社会労働委員会

1967-04-25 衆議院 全54発言

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会議録情報#0
昭和四十二年四月二十五日(火曜日)
    午前十時二十一分開議
 出席委員
   委員長 川野 芳滿君
   理事 藏内 修治君 理事 齋藤 邦吉君
   理事 河野  正君 理事 田邊  誠君
   理事 田畑 金光君
      菅波  茂君    田中 正巳君
      中山 マサ君    西岡 武夫君
      橋本龍太郎君   三ツ林弥太郎君
      渡辺  肇君    川崎 寛治君
      後藤 俊男君    山本 政弘君
      本島百合子君    和田 耕作君
      浅井 美幸君    大橋 敏雄君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 早川  崇君
 出席政府委員
        労働大臣官房長 辻  英雄君
        労働省労政局長 松永 正男君
        労働省職業安定
        局長      有馬 元治君
        労働省職業訓練
        局長      和田 勝美君
 委員外の出席者
        労働大臣官房総
        務課長     道正 邦彦君
        労働省労働基準
        局賃金部長   渡辺 健二君
        専  門  員 安中 忠雄君
    ―――――――――――――
四月二十一日
 委員正木良明君辞任につき、その補欠として矢
 野絢也君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十二日
 委員中山マサ君辞任につき、その補欠として福
 田一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員福田一君辞任につき、その補欠として中山
 マサ君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十五日
 委員天野光晴君、粟山秀君及び矢野絢也君辞任
 につき、その補欠として三ツ林弥太郎君、西岡
 武夫君及び浅井美幸君が議長の指名で委員に選
 任された。
同日
 委員西岡武夫君及び三ツ林弥太郎君辞任につ
 き、その補欠として粟山秀君及び天野光晴君が
 議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
四月二十四日
 雇用促進事業団法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第九三号)(予)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
四月二十四日
 山形県に重度身体障害者収容施設設置に関する
 陳情書
 (第一一八号)
 医療保険制度改善に関する陳情書
 (第一一九号)
 同外二件
 (第一五七号)
 旅館業等の許可規制に関する陳情書外一件
 (第一五三号)
 簡易水道施設整備事業の補助金に関する陳情書
 (第一五五号)
 失業保険制度改善に関する陳情書外一件
 (第一五六号)
 国民健康保険事業事務費国庫負担増額に関する
 陳情書外一件
 (第一五八号)
 診療報酬引上げ等に関する陳情書
 (第一五九号)
 原爆被爆者援護法の早期制定に関する陳情書
 (第一六〇号)
 身体障害者福祉関係諸法規の改正に関する陳情
 書(第一六一号)
 理容営業施設の適正配置基準設定に関する陳情
 書(第一六二号)
 国民健康保険制度改善に関する陳情書
 (第一六三号)
 技能検定職種の中に造園工追加設定に関する陳
 情書(第一六四
 号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 労働関係の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
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川野芳滿#1
○川野委員長 これより会議を開きます。
 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。後藤俊男君。
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後藤俊男#2
○後藤委員 昭和四十二年度の労働省の関係予算は、四十二年の三月十八日概略の説明を終わったわけであります。この中で、特に雇用政策等についての重点施策の説明をお願いをいたしたいと思います。
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早川崇#3
