法務委員会

2003-05-27 参議院 全145発言

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会議録情報#0
平成十五年五月二十七日(火曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     朝日 俊弘君     角田 義一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         魚住裕一郎君
    理 事
                荒井 正吾君
                市川 一朗君
                千葉 景子君
                荒木 清寛君
                井上 哲士君
    委 員
                岩井 國臣君
                柏村 武昭君
                佐々木知子君
                陣内 孝雄君
                野間  赳君
                江田 五月君
                鈴木  寛君
                角田 義一君
                浜四津敏子君
                平野 貞夫君
                福島 瑞穂君
       発議者      江田 五月君
       発議者      千葉 景子君
   衆議院議員
       修正案提出者   塩崎 恭久君
       修正案提出者   漆原 良夫君
   国務大臣
       法務大臣     森山 眞弓君
   副大臣
       法務副大臣    増田 敏男君
       厚生労働副大臣  木村 義雄君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  中野  清君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        加藤 一宇君
   政府参考人
       総務省自治行政
       局選挙部長    高部 正男君
       法務省刑事局長  樋渡 利秋君
       法務省保護局長  津田 賛平君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    上田  茂君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者
 の医療及び観察等に関する法律案(第百五十四
 回国会内閣提出、第百五十五回国会衆議院送付
 )(継続案件)
○裁判所法の一部を改正する法律案(第百五十五
 回国会朝日俊弘君外三名発議)(継続案件)
○検察庁法の一部を改正する法律案(第百五十五
 回国会朝日俊弘君外三名発議)(継続案件)
○精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一
 部を改正する法律案(第百五十五回国会朝日俊
 弘君外三名発議)(継続案件)

    ─────────────
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魚住裕一郎#1
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十日、朝日俊弘君が委員を辞任され、その補欠として角田義一君が選任されました。
    ─────────────
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魚住裕一郎#2
○委員長(魚住裕一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案、裁判所法の一部を改正する法律案、検察庁法の一部を改正する法律案及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に総務省自治行政局選挙部長高部正男君、法務省刑事局長樋渡利秋君、法務省保護局長津田賛平君及び厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長上田茂君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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魚住裕一郎#3
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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魚住裕一郎#4
○委員長(魚住裕一郎君) 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案、裁判所法の一部を改正する法律案、検察庁法の一部を改正する法律案及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案を一括して議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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江田五月#5
○江田五月君 前回、日精協政治連盟の政治献金リストの関係について審議が、ほぼ一時間弱ですか、中断をして、そして私は八分間質疑時間を残して質問を終えました。その問題に直ちに入ってもいいんですが、のっけから中断なんというのもどうも穏当でもないので、それはちょっと後に置いて、本来の質問に入っていきたいと思います。
