国際連合平和協力に関する特別委員会

1990-11-06 衆議院 全376発言

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会議録情報#0
平成二年十一月六日(火曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 加藤 紘一君
   理事 高村 正彦君 理事 西田  司君
   理事 浜田卓二郎君 理事 宮下 創平君
   理事 山崎  拓君 理事 池端 清一君
   理事 上原 康助君 理事 高沢 寅男君
   理事 日笠 勝之君
      愛知 和男君    赤城 徳彦君
      井出 正一君    石井  一君
      植竹 繁雄君    奥田 幹生君
      古賀  誠君    自見庄三郎君
      杉浦 正健君    鈴木 宗男君
      園田 博之君    近岡理一郎君
      中川 昭一君    中谷  元君
      中村正三郎君    中山 正暉君
      野中 広務君    鳩山 邦夫君
      浜田 幸一君    林  大幹君
      町村 信孝君    三原 朝彦君
      渡辺 省一君    石橋 大吉君
     宇都宮真由美君    上田 利正君
      小澤 克介君    大木 正吾君
      岡田 利春君    川崎 寛治君
      左近 正男君    水田  稔君
      和田 静夫君    井上 義久君
      遠藤 乙彦君    冬柴 鐵三君
      山口那津男君    渡部 一郎君
      児玉 健次君    辻  第一君
      東中 光雄君    吉井 英勝君
      川端 達夫君    和田 一仁君
      楢崎弥之助君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  海部 俊樹君
        外 務 大 臣 中山 太郎君
        大 蔵 大 臣 橋本龍太郎君
        文 部 大 臣 保利 耕輔君
        厚 生 大 臣 津島 雄二君
        通商産業大臣  武藤 嘉文君
        運 輸 大 臣 大野  明君
        自 治 大 臣 奥田 敬和君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 石川 要三君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 工藤 敦夫君
        内閣法制局第一
        部長      大森 政輔君
        内閣法制局第三
        部長      津野  修君
        警察庁長官官房
        長       浅野信二郎君
        警察庁警務局長 仁平 圀雄君
        防衛庁参事官  内田 勝久君
        防衛庁参事官  玉木  武君
        防衛庁長官官房
        長       日吉  章君
        防衛庁教育訓練
        局長      坪井 龍文君
        防衛庁人事局長 村田 直昭君
        防衛庁装備局長 関   收君
        防衛施設庁総務
        部長      箭内慶次郎君
        防衛施設庁施設
        部長      大原 重信君
        防衛施設庁建設
        部長      黒目 元雄君
        外務大臣官房領
        事移住部長   久米 邦貞君
        外務省アジア局
        長       谷野作太郎君
        外務省北米局長 松浦晃一郎君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   渡辺  允君
        外務省経済協力
        局長      木幡 昭七君
        外務省条約局長 柳井 俊二君
        外務省国際連合
        局長      赤尾 信敏君
        大蔵省主計局次
        長       小村  武君
        文部省初等中等
        教育局長    菱村 幸彦君
        通商産業省通商
        政策局長    畠山  襄君
        通商産業省貿易
        局長      堤  富男君
        通商産業省機械
        情報産業局長  山本 幸助君
        資源エネルギー
        庁石油部長   黒田 直樹君
        運輸省国際運
        輸・観光局長  寺嶋  潔君
        海上保安庁長官 丹羽  晟君
        海上保安庁警備
        救難監     赤澤 壽男君
        自治省行政局公
        務員部長    滝   実君
        消防庁長官   木村  仁君
        消防庁次長   島崎  実君
 委員外の出席者
        国際連合平和協
        力に関する特別
        委員会調査室長 石田 俊昭君
    ─────────────
委員の異動
十一月六日
