、二〇一九年に日加、そして日仏と、これまで五か国とACSAを締結しています。そして、今回の、六か国目として、またアジアで初めて、インドとの間でACSAを締結しようとしています。
 インドとの間では、二〇一八年のモディ首相と安倍前総理大臣の日印首脳会談の際にACSA交渉開始の合意に達し、新型コロナウイルスの影響で延期になったものの、二〇二〇年九月九日に、鈴木駐インド大使とクマール・インド国防次官との間で署名に至ったと聞いております。
 私は、四月二日の外務委員会で、自由で開かれたインド太平洋構想について、その意義や実現への思いを茂木大臣にお尋ねしました。大臣からは、このビジョンを力強く推進するとの心強い御回答をいただいております。
 二〇一六年に安倍前総理がTICAD6で提唱したビジョンがこれほどまでに国際社会に浸透したことは、今までなかったことです。自由で開かれたインド太平洋構想実現のため、先日、初めて日米豪印の首脳会談、クアッドが開催され、その場で四か国は、自由で開かれたインド太平洋のための共通のビジョンの下で結束しているとの決意を表明しています。そして、さらに、米国との2プラス2、先週の日米首脳会談においても、このビジョンを深めたものと認識しています。
 インドは、自由で開かれたインド太平洋というビジョンを共有し、我が国と中東、アフリカを結ぶシーレーンのほぼ中央という、戦略的及び地政学的に重要な位置に存在しています。
 また、日印両国は、安全保障面において、陸海空三自衛隊全てがインド軍との二か国間共同訓練を行っているほか、自衛隊がインド軍とともに多国間共同訓練に参加するなど、近年、協力関係を深化、拡大させています。
 こうした現状を踏まえ、今回の日印ACSAの締結は、安全保障の側面から自由で開かれたインド太平洋構想を強化するための一歩であると確信しております。
 そこで、茂木大臣にお伺いします。
 改めて、日印ACSAを締結する意義とその御決意についてお聞かせください。
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茂木敏充#9
○茂木国務大臣 尾身委員おっしゃるように、日印両国、これは、普遍的価値さらには戦略的利益を共有しますアジアの主要国家、また民主主義国家でもありまして、御指摘の自由で開かれたインド太平洋を実現する上でも、安全保障、防衛協力を含め、様々な協力をこれまでも推進しているところであります。
 また、ACSAは、自衛隊と相手国の軍隊が共同訓練であったりPKO、さらには国際救援などの活動を行うに際しまして、両者の間において、決済の方法を始めとする物品役務の提供、受領の際の手続を定めるものであります。
 ACSAを締結することによりまして、自衛隊とインド軍隊との間の物品役務の提供を円滑かつ迅速に行うことが可能になるわけであります。そして、日印ACSAの締結によりまして、自衛隊とインド軍隊との間の緊密な協力が促進される、これは、我が国の安全保障に資するのみならず、日印両国が国際社会の平和と安全により積極的に寄与することにつながるものと考えております。
 我が国の安全保障を強固なものとし、自由で開かれたインド太平洋を実現していくために、今回の日印ACSAを通じて、安全保障、防衛協力の深化を含め、引き続き様々な分野でインドとの協力を更に推進していきたいと考えております。
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尾身朝子#10
○尾身委員 大臣、ありがとうございました。
 次に、ACSAを実際に運用される防衛省にお伺いいたします。
 インドは、世界の民主主義国家の中で最大規模の軍隊を保持しています。陸軍約百二十三万人、海軍約六万人、空軍約十三万人と言われています。
 また、世界第二の兵器輸入国です。東西を問わず様々な国の装備品を使用しており、特に陸軍は、編成は英国、戦術は米国を模して、主要装備はロシア製を中心にしていると言われています。多様な装備品を鮮やかに使いこなす柔軟性を持った軍隊です。モディ首相の国産化政策以降、陸軍や各種ミサイルなどの装備品の国産化も進んでいるようです。
 また、日本との間では、二〇一五年に日印防衛装備品・技術移転協定及び秘密軍事情報保護協定が締結されています。インド軍と自衛隊の間では、陸軍とは二〇一八年からダルマ・ガーディアンを、海軍とは二〇一二年に初めての二国間共同訓練が実施され、二〇〇七年からは多国間訓練マラバールに参加しています。また、空軍とは二〇一八年からシンユウ・マイトゥリ、親友、友達訓練が実施されています。
 三自衛隊共に、様々な機会を捉えて実績を積み重ねています。そして、今回のACSA締結に至りました。今後は、両国の防衛協力はより強固なものとなることを期待しております。
 そこで、伺います。防衛省から見た日印ACSA締結の意義について御説明ください。
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大西宏幸#11
