災害対策特別委員会

1978-04-20 衆議院 全179発言

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会議録情報#0
昭和五十三年四月二十日(木曜日)
    午前十時二分開議
 出席委員
   委員長 川崎 寛治君
   理事 有馬 元治君 理事 志賀  節君
   理事 矢山 有作君 理事 湯山  勇君
   理事 広沢 直樹君
      稲垣 実男君    越智 伊平君
      後藤田正晴君    佐藤  隆君
      谷  洋一君    谷川 寛三君
      中島  衛君    中村  直君
      原田昇左右君    村上 茂利君
      森   清君    山崎武三郎君
      池端 清一君    加藤 万吉君
      鈴木  強君    田畑政一郎君
      中村  茂君    瀬野栄次郎君
      古川 雅司君    津川 武一君
      永原  稔君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 櫻内 義雄君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        長       河野 正三君
        国土庁長官官房
        審議官     四柳  修君
        消防庁次長   田中 和夫君
 委員外の出席者
        防衛庁防衛局運
        用課長     児玉 良雄君
        防衛庁装備局通
        信課長     小池 清彦君
        科学技術庁研究
        調整局生活科学
        技術課長    清水 眞金君
        国土庁長官官房
        震災対策課長  城野 好樹君
        大蔵省銀行局保
        険部保険第二課
        長       森田  一君
        文部省学術国際
        局学術課長   植木  浩君
        厚生省社会局生
        活課長     鈴木 昭雄君
        気象庁観測部参
        事官      末広 重二君
        郵政省電波監理
        局放送部長   澤田 茂生君
        日本国有鉄道施
        設局土木課長  野沢 太三君
        日本電信電話公
        社施設局長   山口 開生君
    —————————————
委員の異動
四月二十日
 辞任         補欠選任
  伊賀 定盛君     鈴木  強君
  米田 東吾君     加藤 万吉君
同日
 辞任         補欠選任
  加藤 万吉君     田畑政一郎君
  鈴木  強君     中村  茂君
同日
 辞任         補欠選任
  田畑政一郎君     米田 東吾君
  中村  茂君     伊賀 定盛君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 大規模地震対策特別措置法案(内閣提出第七三
 号)
     ————◇—————
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川崎寛治#1
○川崎委員長 これより会議を開きます。
 大規模地震対策特別措置法案を議題とし、審査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。池端清一君。
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池端清一#2
○池端委員 今度出されましたこの法案は、大規模地震対策特別措置法案、こういうふうに名称がなっておるわけであります。大規模地震とは、政府のこれまでの説明によりますと、マグニチュード八程度のものを指すのだ、こういう御説明がございましたが、このマグニチュード八程度のものを大規模地震というふうに押さえた、定義づけたその理由といいますか、根拠といいますか、そのことをまず最初にお伺いをしたいと思います。
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四柳修#3
○四柳政府委員 昨日の参考人の御意見の中にもございましたように、現在の予知の技術水準では、強化地域におきましてマグニチュード八前後の大規模な地震につきましては各種の観測機器を集中することによってその前兆現象をとらえることができる、その可能性があるということでこの法律に踏み切ったわけでございまして、その意味で本法におきましてはその程度の規模の地震を対象としておりますけれども、マグニチュード七程度以下の地震、その点につきましては現在の予知技術水準ではなお研究段階にございまして、ある程度の確度を持って予知できる段階には達しておりませんけれども、昨日の参考人の御意見にもございますように、やはりそこは目標としたい、こういう御意見もございますものですから、技術の進歩によりましてその範囲というものがある程度は前進するものと考えております。
