決算委員会

1973-05-10 衆議院 全136発言

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会議録情報#0
昭和四十八年五月十日(木曜日)
    午前十時十五分開議
 出席委員
   委員長 宇都宮徳馬君
   理事 松岡 松平君 理事 森下 元晴君
   理事 綿貫 民輔君 理事 久保田鶴松君
   理事 芳賀  貢君 理事 庄司 幸助君
      荒舩清十郎君    菅野和太郎君
      中尾  宏君    濱野 清吾君
      吉永 治市君    原   茂君
      浅井 美幸君    坂井 弘一君
      塚本 三郎君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 愛知 揆一君
 出席政府委員
        北海道開発庁総
        務監理官    山田 嘉治君
        大蔵省主計局次
        長       辻  敬一君
        大蔵省理財局次
        長       小幡 琢也君
        食糧庁長官   中野 和仁君
        水産庁長官   荒勝  巖君
        通商産業省繊維
        雑貨局長    齋藤 英雄君
        建設政務次官  松野 幸泰君
        建設大臣官房長 大津留 温君
        建設省住宅局長 沢田 光英君
 委員外の出席者
        行政管理庁行政
        監察局監察審議
        官       笹倉 三郎君
        防衛施設庁施設
        部施設取得課長 秋山 房夫君
        水産庁生産部長 大場 敏彦君
        会計検査院事務
        総局第一局長  服部 桂三君
        会計検査院事務
        総局第四局参事
        官       前田 泰男君
        参  考  人
        (日本住宅公団
        総裁)     南部 哲也君
        参  考  人
        (日本住宅公団
        理事)     大田 満雄君
        参  考  人
        (日本住宅公団
        理事)     上野 誠朗君
        決算委員会調査
        室長      東   哲君
    —————————————
委員の異動
五月十日
 辞任         補欠選任
  池田 禎治君     塚本 三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  塚本 三郎君     池田 禎治君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 昭和四十六年度一般会計予備費使
 用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(その2)
 昭和四十六年度特別会計予備費使
 用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(その2)
 昭和四十六年度特別会計予算総則
 第十条に基づく経費増額総調書及
 び経費増額調書
 昭和四十六年度特別会計予算総則
 第十一条に基づく経費増額総調書 (承諾を求
 及び各省各庁所管経費増額調書  めるの件)
 (その2)
 昭和四十七年度一般会計予備費使
 用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(その1)
 昭和四十七年度特別会計予備費使
 用総調書及び各省各庁所管使用調
 書(その一)
 昭和四十七年度特別会計予算総則
 第十条に基づく経費増額総調書及
 び各省各庁所管経費増額調書(そ
 の1)
 昭和四十六年度一般会計国庫債務 (承諾を求
 負担行為総調書         めるの件)
     ————◇—————
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宇都宮徳馬#1
○宇都宮委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十六年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外三件の承諾を求める件、及び昭和四十七年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外二件の承諾を求めるの件、並びに昭和四十六年度一般会計国庫債務負担行為総調書を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がございますので、順次これを許します。芳賀貢君。
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芳賀貢#2
○芳賀委員 四十六年度並びに四十七年度の予備費使用の問題について大蔵大臣に質問します。