○大西大臣政務官 尾身委員にお答えをさせていただきます。
 ACSAは、締約国それぞれの国内法令の規定に基づき実施される物品役務の提供に際し、その実施に必要となる決済手続等の枠組みを定めるものです。ACSAの締結及び関連規定の整備により、無償で物品貸付け等が可能となり、手続もより簡素化されます。
 仮にACSAがなければ、相手国に対し物品の提供、貸付けを行うことができず、その場合には、物品を融通する訓練等の個別の場面に応じ、物品の提供に関わる貸付料等の適正な価格について相手方と都度交渉した上で徴収する必要が生じることとなります。また、相手国から提供された物品の決済手段として物品を提供することができないこととなります。
 このように、ACSAが締結されていない場合、共同訓練等の様々な場面において必要な物品の提供を円滑に行うことが困難となります。
 ACSAを締結することにより、自衛隊と相手国軍の間の物品役務の相互提供に適用される決済手続等の枠組みが定められることとなり、両者の間で物品役務の提供を円滑かつ迅速に行うことが可能となります。
 自由で開かれたインド太平洋の維持強化に向けた取組を推進する上で、インド洋に面する大国であり、我が国の同盟国である米国や豪州などとともに安全保障上の協力関係を構築しているインドとの協力、連携は欠かせません。
 実際には、日印間で、二国間共同訓練のほか、昨年十一月の日米印豪によるマラバールや本年四月の日仏米豪印によるラ・ペルーズなど、米国や欧州、豪州を含む多国間共同訓練も活発に実施をしてきており、日印ACSA締結は、こうした共同訓練を含む日印間の防衛協力、交流の更なる進展に寄与するものと考えています。
 防衛省・自衛隊としましては、今後、日印ACSAも活用しつつ、両国間で共同訓練を含む実践的な協力や交流を一層強化し、自由で開かれたインド太平洋の維持強化を図り、地域と国際社会の平和と安定に引き続き積極的に貢献していく考えでございます。
 以上でございます。
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尾身朝子#12
○尾身委員 ありがとうございました。具体的に御説明いただき、大変よく分かりました。
 日印ACSA締結後、実際にどのような場面で運用されるものと考えられるのか、防衛省に改めて伺います。可能な範囲で具体的にお答えください。
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野口泰#13
○野口政府参考人 お答え申し上げます。
 日印ACSAが適用される活動場面について申し上げれば、これまでも日印間においては二国間及び多国間の共同訓練を活発に実施してきておりますが、まずはこうした共同訓練における物品役務の提供に際して日印ACSAが適用されることが考えられます。
 これに加えまして、自衛隊とインド軍隊がPKOへの参加や第三国における大規模災害への対処の経験を共有しているほか、親善訪問、寄港、寄航、部隊間交流を含む活発な防衛協力、交流が実施されており、これらの場でACSAが適用されることが考えられます。
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尾身朝子#14
○尾身委員 ありがとうございました。今回の日印ACSAの締結の持つ意義というものは、大変重要なものだというふうに改めて感じております。
 インドは、日本にとって安全保障上欠くべからざる存在となっております。
 ここで、改めて茂木大臣にお伺いしたいというふうに思います。日印ACSAにとどまらず、日印関係の重要性についてどのようにお考えでしょうか。大臣よりお願いいたします。
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茂木敏充#15
○茂木国務大臣 日本にとってインドは、古くは仏教伝来のルーツの地域でもあります。そして、二〇一四年、安倍首相のインド訪問時に、日印の戦略的グローバルパートナーシップ強化に向けて合意をし、その後、モディ首相の訪日であったり、毎年のように相互のトップの往来というのが続いてきているわけであります。そういった我が国と特別戦略的グローバルパートナーシップの関係にあるインド、我が国にとって、先ほども申し上げましたが、自由で開かれたインド太平洋を実現する上で重要なパートナーであります。
 また、インドは、先ほど来議論に出ておりますように、インド太平洋地域の要衝に位置をする。自由で開かれたインド太平洋そのものは地理的な概念ではありませんが、地域ということでいえばその真ん中ぐらいに位置をするわけでありますし、同時に、様々な昔からの良好な港を持っているとか、そういうマドラスであったりとかムンバイ、昔のボンベイですね、いろいろなところもあるところでありまして、また新型コロナでいってみますと、ワクチンでは世界最大の生産地、こういうことにもなっております。
