土地問題等に関する特別委員会

1989-11-07 衆議院 全191発言

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会議録情報#0
平成元年十一月七日(火曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 大塚 雄司君
   理事 粟屋 敏信君 理事 大坪健一郎君
   理事 大原 一三君 理事 桜井  新君
   理事 井上 普方君 理事 薮仲 義彦君
   理事 青山  丘君
      今枝 敬雄君    江口 一雄君
      加藤 六月君    金子原二郎君
      亀井 善之君    木部 佳昭君
      鯨岡 兵輔君    古賀  誠君
      佐藤 守良君    椎名 素夫君
      田村 良平君    武村 正義君
      谷  洋一君    中島  衛君
      穂積 良行君    柳沢 伯夫君
      大原  亨君    菅  直人君
      辻  一彦君    中村  茂君
      小谷 輝二君    中村  巖君
      森田 景一君    辻  第一君
      中島 武敏君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 原田昇左右君
        国 務 大 臣 石井  一君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        長       北村廣太郎君
        国土庁計画・調
        整局長     長瀬 要石君
        国土庁土地局長 藤原 良一君
        建設大臣官房審
        議官      白兼 保彦君
        建設省建設経済
        局長      望月 薫雄君
        建設省都市局長 真嶋 一男君
        自治省税務局長 湯浅 利夫君
 委員外の出席者
        大蔵省主税局税
        制第一課長   長野 厖士君
        大蔵省銀行局中
        小金融課長   武藤 敏郎君
        建設大臣官房審
        議官      河原崎守彦君
        建設大臣官房審
        議官      立石  真君
        土地問題等に関
        する特別委員会
        調査室長    若杉 公朋君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 公聴会開会承認要求に関する件
 土地基本法案(内閣提出、第百十四回国会閣法第六一号)
 国土利用計画法の一部を改正する法律案(内閣提出、第百十四回国会閣法第六二号)
 土地基本法案(伊藤茂君外三名提出、第百十二回国会衆法第一五号)
 国土利用計画法の一部を改正する法律案(大出俊君外八名提出、第百十一回国会衆法第一号)
 派遣委員からの報告聴取
     ────◇─────
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大塚雄司#1
○大塚委員長 これより会議を開きます。
 第百十四回国会、内閣提出、土地基本法案、第百十四回国会、内閣提出、国土利用計画法の一部を改正する法律案、第百十二回国会、伊藤茂君外三名提出、土地基本法案及び第百十一回国会、大出俊君外八名提出、国土利用計画法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 ただいま議題といたしました各案の審査のため、去る十月二十四日、二十五日の二日間、愛知県、大阪府及び兵庫県に委員を派遣いたしました。
 この際、派遣委員から報告を求めたいと存じますが、私が便宜この席から御報告申し上げます。
 派遣委員は、団長であります私のほか、粟屋敏信君、大坪健一郎君、大原一三君、桜井新君、井上普方君、薮仲義彦君、青山丘君、辻一彦君、辻第一君の十名であります。また現地において、小谷輝二君、西村章三君の二名が参加されました。
 以上十二名をもちまして、愛知県、大阪府及び兵庫県における最近の地価動向、土地利用等の状況を聴取するとともに、関係の現地視察を行ってきたのであります。
 まず、第一日目の二十四日は、愛知県より、第四次全国総合開発計画に位置づけられた産業技術の中枢圏域づくりを進めていくため、中部新国際空港、リニア中央新幹線、第二東名・名神自動車道等の大規模プロジェクトの実現に取り組むには有効な土地対策が必要であり、そのためにも土地基本法を制定されたいとの要望があり、次いで本年の愛知県の地価調査、監視区域制度の運用等についての説明を聴取しました。
 続いて、派遣委員と愛知県及び名古屋市の間において、(1)地価の平均変動率が鈍化している理由、(2)監視区域の指定基準、指定による事務量、指定の効果、(3)金融機関の不動産業向け土地融資の状況、(4)未利用地、低利用地の状況、(5)宅地の需給状況と仮需要、(6)地価公示、相続税評価、固定資産税評価の状況、(7)住宅取得価格、(8)宅地並み課税の対応等について熱心な質疑が行われました。
 続いて、記者会見を行いました。
 第二日目の二十五日は、大阪市の大阪駅北地区再開発を視察しました。同再開発対象地は、旧梅田貨物駅跡地、旧大阪鉄道管理局舎用地で約二十二ヘクタールあり、同用地について国鉄清算事業団より説明を聴取しました。また、同地区再開発について、現在大阪駅ターミナル問題懇談会において開発構想を検討中とのことでありました。
 次に、大阪府より、東京一極集中の是正と地方分散の必要性、有効な土地税制の活用、不動産業向け土地融資の抑制等による土地対策の確立と土地基本法の早期制定の必要性及び旧国鉄用地跡地の利用に当たっての地元の意思を尊重されたいとの要望がありました。次いで、大阪府の本年の地価調査、監視区域制度の運用等について、また大阪市より同市の再開発プロジェクトについて説明を聴取しました。
 続いて、派遣委員と大阪府及び大阪市の間において、(1)監視区域制度の地価抑制効果、不正届け出の有無、指導価格、(2)大阪の地価上昇と東京の地価水準との関係、(3)未利用地の状況、(4)将来人口、(5)宅地の需給状況と仮需要、(6)東京の資本と大阪の地価上昇、(7)宅地並み課税の対応等について熱心な質疑が行われました。
 続いて、記者会見を行いました。
 次に、神戸市が開発中の六甲アイランドを視察しました。同プロジェクトの全体計画は、面積五百八十ヘクタール、計画人口三万人、戸数八千戸、総事業費一兆二千四百億円でありますが、平成元年度の造成面積の進捗率は八七%が見込まれております。また住宅ゾーンについて見ますと、現在の供給戸数は約一千戸、定着人口は約三千人であり、中高層住宅の入居倍率は平均二十六倍、最高倍率は二百倍とのことでありました。
 次に、兵庫県より、阪神地域の地価が上昇し、監視区域の指定等地価対策を進めているが新しい土地対策が必要であり、そのためにも土地基本法を早く制定されたいとの要望があり、次いで同県の本年の地価調査、監視区域制度の運用等について説明を聴取しました。
