本会議

1959-03-12 衆議院 全52発言

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会議録情報#0
昭和三十四年三月十二日(木曜日)
    —————————————
 議事日程 第二十三号
  昭和三十四年三月十二日
    午後一時開議
 第一 旅行あっ旋業法の一部を改正する法律案(川野芳滿君外九名提出)
 第二 自治庁設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 千九百五十八年の国際砂糖協定の締結について承認を求めるの件
 第四 硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第五 輸出品デザイン法案(内閣提出)
 第六 工場立地の調査等に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第七 特定港湾施設工事特別会計法案(内閣提出)
 第八 砂糖消費税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第九 関税定率法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十一 臨時肥料需給安定法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 鈴木茂三郎君の故議員鳩山一郎君に対する追悼演説
 農地被買収者問題調査会設置法案(内閣提出)の趣旨説明及びこれに対する質疑
 日程第一 旅行あっ旋業法の一部を改正する法律案(川野芳滿君外九名提出)
 日程第二 自治庁設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 千九百五十八年の国際砂糖協定の締結について承認を求めるの件
 日程第四 硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 輸出品デザイン法案(内閣提出)
 日程第六 工場立地の調査等に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第七 特定港湾施設工事特別会計法案(内閣提出)
 日程第八 砂糖消費税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第九 関税定率法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 関税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 国税徴収法案(内閣提出)
 国税徴収法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案(内閣提出)
 日程第十 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十一 臨時肥料需給安定法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日本蚕繭事業団法案(内閣提出)
 小かん加糖れん乳等の製造の用に供するため売り渡す国有てん菜糖の売渡価格の特例に関する法律案(内閣提出)
 日本てん菜振興会法案(内閣提出)
 臨時てん菜糖製造業者納付金法案(内閣提出)
    午後一時十九分開議
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加藤鐐五郎#1
○議長(加藤鐐五郎君) これより会議を開きます。
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加藤鐐五郎#2
○議長(加藤鐐五郎君) 去る七日逝去いたされました議員鳩山一郎君に対し弔意を表するため、鈴木茂三郎君より発言を求められております。これを許します。鈴木茂三郎君。
    〔鈴木茂三郎君登壇〕
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鈴木茂三郎#3
○鈴木茂三郎君 私は、諸君の御同意を得て、議員一同を代表し、故衆議院議員正二位大勲位鳩山一郎君に対し、つつしんで哀悼の辞を申し述べます。
    〔拍手〕
 鳩山君は、去る三月七日午前十時四十七分、狭心症のため音羽の自邸において急逝されました。君が国民と国会を愛したと同じように愛したとさえ思われたほど愛してやまなかったパラの花の咲く日も待たないでゆかれたとの報に、私どもは言いようのない驚きと悲しみに打たれたのであります。
    〔拍手〕
 鳩山君は、諸君もよく御承知の通り、元本院議長鳩山和夫先生の長男として明治十六年一月に生まれ、幼時より俊秀のほまれ高く、父母の慈愛に満ちた薫陶を受けてその英才を伸ばし、第一高等学校を経て、明治四十年東京大学法学部を卒業、直ちに弁護士を開業されたのであります。
 君は、父君の業を継いで政治家たらんことを志し、学生時代からひたすら研さんを重ねてこられたのでありますが、四十四年、父君の訃にあうや、東京市会議員の補欠選挙に立候補し、二十九才にしてみごと当選、五十年にわたる政治生活の第一歩を踏み出されたのであります。
 続いて君は、大正四年の第十二回衆議院議員総選挙に出馬し、三十二才の若さをもって、これまた当選の栄を得られました。自来、当選十五回、在職三十七年に及び、昭和十六年二月には、永年在職議員として院議をもって表彰を受けられたのであります。
 本院に議席を占められるや、君は、少壮有為の政治家として赫然その頭角を現わし、立憲政友会の中堅幹部となり、大正十五年、田中義一総裁のもとに幹事長となり、次いで、田中内閣の書記官長に任ぜられ、犬養内閣及び齋藤内閣の文部大臣を歴任されたのであります。
 しかるに、その後、軍閥の台頭とともに、自由主義者、平和主義者として知られておった君に対して、軍部の不当なる圧迫が漸次加わってきたのであります。しかしながら、君は、きぜんとして妥協をがえんぜず、燃えるがごとき情熱をもってその信念を守り通し、昭和十七年のいわゆる翼賛選挙においては非推薦によって出馬し、さまざまの干渉を排して当選をされたのであります。
 終戦となるや、君は、民主主義と議会政治によってわが国の再建をはかろうとし、同志とともに日本自由党を結成して総裁となられました。同党は二十一年四月の総選挙に第一党となったのでありますが、君は、組閣の大命を受けようとする寸前、不当にも公職追放の指令を受け、雌伏のやむなきに至りました。この間における君の心情は察するに余りあるものがあるのであります。拍手自来五年間、軽井沢の山荘において文字通り晴耕雨読の生活を送られたのでありますが、追放解除を目前にして、君は不幸にも病に倒れられたのであります。しかるに、君の闘病の気魄と御家族の手厚い看護とによって奇蹟的にも回復し、翌二十七年の総選挙には、全国最高点をもって本院に復帰せられたのであります。拍手
