経済・産業委員会

1998-03-12 参議院 全126発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
平成十年三月十二日(木曜日)
   午前十時開会
    —————————————
   委員の異動
 三月十日
    辞任         補欠選任
     猪熊 重二君     海野 義孝君
    —————————————
  出席者は左のとおり。
    委員長         吉村剛太郎君
    理 事
                沓掛 哲男君
                畑   恵君
                平田 耕一君
                平田 健二君
                梶原 敬義君
    委 員
                倉田 寛之君
                斎藤 文夫君
                中曽根弘文君
                成瀬 守重君
                西田 吉宏君
                吉川 芳男君
                小島 慶三君
                前川 忠夫君
                海野 義孝君
                加藤 修一君
                山下 芳生君
                平井 卓志君
                水野 誠一君
   国務大臣
       通商産業大臣   堀内 光雄君
       国務大臣
       (経済企画庁長
       官)       尾身 幸次君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      根來 泰周君
       公正取引委員会
       事務総局経済取
       引局取引部長   上杉 秋則君
       経済企画庁調整
       局審議官     小林 勇造君
       経済企画庁総合
       計画局長     中名生 隆君
       経済企画庁調査
       局長       新保 生二君
       通商産業大臣官
       房商務流通審議
       官        岩田 満泰君
       通商産業大臣官
       房審議官     杉山 秀二君
       通商産業省通商
       政策局長     伊佐山建志君
       通商産業省産業
       政策局長     江崎  格君
       通商産業省環境
       立地局長     並木  徹君
       通商産業省基礎
       産業局長     作田 頴治君
       資源エネルギー
       庁長官      稲川 泰弘君
       中小企業庁長官  林  康夫君
       中小企業庁次長  中村 利雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        塩入 武三君
   説明員
       環境庁企画調整
       局企画調整課長  小島 敏郎君
       外務省アジア局
       地域政策課長   佐藤  悟君
       文部省体育局学
       校健康教育課長  佐々木順司君
       厚生省生活衛生
       局食品化学課長  黒川 達夫君
       労働省労働基準
       局賃金時間部労
       働時間課長    森山  寛君
   参考人
       日本銀行企画局
       長        川瀬 隆弘君
    —————————————
  本日の会議に付した案件
○経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査
 (通商産業行政の基本施策に関する件)
 (経済計画等の基本施策に関する件)
 (平成九年における公正取引委員会の業務の概
 略に関する件)
    —————————————
この発言だけを見る →
吉村剛太郎#1
○委員長(吉村剛太郎君) ただいまから経済・産業委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十日、猪熊重二君が委員を辞任され、その補欠として海野義孝君が選任されました。
    —————————————
この発言だけを見る →
吉村剛太郎#2
○委員長(吉村剛太郎君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査のため、本日、日本銀行企画局長川瀬隆弘君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
吉村剛太郎#3
