予算委員会

2023-02-08 衆議院 全314発言

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会議録情報#0
令和五年二月八日(水曜日)
    午前八時五十七分開議
 出席委員
   委員長 根本  匠君
   理事 小林 鷹之君 理事 中山 展宏君
   理事 古川 禎久君 理事 堀井  学君
   理事 牧原 秀樹君 理事 大西 健介君
   理事 後藤 祐一君 理事 青柳 仁士君
   理事 赤羽 一嘉君
      伊東 良孝君    伊藤 達也君
      石破  茂君    石原 正敬君
      今枝宗一郎君    今村 雅弘君
      岩田 和親君    岩屋  毅君
      衛藤征士郎君    小田原 潔君
      大野敬太郎君    奥野 信亮君
      亀岡 偉民君    工藤 彰三君
      熊田 裕通君    下村 博文君
      鈴木 隼人君    田中 和徳君
      辻  清人君    土屋 品子君
      中村 裕之君    平沢 勝栄君
      藤井比早之君    古屋 圭司君
      牧島かれん君    三谷 英弘君
      宮下 一郎君    八木 哲也君
      保岡 宏武君    山本 有二君
      若林 健太君    鷲尾英一郎君
      岡本あき子君    源馬謙太郎君
      神津たけし君    西村智奈美君
      野田 佳彦君    野間  健君
      馬場 雄基君    藤岡 隆雄君
      太  栄志君    本庄 知史君
      森山 浩行君    山田 勝彦君
      吉田はるみ君    米山 隆一君
      渡辺  創君    阿部  司君
      浅川 義治君    池畑浩太朗君
      小野 泰輔君    金村 龍那君
      高橋 英明君    中司  宏君
      堀場 幸子君    掘井 健智君
      山本 剛正君    吉田とも代君
      庄子 賢一君    中野 洋昌君
      鰐淵 洋子君  斎藤アレックス君
      赤嶺 政賢君    宮本  徹君
      緒方林太郎君    吉良 州司君
      大石あきこ君    櫛渕 万里君
    …………………………………
   内閣総理大臣       岸田 文雄君
   総務大臣         松本 剛明君
   財務大臣         鈴木 俊一君
   文部科学大臣       永岡 桂子君
   厚生労働大臣       加藤 勝信君
   農林水産大臣       野村 哲郎君
   経済産業大臣       西村 康稔君
   国土交通大臣       斉藤 鉄夫君
   防衛大臣         浜田 靖一君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     松野 博一君
   国務大臣
   (こども政策担当)
   (少子化対策担当)    小倉 將信君
   国務大臣
   (全世代型社会保障改革担当)           後藤 茂之君
   国務大臣
   (経済安全保障担当)   高市 早苗君
   国務大臣
   (地方創生担当)     岡田 直樹君
   財務副大臣        井上 貴博君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  加野 幸司君
   政府参考人
   (内閣官房行政改革推進本部事務局次長)      七條 浩二君
   政府参考人
   (内閣官房新しい資本主義実現本部事務局次長)   松浦 克巳君
   政府参考人
   (内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局審議官)         内田 幸雄君
   政府参考人
   (内閣官房内閣情報調査室次長)          柳   淳君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房故安倍晋三国葬儀事務局長)    原  宏彰君
   政府参考人
   (内閣府大臣官房経済安全保障推進室次長)     品川 高浩君
   政府参考人
   (内閣府政策統括官)   榊  真一君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    渡邊 国佳君
   政府参考人
   (総務省自治行政局長)  吉川 浩民君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    金子  修君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 石月 英雄君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長)            長岡 寛介君
   政府参考人
   (財務省理財局長)    齋藤 通雄君
   政府参考人
   (文部科学省初等中等教育局長)          藤原 章夫君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長)            池田 貴城君
   政府参考人
   (文化庁次長)      合田 哲雄君
   政府参考人
   (文化庁審議官)     中原 裕彦君
   政府参考人
   (厚生労働省労働基準局長)            鈴木英二郎君
   政府参考人
   (厚生労働省保険局長)  伊原 和人君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         杉中  淳君
   政府参考人
   (農林水産省農産局長)  平形 雄策君
   政府参考人
   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        定光 裕樹君
   政府参考人
   (中小企業庁経営支援部長)            横島 直彦君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房長) 宇野 善昌君
   政府参考人
   (国土交通省国土政策局長)            木村  実君
   政府参考人
   (国土交通省都市局長)  天河 宏文君
   政府参考人
   (観光庁次長)      秡川 直也君
   政府参考人
   (防衛装備庁長官)    土本 英樹君