 まず、御承知のとおり、政府案、もちろん修正で参議院に来ているわけですが、この政府案の方は対象行為に限定をして対象者について特別の手続を定めている。しかし、今、日本の精神医療あるいは精神障害者が犯罪行為に該当するそういう行為を犯した場合の措置、ここで問題なのは、その皆さんに対して特別の審判手続と特別の処遇手続、処遇の制度ができていないということよりも、精神保健福祉法の措置が適正に運営できていないんじゃないか、あるいは刑事手続の、今の刑事手続の運営というものが適正に行われていないのではないか、そこにあるのではないかということで、私どもは、今議題として委員長から読み上げられましたそういう法案を提出をし、さらに精神医療全体の改革を提案をしているわけですね。
 そこで、総論的な質問なんですが、なぜ一体、対象行為というもの、これを特に取り上げて、これに限定をして特別の手続を取られたのかと。根本問題なんですが、ここをちょっと簡単に御説明いただけませんかね。
 恐らく、説明として二つのものがあるんですね。一つは、そういうものを社会が求めていると。法益侵害というのが現に起こっている、しかしこれに対してその法益侵害が回復される措置、それは、その行為を犯した者に何らかのサンクションを与えることによってとか、いろんな方法があるんでしょうが、そういう社会の侵害された法益を回復させるという、そのために必要なのか。それとも、対象者が負っているいわゆる二重のハンディキャップ、これがあるから特にその部分だけに着目をして特別の制度を作るというのか、あるいはその両方なのか。二つに一つか、両方か、あるいはどちらも違うのか。これは、大臣、お答えいただけますか。
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樋渡利秋#6
○政府参考人(樋渡利秋君) 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者は、精神障害を有していることに加えて重大な他害行為を犯したという言わば二重のハンディキャップを背負っている者でございまして、このような者が有する精神障害は一般的に手厚い専門的な医療の必要性が高いと考えられ、また、仮にそのような精神障害が改善されないまま再びそのために同様の行為が行われることとなれば本人の社会復帰の大きな障害となることからも、やはりこのような医療を確保することが必要不可欠であると考えられます。
 そこで、このような者につきましては、国の責任において手厚い専門的な医療を統一的に行い、また退院後の継続的な医療を確保するための仕組みを整備すること等により、その円滑な社会復帰を促進することが特に必要と考えられますことから、このような者を本法案における対象者とすることとしたものでございます。
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江田五月#7
○江田五月君 御丁寧な御説明だったわけですが、要は、先ほど私が挙げた二つのどちらかということになると後者、つまり対象者の医療上の必要と二重のハンディがあって、その一つのハンディはこれは普通の医療ですが、それだけでは足りなくて、もう一つの重大な対象行為、対象行為は重大なものを取り上げているわけですが、対象行為を行ったことによって負担している対象者の医療上の必要、これに尽きると、そういうお答えでいいんですか。
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樋渡利秋#8
○政府参考人(樋渡利秋君) 御指摘のとおりでございます。
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江田五月#9
○江田五月君 じゃ、もうそこに絞ってということで考えていくと、これがいろいろと問題を惹起するわけです。その対象者だけにそういうハンディがあるのか、あるいは対象者というものを区切ってみると、みんな対象者にそういうハンディがおおむねすべてに認められるということになるのか、その辺りを議論したいところなんですが、これはちょっと今日の導入として聞いておいて、次に、私どもはそこのところに根本的な批判を持っております。
 次に、審判手続の話に入ってまいります。
 本法案の審判手続において憲法三十一条の法定の手続の保障、これは確保されるのかどうかということですが、五月の八日の本委員会では、刑事手続とは違うが憲法三十一条の趣旨に反するものではないと、この法案によって用意されている手続は憲法三十一条の趣旨に反するものではないという、こういう答弁でした。私も、別に刑事手続と同じにすべきだと言っているのではありませんが、本手続にも憲法三十一条の適用はあるのですかということを聞いたんですが、これはどうお答えになりますか。
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樋渡利秋#10
○政府参考人(樋渡利秋君) 憲法第三十一条の定めますいわゆる適正手続の保障は、直接には刑事手続に関するものでございますが、その他の手続でありましても、当該手続が刑事責任の追及を目的とするものではないとの理由のみで当然にその保障の枠外にあるわけではないと考えられます。
 本制度によります処遇は、必要な医療を確保するためとはいえ対象者の人身の自由に対する制約や干渉を伴うものでありますことから、そのような処遇の要否、内容を決定する本制度の審判手続につきましても、その意味で憲法第三十一条による保障が及ぶものと考えられます。
 そこで、本制度におきましては、最初の処遇の要否、内容を決定するための審判については弁護士である付添人を必ず付することとしました上で、審判期日において、あらかじめ対象者及び付添人に対し告知、聴聞の機会を与えなければならないこととし、また対象者、保護者及び付添人に対し審判において意見を述べ、資料を提出する権利を認めますとともに、決定に不服がある場合には抗告する権利を認め、さらに入院の決定を受けた者につきましては、その後も原則として六か月ごとに裁判所が入院継続の必要性の有無を確認するとともに、入院患者の側にも裁判所に対する退院許可等の申立て権を与えるなど、対象者の適正な利益を保護するため様々な権利を保障しているところでございます。