 続いて、派遣委員と兵庫県及び神戸市の間において、(1)宅地の需給状況と住宅計画、(2)知事権限による土地融資の抑制、(3)都市計画事業と建築等
の制限、(4)用地の先行取得、(5)地価上昇と仮需要、(6)淡路島の乱開発の規制等について熱心な質疑が行われました。
 以上が調査の概要でありますが、愛知県、大阪府及び兵庫県における最近の地価上昇は、その要員として低金利、金余り現象といった経済情勢、東京と比較しての割安感、地価の先高観による土地需要の根強さ、また都市基盤等の整備による土地の効用増等が指摘されたのでありました。
 また、いずれの説明会においても、金融機関等の不動産業向け土地融資の強力な規制、監視区域の指定に伴う事務量の増加等についての意見がありました。
 また、愛知県、大阪府及び兵庫県とも実効ある土地政策が必要であるとして、投機的取引の抑制、適正な土地利用、土地税制の活用を図るための土地基本法の早期制定について要望されたのであります。
 最後に、今回の調査に当たり、関係方面から本委員派遣に対して御協力を賜りましたことを深く感謝し、御報告といたします。
    ─────────────
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大塚雄司#2
○大塚委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。桜井新君。
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桜井新#3
○桜井委員 自由民主党を代表して、質問に入らしていただきます。
 私は、ことしの六月の初めでしょうが、宇野内閣誕生まで国土庁政務次官をやらしていただいて、向こうの方に座っておる立場であったわけでありますので、なかなか質問もしにくいわけでありますが、できるだけ御理解をいただけるようにただしてみたいと思うわけであります。
 さて、今委員長から報告がありましたように、先般、名古屋、大阪、兵庫と三県の視察もやったところでありますが、それとの関連も踏まえてたださしていただきたいと思います。
 最初に、最近の土地問題をめぐる諸情勢に対する私の感想を申し述べながら質問に入らしていただきたいと思うわけであります。
 去る七月の参議院選挙では、自由民主党は結党以来の大敗北を喫したわけであります。事のよしあしは後代の人たちが決めるにしても、当分の間は政治の流れを変えてしまったことは事実であります。この選挙で大きく国民の批判を受けた問題を三点セットと言っておりましたが、それだけでありましょうか。私はそうは思われないのであります。これは単なる引き金になっただけで、その他経済や社会機構に対するいろいろの不公平や不公正に対する長い間の不満が、一挙にこのことで噴き出したのではないだろうかと思っておるわけであります。
 最近特に、今も委員長からお話がありましたが、金余り状態から生ずる異常なまでの株や土地に対する投機、ぬれ手にアワといったような一般庶民の手の届かないような暴利に対する不満が政治不振を募らせたのではないでしょうか。また、最近の世論調査等を見ましても、土地に対する不満と政治関心は特に高いようであります。
 さて、一方、顧みますれば、戦後四十年の努力の結果、日本はとうとうGNPもアメリカをしのぐほどになったわけであります。大変喜ばしいことではあります。しかしながら、先般も小売価格の国際比較が発表になりましたが、日本の物価は高過ぎて、国民は世界一の金持ちになったという実感がわきません。ここに不満の種があるのではないでしょうか。殊に、大都市のサラリーマンには、土地や住宅に対する不満は大変なものであります。これはまさにマネーインフレであり、土地インフレでなくて何でありましょうか。
 戦後の日本は、涙と汗の結晶で今日の経済を築いてきたわけでございます。しかし、今日は、汗を流さずに株や土地でもうける人が偉いと若者を引きつけております。大学を卒業するエンジニアたちが、本来の職場である工業界に行かずに証券会社や不動産屋や金融機関に魅力を感じて流れる傾向は、日本の将来を考えるときに大変恐ろしいことだと思っておるわけであります。株や土地の投機取引がやがて資本主義や自由経済の落とし穴とならなければよいがと考えることは考え過ぎでありましょうか。今や共産圏も経済的には大矢敗で自由化へと大転換を図りつつあることは御承知のとおりであります。もって他山の石とすべきではないでしょうか。
 株投機は国際協調がなければ改善はできないと思われますので、いわゆるサミットで、G7とかG5の課題として取り組まなければならないと思っておりますが、土地問題は日本独特のものだと聞いております。野党四党からも共同提案で土地基本法案が提起されました。今をおいてほかに解決する機会が一体あるのでしょうか。今こそ国民的課題として解決しなければならないときだと理解をいたしております。もちろん住宅対策という視点からだけでは土地問題は解決いたしません。日本列島全体としてバランスのとれた農工商及び住宅と各分野からの考察をするとともに、金融政策の一環である、つまり担保力になっておるということでありますが、この問題も大きくメスを入れる必要があると思います。
 さてそこで、お尋ねに入らせていただきますが、これまでも国土利用計画法や都市計画法等を初めとして多くの実行法が施行されておるわけでありますが、その中でここに土地基本法を提案をし、制定をしようというわけでありますが、この役割は一体どういうことをねらっておるのか、どんな効用を期待しておるのか、大臣からその目的をまず最初にお聞かせをいただきたいと思います。
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石井一#4
○石井国務大臣 桜井委員から所感を交えた最近の日本社会に対する警鐘と申しますか、確かに御指摘のとおり大変正しい面があるというふうに認識いたしております。
 近年、社会の公正さに対する国民の信頼が揺らいでおる最大の原因の一つに地価の異常な高騰というのがあり、そうして持てる者と持たざる者との格差がさらに拡大をしておるということ、これは看過できない問題だというふうに認識をいたしております。そういう観点から、今回いろいろの経過がございましたけれども、政府提案の土地基本法案というものを提出いたしまして、土地についての共通の認識を確立するため、次の四つの基本の理念を定めたい、そう考えておるわけであります。
 第一に、土地については公共の福祉のため公共的制約が課せられるべきものであるという原則を定めたいということ。
 第二に、土地は国民のための限られた資源であることから、適正にまた土地利用計画に従って利用されるべきであるということ。
 第三に、投機的取引が地価の高騰等国民生活に重大な支障を及ぼしておることにかんがみ、土地は投機的取引の対象とされてはならないということ。
 第四に、社会的な公平を確保するため、土地の価値の増加に伴う利益に対しては適切な負担が求められておるということ。