   予算委員会専門員     齋藤 育子君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月八日
 辞任         補欠選任
  今村 雅弘君     岩田 和親君
  岩屋  毅君     今枝宗一郎君
  熊田 裕通君     藤井比早之君
  下村 博文君     小田原 潔君
  鈴木 隼人君     石原 正敬君
  牧島かれん君     中村 裕之君
  三谷 英弘君     若林 健太君
  藤岡 隆雄君     馬場 雄基君
  本庄 知史君     野田 佳彦君
  森山 浩行君     野間  健君
  吉田はるみ君     岡本あき子君
  阿部  司君     金村 龍那君
  池畑浩太朗君     小野 泰輔君
  掘井 健智君     堀場 幸子君
  宮本  徹君     赤嶺 政賢君
  緒方林太郎君     吉良 州司君
  櫛渕 万里君     大石あきこ君
同日
 辞任         補欠選任
  石原 正敬君     鈴木 隼人君
  今枝宗一郎君     工藤 彰三君
  岩田 和親君     今村 雅弘君
  小田原 潔君     下村 博文君
  中村 裕之君     牧島かれん君
  藤井比早之君     熊田 裕通君
  若林 健太君     大野敬太郎君
  岡本あき子君     吉田はるみ君
  野田 佳彦君     本庄 知史君
  野間  健君     森山 浩行君
  馬場 雄基君     神津たけし君
  小野 泰輔君     浅川 義治君
  金村 龍那君     中司  宏君
  堀場 幸子君     吉田とも代君
  赤嶺 政賢君     宮本  徹君
  吉良 州司君     緒方林太郎君
  大石あきこ君     櫛渕 万里君
同日
 辞任         補欠選任
  大野敬太郎君     保岡 宏武君
  工藤 彰三君     岩屋  毅君
  神津たけし君     米山 隆一君
  浅川 義治君     山本 剛正君
  中司  宏君     阿部  司君
  吉田とも代君     掘井 健智君
同日
 辞任         補欠選任
  保岡 宏武君     三谷 英弘君
  米山 隆一君     山田 勝彦君
  山本 剛正君     高橋 英明君
同日
 辞任         補欠選任
  山田 勝彦君     太  栄志君
  高橋 英明君     池畑浩太朗君
同日
 辞任         補欠選任
  太  栄志君     藤岡 隆雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 令和五年度一般会計予算
 令和五年度特別会計予算
 令和五年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
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根本匠#1
○根本委員長 これより会議を開きます。
 令和五年度一般会計予算、令和五年度特別会計予算、令和五年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官加野幸司君、内閣官房行政改革推進本部事務局次長七條浩二君、内閣官房新しい資本主義実現本部事務局次長松浦克巳君、内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局審議官内田幸雄君、内閣官房内閣情報調査室次長柳淳君、内閣府大臣官房故安倍晋三国葬儀事務局長原宏彰君、内閣府大臣官房経済安全保障推進室次長品川高浩君、内閣府政策統括官榊真一君、警察庁刑事局長渡邊国佳君、総務省自治行政局長吉川浩民君、法務省民事局長金子修君、外務省大臣官房審議官石月英雄君、外務省中東アフリカ局長長岡寛介君、財務省理財局長齋藤通雄君、文部科学省初等中等教育局長藤原章夫君、文部科学省高等教育局長池田貴城君、文化庁次長合田哲雄君、文化庁審議官中原裕彦君、厚生労働省労働基準局長鈴木英二郎君、厚生労働省保険局長伊原和人君、農林水産省大臣官房総括審議官杉中淳君、農林水産省農産局長平形雄策君、資源エネルギー庁資源・燃料部長定光裕樹君、中小企業庁経営支援部長横島直彦君、国土交通省大臣官房長宇野善昌君、国土交通省国土政策局長木村実君、国土交通省都市局長天河宏文君、観光庁次長秡川直也君、防衛装備庁長官土本英樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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根本匠#2
○根本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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根本匠#3
○根本委員長 本日は、安全保障及び少子化対策など内外の諸情勢についての集中審議を行います。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。宮下一郎君。
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宮下一郎#4
○宮下委員 自由民主党の宮下一郎です。
 本日は、質問の機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
 早速質問に入らせていただきますが、まず、総理に、本来の質問の前に二点お伺いをしたいと思います。
 まず一点目です。
 一昨日、トルコ、シリアで発生した地震により、多くの死者、負傷者が発生しております。被害に遭われた皆様に心からお見舞いを申し上げます。既に六日の夜には国際緊急援助隊を派遣されたとのことですが、政府としてしっかりした支援をお願いしたいと思います。
 そこで、岸田総理に、政府としての対応策等についてお伺いをしたいと思います。
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岸田文雄#5
○岸田内閣総理大臣 二月六日、トルコ南東部において発生した地震によりお亡くなりになられた方々及びその御家族に対し改めて心から哀悼の意を表するとともに、負傷者の方々にお見舞いを申し上げます。
 そして、地震発生当日の六日、私からエルドアン・トルコ大統領に対してメッセージを発出し、亡くなられた方々に心からの弔意を表し、被災された方々へのお見舞いを伝達するとともに、トルコが必要とする可能な限りの支援を行う用意があること、これを伝達させていただきました。