 インドとの間では、三月の首脳電話会談においても、二国間またクアッドの枠組みでの協力、これをしていくことを確認したところでありますし、安全保障、防衛協力、デジタルを含む経済関係協力など、様々なレベルで今後も日印の特別戦略的グローバルパートナーシップの強化に努めていきたいと思っております。
 私も、カウンターパートでありますジャイシャンカル外相、ジェイと呼んでいるんですけれども、彼とは対面で四回、電話で一回会談を行いまして、また、日米豪印の外相会談であったりとかG20、こういった国際的な枠組みの中でも連携を取っているところであります。特に、来年、日・インド外交関係樹立七十周年という節目の年でありまして、人的交流、文化交流分野を含めて、幅広い分野で二国間関係を強化していく契機にしたい、こんなふうに考えております。
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尾身朝子#16
○尾身委員 大臣、本当にありがとうございました。大臣がまさにおっしゃったとおり、日本とインドというのは大変重要な友好関係にあるパートナーであるというふうに考えております。私も四回訪問させていただきましたけれども、その都度、本当にすばらしい国だなという思いを実感しております。私も、これからもインドと日本の更なる関係強化のために全力で取り組んでいきたいというふうに思います。
 また、今回質問させていただきました二つの協定が、これからの相互の関係強化と深化について更に資することを期待いたしまして、質問を終わります。
 本日はありがとうございました。
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あべ俊子#17
○あべ委員長 次に、佐藤茂樹君。
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佐藤茂樹#18
○佐藤(茂)委員 公明党の佐藤茂樹でございます。
 質問の機会をいただきまして、大変にありがとうございます。
 まず、二つの協定案に入ります前に、先週の日米首脳会談に続いて、昨日、大きな外交行事がございました。気候変動サミットにおきまして、菅総理は、二〇三〇年度の温室効果ガスの新たな削減目標として、従来の二六%という目標を大幅に上回ります四六%削減する、そういう新たな削減目標を国際社会の中で表明をされました。
 まず、外務大臣に、その表明の受け止めと、また所見があれば、お伺いさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
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茂木敏充#19
○茂木国務大臣 菅総理、日本時間でいいますと昨晩九時から始まりました気候サミットに参加をいたしまして、二〇三〇年度におきまして、委員御指摘のように、温室効果ガスを二〇一三年度から四六%削減することを目指すと。これは従来の目標からいいますと七割積み増し、こういったことになるんですが、これを目指すこと、さらに、五〇%の高みに向け挑戦を続けていくことを表明いたしました。
 この表明には、冒頭発言をしたグテーレス国連事務総長であったり、主催をした米国を始め各国から歓迎の意が表明されておりまして、日本が気候変動分野においても国際社会をリードしていく姿勢が評価されたと認識をしております。
 日本の取組もそうでありますけれども、それだけではなくて、地球規模でこの温暖化対策、気候変動に取り組むためには、途上国に対する支援であったりとか先進国間で研究開発の協力、まさに先日の日米気候パートナーシップ、こういった枠組み等も重要でありまして、そこでも日本がスキームづくり、さらには協力の枠組みづくり、途上国支援、こういったことでもイニシアティブを発揮したい、リーダーシップを発揮したい、こういう姿勢は世界に向けて発信をされたのではないかなと思っております。
 この後、G7のサミット、六月に予定されております。さらにCOP26、そしてその先も見据えて、各国や国際機関と協力しながら、パリ協定の目標であります脱炭素社会の実現のために取組を加速していきたい、こんなふうに思っております。
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佐藤茂樹#20
○佐藤(茂)委員 済みません、通告していなかったにもかかわりませず、丁寧な御説明をいただきまして、ありがとうございます。
 本会議でも私、質問で申し上げたんですけれども、やはり日米がこの脱炭素で国際社会をリードしていくんだと。具体的に、やはり最初の気候サミットでアメリカとともに高い目標をしっかりと国際社会に提示されたというのは、非常に意欲的な姿勢を示されたのではないか、そのように評価をしているところでございます。
