科学技術委員会

1991-04-23 衆議院 全283発言

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会議録情報#0
平成三年四月二十三日(火曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 中馬 弘毅君
   理事 佐田玄一郎君 理事 渡海紀三朗君
   理事 光武  顕君 理事 村井  仁君
   理事 山本 有二君 理事 関  晴正君
   理事 辻  一彦君 理事 近江巳記夫君
      大野  明君    河野 洋平君
      塚原 俊平君    森  英介君
      渡瀬 憲明君    大畠 章宏君
      松前  仰君    森井 忠良君
      長田 武士君    金子 満広君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      山東 昭子君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     平野 拓也君
        科学技術庁長官
        官房審議官   石田 寛人君
        科学技術庁科学
        技術政策局長  須田 忠義君
        科学技術庁科学
        技術振興局長  林  昭彦君
        科学技術庁研究
        開発局長    井田 勝久君
        科学技術庁原子
        力局長     山本 貞一君
        科学技術庁原子
        力安全局長   村上 健一君
        科学技術庁原子
        力安全局次長  長田 英機君
 委員外の出席者
        原子力安全委員
        会委員長    内田 秀雄君
        科学技術庁原子
        力安全局核燃料
        規制課核燃料物
        質輸送対策室長 田辺  実君
        環境庁企画調整
        局地球環境部企
        画課長     濱中 裕徳君
        外務省北米局北
        米第一課長   田中 信明君
        外務省中近東ア
        フリカ局中近東
        第二課長    大木 正充君
        外務省国際連合
        局軍縮課長   神余 隆博君
        文部省高等教育
        局大学課長   泊  龍雄君
        文部省高等教育
        局私学部私学助
        成課長     渡邉  隆君
        文部省学術国際
        局国際学術課長 板橋 一太君
        工業技術院総務
        部研究開発官  後藤 隆志君
        工業技術院総務
        部研究開発官  広瀬 研吉君
        資源エネルギー
        庁長官官房省エ
        ネルギー石油代
        替エネルギー対
        策課長     上田 全宏君
        資源エネルギー
        庁長官官房省エ
        ネルギー石油代
        替エネルギー対
        策課省エネル
        ギー対策室長  松山 孝基君
        資源エネルギー
        庁石油部開発課
        長       望月 晴文君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電安全審
        査課長     森  信昭君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電安全管
        理課長     倉重 有幸君
        海上保安庁警備
        救難部警備第二
        課長      柳田 幸三君
        郵政省放送行政
        局衛星放送課長 團  宏明君
        参  考  人
        (宇宙開発事業
        団副理事長)  船川 謙司君
        科学技術委員会
        調査室長    松尾 光芳君
    ─────────────
委員の異動
三月八日
 辞任         補欠選任
  大畠 章宏君     井上 普方君
  森井 忠良君     井上 一成君
同日
 辞任         補欠選任
  井上 一成君     森井 忠良君
  井上 普方君     大畠 章宏君
同月十一日
 辞任         補欠選任
 森  英介君     小此木彦三郎君
  渡瀬 憲明君     加藤 紘一君
  森井 忠良君     戸田 菊雄君
同日
 辞任         補欠選任
  戸田 菊雄君     森井 忠良君
同月十二日
 辞任         補欠選任
  森井 忠良君     野坂 浩賢君
同日
 辞任         補欠選任
  野坂 浩賢君     森井 忠良君
同月十三日
 辞任         補欠選任
  大畠 章宏君     嶋崎  譲君
  森井 忠良君     野坂 浩賢君
  永末 英一君     和田 一仁君
同日
