予算委員会

1956-02-15 参議院 全141発言

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会議録情報#0
昭和三十一年二月十五日(水曜日)
   午前十時四十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
二月六日委員森崎隆君辞任につき、そ
の補欠として近藤信一君を議長におい
て指名した。
二月八日委員泉山三六君辞任につき、
その補欠として木村篤太郎君を議長に
おいて指名した。
本日委員吉田法晴君辞任につき、その
補欠として山本經勝君を議長において
指名した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     西郷吉之助君
   理事
          池田宇右衞門君
           堀  末治君
           三浦 義男君
           安井  謙君
           秋山 長造君
           曾祢  益君
           館  哲二君
           豊田 雅孝君
   委員
           青木 一男君
           石坂 豊一君
           井上 清一君
           伊能 芳雄君
           木内 四郎君
           佐野  廣君
           高橋進太郎君
           西岡 ハル君
           野村吉三郎君
           武藤 常介君
           吉田 萬次君
           亀田 得治君
           近藤 信一君
           相馬 助治君
           戸叶  武君
           羽生 三七君
           山本 經勝君
           田村 文吉君
           中山 福藏君
           千田  正君
           八木 幸吉君
  国務大臣
   内閣総理大臣  鳩山 一郎君
   外 務 大 臣 重光  葵君
   大 蔵 大 臣 一萬田尚登君
   文 部 大 臣 清瀬 一郎君
   労 働 大 臣 倉石 忠雄君
   国 務 大 臣 大麻 唯男君
   国 務 大 臣 太田 正孝君
   国 務 大 臣 船田  中君
  政府委員
   内閣官房長官  根本龍太郎君
   内閣官房副長官 松本 瀧藏君
   法制局長官   林  修三君
   法制局次長   高辻 正巳君
   外務事務官
   (公使)    木村四郎七君
   外務省条約局長 下田 武三君
   大蔵省主計局長 森永貞一郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       正木 千冬君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠互選
○昭和三十年度一般会計予算補正(第
 1号)(内閣送付、予備審査)
○昭和三十年度特別会計予算補正(特
 第4号)(内閣送付、予備審査)
○昭和三十年度政府関係機関予算補正
 (機第1号)(内閣送付、予備審
 査)
    ―――――――――――――
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西
西郷吉之助#1
○委員長(西郷吉之助君) それではただいまより委員会を開きます。
 まず、理事の辞任並びにその補欠を行いたいと思います。
 理事佐多忠隆君及び松洋舞人君から、それぞれ理由を付しまして理事辞任の申し出がございます。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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西
西郷吉之助#2
○委員長(西郷吉之助君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたします。
 次に、理事の補欠互選を行います。
 互選は先例によりまして、その指名を委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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西
西郷吉之助#3
○委員長(西郷吉之助君) ではさよう決定いたします。
 理事に秋山長造君及び曾祢益君を指名いたします。
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西
西郷吉之助#4
○委員長(西郷吉之助君) 本日は提案されました昭和三十年度予算補正案を議題といたします。
 この審議につきましては、昨日委員長及び理事打合会を開きまして協議の結果、本日提案理由の説明を聞きまして、その後に総括質問を行い、引き続いて一般質疑を今明日続けて参る予定でございます。
 なお、十七日に本補正予算案は衆議院を通過する予定でございますので、委員会における討論採決は来る十八日土曜日に行う予定でございますからさよう御了承をお願いいたします。
 それでは昭和三十年度予算補正案につきましてまず大蔵大臣の提案理由の説明をお願いいたします。一萬田大蔵大臣。