 辞任         補欠選任
  井出 正一君     赤城 徳彦君
  牧野 隆守君     中谷  元君
  井上 義久君     渡部 一郎君
  菅野 悦子君     辻  第一君
  和田 一仁君     川端 達夫君
同日
 辞任         補欠選任
  赤城 徳彦君     井出 正一君
  中谷  元君     牧野 隆守君
  渡部 一郎君     井上 義久君
  辻  第一君     吉井 英勝君
  川端 達夫君     和田 一仁君
同日
 辞任         補欠選任
  吉井 英勝君     東中 光雄君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 国際連合平和協力法案(内閣提出第一号)
     ────◇─────
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加藤紘一#1
○加藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、国際連合平和協力法案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中谷元君。
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中谷元#2
○中谷委員 自由民主党の中谷元でございます。
 イラク紛争から三カ月近くが経過しておりますけれども、この委員会も十月の十八日から開催されまして、連日積極的に御審議が続いているわけであります。今回の議論を通じまして私が感じておりますのは、国際責任といわゆる日本平和主義のバランスの中で与野党間からいろいろな意見が出されまして、その相違点も明らかになり、それによって国民感情も今大きく揺れている時期に差しかかっているんじゃないかと考えております。
 しかし、私が今考えておりますのは、今やらなければならないのは、ポスト冷戦後の激動を続ける国際社会の中で、日本の平和と繁栄を維持していくためには一体何ができるのかという前向きな献身的な姿勢でありまして、これまでのように金だけで済まされるという小切手外交や、それはできない、だめなものはだめだ、これは日本で許されないといった後ろ向きの日本だけの理論では、これからの国際社会では通用されないのじゃないかということを心配をいたしております。いわゆる「井の中の蛙大海を知らず」という言葉がありますけれども、最近の中東やイラク情勢における外務大臣の御認識を御説明いただきたいというふうに考えております。
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中山正暉#3
○中山国務大臣 中東における今回の問題は、すべてイラクの武力によるクウェートへの侵攻、また併呑という国際法上も認められない平和の破壊であるという認識を持っておりますが、今回の事態につきまして国連の安保理の決議が行われましたが、それを受けてこの実効性を確保するために多国籍軍が展開をしている、そしてイラクが一層南下することに対する大きな抑止力の効果を上げているという認識をいたしております。
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中谷元#4
○中谷委員 どうもありがとうございました。
 それでは、それに対します各国の取り組み方でございますけれども、いろいろな支援の仕方があると思われます。日本国以外の国々では果たしてどこがどのようにどれだけの支援活動を行っているのか、御説明をお願いいたしたいと思います。
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渡辺允#5
○渡辺(允)政府委員 我が国以外の国の貢献でございますが、従来から申し上げておりますとおり、湾岸に展開をしておりますいわゆる多国籍軍には全体で二十カ国以上の国、これも地域的に申し上げて世界の、ヨーロッパ、アラブあるいはアジア、南米、アフリカにまで及んでおりますが、それらの国からの参加がございます。それからまた、比較的日本と状況の似ておりますドイツの貢献でございますが、ドイツの場合には、まずNATOの合意に基づきまして地中海に掃海艇等を派遣しておりますほかに、いわゆる多国籍軍に対し約十億ドルの援助を行い、また、周辺国に対する経済支援といたしまして約十一億ドルの援助を行っております。
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中谷元#6
○中谷委員 先ほどドイツのお話をしていただきましたけれども、ドイツは日本と同じように終戦後占領下に置かれておりましたが、新聞報道等によりますと、ドイツも憲法によってNATO圏域以外は派兵ができないというふうになっております。この件について今後見直しを検討するという報道もありますし、また、現在永世中立を宣言しておりますスイスとかオーストリア、こういった国々の対応は日本にとって非常に関心のあるものであると思いますが、そういった国々の対応についてお聞かせをいただきたいと思います。
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渡辺允#7