○早川国務大臣 こまかくは局長から御答弁させますが、大筋としては労働市場近代化のための条件整備、中高年齢者の雇用の促進、技能労働力の養成確保、その他炭鉱離職者対策、港湾労働対策、身障者対策、出かせぎ労働者対策、特別同和地区対策等に分かれまして、それぞれ予算存計上いたしておるわけでございます。
 なお、詳細につきましては局長から御答弁させます。
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有馬元治#4
○有馬政府委員 雇用政策の基本的左方向につきましては、去る三月の十四日に雇用対策基本計画というものを閣議で決定いたしまして、この長期計画に従って本年度は第一年度の雇用対策を樹立いたしまして、それに基づきまして今年度の予算を編成いたしたわけでございます。
 その概要を申し上げますと、労働市場の近代化のための条件整備の経費といたしまして約十五億円、それから中高年齢者の雇用促進のための経費といたしまして約二百九十八億円、それから技能労働力の養成確保の経費といたしまして百三億円、それから石炭の離職者対策あるいは港湾の労働対策を主軸とする当面の雇用対策関係の経費といたしまして七十四億円、それから失対事業の運営改善のための経費が三百六十八億円、こういったところが今年度の雇用政策に関する予算の概要でございます。
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後藤俊男#5
○後藤委員 いま簡単に説明は聞いたわけでございますが、わが国におきましては依然として数多くの臨時工やあるいは社外工をはじめとして不安定な労働者、それから低賃金の労働者がたくさんおると思います。これらの労働者の格差をいかに解消していくかというのがこれからの労働政策の根本ではないかと私考える次第でございます。この点についてはどうお考えでございましょうか。
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早川崇#6
○早川国務大臣 お説のように日米合同賃金調査の報告等にも書いておりますが、経済が発展いたしまして労働力が不足いたしてまいりましたので、どうしても格差が自然に縮まりつつあることは事実でございます。しかしながらなおこれをさらに進めていくためには労働市場の流動化ということを必要といたします。また非常に低い労働というものには最低賃金の職権十六条方式の活用というようなものもやっております。
 ただ問題は、流動化できない家内労働、内職というような面にやはり一番むずかしい格差を縮めることのできない部門がございます。この問題につきましては、現在家内労働についての審議会で詳細にわたって検討をいたしております。こういうような段階でございます。
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後藤俊男#7
○後藤委員 そこで、もう少しお尋ねいたしたいのは、この前説明をいただいた予算概要の七ページにございます、いま私が申し上げました問題と関連があると思うのですが、最低賃金制の問題でございます。この前配付されたプリントによりますと「新しい情勢に即応した最低賃金制の確立」、こういうのがあるわけでございますが、この最低賃金制の考え方というのはどういうことを言わんとされておるのか、どういうことなのか、ひとつ説明をいただきたいと思います。
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早川崇#8
○早川国務大臣 予算委員会でも申し上げましたが、まず業者間協定というものが、ILO二十六号条約の精神からいうと最終的には労、使、公益三者の審議会で決定するわけでございますが、原案作成を業者間だけでやるというのは疑義がある、かように考えておりまして、最小限度そういった面を是正するための最賃法の改正というようなものを御諮問願っておるわけでございます。
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後藤俊男#9
○後藤委員 いま大臣から説明がありましたのは、全般的な大体抽象的左説明だったと思います。ここに書いてありますのは「新しい情勢に即応した最低賃金制の確立」こういう書き方がしてあるのですが、これはいまも説明がありましたように、ILO二十六号あるいはその他から考えてみても、現在の業者間協定というものは間違っておる。さらに全日本労働者階級の要求しておる全国一律の最低賃金制のほうへ踏み切ろうとされるところの考え方をこれに書いてあるのかどうかという点を質問いたしておるわけです。
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早川崇#10
