農林水産委員会

1984-06-25 衆議院 全109発言

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会議録情報#0
昭和五十九年六月二十五日(月曜日)
    午後一時二分開議
出席委員
  委員長 阿部 文男君
   理事 上草 義輝君 理事 衛藤征士郎君
   理事 玉沢徳一郎君 理事 小川 国彦君
   理事 日野 市朗君 理事 吉浦 忠治君
   理事 稲富 稜人君
      小里 貞利君    大島 理森君
      太田 誠一君    鍵田忠三郎君
      近藤 元次君    佐藤  隆君
      鈴木 宗男君    田邉 國男君
      高橋 辰夫君    月原 茂皓君
      中村正三郎君    野呂田芳成君
      羽田  孜君    保利 耕輔君
     三ッ林弥太郎君    山崎平八郎君
      奥野 一雄君    金子 みつ君
      木島喜兵衛君    新村 源雄君
      細谷 昭雄君    松沢 俊昭君
      安井 吉典君    駒谷  明君
      武田 一夫君    水谷  弘君
      安倍 基雄君    神田  厚君
      津川 武一君    中林 佳子君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  中曽根康弘君
        農林水産大臣  山村新治郎君
 出席政府委員
        農林水産大臣官
        房長      角道 謙一君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    小島 和義君
        食糧庁長官   松浦  昭君
 委員外の出席者
        農林水産委員会
        調査室長    矢崎 市朗君
    —————————————
委員の異動
六月二十五日
 辞任        補欠選任
  三池  信君    大島 理森君
  渡辺 省一君    近藤 元次君
  上西 和郎君    木島喜兵衛君
  串原 義直君    金子 みつ君
  田中 恒利君    奥野 一雄君
  菅原喜重郎君    安倍 基雄君
同日
 辞任        補欠選任
  大島 理森君    三池  信君
  近藤 元次君    渡辺 省一君
  奥野 一雄君    田中 恒利君
  金子 みつ君    串原 義直君
  木島喜兵衛君    上西 和郎君
  安倍 基雄君    菅原喜重郎君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件(米問題)
     ————◇—————
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阿部文男#1
○阿部委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 ただいまより総理大臣に対する質疑を行いますが、質疑者各位は理事会で申し合わせいたしました持ち時間を厳守されますよう、あらかじめお願いを申し上げます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川国彦君。
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小川国彦#2
○小川(国)委員 中曽根総理、農林水産委員会に総理が出席するということは、議会史上、法案ではなく特殊な問題については珍しいことだそうでございまして、本日は、大変どうも御苦労さまでございます。七年前に法案についての御審議には出た記録があるそうでございますが、それほど私ども今日の米問題は非常に重要な問題だと考えております。
 今委員長から時間を厳守するようにという御指示がございまして、時間は厳守してまいりたいと思いますが、限られた時間で私も質問いたしますので、答弁は簡潔に、そしてまた場合によっては文書で後ほど御答弁をいただく、こういうことでお願いをいたしたいと思います。
 最初に、中曽根総理に備蓄の問題にしぼってお聞きしたいと思うのですが、中曽根総理は米の備蓄というのは日本の国民にとって、日本の国家にとって必要なこととお考えになるかどうかです。
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中曽根康弘#3
○中曽根内閣総理大臣 食糧政策の中には食糧の安全保障という面がございまして、米の備蓄はぜひとも必要な重大な政策であると思っております。
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小川国彦#4
○小川(国)委員 必要ということでございますれば、総理の計算でどのくらいの数量が備蓄に必要であるというふうにお考えで。ございましょうか。常識的な判断で結構でございます。一カ月分とか二カ月分あるいは三カ月分あるいは一年分とか、いろいろあろうかと思いますが、総理としてはどの程度の食糧の備蓄が必要であろうというふうにお考えでございますか。
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中曽根康弘#5
○中曽根内閣総理大臣 食管制度との関連がございますので、政府委員から答弁させます。
