予算委員会

1966-07-18 衆議院 全290発言

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会議録情報#0
本国会召集日(昭和四十一年七月十一日)(月曜日)
(午前零時現在)における本委員は、次の通りで
ある。
   委員長 福田  一君
   理事 赤澤 正道君 理事 田中 龍夫君
   理事 松澤 雄藏君 理事 八木 徹雄君
   理事 川俣 清音君 理事 楯 兼次郎君
   理事 野原  覺君 理事 小平  忠君
      相川 勝六君    愛知 揆一君
      荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君
      井出一太郎君    今松 治郎君
      植木庚子郎君    江崎 真澄君
      小川 半次君    大橋 武夫君
      上林山榮吉君    川崎 秀二君
      小坂善太郎君    小山 長規君
      田中伊三次君    登坂重次郎君
      中曽根康弘君    灘尾 弘吉君
      丹羽 兵助君    西村 直己君
      野田 卯一君    橋本龍太郎君
      古井 喜實君    松浦周太郎君
      三原 朝雄君    水田三喜男君
      大原  亨君    加藤 清二君
      勝間田清一君    角屋堅次郎君
      小松  幹君    多賀谷真稔君
      高田 富之君    中澤 茂一君
      永井勝次郎君    八木  昇君
      山中 吾郎君    山花 秀雄君
      今澄  勇君    竹本 孫一君
      加藤  進君
—————————————————————
昭和四十一年七月十八日(月曜日)
   午前十一時十五分開議
 出席委員
   委員長 福田  一君
   理事 赤澤 正道君 理事 久野 忠治君
   理事 田中 龍夫君 理事 松澤 雄藏君
   理事 八木 徹雄君 理事 川俣 清音君
   理事 楯 兼次郎君 理事 野原  覺君
   理事 小平  忠君
      相川 勝六君    愛知 揆一君
      荒木萬壽夫君    荒舩清十郎君
      井出一太郎君    今松 治郎君
      植木庚子郎君    小川 半次君
      大橋 武夫君    上林山榮吉君
      倉成  正君    小山 長規君
      笹山茂太郎君    田中伊三次君
      登坂重次郎君    中曽根康弘君
      灘尾 弘吉君    丹羽 兵助君
      西村 直己君    野田 卯一君
      橋本龍太郎君    松浦周太郎君
      水田三喜男君    大原  亨君
      加藤 清二君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    多賀谷真稔君
      高田 富之君    八木  昇君
      山中 吾郎君    山花 秀雄君
      竹本 孫一君    加藤  進君
 出席国務大臣
        内閣総理大 臣 佐藤 榮作君
        法 務 大 臣 石井光次郎君
        外 務 大 臣 椎名悦三郎君
        大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
        文 部 大 臣 中村 梅吉君
        厚 生 大 臣 鈴木 善幸君
        農 林 大 臣 坂田 英一君
        通商産業大臣  三木 武夫君
        運 輸 大 臣 中村 寅太君
        郵 政 大 臣 郡  祐一君
        労 働 大 臣 小平 久雄君
        建 設 大 臣 瀬戸山三男君
        自 治 大 臣 永山 忠則君
        国 務 大 臣 上原 正吉君
       国 務 大 臣 橋本登美三郎君
        国 務 大 臣 福田 篤泰君
        国 務 大 臣 藤山愛一郎君
        国 務 大 臣 松野 頼三君
        国 務 大 臣 安井  謙君
 出席政府委員
        内閣官房副長官 竹下  登君
        内閣法制局長官 高辻 正巳君
        国防会議事務局
        長       北村  隆君
        人事院総裁   佐藤 達夫君
        人事院事務官
        (職員局長)  大塚 基弘君
        総理府総務副長
        官       細田 吉藏君
        総理府事務官
        (人事局長)  増子 正宏君
        総理府事務官
        (特別地域連絡
        局長)     山野 幸吉君
        公正取引委員会
        委員長     北島 武雄君
        防衛庁参事官
        (防衛局長)  島田  豊君