 そのような支援の一環として、既に日本政府としてトルコへの国際緊急援助隊救助チームを派遣したところですが、引き続き、現地のニーズを踏まえ、被害を受けた地域への必要な支援について検討してまいります。
 また、現時点では、在留邦人の生命身体に被害が及んでいるとの情報には接しておりませんが、今後も、現地の被害状況についての情報収集、そして在留邦人の安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。
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宮下一郎#6
○宮下委員 何とぞよろしくお願い申し上げます。
 もう一点は、この度の秘書官の更迭に関連して質問させていただきます。
 岸田総理は、総裁選出馬のときから、持続可能で多様性を認め合う包摂的な社会を目指すことを掲げられ、その後も政策の最重要課題として取り組んでこられました。岸田総理の著書「岸田ビジョン」の中では、「自営業者も、会社員も、働くお母さんも、主婦も、障害のある人も、LGBT(性的少数者)の人も、必ず社会に居場所や役割はあるはずです。」「多様性を認めるからこそ、自分と異なる個性を排除しない、自分と異なる人も仲間として大切にする、そんな一体感のある社会が構築できる」と記載されております。
 そうした中で、先週末、総理秘書官の一人が、性的マイノリティーや同性婚カップルの方々を差別していると受け取られても仕方ない発言を行い、その職を追われるという事態が発生したことは、痛恨の極みであります。
 そこで、岸田総理に改めて、岸田政権の性的マイノリティーの方々等に対するスタンス、考え方を、御自身の著書に込めた思いも含めてお聞かせをいただきたいと思います。また、その上で、今回の総理秘書官の発言をどのように受け止め、今回の人事上の措置を決断するに至ったのか、その辺りの考え方についてもお聞かせをください。
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岸田文雄#7
○岸田内閣総理大臣 今の政権においては、持続可能で多様性を認め合う包摂的な社会を目指しております。性的指向、性的自認を理由とする不当な差別、偏見、これはあってはならないことですし、多様性が尊重され、全ての人々がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きと生きることができる社会を目指していかなければならないと思っています。
 委員に今触れていただきました私の著書の中で、LGBTを含む様々な方々が尊重され、活躍できる社会像について記述をさせていただきましたが、これは、私自身も、ニューヨークにおいて、小学校時代、マイノリティーとして過ごした経験ですとか、また、これまでお会いした、女性だからとか、それから高齢者だから、LGBTだからという理由でその役割や能力を十分に発揮できなかった、そうした残念な思いをされてこられた方々の思い、こうしたものが土台になっていると考えています。
 私が著書の中で伝えたかったこと、これは、多様な個性を持った人が活力を持ってそれぞれの役割や能力を発揮することこそが経済や社会を元気にしていく、こうした私の政治家としての信念、考え方、これを記したものであります。
 そして、荒井元総理秘書官の一連の発言については、こうした政府の方針とは全く相入れず、言語道断であるということから、総理秘書官としての職務を解くことといたしました。引き続き、多様性を尊重し、包摂的な社会を実現していくという政府の方針について丁寧に説明をさせていただきたいと思っております。
 政府のこうした方針について国民の皆さんに誤解を生じさせたこと、これは誠に遺憾なことであり、不快な思いをさせてしまった方々におわびを申し上げる次第であります。
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宮下一郎#8
○宮下委員 ありがとうございました。
 それでは、本来の質問に移らせていただきます。
 本日は、新しい資本主義における主に分配の在り方、また、少子化対策や人口減少を乗り越えるための施策などについて質問させていただきます。
 新しい資本主義が目指す成長と分配の好循環のためには、まず、科学技術・イノベーション、スタートアップ、GXやDXに取り組むことによって成長を実現することが重要であります。そうした観点で見ますと、グローバルにビジネスを展開する多くの大企業は、様々な課題を乗り越えて、円安のメリットも生かして、着実に成長して利益を上げております。中には、大幅な賃上げを表明している企業もあるところです。
 問題は、分配の部分だと思います。もちろん、利益を上げた企業が着実な賃上げを行うことは分配の重要な要素ですが、更に重要なのは、その企業を支える多くの中小企業に分配することだと思います。
 現在、多くの下請中小企業は、円安などの恩恵がなく、原材料価格の高騰の影響ももろに受け、このままでは賃金を引き上げる余力もありません。大企業を支えている下請中小企業のサプライチェーン全体で収益を公平に分配して、物価高に負けない賃上げ原資を確保してもらうためにも、日本の産業全体で価格転嫁が進むよう、政府の後押しが極めて重要だと考えます。
 こうした観点から、中小企業庁では下請Gメン、公正取引委員会ではいわゆる優越的Gメンを全国に派遣して調査を行い、取引価格の適正化を図る努力をされてきました。
 しかしながら、昨年三月と九月を比較しますと、価格転嫁は進んでいるものの、産業全体ではまだ五割程度であり、中には、トラック業界のように転嫁率が二割程度に低迷するなど、いまだ転嫁が進んでいない業種もあり、更なる改善が必要な状態だと考えます。
 もう一つ、こうした企業間の適正な分配を後押しする仕組みとして、パートナーシップ構築宣言の取組があります。
 パートナーシップ構築宣言は、事業者が、サプライチェーン全体の付加価値向上と大企業と中小企業の共存共栄を目指し、発注者側の立場から宣言するものです。この取組が始まったのは二〇二〇年五月ですが、岸田政権が発足した二〇二一年の秋頃から宣言数が大きく伸びてきており、現在は一万八千社を超える企業が宣言しています。大企業も千百社以上が宣言していますが、まだ大企業の一割弱にとどまっており、より多くの企業が宣言していただくことと、また、その宣言の実効性を高めることが重要だと考えます。
 以上を踏まえ、岸田総理にお伺いいたします。
 昨年来、物価高が進む中で、下請中小企業への価格転嫁を進めるために、岸田総理のリーダーシップの下で政府を挙げて強力に転嫁対策を進めていただいていますが、どのような取組によりどのような成果が上がったと認識されているか、また、今後の取組についてもお考えをお聞かせください。
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岸田文雄#9