○渡辺(允)政府委員 先生御指摘のとおり、現在ドイツ政府の中で、今回の事態を契機といたしましてドイツ基本法改正の是非について議論が行われているというふうに承知をいたしております。例えばコール首相が十月三日に、ドイツは将来、平和の維持及び回復のための国連の措置に、戦力の投入によっても参加する用意があるので、このための憲法上の条件を満たすことについて検討するという趣旨のことを言っております。
 それから中立国でございますが、スイス、これは国連加盟国でございませんけれども、現在の経済制裁に参加をいたしておりますし、オーストリアは当然国連加盟国としてそうでございます。また、国際機関等に対する難民支援その他、スイスにつきまして約七百八十万ドル、オーストリアにつきましても百万ドル以上の貢献をしておるわけでございます。
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中谷元#8
○中谷委員 そういった永世中立を宣言した国とかドイツでも非常に前向きな考え方を持ちまして努力をしているわけでありまして、本当に実に多くの国々がイラクの秩序破壊行為に制裁を実行しているわけであります。
 そこで私は、この委員会の論戦を通じまして、何かこういったイラク地域の多国籍軍に日本が支援、協力をすることがあたかも悪いことをするかのように言われる方、考えておられる方もおるように感じるわけでありますけれども、もしイラクの侵攻直後にサウジアラビアがアメリカの支援を得ていなかったと仮定した場合、一体日本はどうなっていたかと私は想像をいたします。日本は石油の九九%を輸入いたしておりまして、特にその七〇%を湾岸諸国から買っているわけであります。石油の価格は今一応落ちつきをしておる状態でありますけれども、これも世界各国が協力、協調をいたしまして石油の価格の安定に努力している成果であります。そういった現状を踏まえて、この多国籍軍に日本が支援をする、また協力をするというふうなことにつきまして、政府のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
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中山正暉#9
○中山国務大臣 今回のイラクのクウェート侵攻に関する国連の安保理の決議を受けまして各国が展開しております多国籍軍への協力という問題は、今も委員からお話がございましたように、単に我が国の経済に大きな影響があるというだけではなしに、世界的な問題、世界的な経済に極めて大きな影響を与えるものでございまして、そのような観点から、ここに展開しておる多国籍軍に武力の行使あるいは武力の威嚇に当たらないような我が国の憲法の枠内で協力することは極めて必要なことである、このように理解をいたしております。
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中谷元#10
○中谷委員 いわゆる武力の行使を伴わない範囲、憲法の範囲で協力するというふうな姿勢でありまして、私も大いにその範囲内で協力をしなければならないと考えております。
 そこで、果たして日本がどういう形で協力、支援ができるかということを考えていきたいわけでありますけれども、これまで政府が民間や民間人に対して協力、支援要請を行われたわけでありますけれども、その成果と、そしてその現況がいかなるものであったかということにつきまして御説明をいただきたいと思います。
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中山正暉#11
○中山国務大臣 今回、八月二日のイラクのクウェート侵攻によりまして、我が国はいち早く国連安保理の決議がその効果を発揮するように協力する態度を固めたわけでございますが、資金的な協力あるいは物的協力あるいは輸送協力、医療協力といった中東貢献策がございますけれども、それにあわせて、このような貢献がその実効性を確保するためには、やはりそれぞれの民間に対する御協力をお願いするということになったわけでありますが、そのいわゆる経過を見ましても、所期の期待どおりの結果が出たかというとさようなことはございませんで、私どもとしては実はこの目的に大きく誤差が生じた。そういう観点から、私どもといたしましては、ぜひとも今回お願いをいたしておりますような国連平和協力法案なるものが成立をし、そしてこのような協力が一層効果が上がるようにぜひ御審議をお願いしたいということで、今現在審議をお願いしているようなことでございます。
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中谷元#12
○中谷委員 当初は民間に協力を求めたところ、なかなか成果が上がらなかったというふうな御答弁でありましたけれども、そのようなことを背景に、なぜ自衛隊の国連平和協力隊への参加が必要なのであるかということが大きなテーマでありますが、ある政党では自衛官以外のメンバーで協力隊を構成して派遣すべきだというふうに考えておられますが、自衛官であるからだめで、それ以外の人なら安心して出てもいいという、こういう発想は私はどうかと思います。自衛官も市民であり、また平和と安定を祈っておる一人の国民であるわけでありまして、昼夜連日、雨風に打たれ、大変厳しい条件にかかわりませず一生懸命に黙々と訓練を続けているわけであります。日ごろからの災害派遣とか民生協力の支援などでも見られるように、どんな厳しい条件のもとでもチームワークや使命感を持って自分の身をも守りながら果たすべき役割を遂行できる能力が、少なくとも一般の人よりは訓練した分だけ高いのではないかと思いますが、今回のように国連の決議した平和協力に参加することが何か悪いことでもしに行くかのごとく、また国としても戦争につながるから不幸になるというふうな考え方で論ぜられることは大いに疑問に思うことであります。そういった自衛官も市民であるというふうな見地から、国連の平和協力業務に積極的に参加する方がより効果的で、海外からも正当な評価を受けるわけであります。