        防衛庁参事官
        (経理局長)  大村 筆雄君
        防衛庁参事官
        (装備局長)  國井  眞君
        総理府事務官
        (経済企画庁国
        民生活局長)  中西 一郎君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合計画局長)  鹿野 義夫君
        法務事務官
        (入国管理局
        長)      八木 正男君
        外務事務官
        (アジア局長) 小川平四郎君
        外務事務官
        (北米局長)  安川  壯君
        外務事務官
        (欧亜局長)  北原 秀雄君
        外務事務官
        (条約局長)  藤崎 萬里君
        外務事務官
        (国際連合局長
        事務代理)   滝川 正久君
        大蔵事務官
        (大臣官房長兼
        銀行局長)   村上孝太郎君
        大蔵事務官
        (主計局長)  谷村  裕君
        大蔵事務官
        (主税局長)  塩崎  潤君
        大蔵事務官
        (理財局長)  中尾 博之君
        大蔵事務官
        (国際金融局
        長)      鈴木 秀雄君
        文部事務官
        (初等中等教育
        局長)     齋藤  正君
        農林事務官
        (農政局長)  和田 正明君
        農林事務官
        (農地局長)  大和田啓気君
        食糧庁長官   武田 誠三君
        通商産業事務官
        (通商局長)  山崎 隆造君
        通商産業事務官
        (企業局長)  熊谷 典文君
        通商産業事務官
        (重工業局長) 高島 節男君
        中小企業庁長官 影山 衛司君
        運輸事務官
        (海運局長)  亀山 信郎君
        運輸事務官
        (航空局長)  堀  武夫君
        自治事務官
        (行政局長)  長野 士郎君
 委員外の出席者
        専  門  員 大沢  実君
    —————————————七月十五日
 委員中澤茂一君辞任につき、その補欠として野
 口忠夫君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員野口忠夫君辞任につき、その補欠として中
 澤茂一君が議長の指名で委員に選任された。
同月十六日
 委員江崎真澄君及び川崎秀二君辞任につき、そ
 の補欠として倉成正君及び久野忠治君が議長の
 指名で委員に選任された。
同月十八日
 委員古井喜實君辞任につき、その補欠として笹
 山茂太郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員笹山茂太郎君辞任につき、その補欠として
 古井喜實君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 理事久野忠治君六月二十七日委員辞任につき、
 その補欠として久野忠治君が理事に当選した。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 国政調査承認要求に関する件
 予算の実施状況に関する件
     ————◇—————
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福田一#1
○福田委員長 これより会議を開きます。
 この際、国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。
 先般の理事会の協議に基づき、予算の実施状況について調査を行なうことにいたしたいと存じます。
 つきましては、この際、議長に対し国政調査の承認を求めることとし、その手続は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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福田一#2
○福田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 直ちに委員長において所要の手続をとることといたします。
     ————◇—————
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福田一#3
○福田委員長 この際、理事の補欠選任についておはかりいたします。