 辞任         補欠選任
  嶋崎  譲君     大畠 章宏君
  野坂 浩賢君     森井 忠良君
  和田 一仁君     永末 英一君
同月十四日
 辞任         補欠選任
 小此木彦三郎君     森  英介君
  加藤 紘一君     渡瀬 憲明君
同月十五日
 辞任         補欠選任
  森  英介君     木部 佳昭君
  渡瀬 憲明君     小林 興起君
  大畠 章宏君     緒方 克陽君
  森井 忠良君     秋葉 忠利君
  永末 英一君     米沢  隆君
同日
 辞任         補欠選任
  木部 佳昭君     森  英介君
  小林 興起君     渡瀬 憲明君
  秋葉 忠利君     森井 忠良君
  緒方 克陽君     大畠 章宏君
  米沢  隆君     永末 英一君
    ─────────────
三月二十二日
 高レベル放射性廃棄物施設の貯蔵工学センター設置反対に関する陳情書(第八六号)
は本委員会に参考送付された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 科学技術振興の基本施策に関する件
     ────◇─────
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中馬弘毅#1
○中馬委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として宇宙開発事業団副理事長船川謙司君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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中馬弘毅#2
○中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
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中馬弘毅#3
○中馬委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本有二君。
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山本有二#4
○山本(有)委員 私は、本日、新エネルギー、特にソーラーエネルギーにつきまして御質問をさせていただきたいと存じます。
 まず、日本の経済は飛躍的に発展を遂げまして、世界のGNPの一割を満たすようになりました。この背景にはエネルギーを着実に確保できたということがございます。しかし、最近の湾岸危機におきますように、中東情勢はなお不安定化を示しております。そこにいわゆる着実なエネルギー確保の危険を感じるわけでありますが、その一方で、例えば一九九一年四月十七日、つい先日のあのゴルバチョフの衆議院本会議場での演説の中には「地球上の生命は危険にさらされています。エコロジーの危険に直面しています。これからの数十年間、何の手も打たなかったら、地球上の気候、生態系全体にとり返しのつかない変動が生じるだろう。もっと多くのエネルギー、意志、才能を人間の居住環境の救出へと切り替え、それによって地球上生きとし生けるものの救出に向ける時がきている」というような演説がございました。政治体制は違っておりましても、地球規模の問題認識は共通であると私もゴルバチョフ演説に感銘を受けたわけであります。
 さらに、つい最近出ました平成三年版の環境白書、これのテーマは「環境にやさしい経済社会への変革に向けて」であります。そしてその中に「地球温暖化防止行動計画」、そしてその具体案の中には「世界各国が協調して科学的基盤の整備、省エネルギー・省資源の推進、クリーンエネルギーの導入、革新的な環境技術の開発、温室効果ガス吸収源の拡大、次世代エネルギー技術の開発等に取り組む総合的かつ長期的ビジョン(地球再生計画)づくりの共同作業の必要性」があるというようにその「行動計画」の中にもあります。
 こういうようなことを考え合わせ、そしてもう一つ、総合エネルギー調査会、いわゆる「地球規模のエネルギー新潮流への挑戦」という報告書の中には、我が国は経済大国であるが生活小国である。したがって、今後ますます物やサービスへのニーズが高まって、エネルギー需要は拡大をするという報告をされております。
 るる引用いたしましたけれども、私がここで言いたいことは、まず、どうしてもエネルギーの問題においては三点考えておかなければならぬということでございます。
 一つは地球の温暖化、酸性雨等の地球環境問題であります。もう一つは、安定的な供給あるいはエネルギー安全保障と言ってもいいようなその安定的供給であります。そして三番目には、経済発展をなお遂げなければなりませんし、生活小国を脱皮して経済大国、生活大国にならなければならぬわけでありますから、このことにおけるエネルギーコストの問題、この三つの観点を踏まえて今後エネルギー問題に取り組む必要があると思うのでありますけれども、そう考えますと、これまでの化石エネルギーや原子力、さらにその次へというようなニーズがおよそ地球規模で高まっていると思います。
 そこで御質問いたします。
 新エネルギーの導入に積極的に取り組む必要があると思いますけれども、この政府の考え方を尋ねさせていただきます。
