公害対策並びに環境保全特別委員会

1977-05-24 衆議院 全168発言

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会議録情報#0
昭和五十二年五月二十四日(火曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 島本 虎三君
   理事 登坂重次郎君 理事 林  義郎君
   理事 向山 一人君 理事 土井たか子君
   理事 水田  稔君 理事 古寺  宏君
   理事 中井  洽君
      相沢 英之君    池田 行彦君
      永田 亮一君    福島 譲二君
      藤本 孝雄君    山本 政弘君
      東中 光雄君    刀祢館正也君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 長谷川四郎君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 石原慎太郎君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       金子 太郎君
        環境庁企画調整
        局長      柳瀬 孝吉君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 野津  聖君
        環境庁自然保護
        局長      信澤  清君
        環境庁大気保全
        局長      橋本 道夫君
        環境庁水質保全
        局長      二瓶  博君
        通商産業政務次
        官       松永  光君
        通商産業大臣官
        房審議官    平林  勉君
        通商産業省立地
        公害局長    斎藤  顕君
        資源エネルギー
        庁公益事業部長 服部 典徳君
        建設省計画局長 大富  宏君
        建設省都市局長 中村  清君
        自治大臣官房長 近藤 隆之君
 委員外の出席者
        国土庁計画・調
        整局計画官   田中 信成君
        国土庁地方振興
        局東北開発室長 城  宏明君
        厚生省環境衛生
        局食品衛生課長 仲村 英一君
        農林省畜産局自
        給飼料課長   山田  績君
        林野庁林政部管
        理課長     渡邊 信作君
        林野庁指導部計
        画課長     下川 英雄君
        林野庁業務部監
        査課長     石田 基隆君
        特別委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 公害対策並びに環境保全に関する件(公害対策
 並びに環境保全の諸施策)
     ————◇—————
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島本虎三#1
○島本委員長 これより会議を開きます。
 公害対策並びに環境保全に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本政弘君。
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山本政弘#2
○山本(政)委員 建設大臣が、二十分でしたか、時間が余りないようですから、建設省の関係のことから先にお伺いしたいと思うのです。
 今回のアセスメント法について先週質問を申し上げましたら、二十一省のうちに二省といいますか、通産と建設だけが意見を持っておる、他の省庁については賛同いただいているけれどもというお話があったわけです。そこで両省について御質問申し上げましたけれども、なお、私としてはお伺いしたい点がございますので、あえて再質問を試みたわけであります。
 そこで、建設省について問題点をお伺いいたしましたら、建設省の方としては、都市計画法に規定をする都市計画の施設に関する事業、それから市街地開発事業については都市計画法に定めるところによって措置をすべきであると考える、こういうお話がございました。そしてその点については、なお都市計画決定についてはすでに住民の意見の聴取の手続が存する、建設省としては住民参加手続法だと考えているからというようなお話がありまして、いま申し上げたように、住民意思の聴取の手続がすでに存在している、だから本法案の対象外として都市計画法制にゆだねるべきである、実はこういうお話があったわけであります。