 委員の異動により、現在理事が一名欠員となっておりますので、これよりその補欠選任を行ないたいと存じますが、これは先例によりまして、委員長において指名することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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福田一#4
○福田委員長 御異議なしと認めます。よって、久野忠治君を理事に指名いたします。
     ————◇—————
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福田一#5
○福田委員長 それでは、これより予算の実施状況に関する件について調査を進めます。
 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。倉成正君。
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倉成正#6
○倉成委員 私は、当面の外交、財政経済の諸問題並びに米価を中心とする農政の基本的姿勢について、総理大臣以下関係閣僚にお尋ねいたしたいと思います。
 まず、ベトナムの情勢について。今日、アジアの一角ベトナムにおいて戦争が続き、アジア人の血が毎日流されていることは、平和を望む日本国民にとって深い関心事であります。しかしながら、ベトナム戦争は、先月来アメリカのハノイ、ハイフォン地区石油施設爆撃以来新しい段階に入ったと考えられますが、これに対して、昨十七日北ベトナム政府は、米国の戦争のエスカレーションに対応する事実上の非常事態国家総動員宣言ともいうべき三つの重要文書を発表いたしまして、徹底抗戦をはかるということを声明いたしております。この点につきましては、われわれ日本国民としても深い関心を持つと同時に、戦争の将来に対して憂慮にたえないところでありますが、この事態に即して、総理としていかなる所見を持って対処されるつもりであるか、お伺いしたいと思います。
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佐藤榮作#7
○佐藤内閣総理大臣 お答えいたします。
 私どもは、アジアにおいて紛争が起きておるというその現実に当面いたしまして、一日も早くその紛争が平静に帰すること、これのみを念願してまいりました。最近、ベトナムにおきまして石油貯蔵庫等を爆撃した、これはいままでなかったことでありますが、そういうことが行なわれた、こういう意味でたいへん新たなる拡大ではないか、エスカレーションではないかと、こういうことで非常に心配をいたしております。一日も早く平静に帰するようにと、かように私ども考えておる次第でございますが、このハノイ近郊の爆撃について、その性質をしさいに私ども検討してみますると、在来から米軍で行なっております爆撃目標、その一つであるだろうと、かように考えますので、いわゆるエスカレーションというものに簡単に私は同意はいたしません。しかし、少なくともいままで爆撃をしなかった、そういうものが対象にされた、こういうところで新たなる意義があるのではないかという御心配もさることだと思います。一日も早くこういう事柄が終息するように、平和がもたらされるように、この上とも心から願う次第でございます。
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倉成正#8
○倉成委員 この問題に関して、政府は紛争の平和的解決についてどういう具体的な努力を払ってこられたか、これを承りたいと思います。
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佐藤榮作#9
○佐藤内閣総理大臣 日本政府は御承知のように直接の関係者ではございません。また、積極的に援助する立場でもない。この種の紛争については、日本自身は関係を持ちたくない、また持つ筋でもない、かように考えて、いままでは厳正に、ただ私どもが平和を心から願っておる、こういうことを率直に説明してまいりました。また、具体的な方法として、私は国会の場を通じ、またその他の機会にしばしば申し上げておりますように、話し合いの場に双方が着くことだ、そして、話し合いをすることによって休戦あるいは停戦することによりまして新たなる方向を見つけるべきだ、こういうことをしばしば申し上げてまいりました。また椎名君が訪ソいたしましても、こういう点で話し合いをしておりますし、あるいは横山特使等を派遣もいたしましたし、また今回は、ラスク長官等が日米合同委員会へ参りました。この機会にもわがほうのこの願いを率直に披露いたしまして、アメリカ側におきましても、当初からの平和への努力を今後とも積極的に進めるように、かように要望したような次第でございます。
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倉成正#10