○委員長(吉村剛太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    —————————————
この発言だけを見る →
吉村剛太郎#4
○委員長(吉村剛太郎君) 経済、産業、貿易及び公正取引等に関する調査を議題とし、通商産業行政の基本施策に関する件及び経済計画等の基本施策に関する件等について質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →
沓掛哲男#5
○沓掛哲男君 おはようございます。自民党の沓掛でございます。先日の堀内、尾身両大臣の所信及び根來公正取引委員長の報告について質問いたします。
 昨年暮れの臨時国会で堀内通産大臣に質問いたしましたが、その際、尾身経済企画庁長官には別の公用で私の質問時間帯は不在でございましたので、きょう初めて質問をさせていただきます。五十分の持ち時間なので簡潔に質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 まず最初に、我が国の景気の現況と見通しについて、ひとつ尾身長官にお願いいたします。
この発言だけを見る →
尾身幸次#6
○国務大臣(尾身幸次君) 私ども、日本経済は停滞をしていると、一言で言いますとそういう表現をしているわけでございますが、全体として、個々について多少御説明をさせていただきますと、純輸出は、輸出が強含み輸入が横ばいということで、全体として増加傾向にございます。設備投資は伸びが鈍化しているわけでございます。住宅建設は、新規着工数、年率百三十万戸前後という状況で推移しておりまして、依然としてその水準は低いという状況でございます。
 消費でございますが、秋口から特に金融関係機関の倒産が相次いだり、アジアの状況が混乱をしたり、それから株価が急速な低下をしたというようなこともございまして、先行き不信感、先行きの経済に対する信頼感が欠如し始めておりまして、企業家及び消費者のマインドが低下をしている、そういう中で実は非常に低い水準になっております。消費性向で申しますと、九月の七一・九%から一月には六八・六%へと、この九月から一月までの四カ月間で三・三ポイント低下をしておりまして、マインドの低下が消費の低下に非常に大きな影響を及ぼしているというように考えております。この三・三ポイントという数字は、年率金額ベースで申しますと十兆円を超える額でございまして、そういう意味で先行きの動向に対するマインドが低下してきていたということが大変大きな影響がありまして経済が停滞をしているという状況だと認識しております。
 他方、いわゆる金融システムに対する不安感につきましては、昨年の十一月後半から十二月いっぱいにかけまして大変大きな不安感がございましたが、金融システム安定化法案の提出、それから可決、成立の過程の中でシステムについての不安感というものがほとんど解消されたというふうに考えております。したがいまして、そういうことを反映して、全体としてのマインドそのものは株価の動向等に見られますようにかなり改善をしているわけであります。
 しかしながら、そういうマインドの低下が実体経済の方に影響を及ぼしてきておりまして、そういう面で十二月、一月、二月と経済が停滞をし、厳しい状況にあると認識している次第でございます。
この発言だけを見る →
沓掛哲男#7
○沓掛哲男君 ありがとうございました。
 そこで、今回のアジアの通貨・金融危機のショックは最近になく大きいものでした。危機の原因論は既に出尽くしている感もあり、質問時間の関係で省略いたします。
 さて、それでは一年前の今ごろ、このたびのアジアの通貨・金融危機を事前に察知する、すなわち予知することはできなかったのでしょうか。どの程度情報を収集され、その分析がなされていたのでしょうか。例えば、私なりに考えてみましても、一九九四年に中国人民元がドルに対して三〇%を超える大幅切り下げをし、日本円も一九九五年の後半以降はドルに対して急速に切り下がっているのに、その他のアジアの通貨はドルと固定されていたので、円や人民元に対して切り上がることになり、それが国際収支を悪化させ、無理が出ていたのではないでしょうか。
 九六年ごろから国際金融界ではそろそろ危ないと言われたということなんですが、きょうは専門家の各省庁に来ていただいておりますので、その方々から、まずこういう一年前の今ごろとても予想、予知できなかったのか、あるいはどの程度の情報収集がなされ、そして分析がなされていたのかを簡潔に、結果だけで、ノー・オア・イエス的な形で結構なんで、経済企画庁、外務省、大蔵省、通産省、日銀に来ていただいておりますから、一言ずつお願いします。
この発言だけを見る →
新保生二#8
○政府委員(新保生二君) 御指摘のように、アジアの一部、ASEAN諸国の中では経常収支の赤字が少し大きくなっているという状況が問題視される点はありましたけれども、しかし、一昨年十二月、九年度の見通しを立てる時点においては、これほどまでの通貨危機が起きるというふうには想定されておりませんでした。