 そこでまずお伺いしたいのは——自治省の方お見えになっておられるでしょうか。先般、私、自治省についてお伺いをしたのですけれども、私の質問で不十分なところがありましたから、実はもう一遍確かめてみたいわけであります。建設省は、都市計画地域内の都市計画の施設、つまり道路とか電気事業とか河川工事とか、それから公団法に基づく住宅団地、それから流通団地、地域振興整備公団法による業務、宅地開発公団等が行う宅地開発等々がありますが、そういうものや市街地開発事業、これは多摩のニュータウンとかあるいは福井の臨海工業ですか、そういう地帯のようなものがあると思いますが、そういうものをアセスメント法案から外す、そして知事が環境影響の予測評価を行う、そして評価書をつくる、公開、縦覧、それから説明会、住民意見の取りまとめ等をやる、こういうふうに考えているようでございます。要するに、そういうことが地方自治体の知事で一体やれるのか、どうだろうか。私は、大変荷が重いという感じが実はするわけです。したがって、お伺いしたいことは、一体可能なのか、可能でないのか、この二点のどちらか、これは環境庁の係の方、どなたでしょうか、お二人にお伺いしたいと思うのです。
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近藤隆之#3
○近藤政府委員 お答え申し上げます。
 実は、アセスメント法案に対する建設省の提案というのを、私ども、建設省からお聞きしておりません。アセスメント法につきましては、環境庁の案というものを基礎といたしましてわれわれ検討いたしておりましたので、建設省案なるものを存じないわけでございますけれども、ただいまのお話によりますと、都市計画法でやるすべての事業については知事が評価を行うということのようでございます。都市計画法で行います事業の中で、ただいま御指摘のように、住宅公団が行うもの、地域振興整備公団が行うもの、あるいは臨海工業地帯、いろいろなものがあるわけでございますが、そういったものの環境評価ということになりますと、そういうのをすべて都道府県知事ができるものかどうか。アセスメント法の性格から言って、現実に事業を行うその事業の実施主体が行う方が適当じゃないかというような感じがちょっといたしますけれども、何分、建設省案そのものを私ども拝聴いたしまして建設省の御意見というものを十分検討したわけではございませんので、ちょっと感じたまま申し上げて恐縮でございますけれども、アセスメントの性格からいきまして、事業主体がやるのが当然ではなかろうか。それから、たとえば公団事業というようなものについて知事がこれをアセスメントしろと言いましても、現実問題としてはなかなかむずかしい点もあるのじゃなかろうかということで、万一そういう方向でございますれば、それを前提としてもう一度検討しなければならないんじゃないかと思っております。
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山本政弘#4
○山本(政)委員 ちょっとお伺いしますが、つまりそういう法案であればなかなかむずかしいというふうに受けとめていいですね。
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近藤隆之#5
○近藤政府委員 ただいまも申し上げましたように、建設省案というものについての細かい説明を私ども受けておるわけじゃございません。ただ、いまのお話によりますと、都市計画事業で行うものは現実のその中に行われる事業主体がどんなものでも全部知事がやれということのようでございますけれども、そうなりますと、アセスメントの性格からいきましてそういうことが果たしていいのかどうかということと、知事の能力という問題もございます。私ども従来から、大規模な公団住宅、それから大規模な道路、そういうものについては当然その事業主体が行うものだという前提でおりましたので、そこまですべて都市計画事業であるから都道府県知事が行うということになれば、やはり地方団体の能力とかそういったものにつきましても、そういった見地でもう一度地方団体側と十分打ち合わせなければいけないのじゃないかと思います。
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山本政弘#6
○山本(政)委員 自治省の官房長からそういう意見がありました。建設省の方からお伺いしなければわからないけれども、もしそういうことであればむずかしいんではないか、あるいは知事の能力を超えたものではないだろうかという話があったのですが、環境庁のどなたか担当の方、意見聞かせてほしい。
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柳瀬孝吉#7
○柳瀬政府委員 都市計画地域内のいろいろな都市施設あるいは市街化事業等につきまして、知事がそのアセスメントの予測評価を行ったり、いろいろな手続をアセスメントについて行うということは、現状ではまず不可能だろうと思います。
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山本政弘#8