 次いで、二十九年には民主党を結成して総裁となり、同年十二月には、第五次吉田内閣のあとを受けて内閣総理大臣に任命されました。その後ニカ年間にわたり、内閣を組織すること前後三回、多事多端なる国政を担当され、他方、三十年秋には、年来の宿案であった保守合同を達成し、自由民主党を結成して総裁代行委員となり、しかも、翌年四月には、初めて公選の制度によってその初代総裁に選ばれたのであります。
 かくして、わが国の二大政党政治の形態がここに一応実現するに至ったのでありますが、これは一朝一夕にしてできたものではありません。ここに至るまで、わが憲政史を飾る先輩とともに憲政の発達のために尽された五十年の長きにわたる君の功績は、まことに偉大であって私ども後輩の言葉に尽しがたいものがあるのであります。拍手
 私は、君のこうした数々の功績のうち、終戦後のわが国再建のための平和外交を推進された偉大な功績を、諸君とともに思い起したいのであります。拍手
 君は、第一次組閣以来、平和外交の推進へ努力されたのでありますが、なかんずく、三十一年十月には、日ソ国交正常化のために、不自由なからだにもかかわらず、敢然としてみずからモスクワにおもむき、日本の国連加盟と抑留者送還の実現を期して折衝を重ね、ついに国交正常化に関する日ソ共同宣一言の調印に成功し、わが国の政治史上に不滅の業績を残されたのであります。拍手君がひたすら国民の幸福と平和の達成を念願し、自己の一身を顧みず、真に骨身を削る努力を尽し、もって国民多年の期待と要望とにこたえられたことは、われわれ日本国民の永久に忘れ得ないところと信ずるのであります。拍手
 かくて、日ソ共同宣言の批准も終り、国連への加盟の実現した後、昭和三十一年十二月、君は、かねて決意の通り、党総裁及び内閣総理大臣の地位を引退せられました。その後は、党の顧問として、政界の最長老の一人として、党内外の信望を集めつつ、静養の日を送っておられたのであります。
 思うに、鳩山君は、志操高潔、かたい信念の人であり、また、誠実温厚な人格者であったのであります。きっすいの政党政治家として議会政治に一生をささげた君は、政治の要諦は、国民の生命を守り、その福祉を増進することにあるとの信条のもとに、安易な妥協を排し、権力に屈することなく、みずからの信ずる道を堂々と歩まれて参りました。拍手これは、また、一面、温情に満ちた明朗な性格と相待って、あらゆる階層の国民からあまねく親しまれ、よくその信頼を一身に集めておられたのであります。
 君は、去る昭和三十一年十二月二十日、内閣を総辞職するに当り、本会議において、あいさつを申し述べられました。その中で、君は、外、変転きわまりない国際情勢に対処しては、あくまでも平和主義の精神を貫き通し、内、並立する二大政党政治の運営に当っては、どこまでも良き民主主義の真髄を守り抜くことを切望せられたのであります。拍手これが政治家鳩山一郎君の本壇上における最後の言葉でありまして今にして思えば、君の訣別の辞となったのであります。顧みるに、この平和主義と民主主義とは、鳩山君の半世紀にわたる長い政治生活を貫いた二大支柱であり、そうであればこそ、君はよくその政治生命を全うせられたゆえんであったのであります。拍手
 現下、わが国の政治情勢は、内政に、外交に、ますます多事多難であり、私どもは、議会政治を守って、平和主義と民主主義のために、また、国家と民族の将来の繁栄のために、さらに一段の努力をいたすべきときであると確信をいたします。
 このときに当り、にわかに鳩山君の長逝にあい、透徹した洞察力と、卓越した識見と、あふるるがごとき温情をあわせ有する、すぐれた政治指導者を失いましたことは、ひとり自由民主党の損失であるばかりでなく、国家国民のため、議会政治のため痛恨のきわみでありまして、哀惜の情いよいよ尽きぬものがあるのであります。拍手
 私どもは、今後、事あるごとに君をしのび、その遺志を体して努力すべきことを君の霊に誓い、もって追悼の言葉といたします。拍手
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加藤鐐五郎#4
○議長(加藤鐐五郎君) この際、内閣提出、農地被買収者問題調査会設置法案の趣旨の説明を求めます。総理府総務長官松野頼三君。
    [政府委員松野頼三君登壇〕
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松野頼三#5
○政府委員(松野頼三君) 農地被買収者問題調査会設置法案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 戦後のわが国の農業生産力の発展に対して、農地改革の寄与しておりますところは、まことに大きいのでありますが、反面、これが非常に大きな社会的変革でありましたために、従来の社会的、経済的基盤が大幅に変更され、その際農地を買収された者に関してもいろいろな社会的な問題が起っていると思われます。
 言うまでもなく、農地改革は、正当な法律に基いて正当に行われたことであってこれを是正する意味における補償は考えられないのでありますが、現行の農地法の問題とは別に、この農地改革の副次的結果ともいうべき被買収者に関する社会的な問題についてその実情を明らかにするとともに、要すれば所要の措置を講じて参りたいと存ずる次第であります。
 以上申し上げましたような児地から、この際、総理府に、その付属機関として、農地被買収者問題調査会を設置し、広く各界の学識経験者の意見を聞き、農地改革により農地を買収された者に関する社会的な問題を調査し、何らかの措置を講ずる要があるかいなかを審議することといたしたいのであります。
 次に、本法律案の概要を御説明申し上げます。
 農地被買収者問題調査会の任務は、内閣総理大臣の諮問に応じ、農地改革により農地を買収された者についての社会的な問題を調査審議することであります。調査会は、二十人以内の委員で組織することとし、さらに、十人以内の専門調査員及び十人以内の幹事の設置を考えております。調査会の調査審議は、おおむね二年を目途にその結論を得たい考えのもとに、この法律の有効期限を昭和三十六年三月三十一日といたしております。
 以上が農地被買収者問題調査会設置法案の趣旨でございます。拍手
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加藤鐐五郎#6
○議長(加藤鐐五郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。