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一萬田尚登#5
○国務大臣(一萬田尚登君) 政府は、昭和二一十年度予算補正を行うため、昭和三十年度一般会計予算補正(第一号)、昭和三十年度特別会計予算補正(特第四号)及び昭和三十年度政府関係機関予算補正(機第一号)を国会に提出いたしましたが、ここに予算委員会の御審議をお願いするにあたりまして、七の概要を御説明申し上げることといたします。
 一般会計予算の補正は、先に実施した地方財政についての臨時措置に伴う財源の補てん、食糧管理特別会計の赤字補てん、義務教育費国庫負担金、生活保護費等の不足補てんその他必要最少限度の歳出の増加に限って行うこととし、これに必要な財源は、租税等の増収のほかは、極力歳出の節約繰り延べ等により捻出することといたしております。特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、右の一般会計予算の補に伴うもののほか、必要最少限度のものにつき、補正を行うことといたしております。以下、補正予算の内容につき御説明いたします。
 一般会計予算の補正における歳出の追加額は、三百五十四億円でありまして、その財源としては、租税等の増収二百十八億円のほかは、公共事業系統費その他既定経費の節約繰り延べ等により、百三十六億円を捻出いたすこととしております。
 これによりまして、一般会計歳入歳出予算の総額は、二百十八億円増加し、一兆百三十三億円となる予定であります。
 歳出の追加額のうち、おもなものにつき御説明いたします。
 地方財政につきましては、その窮状に対処し、さきに本年度限りの臨時の措置といたしまして、交付税及び譲与税配付金特別会計において百六十億円の借り入れを行い、これを地方団体に交付することとし、これに伴う同特別会計の補正を行なったのでありますが、今回は、この特別会計の借入金相当額百六十億円を一般会計から補てんすることといたしたのであります。
 なお、地方財源措置といたしましては、このほか、地方交付税交付金について、三十年度の所得税及び法人税の増収見込み九十五億円に対応し、その二二%に当る二十億九千万円を増額することといたしております。
 食糧管理特別会計につきましては、三十年産米の買い入れ数量の増加に伴い、食糧買い入れ費、食糧管理費等の歳出予算を増額する必要がありまするため、さきに予算の補正を行なったのでありますが、この特別会計は三十年度末におきまして、二十九年度末の損失三十億円を含め百六十七億円の損失を生ずる見込みであります。そのうち一般会計からのインベントリィ・ファイナンス相当額百億円を除く六十七億円の損失を補てんするため、今回一般会計から繰り入れを行うことといたしました。
 生活保護費につきましては、実績に基く所要見込額が予算を上回るに至りましたので、不足額二十三億円を追加計上し、義務教育費国庫負担金につきましては、二十九年度の清算に基く不足額十二億円と三一年度の年末手当〇・二五カ月分の増額に伴う不足見込額十二億円と合わせて二十四億円を追加計上いたしました。
 国債費の追加額十二億五千万円は、三一年七月の特別円問題の解決に関する日本国とタイ国との間の協定の発効に伴う政府と日本銀行との間の債権債務の処理に関する取りきめに基き、戦時中政府が日本銀行から借り入れた金額を償還するためのものであります。なお、この取りきめにより、同時に日本銀行から旧タイ国特別円債権返償金として十六億千五百万円を歳入に受け入れることになっております。
 旧軍人遺族等恩給費につきましては、受給見込人員の増加に伴う本年度内の不足額十七億円を追加計上いたしました。国際金融公社出資金約十億円は、別途今国会に提出して御審議を願っております国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律案に基き、国際復興開先銀行の活動を補足する目的で設立される国際金融公社に出資するため必要なものであります。
 日本電信電話公社交付金約九億円は国際電信電話株式会社法に基き、政府が保有する国際電信電話会社の株式の一部の売払代金相当額を電電公社に交付するものでありまして、歳入歳出両建であります。
 以上のほか、国会の会期延長等に伴う国会運営費の増加等、必要最少限度の経費の追加を計上いたしております。
 以上の歳出の追加に必要な財源といたしましては、次のとおり予定いたして、おります。
 租税及び印紙収入は百六十億円の増加を見込んでおりますが、これは経済の好転等に伴う所得の増加により、所得税が八十五億円、法人税が十億円増加いたしますほか、砂糖の輸入量の増加等に伴い砂糖消費税が十五億円、電気器具等の売上げ増加に伴い物品税が三十五億円、砂糖等の輸入量の増加に伴い関税が十五億円増加する見込みであるからであります。
 砂糖等の特殊物資の輸入差益につきましては、当初予算においては、特殊物資納付金処理特別会計を創設し、これに吸収する予定でありましたが、関係法案の審議未了により、この特別会計は成立いたしませんでしたので、今回、これを一般会計の歳入に寄付金として受け入れることといたしました。その金額は三十億円と予定いたしております。
 その他の歳入につきましては、国際電信電話会社の株式の売払代約九億円、旧タイ国特別円債権返償金十六億千五百万円、金融機関調整勘定利益分配金十七億九千万円その他合わせて七十八億円の増加を見込んでおります。
 以上、歳入の追加額は、二百六十八億円になりますが、上級たばこの売れ行き不振等によりまして、専売納付金が約五十億円減少する見込みでありますので、差引、歳入の増加額は二百十八億円と予定いたしております。