○山本(政)委員 それじゃ建設省の担当の方にお伺いいたしますけれども、自治省も、建設省の方からお話を改めて聞かなければむずかしいということである。環境庁の方の担当者からもそういう話がありました。私は前回の質問の中で、都市計画法に規定する都市計画施設に関する事業及び市街地開発事業については都市計画に定めるところによって措置すべきであるというふうにちゃんと御答弁を実はいただいたからそういう話を申し上げたのであります。つまり、両方の担当者の方はむずかしいと、こう言っているわけですね。あるいは知事の能力を超えたものであると、こう言っている。そうすると、要するにできないものをあなた方はやらせようというお考えをお持ちになっているのかどうなのか。その辺がぼくは問題になるところだと思うのですよ。つまり、言葉として大変妥当を欠くかもわかりませんが、あなた方のお考えというものは、やはりできないものに対して横車を押しておるのじゃないだろうかという感じが私はいたします。率直に言えば、このアセスメントというものを、言葉としてそういう言葉がいいかどうか知りませんが、つぶしたい、あるいはおれたちの権限だ、権限は荒らしたくないというようなふうに私は受け取らざるを得ないような気持ちになるわけですが、一体いま申し上げたように、能力を超えたものである、不可能と考えると、こういうようなことに対してどういうふうにあなた方はお考えになっているのか、あえてそれをなさろうとしているのだろうか。
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長谷川四郎#9
○長谷川国務大臣 いま自治省のお答えはよく私も聞いておりましたからわかります。しかし、現在できている法案があるわけでございます。新しく建設省案をつくったというのじゃございません。現在できている法案で、その法案をどういうふうに環境庁の法案とマッチさせるかという、こういう面で何かまだその面が追っつかないのじゃないでしょうか。現在できているのですよ。できている法案と新たなるものとどう調和をとるかという、そこのところだけではないでしょうか。
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山本政弘#10
○山本(政)委員 それは前に斎藤さんから私はすり合わせというような言葉で、法案のすり合わせをしたいということで御答弁をいただいたのですよ。だけれども、仮に法案のすり合わせをするしないは別にしても、建設省の方の答弁は、つまり都市計画法に規定する都市の計画施設に関する事業、それから都市開発事業については都市計画で定めるところによってやりたい、こういうことなんですよ。だから法案が幾らすり合わせをしても、つまり都市に関する、人口八〇%を擁する、地域的に言えば二割の地域であるところについては、全部おれたちの言う都市計画法によってやらせろという考えが根底にあるわけなんですよ。私はそういう答弁をいただいているからそう申し上げているのですよ。それならば、そういうことの内容を持つものが現実に地方自治体の首長に実施をできるのかどうだろうかということで、きょう御質問をしたわけですね。それができないということなんですから。ですから、それは早とちりしてもらっては困るのですよ、いきさつがあるわけですから。どうなんですか大臣、要するにあれで話し合いをしようと言っているわけで、話し合いをしたって実際のやる人は地方自治体の首長なんですよ。だから首長が、どんなに法案をこうやったって、現実にそういうことを実施していくのは知事だとすれば、知事にとってそれが大変な負担になるだろうし、いまさっき話があったように能力を超えたものになる、こう言っているのです。
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長谷川四郎#11
○長谷川国務大臣 だから、自治省のお答えは、まだ建設省の法案の内容も見ておりませんからと、こうおっしゃるわけです。別に新しい法案を対抗として出しているという意味ではないのです。だから、現在ある法案といま新たにつくろうという法案と、これは環境影響評価というこの問題は、なさなければならない問題なんですから、なさなければならない問題というものが前提にあるのですから、そのすり合わせといまおっしゃった、それをどこでどういうふうに調和をとっていこうかという、これはひとつ事務的にもう少し詰めてもらわなければならないのではないだろうかというふうに考えます。しかし、この公共事業実施に当たって、こういう問題は当然しなければならない問題で、環境アセスメントというものはなさなければならない問題なんですから、そのくらいの調和は両省の役人が集まってなぜできないのかと私の方は言いたいぐらいでありまして、こういう点については、今後も十分にそれを理解させて、今後は具体的な実効性のあるものにしていかなければならぬというふうに、私はそういうふうに考えております。
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山本政弘#12