 そこで、防衛庁の方にお聞きをしたいわけですが、現職の自衛官と一般の人とのそういった意識とか感覚の差、こういう差はどれくらいの開きがあるかということについてお伺いをしたいと思います。
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石川要三#13
○石川国務大臣 中谷先生は数少ない自衛隊の体験者でございまして、特に幹部自衛官としての過去の経験を持っているまことに数少ない議員さんであるわけであります。そういう立場から今御質問ございました。自衛隊隊員というものと一般国民というものとのいわゆる平和というものあるいはこういう国際的な協力というものについての意識の差、こういうことを問われたわけでございます。
 精密にどのような一般国民との差異があるか、そういうあえて調査分析をしたわけではございませんから私の感覚的な答えになろうかと思いますが、私は大臣に就任いたしましてから約十カ月近くなるわけでありまして、その間にできるだけ各部隊を視察してまいりました。北海道から九州までできるだけの部隊を歩いてみたわけでありますが、その部隊視察の際に、これまたできるだけ若い隊員、また時には幹部隊員、そういうような方々と昼食をとりながら、あるいはまた特別に時間を割いて意見交換をしてまいりました。
 その中で私が感じましたことは、一般の私どもが日常接している若い世代の青年たち、そういう方々から見ると、私があえて防衛庁長官であるから身びいきをするわけではありませんけれども、やはり国家的な意識といいますか、その中での自分の与えられた使命感というものは非常にしっかりした考えをお持ちであるということを私は肌身に感じております。しかし中には、特に若いヤングの方、そういう方々は私どもの年代から見ると、ああこういう考えもあるのかな、また今の時代で、私は少なくとも防衛庁長官という立場で一緒に会食をしながら話し合う中で、こういうふうに率直に自分の感情を赤裸々に表現できるものかな、もし昔だったら、とてもじゃないけれども将校さんの前に行って兵隊さんが自分の意見を吐くなんということは恐らく不可能であった、そういうようなことから見ると非常に時代の差異といいますか、そういうものを痛切に感じてまいったわけであります。
 いずれにしましても、私は総括的に言えることは、そういう自衛隊の任務についている方々こそかえって平和というものに対するしっかりした考え方というものは非常に持っているということを私はつくづく肌身に感じたわけでございまして、大勢の方ですから恐らくいろいろな意見があるかと思いますが、総体的には私は、こういう法律の中で与えられた任務によって、世界的な平和の回復のためには整々としてその任につくであろうという確信は持っているわけでございます。
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中谷元#14
○中谷委員 そういう御判断で今回の法案に自衛隊が参加するという趣旨でありましたら、海外的に見ましても非常にお役に立てるような態勢にあると思いますので、積極的に前向きに検討していただきたいというふうに考えております。
 また、ある政党では、自衛隊の参加の様態につきまして、併任参加の形はだめであるけれども休職・出向ならば検討の余地があるというふうなところもございますが、この休職・出向の取り扱いというのはどういうものなのか、そしてそれではどういうふうな事態が発生するのか、これにつきまして防衛庁から御説明をいただきたいと思います。
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石川要三#15
○石川国務大臣 休職とか等の扱いの内容については人事局長の方から答弁させたいと思いますが、その前に、今の自衛隊の参加する参加の仕方、身分をそういう凍結的なことにした方がいいとか悪いとか、いろいろと意見があるわけでありますが、私はいろいろと部隊視察の中で肌に感じたことから私の主観的に申し上げますならば、そういう余り無理に身分を凍結して休職にするというような形が果たしていいか悪いかということには私は大変疑問を持つわけでございます。むしろ自衛隊にはやはり自衛隊員としての誇りもあるし使命感もあるわけでありますので、もしそういう立場で世界の国際的な平和の寄与のために働くことができるということであるならば、やはりそういう使命感、誇りというものをできるだけ尊重して、私は任務についていただく方がよろしいんではなかろうかな、こういう感じがするわけでございますので、一言主観的なことでございますが申し添えて、答弁は詳細に人事局長の方からお答えさしていただきたいと思います。
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村田直昭#16
○村田政府委員 お答えいたします。