 公共事業系統費につきましては、事業の執行状況等を勘案し、無理のない限度内において、節約繰り延べ等を行うこととし、六十四億円を減額することといたしました。
 右のほか、賠償等特殊債務処理費において三十億円、農業保険費において二十八億円、外航船舶建造融資利子補給その他において十四億円、合わせて、七十二億円の歳出の節約不用等を見込んでおります。
 以上、歳入の増加二百十八億円と歳出の節約繰延等百三十六億円、合わせて三百五十四億円をもちまして、歳出の追加に必要な財源といたしている次第であります。
 特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、一般会計の補正に伴い、交付税及び譲与税配付金特別会計、国債整理基金特別会計、専売公社等の予算の補正を行うほか、必要最小限度のものにつき。補正を行うことといたしております。
 以上、昭和三十年度補正予算につきまして、ごく概略を御説明申し上げましたが、なお詳細にわたりまして、政府委員をして補足して説明させることといたします。
 何とぞ、政府の方針を了とせられ、この予算補正に対て、すみやかに御賛同あらんことをお願いいたします。
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西
西郷吉之助#6
○委員長(西郷吉之助君) 次に、森永主計局長から補足説明をいたさせます。
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森永貞一郎#7
○政府委員(森永貞一郎君) ただいま大蔵大臣の説明の補足資料といたしまして、お手元に「昭和三十年度予算補正の説明」という資料がお配りしてございますが、詳細はこの資料にゆだねることにいたしまして、二、三の点につきまして補足して申し上げることにいたします。
 今回の補正は、一般会計、四つの特別会計並びに政府関係機関では専売公社と、それだけの範囲にわたっております。
 まず一般会計でございますが、三ページにございますように補正の規模は、純増加額が歳入歳出とも二百十八億でございます。すなわち歳入におきましては増加額が二百六十八億、減少額が四十九億差引二百十八億。歳出では増加額空手旦五十四億、減少額が百三十六億、差引二百十八億ということに相なつております。この歳出の増加といたしまして、三百五十四億円の内訳がすぐその下の表にございますが、項目的に申し上げますと、臨時地方財政特別交付金が百六十億円、地方交付税交付金が二十億九千万円、食糧管理特別会計へ繰り入れ六十七億円、生活保護費に二十三億五千六百万円、義務教育費国庫負担金二十四億四千四百万円、国債費十二億五千万円、旧軍人選旅等恩給費十七億七千三百万円、国際金融公社出資金九億九千六百万円、日本電信電話公社交付金八億九千七百万円、その他九億八千二百万円、こういう内訳に相なっております。その財源といたしまして歳出の節約繰り延べ等によりますものが百三十六億三千五百万円でございまして、その内訳は公共事業系統費六十四億三千七百万円、賠償等特殊債務処理費三十億円、農業保険費二十八億円、その他十三億九千八百万円。歳入の増加によりますものが二百十八億五千六百万円でございまして、内訳といたしましては、租税及び印紙収入百六十億円、専売納付金の減少四十九億八千百万円、証券売払代八億九千七百万円、旧タイ国特別円債権返還償金十六億一千五百万円、特殊物資差益寄付金三十億円、その他五十三億二千四百万円、かような内訳に相なっております。この各項目についてはただいま大蔵大臣の説明で相当詳しく触れましたし、またさらに詳細なことはこの資料にゆだねることにいたしまして、まず、歳出の追加額その他その内訳を申し上げますと、五ページの石の方にございますが、主なものを申し上げます。まず国会運営費一億三千万円。国庫堂入預託金等利子一億一千四百万円、国立学校運営費一億百万円、これは別途収入の増加を伴っております。いわば両建的なものであります。漁船再保険特別会計へ繰り入れ等追加六千三百五十万円。減少が千五百万円。差引四千八百五十万円。これは先般御可決いただきました漁船再保険特別会計の補正に伴いまするものでございます。それから石油資源開発会社出資二億八千万円。これは今まで当初予算には補助金で出ておりましたものを今回出資に振りかえたものでございます。科学研究所出資一億円。これも補助金を出資に振りかえましたものでございます。次に、歳出の節約繰り延べ等のうち公共事業系統費の内訳を申し上げます。七ページに詳しい表が出ております。合計額が六十四億三千七百万円でございまして、そのうち公共事業関係費が五十六億一千九百万円、その内訳は治山治水二十四億九千五百万円、道路港湾等八億一千八百万円、食糧増産十六億九千七百万円、災害復旧等五億六千六百万円、鉱害復旧四千百万円、公共事業以外の事業費といたしまして、公立文教施設三億六千二百万円、厚生施設六千工百万円、住宅施設三億九千百万円、合計八億一千八百万円、こういう内訳に相なっております。いずれも予算の執行状況を勘案いたしまして事業の繰り延べ地下によりまして、年度内には支払いを必要としない金額を修正減額いたして今回の補正に供したわけでございます。実施に当りましては、事業の進捗状況等をよく考えまして、極力無理のないように配慮いたすことに相なっております。