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池端清一#4
○池端委員 あくまでも予知技術の観点から押さえられておるようでありますが、実は建設省の国土地理院からちょうだいをいたしました「地震とその予知」という資料を見ましても、あるいはまた今日地震学界の定説にもなっておるようでありますが、マグニチュード七以上はもう大地震、それから七から五までは中地震、五から三までは小地震、三から一までは微小地震で、マグニチュード一以下は極微小地震、こういうふうに定義づけをしておるようであります。マグニチュード七以上についても今日までかなりの大地震、大災害等もあるわけでございまして、単なる予知の問題から地震対策を考えるというのでは私は片手落ちではないかというふうに思うわけでございますが、その点はいかがでしょうか。
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四柳修#5
○四柳政府委員 確かに予知技術の点からだけ考えるという点ではございませんでして、やはり予知技術によりまして地震予知情報が出されることを前提としまして、それによりましての事前の防災対策を講ずるという仕組みになっておるものでございますから、先ほど御答弁申し上げましたように、将来の目標としましてはいま御指摘の大地震の範疇に入りますマグニチュード七程度を関係の学者の方々も目標になさっておりますし、私どもも、技術の水準がそこまで近づいてまいりまして、ある程度の確度を持って予報が出せる場合には、当然のことながらこの対象に取り入れるべきだと考えております。
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池端清一#6
○池端委員 マグニチュード八程度のものは前兆現象をとらえることができる、それ以下のものについてはまだそこまで技術の進歩が至っておらない、こういうお話で、そういうお話を聞けば聞くほどはだ寒い慄然とした気持ちにならざるを得ないわけでございます。
 最近五十年間におけるわが国の地震発生の状況を見ましても、八以下のものでも、たとえば昭和二年三月の北丹後地震、家屋の全壊が一万二千五百八十四戸、死者が二千九百二十五人。あるいはまた昭和十八年の鳥取地震、これはマグニチュード七・四でありますが、家屋の全壊が七千四百八十五、死者が一千八十三。昭和二十三年六月の福井地震はマグニチュード七・三で、全壊が三万五千四百二十、焼失三千六百九十一、死者が三千八百九十五。昭和三十九年の新潟地震はマグニチュード七・五でありますが、家屋の全壊が千九百六十、こういうことで、八以下の規模のものでありましてもかなりの大災害をもたらしている。こういう現状を見るにつけても、私はそういう面での地震対策というものが急がれなければならない、こう思うわけでございます。
 そういう意味で、技術の進歩に待つというようなことだけでいいのかどうか。これらの対策は今度の法案の中では特にうたわれておらないわけですね。そういう面についてはどう考えておられるのか、この点をひとつ改めてお尋ねをしたいと思うのです。
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四柳修#7
○四柳政府委員 お尋ねのように、ただいま北丹後から新潟まで過去の例をお挙げいただきましたけれども、実はいずれも日本海側の内陸型の地震でございまして、その予知のむずかしさ等につきましては、技術的な説明もございますから気象庁にお願いいたしたいと思いますけれども、私どもも予知ができないから対策を考えないということだけでは、決して適切でございませんでして、いまの差し迫りました東海の大地震というものを一つの足がかりとしまして、いろいろの予知技術の水準の向上もまた期待できましょうし、あるいはそれに関連しまして、防災側の体制の強化ということもまた進められるということは行われるものでございますから、そういうものの状況を見まして、御指摘のような、確かに予知はむずかしゅうございますけれども、過去に地震の経験があったところで、場合によりましては繰り返しのおそれのあるところにつきましては、御心配のような防災側の対応につきましても、関係の地方公共団体等ともよく御相談いたしまして、これに準ずるような仕組みをだんだんにつくり上げていきますとか、そういったことも検討かたがた指導してまいりたいと思います。
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池端清一#8
○池端委員 地震対策というのは、確かにいま言われておりますように、東海地域、南関東地域、これはもう大変急がなければなりません。そういう意味でこれを重視するということについて、これは私どもも積極的に賛成であります。しかし、日本列島は火山列島とも言われ、地震列島とも言われている。地震大国日本、そういうことすら言われている状況でありますから、ほかの地域においても対策はゆめゆめ怠るべきではない、こういう観点から申し上げておるわけであります。