 以上申し上げました四つの基本理念というものを国民のコンセンサスとして確立し、そうしてその基本のもとにもろもろの政策を実行していくことによってこの最大の国民的課題というものに取り組んでいきたい。とりわけ、我が国には土地神話というものが存在しておるようでございます。土地というものが他の資産に比べてはるかに有利なものであり、持っておる者はさらにそれに富が加わっていく、持ってない者はさらに厳しい情勢になっていく、土地さえあれば有利な条件ができるというような、憲法二十九条に規定されておる私有財産権の問題ではございますけれども、しかし同時に、土地というものは余りにも経済的、社会的、その他に影響の大きいものであり、個人のものとしてのみ考えるというのには限界がある。特に、これだけの狭い国土の中においてはそういう形において公共の福祉を優先するという考え方を基本的に持っていただきたい。そこからスタートラインとして土地基本法の理念のもとに土地政策というものを大きく転換していきたい。ここが本法の目的とするところでございます。
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桜井新#5
○桜井委員 長官の御説明、全く同感でございます。
 そこで、この土地に対する国民的な不満というか、土地問題を解決するために、私は二つの視点から考察する必要があると思っておるわけであります。
 その一つは、都市部の利便性の高い土地について、どうしても人が集まってきてそれを取得したいという高い希望があるわけでありますが、しかし、都市部は利便性が高いだけにいわゆる地価も大変高いわけであります。このことに対して、特に三大都市圏等は一般サラリーマンの手の届かないようなことになってしまったというところに大きな不満があるわけであります。しかし、利便性が高いところは高くなるのは当然なんだと思うわけでありまして、これを規制したり解決する方法はなかなか難しいとは思います。ただ、先ほども私、所感の中で申し上げたように、諸外国と比較した中で日本の地価が余りにも高過ぎる、そして日本の資産の中で占める土地資産のパーセンテージも余りにも高過ぎる、こういうところに問題があるのだろうと思いますから、こういうことを恒久的にあるいは全党的に解決をすることが一つの大きな課題だろうと思っております。
 それからもう一つは、短期的な投機的取引などで異常高騰をしておる土地取引です。これは特に、そのことがただ土地の高騰ということだけではなくて、いろいろな社会的な悪影響を及ぼしておる、そしてまた、ぬれ手にアワというようなことに対する一般サラリーマン、額に汗して働く人たちの不満が一層募っておるわけでありますから、このことについては、特に短期的な処置としていろいろ行政対策を講ずべきだろうと思っておりますから、今度基本法制定によって理念法ができたら、それに基づいてそれらのことを実行法でどう詰めていくかということが一番大きな問題だろうと思っておるわけであります。
 そこで、前段私が申し上げた都市部の土地が高過ぎる対策については、東京一極集中を排し、地方の活性化を図り、都市の再開発を進めるなど、国土のバランスある活用を推進することが肝要かと思いますが、基本法の効用はいかがなものか、局長からひとつ御説明をいただければありがたいと思います。
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藤原良一#6
○藤原(良)政府委員 御指摘のとおり日本の地価というのを諸外国の地価と比べますと、いろいろ原因はあろうかと思いますが、非常に高水準でございます。原因といたしましては、非常に狭い国土で非常に濃密な社会経済活動を営んでおるということもございましょう。面積当たりの人口密度にいたしましても、あるいはGNP比率にいたしましても、先進諸国と比べましても二、三十倍の高さでございますから、非常に土地生産性が高いということもあろうかと思います。そういうことも関連して、非常に国民の土地に対する執着意識も強い、もろもろの原因が影響しているのだと思いますが、特に大都市部の地価水準が高いというのは非常に問題でございます。
 これに対しましては、やはり長期的には需給バランスを確保するような施策を強力に推進する必要があると思いますが、特に需要対策といたしましては、先生がおっしゃいましたように、東京に一極集中しております人口、諸機能をできるだけ地方に適正に分散しまして、多極分散型国土形成を図っていくということが大変重要だと思っております。また短期的には、地価高騰の非常に大きな要因の一つでございます投機的な取引、これを抑制していく、そういう中で供給の確保も図りながら需給バランスを講じていくということが大切だと思います。この土地基本法では諸機能の分散にまでは直接触れておりません。この基本法は、財産権の対象となります個々の土地の使用収益に直接着目しまして基本法の中身を決めております関係上、その点には直接触れておりませんけれども、土地は適正に利用されるべきだ、計画に従って利用されるべきだということを基本理念でも強調してございますので、国土利用計画法あるいは多極分散型国土形成法等々と相まって、そういう均衡ある国土の発展を図っていきたい、そういうふうに考えております。
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桜井新#7
○桜井委員 今御説明のとおり、確かに国土面積全体から見た人口密度は世界一高いと言ってもいいだろうと思いますが、しかしそれにしても、まだ過密地帯というのは限定をされて、狭いと言われる国土がかなりまだ活用されていないということでありますから、どうぞひとつ、今お話を承ったような趣旨で積極的な政策の展開を、この法案が通りましたら実行法で進めるように各省を督励していただきたい、こう思うわけであります。
 また、先ほど申し述べました後段のいわゆる投機的取引、今も触れていただきましたが、投機的取引の結果生ずる異常な地価高騰に対する基本法の効用はどんなことを考えておるのか。これには、いずれ規制や誘導は実行法でやるにしても、なぜ投機的取引をするのかということを究明し、そして、それをやれば、こういう取引をやれば損をするんだという施策がなければ、ただやっちゃいかぬ、やっちゃいかぬということじゃなくて、そこに自発的にやれない、やれば損だという施策がなければならぬと思うわけでありますが、これは基本法の中でそういう方向性を強く打ち出すべきだと思っておりますが、いかがお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
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藤原良一#8
○藤原(良)政府委員 お答えいたします。