 歳出の節約繰り延べのその他十三億九千八百万円、その内訳でございますが、八ページの一番下から始っております。おもなものの内訳を申し上げますと、社会保険費が一億六千七百万円の減少、このうち一億五千万円は厚生年金保険の給付額が当初の予定より減りましたために機械的に国庫負担の所要額が減少いたすものでございます。千七百万円は国民健康保険の助成費でございまして、これも実績に基く事務的な積算の結果による減少でございます。外航船舶建造融資利子補給一億二千七百万円の減少、これも実績に基く減少でございます。このほか先ほど申し上げました、石油関係の補助金を減にいたしまして、一方歳出に生かす、科研についても補助金が減りまして、一方歳出の追加に生かす。また国債費、大蔵省証券が発行されなかったことによる利子の減少あるいは事務費の減少、そういった国債費の減が三億八千五百万円、その他各省、各庁にわたりまして極力節約し、捻出に努めました結果、四億三千百万円くらいのものを今回修正減額いたしております。
 それから歳入でございますが、租税収入の増加の内訳が十ページの上段の方にございます。大臣の説明でも触れましたので省略いたします。
 専売納付金の減少四十九億八千百万円、これにつきましては後に政府関係機関を申し上げる際に譲ります。
 官業益金及び官業収入四億五百万円、これは先ほどもちょっと触れました、大学の付属病院における入院及び外来患者の増加による収入の増加でございます。
 政府資産整理収入十一億四百万円、このうち大部分は証券売払代八億九千七百万円でございます。これは政府が持っておりました、一般会計が持っておりました国際電信電話株式会社の株式を先般処分いたしまして、その処分代金がここに計上してございます。他方におきまして、この相当額は電信電話公社に交付を必要とするわけでございまして、歳出の方にも出ております、いわば両建に相なっております。雑収入九十三億でございますが、そのうち一番大きいのは特殊物資差益寄付金三十億円でございます。その他旧タイ国特別円債権返償金十六億、金融機関調整勘定利益分配金の十七億、指定預金の利子七億二千七百万円等がございますが省略さしていただきます。特別会計は交付税及び譲与税配付金特別会計、資金運用部特別会計、国債整理基.金特別会計、郵便貯金特別会計、この四つにわたっております。
 まず、交付税及び譲与税配付金特別会計は、一般会計におきまして臨時地方財政特別交付金並びに地方交付税交付金を計上いたしておりますが、それに伴いまするもののほかに、一般会計に関係のない事項として入場税の収入が増加いたしましたので、その分を譲与税として追加配分することとし、十二億円を計上いたしております。
 国債整理基金は、これは一般会計の関係に機械的に必要な補正でございます。
 資金運用部特別会計並びに郵便貯金特別会計、この二つは相関連いたしております。すなわち郵便貯金特別会計におきまして本年度七億七千八百万円の歳入不足額が増加する見込みと相なりましたので、その分を資金運用部特別会計から補てんをいたすことといたしております。その関係が資金運用部関係の主たる補正でございます。そのほかにも若干郵便貯金の見込の減少等に伴う補正が計上してございます。
 最後に政府関係機関といたしまして、専売公社の予算の補正をお願いいたしておりまして、御承知のように年初来ピース、光等の上級たばこの売れ行きがきわめて不振でございまして、通年の計算では総売上本数におきまして三十八億本、総売上金額において百二十六億一千百万円の売上代金の減収を免れない見込みでございます。これに対しまして製造計画を変更し、また極力経費の節約に努めたのでございますが、他方におきまして昨年における葉タバコの増産等もございまして、結論といたしましては、結局四十九億八千百万円の国庫納付金の減少を余儀なくせられる見込みでございます。これに伴う補正を計上いたしております。
 以上きわめて簡単でございますが、補足説明を終らしていただきます。
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西
西郷吉之助#8
○委員長(西郷吉之助君) それでは以上をもちまして暫時休憩いたし、現在開かれております本会議の終了次第総括質問を開始いたします。
 暫時休憩いたします。
   午前十一時八分休憩
     ―――――・―――――
   午前十一時三十七分開会
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西
西郷吉之助#9
○委員長(西郷吉之助君) ただいまより委員会を再開いたします。
 午前中に申し上げました通りに、三十年度補正予算案に対しまする総括質問を開始いたします。発言順によりまして順次お願いいたします。曾祢益君。
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曾禰益#10
○曾祢益君 私は鳩山総理大臣に対しまして、外交問題に限って若干の点を御質問いたしたいと存じます。
 最初に日ソ交渉についての問題でございますが、ただいまマリク全権が一時帰国しましたためにやや中絶の形になっておりますが、これは非常に重要な段階に到達しているように考えられるのであります。ところで今般国会再開の暁に、衆議院、参議院におきまして本会議あるいは衆議院の予算委員会等において、総理の施政方針、なかんずく日ソ交渉に関する意見についてのいろいろな質疑応答が行われたのでありまするが、しかしこれらの質疑応答を通じましても、一月二十六日の総理の記者会見における総理の発言、これと総理の施政方針演説等との間の食い違いというものについての十分なる解明がなされておらないように考えるのであります。従って私はまずこの問題について若干の点を御質問いたしたいのでございます。