 例えば、平成八年十二月当時、OECDが、国際機関がアジアの予測を出していますが、その予測を見ますと、平成九年の成長率は韓国が七%、タイが七・五%、マレーシア七・七%というような状況でございました。IMFにおいても九七年は七・五%の成長が可能であるというふうに見通しておりまして、国際機関を含めて、ここまで通貨危機が混乱するというような予測はかなり無理な、そういう予想はほとんど立てられていないという状況でございました。
この発言だけを見る →
伊佐山建志#9
○政府委員(伊佐山建志君) 私どもの情報収集状況についてお答え申し上げます。
 去年の五月ごろに私ども通商白書を出させていただいておりますが、その中で、通貨危機が起こるかもしれないというそういうウォーニングは出しておりませんけれども、今回IMFの支援を受けることに至りました国々についての経済状況については、大変先行きについての不安定な要素がある、あるいは競争力が低下してきているという意味での、一般的な経済状況が悪化していることについては資料に基づいて分析し、ウォーニングを発しているところでございます。
 ただ、今経済企画庁の新保局長が言われましたように、具体的にこういう形でもって起こるかということについては、そこまで明確な分析はいたしておりませんでした。こういう分析に当たりましては、私ども通産省の下にジェトロでありますとかアジア経済研究所がございます。そういったところの情報をフルに使って情報分析を行ってきたところでございますが、今後そういったところについて御指摘のようなことに的確に対応できるようなそういう体制をとっていきたいと思っております。
この発言だけを見る →
沓掛哲男#10
○沓掛哲男君 ほかにお呼びした外務省、大蔵省、それから日銀で、今と非常に違うという意見があったら教えてください。
この発言だけを見る →
佐藤悟#11
○説明員(佐藤悟君) 外務省としましても、在外公館等を活用しながら関係各国、国際機関、さらには現地の日系進出企業等の方々からいろんな情報を収集して分析をしておったわけでございますけれども、結果的には先ほど話が出ています通産省、経企庁等の見方と同じで、これほどまでに急激な形でタイのバーツが下落し、さらには周辺国に危機が波及するということは、昨年の今ごろの時点では予測できなかったという状況がございます。
 今後とも、今回のような危機に対応できるように情報収集体制を強化しながら対応していきたいと考えております。
この発言だけを見る →
沓掛哲男#12
○沓掛哲男君 時間の関係で次に進みたいんですが、経済企画庁、外務省、大蔵省、通産省、日銀の方々に来ていただいておりますが、この方々がそれぞれの情報を持ち寄り一体となって調査検討すれば、いつという時期は特定できなくても、アジアでの通貨危機、金融不安の起こることは今のお話でもある程度わかっておられたようでございます。
 さて、従来から言われている危機管理というのは武力行使や災害に伴うものですが、今回の金融危機を契機に、国内外の金融問題に対する危機管理体制も早急に策定すべきではないかというふうに思います。一案として、経済企画庁長官がおっしゃったような、そういう部局の方々を集めて自由な討論の中で幅を持った意見の集約をし、必要に応じて公表するというようなことも一つの案かもしれません。
 また、私自身考えるんですが、関係部局を集めて局をつくったらよいというふうには私は思いません。各分野からいろんなそれぞれ異なった情報を集めるということも非常に大切です。しかし、単にそれを集めただけでは役に立ちません。それらを集約して必要な措置を講ずる仕組みがぜひ必要ではないか。これだけ日本が大国で、そしてたくさんの人をアジアや世界に出しているんですから、その情報はたくさん入ってくるはずなんで、個人個人についてはいろんな意見をお持ちだけれども、それを集約して表に出す、そしてそれを対策として出していく、そういう仕組みが私はまだ十分ではないんじゃないかなというふうに思いますので、この仕組みについて両大臣のどちらかから御所見をいただければありがたいと思います。
この発言だけを見る →
堀内光雄#13
○国務大臣(堀内光雄君) 仕組みと申しますか、私ども通産省としてこの問題に取り組んでいる状況といたしましては、中長期的な視点からの中小企業あるいはすそ野産業の育成、人材育成協力及びインフラの整備等の経済発展基盤、こういうものの強化が必要だということで取り組みを行っているところでございますが、各省庁が一体となってこの問題についても取り組んでいくべきだというふうに考えております。
 したがいまして、相互協力の支援をいろいろと各国との連携に努めてまいっておりますが、これからも当省といたしまして、今月の初めから当省の職員をタイ政府の産業構造調整のアドバイザーとして派遣をいたしましたり、貿易保険の積極的な引き受け、円借款の拡充、そういうような問題に最大限の努力を行っているところでございますが、先生の御指摘を踏まえて、より一層この間の各省庁と一体となっての取り組みを進めてまいりたいというふうに思っております。
この発言だけを見る →