○山本(政)委員 大臣、私は根拠なしに聞いているのじゃないですよ。環境影響評価法案というのが法案としてはもう環境庁から出ているわけです。出ている中で、第一条、目的、第二条、定義とありますが、この定義の中で、従来のような考え方、つまり建設省の考え方でいけば、都市計画法、それから市街地開発事業、都市計画に基づく都市計画施設に関する事業、それから市街地開発事業について都市計画で定めてやりたい、こう言っているわけですね。それはすり合わせとかなんとかという問題ではなくなってくるのですよ。すり合わせというのは要するに評価の問題とかあるいは予測の問題とかですり合わせをしたい、こう言っている。しかし、そんなところに問題があるというのじゃなくて、そこにも一つの問題があるけれども、しかしもう一つ、問題が二つあると私は言うのです。一つの問題は、つまり都市計画法でやるとするならば、都市計画法制と言った方がより正しいかもわかりませんが、そういうことでやるとすれば、この環境影響評価法案で言われておる十幾つかの開発事業というものがあるわけです、その開発事業の中の市街地開発事業、流通業務の団地造成事業、日本住宅公団が行う事業、地域振興整備公団が行う事業、そういうもの、それから河川法に基づくもの、要するにこういうものがすべて建設省のおっしゃる都市計画法に基づいて行われることになってくるということなんです。
 つまり私の言いたいことは、これは権限の争いではないだろうか。当然アセスメントというものは、環境庁が言っているようにこのアセスメント法案に基づいてこうしなければならぬやつを、何か権限としては渡したくないというようなことで、要するに横車を押しているというふうにしか私は受け取れないのだ。あなたの言うような法案のすり合わせとかなんとかいうことではないんだ。法案のすり合わせということは別問題なんですよ。わかりませんか。ですから、そのことについて知事の能力を超えたものである、こう言っているから、それを一体どういうふうにするのかと、こう言っているのですよ。
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中村清#13
○中村(清)政府委員 お答えを申し上げます。
 自治省の官房長も先ほど申されましたように、私どもで環境庁から環境影響評価法案の御提案を受けた際に、実は、後ほど申し上げますが、私どもとしてはこういうふうにしたいという対案をお示しをしました。まだ環境庁と事務的に十分詰まっていないという段階でございましたから、自治省の方にはもちろんお話をまだ通しておりません。そういう段階のお話でございまして、この間もお答えを申し上げましたように、都市計画といいますのは、そもそも良好な都市環境を形成するということと、都市機能を維持、増進するということを目的にしておるわけでございますから、先ほど権限どうのこうのという御指摘もございましたけれども、私どもは毛頭そういう気持ちはございませんで、本来都市計画というものは先ほど申し上げましたように、環境をよくしようということがそもそもその中身でございますから、環境についてどういう予測をしどういう評価をするかということは、実は都市計画の手続とは切り離して考えられないのじゃないか。環境をよくするということ自身が都市計画のすでに内容になっておる。こういったことが頭にございまして、先ほど御指摘がございましたが、私どもは、都市計画については都市計画法制の中で環境影響評価をやりたいということを言っておったわけでございまして、たまたまその中身が、いままでやっておった中身とそれから環境庁から御提案がございました新しい法案をいろいろ考えてみますと、確かにいままでは実際上は予測評価をやっておりますけれども、それは法制上は情報公開という仕掛けが出ていない。実際問題としてはたとえば説明会の開催でございますとかあるいは公聴会の開催であるとか、そういう機関を通じまして環境の問題についていろいろ御議論がある、やりとりがある、そういった過程を通じて最後に都市計画決定という段階になるわけでございますが、そういったことは実際上いろいろやっておりましたけれども、法制上は情報公開という制度がはっきりしていなかったので、今度はそういうこともはっきりした上でやりたいということで、都市計画法の中身を変えたいという御提案を申し上げた次第でございます。
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山本政弘#14
○山本(政)委員 私が一番心配することは、要するに都市計画事業というのがあなたのおっしゃるように個別法でもし対処するとするならば、他の対象事業も同じように個別法でやりたい、こうなってくるわけですよ。そうすると、アセスメント法案というものは結果的には意味のないものになってくるのじゃないですか。私はそれを一番心配しているわけですよ。