 そこで、防災対策強化地域の指定の問題でありますが、これについては、これまでの御答弁によりますと、東海地域なり南関東地域が指定をされる。これは防災会議の諮問を経て決定をされるわけでありますが、大体いまこのことが予定をされておるようであります。そこで、仮にこの強化地域以外の地域でマグニチュード八程度の大規模地震が発生するおそれがあるという地震予知があった場合に、今度の法案では警戒宣言を発するというようなことにはならない仕組みになっているわけですね。どうもその辺も、私はちょっと合点がいかないわけであります。確かに地震予知技術はまだ低いとしても、しかし、かなりのいま予知体制をとっているわけですね。ですから、ほかの地域、たとえば北海道東部地域でそういう大地震発生のおそれがあるというような予知というものができた場合に、適切な対策というものは講じていかなければならないと思うのです。しかし、これはあくまでも強化地域に限られている問題でありますので、その辺の対策がなおざりになるのではないか、こう思うのですが、その辺の関係はどうなんでしょうか。
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四柳修#9
○四柳政府委員 ただいま先生が例としてお挙げになりました十勝沖いわゆる北海道東部地域でございますけれども、御案内のように地震予知連の方で特定観測地域として指定している、やはりそれなりの危険性があろうかと思います。しかも、戦後十勝沖で一九五二年マグニチュード八・一、それから一九六八年七・九、根室半島沖一九七三年に七・四、非常に大きな地震がございましたし、また先般も御案内のような七・何がしかの地震がございまして、この地域につきましては特定観測地域として指定されているだけに、それだけの危険性というものは、ある程度内蔵している地域だろうと考えております。
 そこにつきまして、先ほど日本海側の例でもお挙げになりましたように、予知と防災とがセットにならなければできないというこの法律の仕組みについてでございますけれども、予知を進めることによってそのセットに取り組むということも必要でございますけれども、予知が追いつかない段階でも、ただいま例に挙げましたような危険性のある事態というものを考えますと、それはそれなりに関係地域におきましても防災体制の整備をしまして、先般釧路等にございましたような津波の避難というような問題もございましたものですから、それらの点につきましても、この法律の制定を機会に関係省庁あるいは関係地方公共団体ともども、この法律で考えておりますような強化計画、それに準ずるような仕組みというものもある程度事前におつくりいただいて、それによって訓練等の密度も増していくといいますか、そういうようなことも考えたいと思います。
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池端清一#10
○池端委員 いまも審議官が例を挙げられましたけれども、東海地域あるいは南関東地域以外でも、昭和四十三年の五月の十勝沖地震、これはマグニチュード七・九であります。それから二十七年の十勝沖地震はマグニチュード八・一であります。昭和八年の三陸沖は八・三、それから昭和二十一年の南海地震はマグニチュード八・一、昭和十九年の東海地震は八・〇、やはりこの地域以外でもマグニチュード八程度の大地震が起こってそれぞれ大災害をもたらしている、こういうことであります。
 ですから、いま予知と防災がセットになってこの法律というものができている、しかし、その予知が追いつかない地域については、これに準ずるような取り組みといいますか、こういうものを政府としてやっていきたいということなんですか。それぞれの地方自治体でやってもらいたいということなんですか。政府が積極的に、今度の法案に準じたようなかっこうで取り組んでいくというのか、その辺がちょっといまの御答弁ではあいまいでございましたので、私は、むしろ政府が積極的に指導的にやらなければならない、こう思う立場からお尋ねをしたいと思うのです。
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四柳修#11
○四柳政府委員 この法律が施行されますと、当然のことながら、いま例に挙げました地域も含めまして二つの観測強化地域、七つの特定観測地域あるいは過去に地震の痛い経験のある地域等から、それぞれの地域におきます今後の地震の予想なりそれに関連した問題点等のお尋ねが当然あろうかと思います。せっかくのそういう機会をとらえまして、私どもの方も関係各省一緒になりまして、いま先生のおっしゃるような、一緒になってやるというかっこうで進めたいと思います。
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池端清一#12