 その前に大蔵大臣に予算執行上の問題についてお尋ねいたしますが、それは、五月八日の閣議において大蔵大臣から、昭和四十八年度の公共事業については実施の繰り延べを行なうという報告をして、その方針を決定したということがいわれておるわけでありますが、四十八年度予算成立直後に決定した事業の繰り延べを早々に行なうということについては、これはやはり昭和四十八年度予算そのものに最初から問題があるといわなければならぬわけでありますので、この繰り延べ方針の内容についてこの際明らかにしてもらいたいと思います。
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愛知揆一#3
○愛知国務大臣 毎年度、予算編成をいたしまして、これが国会の御審議を経て成立いたしますと、その実施について関係各省と協議をいたしまして、具体的に執行の方針をきめるというのが通例でございますが、今年度の場合におきまして、上半期において公共事業費等の施行の見込みをめどをつくりましたのが、五月八日の閣議で報告をいたしまして了解を受けたわけでございます。その考え方は、公共事業費の中でもいろいろございますが、たとえば積雪寒冷地帯といわれておりますが、これは一道、東北六県あるいは北陸四県といったようなものが中心でございますが、そういったようなところにつきましては、例年どおり施行をする、それから生活環境の整備というようなものは、これまた年度を平均して行なう、あるいは災害復旧というようなものは緊急を要するものでございますから、そういうものを適切に施行をきめる、自余のものにつきましては、最近の物価その他の状況を見まして、年度内で施行の時期を若干調整をすることが適当である、こう考えまして、公共事業費全体について見ますと、契約進捗率、いわば契約ベースで申しますと、上半期における施行の状況は五九・六%という程度に相なります。
 これは従来の例を御参考に若干申し上げますと、たとえば四十七年度はむしろ年度内でできるだけ繰り上げて促進したほうが適切であるという状況でございましたから、その実績は上半期で七三%をこえておるわけであります。これに比べますと今年度の状況は、これを一四%余り下回ることになるわけでございますが、いま申しましたような、特に今年度予算の重点と思われますような点につきましては、上半期の契約率は七四%ということに相なっております。その他のものをとってみますと、五四・三%でしたかになるわけでございまして、これは予算そのものが適切であるという前提に立って、その施行の時期的な配分について調整を加えた、こういう考え方でございます。
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芳賀貢#4
○芳賀委員 四十八年度予算の内容等については、本院においても予算委員会等を中心にして十分論議をしたところでして、特に本年度予算が依然として公共事業重点の、インフレ促進の予算であるという点は、当初からこれは問題をあげてきびしく指摘したところであります。しかも、公共事業の実施にあたっては、特に事業を行なう場合、必要な資材であるセメントとかあるいはその他の主要な資材についても、大手商社あるいは大企業の商品投機、あるいはまた買い占め等によって、おそらく政府予算の中における公共事業実施の単価等についても、実施しがたいような変化がすでに生じておるわけでありますからして、公共事業の内容によっては、当然諸般の事情を判断して繰り延べるべきものについては繰り延べすることは別に非難するわけではないが、しかし、たとえば農業関係の農業基盤整備費の実施の問題、あるいはまた北海道を中心とする積雪寒冷地帯の、特に夏季施行を中心としなければ事業の完全な実行ができないという地域性等については、十分特徴を勘案して、遺憾のないような予算の執行をすべきであると思いますが、その点については十分な配慮を行なっておるかどうか、いかがですか。
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愛知揆一#5
○愛知国務大臣 これはまことにごもっともな御指摘でございまして、その点は政府としても十分配慮いたしたつもりでございます。先ほど申し上げましたように、まず積雪寒冷地帯ということばが適切であるかどうかわかりませんけれども、例年の予算執行の状況や、そうした地域の要請にもこたえまして、繰り延べを、他の面におきます場合でも、北海道、東北六県、北陸というようなところ、あるいはその他のところでも特に同様の考慮を払わなければならないところにつきましては、十分実施官庁とも相談をいたしまして、これは原則的に申しますと例年どおりというか、あるいはそういった条件にかなうように、施行が順調に行なえるようにという配慮をいたしております。
 それから、農業関係について御指摘がございましたが、この点も特に農林省からも強い要請もございましたし、閣議で農林大臣からも積極的な意見もございました。大蔵省としても、この点に十分配慮を加えることにいたしました。災害関係は先ほど申しましたとおりでございますが、これらを総合いたしまして計数的に申し上げますと、これらの関係においては例年とさしたる違いはない、こういうことが言えると思います。すなわち、その契約ベースで申します比率から申しましても、上半期にできるだけ重点を置いて施行をする、こういうことに相なるわけでございます。
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芳賀貢#6
