法務委員会

1987-07-29 衆議院 全135発言

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会議録情報#0
昭和六十二年七月二十九日(水曜日)
    午前十時九分開議
出席委員
  委員長 大塚 雄司君
   理事 井出 正一君 理事 今枝 敬雄君
   理事 太田 誠一君 理事 熊川 次男君
   理事 坂上 富男君 理事 中村  巖君
   理事 安倍 基雄君
      逢沢 一郎君    赤城 宗徳君
      上村千一郎君    木部 佳昭君
      塩崎  潤君    宮里 松正君
      小澤 克介君    橋本 文彦君
      冬柴 鐵三君    安藤  巖君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 遠藤  要君
 出席政府委員
        法務大臣官房長 根來 泰周君
        法務大臣官房審
        議官      稲葉 威雄君
        法務省民事局長 千種 秀夫君
        法務省刑事局長 岡村 泰孝君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局取引部景
        品表示監視課長 本城  昇君
        警察庁長官官房
        審議官     森広 英一君
        警察庁刑事局捜
        査第一課長   広瀬  権君
        警察庁刑事局保
        安部生活経済課
        長       泉  幸伸君
        防衛施設庁施設
        部施設取得第一
        課長      佐藤 友也君
        国土庁土地局土
        地利用調整課長 鈴木 克之君
        国税庁直税部法
        人税課長    買手屋孝一君
        国税庁調査査察
        部調査課長   川端 健司君
        厚生省健康政策
        局医事課長   阿部 正俊君
        農林水産省食品
        流通局商業課長 中村 英雄君
        通商産業省産業
        政策局消費経済
        課長      北畠 多門君
        最高裁判所事務
        総局民事局長  上谷  清君
        法務委員会調査
        室長      末永 秀夫君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 裁判所の司法行政、法務行政、検察行政及び人
 権擁護に関する件
     ――――◇―――――
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大塚雄司#1
○大塚委員長 これより会議を開きます。
 お諮りいたします。
 本日、最高裁判所上谷民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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大塚雄司#2
○大塚委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
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大塚雄司#3
○大塚委員長 裁判所の司法行政、法務行政、検察行政及び人権擁護に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂上富男君。
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坂上富男#4
○坂上委員 坂上でございますが、私の時間は十時から十一時二十分までということになっておりまして、質問事項につきましては一番から八番まで、各関係省庁に御連絡済みでございます。
 そこで何か、今情報によりますと、田中角榮元総理については控訴棄却という判決が出たのだそうでございますが、これに対する詳細の判決要旨の御説明は、法務省の方で情報が入り次第ひとつ判決結果について報告をしていただきまして、それで、それに関連いたしますところの質問を刑事局長にさしていただきまして、十一時まで法務大臣が参議院本会議場におられるそうでございまして、十一時から二十分間遠藤法務大臣にこの判決に対する評価についてお聞きをするということにさせていただきたいと思いますので、随時法務省の方で判決の情報が入り次第御連絡をしていただければそちらの方へ質問を切りかえさせていただきたい、こんな順序でさせていただきたい、こう思います。