 綱島正興君。
    〔綱島正興君登壇]
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綱島正興#7
○綱島正興君 私は、自由民主党を代表いたしましてただいま提案説明のありました農地被買収者問題調査会設置法案につきまして質疑を試みんとするものであります。拍手
 第一問は、昭和二十一年法律第四十三号、すなわち自作農創設特別措置法、及び、同二十七年法律第二百三十号、農地法施行に関する法律等を改廃せんとするような意思があってこの法案を出されたのではないか。これが第一点。第二問は、旧地主の復活や小作地の取り上げ等、幾分でも自作農創設維持法及びその政策を変更せんとするような意図があるのではないか。第三問は、昭和二十八年十二月二十三日最高裁判所が言い渡した、自作農創設特別措置法により政府がなした強制買収の事実の法的妥当性に関する判決の効力を烏有に帰せしめ、または削減せんとするものではないか。第四間は、第一に、農地被買収者問題調査会設置法案第二条によれば、農地を買収せられた者に関する社会的な問題を調査審議するとありますが、本法案にいうところの社会的問題とはどういうものであるか。第二に、もし調査審議した結果、社会的に打ち捨ておきがたき事情が明らかとなった折は、一定の補正的な善後措置を講ずる気があるかどうか。
 以上の四点が、私が質疑をいたす要旨であります。以下、私の質疑の理由を明らかにいたします。
 第一間は、自作農創設維持に関する法制を改廃し、または自作農中心主議のわが農政を変更するのではないかというのであり、第二問は、この法案の施行の結果では、旧地主制度を復活したり、または小作地の旧地主のためにする取り上げ等を意図しておるのではないかという質疑であります。この質疑は、まことにばかばかしい質疑でありますが、この一、二問を申し述べざるを得ない理由は、世上に、本法案の実現の暁には、自作農主義が変更せられ、また弱体化される、あるいは旧地主制度が復活せられるおそれがある、小作地の取り上げが行われるとか、盛んに宣伝、吹聴いたして、何か自作農民に不利益な施策が行われるのだとか、いろいろ雑多な言をなし、あるいは自己の政治上の立場に資したり、あるいは反政府的な空気を醸成せんと試みる者が相当数に及ぶようであります。煙を見て火となすは、世にそのたぐい必ずしもなしとは言えません。しかしながら、雲を仰いで山となし、大海を指さして天となすとは、これは全くおかしなことでありましてその勢いのおもむくところ、いわゆる世に一犬虚にほえて万犬実を伝うというようなことがあり得るので、ここに、かような問いをなさなければならぬ理由があるのでございます。
 自然科学が進歩すればするほど、他の産業と対比いたしまして、農業の生産性は劣勢と相なります、自由経済の中では、他産業と競争いたすことはほとんどできないような経済事情にあるのであります。ところが、一面、農業は不可欠産業でありますから、世界各国は、農業に関する限り、保護政策をとっておる。世界で一番恵まれておる米国でさえも、農業に対して巨大なる保護政策をとっておるのであります。例をあげますと、一九五九年度の米国の総予算は二十五兆円でありますが、そのうち、軍事費が十五兆円であり、内政費は総額十兆円でありますが、この十兆円のうち、二兆九千億円は、実に農業保護政策費でございます。かくて、生産条件の悪い国は主として生産補助政策、生産条件がよくて生産過剰な地方におきましては価格保障制をとりまして、農業保護に世界すべての国が協力いたしております。わが国は生産補助と価格保障の両政策を併用いたしておりますが、その施策は不十分でありまして、善良な農民にこたえるには、財政上の理由によるとは言え、まことに心細きところがあるのであります。
 これを国際経済の中におけるわが国民経済の立場から見れば、農産物の輸入は米麦、豆、飼料、砂糖、木材、皮革、羊毛、綿花等を合算いたしますと、昭和二十七、八年以来継続いたしまして、年間二十億ドルを下ったことはないのであります。これは輸入総額の五六%から六〇%を占めております。これを国民所得の点から見ますと、農民人口は全国民の三九%を占めておるにかかわらず、その所得は一六%を下っておるのであります。農産物を増産して農産物の輸入度合いを低減するとともに、農民の所得を増加して農家家計を引き上げることは、国民経済の観点からも、農家家計の観点からも、まことに大切なることでありますので、農業生産過程においての不労所得を追放することは、農業合理化の上から、まず第一に手がけなければならなかったので、敗戦の直後、昭和二十一年に自作農創設特別措置を行い、地主の不労所得をほとんど皆無にして不在地主や不適正耕作者等の農地を強制買収して、農地制度の大変革をいたしたのであります。その後、自作農主義を基本といたして農業施策を継続いたしており、実に自作農創設維持はわが農政のバック・ボーンを形成いたしておるのであります。この政策を僅少にても傷つけることは、まことに許しがたいことでありますので、第一、第二の問いをなしましたことは、実にばかばかしいようでありますが、世間の情勢上、これを問うて明らかにいたしておかねばならぬ事情がございますので、これをお尋ねする次第であります。
 第三間は、最高裁判所が二十八年十二月二十三日に言い渡した、自作農創設特別措置法に基く強制買収に伴う一切の措置が適法、適正であるとなす判決の効力を烏有に帰せしめたり、または削減せんとする意図でこの案を出したものではないかという質疑でございます。
 当今、一部の者には、悪法は法たる一資格なしとか、また、これに服従する義務なしとか、公然と断言する者があり、順法精神に欠けるものがだんだん増加する傾向があります。民主主義国においては、みだりに法を守らず、または確定判決の効力を軽視するような風潮がありますことは、まことに警戒しなければならないことであります。ところが、この法案実現の上は前述の判決の効力を烏有に帰せしめるのだなどと流布する者も間々ありますので、この際、政府の明瞭なる御答弁をわずらわしたいのであります。
 第四間は、この法案第二条によれば、「農地を買収された者に関する社会的な問題を調査審議する。」とありますが、社会的な問題の調査審議とは、いかなる調査審議であるか。これには、おのずから調査審議の範囲にも限度がありましょうが、一体どういう範囲でなされるのかということの問いであります。
 次に、農地買収当時は適正であった買収行為も、その後の社会上、経済上の著大なる変化の結果、現在となっては補正的な善後措置を必要とすることが明らかである場合、一面においては自作農創設維持政策を堅持し、かつ、旧地主制度の復活を排除し、しかのみならず、小作地の取り上げ等を厳に戒めつつ、補正的な善後措置をなす意思ありやいなや、これが政府に対する第四問でございます。