○芳賀委員 特にその中で農業関係の問題ですが、政府が行なっておる米の生産調整は、昭和五十年までを調整期間としておるわけでありまして、この間、農業関係では、休耕田等についてはこの夏季施行を中心にして、能率的な圃場整備事業等を中心とした土地改良事業を行なっておるわけであります。こういう点は、やはり工事施行上季節的な特徴を持っておるわけでありますからして、こういう点については重ねて言うわけでありますが、特に大蔵省においても実態を踏まえて、この予算の目的なるものが十分効果を達成できるように執行してもらいたいと思いますが、その点はいかがですか。
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愛知揆一#7
○愛知国務大臣 その点も大蔵省としても十分配慮をいたしたつもりでございますけれども、なおよく御承知のように、個所別の執行その他については、事務的にいろいろこまかい相談もございますわけですが、そういった相談や協議に際しましても、大蔵省としては、いま申しましたような姿勢で積極的に協力をしてまいるつもりでございますし、もともとこういったようなことを展開することが、この時期において非常に必要なことである、これが政策の基本でございますから、先ほど申しましたように、資材その他の関係の値上がりを財政的にさらに拍車をかけるようなことはしたくないという配慮で、年度内の調整をいたしたわけでございますから、実態的に政策として特に必要であるというようなところに、こうした影響が及ばないようにすることが、また別個の、非常に大きな配慮の対象でなければならない、こういう気持ちで、今後とも実施計画等については推進してまいりたい、かように考えております。
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芳賀貢#8
○芳賀委員 次に四十六年、四十七年の予備費使用の内容について大蔵大臣にお尋ねをいたします。
 まず第一は、会計検査院から国会に対しまして昭和四十六年度の会計検査報告が提出されておるわけであります。その中で予備費関係の問題といたしましては、国会の承諾を受ける手続をとっていないものについて、昭和四十七年度、四十六年度の一般会計並びに特別会計の件数と総額等が報告されておるわけでありますが、この報告の内容は、すなわち今回政府から承諾を求めておられる予備費使用の内容と合致することに相違はないわけでありますが、この中で昭和四十六年度分については、昭和四十七年一月七日から三月二十九日までの分の一般会計並びに特別会計について国会の承諾を求めておるわけでありますが、この昭和四十六年に属するものについては、当然国会の承諾を受ける手続というものはすみやかに行なうことができたのでないかというふうに考えられるわけでありますが、この点について大蔵大臣からその理由なるものを明らかにしてもらいたいと思うわけであります。
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愛知揆一#9
○愛知国務大臣 ただいまの御質疑の点につきましては、まず一般的に政府の扱い方についてちょっと前提として御説明いたしたいと思います。と申しますのは、予備費使用にかかる国会の事後承諾を求めます時期は財政法に規定がございますから、次の常会において国会に提出することになっておるわけでございます。そこで、常会は毎年十二月に召集されるのが慣例でございますので、前年度分の一月から三月までにかかるものについては次の常会の開会後直ちに提出する、それから当該年度分については十二月末までの予備費使用決定分について締め切りまして、翌年の二月ころに国会に提出して承諾を求めることにしておる次第でございまして、この前提といいますか、慣行といいますか、これに従って手続をいたしておるわけでございますから、特に四十六年度について特異なやり方をやったわけではない、こういうふうに考えるわけでございます。
 四十六年度の分については、九百四十九億四千万円でございますか、これは四十七年の一月七日から三月までの使用額でありますし、また四十七年度の九百五十億二千万円というのは、四十七年の四月十四日から十二月までの使用額でありますが、四十六年度予備費使用総調書は四十六年度決算にかかる会計検査院の検査報告と同時に国会に提出しておりますし、それから四十七年度の予備費使用総調書は四十八年二月九日に国会に提出をいたしておる次第でございまして、事実はかくのごとき状況であるという次第でございます。
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芳賀貢#10
○芳賀委員 いま大蔵大臣の言われる点は、その根拠は憲法の規定ですね、あるいは会計検査院法の規定、衆議院規則、さらにまた財政法の規定によってこれは正常な手続を行なうことになるわけですが、国の予算執行が四月から始まるいわゆる会計年度ということになっておるし、予備費の国会承諾の件については次の常会に提出するということになっておるので、同一会計年度の予備費使用の承諾が区分されて、一——三月と、翌年度の四——十二月ということになるので、その事情というものは当委員会においても承知しておるところなわけです。ところが、会計検査院の会計検査報告には、予備費使用について国会の承諾を受ける手続をとっていないものという表示で、これが必ず検査報告事項として報告しなければならぬことになっておるわけです。いま大蔵大臣の言ったようなことであれば、何もわざわざ会計検査院法の二十九条の規定の中に、国会の承諾を得ておらないものの件数とか内容というものを述べる必要はないじゃないかということにもなるのですよ。やはりこれは制度上の意義を持っておると思うのでありまして、この際会計検査院のほうから、何のためにこういう報告を記載しなければならぬかという根拠について述べてもらいたいと思います。