 それで、二協定に入っていきたいと思うんですが、最初、質問で用意していたことは、もう尾身委員がしっかりと質問されましたので、日印ACSAの意義については、もう言うまでもなく、民主主義と法の支配などの基本的価値や戦略的利益を共有している、また地政学的にも極めて大事なインドと、最近、関係が非常に強化されている、その中でのACSAの締結というのは非常に私は意義があるものだろうというように思うわけです。
 ただ、最初にそれで外務大臣へお聞きしたいことはもう割愛をさせていただきまして、今回の日印ACSAについては、今までの五か国との協定で一番の違いの特徴というのは、提供される物品に弾薬が含まれていない、そういう対象外ということになっているんですが、この理由というものはどういうものなのか、外務省の方から御答弁をいただきたいと思います。
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小林賢一#21
○小林政府参考人 お答え申し上げます。
 日印ACSAにおきましては、弾薬を提供の対象外とする点におきまして、日本がこれまでに締結しておりますアメリカ、豪州、英国、カナダ、そしてフランスとの間の五本のACSAとは異なりますが、武器を提供の対象外とする点におきましては、これまでのACSAと同じでございます。
 委員御指摘の弾薬につきましてですが、日本とインドとのこの協定の交渉過程の中におきまして、インド側から、インドが他国と作成しました同様の文書の対象に弾薬を含めたことがないこと、また、そもそもインドにとって弾薬の提供又は受領のニーズがないということからACSAの対象外としたいという要望がございましたことを受けまして、弾薬は提供の対象外とすることにしたということでございます。
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佐藤茂樹#22
○佐藤(茂)委員 まず、基本的なことをお聞きをいたしました。
 その上で、先ほど防衛省からの答弁でもあったんですけれども、今月の五日から七日まで、インド東方のベンガル湾で多国間の海上共同訓練ラ・ペルーズが行われました。フランス語だと思うんですが。フランス海軍が主導して、日本の海上自衛隊とアメリカ、オーストラリアのほか、初めてインドの海軍がこの共同訓練に参加をしております。
 この海上共同訓練の目的や内容と、フランスとクアッド、日米豪印四か国が行った意義について、防衛省、どのように受け止めておられるのか、御答弁いただきたいと思います。
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野口泰#23
○野口政府参考人 お答え申し上げます。
 海上自衛隊の護衛艦「あけぼの」は、四月五日から七日までの間、自由で開かれたインド太平洋の維持強化に資するべく、ベンガル湾において日仏米豪印共同訓練ラ・ペルーズに参加いたしました。
 本訓練は、海上自衛隊の戦術技量や参加国海軍との相互運用性の強化を目的とするものであり、五か国の海軍種の艦艇などが、対空戦訓練、対水上戦訓練、洋上補給訓練などを演練しました。
 ベンガル湾はインド太平洋の主要海域であり、防衛省・自衛隊としましては、本訓練を通じ、自由で開かれたインド太平洋の維持強化を進めていくという我が国の意思が具現化されたものと考えております。また同時に、民主主義や法の支配といった基本的価値を共有する日仏米豪印五か国の連携、結束を内外にしっかり示すこともできたと考えております。
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佐藤茂樹#24
○佐藤(茂)委員 そこで、このACSAとの関連なんですけれども、御存じのとおり、今回、ラ・ペルーズの海上共同訓練に参加した国で、日本は、アメリカ、オーストラリア、フランスとは既にACSAを締結しております。しかし、インドはまだACSAを締結しておりませんでした。また、昨年十一月にも、今回の共同訓練とは違うんですが、マラバール二〇二〇で、日米豪印の四か国の共同訓練も実施しております。
 このような多国間の共同訓練の際に、日本から見て、ACSAを締結している国と締結していない国との間で、共同訓練の運用上、どういう不都合や格差が生じてくることが想定されるのか、今までそういう共同訓練をされてきた中で、ACSAを締結していないことによって運用上の問題が起きた事例があるのか、伺いたいと思います。
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青柳肇#25
○青柳政府参考人 委員御指摘のとおり、自衛隊はこれまで、昨年実施された日米印豪共同訓練マラバール二〇二〇や今年四月に実施された日仏米豪印共同訓練ラ・ペルーズ二一など、ACSAを締結している国と締結していない国双方が参加する多国間共同訓練に参加してまいりました。
 過去、このような多国間の共同訓練におきましては日印ACSAがないことを前提に訓練を行っていたところでございますので、当該訓練において具体的な支障が生じたという事例が発生した事実があったとは承知しておりませんが、日印ACSAの締結により、様々な共同訓練において、必要な物品役務の相互提供をより円滑かつ迅速に行うことが可能となるものと考えております。