 土地基本法の中で基本理念の一つといたしまして、土地は投機的取引の対象とされるべきではないと宣言しております。また、これを受けまして基本的な施策におきましても、投機的取引が国民生活に及ぼす弊害が非常に大きいわけですから、そういう取引に対する規制措置を講ずるという旨、規定しておるわけでございます。これまでも投機的取引に対しましては、例えば監視区域制度の運用、土地税制、金融機関等に対します指導、そういう中で抑制を図ってきたところでございますが、基本法制定の暁にはさらにそういうスタンスを明確にして引き続き強力に投機的取引を規制していく必要がある、そういうふうに考えております。
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桜井新#9
○桜井委員 とにかくこれは宣言法であり、理念法だと思っておるわけでありますが、それだけに、この中にかなり強く方向性を打ち出して、それに基づいて実行法がこれから新しくつくられたり改正されたりしていくということでないと、せっかくつくってもなかなか期待ができない、こういうことになってしまうかと思いますので、特に何がそうさせるのかということを究明して、そうやれば損だという方向性だけは、繰り返して要求しておきますが、強く打ち出していただきたい、こう思います。
 さてそれから、今、委員長からこの間の視察の件について報告がありましたが、たまたま愛知県の知事さんに私聞いてみたんですが、名古屋市ではまだまだ都市再開発をやってどんどん宅地造成をやらなければならぬ、こういうような強いお話がございました。そこで、私は知事さんに、人口に歯どめをかけないで再開発によって住宅をふやし、利便を提供すればするほど過密となって、同じことの繰り返しではないのかと聞きましたところ、もう少しふえた方がよいと言われておりましたが、都市の適正規模という考え方もすべきではないかと思っておるわけでありますが、いかがなものでしょうか。
 これは国土庁にお尋ねをしたいと思うのですが、この適正規模ということのある程度のめどがなければ、希望者があればどんどん無制限に都市集中を認めるということになると、いずれ東京都の二の舞になることは間違いないし、北海道でも九州でも、例えば北海道は札幌、九州では福岡というようなことで一極集中が実は地方で始まっているわけですね。こういったことも、都市文化を楽しめる程度の、享受できる程度の都市人口というのは、大体最小限度どれぐらいあれば近代社会ではそれを享受できるのかというようなことは、これだけの時代でありますから、コンピューター等を使っておよそシュミレーションができるはずでありますから、そういう意味で適正規模という考え方があってしかるべきだと私は思う。
 そういう意味では、都市再開発や都市計画法に基づいた区画整理事業というようなものが人口増につながるようなやり方ではなくて、快適な生活環境をつくるための都市空間をつくり出していくというような発想でやられるべきだと思っておるわけですが、きょうは建設省も来ていただいておりますね。建設省の方に、そういう意味で都市計画法や区画整理法の適用の場合には、今私が申し上げたような発想が原点になければ、これは全くさいの河原と同じで金をむだにつぎ込む結果になってしまう。こう思いますから、やはり究極のあるべき姿を描きながらやるべきだと思っておりますが、このことについて建設省はどう考えているか。これもあわせて国土庁の後で御答弁いただきたいと思います。
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藤原良一#10
○藤原(良)政府委員 都市の規模につきましては、確かに、国民生活あるいは経済活動のサイドから見まして過密の弊害といいますか、そういうものがあらわれない規模というのはあろうかと思います。都市基盤の整備との関連もありましょうけれども、確かに、私どももこれまでいろいろ勤務した都市の生活体験からしましても、余り過大になりますと、生活面でも潤いが失われがち、そういうふうなことがいろいろあろうかと思います。ただ、そうかといいまして、一律に五十万都市が適正規模だ、いや、百万都市ぐらいまでは許容されると線を引くのはなかなか難しいんじゃないかというふうな気がしております。
 要は、自然的な条件もありましょうし、社会資本その他基盤整備等の関連もありましょうし、その辺がほどよくバランスがとれた都市の整備というのが重要だと思います。ただ、確かに過大になりますと、いろいろ都市の不効率も出てくるんじゃないか、そういう意味では、できるだけバランスのとれた都市整備ということが必要な気がしております。
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河原崎守彦#11
○河原崎説明員 お答えいたします。
 都市づくりの基本は安全で快適でしかも機能的な町をつくるということかと存じますので、先生御指摘のように、まずはそこに住んでいる方が快適に暮らしていただけるような町づくりをするということは基本であると思います。ただ、現在の大都市の住宅問題等を見ますると、やはり住宅困窮者の方がいらっしゃるということでございますので、こういう面でも的確に対応しなければいけないということもまた大きな課題であるというふうに考えております。
 ただ、その結果として、御指摘のように一極集中と申しますか、集中することのないように、地方の活性化ということをあわせまして、全国的に、均等というのは難しいと思いますが、分散した都市配置ができるように努めてまいりたいというふうに考えております。
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桜井新#12
○桜井委員 これだけ交通もモータリゼーション化が進み、それからいわゆる情報化というのがリアルタイムでいつでも効力を発していられるようなこういう時代でありますから、私は、本当の都市文化というようなものはそんなに巨大なものでなくとも十分できると思う。そして、住居環境というのは、少なくとも三十分なり一時間離れた地域に、もっとゆとりのある生活のできるように、そういった環境あるいはそういう国土建設をこれからは計画をしていくべきだと思うのです。現状是認で、あなた方は業界の人やいろいろな方からたたかれるだろうからそういう気持ちになりがちなんですが、世界一の金持ちになったのですから、これからはもっと雄大な理想を描いて、ちょうどアングロサクソンがニュージーランドの開拓をやったときのような気持ちで、建設省はもっとそういうことをやってくださいよ。そんなちゃちなことを考えないで、ぜひ。
 何かまだ言い足りなかったのですか。
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石井一#13
○石井国務大臣 昨年、多極分散型国土形成促進法を成立いたしまして、その中に、振興拠点地域の思想でありますとか業務核都市という思想が入っております。これは、今委員の御指摘の適正規模の都市ということではございませんけれども、いわゆる東京一極集中というものを排除し、分散をし、核都市をつくり、拠点地域をつくり、そこへ快適な都市環境をつくりながら人口を集積していく、こういう方向を打ち出しておるわけでありまして、まさしく委員が希望しておられる方向の一つの方向づけではないかというふうに私は考えるわけであります。