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前田泰男#11
○前田会計検査院説明員 お答え申し上げます。この規定は明治憲法時代からの規定でございまするけれども、先生の御指摘のとおり、若干沿革的なものがあると申し上げなければならないのじゃないかと存じます。と申しますのは、先生、百も御承知でございましょうけれども、結局予備費と申しまするのは、予算を御審議いただきますときにはきわめてあいまいなものである、したがいまして、使用いたしましたあとで国会の御承諾を得るということになっておるわけでございます。したがいまして、決算を検査いたします会計検査院といたしましては、結局、国会の御承認を得ないままになっておる予備費の使用額がこれだけあるということを国会に申し上げまして、そうして国会のほうの御審議に役立てよう、こういった趣旨でできた規定で、かなり沿革的な理由がある、こう申し上げたいと思うわけでございます。
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芳賀貢#12
○芳賀委員 そこで大蔵大臣、あなたはそういうことがわかっているのですか。あなたも大蔵官僚出身ですからね。予備費というものは憲法の規定によって何であるか、予備費については国会の事後承諾を得なければならぬという、やはり承諾の議決案件ということになるわけでありますからして、こういう大事な事後承認をわずか半日か一日ぐらいの委員会審議で簡単に、予備費使用は大蔵大臣の権限だから、使ってしまったあとは簡単に承諾すればいいではないかというようなものではないと思うのですよ。そうした重要な認識がないと、せっかくの予備費の取り扱い等についても形式化してしまうというようなことになるわけです。この点について、特に大蔵大臣としてどういう認識の上に立って予備費使用については政府として取り組んでおるかという点を明らかにしておいてもらいたいと思います。
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愛知揆一#13
○愛知国務大臣 予備費というものは取り扱いを非常に慎重にやらなければならないものであるということはよく承知いたしております。したがって、予備費の支出については、財政法その他の規定するところに従って、予見しがたい事由によるものについて慎重に検討をし、閣議の決定を経て支出をして、国会の御承認を事後受ける、こういうことについては厳粛に扱っていかなければならないものであると十分承知をいたしております。
 同時に、国の行政あるいは財政の需要というようなものも、時代の変化とともに非常に多様化し、複雑化してきておるというようなことで、御承知のごとく予算の編成にあたりましても、累年予算の規模も多くなることもございますけれども、予備費というものはやはり相当のものを用意しておかなければならないということも現実の問題としてありますので、それらの点も十分考慮いたしまして、慎重に、その具体的な支出については十分検討した上で、国会の御承諾を得られるようなものに限定をしてやるということを十分わきまえて処理をいたしてきておるつもりでございます。
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芳賀貢#14
○芳賀委員 そこで、予備費については、事後承諾であっても国会の承諾を要するわけでありますが、かりに衆参両院の中で、たとえば衆議院が政府の予備費使用に対して承諾ができないという結果が出たような場合には、一体大蔵大臣としてどう対処する考えですか。
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愛知揆一#15
○愛知国務大臣 予算の審議をいただくときに、予備費を含めて御審議をいただいて成立をいたしておるわけでございますが、そのワクの中で、いま申しましたように、政府としても非常に慎重な態度で扱わなければならない、また扱っておるつもりでございますから、御承認を得られないというようなことは事後に非常にこれは大きな政治的責任の問題になろうか、かように考えますが、さようなことが万々ないように十分政府としては御説明できる確信をもって御審議をいただくようにいたすべきものである、かように考えております。
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芳賀貢#16
○芳賀委員 現在は両院における各党の勢力分野というものが、与党・自民党がいずれも過半数を占めておるわけでありますからして、その限りにおいては、委員会においても本会議においても多数をもつて承諾されるという数の上の判断はそうなるとしても、これは将来にわたってそうであるということにはならぬと思うのですね。ですから、そういう時代というものが近づいてきておるわけですから、今後一そう慎重の上に、予算審議の中で予備費の総額というものは国会が承認しておるわけでありますからして、使用にあたっては十分慎重な態度で取り組むようにしていくべきだと思いますが、いかがですか。