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佐藤茂樹#26
○佐藤(茂)委員 今、今までにはそういうことをもう既に、締結していない国とは締結していないという前提での運用をされてきたんだろうと思うんですけれども、ただ、一般論として、共同訓練など様々な場面におきまして、ACSAが仮にないと、必要な物品の提供を円滑に行うのが非常に困難になると言われております。
 というのも、例えば、ACSAを締結していない国の軍隊に対して物品の提供を行う場合に、無償貸付けというのができませんので、適正な対価については、その都度交渉したり、また徴収する必要が出てくる。さらに、例えば相互に燃料、これのケースは多いと思うんですが、燃料を提供してこれを相殺するというような、そういう、相手国から提供された物品の決済手段としてこちらから提供した物品を用いるということもACSAを締結していなければできない、そのように思います。
 共同訓練などにおいて、具体的に、ACSA未締結国に対する物品の提供の困難さについて、防衛省としてどう認識されているのか、御答弁いただきたいと思います。
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青柳肇#27
○青柳政府参考人 お答え申し上げます。
 ACSAは、自衛隊と締結相手国の軍隊が活動を行うに際し、両者の間の物品役務の相互提供に適用される決済手続等の枠組みを定めるものでございます。
 仮に、ACSAがなければ、自衛隊が相手国軍隊に物品を提供する場合、物品管理法及び財政法の規定に基づく物品の貸付けになりますが、貸し付けても国の事務事業に支障を及ぼさないと認められるものについてのみ認められ、また、有償での提供となります。
 加えて、貸付料等の適正な対価について、相手方とその都度交渉した上で徴収する必要が生じるほか、自衛隊が物品の提供を受けた場合に、同種、同等及び同量の物品を提供することなどにより決済することもできないという状況になってございます。
 この点、ACSAの締結によりまして、無償での物品の貸付けが可能となり、手続もより簡素化されることになり、自衛隊と締結国軍隊の間における物品役務の相互提供をより円滑に、かつ迅速に行うことが可能になると考えております。
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佐藤茂樹#28
○佐藤(茂)委員 それで、今回のインドに関連するんですけれども、冒頭申し上げましたように、インドとの関係というのは非常にやはり信頼関係も深まってきているなという、その一つの証左として、インド洋の戦略的要衝とされますインド領のアンダマン・ニコバル諸島というのがございます。このアンダマン・ニコバル諸島というのは、マラッカ海峡からインド洋に至る玄関口となる要衝でございまして、これまでインド政府は、外国人の同諸島への入域を一部地域に制限して、外国による支援も認めてきませんでした。
 ところが、そこで外国の開発援助として初めて日本が参画することが決まったということでございます。JICAが無償資金協力して事業を進める、そういう報道もありますけれども、この外国の開発援助として初めて日本が参画するということ自体も、インド政府と日本との深い信頼の表れではないか、そのように私自身は思っております。
 このインド領のアンダマン・ニコバル諸島に日本が開発援助をするに至る経緯及び支援の内容、さらに日印関係における意義につきまして、外務大臣の御答弁をいただきたいと思います。
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茂木敏充#29
○茂木国務大臣 このアンダマン・ニコバル諸島、ここにおけます支援、これは、委員御指摘のように、マラッカ海峡を抜けてインド洋に出ていく、こういう戦略的要衝にありまして、インドも非常に重視をしている場所であります。
 ここに対しまして、インド政府からの要請を受けて、無償資金協力によりまして、まさに、冒頭気候変動のお話をいただきましたが、今回実施いたしますのは、太陽光発電を有効活用するための蓄電池及び関連設備を整備するものでありまして、この支援によりまして、再生可能エネルギーを活用した電力供給の安定化につながることが期待をされるところであります。
 このアンダマン・ニコバル諸島、そして、それを中心にしまして、この地域の発展を重視するインド政府の取組を後押しすることは、日印関係、この強化にもつながっていくと思いますし、それを超えて、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組としても極めて重要である、このように考えております。
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