 元来、自作農創設特別措置は、農民にその耕作地を所有せしめ、自作農としてよりよき農家家計を立てしめるとともに、食糧自給度を高めるための措置であったのでありますが、自作農創設特別措置によって得た農地を転売する者があります。そのうち、農業用地として転売するものはしばらくおくとするも、農業用地以外の用に供するために転売することは、でき得る限りこれを制限すべきものだと思うのであります。このことは、わが国の農地が現在のところまことに僅少でありましていろいろの方面から農地を造成しなければならぬ実情でありますので、やむを得ざる場合のほかは、農地の転用は禁止すべきものであります。わずか六畳と四畳半くらいの平屋建の公営住宅を建設するに当って美田をつぶして建設するなどは、まことに好ましからざるところであり、このことは膨張しつつある都会の郊外に常に見かけることでありまして、一町か二町行けば山ぎわの遊閑地があるにかかわらず、美田をつぶしてこれを建設する。しかも、その美田の中には、自作農創設特別措置として反当り三百六十円から九百六、七十円で買収された旧地主の土地がその多くを占めておる。新地主は、これを高いときは反当り三百万円以上、安いときでも、農地外に転用する場合は、大てい反当り三十万円を下らざる価格で転売いたしておるのであります。
 昭和三十二年中に、富山県下における転用農地の売上総額を反当りに平均いたしますと、実に反当七十万円弱になるのであります。富山県のごとき工場地帯の僅少な地域においても、かくのごとくであります。京浜地方とか、京阪神地方、北九州、名古屋地方等の転用農地の価格は、反当り平均二百万円にも及ぶでありましょう。しかも、北海道とか青森とかいうような地域は、転用農地面積は僅少でありまして、工場地帯ほど転用農地面積が巨大であります。従って、全国平均は反当り百万円を下ることはありますまい。転用農地の総面積は、推測するに年間二万町歩を下らないでありましょうから、その代価は、富山県の三十二年の例に従えば千四百億円、これを京阪神その他の工業地帯の例に従えば、実に四千億円前後と相なるでありましょう。かりに、これを全部被買収地主の土地と仮定いたして計算いたしますと、買収当時は反当り平均六百円として一億二千万円くらいで買収せられたものが、現在は四千億円ないし千四百億円くらいで転売せられる実情でありますので、これを目撃しまして、旧地主のうちには、ほとんど憤死に近い憤りをした者や、流浪者となった者等も多々あるのであります。ここに見のがすことのできないのは、被買収地主は、耕作権を持っていなかったという理由で強制買収せられておるのであります。その土地に耕作権を持っていた者が新地主となり、自作下るに至ったのであります。今度は、この新地主が農地を農地以外の目的に転売するときは、耕作権はもちろん消滅するのであります。耕作権消滅の形を前提としてこれを転売するときは、かつて所得した額の千二百倍ないし四千倍。これを転売するのであります。一は耕作権を持たなかった理由で強制買収され、他は耕作権を消滅することを前提こして転売するのであります。この間の国の措置に、まことに公正を欠くものがありはしないか。これを黙過することができないのであります。これが、災害で失うたのならば、あきらめもつきます。一考をわずらわすのは、耕作権を保有せざるゆえに、捨て値回収なもので、平均反当り六百円くらいで強制買収せられ、この強制買収の結果得た農地を、他は千二百倍ないし四千倍にも及ぶ値で転売し、売買に際しては、かつてこの農地取得の原因であった耕作権そのものをみずから消滅するのであります。かようなわけでありますから、被買収農地のその後の社会的、経済的変化を調査審議せられ、質回者が申し述べたような事実が現われにら、これに対して、自作農創設維持の線に沿いつつ、何らか適切なる補正的な善後措置を講ずる意思ありゃ、いかん。これが第四問であります。拍手
 世には、都会の土地も値上りしたではないかなどと言う人もありますが、都会の土地は、自由経済の法則に従って値上り、値下りをいたしておるのであります。買収農地の利得は、強制買収という国の一方的強制行為の結果生じたのでありますから、これと同視することはできないのであります。都会においては、値上りそれ自身について何人も憤りを感ずるものはございません。解放農地の農地外の転用は、国家強制買収の目的たる自作農創設制度をその点においては無効たらしめ、しかも、巨利を博するのでありますから、よほど暗愚な者でない限り、憤りを感じないものは、およそ世にはございません。これが実は大切なことであります。大風が吹いて棟を吹き倒されても、悲しみはしても憤るものはございません。慈母でも、むち打てば、小児といえども、なおかっこれを黙過する子供はないのであります。
 かようなわけでありますから、政府が法律によって強制した結果は、大部分の土地についてはその目的を達しておりますが、その一部のもの、すなわち、前述のごとく自作農創設維持の精神をじゅうりんしておるものに対し、一定の是正の方途を講ずることは、まことに当然の事理であります。それでありますから、この措置について、かような不公平があるにかかわらず、これを非難せんとするようなものは、土地ブローカーか、もしくは都会近郊の土地ブローカーに連なるものか、あるいは他に何らか悪意のあるものよりはかなかろうと思うのであります。拍手
 これが大体私が質問をいたしました要点であります。質問を詳しく言うたのは、理由を明らかにするために詳しく申し述べたのであります。
    〔国務大臣岸信介君登壇〕
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岸信介#8
○国務大臣(岸信介君) 戦後行われました農地改革は、いわゆる農村における民主化並びにその農業生産性を高める意味からやられた改革でありまして、この根本を変更すべきものでない、これを維持すべきことは、言うを待たないと思います。従って、今回提案をいたしておりまする法案が、旧地主の復活を考えるとか、あるいは自作農創設に関する法律の趣旨を曲げるというようなことは、全然考えておらないのでございます。
 さらに、最高裁の判決について、それを無効ならしめるようなことを意図しておるのではないかという趣旨の御質問でありましたが、私どもは、全然そういうことを考えておりません。これは、最高裁におきましてすでに権威ある判決が出ておるのでありまして、これを尊重していくべきことは当然であると思います。
 しからば、本調査会設置の目的はどこにあるかといえば、法律にも明らかにしてあるように、農地改革によって農地を買収された者に関する社会的な問題を広く調査審議することにあります。農地改革によって農地を買収された者のうちには、農地を買収されたことにより生活の基盤を大幅に変更され、その結果として今日生活上憂慮すべき状態にある者もあるかと存じます。本調査会は、その実情を明らかにして、これに対し何らかの措置を要するかいなかを十分一つ慎重に検討しようとするものであります。
