内閣委員会

1973-02-27 衆議院 全195発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
昭和四十八年二月二十七日(火曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 三原 朝雄君
   理事 加藤 陽三君 理事 鯨岡 兵輔君
   理事 中山 正暉君 理事 藤尾 正行君
   理事 大出  俊君 理事 木原  実君
   理事 中路 雅弘君
      赤城 宗徳君    越智 伊平君
      大石 千八君    奥田 敬和君
      近藤 鉄雄君    丹羽喬四郎君
      旗野 進一君    林  大幹君
      三塚  博君    吉永 治市君
      上原 康助君    坂本 恭一君
      山崎 始男君    横路 孝弘君
      和田 貞夫君    木下 元二君
      鈴切 康雄君    受田 新吉君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 奥野 誠亮君
        建 設 大 臣 金丸  信君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      坪川 信三君
 出席政府委員
        人事院総裁   佐藤 達夫君
        人事院事務総局
        給与局長    尾崎 朝夷君
        内閣総理大臣官
        房総務審議官  宮崎 隆夫君
        総理府人事局長 皆川 迪夫君
        大蔵省主計局次
        長       吉瀬 維哉君
        文部省初等中等
        教育局長    岩間英太郎君
        建設大臣官房長 大津留 温君
        建設省計画局長 高橋 弘篤君
        建設省都市局長 吉田 泰夫君
        建設省住宅局長 沢田 光英君
 委員外の出席者
        内閣委員会調査
        室長      本田 敬信君
    —————————————
委員の異動
二月二十三日
 辞任         補欠選任
  三塚  博君     高見 三郎君
  東中 光雄君     不破 哲三君
同日
 辞任         補欠選任
  高見 三郎君     三塚  博君
  不破 哲三君     東中 光雄君
同月二十四日
 辞任         補欠選任
  東中 光雄君     不破 哲三君
同日
 辞任         補欠選任
  不破 哲三君     東中 光雄君
同月二十六日
 辞任         補欠選任
  東中 光雄君     不破 哲三君
同日
 辞任         補欠選任
  不破 哲三君     東中 光雄君
同月二十七日
 辞任         補欠選任
  東中 光雄君     不破 哲三君
同日
 辞任         補欠選任
  不破 哲三君     東中 光雄君
    —————————————
二月二十三日
 戦争犯罪裁判関係者に見舞金支給に関する請願
 (千葉三郎君紹介)(第二九七号)
同月二十六日
 旧海軍刑法による厚木航空隊員受刑者の名誉回
 復に関する請願(水野清君紹介)(第四六三号)
 同外二件(床次徳二君紹介)(第四九六号)
 同(宇田國榮君紹介)(第五八九号)
 国家公務員である看護婦等の給与改善に関する
 請願(松野頼三君紹介)(第四九五号)
は本委員会に付託された。
    —————————————
本日の会議に付した案件
 国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を
 改正する法律案(内閣提出第六号)
 建設省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一二号)
     ————◇—————
この発言だけを見る →
三原朝雄#1
○三原委員長 これより会議を開きます。
 国家公務員の寒冷地手当に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大出俊君。