 総理の記者会見における発言については、これはちゃんとした記録がありまして、これを一々読み上げるのも繁雑でありまするから一応差し控えまするが、この一月二十六日の記者会見における総理の発言の要旨は私のみるところでは次の二点にあると思います。一世の点は、終戦宣言で抑留者を帰してもらうことから一つ始めるのだ。終戦宣言を向うから出してもらうということを肯定しておられる点が第一点.であります。第二点は、領土問題の全面的な解決を待たず日ソ交渉の妥結をこいねがう。この二点からなった重要な発言であったと存じます。そこで伺いたい点は、まず第一の終戦宣言云々の点でございまするが、これは今さら私が申し上げるまでもなく、総理が昨年の二月の衆議院選挙の当時から言っておられたように、終戦宣言で国交調整をする一つの方式があります。いま一つは、第二次鳩山内閣ができてからはっきりときめたよりに、平和条約によって国交を回復する方式があります。私は第三には、終戦宣言を向うがやってもさらに平和条約をやる方式、あるいは平和条約ができない場合には暫定協定をやる、いろいろな方式があると思いますが、いずれにしても、終戦宣言でやる方式と、平和条約方式とは大きく二つにわかれる。これはもう明瞭なことだと思います。そこで一体総理はこの段階において、すなわち平和条約方式を一ぺんとらして、松本全権をして平和条約方式による交渉をやらさせておいて、卒然として一月二十六日に再び終戦宣言方式を可とするやの発言をされているのは、これはきわめて重大なことだと思います。しかもこの発言面の裏に、その後にわかったように、確かにドムニッキー氏から河野一郎君を通じてと言いますか、日本の漁業者を通じて、河野一郎君を通じて内閣に働きかけがあった。その方式が終戦宣言をやって、それで抑留者は帰してあげるからすぐ国交調整をやろうというようなヒントがなされたことが背後にあるのですから、ロンドンの正式交渉とは別のルートでソ連側のヒントに応じて、再び終戦宣言方式に意見が変ったのだと世人が思い、ソ連もそう思うことは、これは状況上当りまえの話であります。その点についてこの疑惑はまだ残っております。この点はいかにお考えになるのか。その後総理は外務大臣が驚いてかけつけたこの会見において、この方式を否定して今までの方式でいいというふうにかえられ、そうしてさらに施政方針演説では明瞭に平和条約方式をとったようになっておりましたが、これは一体いずれが正しいのか。つまり終戦宣言方式を否定されるのか、あわせて用いられるのか、これについての明確なる態度をあらためておっしゃっていただきたいのであります。
 以下私が御質問申し上げまするが、どうか総理は御滑席のまま十分にゆっくりと御答弁願いたいと思います。
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鳩山一郎#11
○国務大臣(鳩山一郎君) ただいまお許しを得ましたから着席のまま答弁させていただきます。ただいまの御質問は、ソ連と日本との交渉はロンドンの一本でありまして、松木全権がマリクと交渉している以外にソ連との交渉はございません。松木全権がマリクと交渉しておる要諦は、平和条約を結ぶというのであり、平和条約を結ぶのには、戦争によって起きたところの占領だとかその他の事柄を全部解決するということも含まれておるのでありまして、領土問題の解決等は当然にその中に入っておるのでございます。その方式においてロンドンにおいてやっております。この以外に日ソの交渉はございません。一月の二十六日の記者会談におきます私の発言について何か不十分なことがあったとみえまして、疑惑を世の中に起しましたけれども、それは私はとにかくソ連と日本との間は戦争状態終結を早く確定したいという熱望がありまして、戦争状態終結を早くしたいというのが新聞記者の耳に強く映じたとみえて、領土問題はあと回ししてもかまわないというような点まで考えたらしいのです。けれども、私は領土問題はあと回しでいいと言った覚えもなし、また戦争状態を終結をするのにはソ連の一方的な発言があればたくさんだと言ったような記憶もないのであります。誤解のないようにお願いをいたします。
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曾禰益#12
○曾祢益君 ソ連との間に戦争状態をすみやかに終結するあるいは終結を確定するということの必要については、これはもう私は全国民一致していることと思います。それはしかし方針であるとともにもちろん願望でありまするが、ただいまの総理のその気持がどういうふうにここに発言に表われているかといえば、戦争状態終結の宣言をしたいというようなことから始まってきて、戦争終結の宣言をすれば当然にそれと同時に抑留者を帰さなくちゃならぬ、つまり戦争状態終結宣言をまずやってもらう、こういうことははっきりとあなたは言っておられる。方法論にまで触れられておるのです。終結の状態が望ましいというのじゃなくて、その方式に――どういうふうに実現するかについては終戦宣言をやるという方式と、それから平和条約方式があるわけです。あなたが明瞭にこの際終戦宣言をまずやってもらうことから始まる――終戦宣言だけで懸案は全部解決しないでいいということは確かにこれは言っておられません。しかし、同時に終戦宣言を出してもらうことから始めるということは、これは新聞記者がそう想像したのじゃなくて、あなたの言葉の記録がそう示しているのですから、終戦宣言を向うから出してもらうことによって始めるということはあなたの言われたことなのです。今日でもその方式を賛成されるのか、それともそのときは言い方が悪かったから、終戦宣言を出してもらう方式でなくて、平和条約によって解決するのだと、終戦状態を確立するのだと、こういうふうにかえられたのか、これに対するはっきりとしたことをもう一ぺん御答弁願います。