 例えば東京だとか横浜「川崎というふうなところへ適正な都市ということを議論するのは、もういささか難しいような感じがするわけでありますけれども、例えば筑波の学園都市等を見ますと、適正規模を打ち出し、そうしていろいろの都市機能を集積し、そこに人口を集めて、そうして交通機関を整備するという形をやっておりますので、今後の地方への分散の過程において、委員が指摘されるような一つの適正なる規模の都市を形成していくという方向は正しい視点ではないか、そのように考える次第であります。
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桜井新#14
○桜井委員 この間の愛知県知事の話も、東京と大阪に挟まれてまだ人口が足りないんだという発想なんですよ。こんなことでは名古屋は決して浮上はしないと私は思います。愛知県だけで六百五十万、名古屋は二百十万あるのですから、あれでもう都市文化——都市文化というのはもともと、年に何回かしか楽しむことがないようなものは、ある程度の人口がなければできないということであります。また経済の面でも、そういうところほど情報収集の率が高いわけですから、それはよくわかるのです。しかし、これをふやさなければならぬという発想はこの際断ち切ってかからないと都市の人が余りにもかわいそうだと思うので、そういう意味で申し上げているのでありますから、答弁は時間の関係で要りませんが、ひとつぜひ再考をいただきたいと思うわけであります。
 それから、現状の中で国民のマイホームに対する不満は、前にも述べたとおりまさに極に達しておるわけであります。そこで、何とか国民の住宅取得という夢を実現させてあげるためには積極的な供給対策などにより地価の安定を図る必要があるということでありますが、今申し上げたように、人口増という発想ではなくて、今いる人たちの住居環境をどう改善してあげるかという発想の中で都市計画や都市再開発というものが進めていかれるべきだろうと思っておりましたので、私が都市の人たちには全くそういうことを考える必要はないという発想に立っておるというふうに誤解されると困るので、ここであえてこういう質問をするわけでありますので、国土庁の基本的な考え方を伺いたいと思います。
 言っている意味がわかりますか。都市の再開発等によって国民のための住宅供給をむしろふやしていくべきだが、それについての考え方はどうかということです。
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藤原良一#15
○藤原(良)政府委員 東京圏につきましては、例えば四全総におきましても、政策的な分散努力を行ったとしてもなお三百万人程度の人口増加が予測されます。また、現に住居条件が非常に劣悪なところに居住しておられる方も多いわけであります。そういうことでございますので、やはり東京圏において可能な限り適切な土地利用、例えば低・未利用地のところを環境保全等も図りながらさらに有効利用をする。また市街化区域農地につきましても、保全すべき緑地を確保しながら計画的な住宅化を図り、庶民の手の届くような住宅供給、宅地供給を行っていく必要があるというふうに考えております。
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桜井新#16
○桜井委員 そういうことで、ひとつそのことは努力を続けていただきたいと思います。
 さてそこで、今度は国土利用計画法のことについて少し触れてみたいと思うわけであります。
 土地の暴騰を防止するためには、大きく言って直接的には三つの視点があると思うのです。それはいわゆる取引の抑制という角度からやることと、もう一つは金融政策という面、融資の抑制という点からアプローチする方法、もう一つは税制の面から、私は大きく言って三つの視点からこれに対応する必要があると思うわけでありますが、その第一の視点である取引の抑制効果を期待して、地価の抑制のために六十二年八月一日付かなんかで全国各地で国土利用計画法に基づき監視区域が実施されておるところでありますが、どのような効果が上がっておりますかお尋ねをいたします。
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藤原良一#17
○藤原(良)政府委員 お答えいたします。
 監視区域につきましては、首都圏を初め大阪、名古屋圏、地方主要都市及びリゾート対象地域等で積極的な指定を行っておりまして、この十一月七日現在で一都二府二十九県、十一政令指定都市、市区町村数でいいますと五百六十四の市区町村におきまして監視区域の指定が行われております。このうち、首都圏につきましては昭和六十二年に東京都、横浜市等におきまして相次いで届け出対象面積が百平方メートルに引き下げられております。翌昭和六十三年以降、東京都及び神奈川県を中心に全体的に地価の鎮静化傾向が続いております。監視区域以外に超短期重課制度あるいは金融機関に対する指導等もあったでしょうし、かなり高値で天井感もあったという状況もございますが、監視区域は相当程度こういう地価鎮静化に効果を発揮したのではないか、そういうふうに私どもは見ております。
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桜井新#18
○桜井委員 そこで、効果があったということで今御説明をいただいたわけですが、私もいささか効果があったんだろうとは理解をいたしておりますが、しかし、このたびここに国土利用計画法の改正案を、改革案を出しておるわけでありますが、過去の実績から今の監視区域の指定という制度ではどのような点で足りない点があったのかというようなことをひとつお聞かせいただきたいと思います。
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藤原良一#19
○藤原(良)政府委員 現行の監視区域制度では、取引価格の行政指導、それと土地利用関係につきましては、既存の土地利用計画に適合しているかどうか、その辺をチェックしておるわけです。特に土地利用計画への適合性につきましては、土地利用計画に積極的に寄与するあるいは中立的に機能するというものは適合するという判断をしておりまして、積極的に計画を阻害する、計画実現を阻害するという性格の取引については行政介入できるような制度になっておるわけです。したがいまして、資産保全を目的とする、利用目的を持たないような取引、例えば転売目的のようなもの、そういうものにつきましては現行の監視区域制度では手が届かないという面がございますので、今回国土利用計画法一部改正法案を提案さしていただきまして、そういう利用目的のない転売目的の取引に対しても行政指導を行い、場合によっては勧告、公表の対象にできるというふうに改正さしていただきたいと考えておるわけです。こちらの方も基本法とあわせて御審議の上、早期に成立さしていただきたいとお願いする次第でございます。
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桜井新#20