○岸田内閣総理大臣 物価高が進む中にあって、中小企業が賃上げの原資を確保できるよう、価格転嫁を進めていくことが重要だと思っています。
 これまで、例えば、毎年九月と三月を価格交渉促進月間とし、交渉と転嫁のサイクルの確立に取り組んでまいりました。また、御指摘のように、大企業と中小企業の共存共栄を目指したパートナーシップ構築宣言は、政権発足時の宣言数約二千社から、関係閣僚による働きかけにより、現時点で一万八千社まで拡大をしております。こうした取組の結果、昨年九月の調査において、価格転嫁率は昨年三月の約四〇%から半年で五%程度上昇するなど、状況は少しずつ好転はしております。
 価格転嫁の状況を更に抜本的に改善するために、中小企業における下請Gメンや公正取引委員会の大幅な増員を行いました。また、昨年末、多数の取引先に対して協議をすることなく取引価格を据え置いている企業十三社を公表するとともに、昨日には、九月の価格交渉促進月間の調査結果に基づき、親事業者約百五十社の交渉、転嫁の状況を一覧にして、これを初めて公表いたしました。
 委員の方から、まだまだ努力が必要だという御指摘がありました。政府においても、この三月に迫る次の価格交渉促進月間でも、体制強化を生かして、交渉や転嫁の状況がよくない親事業者に対する指導助言、これを徹底的に行っていきたいと思います。引き続き努力を続けてまいります。
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宮下一郎#10
○宮下委員 是非よろしくお願いいたします。
 次に、成長を分配するもう一つの道である、資産所得倍増プランの実現に向けた取組について質問をさせていただきます。
 パネル一を御覧ください。我が国の家計金融資産二千兆円は、半分以上がリターンの少ない現預金で保有されており、年金、保険等を通じた間接保有を含めても、上場株式、投資信託、債券に投資をしているのは一二・四%にとどまっております。これに対して、米国では五六・二%、英国では二四・七%が上場株式、投資信託、債券に投資されております。
 次に、パネル二を見ていただくとお分かりになると思いますが、米国や英国では、中間層でも確定拠出年金などを通じて気軽に上場株式、投資信託等に投資できる環境が整備されており、米国では二十年間で家計金融資産が三・四倍、英国では二・三倍になっている一方、我が国では一・四倍にとどまっているのは、こうした投資環境の違いが背景にあると考えられます。
 ここに一つの試算があります。最も株価が高かったバブルピーク時の一九八九年十二月に日経平均株価に一括で投資して、その後全く何もしない場合と、昨年の十二月まで三百九十七か月、三百九十七回に分けて三十三年間毎年定額の投資をした場合、そして、三番目のパターンは、それを毎年、投資ではなくて銀行に預金した場合、この三つを比較したデータですが、昨年十二月の時価評価をシミュレーションしてみますと、一括投資して何もしないものは、もちろん今の方が株価は下がっていますので、三二・九%減少になります。一方、長期積立投資では七二・三%増加、原資が一・七倍になる、こういう試算があります。一方、積立預金では、増加はしますが、四・五%増加するだけということで、その差は歴然です。
 長期積立投資をすることで、リーマン・ショックやコロナ禍があっても、預金より有利な投資ができるという試算であります。
 このような長期積立投資が行われている米国や英国では、経済成長が個人の資産増加につながり、成長と分配の好循環が実現しているのに対し、現金や預金が多い我が国では、成長の果実を家計が余り受け取っていないということだと思います。
 こうした状況も踏まえまして、岸田総理は、昨年九月に訪米された際にニューヨーク証券取引所で演説され、日本国内の貯蓄から投資への流れを後押しするために、個人投資家を対象にした優遇税制、NISAを恒久化する意向を明らかにされました。
 さらに、岸田総理が会長であります証券市場育成等議員連盟では、昨年十月に議連の決議を取りまとめ、私も事務局長としてその取りまとめに関わらせていただきました。この決議は、第一に、NISA制度の抜本的拡充、恒久化、第二に、確定拠出年金制度の改革、第三に、資産形成に関する金融経済教育の機会提供という三つを柱としております。
 そして、会長代行であります金田勝年先生を先頭に議連の皆様と要望活動を行って、現在国会に提出されている税制改正法案には、NISA制度の抜本的拡充、恒久化が盛り込まれました。具体的には、無税での年間投資上限が百二十万円から三百六十万円に拡大するとともに、非課税保有限度額も総額で一千八百万円までと大幅に拡充されることとなりました。この大改革は総理のリーダーシップにより実現したものであり、岸田総理に敬意と感謝を申し上げます。
 他方、加入可能年齢の引上げや拠出限度額の引上げなどの確定拠出年金制度の改革については、令和六年の公的年金の財政検証に併せて対応することとなっています。米国や英国では確定拠出年金による投資が多いということも踏まえれば、この制度の改革も大切だと思います。
 同時に、先ほど述べた長期積立投資の特性などを幅広い世代の皆様に正しい理解をしていただき、月々の確定拠出年金の運用先を考えていただくためにも、資産形成に関する金融経済教育の機会提供を推進し、中立的立場からアドバイスを行う公的な資産形成教育機関の創設が必要ではないかと考えます。
 こうしたことを踏まえて、新しい資本主義における資産所得倍増プランの意義や今後の取組などについて、岸田総理のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
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岸田文雄#11
○岸田内閣総理大臣 新しい資本主義では、賃上げが重要だということを強調させていただいておりますが、賃上げと併せて、貯蓄から投資を進めて、家計の金融資産所得の拡大によって可処分所得を増やすことによって、これを消費の増加につなげて、そしてこれを次の成長につなげていく、こうした考え方に基づいて、昨年十一月に、資産所得倍増プラン、これも取り上げた次第です。
 具体的には、NISAの抜本的拡充や恒久化を実施することにより、中間層を中心とする層が将来にわたって安定的な資産形成を行う環境を整備するということ、また、iDeCoの加入可能年齢を七十歳までに引き上げ、活用可能性を高めるということ、また、金融経済教育を実施するための中立的な組織を設立し、官民一体で戦略的に対応を進めていくということ、こうした取組を通じて、今後五年間でNISAの総口座数と買い付け額を倍増させるとともに、長期的には、資産運用収入そのものの倍増も見据え、国家戦略として資産形成の支援に取り組み、資産形成と成長の好循環、こうしたことを実現したいと考えています。