○倉成委員 日本の置かれている立場は、ただいま総理大臣のお話でよく理解できるわけでありますが、北ベトナムが徹底抗戦を表明して、事態は深刻な状態に入っておる。また先般北ベトナムで撃墜され捕虜になった米軍飛行士を戦犯として処刑するということが伝えられておるわけであります。こういう事態は、米側の報復を招き、ますます事態を悪化せしめるのではないかと思われるわけでありますが、この米軍の飛行士の処刑の問題について、何らか総理としてこの問題について対処したいとお考えになるかどうか、お伺いしたいと思います。
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椎名悦三郎#11
○椎名国務大臣 国際法といたしましては、あくまで捕虜としてこれを処遇すべきであるということが規定されております。これを戦犯として処理するということは、従来の国際法の通念に著しく反することになるのであります。そういうことによって問題を激化することのないことをわれわれは衷心より希望しております。
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佐藤榮作#12
○佐藤内閣総理大臣 私は、このベトナム紛争が一日も早く平静に帰することを願っております。そこで、私どもの立場、これはたいへん冷静に、また平静にそのことを見ることができると思います。しかし、ただいまベトナム紛争の渦中にあるそれぞれの国におきましては、それは私どものような平静な状態ではないだろうと思う。しかし、ぜひともその平静さを持ち、また冷静に事態をぜひとも終息するように、この上とも努力を払っていただきたい、かように実は思うのであります。
 過日の所信表明でもその一端は実は披露したつもりであります。私は、話し合いの場に着くこと、これが必要だ、在来の行きがかりにとらわれることなく、この際はぜひともそうしてほしい、こういうことを実は要望いたしました。しかし、それぞれの直接の当事者としては、私どもが考えるような冷静さというものもなかなか保ち得ないのではないか。そこで、いまお尋ねになりましたような問題が起こる。これについては、いろんな議論があるだろうと思いますけれども、しかし、とにかく一方で戦いながらも、その冷静さ、平静さを持って平和への協力、この道をやはり探す、こういう気持ちであってほしい、かように思います。
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倉成正#13
○倉成委員 この問題につきましては、全世界の注目の的でありますから、日本政府としてもできるだけこの努力を続けていただきたいと思います。
 そこで、日米合同委員会の問題に入りたいと思いますが、今月初旬、京都において行なわれました第五回の日米貿易経済合同委員会は、貿易を看板としておるといいながら、今回の共同コミュニケにもあるがごとく、政治色が強められておる印象を受けております。わが国にとって、この合同委員へ会はいかなる意義があったか、総理大臣にお伺いしたいと思います。
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佐藤榮作#14
○佐藤内閣総理大臣 日米合同委員会では、両国が共通の関心事項につきまして忌憚のない意見の交換をいたしました。そういう意味で、それぞれの立場における意見の相違はあるにいたしましても、なごやかなうちにお互いを理解することができた、かように思います。なお、その詳細等につきましては、また経過等につきましては、外務大臣から御説明させたいと思いますので、お聞き取りをいただきたいと思います。
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椎名悦三郎#15
○椎名国務大臣 ただいま総理からお話がありましたが、これは貿易経済合同委員会でありまして、それを中心にあくまで討議を行なったわけでありますが、自然両国の関心の問題である国際情勢に関しましては、やはりお互いの話し合いが行われたのであります。問題によっては、日米双方の考え方が違う点もあります。しかしながら、これらの問題については十分に忌憚なき話し合いの結果、だんだんお互いの立場というものを、従来以上に深く認識するという効果が私はあったと思います。また、問題によっては、お互いの従来の研究調査、そういうことを披瀝して、そしてお互いの問題に対する理解というものを深める効果もあったのであります。
 要するに、今回は、従来よりも両国の経済上の懸案問題がわりあいに狭められてきております。しかし、残された問題は、決して軽微な問題ではもちろんございません。それらの問題について十分に討議をいたしまして、なおかつ、両国の関心の国際情勢について忌憚のない意見の交換を行なって、お互いの理解、認識を深めた、こういう点において私は従来以上に新しい場面というものが開かれたように考えております。特に、日本の東南アジアを中心とするアジアに対する政策、あるいはその姿勢というようなものについての理解を深めたことは、私は日米の将来の提携の上に非常に大きな利益をもたらしたものと考えております。
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倉成正#16