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上田全宏#5
○上田説明員 お答え申し上げます。
 我が国は、先生御指摘のように、一次エネルギーの大半を輸入石油に現在依存しておりまして、エネルギーの供給構造が極めて脆弱でございます。このため、各種の石油代替エネルギーの開発導入が急務であろうかと存じておるわけでございます。このため政府といたしましては、従来より石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律に基づきまして、いわゆる供給目標を定めまして、また特別会計制度も整備いたしまして、例えばサンシャイン等の新エネルギー、太陽光等の新エネルギー技術開発等各般の開発を進めておるところでございます。
 先生御指摘の新エネルギーでございますが、例えば太陽光発電、風力、燃料電池とございますけれども、これらはいわゆる世界的な地球環境問題に対しまして大変期待の持てるエネルギーであるということで関心が高まっているところでございます。昨年十月に、政府におきましても石油代替供給目標を改定いたしまして、新エネルギーについては二〇一〇年で五・三%の見通しを立てて、それに向けて鋭意施策を進めているところでございます。
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山本有二#6
○山本(有)委員 これから頑張っていただけるということでありますが、今後エネルギーを供給する上において重要な役割を果たすと期待されておるものが幾つかあると思うのです。その新エネルギーの種類と特徴、これから供給に使われるべきものとしてのそういう特徴をちょっと御説明いただければと思います。
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上田全宏#7
○上田説明員 お答え申し上げます。
 新エネルギーのうちで現在実用化に近くて重要なものと判断されておりますのは、いわゆる太陽エネルギー、風力エネルギー、それから燃料電池が挙げられるかと存じます。これらはいわゆる石油代替エネルギーであると同時に、CO2等の発生がゼロまたは少ない、こういうクリーンなエネルギーだということで注目されておるわけでございます。
 ただ、反面、エネルギーの密度が希薄でございまして、また自然条件に左右されるという面もございますので、現時点では残念ながらコストが割高であるという制約がいずれの新エネルギーについても共通して言えると思います。
 種類と特徴を述べよということでございますので若干敷衍させていただきますと、まず、太陽光発電につきましては、シリコン等の半導体を用いまして太陽エネルギーを直接電気にかえる、こういう性質のものでございまして、技術的には一応確立されてございますけれども、例えば日照条件等によって出力が変動するといったような問題点も抱えているわけでございます。
 それから風力でございますが、これも小型、中型のものについては一応技術的な点では確立しておるわけでございますけれども、これは立地点、風が吹かなければ風力発電にならないという意味で密度が極めて低いものでございまして、その点が若干難点であると言われておるわけでございます。
 それから燃料電池につきましても、例えば効率性がいいとか、それから需要地に近い、環境への影響が小さい新エネルギーである、それから天然ガスとかいろいろな熱源も利用可能であるという割と便利な新エネルギータイプのものであるというふうに言われておるわけでございますが、まだ普及の程度が低くて割高であるというのが現時点での状況でございます。
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山本有二#8
○山本(有)委員 なかなか難しい点が多いようでありますが、つい先日NHKが放送衛星を打ち上げようとして失敗したというセンセーショナルなニュースがありました。それは放送衛星ゆり三号aの太陽電池が性能が劣化して衛星放送に支障が出るということが原因で打ち上げに臨んだわけでありますが、そう考えてみますと、既に宇宙の世界では太陽電池というものが不可欠であって、そしてこの太陽電池の開発や耐久性というものが
我々の生活にも物すごく影響しているということが明らかになったわけであります。
 もう一つ日常的なことでいえば、電卓のエネルギーはこれまた太陽電池でありまして、そう考えてまいりますと我々の日常には既に随分生かされておるということが言えるわけでありまして、南国の方に行きますとソーラーの機器、おふろを沸かすのに太陽熱を利用しているとかいうこともあります。我が四国では仁尾町には太陽熱の発電プラント、西条市では太陽光の発電プラントがそれぞれ研究をされております。また、今度石川県ではソーラーカーのラリーがあるそうでありますけれども、そんなこともこれからの新しいエネルギーへの示唆になるような気がいたします。
 そこで、現在どういったものがどういうように使われているのか、ソーラーエネルギーの利用の現状をお伺いいたします。
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上田全宏#9
○上田説明員 お答え申し上げます。