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宮下一郎#12
○宮下委員 次に、少子化対策について質問させていただきます。
 現在、希望出生率一・八の実現を目指しているところですが、一言で言えば、これは、結婚したいと考えている方が全員結婚して、持ちたいと思う子供さんの数を全員が持つ、こういうことができればということなんですが、一番の懸念は、実際の結婚をされる方が減っている、未婚率が上昇しているということです。
 若者が結婚しない理由としては、大きく四つ。断トツが、適当な相手に巡り合わないというのが一番多いわけですが、まだ必要性を感じないとか、自由さや気楽さを失いたくない、また、結婚資金が足りないなどが続いております。
 適当な相手に巡り合わないや結婚資金が足りないという問題については、パネル三にありますように、左側の事業は、地域における結婚支援を強力に支援しようという事業、右側は結婚の新生活を支援するという事業であります。住宅に対する支援も含めて支援するということです。
 こうしたいい取組はあるんですが、この取組はまだ一部の自治体にとどまっているのが現状です。今後、更に予算も拡充し、全国の自治体でしっかり取り組むことが必要だと考えますが、小倉大臣の御認識を伺いたいと思います。
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小倉將信#13
○小倉国務大臣 お答えいたします。
 これまで、私自身も若者や有識者からお話を伺っている中で、若い世代が結婚しない理由の一つとして、幾つか委員が挙げられた点に加えまして、結婚した後に子供を持つという希望がなかなか見出しづらいからではないかとのお話も聞いてまいりました。
 したがいまして、今まさに子育てをしている方々への支援を充実させることは、これから結婚しようとする若い世代が結婚や出産に希望を持てる社会をつくることにもつながるのではないかとも感じております。
 ただ一方で、これも宮下先生御指摘のとおり、若い世代の結婚をめぐる状況を見ますと、男女共に多くの方がいずれ結婚することを希望しながら、例えば、かつてあったようなお見合い結婚の減少とともに、適当な相手に巡り合わないですとか、あるいは、自宅住まいの方にとってはなかなか引っ越しとか住居費が出ないという、結婚資金が足りないなどの理由でその希望がかなえられていない状況がございます。
 このため、結婚の希望が希望する年齢でかなうような環境を整備することが必要でありまして、厚労省における雇用の安定など若い世代の経済的基盤の安定を図るための取組と同時に、内閣府におきましては、委員に御指摘をいただきました出会いの機会、場の提供、結婚資金や住居に関する支援などの地方公共団体が行う取組を地域少子化対策重点推進交付金により支援をさせていただいております。
 この交付金につきましては、令和四年度第二次補正予算において前年度の約三倍に増額をしまして、結婚に伴う家賃、引っ越し等の経費の支援に関するメニューの対象世帯の所得要件の緩和ですとか、出会いの機会の創出等に関するメニューの補助率の引上げ、また、結婚支援コンシェルジュ事業の追加といった施策の充実を行ったところであります。
 委員からは、まだ一部の自治体にとどまるというような御意見をいただきましたので、より多くの地方自治体にこうした交付金を活用していただけるよう、しっかりと私の責任の下で働きかけをしてまいります。
 引き続き、結婚を希望する方々がその希望をかなえられるような環境整備に全力で取り組んでまいります。
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宮下一郎#14
○宮下委員 もう一点、夫婦の平均理想子供数と平均予定子供数に乖離がある問題について質問したいと思います。
 理想は二人以上だが予定は一人と答えた御夫婦や、理想は三人以上だが予定は二人以上と答えた御夫婦が理想の子供数を持たない理由としては、やはり、子育てや教育にお金がかかり過ぎるからという理由と、高年齢で産むのが嫌だから、この二つが大きな割合を占めております。
 お金がかかり過ぎる問題については、児童手当の拡充や教育費支援の拡充が効果を上げることが期待されますけれども、高年齢出産の問題は、初婚年齢や第一児出産年齢が上昇していることが関係していると考えられます。
 この点では、若者が若い時期に結婚できるような環境を整備するために、例えば、従来の年功賃金から、職務に応じてスキルが適正に評価され、賃上げに反映される日本型の職務給へ移行して、若者の給与を引き上げることや、働く女性が二十代で出産しても育休後に就業を継続してキャリアアップできる環境を整備すること、また、男性の育児への協力の有無が第二児出産の有無に影響するという調査もあることから、働き方改革を通じて男性も育児に協力できる環境を実現することなどが必要だと感じます。
 こうした点について、加藤厚生労働大臣の御見解をお聞かせください。
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加藤勝信#15
○加藤国務大臣 希望に応じて男女共に仕事と育児の両立が図れる社会の実現、これは大変重要でございます。
 育休後のキャリアアップについて、本人の希望に応じ、相談対応ができるキャリアコンサルタントの養成を行うなど、必要な支援体制の整備を行っていくとともに、全世代型社会保障構築会議の報告書を踏まえ、男女共に、子育て期における長時間労働の是正、柔軟な働き方を可能にする仕組みについても検討していきたいと考えております。
 また、男性の育児への関わりが促進されるよう、昨年十月から産後パパ育休を導入しております。その周知を図り、男性の育休取得も促進してまいりたいと思います。
 また、日本型職務給でありますけれども、これについては、本年六月までに、企業における導入方法を類型化し、モデルを示すこととしております。今後、新しい資本主義実現会議において議論が進められるに当たって、厚労省としても、関係府省と連携をして取り組んでいきたいと考えております。
 これまでも、働き方に関する各種の施策の検討、実施に当たって、経済界にもいろいろ御議論に参画をいただきました。引き続き、経済界を含む関係者の理解と協力を得ながら、一つ一つの政策を丁寧に進めていきたいと考えております。
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宮下一郎#16
○宮下委員 ありがとうございました。
 次に、人口減少を乗り越えて我が国が持続可能な発展を実現するための方策の一つとしての、輸出の促進について質問をさせていただきます。