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江田五月#11
○江田五月君 三十一条に沿う形でどのような手続的な保障が用意されているかというところまでは実は聞いていなかったんですが、できるだけひとつ、御無理かもしれませんが、質問に沿った形での答弁に限定をしていただきたいとお願いをいたします。
 三十一条というのは、読み上げるまでもないんですが、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」という規定で、法律で定めれば何でもよろしいというように読んだらいけないんで、法律に定める手続というのは、やはりこういう国会という立法機関、これは国民を代表するもの、そこで法律を決めるわけですから、それは中身も当然にきっちりしたものになっていかなきゃならないと。つまり、適正な手続でなきゃいけないと。それから、後の方に書いてあるのは、「その他の刑罰」と書いてあるけれども、刑罰だけではなくて、国民がいろんな不利益を課せられるというときにはと、そういうことでかなり包括的な規定だというのが、これが一般的な理解。
 そこで、今、憲法三十一条の保障は及ぶと、こういう言葉を使われましたよね。私は適用はあるんですかと聞いたんですが、適用という言葉をどうも何か一生懸命避けられるので、しかしこれは同じことだと。
 保障は及ぶということをちょっと聞いてみましょうか。保障は及ぶということと適用はあるということと、これは同じ言葉だと思いますが、どうですか。答えにくいですか。ちょっと試しに答えてみてください。
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樋渡利秋#12
○政府参考人(樋渡利秋君) 今、私が説明申し上げましたのは、実は最高裁の判例に沿いまして申し上げたことでございまして、平成四年七月一日の、いや、最高裁じゃないか、これは。その趣旨は、憲法三十一条の定める法手続の保障は、直接には刑事手続に関するものであるが、行政手続については、それが刑事手続ではないとの理由のみでそのすべてが当然に同条による保障の枠外にあると判断することは相当ではないという判例を引用して御説明申し上げた次第でございます。
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江田五月#13
○江田五月君 刑事手続ではないからということで当然に枠外にあるというものではないと。つまり、枠外にあるものではないんだから、どっちでもないというんじゃなくてやっぱり枠内にあると。しかし、刑事手続ではないんだから、それは刑事手続に予定される様々な保障がそのまま実現しなきゃいかぬというものではないけれども、その精神というのは当然及んでおるという意味で、元々憲法三十一条はそんなに細かく一々弁護人選任権とか証拠書類の閲覧権とかいろいろ書いてあるわけじゃないんで、むしろ精神論を書いてあるわけですから、当然にこれはその保障は及ぶ、言い換えれば適用はあるということだと思いますが。
 これは、例えば傷害罪を例に取ると、刑事責任能力がある者が傷害を犯した場合は、自由の拘束期間は当初から一定期間に限定されている、刑法上も十年と限定されているわけで、罰金の場合もあるわけですが、それが訴訟手続によって一定の宣告刑に限定される。これに対して、刑事責任能力に問題がある対象者が傷害を犯した場合は、期間が不確定で、場合によっては無期限に強制的な入院、通院が継続されるということになる。
 本法案の対象者の自由の剥奪、制約の程度から考えると、これは私は少年審判の場合以上の適正手続の保障がなきゃならぬと思いますが、少年審判とこれと比べて、難しいですが、適正手続の保障の程度、どちらが重いと思われますかね。これは感覚の問題なんですが、法務大臣、どうでしょう。少年審判手続とこの審判手続と、適正手続の保障という点ではどちらの方がより重い、重くなきゃならぬと。感覚的にお答えください。
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森山眞弓#14
○国務大臣(森山眞弓君) 感覚的に申し上げますと、ほとんど同じだと思います。
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江田五月#15
○江田五月君 少年手続の場合も刑事処分じゃないんで、これは保護処分ですから、国が言わば後見的にその少年のためにいろんな手続をする。その場合でもいろんな手続的な保障が与えられている、少年にも与えられている、保護者にもあるいは付添人にもと。この場合もそういう意味では同じ構造ですので、やはり国が後見的に親切に面倒を見るんだからそこはもう国に任せてそんな手続の保障などややこしいことを言うなというわけにいかないんで、これはそういうものじゃないんですね。きちんと手続の保障をしなきゃいけない。
 さてそこで、具体的に聞きたいんですが、法案の三十条に付添人の制度がございます。そして、三十二条には記録の閲覧、謄写ということがあります。一項で、「処遇事件の記録又は証拠物は、裁判所の許可を受けた場合」云々と。当然これは付添人にコピーを認めるべきだと思いますが、いかがですか、刑事局長。
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樋渡利秋#16
○政府参考人(樋渡利秋君) 付添人によります処遇事件の記録等の閲覧、謄写につきましては、記録等の中に対象者の精神の状態等、その人格の根幹に深くかかわる事実が数多く含まれておりますことから、その開示には慎重な取扱いが必要でございますが、本制度における付添人の役割等にかんがみ、一般人による場合とは異なり、付添人には自由に閲覧することができることといたしております。
 また、謄写につきましても、裁判所の許可を受けてすることができることとしておりますが、本制度における付添人の役割や付添人となれる者が弁護士に限られていること等から、対象者の適正な利益を保護するために必要があると認められる限り広く謄写が許可されることとなると考えられます。