○早川国務大臣 「新しい情勢に即応した最低賃金制の確立」という「新しい情勢」と申しますのは、すでに最賃法が実施されまして五百六十万人が何らかの意味で最低賃金制度が制定されておる範囲に入る勤労者でございますが、そこでこの辺でひとつこういう情勢に応じた最賃制度を再検討しよう、それから制定されたころと違いまして経済が非常に発展いたしまして賃金もうんと上がってまいりました。こういったことも新しい情勢でございます。
 なお、こまかい面につきましては政府委員から御答弁させます。
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渡辺健二#11
○渡辺説明員 ただいま大臣からお話がございましたとおり、昭和三十四年に現行最賃法が制定されました当時に比べましてその後の非常に急速な経済の発展、それに伴う大幅な賃金の上昇、特に御承知のとおり若年層を中心といたしまして、労働力の需給関係が変わってまいりました結果、年齢別の賃金格差あるいは規模別の賃金格差、そういった各般の賃金格差も縮小に向かいつつあるわけでございます。また、最低賃金制自身につきましても、三十四年制定当時から見ますと、この八年で約五百六十万人に達する労働者に対して適用されるようになったばかりでなく、その運営等につきましても当初は業者間協定そのままでございましたのが三十九年からは重点業種を定め、さらに金額につきまして中央最低賃金審議会の御意見に基づきまして、ある程度の金額の目安というものを定めましてあまりにそういう目安から離れた、実情に合わないようなものにつきましては、たとえ業者間協定ができましても、法律上最賃として認めない、そういうことで運営をしてまいり、制定当時と比べますと最賃法の運用自身もある程度進んでまいっておるわけでございます。さらにここ一、二年はそれまで活用されていなかった十六条に基づくところの審議会の調査、審議に基づく業者間協定でない最賃、こういったようなものもかなりできつつあるような状態になっておるわけでございます。
 そういうような客観情勢の変化、あるいは最賃制そのもののその後の伸展、それに伴うある程度の基盤の情勢、こういうような情勢は、制定当時と比べて最賃制をめぐる情勢にかなり変化があらわれてきておるのではないかというふうに考えまして、そういう新しい情勢に応じましてわが国の実情に即した実効ある最賃制を再検討しようということで一昨年労働大臣から中央最低賃金審議会に諮問をいたしまして、ただいま鋭意御検討を願っておる、こういう状況でございますので、そういう御検討の結果に基づきまして最近の情勢に即応いたしました最賃制を確立し、推進してまいりたい、こういう考えでございます。
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後藤俊男#12
○後藤委員 参考までにちょっとお聞きしたいのですが、いまの説明がありましたように、昭和三十九年十月二十六日でございますか、最低賃金の対象業種及び最低賃金額の目安というのが決定されております。これは中央最低賃金審議会できまったわけです。これは年々改正——改正というか改定されていると思うのです。現在はこの目安はどういうふうなかっこうになっておるのか、参考までにお聞きいたしたいと思います。
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渡辺健二#13
○渡辺説明員 三十九年に中央最低賃金審議会からちょうだいいたしました金額の目安は甲、乙、丙三地域に分けまして丙の最低が三百六十円から甲の最高が四百八十円までにわたった内容のものだったわけでございますが、その後の賃金事情の変化等に基づきまして、昨年二月、中央最低賃金審議会でそれを改定いたしまして、同じく甲、乙、丙三地域でございますが、丙地域の最低が四百十円、甲地域の上限が五百二十円までという一
○数%の引き上げを内容とする改定の御答申がございました。昨年三月以降はそれによってそれまでできておりました最低賃金をさらに金額を改定するよう指導をいたしておるわけでございます。それに基づく改定も逐次終了に向かいつつございますので、最近の事情、春闘等の結果を見まして、さらに昨年御答申いただきましたその金額につきましても再検討をしていただく、よう考えておるところでございます。
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後藤俊男#14
○後藤委員 いま大臣なり部長から説明がありましたが、この最低賃金制の問題については、いまも話がありましたし、さらに三十九年の春闘において、そのときの労働大臣、大橋労働大臣でございますが、全国一律最低賃金制の法案については四十年末の通常国会に提案する、こういう言明があったわけなんです。ところが、その後これらが具体化されておらない。これはあなた方も御承知だと思います。ところがそれに引き続いて大臣がかわられて、これがあいまいになって、それからさらに中央最低賃金審議会においては、いま説明のありましたよう左かっこうになってきておるというような経過をたどっておるわけでございますが、先ほど話がありました新しい情勢に対応する最低賃金の問題については、いま中央最低賃金審議会でやっておる。それができたら国会のほうへ提案するんだ、こういう説明だったと思いますが、その中身というのは、先ほど申し上げましたところの大橋労働大臣が、春闘のときに特に確約された内容に基づいて、その方向でやられようとしておるのかどうか、その点を明確にしていただきたいと思います。