 ソーラーエネルギーにつきましては、太陽光発電、これにつきましては先生御指摘のように従来電卓用というのが一番ポピュラーな形でございますが、現在存在しますものの例としまして、例えば白馬山の山小屋、いわゆる白馬山荘のところに大体七十キロワットぐらいのものが実験的に設置してあるとか、例えば甲府のあるガソリンスタンドの電源、これは十キロワットぐらいのものでございますが、そういったものについて導入事例がございます。それから民生機器をいろいろ家電業界も開発しておりまして、その中でソーラーエアコンというような太陽電池を組み込んだ新商品も開発努力をしておると聞いております。
 それから、太陽光発電のほかにもう一つ、太陽熱というものがございますが、これにつきましてはソーラーシステムというのが全国で大体三十五万台ぐらい普及しております。このほか、もっと簡単な、いわゆる屋根なんかに取りつけてございます太陽熱を利用した温水器でございますが、これは全世帯の一割ぐらいの普及でございまして、全体で四百六十万台ぐらい全国で普及しているのが現状でございます。
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山本有二#10
○山本(有)委員 まだまだ利用の状況というのは芳しいとは言えません。これからもっと利用していただかなければ、冒頭申し上げましたいわゆる環境の問題等々の問題をクリアできることにはならないわけであります。
 そこで、ソーラーエネルギーの普及を国がもっと積極的に推進すべきではなかろうかと私は思います。これは民間だけに任せておりますと、どうしても先ほど申し上げました新エネルギーの中の太陽エネルギーの難点、いわゆるコストの問題、そこにぶつかってしまいます。したがいまして、このソーラーエネルギーを利用するときには国がもっと支援をしていくというような積極性が要ると思いますけれども、国の現在の支援策と将来の支援策、これを尋ねさせていただきます。
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上田全宏#11
○上田説明員 お答え申し上げます。
 国のいわゆる支援策につきましては、大きく分けまして技術開発段階のものと導入普及のための施策とあるかと思います。
 まず、技術開発段階のものにつきましては、いわゆるサンシャイン計画の中で太陽エネルギーも力を注いでおるものでございまして、例えば平成三年度予算で約七十四億円の措置を講じて鋭意技術開発に邁進しておるところでございます。
 それからもう一つ、実現に向けての導入普及に当たっては、先ほど来申し上げておりますように経済性の克服、割高問題の克服というのが重要でございまして、現在政策的に初期市場を人為的に創出する、こういう努力を行っております。このために、例えばいわゆるローカルエネルギーモデル補助制度ということで国の方が二分の一補助をしていく、こういうようなモデル事業を推進しているのが一つ。
 それから税制面でも対応いたしておりまして、いわゆるエネルギー環境変化対応投資促進税制というのが現在ございますが、その中で太陽電池とか太陽熱利用機器などを対象としておるところでございます。それから平成三年度新たに、例えば地方税、固定資産税の軽減を内容といたしますローカルエネルギー税制、これは従来から税制自体はあったわけでございますが、その中に太陽光発電、太陽電池でございますが、それとか風力発電機もその対象にするとか、それから燃料電池につきましては開銀の低利融資をするとか、こういったものを平成三年度新たに施策を加えておるところでございます。今後ともこれらの施策を通じまして太陽エネルギーの導入普及に最大限の努力を傾注してまいりたいと存じております。
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山本有二#12
○山本(有)委員 現状も支援策はある程度やっており、今後も取り組んでいただけるということでありますが、次に私は、ソーラーエネルギーの今後の見通しあるいは研究開発についてお伺いしたいと思います。
 その私の考え方のポイントは、要は普及をさせていただきたいという考え方のもとにこのことをお聞きするわけでありますが、そのときに当たって新エネルギーというものをどういうように活用し、利用していくべきなのかということを考えております。例えば先ほどは太陽、ソーラー、それから風力、そして燃料電池、こういうように言っていただきましたけれども、さらに私は地熱とか波力とかいうようなことを考えてまいりますと、風力は風のないところでは起きないわけでありますから、例えば群馬県の空っ風、北関東の空っ風とかいうことであれば、その地域は風力を中心に研究開発をする。そしてまた、地熱ということになりますと別府とかあるいは箱根とかいう温泉地帯で地熱の発電を考える。さらには玄界灘とか佐渡島とか波の高いところで波力の発電を考える。 そういうことになりますと、ソーラーを考えてみますと、私の選挙区の高知県というのは日照時間が全国で三番目に長いわけでありまして、一番が香川、二番が宮崎、三番が高知県、その差はほとんどありません。そういうことを考えてみますと、そういった地域にはソーラーの研究開発及び将来的にはそういうソーラーエネルギーで町が維持できるというような研究開発システムを考えていくべきではないかというように思っております。
 そこで、現状の研究開発と今後の見通しについてお伺いさせていただきます。
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後藤隆志#13