この発言だけを見る →
大出俊#2
○大出委員 この国家公務員の寒冷地手当に関する法律ということでございますね。この四条をつくった経緯をひとつ御説明いただきたいのです。
この発言だけを見る →
尾崎朝夷#3
○尾崎政府委員 寒冷地手当法の第四条は、「人事院は、この法律に定める給与に関して調査研究し、必要と認めるときは、国会及び内閣に同時に勧告することができる」という条文でございまして、これは寒冷地手当法の改正が昭和三十五年にたしか行なわれましたときに挿入——整備された条項であるというふうに承知しております。
この発言だけを見る →
大出俊#4
○大出委員 この経緯は、いま言い直されて、整備されたと、こうおっしゃいましたが、それが正しいので、かつてこれはなかった。これは三十五年の改正のときに四条を挿入したのですね。
 もう一ペん読みますが、「人事院は、この法律に定める給与に関して調査研究し、必要と認めるときは、国会及び内閣に同時に勧告することができる」、こうなんですね。つまり、人事院が必要と認めるときに国会にあるいは内閣に勧告できる、こういう筋道なんですね。つまりこれは、公務員法上の人事院の勧告権なる固有の権利を、固有の権限をここで明確にした。事、寒冷地手当であってもそういう筋道のものである、こういうことになる。
 そこで、奥野さんお見えになりましたから、文部大臣に承りたいのでありますが、つまり国家公務員の寒冷地手当に関する法律などにおいても、そこらの問題があって、三十五年改正でわざわざ人事院の公務員法に基づく固有の権限をここで明らかにした、こういう筋道なんですね。つまり人事院の公務員給与に対する勧告権というものは、人事院、公務員法ができたときのいきさつなど踏まえて、私はできるときからタッチしておりますけれども、行政調査部ができて、いろいろマッカーサー時代にやったときもそうなんですけれども、浅井さんを人事院総裁にするときもそうなんですが、勧告権というものはアメリカンシステムでしたから、きわめてこれは基本的な公務員給与に対する人事院の権限として生まれている。それだけの制度がここにできている。それは世の中の公務員労働者の諸君などは、人事院体制打破などということを言うけれども、法律のたてまえ、制度論からすると、尊厳おかすべからざるものなんです。
 ところがどうも、私は新聞で見る限り、このたび教職員に関する、特にそれが小中学校に限られておるようでありますけれども、何かどうも人事院の勧告権というものを基本的に踏まえておられない方々の議論ではないかという気がするのであります。どうも新聞で見る限りは、国家公務員の中の学校の先生方、小中学校の方々三千人ぐらいしかおられないと思うのでありますが、この方々に対して、どうも一般公務員の給与水準に比較して優遇しなければならぬということで、人事院が「必要な勧告を行なわなければならない」という、そういう法案のまとまり方になっているように新聞で見る。この内閣委員会というのは、人事院の所管の委員会でございますから、勧告権というものをきわめて重視する委員会でございます。一体何で人事院に「必要な勧告を行なわなければならない」と義務づける法律を出す気になったのか、さっぱりわけがわからぬわけです。これは現在の公務員法その他を踏まえてみて、こんなふざけた話があるか。ことばは悪いですけれども、人をばかにしなさんなという気がするわけですが、そこの関係はどう割り切ればいいのですか、教えていただきたいわけです。
この発言だけを見る →
奥野誠亮#5
○奥野国務大臣 人事院が自主的な公務員の給与の勧告についての権限をお持ちになっている、これを尊厳なものと理解してかかるべきだという大出さんのお考え、私も同感でございます。同時に、国として大きな基本の政策を打ち出していく、その基本の政策を踏まえて、人事院が勧告権限を行使していただく、これも必ずしも矛盾していることではない、両立することではなかろうか、こういう考え方を持っているわけです。
この発言だけを見る →
大出俊#6