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小川国彦#6
○小川(国)委員 私は、きょうは総理の出席を願っているので、総理のお答えできる範囲でお答え願えればいいので、このことについては総理はお答えないということであれば、それで結構なんでございます。
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中曽根康弘#7
○中曽根内閣総理大臣 私は、農は国のもとと言っておりますし、また、農業は生命産業であって、工場で機械をつくるような工業とは違う、そういう特殊性をよくわきまえながら、しかも国民の生命を保持する一つの基本的な重大な政策であるということも言っておりまして、そういう意味におきましては、二宮尊徳やら徳川時代から名君というのはみんな備荒貯蓄をやってきておるものであります。そういう意味におきましても、ある一定の数量の備蓄というものは国家存立上不可欠の大事な政策であると思っております。
 それだけに、それじゃどの程度の数量にするかということは、戦後の日本の農業生産の経緯、今まで備蓄してきたことのいろいろないきさつ、そういう経験則もありまして、農林省は一定の数字を計算しつつ考えてきておる、減反政策というものもその間には出てきておる、そういういろいろな総合的な条件を勘案した上で決めてきておると思っております。それは正しいと思っております。そういう意味におきまして、数字にわたることは政府委員から御答弁申し上げますと申し上げておるわけでございます。
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小川国彦#8
○小川(国)委員 いや、食糧庁長官の答弁は要りません。これは総理みずから、日本国民の食糧は最低何カ月分ぐらい備蓄として持つべきだということを、総理の考えとしてもぜひ持っていただきたいと私は思うのです。
 私は、昨年五月十二日の衆議院本会議で、中曽根総理に農業白書で質問いたしました。その際、今回と同じことを私は中曽根総理に質問したのです。そのときに、総理の答弁は「米の備蓄につきましては、その需給についていささかも不安を国民に与えることがないように適切な備蓄水準の確保に努力してまいります。」こういう総理の答弁だったのです。私は、本会議で質問して答弁は一回きりで.ございますから、この「適切な備蓄水準」という総理の答弁に大変不満を感じたのです。なぜなら、私はそのときに、質問では「昭和五十年八月、政府が総合食糧政策の中で打ち出した二百万トン備蓄の考え方はそのまま踏襲されているのか、あるいは新たな備蓄数量を考えているのか、」政府の数量を聞いたのです。そのときに、総理は「適切な備蓄水準」ということで、私がこれだけ明確に、二百万トンを守るのか、新たな水準を考えているのかと言うのに、こういった、恐らくこれは食糧庁の役人がつくった答弁をそのままお答えになったのじゃないかというふうに私は思っていまして、総理みずからこの数量というもの、少なくも国民が年間に食べる食糧の一カ月分とか二カ月分は備蓄として持つべきだという総理の見識を持っていただきたいと私は思うのですが、この点について、私は総理に再度答弁を求めたい。
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中曽根康弘#9
○中曽根内閣総理大臣 本会議でお答えしたことと今私がここでお答えしたこととは、同じ内容であると思っております。つまり、食糧政策及び備蓄の重要性についての認識はいささかも変わっておらないと思っております。
 数量につきましては、先ほど申し上げましたように、食管会計あるいは今までの経験則、そういうようなものから農林省が専門的にはじき出していると思いますから、農林省に答えさせます。
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小川国彦#10
○小川(国)委員 中曽根総理は世界的にも非常に見聞の広い方でありますから、世界の先進諸国でどのような備蓄が行われているかということも御存じのことだと思うのです。スイスやスウェーデン、フィンランド、ノルウェー、カナダ、シンガポール、こういう国では年間消費量の二〇%から三〇%という高い水準の備蓄を行っている。そしてまた、これらの国のうちで、カナダを除いては輸入国でありながら備蓄を法律で決めて国民を安心させている。総理として、こうした備蓄に対し、一つの法律で決めるくらいのお考えをお持ちになれないかどうか、伺いたい。
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阿部文男#11
○阿部委員長 山村農林水産大臣。
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小川国彦#12
○小川(国)委員 山村さん、悪いのですが、きょうは総理にだけ聞きますので、答えられなければ答えなくて、それは延ばします。
 このことについては総理の御答弁がございませんので、次の質問をいたします。
 それでは、総理にお伺いしたいのですが、十一月一日から始まって十月三十一日というのが米穀年度でありますけれども、十月三十一日、ことしの米の年度末に日本の米の数量はどれだけ残っているか、その点については総理は御存じでございますか。