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鳩山一郎#13
○国務大臣(鳩山一郎君) 私の言葉に不足がございました。とにかく抑留者を早く帰したいということは、非常に熱望は私は持っております。同時に戦争状態終結の宣言の必要であるということも非常に強く考えておるものでありまするから、誤解を新聞記者諸君に与えたものと考えております。
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曾禰益#14
○曾祢益君 それは抑留者を早く帰してもらいたいという気持については、これもまた国民的の要望が一致していると思うのです。これはあとでさらに伺いますが、従って平和条約方式をあまり固執し、領土問題の取り上げ方にあまり厳重な条件を固執するならば、この願望である抑留者の早期返還が困難になる、この点に関連して申し上げまして、これは今のところでは戦争終結状態を確認する方式としては、やはり一方的の宣言でなくて、平和条約でやるのが本旨である、これが総理の意見であると、こういうふうに考えてよろしいのでございますか。
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鳩山一郎#15
○国務大臣(鳩山一郎君) 平和条約の方式でもってただいまはソ連と交渉をしておることは先刻申した通りでございます。
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曾禰益#16
○曾祢益君 どうも直接にお答えにならないので、ただいまばかりでなくて、この前から平和条約の方式でやっておられたのに、突然として終戦宣言方式をまた持ち上げたから問題を起したのです。しかし、私は言葉だけの争いになるのはいやでありますから、今の総理のお言葉はやはり平和条約でやる、こういう意味にとりまして、矛の部分において一月二十六日の記者会談の内容は否定されたものだと自分で考えます。
 それから今私がまだ御質問してない意についてすでにお答えがあったんですが、つまり、私の申し上げる第二の点です。すなわち領土問題をあとにしても平和条約を確立したいといったような記事は、全く事実に反するということを、このあとで社会党のわれわれの顧問の河上さんの衆議院本会議における質問に対してあなたは言っておられる。戦争状態終結を確認するという念願を成就するために領土問題をあと回しにしてもいいということは一言も言っておられないと、こういうことをあなたは卓をたたいて断言しておられる。また同じく衆議院の同僚勝間田君の質問に対しましても、領土問題はあと回しにして日ソ交渉を解決するということを言ったのではない。こういうことが交渉で起きるかもしれないと言ったまでである。自分は「歯舞、色丹だけで満足して日本は領土問題を解決するのだという意味を言ったのではない」、これはどうも勝間田君に対する答弁は少しズレて、歯舞、色丹だけで満足するとかしないとかの問題でなくて、領土問題の未解決の部分があっても国交調整を早くやるのかという質問に対する答えになっておりませんけれども、これは本会議の質疑応答の性質上これらの点が一つもはっきりされておらない。しかも、実際はしからば一月十六日にあなたは何と言っておられるかといえば、申し上げるまでもなく、領土問題にしても、不当に占拠しているという理由はないのであるからして、戦争を防止するために必要な程度に限ってそういうようなものは暫時の間このままにしておいて、後日解決するというような結果になっていって、日ソ交渉が片づきやしないかということをこいねがっているわけだ。これは非常にゆるやかな気持で言われたんでしょうから、言葉を集約していえば、領土問題についてはあとでこの点も伺わなければならない。戦争防止のために必要な領土という観念は非常に私にはわからないのですが、とにかくある部分については解決はできないものがあっても捨てるということをあなたは言っておられない。どこを捨てるということは言っておられないけれども、未解決の部分を残しても国交調整を早くやるのだ。条約を締結するのだ。これは誰が何と言っても明瞭に言っておられるではございませんか。それをそのことがいろいろ国内、党内、あるいは閣内においてすら非常な問題が起きて、自分の総理大臣の意向がわからないというので、同じ内閣の外務大臣が翌日さっそく伺いを立てに行く。こういうような問題を起したのでありまするから、従って、これは誰が何と言っても、領土問題のある部分未解決のままでいいから、そして国交調整を早くやる。私はある段階においてはこの方針が正しいと思う。しかし、それならばなぜあとでこの方針を根本的に否定して、記者会見の事実に即さない。このことは全く事実に反すると、そういう事実はない、こういうような否定をされておるのか。これは十分に解明しなければならない重大なる問題だと思います。総理がはっきりこの際もっと丁寧にまた親切に十分自分の信念を吐露されるのが望ましいと思います。