○大出委員 一〇%なら一〇%というワクをきめて、しかもそのワクの中で人事院に勧告を義務づける法律をつくる。つまり勧告を義務づける法律だけでも問題がある。つまり、昭和二十三年以降今日に至る、公務員法成立以来今日に至る長い日本の公務員給与という一つの制度的なものを根本的にくずす、そういう結果になる。にもかかわらず、そこに今度は予算的にワクをきめて、百三十五億なら百三十五億というワクをきめて、一〇%なら一〇%というワクをきめて、そこで勧告をしろ、これは本末転倒もはなはだしいわけで、こういうばかなことをぼくら認めるわけにはいかぬ。したがって、一体なぜワクをきめて勧告をすることが公務員法との関係で両立をするのですか。
この発言だけを見る →
奥野誠亮#7
○奥野国務大臣 人事院の勧告を期待して、従来からある程度の予算額を計上してまいっているわけでございます。八月に勧告をしていただく、それにつきましては、ある程度の予算を先がけて計上しておるわけでございますが、同じような意味におきまして、教員の給与につきましても優遇措置を講じたい、基本的な政策を踏まえまして予算にも計上しておるわけでございます。その勧告を求めるにつきましては、あとう限り人事院の自主的な勧告権をそこなわないようにしたいという配慮のもとに、法案の上におきましては、御指摘のような一〇%というような表現もことさらに避けてまいってきているわけでございます。そのような法案の立て方は、いまお話しになりましたお考え方を、私たち自身も持って規定したからでございます。
この発言だけを見る →
大出俊#8
○大出委員 そうなっていないんじゃないですか。いま、自主的な勧告権を尊重するたてまえでとおっしゃるけれども、本来、公務員法に基づけば自主的な勧告権がある。だから、いま文部大臣のお話は、自主的な勧告権を尊重するたてまえでとおっしゃる。じゃ、何で一体第四条なんというところに——これはまだ審議に入っていないわけですから、そこまで触れる気はありません。ありませんけれども、この法案が所管の文教委員会にいくんだとしても、この委員会との合同審査は必要だと思っておりますが、ただ、いまの人事院の勧告権が自主的な勧告権である、だから自主的な勧告権を尊重するたてまえでお考えになったというなら、何で一体四条で、「人事院は、国会及び内閣に対し、国家公務員である前条の教育職員の給与について、同条の趣旨にのっとり、必要な勧告を行なわなければならない」という、こういう規定をおつくりになるのですか。この法律が通る限りは自主的じゃない。この法律に基づいて人事院は勧告しなければならない義務を負う。一つも自主的じゃない。義務づけるのでしょう。これは全くいまの話と違うじゃないですか。
この発言だけを見る →
奥野誠亮#9
○奥野国務大臣 当初にも申し上げましたように、国が大きな基本の政策を打ち出す、それを人事院にも尊重してもらう、それは私は、人事院が自主的な勧告権をお持ちになることと矛盾しないと、こうお答えしましたのに対しまして、予算で一〇%を計上して、それを人事院の勧告に義務づけているじゃないかとおっしゃいましたから、そこになりますと、一〇%を押しつけるというような法律のていさいをとらなかったのも、人事院の勧告権を尊重するたてまえで法律を書いたからですと、こうお答えをしているわけです。国が基本的な政策を打ち出しまして、人事院にその尊重を求める、これは必ずしも人事院の自主的な勧告権を無視してかかるという性質ものじゃございませんでしょう、こう申し上げているわけでございます。その範囲においてこの法律だけ規定するという態度を貫いてまいった、かように答えているわけでございます。
この発言だけを見る →
大出俊#10
○大出委員 もう一点聞きますが、国家公務員法のたてまえからいいますと、公務員法上、まず第二章の中央人事行政機関、ここに人事院がございます。この中で「人事院は、法律の定めるところに従い、給与その他の勤務条件の改善及び人事行政の改善に関する勧告」、これをやる権限がここに明確になっている。そうして公務員の給与というものは、六十四条で「俸給表は、生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して定められ」、つまりこれしかない。その前に六十三条、給与準則がございます。「職員の給与は、法律により定められる給与準則に基いてなされ、これに基かずには、いかなる金銭又は有価物も支給せられることはできない」、給与準則に基づかざる給与は払えないようになっている。ところが、ここで言っている法律四条というのは、人事院が自主的に調査して、自主的に官民比較をして、これは人事院の方式だけれども、この給与準則に基づいて俸給表をつくる。すべて人事院の勧告権です。全くもって固有の権利です。ところが、それをやらなければならないと義務づけるというようなことはどうですか。