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松浦昭#13
○松浦政府委員 五十九米穀年度末につきましては、在庫を十万トン残して六十年度に引き継ぐというつもりでございます。
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小川国彦#14
○小川(国)委員 私は、こういうことも、食糧問題が重大な問題であると考えるなら、やはり農林大臣はもとより食糧庁においても十分総理に、今米の現状はどうなっているか、年度末でどのくらい繰り越せるのか、明確にすべきだと思うのです。
 それから、今食糧庁長官から十万トンという答えがございました。しかし、私どもがいろいろな調査をいたしまして計算をいたしてまいりますと、ことしの十月三十一日には百五万トンマイナスになる。約一千百万トンの年間の計画の中で百五万トン不足する。ずばり申し上げまして、米の供給量が五十九米穀年度で五百七十七万トンと見ますと、ことしの米の需要量は六百八十二万トン、百五万トンの不足の事態を来す、私どもはこういうふうに考えているわけでございますが、総理は十万トンの持ち越しがあるというこの数字をやはり信頼なさいますか。
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松浦昭#15
○松浦政府委員 ただいま在庫の持ち越し古米十万トンと申し上げましたが、毎年おおむね五十万トンずつ早場の米を早食いをしてまいっております。これは大体例年の例でございます。昨五十八米穀年度の最後には六十五万トンの早食いをいたしてまいりました。さような意味で、ことしは六十五万トンよりもある程度多い早食いをする必要があろうというふうに考えますが、これは先ほど申し上げました在庫の問題とはまた別でございまして、早食いによって端境期を乗り切っていくということでございます。
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小川国彦#16
○小川(国)委員 早食いの量は六十五万トンを超えますか。
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松浦昭#17
○松浦政府委員 私ども、現在の集荷の状況及び需要の動向から見まして、六十五万トンを上回るのではないかというふうに考えております。
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小川国彦#18
○小川(国)委員 六十五万トンの早食いとさらにことしの集荷不足、需要増、これを見てまいりますと、私はどう計算をいたしましてもことしの米穀年度末には百五万トンの不足が生ずる、こういうふうに確信をしておりますが、この点については、総理、大臣、長官、いずれも十万トンの超過でいく、こういうことでお考えでございますか、御三方に御答弁を願いたい。
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松浦昭#19
○松浦政府委員 この点につきましては、先ほどからお答えをいたしておりますように、確かに、集荷の面では現在の段階で六百九十六万トン程度ではないかと思われます。それから、需要の面では六百六十万トンの計画を立てておりましたが、これに対しまして若干多目の需要になってくるのではないかというふうに考えられます。ただ、この数値は、今後の作況、天候の推移等もございますので、まだ確定できる状態ではございません。しかしながら、さような状況から考えまして、先ほど申しましたように六十五万トンの早食いを去年いたしましたが、これよりはある程度多い早食いをいたすという状態になろうかと思います。
 もとより、前々から御説明を申し上げておりますように、ことしの端境期の操作はゆとりのある操作であるということは申し上げられないわけでございますけれども、しかしながら例年の早食いということもございますので、それをもちまして需給の操作に万全を期してまいりたいと思っている次第であります。
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山村新治郎#20
○山村国務大臣 今食糧庁長官が御答弁したとおりでございますが、総理は少なくとも私に農林水産行政というものは一任されておるということでございまして、米の需給等の問題につきましては、いろいろ要点は総理に御報告申し上げますが、詳細等、これはもちろん、食糧庁長官より私の方が詳しくなったなんという事態が出るのと同じようなことが総理に御答弁いただいているようなものではないかと思いますので、大筋で大もとになることをひとつよろしくお願いしたいと思います。
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小川国彦#21
○小川(国)委員 今山村さんの御答弁がありましたけれども、歴代の農林大臣、食糧庁長官、これはもう重大な責任があると私は思うのです。それはまあ自民党さんは防衛が一番重要だと言うかもしれないけれども、我々は国民生活にとって一番重要なのは食糧だと思うのです。人間が生きていく上で何が基本かといったら、食糧なんです。その食糧がこの年度末で幾ら残るのか、日本の国民にとって何年分あるいは何カ月分の備蓄が必要なのかということを総理にしっかりと認識させてないというのは、私はこれは農林大臣も食糧庁長官も重大な責任だと思いますよ。きょうこの席へ出られた総理が、その備蓄の数量についてもそれから米の残高についても掌握をしてないというのは、総理もお忙しいでしょうが、やはり食糧の問題は、生命産業と総理もさっき言われたのですが、生命産業と言うからには、国民のためにその生命を養う糧をどれだけ備蓄しておくのかということは、私はぜひ積極的なお考え方を持っていただきたい。