尾身幸次#14
○国務大臣(尾身幸次君) ただいまの沓掛委員の御提案、ある意味で大変ごもっともであるというふうに感じている次第でございます。私ども、毎年の経済見通しを立てます際には、大蔵省、通産省と相談をしながら、前の年の十二月ごろにその次の年の経済見通しを立て、外務省やその他の関係各省等の御意見も伺いながら数字を決めているところでございます。
 したがいまして、一昨年の十二月に立てました日本経済の見通し一・九%という数字につきましても、当然その時点における国際、国内、いろんな面の状況をそれぞれ情報を持ち寄りながらやっているわけでございますが、結果としてIMFの見通しも間違えたように、アジアの経済状況等につきまして、今から反省をいたしますと、十二月の段階で数字に出たような形での見通しを立てていなかったということでございまして、今後とも関係各省庁との連絡を緊密化しながら対応してまいりたいと思っている次第でございます。
この発言だけを見る →
沓掛哲男#15
○沓掛哲男君 どうもありがとうございました。
 本当にそういう形で、各省庁のいろいろ集めている情報、そういうものを国の政策に生かせる、そして今回のような大きな損失を未然に防ぐような、そういうことをぜひやっていただきたいというふうに思います。
 そこで次に、貸し渋りの問題についてお尋ねしたいと思います。
 金融機関の貸し渋りの実情をどのように把握しておられるのか、中小企業庁長官にお願いしたいと思います。
この発言だけを見る →
林康夫#16
○政府委員(林康夫君) 中小企業に対する金融機関の貸し渋りの現状についてのお尋ねでございます。
 貸し渋り問題につきましては、実は昨年の九月ごろからその兆候が出始めた時点で私ども調査を始めております。そして、現状では、当省が先月実施した中小企業の資金調達に関する実態調査によりますと、約三割が現在貸し渋りを受けておる、そして五割を超える企業が今後の貸し渋りを懸念しているという大変厳しい状況が続いております。
 昨年六月以降毎月、月を追うごとに貸し渋りを受けているという企業の割合が増加してきているというのが実情でございます。年度末を目前に控えまして、引き続き予断を許さない状況にあると考えておりまして、当省といたしましては、中小企業のニーズを適切にくみ上げまして、事態の推移を注意深く見守りながら、今後とも政府系金融機関の融資、そして保証協会の保証による民間金融機関の金融の円滑化によりまして、中小企業の資金調達に万全を期してまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
沓掛哲男#17
○沓掛哲男君 そこで次に、貸し渋りに関連して公正取引委員長にお尋ねしたいと思います。
 企業に対しての現下の金融機関の貸し渋りは、今も中小企業庁長官からお話のありましたように、我が国の産業経済に大きな打撃を与えております。政府としても、その対策として、金融機関の自己資本を増強するための公的支援を行う、あるいは政府系金融機関の新たな融資制度の創設や信用保証協会の基本財産の大幅な積み増しなどのため、平成力及び十年度において総額二十五兆円を確保するなどしております。
 そこで、悪質な貸し渋り金融機関に対して独禁法の発動はできないのかをお尋ねしたいと思います。
 例えば、株価や土地価格が下がって、その減少に伴い担保を積み増せとかの要求や、あるいは貸し金の引き揚げ、あるいは金利を上げるなど、そういう要求に対して独禁法第十九条、「事業者は、不公正な取引方法を用いてはならない。」の規定を適用できないのでしょうか。あるいは「不公正な取引方法」については告示で示されていますが、その「優越的地位の濫用」で、「相手方に不利益となるように取引条件を設定し、又は変更すること。」に該当しないのでしょうか。
 現下、本当に国を挙げて貸し渋り等に対応しておるわけでございますが、その貸し渋りという中には確かに通常でもとても貸せないような、そういう赤字のところもあるんでしょうが、そうでなくて、通常ならばまじめにやっておられて当然いろいろ融資を受けられる、そういうのが、こういうような時期に非常に乱用したり、故意的に非常にいじめ尽くして自分らの利益を上げるとか、いろんなことに対して何かそういう悪質な故意的なことがあれば公取が出動していただけるというような、そういうことがないのかどうか。ぜひそうやっていただきたいという願いも込めてですが、公取委員長にお尋ねいたします。
この発言だけを見る →
根來泰周#18
○政府委員(根來泰周君) ただいまお説のように、一般抽象的に申しますと、貸し渋りというのと独禁法違反というのは関連が薄いように思われますけれども、今御指摘のように、社会的にも経済的にも貸し渋りの問題というのが指摘されておりますし、また、私どもの所管業務であります下請業者の保護という観点からも貸し渋りを看過するわけにはまいらないと存じます。