○池端委員 これまでの研究の結果、巨大地震というのは同じ場所で繰り返して起こるということがかなりはっきりしておるわけであります。その繰り返しの周期も、およそ百年から二百年の程度、こういうふうにも言われております。したがいまして、私は、いま審議官からお話がありましたことで、もうこれ以上繰り返しはいたしませんけれども、特に、特定観測地域なりその他地震多発地帯の対策というものもひとつ強化をしていただきたいということを強く申し上げておきたい、こう思うわけであります。
 次に、文部省にお尋ねをいたします。
 先般来からいろいろ言われておりますが、現在、測地学審議会では第四次五カ年計画として、昭和五十四年から五十八年度までの間の五カ年計画として第四次の建議を行うということでいろいろいま御審議がなされているというふうに聞いておりますが、今後の予知体制の問題とも相当深いかかわり合いがございますので、審議の方向等についてひとつ御説明をお願いをしたい、こう思うわけであります。
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植木浩#13
○植木説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生からお話がございましたように、測地学審議会におきましては昭和五十二年以来昭和五十四年度から五十八年度までに至ります第四次地震予知計画について建議をすべく審議中でございます。以来相当回数にわたりまして各種の委員会、会合等開いておりますが、何分にも地震予知というものが先ほど来お話にも出ておりますように、なかなかむずかしい課題であるということで、いろいろな角度から慎重に審議をいたして今日に至っております。現在相当の検討を重ねまして、いよいよこれを取りまとめにかかるという段階に達しておりますが、詳しい審議内容は現段階ではちょっと私からまだ申し上げかねますけれども、これまでいろいろと議論が出ております要点をかいつまんで申し上げますと、全国的にわたりまして測地測量であるとか、あるいは各種の地震観測等につきまして、いわゆる長期的な予知というものに有効な観測研究というものをさらに拡充強化をしなければいけないという点がいろいろと議論されております。また先ほど来お話のございました東海地域などにつきましての特別な短期的予知と申しましょうか、そういった有効な観測研究につきましてもこれを格段と拡充強化をし、観測結果の集中であるとか、あるいは常時監視体制のさらに充実を図るとか、そういう必要性がいろいろと議論をされておる段階でございます。またこれらの基盤となります地震の発生の機構を解明するための基礎研究がきわめて大事であるということも、これまたいろいろと議論をされております。今後七月ごろを目途といたしまして建議を策定し、関係の大臣にこれを提出をいたしたい、こういうスケジュールで目下のところ進んでおります。
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池端清一#14
○池端委員 七月ごろを目途に建議がなされるようでありますが、さて、この建議を受けた段階で政府としてどういう対処をするのかという問題であります。先般二月十六日の本委員会における萩原参考人の御発言にもありましたが、現在第四次の、測地学審議会でいろいろ立案計画をやっているようでございますけれども、いかに測地学審議会が計画を立てても、結局政府のそれに対する熱意がないのでどうにもならない状況なのだというような御発言等もあるわけであります。せっかく皆さん方が御苦労願ったものが実際は実を結ばない、それが今日の実態ではなかろうか、こう思うわけでありますので、この建議が出た場合に政府として、これは主管は科学技術庁だと思うのでありますが、予知推進本部の本部長としての科学技術庁としてはどういうふうに対処をされるお考えなのか、それをお聞きしたいと思います。
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清水眞金#15
○清水説明員 お答えいたします。
 地震予知につきましては昭和四十年以来三次にわたります測地学審議会の地震予知計画の線に沿いまして進められてきたわけでございますけれども、本年度はその第三次計画の最終年度に当たるわけでございます。
 それで、その遂行状況でございますけれども、ほぼ一部を除きまして大体計画に盛られましたところをカバーしてきたというふうに考えておるわけでございます。その結果、大きな地震の前兆はとらえられる可能性が出てきた、そういうところまで来たわけでございます。
 明年度から始まります第四次地震予知計画は、いま文部省の方からお答えがございましたように七月ごろには建議されるものというふうに伺っておりますけれども、その具体化に当たりましては気象庁あるいは大学、そういうところを初めとするいろいろな関係機関で十分連絡協議をいたしまして、その予算の獲得あるいは的確な具体化に努めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