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中曽根康弘#22
○中曽根内閣総理大臣 食糧の問題は私も非常に関心を持っておりまして、作柄やらあるいは韓国米との関係等の問題もございます。そこで、農林大臣には閣議の後で残ってもらったり、あるいは農林大臣から私にまた直接にいろいろ報告が来ておるところであります。また、食糧庁長官以下農林省の幹部も総理官邸に呼びまして、かなり子細にわたって状況も聞いておるところでございます。そういうところで、決しておろそかにしておるわけではございません。非常に大きな、重大な政策と心得てやっておるところであります。
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小川国彦#23
○小川(国)委員 中曽根総理、我々も短時間の中でお忙しい総理に申し上げるのですが、この食糧問題については、与野党を通じてもう少し国会の中で、公式な場だけではなくて非公式な場でも話し合う、食糧庁の見解だけではなくてやはり議会の見解も公式、非公式にもっと聞く、こういうお考えはお持ちでございますか。これはイエス、ノーでお答えいただいて結構です。
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中曽根康弘#24
○中曽根内閣総理大臣 小川さんから時々教えを受けたいと思っております。
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小川国彦#25
○小川(国)委員 私も総理からそういう御要望をいただければ、大変喜んで同志の皆さんと一緒にこの問題について総理に篤と私どもの意見を申し上げたい、こういうふうに思います。
 そこで問題は、総理は今農林大臣を信頼し、それから食糧庁長官を信頼していらっしゃるということでございます。そういう信頼した数字でいくと、食糧庁は来年の十月三十一日で五十五万トン残す。さっき、ことしの十月三十一日で十万トン残す、それから来年の十月三十一日で四十五万トン、そうすると五十五万トン残す。それから、総理がこの秋の総裁選で再選されると、もう二年間任期が延びると、ちょうど総理の総裁選のころに百万トンになる、こういう計算になるのです。それから、その次の年になると百四十五万トン、こういうふうになるのです。
 この積み重ねは、総理、御理解いただきたいのですが、来年の十月三十一日までに、十万トンの残ったほかに四十五万トンの積み増しをやる。そうすると、四十五万トンの積み増しをするのには、大体米の作況指数が一〇〇ということでなければならない。それから、減反達成率が一〇〇%ということでなければならない。両方が一〇〇%、一〇〇%ぴたりいったところで四十五万トンの積み残しが残る、こういう計算なんです。
 ところが、この十年間の日本の作況指数ですね。この六年間で選ぶと作況指数は九七・七ということになるので、作柄のいいところも入れようと思ってこの十年間を計算しましたら、作況指数の平均が九九・四なんです。しかし、九〇ということもあり得る。九〇ということは、一千万トンで仮に計算すると、作況指数はいつも一〇%下回る。そうすると、一千万トンの米で一〇%下回れば百万トン減収になるのです。こういうふうに毎年作況指数で百万トン減収になるというふうに考えますと、四十五万トンの積み残しをつくろうというのはこの作況指数でも無理になってくる。ましてや減反が、今は全国の農民に一〇〇%以上達成しなければ補助金もやらない、いろいろな貸し付けも近代化資金も貸さないという厳しいことを言っていますから、農民は、一〇〇%では申しわけないから減反を百町歩やるところは百十町歩とか、全部署り増しがあるわけですね。達成率以上上回ってやっている。そうすると、ここでも計算の狂いが出てくる。
 中曽根さん、静岡高から東大へと優秀な成績で行かれた優秀な総理だと私は思っているのですが、中曽根さんでも高校、大学を通して全科目いつも百点を取ったということはないだろうと私は思うのです。それと同じように、この毎年四十五万トンの積み増しを、三年間で百三十五万トンの備蓄をやろうというのには、作況指数がいつも平年作で一〇〇になって、六年間の平均の九七ということではなくて一〇〇になって、減反達成率も一〇〇%を超えてはいけない、一〇〇%でとまれというのは、神わざでなければできないことだと私は思うのですよ。やはりそこで備蓄でもって百万トンなり二百万トンなりの、政府は五十年に二百万トンという備蓄数量を発表してきているのです。だから最低二百万トン、二カ月分、このぐらいの食糧を持つというお考えを持っていただきたいと思うのですが、いかがでございますか。
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山村新治郎#26