 まず、四番目の司法試験改正の方向とその見通しについてお聞きをいたしたいのでございますが、六月の二十日前後に私はバンコクに参りましたら、バンコクの大使館の方へ法務省の方から、タイの国における司法試験制度あるいはこれに関連する問題等について御照会がなされておるそうでございまして、大変幅広く大がかりな司法試験改正の準備がなされているということを知ったわけでございます。一面、全力を挙げて司法試験に合格のために努力しております諸君たちは、この司法試験の改正については大変神経をとがらしているわけでございます。
 そんなようなことから、司法試験は一体いつごろ改正をして新たな試験が行われるのか、そしてまた、その受験科目に局限されるのだろうと思うのでございますが、法務省はどういう方向に考えておられるのか、今どのような準備作業をなされておるのか、ひとつ現段階におきますところの方向と見通し等について、わかる範囲においてお答えをいただきたい、こう思います。
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根來泰周#5
○根來政府委員 前々から委員会でお答えいたしておりますように、最近の司法試験の状況を見ますと、合格者の平均年齢が非常に高くて、在学生の占める率が非常に低いということでございます。要するに、平均的に言えば五、六年受験の勉強をいたしまして、大体二十八歳ぐらいで合格するという傾向にあるわけでございます。そして、決してそういう方が悪いというわけではございませんが、そういう傾向から見ますと、やはり大学に在学している学生が司法試験を受けなくなる、いわゆる司法試験離れというのを起こしているのじゃないかという一般の危惧がございまして、そういう点から司法試験制度というのをもう少し見直したらいいのではないかという意見があるわけでございます。
 一方、司法試験が発足してかれこれ四十年ぐらいになりますけれども、その間大きな変革がないわけでございますが、世間は御承知のように、この間御審議いただいた外国弁護士の受け入れ法案で御審議いただいたときに御意見がありましたように、非常に国際化あるいは事件の複雑化が進んでいる状況にございます。そういう状況下にございまして今の司法試験制度がいいかどうか、あるいは司法試験の合格者の数がいいかどうかという点について検討すべきものというふうに考えている状況にございます。
 ところで、そういう問題を含めまして、今回法曹基本問題懇談会というのを設けていただきまして、いろいろ幅広い御意見をいただいているのでございますが、御承知のように法曹の登竜門というのは司法試験でございます。そういう意味で、この基本問題懇談会においても司法試験の問題を含めていろいろ御検討いただいている状況でございますので、そういう意見を踏まえまして、また各層の御意見を聞き、あるいは立法が必要ということになりましたら法制審議会の御審議も得て国会に法案を提出するという段取りになる状況でございまして、今のところそういう問題点は把握しておりますけれども、現在の司法試験制度をどういうふうに改正するか、あるいは今おっしゃった試験科目もどういうふうに変えていくかということについて特別の腹案はない状況にございます。要するに、そういう問題点を何とか解決する方法はないかということを考えているのでございます。
 一方におきまして、試験制度というのはいわゆる試行錯誤というのは許されない状況でございますので、十分検討いたしまして、国会に法案を提出するという段階になりましたらまたいろいろ御意見を伺いたいと思いますので、その節はよろしくお願いしたいというふうに思っております。
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坂上富男#6
○坂上委員 抽象的なことはこの間聞いたからわかっているのでありますが、具体的にどのような準備をなさっているか。さっき言ったようにバンコクの大使館のところまで何か照会をするようにというような連絡が来ておるそうでございますから、そういうような、今どのような準備をなさっているのかということ、いつごろを目途にしておられるのか、やはり受験生にとってはそれは大変な影響でございますから、そういう点、具体的な点をお聞きしているわけです。
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根來泰周#7
○根來政府委員 私も詳細存じておりませんが、バンコクに御照会しておるということになりますれば、それは法曹基本問題懇談会に提出する資料を集めるということで御照会しているのじゃないかというふうに思います。といいますのは、先ほど申しましたように、基本問題懇談会では司法試験を含めていろいろの法曹養成の問題について御検討いただいている状況にございます。この事務局は官房人事課でやっているのでございますけれども、その官房人事課で基本問題懇談会に提出する資料ということで集めているのではないかというふうに推測しております。