 日本の輸出額は、中国、アメリカ、ドイツに次ぐ第四位ですが、人口八千二百万人のドイツの輸出額は日本の二倍以上あり、そこには大きな差があります。かつて、党の中小企業・小規模事業者政策調査会でドイツに視察に参りましたが、ドイツの中小企業の強みは、フラウンホーファーなどの研究機関とも連携しながら革新的な新製品開発を行うとともに、EU全体を市場と捉え、輸出に積極的に取り組んでいることだと感じました。我が国の中小企業も、我が国がCPTPPやRCEPに加盟し、また各国との経済連携協定を結んでいることを生かして、海外への製品やサービスの輸出に取り組むことが必要だと感じております。
 パネル四を御覧いただきたいと思いますが、経済産業省では、新規輸出一万者支援プログラム、また、コンテンツについてはコンテンツ海外展開促進・基盤強化事業、こうした事業に取り組んでおられると伺っております。多くの企業の皆様にこうした支援策を知っていただいて活用いただくことが今は大切だと考えておりますので、支援の具体的内容について西村経済産業大臣に御説明をいただければと思います。
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西
西村康稔#17
○西村(康)国務大臣 宮下委員御指摘のように、中小企業も海外のマーケットを切り開いていくことは極めて重要だというふうに認識しております。このため、今般、初めて輸出に取り組もうとする中小企業の輸出をサポートするための新規輸出一万者支援プログラムを始動したところであります。
 具体的には、全国にあります二千百を超える商工会議所、商工会などに輸出に関心のある企業を御紹介いただいて、そして、ジェトロの専門家がまずカウンセリングを行う、そして、その結果に応じて、輸出をすべきかどうか迷っている企業に対する個別相談や、あるいは、海外向け商品開発に必要な設備の導入、ブランディング、プロモーションへの補助、そして、輸出商社やあるいは海外のECサイトへのつなぎ、こうしたことをジェトロや中小機構が連携して、事業計画の策定、そして、商品の開発から販路開拓までを一気通貫で支援をするということを進めております。昨年十二月十六日にこのプログラムを開始しまして、それ以降、現在までに八百社以上の事業者に登録をいただいております。
 また、御指摘がありましたコンテンツの海外展開の促進につきましても、経産省では、令和四年度、昨年末の第二次補正予算におきまして約二百億円の予算を計上し、予算の中で、海外向けのローカライゼーション、その地域地域で言語を変えたり、そういったことや、プロモーション、こうしたことに係る支援策を盛り込んでいるところであります。
 こうした事業をできるだけ多くの方に御利用いただくために、まさに御指摘がありますように周知広報に努め、中小企業の海外展開の促進を強力に推進してまいりたいというふうに考えております。
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宮下一郎#18
○宮下委員 もう一つの輸出の目玉は、農林水産物、食品の輸出だと思います。この点、実績として非常に順調に伸びておりまして、二〇二二年の輸出実績は一兆四千百四十八億円、前年比で一四・三%の増加となりました。今後は、二〇二五年二兆円の目標に向けて様々な取組を更に加速させなければならないと考えます。
 また、物流コストの上昇なども踏まえ、サプライチェーンの効率化、高度化を図るとともに、輸出先のニーズも捉えた上で、現地の適正価格での販売を行い、利益の上がる輸出を実現しなければ、日本の農林水産業の発展につなげることができないと考えます。
 こうした現状を踏まえまして、今後の農林水産物、食品の輸出増加に向けてどのように取り組まれるのか、野村農林水産大臣にお伺いをしたいと思います。
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野村哲郎#19
○野村国務大臣 宮下委員に御答弁を申し上げます。
 今お話がありましたように、昨年一年間の輸出総額は一兆四千百四十八億ということで、十年連続で最高を記録をいたしております。今後、国内の食市場が縮小する中では、やはり、大きく拡大すると見込まれております世界の食市場を、輸出拡大に取り組むことが我が国の国内生産を維持拡大する上で不可欠だというふうに思っているところでございます。
 このため、今お話がありましたように、輸出拡大実行戦略に基づきましてマーケットインの発想の下でやっていきたい、こんなふうに考えておりまして、現在、認定品目団体を中核とした輸出促進を展開しておりますが、現在七団体できております。そして、さらに、輸出支援プラットフォームの体制強化でも六か国でき上がりました。
 こういったようなことを図ることとするほかに、議員御指摘のサプライチェーンの効率化や加工食品の輸出については、生産から流通、販売まで一気通貫のサポートが必要だというのが一点。それから二つ目が、中小の加工食品事業者の連携や、添加物の代替利用促進などに取り組んでまいりたいと思っているところでございます。
 農水省としましては、二〇二五年二兆円目標の前倒し達成を目指して更なる輸出拡大に向けた支援を進め、我が国の農林水産業の稼ぐ力を強化してまいりたいと思っているところでございます。
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宮下一郎#20
○宮下委員 農林水産業の輸出、食料安全保障、農業を元気にするためにも重要であります。大臣のますますのリーダーシップに期待をしたいと思います。
 最後に、人口減少を乗り越えるための戦略としての、地方創生とインバウンドの振興について質問をさせていただきます。
 現在、全国の地方では、農林業や物づくり企業など、あらゆる産業で担い手不足に直面していますけれども、コロナ禍を通じてアウトドア志向が高まり、長野県のキャンプ場などもにぎわっております。テレワークの広がりによって地方で仕事をする人が増えたり、また、自然の中で子供を育てたいと移住する人が増えるなど、新たな人の流れも生まれています。
 私の住む長野県では、昨年、二十二年ぶりに流入人口が流出人口を上回ったという報道がありました。一方、一昨年転出超過であった東京二十三区が昨年は転入超過に戻ったという報道もあり、東京一極集中の是正が進んだとは必ずしも言えない状況にあります。相対的に出生率が高い地方で子育てをする人を増やすとともに、交流人口や関係人口、さらにはインバウンドで地方を訪れる人を増やすことが地方創生と地域経済の活性化につながると考えております。
 このうち、特に、訪日外国人観光客の地方への誘客や地方における消費拡大に向けては、移動の利便向上や多言語対応、キャッシュレス対応等の多様な受入れ環境整備の促進が重要と考えます。こうした点について具体的にどのような政策を考えておられるのか、斉藤国土交通大臣にお伺いしたいと存じます。