○倉成委員 以上の点に関連して、総理・ラスク会談が行なわれたわけでありますが、この会談においていかなる点が取り上げられたか、総理からお伺いしたいと思います。
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佐藤榮作#17
○佐藤内閣総理大臣 私とラスク国務長官との話し合いの全部は、申し上げるわけにいかない点がございます。しかし、私はたいへんいい機会であったと思いますので、当方でいま問題として取り扱うのが適当だと思えるような問題、これは十分話し合ったと思っております。ただいまお尋ねのありますベトナム紛争の問題、あるいは中国代表権の問題、あるいはまた、身近な問題ですが沖繩の問題、ことに沖繩では裁判移送の問題が起きておりますので、こういうような問題には全部触れたつもりでございます。事柄が外交の問題でございますから、この機会にこれらを明らかにすることだけは差し控えさせていただきたいと思いますが、問題の基本的なことは、わが国益をいかにして維持し増進するかという立場に立ちまして、国民の皆さま方が要望されるような事項には大体触れた、かような確信を持っておる次第でございます。
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倉成正#18
○倉成委員 ただいまお話がありました中で、裁判移送の問題は、法律的見解は別としても、政治的には沖繩の裁判権に関する重大問題でありますから、民政移管の問題とともに今後十分研究されることを要望いたしたいと思います。
 そこで、ただいまの総理・ラスク会談の内容の点は別といたしましても、日米貿易経済合同委員会の共同コミュニケの中にもある程度明らかにされておるわけでありますが、中国についての認識について、日米間の認識の相違があったようでございます。この相違点はどういう点が一番ポイントであるか、また、今後この意見の調整は可能であるかどうかということについて、これは総理よりお伺いしたいと思います。
  〔委員長退席、赤澤委員長代理着席〕
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佐藤榮作#19
○佐藤内閣総理大臣 いま倉成君が沖繩の裁判権の問題についてお話しになりましたことは、私もそのとおり同感でございます。こういう事柄は、あまり理屈っぽく話をしないで、問題が沖繩民政、その基幹をなす裁判権の問題でありますだけに、現地におきまして円満なる解決を見ること、これを心から願うのでございます。この問題はラスク長官の担当のようにも聞きましたので、たいへんいい機会であった、かように思います。この点をつけ加えておきたいと思います。
 また中国問題についてのアメリカと日本との考え方の相違といいますか、これは、私どもがいわゆる政経分離の形において中共政府ともつき合いをするのだ、こういうことを申しておりますのが、これがもう非常にはっきりした相違であります。今後の問題等についても、外務大臣もいかに扱うべきか、国連の場における今後の働き等々について、意見の交換はいたしたようであります。しかしこれは、慎重にこの問題と取り組むという以外にはただいま申し上げることはできない、かように思いますが、いずれにいたしましても、基本的にわが国が中国の隣である、こういう地理的関係、また歴史的にも過去において非常な密接な関係を持っておった、また経済的にも唇歯輔車の関係にあった、こういうような事柄が、これはもう特殊な事情でございますので、その点は十二分にわが方の意見を披露し、また披瀝することができた、かように確信を持っておる次第であります。
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倉成正#20
○倉成委員 ただいまの総理のことばの中に政経分離ということばが出てまいりました。共同コミュニケの中にも政経分離の原則ということばがあります。このことばは、かなり言い古されたことばのようでありますけれども、いま一度総理から、この政経分離の原則というのはどういう意味か、ひとつ御説明いただきたいと思います。
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佐藤榮作#21
○佐藤内閣総理大臣 今回の京都の会談で米側がこれを認めたわけでもないし、また、以前からもこういう考え方があって、米国ではよく了承していたと思いますが、佐藤政権といたしまして、私昨年ジョンソン大統領に会いました際も、この点を非常にはっきりさせた。在来の方針に変わりはないということを確認をいたしまして、日米共同コミュニケにもその点をうたったのであります。問題は、いわゆる政治的に政府を承認するとかいうことはしないけれども、経済的な交流は従来からも実際にこれを行なっているのだ、こういう考え方でありまして、最近はスポーツの関係においてもいろいろ発展するようでありますし、人事の交流などもある程度の制限はありますけれども、比較的活発に行なわれている、かように思います。ただ政治上の問題として、ただいままで承認問題がペンディングになっておる、かように御了承いただけばいいかと思います。