 それからもう一つは、前に工場立地適正化法というものをつくろうとした。いまの工場立地法ですね。このときも、同じような事由をもって反対というか、要するにそういうことをしたのは建設省だと私は思うのですよ。都市計画法というのは、むしろ土地の利用といいますか、立地といいますか、そういうものについて用途地域別とかあるいは建築基準とかいうものについて、そういうことをおやりになればいいのであって、環境というものは、いまのような時代になれば、時代の要請に従ってそれを一つの基本的なあるいは総合的なもので規制をしていくという考えというものが、時代に一番適合した考え方だと思うのですよ。しかし、それに対して何も考えようとしておらないということなんですね。それは大変おかしいと思うのです。
 何か大臣の退席の時間が来たというのですが、大臣、こういうことがあるでしょう。私があなたに申し上げたいことは、これは七十一国会からずっと環境影響評価関係の各大臣の国会の答弁ですよ。全部、要するに何とかしたい、真剣に取り組みたいという返事なんですよ。八十国会のあなたの答弁を見てみましたよ。福田総理は「環境影響の事前評価法を早期に制定すべし」「これは、世論もそういう高まりを見せておるわけでございますが、やはり私も、」「開発行為が行われる前に効果的な環境影響評価をしておく必要がある、こういうふうに思います。」こう答えておるのですよ。これは衆議院の本会議です。そして、衆議院の予算委員会でも、石橋書記長の質問に対して「開発に当たりましては事前に十分な環境アセスをする、これは当然のことであります」「その体系整備をするということをはっきり申し上げます。」こう言っておるのです。そして、三月三日の衆議院予算委員会であなたは何とおっしゃっているかというと、「公共事業と環境との調和を図るために、」「建設省としては従来からきめ細かい対応に努めているところでございまして、これに対して何も別に、何の不平も不満もございません」と、こう言っているじゃありませんか。あなたの答弁ですよ。そのほかにもあるのです。これも衆議院予算委員会、三月十七日。「アセスメント法につきましては、」「一日も早くその結果があらわれるように進めておるところでございます。」こうおっしゃっているじゃないですか。
 ところが現実には、いまお聞きのように、そして前回の私の質問にもありましたけれども、要するにいろいろ意見を述べて、すり合わせとかなんとか言っている。そして、道路とか電気事業とか河川、住宅団地、流通団地、あるいは多摩のニュータウンとか福井の臨海工業地帯の問題も含めて、そういうことに対する問題については建設省でやりたい、こう言っているわけでしょう。これは法案を変えるという問題じゃないのですよ。基本的な考え方の問題じゃありませんか。いまあなたが申されたような答弁だったら、総理の言ったことに相反しますよ。もしあなたが総理の意見と全く同じだというんだったらば、いまの建設省の局長その他の方々の答弁とは食い違いがあるということじゃありませんか。閣内不統一なのか、省内不統一なのか、どっちなんです。
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長谷川四郎#15
○長谷川国務大臣 いまでも変わりはございません。総理がおっしゃっているとおりだと思います。
 ただし、環境庁と建設省のその衝に当たる人の話し合いが、たとえばこういうふうなものをつくるんだけれども、現在こういう法律があるんだから、その法律と調整がとれないなんということは断じてあるべきものじゃないはずなんです。環境庁がつくったものが、そのままそっくり修正というものがなくてすべてがいくんだ、そういう絶対的なものでなくて、従来ある法律も十分考慮に入れた上に立って、お互いがそこのところを譲り合ってその大眼目に到達するということが、役人としての当然の義務だというふうに私は考えます。私の意見は、精神は、いま読み上げていただいたそのとおりで、一つも変わっておりませんということを明らかに表明いたします。
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山本政弘#16
○山本(政)委員 時間ですね、わかりました。
 あと一つだけ。五十二年五月十三日の閣議で、環境庁長官が環境影響評価法案の取り扱いについて発言をいたしましたね。御存じですね。その後で官房長官が記者会見をしております。そこで、来国会に出すのかということを質問されて、そういうことだ、とにかく早く成果を得るように努めたい、こう言っております。問題点はどこかと聞かれて、電力と都市計画、特に電力が問題だ、こう言っております。そこで私は、大臣に一つだけ。閣議了解というのがありましたね、昭和四十七年でしたか。それじゃ、これは閣議決定まで持っていくようなお気持ち、ありますか。いま最大限の努力をするんだとおっしゃったから。それも私は一つの進歩だと思うのですけれども、その点はいかがでしょう。大臣は大変賢明な方だから……。
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長谷川四郎#17