○後藤説明員 お答え申し上げます。
 太陽エネルギーの技術開発につきましては、私ども通商産業省のサンシャイン計画におきまして、昭和四十九年度から、太陽光発電技術それから太陽熱を用いましたソーラーシステムというものの研究開発を実施してきております。
 太陽光発電技術につきましては既に原理的には確立をされておりますけれども、実用化というものを考えていく上でやはり経済性を向上させるということが重要なかぎになると考えておりまして、現在進めております技術開発におきましては、発電コストで見まして、西暦二〇〇〇年に現在の家庭用電気料金並みの水準というところまで低下をさせていきたいと考えております。
 具体的には、太陽光発電の中核になります太陽電池を大量かつ安価に製造するための技術開発、また太陽電池の変換効率を上げる技術、さらに太陽電池を中心とした太陽光発電システム全体につきましても、その利用分野、例えば離島ですとか山小屋ですとか防災用というような分野、さらには都市における各家庭またはビルの屋上に設置しての利用というような分野での技術開発を進めております。
 また、ソーラーシステムにつきましては、既に民生用のものにつきましては実用化されておりまして、現在は私どもサンシャイン計画の中では産業用ということに絞りまして技術開発を行っております。
 具体的に申し上げますと、システムの効率を向上し、またコストを低下させるということのために、例えば集熱器のような要素技術というものを開発しておりますし、また太陽熱を利用しまして冷凍するというような技術開発、さらにはパッシブソーラーという新しい概念でのシステムの構築というものの研究開発に取り組んでおります。
 今後ともこれらの研究開発を着実に進めていく所存でございますけれども、さらに長期的な課題といたしましては、現在の二倍以上のエネルギー変換効率を持ちます超高効率太陽電池というものも開発していきたいと考えております。
 以上です。
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山本有二#14
○山本(有)委員 次に、長官にお伺いをさせていただきます。
 カワウソという動物を御存じでしょうか。これは北海道から沖縄まで生息しておりましたけれども、今現在残っているのは三匹だけ高知県に残っているのです。しかも、川の魚しか食べませんし、自然環境のいいところにしか住めません。ということは四国の南端の高知がカワウソにとって一番自然環境がよかった、こういうことでありますけれども、四万十の清流とか、そういう自然環境が経済発展の中に取り残されたがゆえに残っている。
 そこで、そういったところでいわゆるソーラーエネルギーを活用し、しかも日差しの強いところでありますから、そういうような地域地域での新エネルギーの開発というものが、先ほど申し上げましたように非常に大事になってくるだろうと私は思います。大阪ではどういうものが大事か私もわかりませんけれども、そういった地域での新エネルギー活用ということにつきまして、御意見があれば少しだけお聞かせいただきたいと思います。
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山東昭子#15
○山東国務大臣 私も十代のときから日本全国を歩きまして随分いろいろな地方も見てまいりましたけれども、やはりその地域の特性というものはそれぞれあるだろうと思います。それは、農林水産の問題ももちろんでございますけれども、地域の実情というものを把握しながらこうしたエネルギー問題というものも考えていかなければいけないということは承知いたしております。いろいろな環境問題あるいは経済活動ということだけではなしに、それぞれの地域の観光であるとかそういうものもございますので、いろいろ考えていることと直接結びつけてすぐエネルギーといった問題に果たして通用するかどうかはなかなか疑問の点もあるかと存じますけれども、今後もいろいろ多角的にこうしたエネルギーという問題を考えていかなければならないなと考えております。
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山本有二#16
○山本(有)委員 ありがとうございました。
 最後に、長官にお伺いいたします。
 種々のエネルギーの研究開発をしなければならない、これから新エネルギーに取り組んでいかなければならないということが明らかになってきたわけでありますが、私が冒頭申し上げましたように、地球環境問題そしてエネルギーの安定的供給、安全保障の問題そしてコストの問題、こういった点につきまして、今後のエネルギー研究開発に対する科学技術庁長官としての取り組みにつきましてお伺いさせていただきます。
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山東昭子#17
○山東国務大臣 エネルギーの安定供給は、我が国の最重要課題の一つでございます。政府といたしましては、科学技術政策大綱に基づきまして積極的にエネルギーの研究開発を進めておりますけれども、具体的には原子力及び太陽、地熱、海洋、風力など、それぞれの特性に応じて多様な利用ができるよう、長期的観点から幅広い研究開発に取り組んでおります。