 ただ、ただいまおっしゃいました、それでは具体的にいつをめどにどういう方向でと言われますと、現在のところ全く白紙でございまして、この基本問題懇談会でどういう意見が出るか、あるいは今年度中に何とか御答申をいただけるのではないかというふうに期待をしておりますけれども、その御答申をいただいて、それを検討して、またそれからさらに考えるという状況でございまして、はっきりしためどを申し上げる状況にはございません。
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坂上富男#8
○坂上委員 それはそれでわかりました。
 それから今度は三番目の、即決和解によるところの、国土利用法でしたかの脱法行為に対する対応についてお聞きをいたしたいと思うのでございます。
 御存じのとおりの地価暴騰の状況でございます。そこで、土地取引について規制を行いまして、国土庁に一応届け出をして勧告をいただくというような法律になっておるようでございますが、これについて、裁判所の調停あるいは即決和解あるいは判決、こういうような場合においては届け出を必要としないというふうな条文があるようでございます。そういたしましたら、今度はそれを、俗に言いますと悪用でなかろうかと思うのでありますが、即決和解によってどうも脱法行為をしているというような状況が報じられておるわけでございますが、国土庁の方といたされましては、この脱法行為、そしてこのことが地価高騰の逃げ道になっているか、どの程度御理解をなさっているか、まずお答えをいただきたいと思います。
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鈴木克之#9
○鈴木説明員 御指摘のように国土利用計画法におきましては、一定の規模以上の土地取引をいたします場合に届け出をいたすということになっております。その届け出につきまして、司法の判断を尊重するという観点から、民事訴訟法によります即決和解などを届け出義務の適用除外としておるところでございます。
 この届け出の適用除外となっております調停などのうち、特に最近即決和解が国土法の届け出義務を免れる目的で悪用されているという事例が見受けられるわけでございますが、私どもといたしましては、即決和解の全体の件数につきましては司法統計年報で承知をいたしておるのでございますが、このうちどの程度が土地取引に関するものであるかということについては不明でございます。しかしながら、その一部ではございますけれども、都道府県などからの個別の通報によりまして、届け出義務を免れる目的で即決和解を悪用しているという疑いのある事例が報告されておりまして、それを把握しておるところでございます。
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坂上富男#10
○坂上委員 きのう、下級裁判所、簡裁の審議をさせていただいておるわけでございます。その中で、簡易裁判所裁判官の資質の問題についてまだ議論は出てこないのでありますが、やはり相当問題にすべき部分もないわけではなかろうかと思うのであります。また、この即決和解というのは大体簡易裁判所で行われているのではなかろうか、こう思っておるわけであります。かつまた、この即決和解というものは紛争がなければできないわけでございます。そして、紛争があって、その紛争を解決していただくために申し立てをする、そして裁判所のもとで互譲によって和解ができたということで、和解調書、即決調書というのでしょうか、でき上がることになるわけであります。でありまするから、裁判官によりましては、真に紛争があったのかどうなのか、そしてこのことが和解とどうつながっているのかということは、よくお調べになる裁判官もおありでございます。必ずしも即決和解の条文に沿ってなされていないと思われる前もないわけではなかろうかと思うわけであります。
 しかも、これからまた国土庁から御説明があるのだろうと思うのでありますが、新聞の報ずるところによりますと、裁判所の方に裁判のあり方について要請をなさっておる。例えば、都道府県に照会をしていただいて、申し立てに書かれておるところの金額が適正であるかどうかということもひとつ調べていただいて、このことがひいては即決和解の条件に当てはまっているかどうかというようなことをひとつ御検討をいただきたいというふうになっておるわけであります。いわば、他の官庁から裁判所に対する不信であります。
 しかし、また一方、考え方によっては裁判官に、対する独立の問題あるいは裁判干渉の問題でもこれまたあるわけであります。きのう私は、法務大臣権限法の第四条の発動があるいは司法権の独立に影響するのかどうかということも御指摘を申し上げたところでございまして、そういう問題を実は含んでおるわけでございます。国土庁の方といたしましては裁判所の方にどのような要請をなさるつもりであるのか、これに対しまして裁判所がどのような対応を今なさっておるのか、そして今私が挙げました二、三の問題点についてどのようにお考えになっておるのか、御回答をいただきたいと思います。