○長谷川国務大臣 この法案をつくるときにすでに閣議を経てきておるのであって、改めてこれを閣議決定に持っていく必要はない、もうこれだけのものができて、今日なさなければならないということは、われわれ全部が認識の上に立って承知しておるところでございますので。ただ、建設省と環境庁の事務員が、事務に当たっているのが、なぜその調和がとれないのか。おれの方はこれでなければならないんだと言うが、こっちにもあるんだから、それじゃ、それをこういうふうにしようぐらいの話し合いができないということは、私はあり得ないだろうと思う。私は、新たなる問題として閣議決定に持っていく考えはないと考えております。
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山本政弘#18
○山本(政)委員 まあ、時間がないそうですから、大臣に、お帰りになって問題点がどこにあるかをもう一遍確かめていただきたいと思うのです。そうしなければ、あなたのような簡単な御返事はできませんよ。これだけは私申し上げておきます。そんなに簡単なものじゃありませんよ。法案が骨抜きになるのかどうかという問題なんですよ。要するに、最も基本的なものがなくなるかどうかという問題にかかわるから、私は申し上げておるのです。あなたのように、事務当局で話し合いをしたら簡単に解決がつくものではないだろうと私は思うのです。私も御質問申し上げるのですから、多少の調べはしてまいりました。しかし、この法案というものは半分はなくなってしまうのですよ。建設省の皆さん方の主張は、そういう性格を持っている主張なんです。そして、私が一番おそれるのは、そういう主張がまかり通ったら各省庁、つまり二十一省庁のうちの残りの十九省の人たちも同じようなことになりかねないということを私は危惧するのですよ。だから申し上げておるのです。しかく簡単なものじゃございません。
 どうもありがとうございました。
 通産省の方、おいでだったら、もう三十分しかございませんから、要するに私は質問だけ申し上げます。
 前回の問題点の中で、SO2とBODしか予測評価ができない、だから問題がある、こういう話を私はお伺いしたわけですが、SO2とBODしか予測評価しないアセスメントというものが一体アセスメントと言えるのだろうかどうだろうかということなんですね。それから、SO2とBODしか予測評価しないような法律というものが一体法律として成立し得るのだろうかどうだろうか。私はそのことに対して大変疑問があるのですけれども、これは環境庁の意見を聞かせてほしいと思うのです。
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柳瀬孝吉#19
○柳瀬政府委員 現在環境庁で、いろいろ環境影響評価の審査等毎年相当の数行っておるわけでございますが、これは大気汚染あるいは水質、それから騒音とか振動あるいは自然環境問題とか各般にわたってやっておるわけでございます。したがって、SO2とBODしか評価をしないというようなアセスメントということになりますと、これはもうアセスメントという名に値しないものじゃないかというふうに思います。法律をつくります際にも、その二つのことしか入れないような法案をつくれと言われても、これはできない相談だと思います。
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山本政弘#20
○山本(政)委員 しかし、現実には通産省はそういうアセスメントをやってきたわけですね。電源開発調整審議会で計画決定をした発電所が未着工になっているというのがたくさんある。それでちょっと調べてみたのですけれども、十一ぐらいありますね。一番古いのは四十一年の四月四日に決定をしているのだけれども、未着工になっている。
 つまり、いま申し上げたように、SO2とBODしか予測評価をしないというようなアセスメントをもし通産省がやっておったとすれば、これはいいかげんなアセスメントになってくる、したがって、それが住民の反発を招くというようなことでトラブルが起こってくるのはあたりまえだ、ぼくはこう思うのですよ。一体その辺はどういうふうにお考えになっているのか。つまり、通産省がおやりになっているアセスメントというのはいいかげんなものだったのかという疑いを私は持たざるを得ないのですが、その点いかがですか。
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斎藤顕#21
○斎藤(顕)政府委員 お答え申し上げます。
 先日の私の先生への御答弁でSO2、BODの問題を取り上げました趣旨は、現在、科学的に論理が確立され、そしてその予測評価が的確に行われる、そのシミュレートが可能なものはSO2とBODしか実はないのでございます。他の項目は、現在予測はしておるけれども、そういうふうな意味からの正確度というものが確立されておらない、したがいまして、現在これを法律で規制するというふうな手法をとる場合には、政令でその辺をはっきりできるものとそうでないものとを書き分けていくべきではないかという考え方が一つございますということを申し上げると同時に、もし全般的な問題として取り上げていくならば、法律による義務づけということになりますとそこに大変な主観の相違が入ってくるおそれがございますので、むしろ法律によらないで行政指導という形でしばらく運用していったらいかがでございましょうかという趣旨を申し上げたわけでございます。