○山村国務大臣 小川先生の言うのは、このまま、それこそもしまた冷害でも来たらということですが、ただ小川先生の言われる中でちょっと違っているのは、確かに試験の答案の場合は百点満点でございましょうけれども、作況指数、これは一〇三だの一〇五だのというのもございます。それもひとつお考えいただきたい。
 そしてまたもう一つ、今度の水田利用第三期対策に対しましても、本年度の作況を見た上でこれを弾力的に運用していくということでございますので、本年度の作況を見た上でこれらについて御心配のないようなことをひとつやっていきたいというぐあいに考えております。
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小川国彦#27
○小川(国)委員 山村大臣、もう少し勉強していただきたいと思うのですが、この十年間の平均をとって九九・四、それから水田利用再編が始まってからの六年間をとって平均で九七・七、その中には一〇三の指数の年もあるし一〇八の指数の年も入れているのですよ。入れて、なおかつ低く見ても九七・七という作況指数が平均。これでもう三十万トン不足の事態は起こるのですよ。ですから、やはりそこのアローアンスというのか、許容量というのか、米だけは今のようなお天気次第、いろいろな変化によって動かされるので、その辺をやはり頭に置いていただきたいと思うのです。
 最後に、私は中曽根総理に、備蓄について先ほど私どもの意見も十分聞いてくださるということなので、総理はこれから総理として再選を目指していらっしゃるわけなんですが、総理の任期中に果たして百三十五万トンの政府の言う計画がぴしっとしたものに裏づけできるのかどうか、その辺も検討していただきたいと思う。
 それから学者の意見で言えば、世界の食糧というのは大体二カ月分の備蓄があれば安定している。二カ月を割るといろいろな飢饉、もちろん今飢饉も起こっていますが、暴騰が起こる。二カ月を超えると暴落が起こる。二カ月をめどにして世界の穀物の価格というのは動いているので、やはり二カ月の備蓄は必要だというのは大方の学者の意見にもなっている。そうすると二百万トン、社会党はもっと安定した線で三百万トンを主張していますが、私は、せめて政府が昭和五十年に発表した二百万トンの根拠というのは、相当立派な理由を持った根拠を示されていると思うのです。食糧は、国際的な視点や中長期の視点に立つと、不足基調にあると見通される。日本のように食糧供給を大幅に海外に依存しているような国では、短期的にも、自然災害、国際紛争によってその安定供給が脅かされる事態がないようにする。栄養的な観点、日本型食生活の観点からも米の確保を図っていくべきだ。こう言っているのですね。ですから、総理にこの米の需給というもののめどを、総理の今現在の立場において早急に、備蓄の数量いかにあるべきか、こういうこともひとつ御検討賜りたいということを、私は総理の答弁としてお聞きしたいと思います。
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中曽根康弘#28
○中曽根内閣総理大臣 小川さんの貴重な御意見として承っておきたいと思います。
 確かにおっしゃるとおり、米という問題は国民生活の基本でございまして、生産ということと同時に、また、備蓄ということもそれに劣らない重要な政策の一つであるだろうと思っております。しかし、数量にわたることは、いろいろ作柄や作況指数等も見て弾力的に毎年毎年考えていくべき問題であろうと思います。硬直的な考え方はとらないで、気候の状況やらそのほか全般を考えつつ弾力的に考えていくべき問題であろうと考えております。
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小川国彦#29
○小川(国)委員 総理の御意見でございますが、つくっていく農民の立場になると、例えば第三期対策の中でこれから始まる三年間四十五万トンというふうに備蓄を固定したのは、つくる農家は、毎年作付面積が変わって国から御指示が来るのでは困る、やはりつくるものは毎年安定してつくらしてもらいたい、こういうことだと思うのです。
 ただ、総理や農水省が心配しているのは、仮に四十五万トン三年先にいって、それから同じペースで来たらやはり六百万トン積み上げたような過剰になるのじゃないか、私はこういう心配を持っていらっしゃると思うのです。我々も過剰になることを望むものじゃない。過剰と適正な備蓄の線をどこに置くかということを真剣に考えまして、農家の人たちにまず四十五万トンというものを示したならば、それを確実に別枠で備蓄としてきちんと最低限確保する。五十年の時点で語った農林省が大蔵省に対しても総理に対しても本当に言いたいのは、私は二百万トンの備蓄だと思うのですよ。
 行革と財界の要請の中で農林予算を圧縮し圧縮し、サーカス的な農林行政を強いてきた結果が、韓国から十五万トンの米の輸入になり、さっき申し上げたこの十月三十一日では、大方の農業団体なりあるいは学者なりの見解も、私の百五万トン不足という見解に立っていますよ。総理に言っている農水省の幹部の意見や食糧庁の幹部は、十万トン余るかもしれません。私は、マイナス百五万トンだ、こういうふうに思っている。ですから、やはり総理は、周りの人たちの意見だけではなくて、生産農民の声にも農協代表の声にも国会の声にも謙虚に耳を傾けていただいて、その辺の備蓄を安定ならしむる、こういうお考えをぜひ突っ込んでいただきたいと思いますが……。
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