 農地の転用についてのお話でございますが、御趣旨のように、農地の転用は、できるだけこれを避けていかなければならぬことは言うを待ちません。ただ、しかしながら、最近の社会事情や、あるいは都市のいろいろと発展する関係上、農地がいろいろとそれらの方向に転用されつつあることは事実でございましてできるだけこれを避けるようにすべきことは言うを待たぬと思います。ただ、その場合におきましても、農地法が規定しておりますように、農地の転用については政府の許可を要することとしてこれを勝手に転用せしめるようなことのないように厳に考えていかなければならぬと思います。
 さらに、解放農地の転用について、いろいろ社会的な見地からの御論議がございました。こういう事柄につきましても、このいわゆる農地問題に関しての社会上起ってくる各種の問題についてこの調査会が十分に慎重に検討しようという目的から申しますと、そういう問題に関しましても調査会において十分に調査検討をいたして参りたい、かように思います。拍手
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加藤鐐五郎#9
○議長(加藤鐐五郎君) 高田富之君。
    〔高田富之君登壇〕
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高田富之#10
○高田富之君 私は、日本社会党を代表してただいま提案されました農地「被買収者問題調査会設置法案に対しまして若干の質問をいたしたいと思うのであります。
 この法案は、一見、大して問題のないもののように装われているのでありますが、その実は、なかなか大へんな問題を包蔵しているのでありまして、農地被買収者の社会的問題を調査する、かような表現を用いてありますが、これ自体、すでに政府の非常な御苦心のほどがうかがわれるわけでありまして、要するに、これは、旧地主団体が多年の宿願として参りました解放農地国家補償実現への突破口を開くおそれのある、きわめて穏やかならざる法案であると思うのであります。拍手そこで、私は、まず、この問題に対する幾つかの点につきまして政府の所見をお伺い上、また、この問題の本質につきましても、いささか、この際、政府の御認識をただしておきたいと思うのであります。
 昨年十二月に、かねて自民党内に設置されておりました農地問題調査会が取りまとめた答申によりますと、解放農地問題解決のために、農地の転用、転売に対して特別税をかけること、特に、創設農地には格別の重税をかけようという趣旨であります。また、旧地主の中の生活困窮者に対して救済措置を要求しているのであります。この答申も、表現はあまり刺激的な文字は使っておりませんけれども、考え方の底を流れているものは、一貫して農地改革の不当、解放農地買収価格の不当ということが貫かれているのであります。政府は、この特別調査会の強い要請を押え切れなかったために、ここにこの法、案を出したものと思われますので、この際、この答申と関連しながら、若干の点について、念のため政府のお考えを確かめておく必要があると思うのであります。
 第一にお伺いしたいことは、解放農地買収価格の正当性についてでありますが、昭和二十八年最高裁の判決によって明らかな通り、対価決定の基準は、当時の価格水準のもとで、きわめて合理的に妥当な方法をもって定められたものでありまして、この点に関する限りは、一点の疑いをいれる余地のないものでありますことは、従来、政府みずからも繰り返してこれを確認して参ったところであります。もし、今日でもなお政府はこの信念に変りがないということでありますならば、この際、給付金とか、その他いかなる名目をもってするを問わず、絶対に補償的な措置はとらないということを、ここにあらためて御確約願いたいのであります。拍手
 第二点は、農地の造成と地主補償財源に充てるための農地転用税ともいうべき農地課税についてでありますが、農地造成のためというのは全くのカモフラージュのためのつけ足りでありまして、その非論理性については議論の余地はありません。要は、地主補償財源としての思いつきの課税案でありますが、もし補償はしないという前提に立てば、もとより、その財源問題はおのずから消滅してしまうわけであります。また、もしも補償問題とは一応別に農地課税の是非を論ずるというのであるならば、これは税制調査会あたりで扱うべき問題で、内閣に特別の調査会を設ける必要はないと思うのでありますが、総理府松野長官にお尋ねしたいと思います。
 なるほど、農地の売買価格は相当に高騰いたしております。しかし、これは、貨幣価値の変動、需給関係の逼迫に基く経済現象でありまして、何も農地だけに限ったごとではありません。終戦時にはただ同然だった株式が、その後何百倍にもなったり、山林や宅地その他の物件におきましても、みな同様であります。旧地主がインフレの犠牲者だというのであるならば、あるいはそういうことも言えるでしょう。しかし、そうなれば、保険契約者や、預金封鎖を受けた者や、低米価で強権供出をしいられた農民も、みな同じであります。拍手一々、インフレで得をした方に課税をして、損をした方に補償金を出すなどというばかばかしいことが、一体できますか。もちろん、地価の高騰をこのままほっておいていいと私は議論をしているのではない。工場や住宅の建設の障害を来たし、住宅公団でも最近家賃が高くなる、こういうことは、まことに困ったことであります。だからといって、これに税金をかければ一そう高くなるだけのことでありまして何の益するところもないのであります。建設大臣は宅地価格の抑制策について何か考えておられるかどうか、この際お伺いしておきたいと思うのであります。
 私は、農地課税論者に考えていただきたいと思いますことは、今日、農民の多数の方々が、国家公共の要請によってやむなく農地を転用売却しなければならない窮状に立たされているということであります。農民にとって、農地は生命であります。値段が上ったからといって、それ自体何の得にもなりません。工場、住宅、道路、学校などに農地のつぶされていく、この農民に対してこそ、国は万全の補償、救済の措置をとらなければならぬのであります。拍手この点につきまして農林、建設両大臣の御所見を承わりたいと思うのであります。
 もとより、中には、生活に困って進んでみずから農地を転売せざるを得なくなる農民も少くありません。わが子を売っても土地だけは手放したくないのが農民の心理であるにもかかわらず、農民が泣く泣く農地を手放すということは、全く政府施策の貧困の結果であって、これを、あたかも暴利をむさぼる不心得者扱いにする自民党内一部の議論は、農民の心情を解さざる、はなはだしい暴論であるといわなければなりません。拍手農林大臣は、このような与党内一部の暴論に絶対にくみさないということを、この際言明していただきたい。同時に、あわせて農地の保全、貧農救済の措置について積極的な御意見を承わりたいのであります。