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愛知揆一#17
○愛知国務大臣 政治論としての見通しその他の問題はともかくといたしまして、財政当局としては、予算全体が議決をいただいておるものではあるけれども、予備費の使用ということについては、特に国会の事後承認を得なければならない制約を受けておるものではあるし、また、事柄の性質上、慎重に取り扱わなければならない、これは財政当局というか、行政府として非常に責任のある問題であると思いますから、政党の分野が将来どうなるかというようなことは別としても、行政府としての責任ある立場としては、政界の事情がどうあろうとも、やはり真剣に、十分国会の御審議をいただける、御承諾をいただけるという確信のあるものをもって支出をするという心がまえが非常に必要なことである、かような私は認識を持っております。
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芳賀貢#18
○芳賀委員 次に、四十六、四十七年度の予備費の一般会計並びに特別会計のおもなる内容について数点お尋ねをいたします。もちろん予備費の支出でありますからして、予見しない災害の発生とか、あるいはまた国際的な人道上の見地からの救援のための予備費の支出、われわれが判断してもこれは当然であるというものが全体を通ずると大半を占めておることは明らかにしておきたいと思いますが、特にその中で、この点は問題があるのではないかというような点にしぼって指摘して、明快な説明を得たいと思います。
 まず、昭和四十六年度の一般会計の中の農林省所管で、昭和四十六年産の自主流通米にかかる米品質改良将励金に要する経費の不足額を補うためという理由で、二億二千六百五十三万円が支出されておるわけでありますが、これらは私どもの判断からいうと、当然食糧管理特別会計の中において処理すべきものを、四十六年度に限って一般会計から、しかも予備費から支出をしておるというような点については理解しがたい点があるので、この点を明らかにしてもらいたいと思います。
 同じ四十六年度の通産省所管でありますが、その中で臨時繊維産業特別対策費として、繊維工業構造改善事業協会に過剰設備の買い上げの事業費補助経費として百三十億円、これを予備費から支出しておるわけでありますが、この経過については、アメリカの日本の繊維輸出に対する厳重な規制措置等に対応して、国内の繊維産業の経済的な激変を調整緩和するための措置であるということは、内容は理解できるわけでありますが、これらの政策上行なうべきものについては、はたして予備費から安易にこれを支出すべきものであるかどうかという点についても、いささか疑問を感ずるので、この点の内容を明確にしておいてもらいたいと思います。
 同じ四十六年度の一般会計、これは総理府の中の北海道開発庁の関係でありますが、四十六年度の開発庁の支出の中で、退職手当の不足を補うために必要な経費として、内容は五件にわたるわけでありますが、いずれも退職者の退職手当が当初予算よりも不足を来たしておるので、それを補うための経費ということになっておるわけでありますが、五件で三億四千万、この人件費等の問題については、予見しがたい支出ということになれば、たとえば国の公務員に対する人事院勧告によって、最近は予備費の中で大体五%程度の引き上げ分はあらかじめ確保してあるわけでありますけれども、それをもっても足らぬというような場合には、当然これは直近時の補正予算等において処理してきておるわけでありますが、大事な職員の退職手当に不足を来たしたというような理由で、予備費から安易に人件費を支出するというような点については、安易な方法であるというふうに判断されるので、どういう理由と事情でこの点に対しての予備費支出が行なわれたかという点についても明らかにしてもらいたいと思います。
 次に、昭和四十七年度の一般会計の関係ですが、まず農林省所管、水産庁の関係でありますが、サケ・マス漁業の減船対策費の助成として十九億円余が予備費から支出されておるわけであります。これは言うまでもなく、昭和四十七年度の日ソ漁業交渉の結果として、日本側が予定したよりも漁獲量の決定が相当減少したというようなことで、サケ・マス漁業に出漁する漁船等について自主的な減船措置を行なう、これに必要な相互補償に対しての国の助成ということになるわけでありますけれども、こうした国際間の日ソ漁業交渉というのは、これは毎年条約によって行なわれるわけでありますから、相手のある交渉ですからして、日本側だけの期待と主張で、そのとおりの数量がサケ・マスにおいてもカニにおいても、あるいはニシン等においても確保することができない結果があり得ることは、これは必然であります。そのたびごとに予備費から減船措置等に対する助成を行なうというようなことになれば、これは予備費支出ではなくて、やはり国際間の漁業交渉の結果として生ずる減船あるいは収益の減損等について、はたして国家がその損失あるいは減収をカバーすべきものであるかどうかということを十分に検討して、そうして政策的に支出すべきものであるとするならば、条理を明らかにして国が支出を行なうべきであると思いますが、この処置についての大蔵大臣からの説明を得たいと思います。