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池端清一#16
○池端委員 これは萩原さんも先ほど引用いたしましたような発言をなさっておるわけであります。したがって、やはり政府としてもこういうような審議会の答申等が出た場合は、これを誠実に実施をする、こういう方向で力いっぱい、精いっぱいの努力をしていただきたいということを強く申し上げておきます。
 次に、予知体制の問題でありますが、これもかねてからこの委員会でもいろいろ取り上げられている問題であります。さっき審議官は、この予知技術がまだ十分進歩しておらないというような趣旨の発言がございました。私は、技術の進歩よりもむしろ予知体制に問題があるのではないかというふうに思うわけであります。たとえば日本における地震予知研究計画、いろいろ文献等を見ますると、測量は国土地理院が担当している。離島及び海底の測量は海上保安庁の水路部が担当している。検潮は建設省の国土地理院、気象庁、水路部の三つにまたがっている。地殻変動の連続観測は主として大学の研究所が行っている。活断層の研究は通産省の地質調査所、科学技術庁の防災科学技術センター、そして大学、こういうところで行っている。それから大中小地震の観測は主として気象庁。微小地震の観測は大学、気象庁。移動観測は臨時移動観測班を設けてやっている。それから地震波速度の変化の測定は地質調査所。地磁気、地電流の観測は気象庁、水路部、国土地理院。深井戸の観測は防災科学技術センター。緯度観測所は文部省。こういうふうにばらばらに行われているところに問題があるのではないか。先般長官は、そうやっていろいろなところで研究してもらえれば非常に結構なことではないかとおっしゃった。確かにそういう面もあるとは思います。しかし、それが本当に集中的に統一的にあるところに集約をされて、十分分析がなされて、そして地震予知の体制が組まれているかというと、必ずしもそうではない。
    〔委員長退席、湯山委員長代理着席〕
こういうばらばらな体制に問題があるのではないか、総合的な判断を行い得ないところに問題があるのではないかというふうに私は考えておるわけでありますが、その点はいかがでありましょうか。
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櫻内義雄#17
○櫻内国務大臣 先般もお答え申し上げたところでありますが、この予知技術につきましてただいま池端委員がお示しのように、各方面におきましてそれぞれの担当で掘り下げて研究を進めていくということは、私は好ましい姿ではないかと思うのです。ただ、予知体制を一体どうするかということになってまいりますと、現在ではこういうふうに分かれておる、専門的に研究されておられるところから予知の情報を地震予知連絡会に集中する。予知連絡会におきまして、どういう情報があるのか、情報の交換と専門的な判断をするわけですね。そして、現状におきましては、東海大地震の起こる可能性のある地域が専門的な見識から判断されておりますから、東海地域につきましてはそこで別途判定会を持つ、そして観測を強化し、そのデータは気象庁へ全部集中する、こういう姿をとっておりますから、この体制というものはそう御批判を受けるものではない。全部専門的にやっておる、情報は連絡会に入ってくる、その上に東海地域だけは特に判定会を持つ。しかし、非常に予知体制が重要である、予知が行われたらどうなるかというようなことで、その点で測地学審議会がこの予知の問題についてさらに建議がありますれば、それは地震予知推進本部がございますので、そこでその建議を踏まえて、いまの地震予知連絡会や東海地域判定会をどうするか、何か建議があればそれはよく検討しよう、こういうことですが、この法案を対象として考える場合の予知連絡会、東海地域判定会というものは、それなりの価値を持っておるものだと私は思うのであります。
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池端清一#18
○池端委員 長官はきわめて楽観的な見解をお述べになっているように思うのであります。私も今回何人かの先生方にもお会いをいたしましたし、わずかではございますが、いろいろな学者の皆さん方の書物も読ませていただきましたが、多くの皆さん方が異口同音に言われておりますことは、事は一種の国防の問題である、国を守る問題だ、したがってデータを集中的に分析をし判断を下す本部が絶対的に必要だ、現在の地震予知連絡会の機能では全く不足で、予算面、マンパワーの面、さらには法制面でももっときちんとしなければならないということを異口同音に言われておるわけであります。私も同感でありまして、やはりこの問題については、国家的な規模において地震予知を効果的に行うためには、現在の研究業務体制を抜本的に検討していかなければならないのではないかということを私は感ずるわけでありますが、長官はその必要なしというふうにお考えでしょうか。