 そういうことで、私どもも問題意識を持ちまして、中小企業団体を中心にヒアリングを行いまして、その貸し渋りの背後にあります、ただいま御指摘の優越的地位の利用等、不公正取引がないかどうかということについて現在いろいろ調査をしているところでございます。そういう観点から、そういう事実が出てきました場合には厳正に対処するつもりでございます。
この発言だけを見る →
沓掛哲男#19
○沓掛哲男君 一応公取委員長への質問はこれで終わります。
 では、続いて質問をいたします。
 アジアの通貨危機等の調査のため、先般、中山元外務大臣が団長としてシンガポール、タイ、インドネシア、香港を訪問されました。その報告等によりますと、経済不況に苦しむアジア諸国においては、現地企業が事業活動を行う上で必要な部品、原材料のための輸入資金が調達できないまでに信用収縮が進行しているということであります。
 もとより世界経済全体の観点に立っても、成長センターであったアジアの回復は必要不可欠であります。そのため、貿易保険や日本輸出入銀行の活用により、深刻な信用収縮を解決するための具体的手だてを含めた東南アジア経済安定化等のための緊急対策を二月二十日に閣議決定されております。極めて時宜を得たものだというふうに思います。
 しかしながら、金融的な措置に加え、アジア諸国が潜在的な力を再び発揮して成長経路に復帰するためには、中長期的なスパンで各国が産業構造の高度化を図り、競争力の強化を図ることが肝要であります。そのために我が国も総力を挙げて調査検討し、的確なアドバイスと支援を行い、アジアから金融、経済で信頼される日本となることを強く願うものであります。
 それには、各省庁単独ではなく、関係省庁の持つ情報、知見等を総合して実行する仕組みがぜひ必要だというふうに思います。この閣議決定でアジアの復興がすぐうまくいくというわけでもなく、もっと持続的な援助なり指導というものが私は必要だと思います。日本にはすばらしい力があるわけですから、そういう指導力を発揮しつつ、必要ならばまた援助をするということで、アジアの今回における通貨あるいは金融不安の解消に大きくまた活躍していただきたい。それには、単発単発ではなくて、やっぱりそれぞれの省庁の持つすばらしい、あるいは民間の持つすばらしい仕組みをある程度集めて、そしてそれを発動させていくそういう仕組みというものもぜひ必要ではないかというふうに思いますので、これについても両大臣の御意見をいただければと思います。
この発言だけを見る →
堀内光雄#20
○国務大臣(堀内光雄君) 先生のおっしゃるとおり、非常に今のアジアの、通貨・金融問題は危機的状況にございます。そういう意味合いから、当省といたしましても、積極的に二月二十日の閣議に向かっての取り組みをいたしまして、これから先の対策というものを閣議決定していただいたようなわけでありますが、閣議決定に基づいて、各省庁との連絡、連携はとりながら、これを行っているというふうに考えているところでございます。
 特に、先ほどの先生の御指摘のように、貿易面で非常にアジア諸国の取引額が低くなっているといいますか、こういうような問題をどういうぐあいに、金を貸すだけではなかなかこの通貨の問題の解決にはなりません、借りた金は返さなきゃいかぬものですから。その基盤をしっかりするために人材の派遣だとかあるいは貿易保険だとかいうものを含めて最善の取り組みを合いたしているところでございますが、そういう問題についても各省庁との連携をとりながら行っておりまして、事務方からその辺の事情についての御説明を申し上げたいと思います。
この発言だけを見る →
伊佐山建志#21
○政府委員(伊佐山建志君) 補足してコメントさせていただきます。
 委員御指摘のように、関係省庁一体となってアジアの発展のグランドデザインを考えるべきではないかということにつきましては、対外経済協力審議会というものが、内閣のもとで関係省庁が集まって基本的なあるいは総合的な政策、重要事項というものを調査したり審議したりいたしてきております。それがある意味では一番大きな枠でございまして、あとは個々のアジア諸国における実態を踏まえまして、関係省庁で実態調査のためのチームを派遣する、あるいは専門家に依頼いたしまして実態を調査していただくということを踏まえまして、その結果をもとに関係省庁が集まりましてどういう施策を講ずべきかということをやっているのが日常の私どもの仕事でございますが、その辺をもう少しめり張りをつけて、対外的にも日本がきちっとやっているという姿を見せられるような、そういう形でもって効果的な一体的な体制づくりということに今後とも意識してやってまいりたいと思っております。
この発言だけを見る →
尾身幸次#22
○国務大臣(尾身幸次君) 日本の経済規模を一〇○といたしまして、日本以外のアジア地域全体の規模は大体五〇から六〇ぐらいでございますが、日本経済の動向がアジア全体の経済に影響を及ぼし、またアジア経済の動向が日本経済に影響を及ぼすという大変大事な関係になっているわけでございます。そういう状況を考えますと、やはりアジア経済の動向をしっかりと立て直すということがアジアのみならず世界全体の経済の発展のために必要なことでございますし、また日本の経済にとっても大変大事なことでもございます。