 同じ農林省の食糧管理特別会計、四十七年度の特別会計の予備費から指定銘柄奨励金として百十五億九千八百八十万円、これは指定法人に対する交付ということになっておるわけでありますから、対象は、大事な米の生産者に対する助成ということにはならぬわけです。毎年毎年政府が生産者米価の据え置きを強行しておる、あるいはまた政府が直接買い入れる数量を減少して、食管法のたてまえに反するがごとき自主流通米制度のほうに誘導しておるというような現状に照らした場合に、はたして予備費から指定法人に対してかかる支出を行なう必要があるかどうかという点についても疑問とするところであります。
 もう一つは、自主流通米の流通促進奨励金として、同じ食管の予備費から六十八億四千七百万円が支出されておるわけでありますが、この点についても、これは米の販売を行なう指定法人に対する予備費からの支出ということになっておるわけであります。
 この二件を合わせますと、百八十四億四千六百万円にのぼるわけでありまして、特に四十六年度においては、一般会計から食管会計の米についての予備費の支出を行なっておる。四十七年度においては、予備費を食管特別会計から支出するということは、これはたてまえ論としては差しつかえないとしても、この支出内容についていささか問題があると思いますので、この点についても、この際明確にしておきたいと思います。
 以上、おもなる点について二、三提起したわけでありますが、これに対する大蔵大臣からの明快な答弁をお願いします。
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愛知揆一#19
○愛知国務大臣 四十六年度についてまず三点のお尋ねでございますが、第一点は、四十六年産米の生産者米価が決定されますときに、米の品質の向上と自主流通制度の円滑な推進をはからなければならないということで、自主流通米について支払うことをきめたものでございますが、これは、御案内のように、優良銘柄米の供給促進をはかるということについては、四十六年度予算編成のときにはそこまでは予見いたしていなかった事柄でございまして、こうした目的のために、かつ米価を決定しなければならないという時間的な要素もございますので、一般会計の予備費にこの支出のもとを求めたというのが当時の政府の態度でございます。
 それから第二の繊維対策の百三十億円の問題は、これまた日米間の繊維の交渉というものが、率直に言って期待するような結果に終わらなかった。これに関連して、産地は集中しているし、やはり急速に対策を講じていかなければならないということで、やはり予算編成の当時にはそういった日米交渉の結果が予見はされませんでしたし、かつ急速に必要とするということで、かような支出を政府として決定をいたした次第でございます。
 それから第三点の、人件費の中の北海道開発庁の退職金の問題でございます。北海道開発庁の四十六年度の退職手当の支出実績は、三百五十五人分で十一億八千万円であり、既定の予算額八億四千万円を相当超過しておるわけでございますから、それは一体どういうわけかというわけでございますが、これは、退職者の数というよりはむしろ退職者一人当たりの支給額が多かったということが原因のようでございます。
 これらに通じて言えるかと思いますことは、財政法の予見しがたい予算の不足ということについてでございますけれども、事項も金額もともに予見しがたいということもございますし、事項は予見し得たけれども、その金額については予測が困難であったというものも、この財政法の二十四条は規定していると思われるのでございまして、こういった財政法上の解釈を慎重に検討いたしましてこれらの処置をいたしたいのでございます。
 それから、四十七年度の第一の御指摘の点は、水産庁関係のサケ・マス、ニシンその他の国内措置の問題でございますけれども、これまた、お話にもございましたように、日ソの漁業交渉が、当時わがほうが予想した結果にはならなかった、そこで国内の措置を急がなければならないということで、一般会計の予備費から支出をすることにいたしたわけでございまして、やはりこれは予備費の支出として妥当であると政府としては認めたわけでございます。
 それから四十七年度の第二点は、やはり米の問題でございますが、四十七年度の指定銘柄米の奨励金、それから自主流通米の一そうの流通促進のための奨励金、これまた四十七年の産米の米価決定の際に決定されたものでございまして、四十七年度におきましても、ここまでは予算編成のときに予見をしておりませんでしたために、予備費使用ということに相なったものでございます。
 総じて芳賀さんの御心配をいただいております点は、このようなものは政策的な経費ではないだろうか、これは予備費の性格上おかしいのではないかという御意見でございますけれども、先ほどもちょっと私も言及いたしたのでございますけれども、予備費使用については、政府としても厳粛に扱わなければならない、その鉄則はあくまで守ります。が、同時に、たとえば対外関係とかあるいは国内のいろいろの点から申しましても、財政に対する需要がきわめて流動的、複雑になっておるこういう状況からいって、ある程度の予備費というものは、編成のときには予測しないけれども、何か起こるかもしれないというときに備えて、相当額の予備費は計上しなければならないのが当世の状況ではなかろうかと思います。こういった状況に対処いたしまして、予備費の使用ということを厳粛に扱いつつ支出をきめておるわけでございまして、その辺の事情というものもひとつ御理解をいただきたいと思います。