この発言だけを見る →
奥野誠亮#11
○奥野国務大臣 いまお述べになりましたような法律の根拠に合わせまして、今度つくろうといたします法律、これもわきまえて人事院が勧告権限を行使していただく、こういうたてまえを申しておるわけであります。その場合におきましても、あとう限り、人事院がお持ちになっております自主的勧告権、それをそこなわないようにつとめていきたい、そういう規定のしかたに配慮いたした、こう申し上げているわけであります。
この発言だけを見る →
大出俊#12
○大出委員 そうすると、私は誤解のないように申し上げておきますが、教職員の皆さん方の給与が上がることに反対しているわけじゃない。これは人事院が御検討なさって——人事院ができてずいぶん長い、二十五年になるのですから、この間、常時いまの研究をしているはずである。もしこんな義務づけをしなければならぬというなら、人事院の怠慢で、学校の教職員なんかどうでもいいということでやっていることになる。そうでない、実際は研究してきていらっしゃる。そうだとすれば、なぜ一体ここで、一般の公務員に比べて教職員は高いんですよ、そういう勧告をしなければならないのか。端的に言って、これはよけいあげなさいということを義務づけるんだ。そうなると、人事院の自主性というのはないじゃないか、あなたはいくら口の先で言ったって法律上は。教職員は一般の公務員よりは高いんですよ、高い勧告をしなさいということでしょう。義務づけたのでしょう。人事院の自主性というのはどうなっているのですか。
この発言だけを見る →
奥野誠亮#13
○奥野国務大臣 国としての大きな政策、これを踏まえての人事院の自主性でありますから、大きな政策に背馳しない範囲に自主的に勧告権を行使していただく、こういう期待を持っておるわけでございます。また、人事院がかりに教職員に対しまして高い給与水準を維持していこうとする場合にも、やはり国としての意思が明確に出てきたほうがやってもらいやすいのじゃないか、こういう期待を持ちながこういう立法措置に踏み切らさせていただいているわけでございます。
この発言だけを見る →
大出俊#14
○大出委員 それならそれで四条のこんな書き方はおかしいじゃないですか、こういう義務づけ方は。国の政策としてはこういう方向を考えたというのなら、その考え方は、人事院というのは国の機関なんですから、何も法律で義務づけなくたって、人事院の自主性の範囲内でそういう方向をとるということはできる。予算のワクをきめて、百三十五億円だ。ここでは、一般の公務員よりも教職員が高いんですよということをまず明らかにして、「勧告を行なわなければならない」。それならば、皆さんの恣意で——皆さんといって、私どもが参画しているのじゃないのだから、与党の方々の恣意で、高い勧告を人事院に義務づける、そんなことができるのなら、人事院の存在価値はないじゃないですか。では今度は、警察官少し上げましょうというので予算を組んでおいてやればできるんだし、何だってできる。今度は下げるときだって、これは少し高いから下げろといって予算を減らしておいて、下げる勧告をさせられる。
 これは、いま出てきた単なる一つの例だけれども、こんなことを次々にやってごらんなさい。そうなれば、人事院なんというものは、政党政治の、つまり政府・与党の政策によって、いかようにでもそれに合わした勧告をしなければならないことになる。どうも少し公務員の給与は高過ぎる、一〇%ぐらい下げなさい、大きな国の政策できめた——いま、大蔵省に聞きますけれども、五%くらい予算上ベース改定を予測して総則に組んでいる、それを今度は一切やめなさい、一〇%下げる、こういうふうに国がきめておいて、与党の文教部会のみならず、各部会できめておいて、予算を減らしておいて、人事院、勧告しなさい、同じことですよ。逆に言えばそういうことでしょう。何だってできる。国の大きな政策がそうなれば、人事院はそれに応じて勧告しなければならないということになれば、公務員の給与を下げることだって簡単じゃないですか。