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鈴木克之#11
○鈴木説明員 国土庁といたしましては、この即決和解にかかわります国土利用計画法上の取り扱いの問題につきまして、即決和解等の事案処理に必要となります情報を各都道府県の国土利用計画法担当部局から裁判所に対しまして提供するための態勢を整えまして、この態勢の活用方につきまして最高裁判所にお話をしたところでございます。
 と申しますのは、国土利用計画法につきましてはさきの通常国会におきまして一部改正をしていただき、そのときどきの地域の土地取引、地価の動向に対応して弾力的に監視区域の地域指定をいたすというような新しい制度が創設されたところでございます。これによりますと、そのときどきの事態に対応いたしまして監視区域の対象地域が変わっていくということが考えられます。それからまた、国土法に基づきます土地の取引の届け出対象範囲、この下限面積もまた事態に即応いたしまして変わっていく、かなり流動的に変化していくことが考えられるわけでございます。したがいまして、かなり専門的にこの点を掌握しておらないことには国土法上の対応をフォローするということが困難である、そういう考えに立ちまして最高裁判所にお話をしたところでございまして、最高裁判所におかれましては、この旨を下級裁判所に対して周知をしたというふうに聞いておるところでございます。
 今後、私どもといたしましては、求められればそれに対しまして速やかに情報連絡をいたすということを通じまして、国土利用計画法上の運用に揺るぎのないように厳正に対処してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
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上谷清#12
○上谷最高裁判所長官代理者 起訴前の和解と申しますのは、これはもう委員御承知のとおり、本来は裁判所が紛争についていろいろ事情を聞いてあっせんをしながら和解をまとめ上げていくという制度でございますが、実際にはこれが、即決和解という言い方で呼ばれていることからもわかりますとおり、申し立ての前に当事者間で十分話し合いが進められまして、紛争の解決につきまして実際は条項等もほぼまとまった段階で裁判所に申し立てられてくるというのが多いわけでございます。そのために、例えば今問題になっております土地に関する権利の移転について国土利用計画法等の規制等がありましても、当事者の方から積極的に規制内容について説明をしてもらう、それを受けて裁判所が検討するという機会が非常に乏しいという実情にございます。
 ただ、統計的な数字では即決和解の数は非常に多うございますが、これは、今回の問題がございまして、東京周辺の裁判所に土地の権利の移転に関する事件の大体の割合をサンプル的に調べていただきましたところ、多いところで一割強、少ないところですと五%前後というふうな数字になっておりまして、件数としては少のうございます。それから、特に規制の対象となるような広い面積の事件というのはそう多くはございません。私どもの方で、果たしていわゆる悪用と申しますか、脱法行為が行われたかどうか、必ずしも把握できないわけでございますけれども、全体としてまだ。そう多くの数が悪用されているというほどではないように思います。しかし、そうは申しましても、土地の権利の移転に関する規制が脱法的に行われるということがあると困りますので、私どもの方としても、今回こういうことが問題になったのを機会に、各裁判所にせんだっての国会で改正されました改正法の内容とか、それから今回問題にされている内容等をお知らせいたしますとともに、実務の取り扱いについて役立つような事情をいろいろとお知らせしたわけでございます。
 つまり、仮にこういうふうな脱法行為を防止しようということになりますと、先ほど申しましたとおり当事者の方から進んで資料を出してくれるということを期待しにくいものでございますから、どうしても裁判所の方で進んで規制があるかどうか、それから従前の経緯がどうかということを調査しなければいけないわけでございます。そのための材料を裁判所が持たなければいけないわけでございます。ちょうど今国土庁から御説明ございましたとおり、国土庁の方では、各都道府県の方で裁判所からの照会があればできるだけ迅速に裁判所の照会にこたえる態勢をつくりたいというお話がございまして、これは私どもの方としてもそういう情報を知らせていただきますとこういう脱法行為の防止のために大変有益でございますので、そういうことであればぜひともお願いしたいということで、国土庁の方から各種の照会先を御連絡いただき、その照会先へ連絡すれば規制の対象になる土地であるかどうか、何平米以上が規制の対象になるか、あるいはまた国土利用計画法二十四条の規定にございます適正でない価格というのがどのくらいの金額なのかというふうな資料を教えていただける、そういうふうな態勢をつくっていただき、そのことを私どもの方で全国の高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所及び簡易裁判所に連絡したわけでございます。