 さらに、地球環境問題など内外の情勢変化などを踏まえまして、現行のエネルギー研究開発基本計画を改定するべく現在科学技術会議において審議中でございますけれども、今後ともエネルギーの研究開発を一層強力に推進してまいりたいと思っております。
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山本有二#18
○山本(有)委員 終わります。ありがとうございました。
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中馬弘毅#19
○中馬委員長 大畠章宏君。
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大畠章宏#20
○大畠委員 日本社会党の大畠でございます。私は、この科学技術委員会での初めての質問でございますので、日本の科学技術に関する全般的な課題について質問を交えていろいろ討論したいと考えます。
 最初に科学技術の研究についてでございます。
 私はある企業の出身でございますけれども、企業は人なりということを言われるわけであります。科学技術もどんなに科学技術、科学技術と言ってもやはり人を育てること、それなしに日本の科学技術というものはあり得ないのじゃないかと思うのです。そこで、日本の科学技術というものを支えている人づくりという面では今、日本はどうなっているかということについて少し御質問したいと思います。
 今、皆さん御存じのとおり、産業といいますか製造部門、科学技術、そういうものに対する学生の興味というのも非常に少なくなってきて、例えば工学系、理工学系を卒業した学生もサービス産業あるいはまた銀行、保険会社等に流れつつある状況でございますけれども、私は非常にその状況を憂えております。そこで、今科学技術立国と言われている日本を支えている理工系の大学の研究室の実態というのはどうあるのかということを、いろいろ御質問の中で討議させていただきたいと思うのです。
 私は、今の大学の研究室、理工学系の研究室の研究内容あるいは研究室の状況というのは非常に寂しい状況にあるのじゃないか。そういうことで、そこで一生懸命やったとしても、科学技術あるいはそういう状況になかなか興味を見出せなくて、金融業界あるいはサービス業界というところに流れてしまうのじゃないかという感じがします。私も理工系のある大学の研究室を出たものでありますけれども、非常に予算は厳しい、あるいは使っている機械が古い。その中でも一生懸命やってまいりましたけれども、現代の科学技術の発展というものを考えると、大学の研究室の状況が現在の科学技術の状況と異なって非常に低いレベルにあるのではないかという感じがいたします。そういうことから、今国立大学の理工学系の研究室の年間の平均予算というのは一体どれぐらいとってあるのか、まずお伺いしたいと思います。
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泊龍雄#21
○泊説明員 国立大学の理工系学部の研究費等についてのお尋ねでございます。
 国立大学の一研究室当たりの研究費につきましては、各大学自体における予算の配分方針あるいは研究室の研究状況等によってもさまざまでございますけれども、予算上の積算を基幹的な教育研究経費でございます教官当たり積算校費ということについて申し上げますと、例えば博士課程を置く理工学部の一講座当たりの年間の校費が七百五十七万円、平成三年度でございます。
 それからまた、旅費という面で見てまいりますと、研究旅費につきましても予算の積算上は、博士課程を置く理工学部の場合で申し上げますと、理工学部の教授一人当たり積算単価が十四万五千九百四十円、これはいずれも平成三年度でございますが、積算をいたし、そして教員数に応じ配分をしているところでございます。
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大畠章宏#22
○大畠委員 年間予算七百五十七万円ということですが、これは人件費とかそういうものは全部除いた純粋な研究に用いられる、いわゆる機器の購入ですとか材料の購入ですとかあるいはその研究に必要な機材の購入とか、それも全部含んでおるのですか。
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泊龍雄#23
○泊説明員 ただいま申し上げました教官当たりの積算校費、これは人件費等は除いてございます。したがいまして、一般的に研究室を運営していくために、光熱水料でございますとか備品等の消耗品でございますとか、場合によっては簡単な設備とかいったものをこれで措置をする、こういう内容でございます。
 これはいわば基幹的研究経費について例を申し上げたわけでございますが、ちなみにこのほかに、例えば研究室によりましては、いわゆる外部資金ということで奨学寄附金ということで外部からの寄附金等、あるいは受託研究、共同研究といったような形での外部からの資金が入ってまいります。それからまた、研究者によりましては御案内の科学研究費補助金の交付を受けて運営に当たっている、こういう実情でございます。
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大畠章宏#24
○大畠委員 今外部から研究補助費といったいろ
いろなものが入っているということですが、それは大体どのくらい入っているとつかんでおられますか。