この発言だけを見る →
奥野誠亮#15
○奥野国務大臣 予算に計上して、それに従って人事院が必要な勧告がとれる、そのとおりだと思うのでございます。そのとおりでございますが、将来にわたって、教職員につきまして、一般の公務員の給与水準に比較して必要な優遇措置を続けていきたい、将来にわたる国の基本的な考え方を明確にして、将来にわたってこのようなことを踏まえて人事院に勧告してもらいたい、こういう期待を持った法律でございますので、予算をつくった、それだけで済むんじゃないかということとはちょっと違った恒久的なあり方を考えておるわけでございまして、そういう意味であえて立法措置をとったわけでございます。しかし、その場合におきましても、たとえば初任給をどうするか、あるいは十年たった人についてどうする、あるいは他の公務員とのつり合いをどう考えていく、そういうことにつきましては一切法律で規制を加えませんで、人事院の自主的な判断にゆだねたい、こういう立法のていさいも考えているわけでございます。
この発言だけを見る →
大出俊#16
○大出委員 そうなっていない。だが、それはあとに申し上げますが、いまの問題で総裁に聞いてもらいたいのですが、いま文部大臣いわく、国の大きな政策がある、国の大きな政策で教職員の給与を上げることになった、本年度の勧告でそれを期待するがゆえに予算措置をその分した、だから勧告を義務づけた。逆に私のほうからいま質問して、それならば、公務員給与が少し高いじゃないか、下げろというんで予算をそれだけ減らした、国の大きな政策で下げることをきめた、きめながら人事院に勧告を義務づけた、そうなったらどうなんです。それは同じことだ。そうなる。そういうことになるのだとすれば、人事院の制度というものはないほうがいい。総裁、どうお考えですか。
この発言だけを見る →
佐藤達夫#17
○佐藤(達)政府委員 いまおことばの基礎になっているお気持ちは非常にありがたいお気持ちだと承りながらお答えするわけでございますが、いまの問題は、少しよけいなことばになるかもしれませんけれども、二段階に分けて考えたほうがよかろうという気持ちを持ちます。
 大きな国の政策、たまたまそういうことばが出てきましたから、そういう国の政策というものは、要するに国権の最高機関で当然きまるべきものだということが出てくる。今回の具体的の措置の案は、別段閣議決定などのようなところでおきめになったということよりも、むしろ法案の形をとって、それで国権の最高機関の最終の、最高の意思決定を仰ごうということですから、その限りにおいては、われわれ何をかいわんやということです。
 ところで、その国権の最高機関が法律を成立させられた、法律がここで可決されて成立したという段をまず先に考えますと、わがほうは、やはり国権の最高機関のもとにあり、法律のもとにある立場でございますから、たとえば給与法と同じように、あるいはかりに給与法の特例を法律でおつくりになるものを、われわれとしては何ともいえない、それに従うのみであるということになるわけです。
 ところが、その法案が上程されるプロセスにおいて、われわれとしては、先ほど来おことばにありましたように、ある意味の独立性を持っておる、第三者機関としての立場を持っておりますから、これに対してはもちろん批判的の立場から見なければならぬ。また発言すべき場合には強く発言すべき場合もあるだろう。たまたまいま例にお出しになりましたように、低賃金政策の先ばしりとして公務員給与をまず低目にやろうじゃないかとかりに考え方が動いておれば、われわれとしてはまた別の考え方があり得るわけですから、そのときにはまた強くわれわれの意見を表明して、あるいは国会に出て、この場でまたわれわれの立場を御説明申し上げるという機会もあろうと思います。
 ただ、いま問題になっております教員給与の問題で、たまたまというわけじゃなしに、いまちょっとおことばにもありましたように、私どもも実際はかねがね願ってきておるところであって、おととしでしたか、例の教職調整額のときも、文教委員会などではちょっと言い過ぎたかなと思うぐらいに相当大ぶろしきをわれわれ広げてきたわけです。したがいまして、教員の給与をよくすべきだ、これでもまだ足りないという気持ちは従来から持ち続けてきておったわけです。