 これは即決和解でございましても、その他の裁判上の和解あるいは調停、いずれも司法裁判所が独立した判断によってされることになりますので、私どもの方としては、事務当局としてかくかくしかじかの取り扱いをしてほしいという趣旨で、通達というような形で流すわけにはまいりませんので、材料を提供しまして各裁判所の判断の資料を豊富にしていただく、そういう趣旨で連絡をさせていただいたわけでございます。今後、八月一日から施行されるいわゆる監視区域の指定につきましても、指定がなされた場合にはその資料等をそれぞれの裁判所に速やかにお送りいたしまして、裁判官が容易に必要な資料を収集しまして、適切な和解、調停等の処理ができるような態勢を整えてまいる所存でございます。
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坂上富男#13
○坂上委員 ちょっとまた後で聞くことにいたしまして、時間がありませんので、今度は豊田商事の不当利得返還と所得税還付についてお聞きをいたしたいと思います。
 まず国税庁にお聞きをいたしたいのでありますが、国会で豊田商事の問題が取り上げられました。いわばこれは詐欺をする会社じゃなかろうかというような論旨でもって取り上げられたわけであります。そこでその間、国税局の方で、国税庁というのでしょうか、二回にわたりまして調査に入られたそうでございます。そしてその結果、多分五十八年の九月に調査をなさいまして、三月に修正申告させた、こういう話を聞いているわけであります。
 そこで、そのときの実態調査によりますと、豊田商事といたしましては収支はとんとんだ、したがって法人税は納入しなくともいい、こういう申告がなされていたのだそうでございますが、それは著しい粉飾決算である。膨大もない、数額にいたしますと数百億にわたるところの欠損が出ている、したがってこれについて修正申告せいというような指導があった、こう聞いておるわけであります。前後二回にわたりまして国税庁が調査なさったのだそうでございますが、その調査の日時と、そして粉飾決算の実態をまずお話しいただきたいと思っておりますが、国税庁おられますか。
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川端健司#14
○川端説明員 ただいま先生御指摘されました問題でございますけれども、まず、個別にわたることにつきましては、私どもの方、事柄の性質上答弁は差し控えさせていただきたいと思いますが、まさに御指摘の点については、当該豊田商事において犯罪的な実際行為があったのではないか、詐欺まがいのことがあったのではないかというようなことを中心にして国会でも議論があったではないか、その辺について国税当局はしかるべききちんとした手を打ったのか、こういうような御趣旨だろうと私理解させていただきます。
 私どもの方で実際に調査した段階につきましては、一般的には、犯罪の嫌疑があるというような場合には、御案内のとおりに刑事訴訟法の第二百三十九条第二項に規定します公務員に課せられております告発義務でございますけれども、それから国家行政組織法第二条第二項に規定します行政機関相互の連絡をすべきではないかというような問題を私ども意識しているわけでございます。
 この点についてお話し申し上げますと、一般の私どもの税務調査は犯罪を捜査するということを目的としたものではございませんで、先生御案内のとおりに税務申告が適正になされているかどうかという観点で行っているものでございます。そのために、私ども国税職員には犯罪行為に当たるかどうかという確認に必要な専門的知識がございません、かつ税務調査上におきましては犯罪行為を確認するという段階がないということなどからいたしまして、その確認にまで至らなかったというような実情でございます。
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坂上富男#15
○坂上委員 国会で問題になってから大体何回調査をなさったか、こういう質問もしておるわけであります。粉飾決算について、調査の結果がこういうことであった、そういうことをお聞きをしておるわけでございますので、もう少し具体的にお話しをいただきたい。ただ、税法上言えないというのだったら、それなりのまた意見がありますから。