 総理も今週末にインドネシアに行かれる、こういうことでございますが、私どももそういう中で各省庁一体となって取り組んでまいりたい。ある種の体制づくりをすべきではないかという案も一案であると考えておりまして、今後ともそういうものも検討課題としながら進めてまいりたいと考えている次第でございます。
この発言だけを見る →
沓掛哲男#23
○沓掛哲男君 では、次に移ります。
 昨年来、総理主導のもとに進められてきました財政構造改革は極めて重要ですが、現在の我が国にとって大事なこととして、同じく景気の回復、経済構造改革があります。論理的に言えば、まず景気の回復を図りつつ経済構造改革をする、そうしながら財政構造改革を進めるということだと思います。
 さて、今までに政府のとられた景気対策として、金融機関に対する資本充実等のための公的支援あるいは企業に対して法人税率の引き下げ、または貸し渋り対策として政府系金融機関や信用保証協会等への二十五兆円の支援、それから個人消費の増大のための二兆円の特別減税、さらにはゼロ国債一・五兆円を含む公共事業等二兆五千億の追加実施等が行われております。これで景気回復は大丈夫なのかどうかを尾身長官にお聞きしたいんです。
 その前に、一つ日銀にお尋ねしたいんですが、三月十日の大口債券市場では長期金利が一・五五%と、最近ずっと下がっていたんですがさらにこの日は過去最低を更新しているんですが、どうしてなんでしょうか。設備投資等に充当されるよい資金需要が減じているということなんでしょうか。この長期金利が史上最低になったということは一体どういうことが我が国の経済の今の実態なのかということも含めてひとつ教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →
川瀬隆弘#24
○参考人(川瀬隆弘君) 長期金利、特に国債指標銘柄の流通利回りというのは、基本的には市場参加者の景気の先行きに対する見方を反映するものでございまして、そういう意味で私どもも日々その動きを注目しているわけでございます。
 その国債指標銘柄の流通利回りが一月から二月にかけて一たん上昇したわけでございますけれども、二月の初めから多少の振れを伴いつつも低下傾向をたどりまして、きのうは御指摘のように、一・五一%だと思いますけれども、再び過去最低を記録いたしました。こうした長期債の利回りの低下につきましては、やはり景気の先行きに対して市場参加者が慎重な見方になっているということが基本的に反映されているんだろうというふうに考えております。
この発言だけを見る →
尾身幸次#25
○国務大臣(尾身幸次君) 今、沓掛委員のおっしゃいましたようないろんな政策が、特別減税とかあるいは金融システム安定化対策、補正予算等、現在実行段階に入っている状況でございます。
 さらに、四月以降は早期是正措置に対応する貸し渋り現象が解消するというふうに考えておりますし、また十年度予算及び法人税の減税、あるいは有価証券取引税の減税、土地関係税制の減税等を含みます予算関遵法案を予定どおり通していただくことによりまして、四月からはまた新しいお金が使えるようになる、そういうことも期待されているわけでございます。
 さらに、昨年十一月に決めました「二十一世紀を切りひらく緊急経済対策」の中で、規制緩和、情報通信の分野とかあるいは土地利用に関する規制緩和とか、あるいは人材派遣業についての規制緩和は十一月に決めたのでありますが、その関連法案はこの三月に国会に全部提出される運びとなり、まだ残されているものもございますが、近々全部まとめて提出されることになっております。
 そういう法案が四月、五月に通りまして、規制緩和を進めた中での民間活力中心の経済活動の活発化ということが期待されるというふうに考えております。そういう各種の政策が相乗効果を持って企業や消費者の経済の先行きに対する信頼感の回復をもたらして景気は徐々に回復軌道に乗り始めていくというふうに考えている次第でございます。
 さらに、私ども、総理の指示もございまして、自民党の第四次緊急国民経済対策を受け、また昨年の規制緩和等を中心とする緊急経済対策のフォローアップも含めまして、規制緩和の追加等も含めまして、さらに経済活性化のための追加的な施策を実施すべく今検討中でございます。
 いずれにいたしましても、経済は生き物でございますから、金融、経済等の状況を見きわめながら適時適切に対応してまいりたい。そして、その結果として十年度の成長率一・九%は達成したいと考えておりますし、またできると考えている次第でございます。
 いずれにいたしましても、当面、十年度予算及び関連法案のぜひ予定どおりの成立を心からお願い申し上げる次第でございます。
この発言だけを見る →
沓掛哲男#26
○沓掛哲男君 経企庁長官のいろいろな示唆に富んだ御答弁、ありがとうございました。