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山本政弘#22
○山本(政)委員 要するに、評価のできないものについてはこれを政令にゆだねるという話なのですが、私、この前もお話し申し上げたように、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律というのがありますね。
 これは上田喜一東京歯科大学の教授がお書きになった論文でありますけれども、この人は中公審健康環境基準専門委員会の委員長であります。この人が、私が申し上げたようなことを言っているのですよ。要するに、化学物質というものについては、自然界における残留性というものが一つある、それから生物体内の蓄積性というものが一つある、慢性毒性というものが一つある、こう言っているのですね。
 それで、自然界における残留性の点、分解が非常に容易なものについては、これはシロと分けてしまう、そして残りのものについて、生物体内の蓄積性というものについて検討してみる、これが第二のスクリーニング試験といいますか、そういうものだ。ここには灰色のものがたくさんあるけれども、しかしまあまあということでこれならよかろうというようなものについてはのけていく、そして蓄積性というものについてきわめて疑わしいものについては、これは慢性毒性があるかどうかということで試験をしてみるということで、クロが出るかシロが出るかテストした結果、クロならクロということでこれを特定化学物質として規制していく、こういうことなのですね。そうすると、この灰色についてはあなたのおっしゃるように数値は出ないのですよ。その出ないものについては、政令によって特定化学物質にしてないのですよ。そうなってくると、あなたがいまここでおっしゃったこととは違ったことが同じ通産省で行われているという事実があるわけですね。この点はどうなのですか。
 もう一つは、慢性毒性があるということで、それじゃ特定化学物質として規制の対象になっているのは一体どんなものがあるか、それを聞かせてください。六千から七千あるいは一万とも言われる化学物質の中で、あなたのおっしゃるように、そういう評価ができないものがたくさんあるだろうと思うのですよ。しかし、平林さんの話では、大変ごまかしがこの前の答弁ではあったと思うのです。要するに、残留性というものがはっきりし、蓄積性というものがはっきりする、そうしたら残りのものは全部政令にゆだねるのです、こうおっしゃったのだけれども、シロとクロの間に灰色の部分がたくさんあるわけですよ。そういうことをおっしゃっておれば、いま斎藤さんがおっしゃったことと非常に違うものが同じ通産省でまかり通るという結果になる。私はおかしいと思うのですよ。
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斎藤顕#23
○斎藤(顕)政府委員 繰り返して御答弁申し上げることになるかと思いますが、法律によりましてアセスメントを施行していく場合には、どういう項目を予測し、評価していくべきかということを政令ではっきり書く必要がございましょう、そういう政令で書くものはどういうものかというと、その辺の因果関係と申し上げますか、SO2、BOD等の科学的に知見しそして評価し得るものを定めていくべきでございましょう、こういうふうなことを意見として申し上げたわけでございます。
 それから、いまの第二の先生の御質問でございますが、実は私ども、いまその専門家も来ておりませんので、ちょっと時間をいただきたい、後ほど御説明に参上したいと思います。
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山本政弘#24
○山本(政)委員 科学的に知見し得るものについては法として載せていく、科学的に知見し得ないものについては政令にゆだねるというわけでしょう。そうですね。
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平林勉#25
○平林政府委員 お答え申し上げます。
 御指摘の化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律で、この対象となる物質が政令で定められることになっておりますが、先生御指摘のようないろいろな要件がございまして、そういう要件に該当するもので政令で定めるということでございまして、不確かなものを政令で定めるということではございません。現在政令で定められておりますものはPCBだけでございます。