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川端健司#16
○川端説明員 調査をしましたのは、五十八年に一回でございます。
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坂上富男#17
○坂上委員 どんなことがわかったのです。
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川端健司#18
○川端説明員 私どもの方では、税務調査、一般的に課税上不適正な会計処理に基づいて申告を行っているような事実を把握した場合には、更正決定の期限の制限内の事業年度分につきましては適正な課税処理を行うということで、またさらにはその後の事業年度分につきましては適正な会計処理に基づく申告を行うようにということを指導することといたしております。したがいまして、適正な会計基準に基づくところの申告をしなさいという指導をするという立場でございます。
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坂上富男#19
○坂上委員 どうもちょっと答えがたいような答弁でございますが、御存じのとおり、私から言わしてもらいますと、五十八年の九月に皆さんが調査なさった。どうもこれは粉飾決算である。赤字もないし黒字もないということで、とんとんであるという申告、しかしこれは粉飾決算である、修正申告しなさいということで修正申告をさせた、その金額は数百億円の欠損である、こう私らは理解しているわけです。
 それに基づいて考えられることは、この会社は赤字続きで、民衆から集めておる金は、全部自分たちが給料その他の名目でもって食っていくためにのみ預かっているのであって、もうこの赤字を回復するだけの力と能力はない、考えてみればまさに詐欺的手段によって金を集めているのではなかろうかと、五十八年のこの調査の段階で、特に法を取り扱う税務署、国税庁の立場としてはおわかりになったのではなかろうか。しかし君たちは、一人は一千万、一人は五百万、一人は一千二百万と報酬をもらっておる、これについて源泉を納めろ、こういうようなことでお取りになっているのじゃなかろうか。時間がありませんから指摘だけ申し上げますが、こういう人たちはどう言っているかといいますと、国税庁こそ悪徳商法をやっているのではないか、こういう言葉が実は聞こえてくるわけです。今私が御指摘申し上げましたことについて、国税庁としてはどのように御答弁なさいますか。
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川端健司#20
○川端説明員 まず、修正申告の話でございますけれども、先生御案内のとおりに、修正申告は当初申告した課税標準額よりもさらに所得がふえるという場合に、納税者側の方におきまして修正申告をするという道は開かれておりまして、一般的にさらに所得が減額するという場合には、更正の請求という手続を経て税務署に対してその対応を求めるという制度がございます。したがいまして、先生御指摘のとおり、この会社は、一般論でございますけれども、三月決算であれば三月に申告するという形のものでございます。したがいまして、修正申告というのは現実申告所得金額がさらにふえる場合だけでございます。私どもの方では、先ほど申し上げましたとおりに、実際に申告が適正であるかどうかという観点から質問検査権を行使しておりますものですから、専門的に犯罪があるかどうかというところまでの知識もございませんし、そういうようなことを確認する段階もないという事情にあることをひとつ御賢察願えればということでございます。
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坂上富男#21
○坂上委員 幾ら頭が悪くとも、賢察するわけにはいきません。これはひとつ国税庁にもお願いをしたいのでございますが、豊田商事関連者から皆様方が源泉徴収として取られた金は、やはりそういうふうに国税庁そのものがもう五十八年の段階で、このことは違法のある金なんだということで源泉徴収をなされていたのだということは、私はこの点からも言えると思っているわけでございます。
 そこで、この間、二十名について判決があったわけであります。国税庁は、お返しになったのは約五千万から六千万だそうでありますが、向後、判決があった場合にのみ、これに類似の場合のみ源泉で取った金はお返しいたしましょう、こういう御答弁だそうでございます。被害者たちは、この判決で、七十四億円とは言えないけれども、これに相当するような近い金まで返還ができるのじゃなかろうかということを期待をしたわけです。しかもお年寄りです。女性や老人をだまして、今言ったように金を集めた。そして自分たちは給料、歩合だといってこれを使っていた。そしてその上前を国税庁はお取りになっていたわけでございます。だから、言葉はきつうございますが、皆様方の中から、これは国税庁こそ悪徳商法じゃなかろうかとまで言っているわけでございます。そういう実態でございまするので、この間の源泉の還付は、おまえたち裁判を起こしてきた者のみ返すというやり方は余りにも無慈悲なのじゃなかろうか。