 ただ、今両大臣はお忙しいから地元の末端までなかなか行く機会が恐らくないんだと思います。私たちはこの七月が選挙ですから毎日来端まで行っているんですけれども、今こういう状況です。フローの所得のある人はまあまあです、そんなにない。ところが、フローの所得のとまっている人、この人たちの怒りはまさに爆発せんがぐらいすごくなってきました。だんだん目つきが変わってきました。
 それは、退職する、そうすると退職金を二千万、三千万ぐらいいただける。年金を月二十万ぐらいいただける。そうすると、大体四、五%の金利で動いてくれれば月十万ぐらいになる。大体やっぱり三十万ぐらい要るというんです。そうすると、今のような金利ですから、その残り十万が全然もう出てこない。そして、今の二十万というのは必要経費を引くと本当に生活がもうやっとだというんです。私もそう言われるんだけれども、あなた方先生方は豊かだとか活力あるだとかとうまいこと言っているけれども、私らの生活ははるかに悪くなっているよということを強く言っております。
 金利はきょう申し上げると時間がないので、ここではやらないで、今度予算がこちらへ来たとき、予算委員会で日銀とやらせてもらいたいと思いますので、本当に大変だということだけ申し上げて、次に移りたいと思います。
 次ですが、マーケットの重要性とそれへの対応についていろいろお尋ねしたいと思います。
 最近、アジアのケースでも日本の状況でも、好むと好まざるとにかかわらず、マーケットが株価、金融、通貨、経済に及ぼす影響が大変大きくなっています。昨年十一月の山一証券の廃業についても、最後のとどめを刺したのはマーケットと言われています。
 マーケットとは何だということになりますが、要するに、あそこはもうだめだという判断で株を売ってしまう、企業に貸している金を全部引き揚げてしまう、その結果倒産が起こるということのようです。株価は経済を映す鏡だとか言われますが、ジョージ・ソロス等がヘッジファンド等を使って株価を動かすとも言われています。
 この間、一週間ほど前、どういう人かなと思っていたら、ジョージ・ソロスがテレビに出てきました。そして、対談者から、あなた今度のアジアのいろいろ通貨変動でもうけましたかと言ったら、余り今回はもうからなかったと言っていましたけれども、あの人たちがもうかったと言ったら大変なことなんだなとは思いますけれども、そういうことを言っておりました。
 しかし、それがよいか悪いかを今ここで議論していてもしようがありません、現実にマーケットが経済を動かしているのですから。金融、経済の政策も大変重要になってしまったマーケットというものを相手に立てなければならないというふうに思いますが、政府はどのようにマーケットを考え、その対策を立てておられるのでしょうか。
 聞くところによりますと、アメリカでは、ルービン財務長官もまた中央銀行総裁もマーケット育ちのマーケットで生きてきた人たちで、その感覚が役に立ち、国益を非常に増しているというか、得をしているとも言われております。これについては、本当に三十歳代前半で富士急行の社長にもなられ、その後実際の経営にもいろいろ恐らくかかわってこられて、大変造詣の深い堀内大臣から一言これについて御指導いただければと思います。
この発言だけを見る →
堀内光雄#27
○国務大臣(堀内光雄君) お答えを申し上げます。
 株式市場については私は余り経験のないものでございますから、的確な御返事になれるかどうかは別といたしまして、株式市場を初めとする金融資本市場というものは、資金の需給を調整するような意味合いから、言うなれば経済の血液と言ってもいいんではないかというふうに思われております。
 そういう意味で、そういう機能を有しております金融資本市場というものの安定化をさせるということは一番重要なことだというふうに思います。と同時に、この活性化を通じて、経済運営を行う上での大前提としての取り組みをしなきゃならぬというふうに感じているところでございます。
 また、基本的には金融資本市場というのは、個々の企業の収益だとか、あるいは財務状況だとか、あるいはその背景となる内外の経済状況だとか、そういうようなさまざまな要因によっていろんな変動をするものを的確につかまえて株価にそれがあらわれてくる。我が国の経済状況が株価に反映されてくる。基本的に言えばそういうものになっているというふうに私は認識をいたしておりますので、株式市場というもの、その他の金融市場というような問題については最も神経を配って取り組みをしていかなければならない問題だというふうに思っております。
 こういう観点から、現在一番重要なのは年度末だというふうに思っております。年度末の利益の計上、あるいは資金不足による株式の放出、そういうような問題が出てまいりますと、この年度末の株式市場に大変大きな影響を及ぼし、日本経済全体に大変なインパクトを与えるようなことになりかねないというふうに思っております。
 そういう意味合いから、今の貸し渋り対策というものも、それこそ全力を尽くして貸し渋りをなくすように、それによって健全な企業が株式を放出したりあるいは資金が足りないために倒産することのないように全力で今取り組んでいるところでございます。