 また、今後のやり方等につきましては、国会のこうした御審議を通じていろいろの御意見をいただきますことが、今後の予備費支出にさらに一そうの参考になる、私はこういうふうに考えまして、今後も誤りなき使用方法というものに十分注意をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
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芳賀貢#20
○芳賀委員 ただいまの諸点に対して、もう少し掘り下げた質問をしたいと思いますが、まず昭和四十六年度の農林省支出の四十六年産の自主流通米に関する点ですが、いわゆる自主流通米制度なるものは、昭和四十四年度から発足しておるわけです。ですから、自主流通米制度にのっとって、米質改善等に奨励施策を講ずるということになれば、何もこれは昭和四十六年度に予見しがたい事態ということには全然ならぬわけですね。四十六年度予算編成以降において自主流通米というものを発足させる、それに伴う支出財源として予備費からということであれば、これは理由がつくわけでありますが、四十四年から国民の反対を押し切って政府が一方的に強行しておる自主流通米について、何も予備費から不明朗な支出をする必要はないと思うのですよ。こういう点がはたして予見しがたい予備費からの支出かどうかということになると、これは非常に問題があると思うのですよ。
 食糧庁長官も来ておられるので、この際、明らかにしておいてもらいたいと思いますが、前の委員会の保留事項になっておる点が一つある。四月二十四日の当委員会において、丸紅を中心とした米の買い占め、食管法違反の問題等について、丸紅については政府の輸入食糧の代行業務を認めておるので、こういう点については、これは代行業務の指定要綱に照らしても、食糧管理法に違反した場合というようなときには、当然これは代行業者の指定を取り消すということになっておるので、一体これをどうするかという点を委員会においてただしたわけであります。その場合、食糧庁長官並びに農林大臣におかれては、いまこれは捜査が進行中であるので、最終的な裁判の結論を待たなければ、これを処置することができないというようなまことに消極的な答弁をいたしましたので、それはおかしいじゃないか、丸紅の社長自身が、現に食管法違反をやっておる、米の買い占めをやりました、今後やりませんということを言っている以上、何も裁判の最終決定を待たなければ輸入代行の取り消しができないというものではないじゃないかということで、結局、すみやかに委員会の御意思等を尊重して処理しますという、そこまで言っているわけですね。もうだいぶ期日が経過しておるので、この問題についてはどのような行政的な処理をされたか、この際あわせて委員会において明らかにしておいてもらいたいと思います。
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中野和仁#21
○中野政府委員 四十六年産米につきまして品質向上奨励金を自主流通米につけた経緯でございますが、四十五年について品質向上奨励金を一般会計から政府米、それから自主流通米にも出したわけでございますが、四十六年の米価決定の際には、政府米につきましてはそれ相当の部分は全部基本米価に織り込んだわけでございます。そこで、それとの均衡上、自主流通米につきましても、やはり生産対策として良質米促進ということでございますので、あわせて出したという経緯になっておるわけでございまして、農林省といたしましては、やはりこの自主流通米、いろいろ御批判が先ほどあったわけでございますが、良質米の奨励というようなことから、これは存続していくべきであるというふうに考えておるわけでございます。
 それから第二点の丸紅に対するいろいろな措置でございます。前回の当委員会で私御答弁申し上げましたのは、ただいま警察当局が捜査中でありますので、その捜査が進みましてどういうふうな結論になるか、それを見た上で措置をいたしたいということを申し上げたわけでございます。前回も申し上げましたが、現在の輸入食糧の買い入れ要綱では、処罰されたときということになっておりますので、それだと非常におそくなる。しかし今回の問題は、そういうおそいのは私自身もよろしくないというふうに思っておりますということを前回申し上げたわけでございます。その後、警察当局の捜査状況を問い合わしてみておるわけでございますが、まだ結論を得ていないようでございます。しかし、前回御批判もございましたし、いろいろ考慮いたしまして、現在は、その後輸入食糧の買い入れにつきまして、米につきましても麦につきましても自粛といいましょうか、実際問題としては食糧庁の入札に参加をさせていないということをすでに措置をいたしております。そして行政措置としてどうするかというのは、やはりその捜査の状況等を見ました上で、結論が出た段階で適正な措置をすべきだということでございます。繰り返して申しますが、その間すでに米、麦につきまして自粛をさせておるということで、現在は買い入れに参加をしていないということでございます。