 さらに、この点について、一般農地と解放農地とを、いつまでも、ことさらに区別して扱うということが、自作農の維持育成にとってよいことであるか、まずいことであるか、これは言うまでもないことでありますけれども、この際、あわせて、農相の御見解を明確にしておいていただきたいのであります。
 次に、第三点といたしまして、旧地主のうち、生活困窮者に対する救済措置に関してでありますが、この点について、自民党では、いろいろと御苦心の調査もされたようでありますけれども、もっとはるかに信憑性のある調査がすでに行われているのでありまして昭和三十年の臨時農業基本調査の結果に基いて農林省が取りまとめ発表したところによりますと、旧地主層は、一般農家に比較してはるかに生活水準が高く、経営内容も良好であることが、きわめて明瞭になっているのであります。拍手すなわち、一般的に耕地面積は広く、農産物販売高が多く、専業農家も多い。そして、兼業の方でも、その兼業の内容は高級なもので、一安定性のあるものが多い。また、山林経営面積も多いのであります。もちろん、中には生活にお困りの方もあるにはあるでありましょうけれども、他の一般農家と比較すれば、当然、その数も少いのであります。このように、りっぱな国の調査ができているのに、今さら何をあらためて調査の必要がありますか。また、旧地主の中の生活困窮者に限って社会保障的な救済措置をやらなければならない理由が、一体どこにあるのでありましょうか。わが党は、旧地主、旧小作といったような区別なく、全農民を対象として農村にもっと徹底した社会保障制度を確立、実施すべきことを主張するものであります。今日、農村は、社会保障制度の、いわば盲点となっているのでありますが、この点について、特に厚生大臣の御所見を承わりたいと思うのであります。
 第四に、旧地主は、引揚者などと同様、戦争犠牲者だというような御意見も一部にあるやに見受けられるのでありますが、いやしくも、農地改革は、戦前久しきにわたって考究されて参りました自作農創設事業の完成であって封建遺制ともいうべき地主制度は必然的に崩壊の運命にあったものであります。これが国会の議を経て合憲的に平和的に達成されたということは、旧地主層をも含めて、全国民のひとしく祝福、慶賀すべき事柄であります。拍手従って、旧地主層の方々を戦争犠牲者だというようなことを申しまして、これに、見舞金とか一時金など、何らの名目たるにかかわらず、国民の血税を支払うべき筋合いのものではないと信じますが、岸総理のお考えを承わっておきたいのであります。以上四点について、それぞれ明快な御答弁をいただきたいのでありますが、従来の委員会における政府の重ね車ねの御答弁もありますので、もし、これに納得のいく御答弁がいただけるものとしますならば、一体、この調査会なるものは、何の目的で、何を調査しようというのか、被買収者の社会的問題とは一体何か、総理はこの委員会に何を御諮問なさるお考えであるか、これを、具体的に、例示的に御説明をいただきたいのであります。
 最後に、旧地主団体の運動についてでありますが、今日まで過去数カ年にわたる地主運動の様相を見まするに、農地改革をのろい、旧地主制度の復活を叫び、特に反当十万円の補償を要求するなど、まことに常軌を逸した運動の感が強いのであります。しかも、このような運動が、無責任な若干の保守的政治家たちの扇動によって、何十万人をその傘下に集めているという事実は、まことに驚くべく、また憂慮すべき事態と申さなければなりません。この運動が盛んになってから、今日までの社会的影響はきわめて甚大であります。かつて、香川県下には、数千件に上る、大量一斉、かつ暴力的土地取り上げ事件が起り、法治国のもとに許すべからざる不祥事件として、世論のきびしい批判をこうむりましたことは、まだ記憶に新たなところであります。その後、今日におきましても、小作契約の更新を地主が一斉に拒絶する、表面上は合意解約の形式をとった農地返還強要事件のごときは、全国各地に枚挙にいとまないありさまでありましてこの数年来、耕作農民の不安は著しく増大しているのが現状であります。政府は、地主運動の悪影響に目をつぶって顧みず、口には農地改革の成果を維持すると言いながら、事実が証明する通り、完全に農地行政のたがはゆるみ果てていると私は考えるのであります。拍手この点について農相の御見解並びに対策を明示されたいのであります。
 こうした地主運動も、要するに、結局は、歴代保守党政府が、次々と、反民主的な、いわゆる逆コース的政策を追求していたずらに反動主義、復古主義の風潮を醸成してきたことに根本原因があると申さなければなりません。もしこの法案が通過したら、一体どうなるか。地主団体は、補償実現近しとばかり、いよいよますます運動は熾烈化し、重大な社会不安を農村に惹起することは必至と見なければなりません。拍手勢いに乗じて国家補償から、進んでは農地法の改悪とか、解放農地返還要求とかいうようなところへ発展して、ついには収拾すべからざる事態を引き起すおそれなしとは断言できないのであります。
 願わくば、政府は事態を真剣に反省されていたずらに目先の選挙対策にとらわれて、旧地主層にあらぬ期待を抱かせるような思わせぶりは、この際おやめになっていただきたいのであります。拍手農地改革に御協力いただいた旧地主の皆さんに対しては、この際、率直に正論をもってこれを説得することこそが、責任ある政治家、責任ある政党政府の当然とるべき態度ではないでしょうか。この点について岸総理の真剣な御答弁をお願いして、私の質問を終る次第であります。拍手
    [国務大臣岸信介君登壇〕
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岸信介#11
○国務大臣(岸信介君) 先ほど綱島君の御質問にも答えた通りでありますが、本調査会の目的は、決して、旧地主を復活したり、あるいは農地補償の措置を講じようという意図に出ているものではありませんし、最高裁判所の判決は、先ほども申した通り、これを尊重していくべきことは言うを待ちません。農地改革の根本そのものを基調として、これを変革しようというふうな意図に出ておるものでないということは、どうか十分に御了承願いたい。ただ、こういう農地改革のごとき大改革が行われました結果として、旧地主、いわゆる農地を買収された人々の間におきまして社会的、経済的な急激な変化の結果として、いろいろな問題を起しております。今お話にありましたように、それが、さらに農村の一つの不安や、あるいはいろいろな安定を欠くというような事態に対してその実情を十分に調査してこれに適当な措置をとる必要があるかないか、また、あるとするならば、どういう措置が適当であるかということを十分に検討調査することは政府として必要である、かように考えておる次第であります。