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渡辺健二#15
○渡辺説明員 昭和三十九年に当時大橋労働大臣が言われました問題に、提出時期のことと、いまお話しの中身の問題と二つの事柄があったと存じます。
 提出時期のことにつきましては、当時大橋大臣は、いまおっしゃいましたように四十二年度以降となっておるけれども、できるだけ早めたい。したがって、できれば四十一年の通常国会にも出せるようにしたいとおっしゃったことがございます。ただし、そのときに同じ発言の中で、しかしこれは使用者側もあることだから、使用者側ともよく話し合いをして、そうしてそういうように持っていけるように努力したい、こういうことを言われておるわけでございます。その御発言に基づきまして、当時大橋労働大臣が経営者側ともいろいろお話しになり、われわれも御下命を受けましてそのような話し合いを続けておったわけでございますが、その後、大橋大臣がおかわりになりまして、次の石田大臣になられたわけでございますが、石田大臣も引き続きそういう線でできるだけ再検討の時期を早めるよう使用者側と話をされたわけでございます。しかし、なかなかその間の取りまとめが難航いたしまして、石田さんが、最後のときに、四十年の五月のときに、春闘共闘委との会見等で、近く中央最低賃金審議会に諮問をしたい、諮問するについては、全国一律最賃制という考え方もあるが、地域別、産業別といったような、いろいろな考え方もあるので、それらをひっくるめて、わが国の実情に即したような制度を御検討いただくように諮問したいということを文書で春闘共闘委員会に御返事をされている経過があるわけでございます。そういう経過を経まして、間もなく労働大臣が再びおかわりになりまして小平大臣になられましたので、四十年の八月にそういう石田大臣の春闘共闘委に対する御回答の線に沿いまして、中央最定賃金審議会に最低賃金制の基本的あり方の検討を諮問されたわけでございますが、御承知のとおりいろいろの意見がございまして、審議会の審議はそれ以来鋭意進められておるわけでございますが、答申はまだいただいておらないわけでございます。しかしながら、ようやく審議も煮詰まってまいっております段階にきておりますので、われわれといたしましては、ごく近い将来に何らかの御答申がいただけるものと、かように考えておるわけでございます。
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後藤俊男#16
○後藤委員 そうしますと、いま中央最低賃金審議会ですか、ここで鋭意検討中である。これは各委員が、全部出席しておりますか。
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渡辺健二#17
○渡辺説明員 中央最低賃金審議会につきましては、四十年八月に諮問をいたしまして以来、基本問題小委員会なるものを設けまして検討を続けておりまして、これには各側の委員、また労働側の中でもいろいろ左組織がございますが、各組織からも委員を出して審議をやってまいったわけでございますけれども、昨年の秋、総評系の委員の方は、全国一律最賃を前提とした諮問でなかった、こういうことを不満とされまして退場されまして、自来総評系の方は審議の場には出ておられないわけでございます。しかし会長は、自来総評系の労働側委員といろいろ連絡をとられ、お会いになりまして、その意見は審議会の場に戻られて、そこで主張されるように種々説得をされておられるところでございます。またそういう審議会の御出席ではございませんけれども、総評側の意見等も、その後も公益委員と総評側との会見といったよう左形、そういういろいろな形を通じまして、その意見を聞くことに審議会としてはつとめておりますとともに、審議会への復帰方をお勧めしておる、こういうのが最近の状況でございます。
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後藤俊男#18
○後藤委員 そうしますと、いま説明がありましたように、いま中央最低賃金審議会でやっており「ますけれども、全国一律という前提じゃないから総評系の委員の人は参加をしておらない、こういうことですか。
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渡辺健二#19
○渡辺説明員 審議会には、ただいま御出席に」なっておられません。
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後藤俊男#20