 一番最初に、国税庁はこういう答弁をなさっていたわけであります。「従業員報酬の民事上の効力、これがあるのかどうか、その判断を裁判の結果を待ちまして、そこで確定いたしました権利義務あるいは経済的事実、そういうものに基づきまして適切な対処、対応をしてまいりたいというのが私どもの立場でございます。」というのが裁判中の御答弁でございます。だから二十人の判決があれば、これに準拠して、これはどうも、これはこうだ、一つ一つ個別的に二十人以外の人にどう適用するかということを御検討いただくものだとばかり私たちは思ったわけであります。しかし、皆さん方の方は、二十人以外返しません、必要ならば判決を持っていらっしゃい、こういう無慈悲な対応でございます。一言でいいですから、今後ともこういうことのないように、もっとこういう被害者、管財人とお話し合いをして、救済のためにひとつ御努力をいただけるかどうか、御答弁いただきたいと思います。
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買手屋孝一#22
○買手屋説明員 お答えいたします。
 先生御指摘の、当委員会におきましてもいろいろ御議論があったことを承知しておりますが、今回の判決でございますけれども、特定の外交員の特定の期間に受けた極めて高額な外交員報酬について判示したものでございまして、この判決では、まず豊田商事の商法の違法性につきまして、この違法性は極めて強いというふうに評価した上で、次に個々の外交員の勤務期間であるとか、あるいはその社内の経歴あるいはセールスの方法、そういった違法性を基礎づける主要な事実について、個別にその違法性の認識を認定をいたしまして、これらの社員が違法性を有する会社の商法に加担した、そういうふうに位置づけまして、その結果として、その歩合報酬が公序良俗に違反し無効であるから不当利得に当たるということになっておるわけでございまして、私どもといたしましては、こういった判決を受けまして、この外交員報酬につきまして、納税済みの源泉徴収税は過誤納金に当たるということで、先般、先生御指摘のように管財人の方に還付をいたしたところでございます。
 一方、私どもの税務上の処理と申しますのは、租税を徴収するにいたしましても、あるいは還付するにいたしましても、法律の規定に従って適正にやらなければならないわけでございまして、したがって、一般論でございますけれども、既に徴収されております源泉所得税を還付できる場合と申しますのは、一つは、源泉徴収の対象となりました所得の支払いが誤りであったために返還された場合ですとか、あるいはその所得が源泉徴収の対象とならないことが法的に明確にされた場合などに限られるわけでございます。
 また、これも一般論でございますけれども、先ほど申し上げたような判決が出た場合における支払済みの給与あるいは訴外の外交員の報酬、それから被告にかかわる返還の対象とされた期間前の報酬につきましては、この判決の影響を受けるものではないというふうに私ども考えておるわけでございまして、こういったことから、今回の裁判による判決が下された外交員報酬以外に係る源泉所得税というものは現時点では還付することができない、そういうことでございます。
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坂上富男#23
○坂上委員 今後どうするか。
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買手屋孝一#24
○買手屋説明員 今後のことでございますけれども、私どもといたしましては、今後新たに不当利得返還請求訴訟が提起された場合には、そういった訴訟の判決があって、外交員報酬の返還が確定というような場合には、さきの判決の対象とされました外交員の報酬に係る源泉所得税と同様の取り扱いを行うこととしてまいりたいというふうに考えております。
 それからまた、裁判上の和解があった場合には、原則といたしまして、外交貝報酬が実際に返還されたときには、その返還された金額に係る源泉所得税を還付してまいりたいというふうに考えております。ただ、和解に至る経緯ですとかあるいは審理の内容から見まして、外交民報酬について、これが無効を前提にしているというふうに確認できる場合には、実際の返還がない場合でも還付してまいりたい、かように考えております。
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坂上富男#25