 そこで、今度何もかもざっくばらんに申しますけれども、相当のお金が——私は冗談まじりにガソリンの特配と申しておりますが、そういうことがどこからかの御尽力によってとにかく予算に入ってきておるということになれば、これはいままでのわれわれの立場から言うと、まことにありがたいことだという気持ちを持つのも当然であります。したがいまして、このプロセスにおいては、文部大臣からも正式にこの法案について人事院の意見を聞いてこられました。これは政府案として出される以上は当然のことでございます。これは基本的にはわれわれは異存はないということできておるのは、従来からの考え方があるからということであるわけでございます。その限りにおいては、プロセスにおいても問題はあまりなかったわけです。
 ただ、たまたま、おっしゃいましたように、「しなければならない」とかなんとかという形で、これはいろいろな表現方法はありましょうけれども、しかし、でき上がった法律となれば、これはたとえば職階制に関する法律なんかは、ばかに窮屈に「しなければならない」ということが各条文に出ておることでございまして、国権の最高機関がさようにおきめになるならば、もちろんわれわれもそのとおりに従わなければならないという立場におるので、申し落としたことがあるかもしれませんけれども、またあとで御追及があると思いますから、一応基本的なことをお答えしておきます。
この発言だけを見る →
大出俊#18
○大出委員 だから私も、この法案がどこの委員会に付託になるのかわかりません。私どもの内閣部会などでも、教員出身の議員の方々が、事この法案は文教に持っていく筋合いでない、内閣委員会に持ち込むべきである。なぜならば、公務員法に基づく公務員給与の一つの制度的な体系ができている、それを全くこわしてしまうと言い切らぬまでも、著しく阻害をすることになる。たまたま、いま文部大臣の答えに出てまいりましたように、それなら国の、つまり最高政策として、政党政治でございますから、政府・与党が話し合って、下げようじゃないかといった場合に、そのことを義務づければ、これまた義務づけられる筋合いです。それが国会で通るか通らぬか、この法律と同じで、これはわかりません。わかりませんが、そういう手続はとれる。それがまかり通ることに結果的になるんだとするならば、人事院は公平な第三者機関ではないじゃないか。時の政府の最高政策に基づいて、政府・与党の最高政策に基づいて常に左右される。法律でぴしゃっと縛る、あるいは縛らぬにしても、ある程度それができることになる。そうだとすると、人事院制度打破というのは本格的に出てきますよ。それはストライキ権をくださいよ、こうなってくる。だから、これはストライキ権でもそれじゃ差し上げましょうという、時の政府の最高決定でそういう法律がついているならいい。それなら給与というものは明確な力関係できめていけばいい。公務員といえども二十日でも一カ月でもストライキをぶっぱなせばいい。だがそうではない。今日ストライキ権を禁止している。
 ILOだって代償機関としての人事院の存在を認めておる。公平な全くの第三者機関、給与決定の機関、全くの第三者でなければならぬ、こういうことをILOは——ぼくは長いから、私が首になってILOに提訴したのが出発ですから、だからその点は私も何べんも通って知り過ぎていますが、だから、ストライキ権か、しからずんば代償機関ということを日本政府は言っている、明確な政府の手の届かない第三者機関でございますからということで。だから、片やストライキ権を制限しておりますけれども、代償機関がございますからILO条約違反でない、こう日本政府は答えている。そうすると、代償機関、全くの第三者機関であるべき人事院の権限を、別なところから政策意図があって、政府・与党が話し合って予算をかってに組んでおいて、ワクはつくっておいて、一般公務員よりも教職員はよけい上げるんですよと人事院は勧告しなければならぬ、こういうふうに押しつけることが簡単にできるというなら、これは国際労働基準に照らしてみても、そんなばかげた第三者機関というものは存在しない。ストライキ権に対する代償機関ではない。だから、下げる場合もそうなんだという大臣の答弁が出てくるなら、これは代償機関じゃないのですから、明確にこれはストライキ権が認められるもの、こうなりますよ。