 まず第一点でございますが、どうして身分をあわせ有するように考えておるのか、こういうことでございますが、この件につきましては再々御答弁しているわけでございますけれども、一つは、長年にわたって蓄積してきました技能とか経験とか組織的な機能を最大限に発揮して平和協力業務を効果的に実施するためには、自衛隊として参加することが最も適切であるという判断がなされたわけでございます。それで、その結果、当然自衛隊として参加するということであれば自衛隊員としての身分が必須ということになったわけでございます。他方、国連平和協力法によってつくられる枠組みの中で本部長の指揮のもとに活動することが必要であるということになりまして、このため平和協力隊員の身分もあわせ有することが必要となる、こういう経緯でございます。
 なお、お尋ねの休職でございますが、自衛隊員を休職にすることにつきましては、自衛隊法第四十三条及び同法施行令の五十六条の規定に基づきまして、休職の規定は次のようになっております。心身の故障のため長期の休養を要する場合、あるいは刑事事件に関し起訴された場合、学校、研究所その他これらに準ずる施設において、隊員の職務に関係があると認められる調査、研究、指導、技能の修得等に従事する場合、外国政府の招きによってその機関の業務に従事する場合、水難、火災その他自衛隊法第六章に規定する行動に際し所在不明となった場合などにおいて、自衛隊員としての身分を保有するが、その職務には従事しないということで休職になるとされています。
 しかし、休職という制度はそもそも個人的な事情に着目した制度であると考えられまして、部隊単位で休職にするといったことは予想されていないと考えられております。また、出向につきましては、出向することによって自衛隊員の身分が、何といいますか切れるということになって、出向した先の身分制度が適用になるということから、そういう場合には当然本人の同意を要するということが問題になってまいりまして、同意を要して相当人数の者を部隊単位で出すというようなことは極めて、極めてというか、できないということから、出向というような制度はとらなかったわけでございます。
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中谷元#17
○中谷委員 自衛官も一つの非常に重要な仕事でありますから、誇りもあれば家庭もある、生活もあるということで、きちっとした身分で堂々と、社会的にも認められる形で世界に貢献できるように、そういった体制づくりをしていただきたいと思っております。
 ところで、防衛庁の組織の中には予備自衛官制度というものがあるというふうに承知しておりますけれども、この制度について御説明いただきたいと思います。
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村田直昭#18
○村田政府委員 お答えいたします。
 予備自衛官制度でございますが、予備自衛官と申しますのは非常勤の自衛隊員でございまして、自衛官であった者のうちから一定の年齢範囲の者を、その志願に基づきまして三年の任用期間として採用している制度でございます。
 予備自衛官の任務でございますが、有事の際、防衛庁長官の防衛招集命令により招集された場合に自衛官として勤務するということが一つ、それから平時におきましては、防衛庁長官の訓練招集命令に応じまして訓練に従事するということが平時の任務として規定されております。
 処遇でございますが、予備自衛官手当として月額四千円、訓練招集時には訓練招集手当として日額五千六百円が支給されております。
 現在、定員は四万七千九百人、現員は平成二年九月三十日現在で四万七千二百二十四人でございます。
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中谷元#19
○中谷委員 そのような予備自衛官制度が設けられているということでありますけれども、身分の問題でありますけれども、そういった予備自衛官が平和協力隊に参加した場合には自衛官として認められるのか、そしてまた対外的に軍人もしくは戦闘員として扱われるかどうかについてお聞かせいただきたいと思います。
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村田直昭#20
○村田政府委員 ただいまお答えしましたように、予備自衛官の任務は防衛招集命令により招集され自衛官として勤務するということと、訓練招集命令により招集され訓練に従事するという任務でございまして、それ以外の場合には一般の企業等において働いておられるわけでございます。したがいまして、この国連平和協力法に基づきまして防衛庁長官が国連平和協力隊に派遣をするということはできません。したがって、もし国連平和協力隊に参加する場合には、十九条のいわゆる志願をして一定の任期を限って平和協力隊に参加するということがあろうかと思いますが、その場合には当然一般職の国家公務員として扱われるものと承知しております。
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中谷元#21
○中谷委員 もう一つお伺いしておりますが、協力隊の一員として参加するわけでありますが、対外的に見てそういった予備役の自衛官は戦闘員、軍人扱いになるのかどうかについてお聞かせいただきたいと思います。
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柳井俊二#22
○柳井政府委員 お答え申し上げます。