○坂上委員 大変不満でございますが、論議はもう少し続けさせていただきますが、またほかのこともありますので、大変不満であるということだけ表明して、ひとつできるだけ、裁判をしなければ取れないようなことのないように御配慮を特に要望だけしておきます。
 では、刑事局長がお見えのようでございまするので、できましたら丸紅のロッキード判決についての要旨などお聞かせいただきたいと思います。
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岡村泰孝#26
○岡村政府委員 本日、東京高裁におきましてロッキード事件のいわゆる丸紅ルートに関します控訴審の判決がございました。
 主文でございますが、五名の被告人のうち伊藤被告に関します原判決を破棄いたしまして、伊藤被告に懲役二年執行猶予四年の刑を言い渡しております。これは一審は実刑の判決でございましたが、控訴審におきまして執行猶予を付したということでございます。そのほかの四名の被告人につきましては、いずれも被告人側の控訴を棄却いたしております。すなわち、一審の有罪判決を控訴審においても維持したということでございます。
 判決の理由の骨子でございますが、嘱託証人尋問調書の証拠能力につきましては、米国の裁判所に対し国際司法共助に基づく証人尋問の嘱託をした手続は適法である。検察官が公訴権行使の一態様として証人らに対し不起訴確約をした措置に違法はなく、右不起訴確約に基づき自己負罪拒否特権を消滅させ重言を強制して獲得された本件嘱託証人尋問調書は、違法に収集された証拠に当たらない。本件嘱託証人尋問調書が刑訴法三百二十一条一項三号書面に該当するとして、これに証拠能力を認めた点に違法はないということであります。
 次に、事実の認定でありますが、これにつきましては、原判決の事実認定に誤りはないといたしております。
 次に、職務権限でありますが、運輸大臣は職務行為として定期航空運送事業者に対し、特定機種の航空機を選定購入するよう勧奨する行政指導をなすことができる。内閣総理大臣は、内閣法六条所定の指揮監督権限の行使として、昭和四十五年十一月二十日の閣議了解等に基づき運輸大臣に対し右行政指導をするよう指揮する職務権限を有するというふうに判示いたしておるところでございます。
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坂上富男#27
○坂上委員 総理大臣の犯罪でございまして、私も田中角榮代議士と選挙区を同じくしているものでございまして、罪を憎んで人を憎まずという心境ではございます。
 しかしながら、事は金権政治と腐敗と汚職の政治構造を断罪したものだと私は理解をいたしておるわけであります。ロッキード事件は、まさにけじめをつけることが真の政治倫理確立の根幹だと私は理解をしておるわけであります。もちろん高等裁判所の判決でございますから、被告人の皆様方には上訴権があるわけでございます。多分これを行使になるのだろうと思うのでございます。今実刑判決に結果的になった皆様方は、保釈によって出ておるわけでございます。控訴棄却という判決によりまして、保釈の効力を失ったということになるわけであります。第一審でありますれば出頭義務がありますから、その場から、保釈の効力を失ったから連れられて拘置所に行くわけでございます。控訴審は出頭義務はございませんので、在宅されておるのだろうと思うのでございます。上訴に伴いまして、保釈の許可がない限りは原則として勾引しなければ、あるいは勾留しなければならぬという状態になるのだろうと思うのでございますが、まずこの点いかがでございますか。
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岡村泰孝#28
○岡村政府委員 この点につきましては、再び保釈を請求して裁判所がどう判断するかということは、これは裁判所の問題でございますけれども、再保釈になるという道もあり得るわけでございます。
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坂上富男#29
○坂上委員 おわかりならお答えいただきたいのですが、再保釈の申請はなされたのでございますか。
 それから、直ちにというわけにもいかないのでございましょうが、そういたしますと、田中代議士が今病気でおられるということも聞いておるわけでございますが、検察といたしましてはどの程度の病気、これがやはり保釈に対する意見を述べる上において重要な影響を及ぼすのだろうと思います。また、場合によっては勾引をするにも重要な影響を及ぼすのだろうと思うのでありますが、どの程度の事実認識、今おわかりならばお答えいただきたいのですが。
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