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櫻内義雄#19
○櫻内国務大臣 ただいまお答えの中で申し上げましたように、いまのような御意見が集約されて測地学審議会の建議が行われれば、それは私どもは謙虚に取り上げて推進本部を中心に具体化をしよう、こう申し上げておるわけですが、いま法案をお願いしておる段階において、私どもが強化地域のマグニチュード八程度のものの予知の上において、この体制で不十分だという立場では法案はお願いできないと思うのですね。
 なお、私残念ながら、参考人の意見聴取を直接ここで承ることができませんでしたが、学者の方々は、どちらかというとフリーハンドにいろいろ考えたいというお気持ちも相当あると思うのですね。
    〔湯山委員長代理退席、委員長着席〕
法律で非常な制約のある中で研究するよりも、自由な立場で研究していきたい、そういうものが集約されて効果が出るのが好ましいというお考えも示されておったようでございますので、先ほど池端委員のおっしゃったような、それぞれの専門的な立場における予知技術の研究というものは、私はもうどんどんやってもらいたい。それで、その中から予知に関するものをどう取り上げていくか。とりあえずは、いまの予知連絡会、それから東海地域については判定会、こういうことで、しかしそれ以上の体制について何らかの形で建議が行われれば、これは取り上げるにやぶさかではありません。
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池端清一#20
○池端委員 その点はひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、警戒宣言が発せられた段階でのいろいろな問題でありますが、伊豆大島近海地震の際の余震情報における県民パニックの問題等とも関連をいたしまして、アメリカ等では、国土地理院からいただいた資料によりましても、地質調査所を中心にして各種研究機関、大学が協力をして、地震予知の社会、経済などに与える影響について綿密な調査を行っている、そして事前の対策を十分強化をして、情報伝達に伴う混乱の回避に努めている、こういうようなことも書かれておるわけであります。私も、警戒宣言が発せられた際におけるパニック状況を惹起させないためにも、地震警報に対する社会の反応といいますか、社会科学的研究というものが常時組織的に行われていかなければならないというふうに思うわけであります。そのためには、警戒宣言が出されたときに最良と思われる行動基準というものをあらかじめ示して、警報に際しての具体的な行動基準等を明らかにしていく必要があるのではないか、このように考えますが、この点についてはいかがでございましょうか。
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四柳修#21
○四柳政府委員 ただいま御指摘の点、そのとおりだと思います。私どもも、御指摘のような行動基準につきましては、強化地域の指定後、当該強化地域内の住民が、万が一警戒宣言が出されました場合に、どういう措置をとったらいいのか、それを具体的に御指摘のような行動指針の形でお示しし、それを関係地方団体等が住民によく伝えて熟知していただく。それを実は訓練を繰り返しまして、住民のお一人お一人がそれぞれ自分が何をしたらいいのかということをいわば体で覚えていただくといいますか、それぐらいの訓練を重ねていきませんと、万一の場合には、電気もつきませんし、いろいろな状況で動けないだろうと思います。そういう点を地域なり職場なり学校で機会を設けて訓練を重ねていただく。そういうときに、御指摘のようなそれぞれの方々にわかりやすい行動基準をつくっていただきまして、それになれていただくというふうなことを関係省庁ともども指導してまいりたいと思います。
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池端清一#22
○池端委員 時間が参りましたので、最後に一点だけ財政問題についてお尋ねをしたいと思います。
 昨日の静岡県知事の本委員会における参考人としての御意見の中にもありましたように、財政的にも国の対策は非常に甘いというような御指摘もございました。今度の法案第二十九条を見ましても、これは単なる訓示規定にすぎない、具体的な財政対策がなされていないというところに、私も非常な不満を感ずるものであります。この法案が発表されるや、新聞報道等も一斉に、今度の地震立法だけでは安心できないという報道をしておるわけであります。法案自体に欠けていて問題なのは財政問題だということを、強く指摘をしておるわけであります。
 一体、金のかからない防災などというものはあり得ないわけでありまして、やはり国民の生命、財産を守る、こういう立場から、大幅な国庫補助を初めとする必要な財政措置を講じていかなければならないと思います。こういう実質的な裏打ちのない法案であれば、仏つくって魂入れず、こういうことにもなると思いますので、この財政問題についての政府の明確な御見解をひとつ承っておきたい、こう思います。