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斉藤鉄夫#21
○斉藤(鉄)国務大臣 インバウンドをまず回復させる、そして、回復したインバウンドが地方に行っていただくということが非常に重要だと思いますけれども、地方部における観光地や宿泊施設の受入れ環境の整備、そして、観光と連携した公共交通の利便性の向上など、様々な場面における受入れ環境の整備が必要になってまいります。
 これまで、国土交通省においては、各種の支援策を講じて、観光地や公共交通機関における多言語対応、今宮下委員からお話がございました多言語対応、それからキャッシュレス決済対応、それから無料WiFiの整備などの取組を促進してきましたが、地方部においては更なる改善の余地がある、このように認識しております。
 国土交通省としては、引き続き、令和四年度第二次補正予算、これは予算をいただきました、これを活用して財政支援を行うことによって、インバウンドの満足度向上や消費拡大に資する受入れ環境の整備をしっかりと進めてまいりたいと決意しております。
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宮下一郎#22
○宮下委員 ありがとうございます。
 人口減少があっても、インバウンドがあれば経済は大きく前に進むと思います。オリンピック前には年間三千万人訪れていたインバウンド、ようやく今年から回復に向かっているというところでありますけれども、将来は、本来の目標であります六千万人も視野に入れて是非とも後押しをお願いしたいと思いますし、そのためには、やはり既存の観光エリアだけでは受け入れ切れませんので、地域を元気にして、地域でどんどん海外の方を受け入れる、それがますます重要だと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 また、地方創生の実現のためには、少子高齢化の中でも快適に暮らせる地域づくりが必要であり、デジタル田園都市国家構想の実現が重要なときを迎えていると感じます。
 パネル五を御覧ください。私の住む長野県伊那市では、地元の企業やイノベーションに取り組む大手企業が参加して開発した、様々なデジタル田園都市国家構想の取組が稼働しております。十種類ぐらいあるんですけれども、今日は、四種類、代表的なところをちょっと拾ってきました。
 例えば、右上のドローンデリバリーと書いたやつですが、これは取組名はゆうあいマーケットと申しますが、地元のケーブルテレビのリモコンで地元のスーパーの商品を数百種類から選んで朝に注文すると、午後に、スーパーマーケットの人がドローンに積み込んで近くの公民館まで飛んでくる、これを地域のボランティアの方が家まで届けてくれる。朝注文すると、お総菜の材料が午後届くという非常に進んだシステムです。
 それから、左上のモバイルクリニックという取組は、ケーブルテレビや電話で診察を予約すると、看護師さんが乗った移動診察車が家の前まで来てくれて、車椅子のまま車に乗り込んで、診察の際には聴診器の音や血圧のデータなどが通信でお医者様に送られて、オンラインで医師と話しながら診察や服薬指導などを受けられるモバイルクリニックという取組であります。既にこのモバイルクリニックは青森県、秋田県、岩手県、島根県などにも広がっているそうです。
 そのほかにも、電話やケーブルテレビで乗り合いタクシーが予約できて、複数のお客様の乗車や降車の順番やルートをAIが計算するAI乗り合いタクシー、右下にあります。
 それから、自動運転トラクターや自動給水栓などを活用したスマート農業など、地域の課題をデジタル技術で解決する様々な取組が行われております。
 伊那市も含め全国各地で進められているデジタル田園都市国家構想の優れた取組について、全国で社会実装を進めるために、岡田大臣には、交付金の活用等により横展開のサポートを是非お願いしたいと考えております。
 また、交流人口、関係人口を増やすために、山村留学や子供たちの農山漁村体験を広げ、第二のふるさとを持ってもらうことは大変重要だと考えています。こうした点についても併せて岡田大臣のお考えを伺いたいと思います。
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岡田直樹#23
○岡田国務大臣 お答えいたします。
 デジタル田園都市国家構想実現のためには、宮下委員御紹介の伊那市の事例のように、地方公共団体が、地域の実情に応じ、自主的、主体的にデジタル実装を通じた社会課題の解決に取り組むことが重要と考えております。
 本構想の実現を図るために、令和四年度第二次補正予算においてデジタル田園都市国家構想交付金を創設し、令和四年度第二次補正と令和五年度の当初予算案を合わせて、合計千八百億円を措置したところであります。関係省庁と連携し、政策分野を横断的に支援する本交付金の活用等を通じて、各地域の優良事例の横展開の加速化を図ってまいりたいと存じます。
 また、子供の農山漁村体験については、子供の生きる力を育むとともに、将来の地方UIJターンの基礎となることが期待されます。特定の地域と継続的なつながりを持つ関係人口を創出、拡大させていくためにも重要であると考えております。
 デジタル田園都市国家構想総合戦略において、人の流れをつくるという施策として位置づけたところでありまして、関係省庁と連携の下、農山漁村体験に参加する送り側の学校等と、また、体験の実施地域である受入れ側の農山漁村等への支援など、必要な施策をしっかり推進してまいりたいと存じます。
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宮下一郎#24
○宮下委員 ありがとうございました。
 以上で質問を終わります。よろしくお願いいたします。
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根本匠#25
○根本委員長 この際、大野敬太郎君から関連質疑の申出があります。宮下君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大野敬太郎君。
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大野敬太郎#26
○大野委員 自由民主党の大野敬太郎でございます。
 本日は、質問の機会をいただきましたことを、理事の先生方には心から感謝を申し上げたいと思います。
 まず冒頭、トルコで起きた地震に関しましては、被害に遭われた皆様には、心からお悔やみあるいはお見舞いを申し上げさせていただきたいと思います。