 そのために、貸し渋りの問題については、金融支援という公的支援を今度は御了解いただいて昨日からどんどん実行に移すような形になっておりますが、その際にも、今までの公的資金を投入する以前の銀行の貸し渋りと投入した以後の貸し渋りというものは大変な性格の違いが出てくるわけでありまして、投入した以後において各銀行において貸し渋りの出るような状態があってはまかりならないということも含めて、昨日は総理が金融機関の首脳を集めて絶対にそういうことのないようにという指導もしていただきました。
 また、同時に今自民党の方でもいろいろと考えていただき、我々もそれに取り組んでおりますところの自社株式の取得の問題だとか、あるいは貸金の株式市場への投入だとかいろんな問題を具体的に行えるような対策というものをしっかりつかまえてまいらなければならないというふうに思いまして、株価の動向を含めて金融資本市場の動向の把握、これを非常に重要な問題と考えて今後ともきめ細かく注視をしてまいりたいというふうに思っております。
この発言だけを見る →
沓掛哲男#28
○沓掛哲男君 最近、私も知ったんですけれども、各企業の格付をするムーディーズとか、それからジャパン・プレミアムとかそういうようなものも何となく市場でいろいろ決められていく。このムーディーズというのは必ずしも公的でないものですから、必ず最後には自分の会社としてはこういうことだよということを言っているそうです。もしそうでないと、訴えられたりしたとき大変ですから、逃げ道は常につくりながらムーディーズはやっているけれども、その格付が日本などにとって大変大きないろんな影響を持ってきている。あるいはジャパン・プレミアムなども企業の種類にかかわらず日本は皆一律に幾らというふうにされるとか、そういうものも何かいわゆるマーケットという不可思議なところでいろいろやられていく。しかし、現にそれが世の中を動かしているわけですから、我が国が国益を損じないように、やはり皆さん方にもぜひこれを勉強して的確に対応していっていただきたい。
 これは偶然なんでしょうけれども、アメリカは財務長官と中央銀行の総裁がいずれもマーケットで生まれ、育ち、ずっと来た人だということもあながち偶然偶然というだけではないような私は気もするので、私たちも一生懸命勉強しなければなりませんが、政府の方でもぜひよろしくお願いしたいと思います。
 それから次に、週四十時間労働についてお尋ねしたいと思います。
 昨年四月からこの週四十時間労働がすべての企業に実施されることになりました、一部ちょっと除いたところはありましたけれども。その際、中小企業庁と労働省が大変いろいろな発想で知恵を出していろんなことをやってくださって、私、すばらしいなと思ったんです。ところが、それが実際に実現されているかと思うと、末端の企業企業でいろいろ聞いてみる限り、なかなかそうはいっていないんです。
 それはどういうことかというと、中小企業の月給制の従業員について、皆さんの御指導では時間の単位の給与が減らなければ下げてもいいということですから、給料は下げてもいいですよ、時間も減るんだから給与を下げてもいいですよ、そのかわりいろんなこととかいう、いろんなのがあったわけです。ところが、現場のそういう中小企業で社長と従業員とやる場合、過労働時間が下がったから、あなたの給料は今まで二十万だったけれども十八万にするよとか、そんなことは、私ら、あなた方のお話を聞いたとき、なるほどそういう案もあるなといろいろ思ったけれども、現実にはそういうふうにはなかなかいっていないということなんです。
 それは次にまた労働省にお聞きしたいんですけれども、中小企業庁としては、この昨年四月からの週四十時間労働制に伴って、そういう中小企業の月給制の人で給料を下げたというようなところがあるんでしょうか。その辺ちょっとお尋ねしたいと思います。
この発言だけを見る →
林康夫#29
○政府委員(林康夫君) 実は、御指摘のように、中小企業の中では大変厳しい状況にあることは既に一昨年の中央労働基準審議会の報告の中でも指摘をされているところなんですけれども、昨年四月一日からの法律の施行に伴ってぜひ完全実施を目指すという観点のもとに、私どもといたしましてもきめ細かな指導、援助を行ってきたわけでございます。一労働省の調査によりますと、平成九年五、六月時点でいわゆる週四十四時間制が適用されていた旧猶予対象事業所の四十時間労働制の達成率が七六・三%まで上がっております。これはもう一〇〇%実施が当然なんですけれども、なかなかこの現状は難しい状況にある事業所があるという実態を反映しているわけで、前年度が三六・四%というところからすると前進はしているんじゃないかと思っております。
 私どもといたしましては、できるだけこの週四十時間労働制の定着をきっちりと支援していきたいと思っております。
 今お話しの、実態がどうなっているか、どういうやり方をやっているかという点につきましては、基本的にこの法律を踏まえて労使間でお話し合いをしていただくことという前提で私どもは考えております。
この発言だけを見る →
← 戻る