○桜井委員 私もその点については必要性を痛感しておるわけでありますが、今おっしゃったように、今度の国土利用計画法を改正すれば、今局長おっしゃったのですから聞くだけやぼなのかもわからぬ、本当にその効用があるのですか、こうだめ押しをしたいところなんでありますが、これは聞かずに私の考え方を申し述べておきましょう。
 期待したとおりに効果があればいいのですけれども、実は私たちは、ついこの間の参議院選挙で消費税、消費税というものもこれだけ世の中が大きく変化して社会保障が手厚くなり、お互いが社会人として社会に飛び出したときから今の社会保障制度はまさに生活設計の中に組み入れられておる。それだけに、今は景気がいいからいいけれども、不況時になってもこの社会保障がちゃんと確保されなければ、それこそ生活力の弱い人たちは大変なことになってしまうわけでありますので、そんなことを考えながら政府・自民党として今度の制度を出したわけでありますが、しかし、結果は、消費者の皆さんに大変な反発を食らって、取り返しのつかない、政治の方向すら歴史的に変えてしまうような結果になったわけであります。
 今度の土地問題も、私はそれ以上に極めて重大な問題だと受けとめておるわけであります。それだけに、国民の不満というのが業者の取引そのものにあるわけでありますから、そして、だれを守るために仕事をやるのかということは、あくまでもエンドユーザーということですね。途中の業者じゃないのです。今もお話がありましたように、今度の改正点はまさに投機的取引だけの、中間マージンを取ろうとするだけの転がし防止のためにやられるわけでありますから、そういう点で、これがそのことをどこかで温存するような結果になって、今度改正したからうまくいくだろうと思っておったら、いつの間にか一時鎮静化した、今そうですね、東京都は、去年までのことがちょっと鎮静化したけれども、また最近ちょっと上がりぎみになってきていますね。これが地方に分散してよかったと思っているのもつかの間、またそうなってきておりますが、本質的なところの改正がなければ必ずそうなると思う。そして国民は、そういうことに毎日毎日の生活の中で非常に敏感に肌で感じておるものですから、そういったことに拒否反応を強く示すわけでありますが、そういうことにならないようにこのことは特に運用に当たって国土庁から念入りにやっていただきたいことを要望いたしておきます。
 それから次は、投機的取引を抑制する第二の手段は金融対策と思いますが、国土庁としてはどんなことをこれまでやってきたのか、金融担当省である大蔵省も来ておるようでありますが、土地価格が暴騰する都度、自粛を求めて行政指導をやっておるというふうに言われておるわけでありますが、その実態はどうか、また、効果はどのようにあったのかということをまずお聞きをしたいと思います。
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藤原良一#21
○藤原(良)政府委員 確かに、不動産関連融資は土地の投機的取引を抑制するためあるいは地価の高騰を抑制するために非常に大きな課題だというふうに考えております。これまでも数回にわたりまして国土庁から大蔵省に対しまして投機的取引への融資等は行わないよう金融機関に対して指導方をお願いし、また、大蔵省でもこれを受けて六十二年の七月から特別ヒアリングの実施によりまして融資実績の高い金融機関に対して直接指導をいただいておるところでございます。
 また、先般におきましても、地価上昇の主要都市等への波及の状況にかんがみまして、金融機関への指導の徹底と、いわゆるノンバンクたる貸金業者への強力な要請をお願いしたところでございます。大蔵省でも、この要請に沿って対応していただいているところでございます。
 特別ヒアリングの中で、特に監視区域につきましては地方公共団体の不勧告通知、行政指導がパスしたもの、そういう状況を確認の上融資する。また、融資に当たりましては利用計画の有無、あるいは借りかえに当たりましては利用計画の進捗状況、そういったこともヒアリングの中で確認していただいているというふうに伺っております。これによってかなり効果は上がっておるのじゃないか。また、今後も貸金業者等への指導を通じてさらに金融面への指導を強化していただき、効果をさらに上げていきたい、そういうふうに念願しておるわけでございます。
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武藤敏郎#22
○武藤説明員 金融機関の土地関連融資につきましては、金融機関の公共性ということに照らしましていろいろ指導に努めてきたところであります。
 ただいま土地局長の方からお話がありましたとおり、六十二年の七月以降個別融資案件にまで踏み込んだいわゆる特別ヒアリングというのを実施してまいりました。指導の趣旨の徹底を図ってきたところであります。また、六十二年十月には緊急土地対策要綱、これを踏まえまして金融機関に対しまして改めて通達を発出いたしまして、国土法上の不勧告通知の確認、審査、管理体制の充実強化等に努めてきたところであります。また、本年二月以降は、重点的特別ヒアリングということで、特に融資の伸びが比較的高い金融機関を対象といたしまして実施してきたわけであります。
 さらに、今回のこの一連の国土庁からの国土利用計画法上の監視区域制度に係る指導強化といったようなことに平仄を合わせまして、これは詳しくは申しませんけれども、金融機関に対する一層の趣旨の徹底と、特にノンバンクが問題でございますので、ノンバンクたる貸金業者一般に対する金融機関の融資についても十分に審査を行うというようなことで、一連の措置を講じたところでございます。
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桜井新#23
○桜井委員 お二人の答弁を聞いていれば、ちゃんとやっておる、こういうお話なんでありますが、ここにおもしろい記事がありますからちょっと読ませていただきますので、このことについてお考えをお聞きしたいと思うわけであります。
 実は、産経新聞の夕刊に「観潮台」というのがありまして、ここにいつも経済のことについて非常にコンパクトにまとめて問題を指摘しておるコラムがあるのですが、ここでは今土地問題と金融政策、いわゆるマネーインフレ防止ということについて非常に関心を高めて、しょっちゅうこうなっているわけであります。
 この中で言いますと、例えば終わりの方をひとつ読んでみますと、「都道府県の基準地価が発表されたが、それによると大阪や愛知など地方中核都市で地価が高騰しており、また一時沈静化していた首都圏でも再び上昇傾向が出始めている。」こういうことに対して、「資金調達したリースなどのノンバンクを通じて巨額な資金が流れている」からこうだというふうに言って、「相変わらず土地融資を行ってきたわけである。」幾ら自粛をせいと言っても実際はどんどん貸し付けが増しておる、そのことが、公共性や社会性を重んじると言っておるにもかかわらず、その逆に大衆には大変迷惑な金融政策が横行しておる、こういうようなことを言っておるわけであります。