 昨年、昨年末でありましたけれども、いわゆる安全保障関連の戦略三文書が改定をされました。今の国際情勢を見ますと、連日安全保障関係の報道がなされているわけでありますし、安全保障の裾野というのが経済あるいは民間の領域に広がっている、あるいは、対処すべき領域というのも宇宙やサイバーといったところにも広がっておりますので、戦略も当然変えるべきでありますし、的確な方向性を三文書ではお示しをいただいたものだと高く、強く支持をしたいと思います。
 そこで、まず冒頭に、総理にお伺いをさせていただきたいと思います。
 戦略三文書は、これからの方向性を示していただいたいわゆるビジョンペーパーでありますが、私、この中身は非常にすばらしい中身が盛り込まれていると認識をしておりますので、全部しっかりとやっていくことが重要なんだ、実現していくことが重要なんだと思いますので、総理には、是非この予算委員会の場で、全部やっていくんだというコミットメントをいただければと思いますし、また、優先順位が総理の中にございましたら是非お示しをいただければと思います。
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岸田文雄#27
○岸田内閣総理大臣 戦後最も厳しくそして複雑な安全保障環境に私たちは対峙していると言われている中で、伝統的な外交力そして防衛力にとどまらず、経済力あるいは技術力を含む総合的な国力を最大限活用し、三文書に示した施策の実現に早急に取り組んでいきたいと考えています。
 まずは、首脳レベルを含め積極的な外交を展開することによって、我が国にとって望ましい国際環境を実現してまいります。
 同時に、外交には裏づけとなる防衛力が必要であり、我が国への攻撃が行われたとしても我が国が主たる責任を持って対処できるよう、五年後の二〇二七年度までに防衛力を緊急的に強化をいたします。
 また、総合的な国力を活用し、我が国を全方位でシームレスに守っていくという考え方に基づいて、海上保安庁の能力強化ですとか、経済安全保障政策の促進など、政府横断で早急的に取り組んでいく考えです。
 さらに、防衛力の抜本的強化を補完するものとして、研究開発、公共インフラ整備、サイバー安全保障に取り組むなど、総合的な防衛体制を強化いたします。
 そして、三文書は、その内容が実施されて初めて完成するものだと考えています。各政策が戦略的かつ継続的な形で適時に実施されるよう、国家安全保障会議において適切に進捗管理、これも行っていきたいと考えております。
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大野敬太郎#28
○大野委員 ありがとうございます。
 できるだけ前倒しに、粛々、淡々と、的確に、これは実効的な制度整備、設計を行っていただければと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 私は、特に重要な部分というのは、まさに今、総理がお触れになりましたけれども、実現するためのアプローチの中で、総合的な国力によって我が国が主体的にというか能動的に国際秩序を創出するというふうに書かれている部分でありまして、まさに外交力が中心になっているわけであります。その中で、お触れになられましたとおり、防衛力と経済力、さらには技術力と情報力、これをしっかりと強化をしていくことによって、行き着くところ、外交力によって国際秩序を強化するんだ、こういうことが書かれておりますので、まさに今日は、その外交力を支えるという意味での四つの分野について御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、経済力について、特に今日は経済的威圧について取り上げさせていただきたいと思います。
 昨年、西村大臣はG7において経済的威圧について議論をリードいただきましたし、2プラス2でもお触れになられました。また、今年の総理訪米のときにも、日米共同声明でも、この経済的威圧というのをどう取り扱うのかといったことが声明に盛り込まれております。
 まさに、中国やロシアといった国による経済的威圧、これはまさに国際社会にとっては安全保障上の極めて重要な課題であると認識しておりまして、日本もかつて中国によってレアアースの禁輸という経済的威圧を経験したわけでありますが、そのときは、技術力の革新、技術革新によってそれを何とか乗り切ることができたんですけれども、今後は、もちろん対処力というのも必要なんですが、いかにそういうことをさせないという抑止力、これをどうやって持つのか、担保するのか、ここは非常に重要なポイントなんだと思います。
 そこで、西村大臣にお伺いさせていただきたいと思いますが、今年のG7広島サミットあるいは貿易大臣会合にて主要な課題にもなると思いますけれども、外国勢力からの経済的威圧、これにどう対処するのか、あるいは、既存の制度だけで抑止力というものをしっかりと担保できるのか、あるいは、有志国とともに平仄を合わせてどうやって連携をしていくのか、あるいは、もっと言えば国際秩序というのを今後どうやって構成していくべきなのか。これは是非、西村大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
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西
西村康稔#29
○西村(康)国務大臣 非常に重要な御指摘だと思います。
 まさに経済力を用いた威圧行為、いわゆる経済的威圧、これにつきましては、昨年九月にドイツで開かれましたG7貿易大臣会合で、これはもう参加国全て一致して、深刻な懸念を表明すると同時に、まさにそうした行為への備え、抑止それから対処、そのためにG7を始めとする国々で協力することに合意したところであります。
 こうした議論を踏まえて、まさに御指摘のように、本年、日本がG7の議長国を務めますので、その中で経済的威圧への対応についても議論をする予定でございます。
 その中で、経済的威圧の抑止、それから影響緩和の観点から、既存の政策ツールの運用で不足する部分はないのか、あるいは新たに必要な政策的な対応は何か、こういったところを議論を始めているところであります。同志国としっかりと議論をして、連携して取り組んでいきたいというふうに考えております。
 その上で、経済的威圧の抑制のためには、まさに国際ルールの基盤である例えばWTO、これがしっかりと機能していくことが重要であります。WTOのルールメイキング機能を強化するとともに、今止まっております紛争解決機能、これを早期に回復させるべく、WTO改革の議論を主導していきたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、国際的な同志国の中で、しっかりと経済的威圧への対応を考えていきたいというふうに思います。
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