○後藤委員 そうしますと、問題は、最低賃金法を制定されてから、だいぶ長年月たっておると思います。いまいろいろ話を聞いておりましても、いろいろな過程は踏んでおりますけれども、やはり日本の全労働者が希望しておるような全国一律最低賃金制というものの実施が、いま説明を聞くとほど遠いような感じを受けるわけです。そうじゃございませんか。その見通しについて、一体労働省としてはどういうふう左考え方をされておるでしょうか。審議会は審議会の問題といたしまして、その点の説明をいただきたいと思います。
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渡辺健二#21
○渡辺説明員 労働省といたしましては、全国一律の最賃というのも非常に有力な御意見、しかしながら地域別の最賃だとか、あるいは業種別最賃、職種別、いろいろの御意見がこの問題についてはあるわけでございます。したがいまして、そういう御意見をひっくるめまして、十分に三者構成の審議会の中で御審議いただき、そしてわが国の実情に即した最賃を御答申賜わるようお願いいたしておるところでございます。審議会でもその諮問の趣旨に沿いまして、全国一律最賃の問題も含めて、その他のいろいろな考え方とあわせていま検討がされておるという状況でございます。
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後藤俊男#22
○後藤委員 そうしますと、わかったようなわからないような説明でございますけれども、ILO二十六号条約との関係はどういうことになるのでしょうか。
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早川崇#23
○早川国務大臣 ILO二十六号条約では全国一律、全産業一律最賃ということは、条約にはむろん入っておらないわけでございまして、ILO二十六号条約は、あくまで労使対等のメンバーで最賃をつくれというのがその趣旨でございまするので、最小限度その線は業者間協定という、これは疑義がある——違反とは申しませんが疑義があるので、そういった点は、ぜひひとつ妥当なものに改正してもらいたいという意思表示は、審議会に労働大臣といたしまして、いたしておるわけでございます。
 ただ、御主張の全国一律、全産業一律、これはなるほど理想でございます。東京と鹿児島も同じ生活条件あるいは産業の大企業、零細企業も同じ条件、またそういう条件が整いましたならば、むろん理想でございます。ところが先進諸国のヨーロッパ、アメリカその他にいたしましても、なかなかこれが全産業同一賃金にはなっておらない。ただ沖縄とかああいう小さいところとか、あるいはアメリカの両州にまたがる産業というような場合には、例外的に実施されております。しかし有力な御意見でございますから、それも含め、また使用者側、公益側の意見もありましょうから、そういう意見を戦わすことこそ審議会でございますから、総評の委員もぜひひとつ審議会にお入り願って、現実性のある結論を得ていただきたい。決して悪いという意味じゃありませんが、そういうふうにお願いしておるというのが現状でございます。
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後藤俊男#24
○後藤委員 ただ、私は、いま最低賃金制の問題についていろいろ考え方をお尋ねさしていただいたわけでございますが、冒頭雇用政策等の問題について説明をいただきました。問題は、人材銀行であるとか、あるいは雇用相談所とかいろいろ左ことが考えられておりますけれども、やはり根本的な問題としては、いま申しましたように、賃金格差の解消の問題、さらにいわゆる全国一律最低賃金制の問題、これらの問題を解決するのが雇用政策の根本になるのではないか、こういうふうに私たちは考えておるわけなんです。ぜひひとつこの一律最低賃金制の問題につきましても、いままでいろいろな経過がございますけれども、さらに全日本の労働者ほとんどの者がこのことは強く要望をいたしておると私は考えておりますので、今後もいま申し上げましたような考え方に立って、ILOの二十六号のいっておるよう左全国一律最低賃金制につきまして、早く実行のできる方向へ労働省としても強く指導をしていただくようにお願いをいたしたいと思います。
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早川崇#25
○早川国務大臣 先ほど申し上げましたように、ILO二十六号条約は全国一律、全産業一律ということはいっておらないのであります。しかし最低賃金というものを設けることによって、できるだけ勤労者の福祉をはかっていく、これは労働行政の根本でございますので、御趣旨に沿いまして、審議会の答申が出ましたならば、その立法化をいたしまして御要望にこたえたいと存じます。
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後藤俊男#26