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鳩山一郎#17
○国務大臣(鳩山一郎君) ソ連との交渉は二本建にすべきことではないと確信をいたしますので、ただいまロンドンにおいて松木全権がマリクと交渉している以外に、私が迷うような言葉を発することは、非常な日本に対しての不利益と思いますから、私は松本全権に一任した以外においては、日ソ交渉についての条件について発言するわけには参りません。
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曾禰益#18
○曾祢益君 今のお話はどうもわからない。日ソ交渉のこまかい条件で私は今あなたに、少くとも質問においては南千島がどうだこうだというような、交渉に直接関連した、非常に一本にそれこそ交渉しなければならない問題についての質問をしているのではない。総理大臣として、当然に日ソ交渉の最高責任者である総理大臣として、領土問題についての基本的な考え方、領土問題と国交調整とのウエイトに関する基本的な問題について、あなた自身の新聞に対する発言、国会を通ずる国民及び世界に対する発言の食い違いが現に起っているのです。従ってこれについてあなたはいずれを可とし、いずれを否とされるかということを、この際明確にしていただきたい。そのことは何もロンドンの日ソ交渉にマイナスになりません。むしろあなたのときどきのロンドンの交渉以外の発言が、ロンドンの日ソ交渉に対してマイナスを起しているではないかというのが、これは国民の心配である。私は従って一月二十六日の発言が正しいのか、それともいわゆる平和条約を急ぐから、領土問題は未解決の部分があっても早く平和条約を結ぶという、一月二十六日の方式が本当の考えであるか、決して南千島が云々というような細目に入ったのではなくて、この基本的な問題については、いわゆる平和条約方式で全部領土問題を解決しようというのか、その基本はこれは国民にお示しになるのは当然だと思う。あえてもう一ぺん答弁を求めます。
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鳩山一郎#19
○国務大臣(鳩山一郎君) 私は松本全権の一本で日ソ交渉はすべきものと思いますので、松本全権に訓令をした以外の私の発言というのはそこに違いがあれば、これは主張いたしません。
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曾禰益#20
○曾祢益君 そういたしますると、あなたは一月二十六日のこの新聞記者会見は、松本全権の交渉以外の問題であって、これは非公式なものである。こういうものは不謹慎であるし、これを否定する。あくまでも松本全権の交渉、総理大臣の命を受けて、外務大臣が閣議の決定に従って、そうしてロンドンでやる交渉一本でその他の総理大臣の発言というものは何ら政治的の責任を感じられないのですか。
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鳩山一郎#21
○国務大臣(鳩山一郎君) 私は松本全権に出した訓令と違った意味のことを話したつもりはなかったのでありますけれども、人間のすることですからして少しは過失があるでしょう。言い過ぎたかもしれません。私の考えを言い過ぎて、それを新聞が書いたのかもしれないし、どの程度において私がどう言ったかということは記憶ありませんけれども、領土問題はあとにすると、戦争の終結の宣言さえしてもらえば、抑留者が帰ってくるからそれでいいではないか、というのは私の言い過ぎです。
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曾禰益#22
○曾祢益君 総理大臣の重要な新聞会見の発言を、あとで自分がどう言ったのかわからないということは、これはずいぶん無責任な話だと思いますし、また非常に非民主的だと思います。総理大臣自身言われたことについては、政治的責任を取るべきであります。しかし、今のお話によると、この終戦宣言だけで満足するという意味ではない。もし言ったとすればそれは言い過ぎである、それから領土問題についても懸案を残しておいて、そうして平和条約を急ぐと、そういう方式をあなたが今明瞭に否定されておると思うのですが、これは私は非常に重大な問題だと思いますが、ほんとうに平和条約においては、領土問題の全面的な解決がなければ、平和条約を作らない、こういう方針であるかどうか、もう一ぺん一月二十六日のこの重大な、われわれが同感し得るように考えられる基本的な考えをあなたは否定されますか。
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鳩山一郎#23
○国務大臣(鳩山一郎君) 領土問題の解決がなければ、ただいまのところでは平和条約はできないと考えております。
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曾禰益#24
○曾祢益君 結局一月二十六日の記者会見における領土問題の未解決のまま国交調整、すなわち平和条約を急ぐということを否定された、取り消された、こういうことに解釈せざるを得ないのを非常に遺憾とするものであります。そこで領土問題についての総理の見解をもう少しお尋ねしたいと思います。あなたは全面的に一月二十六日の記者会見の内容を否定されておりませんから、もう一点だけ二十六日の記者会見のあなたの発言について伺いたいのです。