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山本政弘#26
○山本(政)委員 そんなことを言っているんじゃないのですよ。ぼくの言ったのは、難分解性とか蓄積性とかいうものを除いてみて慢性毒性のはっきりしたものについては特定化学物質として政令にゆだねる、それがいま申し上げた化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律でしょう。そしていまその適用を受けているのは、あなたのおっしゃったようにPCBだけだ、こういうことなんですよ。ところが上田さん自身がこう言っているのです。五千も六千もあるものだから、危険物資を選び出して試験を行うには相当な期間がかかると言っているのです。だから、まだわからないわけですよ。わからないものが幾らでもあるわけですよ。しかも、そのことについてあなた方は法律にちゃんと載せられているわけですよ。知見し得ないものについて法律に載せるのだったら、あなた方の言うアセスメントについて、知見し得るものは法律に載せる、知見し得ないものは政令にゆだねるということとこの法律とは正反対のものになりはしないだろうか、私はこう言っているのです。そんなものが一つの省でぬけぬけと使い分けができるのでしょうかと言っているのですよ。
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斎藤顕#27
○斎藤(顕)政府委員 私の御説明が御理解いただけなかった面があるようでございますので、再度同じことでございますけれども、環境影響評価の場合にどういう項目を評価していくということを、はっきり政令で書くべきであるというのが通産省の意見でございます。したがいまして、そういうふうに予測、評価できるものをはっきり書いていきませんと、こういうことについて評価が要るのですよということをはっきりしていきませんと、後々その評価の価値をめぐっていろいろな意見が出てくるおそれがある。したがって、どの項目について今後影響評価をしていくかということを法律上政令にゆだねてはっきりしていただきたいという意見を環境庁に申し上げておったわけでございます。付随的な問題としまして、それでは現在政令にゆだねられるはっきりしたものというのはどういうものがあるかと申し上げますと、SO2、BODははっきりしておりますけれども、その他いろいろな項目がございますが、それらのものははっきりしておらないものでございまして、法律的にこれを義務づけていくというところにいささか難点があるのではないかという意見を環境庁に申し上げておったということでございます。
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山本政弘#28
○山本(政)委員 どうもすれ違いになってかみ合わないのですけれども、結局SO2とBODしかできないと言っているわけでしょう。ところがエネルギー庁の通達では自然環境から草案その他細目にわたって調査を指示している文書が出ていますね。これにはNOxですか、そういうものについても全部出ているわけですよ。そして発電所の立地に関する環境調査の審査についてエネルギー庁長官の通達が出ているわけですね。こういうものを出しておってなおかつアセスメントができない、その法案に対して反対であるというのが理解ができないのですよ。つまりいま科学的にはもちろん限界があるわけです。その限界というものを、要するにここに限界があるんですということを住民にもう少しはっきり知らせるということの中から合意が生まれてくると思うのです。確かなものと不確かなものがあるでしょう。確かなものはここまで、ここから先は不確かです、不確かですけれども、当面考えられる最高の技術にはこういうものがある、この技術を駆使してできるだけ精度の緻密なものにしていきたいということで住民の理解あるいは合意を得る、こういうことじゃないのでしょうか。私はそう思うのですがね。
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斎藤顕#29
○斎藤(顕)政府委員 私どもの基本的なアセスメント法に対する考え方は、先生御指摘のようにそういう不確かな、現在の段階では科学的に完全な予測あるいは評価ができないものが多いから、そういう時期に法律で規制していくと、できないものまで法的な裏づけをやらなくちゃならぬことになりますので、しばらく制度の運用といいますか行政的な運用でやっていったらどうでございましょうかと申し上げているわけでございまして、電気の問題も、環境アセスメントの必要性は私ども十分わかっているわけでして、積極的に取り上げてきたわけでございます。そういう意味で長官の通達という運用でやっておるわけでございまして、法律で裏づけて義務を課していくというのはまだ時期的に無理じゃございませんかということを申し上げているのでございます。
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