 また、旧地主の人々のいろいろな運動に関しての御意見なり御質問でありますが、今日、民主主義の政治のもとにおきましていろいろと利害関係を一にし、考えを同じくしておる者が、団体なり、あるいは組織を持って自分たちの意見を取りまとめ、これを陳情や要望の形において政府に出してくるということは、これは、民主政治におきましては、いろいろな面において見られることであります。政府としてはこれの採否、これをとるべきか、とるべからざるか、あるいは、それのうち、どういう点を、どういうふうに考えるべきかということは、常に、あらゆるこういう問題に関して、われわれは、冷静に、公正に処置していかなければならぬ問題であると思います。私どもは、そういう意味におきましても、この調査会において、そういうたくさんの農地を買収された人々の団体からの強い要望もありますから、これを公正に批判し、検討するというためにも、こういう調査会を必要とすると考えます。拍手
    〔国務大臣三浦一雄君登壇]
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三浦一雄#12
○国務大臣(三浦一雄君) 昭和二十八年十二月最高裁から下されました判決の効果を乱すようなことは断じていたしませんことは、総理大臣のお答えの通りであります。同時に、また、この措置によりまして、補償を改定するとか、あるいはこれに類するような措置をとるということは予定しておりません。
 第二には農地転用の問題でございますが、私たちは、日本の現状にかんがみまして、農地は、これは極度にまで尊重して参らなければなりません。これは保持しなければなりません。従いまして、この転用の場合におきまてしも、事情をよく調べまして、ほんとうにやむを得ざる場合のみにこれを転用するような方針をとって参っております。この場合におきましても、農地の所有者に対しましては完全なる補償をいたすということに指導しております。同時に、また、農地の少い向きに対しましては、農地造成の目的はこの方面に第一に向けるという方針をとっておりますことは、御承知の通りであります。
 次に、土地の取り上げ、その他各般の農地問題につきましていろいろ御指摘がございましたが、御承知の通り、農地関係のことは、農業委員会その他民主的な組織のもとに、良識ある措置をとる仕組みをとっておるのでございますから、この組織、機構を運用しまして、同時に、農林省といたしましても、さような、農村に激化した問題が起きぬように、格段の措置を講じて参りたいと考えております。拍手
    〔政府委員松野頼三君登壇〕
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松野頼三#13
○政府委員(松野頼三君) 私に対する御質問は、税金を取るか取らぬかという話でございますが、この法案は、税法でもございませんし、税金のことは一条も書いてございません。被買収者の実情を明らかにするというのがこの法案でございまして、税金には何ら関係はございません。
    [国務大臣坂田道太君登壇]
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坂田道太#14
○国務大臣(坂田道太君) お答え申し上げます。
 御質問の通り、農村におきます生活困窮者の生活保障も社会保障の一環として考える必要があるのでございまして、現に、厚生省といたしましては、旧地主と農民とを問わず、すべての生活困窮者を対象とする生活保障政策の推進に努力をいたしておるような次第でございます。
 さらに、根本的な施策といたしましては、特に農村地区を対象といたしまして、今まで公的年金制度等を受けておられない方々に対する国民年金制度を打ち立てるとか、あるいはまた、国民皆保険を推進することによりまして、疾病によるところの防食ということを考えて参りたいと考えまして、農村におけるところの貧困の防止を考えておるような次第でございます。拍手
    〔国務大臣遠藤三郎君登壇]
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遠藤三郎#15
○国務大臣(遠藤三郎君) 私に対する御質問は、宅地の価格がどんどん上っておるではないか、これを抑制する対策を持っておるかというお尋ねでございました。御指摘のように、最近は宅地の価格がだんだん上昇しております。特に市街地において上昇の率が大きいのであります。建設省といたしまして、宅地の価格を解決するために一番大きくやっておりますことは、住宅公団その他で用地の造成をやっております。第一期計画三百万坪、第二期計画二百二十五万坪、第三期計画として今回七十五万坪を造成することにいたしまして、大体三十四年度にはこれを完成する計画でございます。なお、住宅公庫の融資等につきましても、宅地造成のための融資の道も講じております。このほか、あるいは宅地の合理的な利用という意味で、いわゆるげたばきの住宅、中高層住宅等を奨励する等、いろいろな計画的な対策を講じておるのでございます。この問題は非常に困難でありますが、困難な問題をも、いろいろな手を使って総合的に解決していく、それ以外には手がないのでありまして、せっかく政府は努力をしておることを、御了承をいただきたいと思います。拍手
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加藤鐐五郎#16
○議長(加藤鐐五郎君) これにて質疑は終了いたしました。
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加藤鐐五郎#17
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第一、旅行あっ旋業法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。運輸委員長塚原俊郎君。
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塚原俊郎#18
○塚原俊郎君 ただいま議題となりました、川野芳滿君外九名提出の、旅行あっ旋業法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本法律案の要旨は、旅行あっせん業者の営業保証金の供託に、現金、国債証券以外に、運輸省で定める有価証券をもって充て得るよう、所要の改正を行おうとするものであります。