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櫻内義雄#23
○櫻内国務大臣 この法律がない段階におきましては、災害対策基本法によって災害に対し諸施策を講じておることは、池端委員御承知のところだと思います。従来から、所要の財政措置を講じて、予算の優先配分を初めとしてできる限りの配慮をしておるわけでございますが、この強化地域に伴いまして、事業内容や事業量が確定いたしますれば、所要の経費、財源等の見込みが明らかになった段階で、関係各省庁と十分検討してそれに対応する。
 これは第二十九条にも、はっきり法文の上でも書かれておるわけですね。「国は、地震防災強化計画に基づき緊急に整備すべき施設等の整備に関する事業が円滑に実施されるようにするため、予算の範囲内において、当該事業の実施に要する経費の一部を補助し、その他必要と認める措置を講ずることができる。」こういうことでありますので、今後、予算要求の段階におきまして、事業内容あるいは事業量がはっきりいたしますれば、それに応じて考えてまいる次第でございます。
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池端清一#24
○池端委員 終わります。
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川崎寛治#25
○川崎委員長 鈴木強君。
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鈴木強#26
○鈴木(強)委員 私は、提案されております法案について、時間が少のうございますので具体的な問題点について、若干御質疑をしたいと思います。
 まず第一番にお伺いしたいのは、地震防災対策強化地域の指定についてでございます。
 あるいはもうすでに御質疑があったかと存じますが、もしそうでありますればお許しいただきまして若干申し上げたいのでありますが、この強化地域というのは、内閣総理大臣が中央防災会議に諮問をして決めるということになっておりますが、この法律を制定するに当たって、大体、いままで気象庁なり国のいろいろな機関で御調査になりまして、この法律を制定し、強化地域に対して、適切な人命、財産等の保全をするという趣旨でございましょうから、おおよそどの地域がこの法案の適用を受けると御判断になっておりますか、その点を最初に伺いたいと思います。
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四柳修#27
○四柳政府委員 地域指定の問題につきましては、ただいま御発言になりましたとおり、この法律にいろいろな要件がございます。具体的には、大規模な地震が発生する可能性が大きい地殻で、しかも、その範囲の中で予定されているような大きな地震が起きた場合に非常に大きな災害をこうむる、こういう仕組みになっておりますものですから、前段の大きな地震が発生する可能性が大きいという意味におきましては、一定限度以上のひずみがたまっているとか、あるいは地震の空白区域があるとか、あるいは有史以来周期的に大規模な地震が発生しているとか、いろいろの条件がございまして、これらを踏まえて、御案内のように、現在二つの観測強化地域と七つの特定観測地域がございます。その中で、とりわけ東海の地域ということが、予知体制その他の点も考えまして第一候補でございますが、他の南関東あるいはその他の特定観測地域につきましても、危険性という点におきましては一つの候補地となり得る可能性がございます。
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鈴木強#28
○鈴木(強)委員 ずばり答えていただきたいのですが、東海の大地震というのが百二十年くらい前に起きておりまして、まあ専門家の意見によりますと近い将来発生するであろうというような予想も出ているわけです。したがって、ここを第一候補に挙げたということは、これは私は非常に時宜を得たことだと思います。
 そうしますと、東海大地震の地域というのは地域的にはどういう県にまたがりますか。
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四柳修#29
○四柳政府委員 これは具体的には中央の、先ほど御指摘の専門家の方々の御審議を経まして、関係県あるいは関係市町村長の意見を聞かなければ最終的な決定になりませんけれども、現在、御案内の予知連の観測強化地域になっておりますところが、実は非常に市町村の区域に限定せずに、升で囲ったような形で示されておりまして、その範囲内で一応想定いたしますと、静岡県を中心といたしまして、東の方は神奈川県の西部、西の方は愛知県、あるいは北の方は、一部過去の被害例等を見ますと、山梨県なり、場合によりましては岐阜県等の地域もかかる可能性がございます。
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