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泊龍雄#25
○泊説明員 今申し上げました分野で平成二年度で国立大学全体ということで、内訳がございませんので総体で申し上げますと、奨学寄附金という形で外部からの寄附金が丸い数字で約三百九十一億、トータルで入っております。また受託研究費ということで七十一億余り、それから大きなところで科学研究費というのは御案内のとおり平成二年度で五百五十八億、今年度は五百八十九億計上されている、こういう状況でございます。
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大畠章宏#26
○大畠委員 総額で言われても一研究室になるとどのくらいだかちょっとわからないのですが、この研究予算というのは、アメリカあるいはヨーロッパの理工学系の一大学院の研究室の方の予算に比べてどうですか。
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泊龍雄#27
○泊説明員 研究費等につきまして諸外国との比較、それぞれの国の例えば設置形態なり学校の運営のあり方というのがまちまちでございますので、一律な比較はなかなか難しいのではないかと思っております。私どもも一部分一部分につきましては時たま関連のデータ等眺めるわけでございますが、なかなか十全な比較というのは難しいという気がいたしております。
 ただ、先生多分御指摘の点は、今の国立大学の教育研究条件がなかなか十分ではないのではないかということを御心配の上の御指摘だと思います。そういう意味合いでは、例えば民間の研究所等の研究条件といったようなこと、これはお金の面あるいは設備の面といったような問題等からその国立大学の教育研究条件が不十分である、将来の日本にとって非常に憂慮すべき状況になりつつあるというような御指摘を私どもも関係者あるいは審議会等からいただいているところでございます。これらの点につきましては、私どもとしてもやはり今後の日本の人材養成あるいは学術研究の進展ということを考えますと、今後の非常に大きな課題であるというふうに考えておりまして、これらの関係予算等の確保といったようなものに最大限の努力をしてまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
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大畠章宏#28
○大畠委員 総論はわかるのですけれども、本当に危機感を感じているのかどうかということはちょっと感じられませんね。というのは、文部省が小学校から大学まで、それも文系から理工学系まで全部抱えていて、特に科学技術立国日本の技術関係の実態というものが大学においてどんどん低下している。そういうことまで含めて、そこに手を差し伸べようとする余力が文部省にないのではないかと私は思うのですよ。
 私はもうちょっとお伺いしたいのですけれども、現状を非常に危惧しているということ、それを今これからどう改善されようとしていますか。施設面あるいは研究室の、今の話では旅費も十四万円ということでありますが、一体十四万円で何人の人がどのくらい、科学技術関係の国内の発表もあるでしょうし、海外の発表もあるでしょうし、それで十分な研究活動ができると思っていますか。
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泊龍雄#29
○泊説明員 私どもとしても現在が十分であるとは決して思っているわけではございません。ある意味で、これは新たな措置を講じてこういった事態を解決してまいらなければならないというふうに思っているわけでございます。
 御案内のような現下の行財政事情等もございますので、今年度も、例えば先ほど申し上げましたような教官当たり積算校費、それからまた学生に着目した学生当たり校費とかいったようなものについて単価改定等を含めまして増額を図るとか、あるいは施設等予算につきましても、わずかながらではございますけれども増額を図るといったような努力をさしていただいてきているところでございます。
 こういった事態につきましては、私どもの大学審議会におきましても、やはり今後の日本の高等教育の整備を図る上で行財政上の措置というものが非常に大事であろうということで、実は鋭意御検討をいただいているところでございます。そして特に、御案内のとおり平成四年度がいわば日本の十八歳人口、高等学校卒業者という意味では最大規模で、これらにこたえなければならないという一面の要請もございます。しかしその後これが急減いたしてまいります。こういった中で、この二〇〇〇年に向けた高等教育全体のあり方はどうあるべきか、その中で行財政措置といったものはどうあるべきかという御検討もいただいております。
 その中で、現在審議中ではございますけれども、一般的に言われておりますのは、広く基盤的な整備を図ると同時に、やはり世界に伍してこれまでの活力を維持していくということであれば、それに対応していわゆる重点配分といったような新たな財政措置も必要ではないかというような多方面にわたる御指摘もいただいておりますので、こういったものを踏まえまして、私どもとしても可能な限りの努力をしてまいりたいというふうに考えております。
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