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芳賀貢#22
○芳賀委員 大蔵大臣も聞いておられたと思いますが、当委員会において、ただいま私から食糧庁長官にただしたような問題を取り扱っておるわけです。これは大蔵省としても、食管特別会計に基づいた国の管理食糧の輸入等については、本来であれば、これは国家貿易、国の管理貿易であるから、政府自身の業務として直接行なうのが当然だと思うのですよ。しかし、それを輸入商社に選定代行させておるわけでありますから、その代行業者が政府の意思を体して確実的確な業務を行なうことができない欠格条項が発見された場合には、直ちにこれを処理するというのが当然の政府の行政責任だと思うわけです。それが要綱の規定によると最終の裁判の判決が出なければ処分できないという、そういう不正業者を擁護するような立場に立った食糧管理行政というものは、決して正しいものではないと思うのです。この点は先般農林大臣にも指摘してありますので、ぜひ会計を所管する大蔵大臣においても、十分留意して、今回の一連のこの米の買い占めの問題、政府の管理物資に対する違反、不正事件等については、政府自身も姿勢を正して、厳格な処断をしてもらいたいと思いますが、その点はいかがですか。
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愛知揆一#23
○愛知国務大臣 これは、お話しのとおり、法律的その他の問題になりますと、裁判の結審を待たなければならないという問題もあると思いますけれども、財政当局の立場からすれば、御指摘のように、国民からお預かりした金が乱用されるということにもつながるわけでございますから、今回の一連の問題につきましては、私としてはこれは事態を正確に直視して、そして財政当局としてこうした問題に対して処するべき道を、少なくとも今後においては的確に、国民的な御批判を受けないよう、あるいは不正の行為に対してこれを擁護するとか味方をするとか、かりそめにもそういったことがないように措置すべきものであると私は深く心にとめておる次第でございます。
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芳賀貢#24
○芳賀委員 食糧庁長官にもう一点尋ねますが、昭和四十七年度の食管会計からの予備費支出でありますが、この場合は、先ほど申しましたとおり、指定法人に対する支出ということになっているわけです。何のために指定法人に対して指定銘柄奨励金あるいは自主流通米流通促進奨励金を予備費から支出しなければならぬかという、この理由ですね。
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中野和仁#25
○中野政府委員 四十七年産米につきましては、先ほどお尋ねがありました四十六年産米までの品質向上奨励金というのをやめまして、品質向上といいましょうか、品質の優良なものについて指定銘柄制度というのを四十四年からとっております。それに対しまして、その供給の円滑化をはかるという意味で、奨励措置を講ずるということで、指定銘柄の場合につきまして一俵二百円出すことにしたわけでございますが、これを指定法人を通じてやっておりますのは、米価そのものではございませんので、支払いの便宜ということもありまして、指定法人に一括交付しまして、それを経済連、単協、農家というふうに、通達で農家に支払うようにということで指示をしておるわけでございます。
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芳賀貢#26
○芳賀委員 そこで、指定業者を通じなければ奨励金等が交付できないという理由は何ですか。指定法人ということになれば、農協組織の現在の全農ですね、それから業者団体の全集連ですか、いわゆる米の集荷販売業者を通じなければ、生産者に対して一定の交付金を交付することができないという。どういう理由があるのですか。
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中野和仁#27
○中野政府委員 絶対的に指定法人を通じなければ払えないということは私もないと思いますけれども、先ほど四十七年産米につきまして申し上げましたように、米価そのものではございませんので、いろいろな助成措置を講ずる場合に、よくそういう団体を通じて農家に渡すという手続をとる、それの一環としてやったわけでございます。
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芳賀貢#28
○芳賀委員 米価でなければ何ですか。米価に関係のないものを食管特別会計から支出する根拠はないじゃないですか。
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中野和仁#29
○中野政府委員 先ほど米価でないと申し上げたのではなくて、基本米価そのものではないということを申し上げたわけでございます。やはり特別会計で出しております。しかも買い入れ費の中に入っておりますので、これは加算金的なものというふうにお考えいただいてよろしいかと思います。
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