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倉成正#22
○倉成委員 私は、対中国政策において、日本のパートナーであるアメリカの立場を無視して、対中国政策を急ぐのあまり、中国の意向を迎えてアメリカを敵に回すごとき態度は絶対にとるべきでないと考えております。しかしながら、今日アメリカは、自由陣営における最大最強の国であり、同時に中国も、政治体制は異なるとはいえ、アジアにおける七億の民を有する最大の国であり、建設のため発展途上にあることも厳然たる事実であります。米中の和平、これが世界の平和の要件であると同時に、日中関係の解決なくしては日本の平和と繁栄は不安定なものにならざるを得ないと考えております。
 従来アメリカは、新聞記者、学者、医者などの中国旅行を認める方針を打ち出しておるようでありますが、中国側がこれに応じないで今日に至っておる。しかるに、総理も御承知のとおり、新聞報道によりますと、ダグラス米国最高裁判所判事が中国政府から正式に招待され、今年末中国を訪問する旨が伝えられております。また、ジョンソン大統領が全米大学卒業者評議会において演説をいたしまして、中国との協力の未来図を描きまして、その日の来たるのを早めるために思想、人物、物資の流通の拡大ということを提唱いたしておるわけであります。中国より敵視されておるアメリカ国内においても、中国封じ込め政策、あるいはこれまでの中国観が若干というか変わりつつあるような印象を受けておるわけでありますけれども、これらの点について、中国とただいまお話のように歴史的にも経済的にもまた地理的にも最も関係の深い日本政府の総理大臣として、これらの情勢を背景にしていかに処していかれるつもりであるか、総理の御所見をお伺いしたいと思います。
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佐藤榮作#23
○佐藤内閣総理大臣 アメリカの考え方がいろいろ最近はっきりしてきた、こういうようなお話をされますが、わが国は、アメリカの考えがどうあろうと、いずれの国とも仲よくする、そうして平和に徹するということがわが国の基本的態度であります。この点は誤解のないように願いたいと思います。その上、日本の行き方を支援するかのように、アメリカ自身も、最近は一部でいわれたようになくて、弾力的な態度をとっておる、こういうことがいわれるようになりました。これは私は、世界の平和のため、特にアジアの平和のためにたいへんしあわせだ、かように思っておりますので、この空気、これを醸成して、そしてほんとうに成果のあるようなところにまでぜひとも持っていきたいと思うのであります。
 過去におきまして、アメリカは封じ込め政策をとっておる、あるいは中共の孤立化政策をとっておる、こういうことで、アメリカが非難をされていた。しかし、私が昨年ジョンソン大統領に会いまして、アメリカはいわゆる封じ込め政策あるいは孤立化政策をとっておるのか、こういう話をすると、いや、そうではない、私のほうはそういう政策はとっておらない、あるいは通信報道関係の交換を許そうと言ったり、あるいはその他の関係の部門でも交流等をいろいろ言っているんだけれども、なかなか中共側においてこれを受け入れてくれないんだ、こういうような話を昨年聞いたのであります。また、その後、ハンフリー副大統領が日本を訪問した際に、米国側の中共孤立化政策、あるいは封じ込め政策、かように思われること、これが誤解だということを十分説く必要があると思うがどらだということを申しましたに対しましても、ハンフリ一別大統領も、自分のほうは、いわゆる封じ込め政策はとっておらないんだということで、交流の関係を実は申しておりました。しかし、今日まで実現しなかったのですから、そういうことがあったにしろ、アメリカ側が誤解されるというような状況にあったと思います。
 今回、ジョンソン大統領自身が、平和共存の方向を打ち出したと、かように私は思いますので、アメリカの考え方もたいへんはっきりしてきた、かように思うのであります。こういう機会にこそ、私どもも、在来のいずれの国とも仲よくするというこの考え方、またアメリカ自身も、平和共存の路線を積極的に表面に打ち出しておるのでありますから、こういう機会に、この平和ムード、いわゆる親善関係樹立の方向で努力すべきだと思います。中共におきましても、在来の考え方にとらわれることなしに、動きつつある、流動しつつあるこの国際情勢に処して誤られないように、私は心から祈る次第でございます。
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倉成正#24
○倉成委員 ただいま総理のお話のとおり、世界平和のため、米中関係のかけ橋としての日本の役割りは非常に大きいと思いますし、世界も日本にそういうことを期待しておる、また、国民全体もやはりそういう念願を持っておると思うわけでありますので、これらの点については、ただいま総理のおことばどおり、今後とも十分この流動せる状況に対処して努力をされたいと思います。