 それから、同じようなことを二日に一度ぐらいずつは言っておるのですが、これはごく最近のおもしろい記事で、大蔵省としては金融機関に対してそれを育成指導する、あるいは取りつけみたいなことを起こさないようにいろいろやっていかなければならない立場もありますことはよくわかっておりますから、そうはいってもなかなか徹底できないのではないかと思いますが、そう言っておりますとこの問題は解決しませんので、思い切って、特に中小企業金融関係を扱っております武藤課長のところで厳しく取り組んでいただきたいと思いますが、あえて読ませていただきます。前後を省かせていただきますから多少解釈しにくい点があるかもわかりませんが、お許しをいただきたいと思います。
 ことし七月末の融資残高は四十四兆二千億円で、対前年比一四%増となりました。これが地方の地価高騰を招いた。しかし、全銀協のある人が、これは本人の名誉のために名前は言いませんが、全銀協のある人が「土地高騰につながる融資は慎んでおり、この姿勢は今後とも維持する」、こんなことはやっておりません、こう開き直っておるようなことがあるわけであります。そこで大手都市銀行の担当者が「都市開発や住宅建設などの実需が増えている。地上げ資金ではない」、金は貸しているけれども決して地上げ資金ではない、実需がふえているんだ、こういう言いわけをやっておる。しかし、実際本当にそうなんだろうかということを日銀では言っておる、こう言うのです。とても借り手が採算がとれないと思われるようなケースも目立っておるにもかかわらず、そういうのに貸しているということです。業者にとっては採算割れで赤字になっても節税効果を生かせる、こんなところにも実需があるんだという皮肉な表現をしているわけです。ですから、こんなことは私たちも全くこのとおりだと思っております。
 土地融資に絡む金の流れを一段と不透明にしておるのが、いわゆるノンバンクであります。全銀協加盟全体に匹敵する融資を行っておると言われながら、その実態はまさにベールに包まれておる。私も知ろうとしてお聞きをいたしましたが、なかなかわからないということで報告を受けられないのが実態であります。ノンバンクには資金調達手段は今のところないと聞いておる。したがって、ほとんどが実質的には金融機関から貸し付けされておる、こういうことではないかと思っておるわけであります。土地融資はすべて悪ではないし、融資が減れば地価が下がると私も単純に思っているわけではありませんが、第一相互銀行や中央信託銀行の過剰融資が社会問題となったのもほんのつい一年前のことであります。
 そういう意味から、大蔵省としては金融機関の土地融資の自粛通達を、本気になって取り組まないとこれまた消費税の二の舞ということになりかねない、私はこう思っておるわけでありますが、今私が説明したことについて、武藤さん、大蔵省を代表して来てどんな感じでおろか、このことについてどう対応しようとするのか、ひとつ聞かせていただきたいと思います。
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武藤敏郎#24
○武藤説明員 六十二年以来いろいろ銀行を中心とする金融機関の指導をやってきたわけでありますけれども、確かに御指摘のようなノンバンクにつきましては、自主規制をお願いする等できる限りのことをやってきたものの、いろいろ限界があったのは御指摘のとおりでございます。
 これは一つには、いわゆるノンバンクたる貸金業者一般に対しましては、銀行などに対するような一般的な指導監督権限がございません。貸金業規制法という法律によってノンバンクが規制されておるわけでございますが、御承知のとおり、いわゆるサラ金問題を発端といたしまして債務者に対してその契約内容をできる限り開示しろとかあるいは取り立てに当たっては不適正な手段によってはいけないとか、そういう観点からの規制にとどまっておるわけでございまして、ノンバンクに対しましてその実態を知り得る立場に私どもないというのが実情でございます。
 ただ、今御指摘のとおり、金融機関がノンバンクに対して資金を供給しておるということに着目いたしまして、金融機関が関連会社にお金を貸すということについてはその自粛を指導するということを今回改めて始めることにしたわけであります。
 それから、金融機関関連会社以外の貸金業者につきましては、これは自主ルールの作成ということが中心になるわけでございますけれども、まず第一には、金融機関に通達を発しまして、ノンバンクたる貸金業者、これは一般に十分な審査を行え、金融機関がノンバンクに対する審査を十分に行ってほしいというのが第一点であります。第二点は、金融機関の貸金業を営む関連会社の土地融資案件につきまして、金融機関を通じて特別ヒアリングを行うというのが第二点であります。第三点は、金融機関を通じたノンバンクの融資についての報告を求める。それからその実態についてヒアリングを行う。四番目には、金融検査、私どもの金融検査におきまして金融機関のノンバンク融資の実態把握を行う、さらに自粛要請も行うというようなことの措置を講じたわけであります。
 いわゆるノンバンクにつきましては、ノンバンクの土地投機に係る融資の抑制につきましては、これからもこういうことで最大限の努力をしてまいりたい、かように考えております。
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桜井新#25
○桜井委員 今大蔵省として最大の努力をしておるつもりでしょうが、今までだってその程度のことはあるいはやっておったのではないかと思うし、やれたのだろうと私は思っておりますが、とてもその程度のことではこの土地問題を解決することにはならぬと思うので、きょうはもう時間がなくなってしまったので、このことはいずれの機会にもっと突っ込んで、必ず解決しなければならぬ問題だと思っております。
 経済、金融というのは、歴史をひもとくまでもなく、一歩間違えば国際紛争の種にもなるわけでありますから、これは必ずひとつ大蔵省として強い姿勢で、さらに突っ込んだ対策を講じていただきたいとお願いを申し上げておきます。
 それから最後に、第三番目は税制による規制であります。前にも述べたように、投機的取引は損だという仕組みをどうつくるかだと思うわけでありますが、土地対策を実施する上で、土地税制の果たすべき役割はそういう視点からも極めて大きいと思うわけであります。基本法制定を受けて、土地税制の見直しにどのように取り組むつもりなのか、これは大蔵省、自治省の御所見を承りたいと思うわけであります。
 実は時間がなくなったので、あと二、三点、ちょっと続けてお話をしますので、一緒にお答えいただければありがたいと思います。
 低・未利用地域の有効利用のために保有税をもっと強化すべきではないかと思っておりますが、この点。それから、資産格差の拡大に対処するためという観点からはどのような土地税制を仕組むべきであるかということについてお聞かせいただきたい。それから、土地から得られる利益はいわば不労所得であり、勤労所得や事業所得などほかの所得と比べて重い負担を課すべきだ、これもまさにやれば損だという視点から重い課税をすべきだと思いますが、どんなものか、お聞かせをいただきたいと思うわけであります。以上、とりあえず。