この発言だけを見る →
奥野誠亮#19
○奥野国務大臣 先ほどもお答えをいたしましたように、人事院についての基本的な考え方は、大出さんと私の間に変わりないように思うのでございます。そのことを踏まえて、同時に国として基本的な政策を打ち立てる、矛盾しないように持っていきたい、そういうことを考えながらこの法律案を制定したのでございます、こう申し上げているわけでございます。
この発言だけを見る →
大出俊#20
○大出委員 それならば、ここに妙な、四条のような義務づけ、「必要な勧告を行なわなければならない」なんというものは、これは公務員法じゃないのですから、公務員給与決定の一つの制度じゃないのですから、あらためて特別に出してきたんだから、だとすれば、これは人事院が、そういうことでつとめなければならぬとか、つとめるべきだとか、人事院の固有の勧告権というものを尊重するたてまえならば、この表現はいずれにしても穏当じゃないですよ。これはお考えおきいただきたい。審議が始まっている前ですから、基本的な問題に触れてものを言っているのですけれども。
 そこで、大蔵省の皆さんに承っておきたいのですが、一体、四十八年度予算に占める公務員の給与改定を予測した予算というものはどのくらい計算されておるのですか。
この発言だけを見る →
吉瀬維哉#21
○吉瀬政府委員 全体の五%相当分につきましてはいますぐ申し上げますけれども、義務教の職員に対しましては百三十六億が計上されております。
この発言だけを見る →
大出俊#22
○大出委員 そうしますと、百三十六億を除きますと五%ということでよろしゅうございますか。
この発言だけを見る →
吉瀬維哉#23
○吉瀬政府委員 さようでございます。
この発言だけを見る →
大出俊#24
○大出委員 そこで、このたびの百三十六億というのは、教職員、これは小中学校でありますな。小中ということで一体何%ぐらいに当たるのですか。
この発言だけを見る →
吉瀬維哉#25
○吉瀬政府委員 現在の給与額に対しまして一〇%に当たります。
この発言だけを見る →
大出俊#26
○大出委員 そうしますと、人事院が小中学校の先生方の給料を一〇%上げろと勧告した場合に、百三十六億で足りますか。
この発言だけを見る →
吉瀬維哉#27
○吉瀬政府委員 一〇%の勧告があった場合には百三十六億で足りると考えております。
この発言だけを見る →
大出俊#28
○大出委員 もう一つ承りますが、この給与勧告は本年度予定されていると申しますか、これはわかりませんが、ここも人事院の固有の権限ですから本来わからないのですが、官民比較やってみて、上げないでいいというなら上げないのでしょう。その場合でも人事院は上げるのですか、本年度は教職員の場合は、官民比較をやってみて上げないでいいという場合でも。これはちゃんと書いてあるんですからね、この法律案に。これは妙なことになりますがね。これは、「俸給表は、生計費、民間における賃金その他人事院の決定する適当な事情を考慮して定められ」、こうなっている。そうでしょう。官民比較をおやりになるのでしょう。官民比較をやってみたら、これは円切り上げもこれあり、上げなくていいということにかりになったとする。そんなことはないと思うのだけれども、仮定の話だけれども、なったとすると、それでも、何でもかんでも上げろと、こうなるのですか。いかがですか、そこのところは。
この発言だけを見る →
佐藤達夫#29
○佐藤(達)政府委員 一般の給与勧告の問題としてこれを考えれば、上げなくてもいいというようなことはたいへんなことでして、われわれはおそらくいい数字が出るだろうと期待をしているわけです。
 ただ、それは別として、学校の先生方については、かねがねわれわれとしては力を入れてまいりました。これは私立学校の先生と国立の先生と比べてみれば、こっちのほうはもともと高いのです。にもかかわらず相当苦労してさらに高くしてまいったという努力の実績もあるわけです。ですから、学校の先生そのものに限って見ますと、必ずしも官民比較を現実には厳重には守っていなかった。むしろよくしておった。これは看護婦さんも同じです。そういう面がありますということをつけ加えておきます。
この発言だけを見る →
← 戻る