 現行法によりますれば、旅行あっせん業を営まんとする者は、最低五万円から最高五十万円までの営業保証金を、現金あるいは国債証券をもって供託いたさねばなりませんが、現在、旅行あっせん業者の大部分が零細な中小企業者である実情にかんがみ、これを地方債券あるいは特別の法律の法人の発行する債券等、運輸省で定める有価証券をもっても充て得るようにし、供託を容易にするとともに、営業内容の健全化をはかり、企業の合理化による一般旅客接遇の向上に寄与せんとするものであります。
 本法案は、三月九日本委員会に付託され、十日提出者の代表川野芳滿君より提案理由の説明を聴取し、質疑、討論を省略いたしまして直ちに採決の結果、本法案は全会一致をもって原案通り可決いたした次第であります。右、御報告いたします。拍手
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加藤鐐五郎#19
○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
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加藤鐐五郎#20
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告り通り可決いたしました。
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加藤鐐五郎#21
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第二、自治庁設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。内閣委員長内海安吉君。
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内海安吉#22
○内海安吉君 ただいま議題となりました自治庁設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案の要旨は、地方公共団体の財務会計制度に関する重要事項を調査審議するため、自治庁に、付属機関として、臨時に地方財務会計制度調査会を設置しようとするものであります。
 御承知のように、現在の地方公共団体の財務会計制度は、そのほとんどが市制、町村制、府県制当時のままでございまして、合理的、能率的な財務会計制度の運営という見地から見ますと、根本的に改善、検討を要する点が少くありませんので、地方財務会計制度調査会を設け、二年の期間をもちまして重要事項の調査審議を行うことにより、地方自治の適正かつ能率的な運営に資そうとするものであります。
 本案は、二月七日当委員会に付託され、二月十日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重に審議を行なったのでありますが、その内容につきましては会議録によって御承知をいただきたいと存じます。
 三月十日、質疑を終了いたしましたところ、別に討論の通告もなく、直ちに採決の結果、全会一致をもって原案の通り可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。拍手
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加藤鐐五郎#23
○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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加藤鐐五郎#24
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。拍手
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加藤鐐五郎#25
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第三、千九百五十八年の国際砂糖協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。委員長の報告を求めます。外務委員長櫻内義雄君。
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櫻内義雄#26
○櫻内義雄君 ただいま議題となりました千九百五十八年の国際砂糖協定の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を簡単に御報告申し上げます。
 この協定は五年前に結ばれたものを改定するものでありまして、昨年末に前協定が終了することになっておりましたので、昨年十月に国際連合が主催者となって会議の結果、この新協定が作成され、わが国は十二月二十三日に署名を了しました。
 前協定に比べ、その五年間の運用の成果を考慮して、種々の修正、改善が加えられておりますが、その趣旨及び骨子は同様であり、要するに、砂糖の輸出入国の立場を調整し、世界の自由市場における砂糖価格を安定せしめることを目的としており、わが国のような輸入国にとって旧協定よりも有利なものになっております。
 本件は、三月二日外務委員会に付託されましたので、会議を開き、政府の提案理由の説明を聞き、質疑を行なった後、討論を省略し、三月十日採決の結果、本件は全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。拍手
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加藤鐐五郎#27
○議長(加藤鐐五郎君) 採決いたします。本件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
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加藤鐐五郎#28
○議長(加藤鐐五郎君) 御異議なしと認めます。よって本件は委員長報告の通り承認するに決しました。
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加藤鐐五郎#29
○議長(加藤鐐五郎君) 日程第四、硫安工業合理化及び硫安輸出調整臨時措置法の一部を改正する法律案、日程第五、輸出品デザイン法案、日程第六、工場立地の調査等に関する法律案、右三案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。商工委員会理事中村幸八君。
    〔中村幸八君登壇〕
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