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長野厖士#26
○長野説明員 土地基本法を踏まえての税制改革の方針というお尋ねでございます。
 今回の土地基本法案は、直接的には税のことは十五条に規定がございますけれども、私どもが税制を考えます場合の基本理念といたすべきものは、第一章の中、特に第三条から第五条までがこれに当たろうかなと考えております。税制なりに整理いたしますと、すなわち有効利用をなるたけしていくような税制を考えていく、一方不要不急の需要といったものを抑制していく、それらを踏まえまして、受益や負担力に応じた適正な課税ということであろうかと思います。
 先生一番最初に御指摘いただきました投機的需要の抑制といいますのは、この不要不急の需要抑制の一つの一番大事なポイントかなと思いますが、この点につきましては、一昨年税制改正によりまして、一昨年の十月からでございますけれども、超短期の保有に対する課税の強化をとらせていただきました。所得税におきましては総合課税の二割増し、法人税におきましては通常の法人税のほかに三割ちょうだいするという措置をとらせていただいて、少なくとも短期的には土地の投機的需要の抑制に効果を発揮したであろうと考えております。この制度は明年期限が到来いたしますけれども、その措置も検討していかなければならないと思っております。
 投機的需要の問題を離れましてさらに広く土地政策全般ということになりますと、有効利用の促進ということで、この点につきましては従来もいろいろと対策は講じてきておりますが、宅地の開発でありますとか再開発でありますとか、あるいは先般来御指摘いただいております多極分散とか再配置とかいった問題、あるいは広く有効利用といえば公的利用の促進というところまで入るかもしれません。そういった問題につきまして、これから、先生が先ほど来理念法を踏まえた実行法、こうおっしゃっておられますが、その実行法といったものの検討の中であわせて私どもも考えていきたい。
 それから、不要不急の需要の抑制ということになりますと、投機的需要の抑制ということのほかに、低利用、未利用といったものに対して税制はどう取り組むかという問題も当然問題として出てこようかと思っておりますが、そういった問題もこれから検討課題であろうかと考えております。
 資産格差の拡大に対して税制をどうするか、それから土地から得られる所得は不労所得ではないかという御指摘でございます。
 この点につきましては、現在の税法におきましても既にある程度その考え方を踏まえさせていただいておりまして、土地の譲渡所得につきましては所得税の本則よりもやや重い御負担を租税特別措置によってお願いしておりますし、法人税につきましても別枠の課税ということをいたさせていただいておりますけれども、そういった観点を踏まえながら今後措置していきたい。また、国税の中では相続税の問題がございますけれども、これも資産格差の拡大ということを踏まえますと、評価を適正に講じていって他の資産とのバランスを講じていくということが基本かなと考えておりますが、そういった措置を講じておる。
 なお、もう一つ付言いたしますと、土地を利用した節税という言葉が先ほどちょっとございましたけれども、そういった問題につきましても、借入金を利用することによって土地を持つとかなり有利になるといったことが法人税や相続税の世界にございましたので、そういったものに対しての手当てを先般来させていただいておりますけれども、そういったものも今後どういった形で、そのほかに取り組むべきことがないかどうか、研究していきたいと考えておるわけでございます。
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湯浅利夫#27
○湯浅政府委員 地方税の立場から、この土地基本法の制定に伴います土地税制の問題につきまして申し上げますと、土地に対する税制につきましては、土地の取得、保有、譲渡というそれぞれの段階におきまして、国税、地方税それぞれの税が組み合わされておるわけでございます。地方税におきましては、取得段階で不動産取得税でございますとか特別土地保有税の取得分、保有段階では固定資産税とか都市計画税、特別土地保有税の保有分、それから譲渡段階では所得課税である住民税とか事業税というようなものが課税されるわけでございます。このそれぞれの組み合わせにつきましては、基本的には国税と一緒になりまして総合的に土地に対する課税を整合性のあるものとして制度化しているわけでございますけれども、土地基本法におきまして土地税制の問題につきましても規定がございまして、土地の理念にのっとりまして、土地に関する施策を踏まえて税負担の公平の確保を図るということで土地に関する適正な税制をつくるようにという規定がございますので、この規定に従いまして国税、地方税を通じた総合的な土地税制というものが必要ではないかと思っております。
 ただ、このそれぞれの税制にはそれぞれの税の性格というものがございます。例えば、特別土地保有税というものはもともと政策税制としての土地税制という性格を持っておりますし、固定資産税というのは本来は市町村の財源という観点から仕組まれた税制であるというようなこともございます。そういう税の性格というものもよく考慮しながら、全体の税制が整合性のあるものとしてできるようにしてまいらなければいかぬと思うわけでございます。
 具体的な問題といたしまして、低・未利用地の有効利用のために土地保有課税の問題がございます。この問題につきましては、昨年の六月に総合土地対策要綱におきまして遊休地を特定する制度を設けまして、それにあわせて、特別土地保有税の見直しを検討してはどうかということも決められておりますので、この方向に沿いまして今後とも検討してまいりたいというふうに考えるわけでございます。
 その他の問題につきましては、国税とほぼ重複いたしますので省略させていただきます。
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桜井新#28
○桜井委員 時間を切りましたけれども二分ほどちょうだいしたいと思いますが、お許しをいただきたいと思います。
 いろいろ申し上げてきましたが、土地問題は日本独特のものだと言われておりましたが、今やハワイやアメリカ大陸まで買い取るのではないかとアメリカ人に危惧を与え、経済構造調整のテーマにも上がっておる始末であります。土地の公共性を国民的なコンセンサスとするよう法制定の効果を祈り、一日も早い成立を国民が期待しておることを委員各位にお訴え申し上げ、御協力をお願い申し上げて終わりといたします。
 御協力ありがとうございました。
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大塚雄司#29
○大塚委員長 中村茂君。
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