 領土を不当に占拠しておるという理由はないから、戦争防止に必要な程度に限って暫時そのままにしておいて後日解決する、こういうことを言われた。一体戦争防止に必要な程度に限って――領土の中に、これは戦争防止に必要な領土、これは戦争防止に必要でない領土、そんな一体領土の違いがあるかどうか。もししからば、ソ連がこの領土は戦争防止に必要だから返さないと言ったならば、松本全権がいかなる理由があっても、ロンドンで日本の主張によってある領土を返してくれ、歴史的の条件、いろいろな条件から日本の領土を返してくれといっても、戦争防止に必要だから返さないと言ったら、平和を念願する日本としては、一切の領土に関する主張はできなくなります。一体戦争防止に必要な程度の領土は残していいというのはどういう意味であるか、これはどうしても解明されてほしい。しかもこれは非常に重大なものである。われわれは平和を念願するのであるから、われわれがもしかりに北海道の一部である歯舞、色丹というようなところも、もし相手側がこれは戦争防止に必要だといったら、われわれは戦争防止に賛成なんでありますから、領土権は主張できないということになる、こういう一体発言が、それこそ交渉は一本でロンドンでやるといっておられる総理の発言の中に、こういうものがときどき出てくるということは、まことに私は不幸なことではないかと思います。一体戦争防止に必要な程度の領土というのはどういうことなのでありますか。これを一つ御説明願いたい。
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鳩山一郎#25
○国務大臣(鳩山一郎君) そういう点について答弁をいたしますということは、誤解に誤解を招きますから答弁を差し控えたいと思います。
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曾禰益#26
○曾祢益君 私は誤解に誤解を招くようなことに誘導尋問するようなけちな考えは一つもございません。総理のおっしゃったことが誤解を生んでいるのであるから、私の言い方が悪かったかもしれませんが、むしろ積極的に誤解を解くような発言をしていただきたい。われわれは野党の立場にあっても、日本の正しい主張――これは領土権もあります。これをできるならば、貫徹したい、政府の交渉に水をかけるような気持はない。社会党はこの間の政策委員会でも正式にきめました平和条約の中で、アメリカとも関連する点でありまして、ソ連にだけ領土権の主張をするのは、これは筋が立たない、しかし領土権の主張を捨ててしまって返らざる領土についてソ連の主権を認めるような平和条約に反対です。なし得るならば全部返してもらいたい。しかし返らざる部分についても、これは平和条約でやる場合にははっきりした留保をしておかなければならない。将来交渉の余地を残しておかなければならない、かようなことを言っておるのであるから、今日直ちに何もいわゆる暫定方式に今直ちに帰ろうとか、領土を主張をするなということを言っておるのでもなんでもない。こういう気持に立って私は申し上げておるのですが一体、この総理の重大な戦争防止に必要な領土、そうでない領土というこの区分の仕方というものは、非常に私はわからないし、非常に危険な考え方ではないかと思うから、しからばあなたはこの発言を否定されますか。
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鳩山一郎#27
○国務大臣(鳩山一郎君) 私はそういうことを申したことは記憶しておりますけれども、それに対する説明はいたしません。
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曾禰益#28
○曾祢益君 私は政治家としては説明された方がいいと思いますけれども、されないというのでありますからこれは水掛論だからやむを得ません。そこで今後の交渉に当って私は重要な件として考えておるのは、前の国会の際も参議院の予算委員会で御質問いたしたのですが、自民党の緊急政策でそのままいくならば、これは領土問題についてはっきりした線が出ておるのです。つまり南千島まで必らず返さなければいかぬ、そして更に新聞の伝うるところによれば、昨日閣議において外務大臣から、松本声明とも言っておりまするが、十日ころのマリク・松本会談における松本全権の主張、この線を確認して譲らない、すなわち歯舞、色丹はソ連の言っておるような、日本に返還する、譲渡するというようなことは、これはばかばかしいことであって、これはもちろん返還させる、南千島までは返えさせる、それ以外の土地については国際会議できめる、この線を確認して譲らないということを閣議で決定した、こういうことを伝えられております。しかし閣議で決定するまでもなく、私は自民党の緊急政策によれば、そういうようなぎこちのない領土問題で交渉がデッドロックにぶち上げるようなことをはっきり決定しておると思うのです。その自民党の緊急政策の領土問題に関する条件を、総理はあくまで守って行かれるのかどうか。この点を総理から御説明願いたいのであります。
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鳩山一郎#29
○国務大臣(鳩山一郎君) できる限りその線に沿うて条約を結びたい、平和条約を結びたいと考えております。
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