○後藤委員 最低賃金制の問題につきましてはそう簡単にすぐ解決するとは思いませんが、今後もいま大臣が言われた方向で努力をしていただくようにお願いしたいと思います。
 それから七ページの先ほど申し上げました「新しい情勢に即応した最低賃金制の確立」の下に「賃金問題の合理的解決への指導援助の強化」と、こういう項目があるわけでございますが、これは一体どういうことを意味しておるのか、具体的に説明を聞きたいと思います。
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渡辺健二#27
○渡辺説明員 わが国の賃金問題については、先ほどお話がございました水準の低い方々の最低賃金制等の問題のほかにもいろいろな問題がございます。特に最近問題になっておりますものに賃金制度の問題等があるわけでございます。わが国の賃金制度というのは、従来御承知のような年功序列賃金といわれる形が基本的な形をなしておったわけでございます。昔、若年者が非常に余っておる。したがって若い学校卒業者を非常に低い賃金で雇用いたしまして、あと年功を経るに従って上がっていくといったような当時の労働力過剰を前提とした賃金制度が、御承知のような若年労働者がむしろ需給が逼迫してくるといったような状況、そのことに基づきまして若年の賃金が大幅に上がりまして全体の賃金の上昇よりもさらに上昇が高い、そういったようなことから従来の年功序列賃金のままでいいのかという問題が出てまいっております。他方、生産方式、労働態様というものも昭和三十年以降の非常な技術革新の進展によりまして変わってまいりました。昔でございますと、長年年功を積んだ者がそれだけ経験等を積みまして技能も高いということであったわけでございますが、技術革新の結果、単なる経験に基づく技能というようなものと技能の質が変わりまして、むしろ若くて適応性も高い、ある程度基礎知識を持っているといったような者が一定の職業訓練を受けて技能を身につけた、そういう者が職場の基幹的な技能者になってまいった。しかるにそういう人たちは年が若いというだけで、仕事はむしろ中核的な仕事をしているのに賃金が低いといったようなことから、やはりいろいろな労働意欲の問題だとかあるいは仕事の質と賃金とのアンバランスの問題とかいうようなことから、職場におきましていろいろな問題が生じております。そういうような賃金制度の合理化の問題といったようなものも最近職場においてあるわけでございますので、そういう新しい最近の諸情勢に基づく賃金制優等の諸問題を合理的に解決されるよう労働省といたしましても一強力に援助してまいりたい、そういうための予算をという意味で「賃金問題の合理的解決への指導援助の強化」ということを述べておるわけでございます。
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後藤俊男#28
○後藤委員 それから、この説明書にもありますように、労働省の職業訓練計画の問題ですが、これは大体昭和四十年度も一やられておると思います。ところが、聞くところによりますと三分の一くらいか実績があがっておらぬ。間違っておれば直していただきたいわけなんですが、そういうことも聞いておるわけですけれども、もしそうだとするなら、一体どこに原因があってそういうことになったのかという点について、ひとつ御説明いただきたいと思います。
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和田勝美#29
○和田(勝)政府委員 職業訓練計画につきましては職業訓練法に規定がございますので、これを定めることにいたしておりますが、ただいろいろな事情がありまして年次計画を必ずしも立てておりません。経済の中期計画に合わせまして昭和三十四年を初年度にしました十カ年計画を一応立てて、現在その計画の推進に当たっておるわけでございますが、それによりますと、四十一年度までのところで公共職業訓練関係につきましては約九八%くらいのことになっております。ただし、これは定員的にいって九八%くらいでございまして、実員はこれより多少下回っております。それに対して、事業内職業訓練につきましては、四十年度までをとってみますと約六割でございまして、こちらのほうが計画が一応四割程度そごを来たしておる、こういうような実情でございます。
 したがいまして、公共職業訓練のほうの計画と各年度ごとに行ないます予算的措置につきましては、大体予定どおり進行しているわけでございますが、事業内のほうにつきましては、これは認定事業内訓練でございまして、中学校を卒業して三年間訓練をするという問題が、現在の産業界の実情との関係で多少問題があるようでございます。そこらあたりが達成率について事業内は低い実績を持っておる、こういうことではないかと考えております。
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