 この法案のもとで一般の募集に応じまして自衛官の身分をあわせ持たない形で平和協力隊員の一員になるという場合におきましては、これは自衛官の身分を持たないわけでございますので、国際法上軍隊の構成員という取り扱いは受けないわけでございます。したがいまして、平和協力隊の一員ということで国際的に扱われるということでございます。
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中谷元#23
○中谷委員 我が国には予備自衛官制度という、そういった組織も大いにあるわけでありまして、こういった人々は民間の中に入って国を守るという士気のもと、訓練も続けているわけでありますので、こういった組織も検討してはどうかと、私も私なりに考えておる次第でございます。
 次に、処遇面でお伺いをしたいわけでありますけれども、協力隊は一般職と特別職の公務員が混合する組織でありますけれども、そういった組織で事故や災害が発生した場合に補償はどうなるのかということについて、まず、一般的に公務員が災害で死亡したとき、どのような補償がとられるのか、お伺いしたいと思います。
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赤尾信敏#24
○赤尾政府委員 一般職の国家公務員が災害に遭いました場合には、国家公務員災害補償法に基づきましていろいろな補償のあり方が規定されてございます。
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中谷元#25
○中谷委員 そのいろいろな補償がされているという内容を御説明いただきたいと思います。
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赤尾信敏#26
○赤尾政府委員 私が今申しました補償といいますのは、特に職務遂行中に殉職した場合の補償でございますが、これは国家公務員災害補償法によりまして遺族補償の対象となるということでございます。
 具体的にどういうものかということでございますが、これは遺族の状況に応じて遺族補償年金または遺族補償一時金が支給されるということになっております。遺族補償年金と一時金の支給につきましては、まず年金につきましては、遺族の数、一人、二人、三人、五人以上というような数によって規定がなされておりますし、遺族補償一時金につきましても、その配偶者であるとか子であるとか父母であるとか三親等以内の者である等、そういう関係に応じて支給されるように規定がなされております。
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中谷元#27
○中谷委員 一般職の場合は理解させていただきましたが、自衛官のような特別職公務員の場合はどうなっているわけでございますか。
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赤尾信敏#28
○赤尾政府委員 自衛官のような特別職の方につきましては、別途防衛庁職員給与法に規定がございますが、その法律のもとでは、国家公務員災害補償法等が準用されるというふうになってございます。
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中谷元#29
○中谷委員 将来協力隊が出た場合、こういった不慮の事故による死亡というのが大いに考えられるわけでありまして、もし自衛隊員が参加した場合、この事態についでどういうふうな問題点が発生するかという一例として、過去の自衛官の殉職事故について事例を挙げてお話しさせていただきます。
 これは本年の二月十七日未明のことでありますけれども、宮古島で起きた交通事故被害者を沖縄本島へ搬送するために出動した一〇一飛行隊の連絡機LR1が宮古島近くで行方不明になり、搭乗していた三人の自衛官のクルーが殉職をしました。自衛隊の三人は公務中の殉職であると認定されて一階級特進し、公務災害の補償として国が定めた賞じゅつ金が支払われることになりましたわけでありますが、賞じゅつ金は防衛庁の訓令によりまして、特に著しい功績があると認められるものは九百万円、特に抜群の功績があり一般の模範となると認められるものが千七百万円と決められているそうでございます。そして特別昇任、これは一階級、二階級上がるわけでありますけれども、その特別昇任と賞じゅつ金の額は連動しておりまして、二階級特進だと千七百万円、一階級だと九百万円というふうになっているわけであります。
 これまで自衛官が二階級特進した例といたしましては二つしかないと報道されておりますけれども、一つは、少年工科学校で生徒ら十三人が訓練中に池で溺死したやすらぎ池の事件の犠牲者の皆様と、それから四十六年、朝霞駐屯地で過激派に刺殺された陸士長、この二例が二階級特進の例でありまして、今回の沖縄の事故の場合は、人命救助に従事していたときに殉職した場合と考えられるわけでありますけれども、一階級特進しかしなくて九百万円しか国からいただかなかったということがあります。
 そこで、この一般職と特別職の公務員の補償についてお伺いをいたしたいわけですけれども、自衛官とよく似た職業に警察官とか消防隊員がございますが、この消防隊におきます国家の補償また組織の補償というのはどういった補償がいただけるのでしょうか。
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