 そこで、さきに河野参議院副議長がスポーツ交流のため訪中されまして、一昨日帰国されたようでありますが、スポーツ交流は今後とも進めていかれる考えであるかどうか、お伺いしたいと思います。
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佐藤榮作#25
○佐藤内閣総理大臣 この会議が始まります前に、河野副議長からも報告を受けました。ただいまスポーツの交流についていろいろ制約はあります。制約はありますが、河野謙三君が交渉してまいりましたこと、これはこのまま私は進めていきたい、かように思っております。
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倉成正#26
○倉成委員 スポーツの問題について、総理の積極的な御発言がございまして、まことによかったと思います。
 そこで、次の問題として、中国に対する空路、航路の開設が、私は非常に大事なことではないかと思うわけであります。この点につきましては、すでに全日空から、上海−熊本間の定期航空事業の免許申請が運輸省に出されております。これに対して政府としてどう取り扱うつもりであるか。また、航路につきましては、戦前、長崎−上海間の定期航路があり、一九五二年に上海と天津の港を中国が開放して不定期の航路でいろいろな苦労をして今日に至っておるわけでありますが、この定期空路、定期航路の開設については、中国側からも希望があるやに聞いておるわけでございますが、政府としてどういうふうにお考えになっておるか、ひとつこれは運輸大臣からでけっこうですから、お答えいただきたいと思います。
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中村寅太#27
○中村(寅)国務大臣 日中の航空路の問題につきましては、全日空から申請が出ておるように倉成委員は仰せられましたけれども、正式な申請はいまのところでは出ておりません。ただ、日中間の航空路につきましては、国交が正常化されておりません現段階におきましては、航空協定を結びまして定期航空路を開設するという段階ではないと考えております。民間ベースでやるという手もありますが、これも現在の時点におきましては、いまだ機が熟しておるとは考えられませんので、日中間の動向等をよく見合わせながら対処してまいりたい、かように考えております。
 それから船による定期的な旅客あるいは貨物の航路でございますが、これは日中間の商社間にできるだけ早く定期的な航路を開設したいという意向が一致しまして、双方で研究を進められておるような段階でございます。日本でも関係船会社の間で、採算等その他諸案件の問題につきまして検討中でございまして、その結論を得まして政府としては対処してまいりたい、かように考えておる状態でございます。
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倉成正#28
○倉成委員 空路の問題について、ただいま運輸大臣からお話がございましたが、確かに国交が回復しない前の空路の開設ということについては、いろいろな問題があることは私もよく承知しております。しかしながら、民間ベースによる航空商務協定の締結については前例がございます。すなわち、わが国が大韓民国と外交関係を設定する前の昭和三十八年十二月十九日に、日本航空が韓国の大韓航空公社と航空商務協定を結びまして、日韓両国政府の認可を経て翌年四月十五日から東京−ソウル間に定期航空の運航を開始していることは、運輸大臣御承知のとおりであります。そのほか、航空運航の技術上の問題、あるいは事業主体あるいは経営上の問題、いろいろあるようでございますけれども、とにかく上海空港については、パキスタン航空がカラチからダッカ経由で乗り入れている。あるいはフランスも上海へ乗り入れを計画しているというような状態でありまして、これは時間の問題は別として、早晩やらなきやならないことだということになってまいりますと、いろいろな隘路は隘路として、この問題についてやはり前向きで対処していくという姿勢が政府として必要であろうかと思います。
 また、航路の問題については、ただいまお話のように、だんだん話が進んでおるというようなお話がございましたけれども、何と申しますか、定期航路がないということになりますと、いろんな貨物の取り扱いであるとか、あるいはいろいろな点において不便を生じておるということも御承知のとおりでありますから、これらの点についても今後十二分に前向きで検討していくべきだと思うわけでありますが、総理大臣、この点いかがでございますか。
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佐藤榮作#29
○佐藤内閣総理大臣 現在のような日中間の関係、これを未来永劫続けていく考えはもちろん持っておりません。したがいまして、ただいますぐどうこうという問題ではございませんが、お話しになりましたような御意見、述べられたように、こういう問題についても慎重に検討してまいるつもりであります。
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