 このように、本制度におきまして、処遇事件の記録等の閲覧、謄写に関しましても、対象者の適正な権利や利益の保護に欠けるところはないと考えております。
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江田五月#17
○江田五月君 閲覧の場合は付添人は自由である、謄写の場合も、裁判所の裁量ではあるが付添人の役割にかんがみ制限することにはならないと思われると。私もそう思います。そうでなきゃならぬと思いますが、その点は確認をしておきます。
 次に、抗告ですが、付添人には特別な場合に限り、しかも選任者である保護者の意思に反しない限り抗告できることになっていますが、これはなぜ一体こういう限定を付けたんですかね。
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樋渡利秋#18
○政府参考人(樋渡利秋君) まず、保護者に選任された付添人の抗告権は、その選任に基づく包括代理権によるものである以上、自らを選任した保護者の明示した意思に反してまでは抗告することができないものとしたものでございまして、これは少年法でも同じでございます。
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江田五月#19
○江田五月君 保護者に選任された付添人のことだけですかね。これは何条でしたかね、何条でしたかね。
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樋渡利秋#20
○政府参考人(樋渡利秋君) 六十四条の第二項でございまして、そのただし書で、付添人は選任者である保護者の明示した意思に反して抗告することができないとされております。
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江田五月#21
○江田五月君 保護者がいる場合であっても、それでは、保護者によって選任されたのでない付添人は保護者の明示した意思に反しても抗告できる、これはこの規定の反対解釈から当然ですね。
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樋渡利秋#22
○政府参考人(樋渡利秋君) 御指摘のとおりと考えております。
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江田五月#23
○江田五月君 私は、これは保護者が必ずしも対象者の保護、監督あるいは医療の提供などに適切なことができるとは限らないと思うんですよね。むしろ、いろんな事案の実態を見ると、保護者のその他家族が被害者になっているという場合も多くあるわけでして、対象者の唯一の味方が実は付添人であったというようなこともある。だから、その付添人の権限というのはなるべく広く認めていかないといけないんじゃないか。
 選任者が保護者の場合で、保護者はもう厄介払いできたなんというようなことが表れているようなときには、やっぱり裁判所は公権的権限からいろんな役割を期待されているんではないかと思いますけれども、この抗告は、法の規定ぶりは別として、やはり最大限、付添人には抗告の権限を与えるべきだと。できれば、どういう選任の経過であっても付添人には独立した抗告権を与えるべきだと思いますが、法務大臣に聞くと、どうですかね。これはもうややこしいことは言いませんから、もう率直な直観として、常識人としての直観としてどう思われますか、今の私の質問。
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樋渡利秋#24
○政府参考人(樋渡利秋君) 保護者に選任される方がこの対象者、この場合でいいます対象者のためを考えてくれる人が選ばれるというふうに思っておりまして、そういうような保護者の意思というのはやはり尊重されるべきじゃないかというふうに考えている次第であります。
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江田五月#25
○江田五月君 ここは議論きっちり、もっと議論を深めたいところですが、次へ行きましょうか。
 法務大臣、私の言いたいことはお分かりですよね。本当に状況によっては、この対象者を、唯一対象者の立場に立って物を考えるのは付添人しかいないというようなことは起こり得る話だと思いますよ。是非そこは御理解をいただきたい。法の規定は、保護者、それは保護者を無視してというわけにいかないけれども、運用はいろんな方法があるだろうと思います。
 ちなみに、ここで一つ。この制度だと、この審判で入院命令を受ける、あるいは通院命令を受ける者、これはいわゆる権力的な命令が下されるのはこれが最初で、そして抗告ということになる。抗告の理由はかなり制約をされておる。しかし、この制度ではない場合には精神保健福祉法で措置入院ということになって、これについては行政訴訟、取消し訴訟ということになる。取消し訴訟の理由は、それはそれなりに理由はなきゃなりませんが、この抗告の理由と取消し訴訟の理由と、これはどういう範囲で重なって、どういう範囲で重ならないのか、どっちが広いのか狭いのか、どうお答えになりますか。
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樋渡利秋#26
○政府参考人(樋渡利秋君) 本制度におきまして抗告の理由を、決定に影響を及ぼす法令の違反、重大な事実の誤認又は処分の著しい不当とした理由は、地方裁判所におきましては、職業裁判官と医師である精神保健審判員により構成される合議体がそれぞれ専門的知見を十分に活用するとともに、相互に十分に協議することにより、それぞれの専門的な学識経験が決定に十分に反映される仕組みとしておりますことから、このような専門機関としての地方裁判所の合議体の判断を可能な限り尊重することが適当であると考えられるためでございます。
 また、手続の厳格性を形式的に要求し、決定に影響を及ぼさない法令の違反や軽微な事実の誤認等を争うようにすることは、裁判所が適切な処遇を迅速に決定し、医療が必要と判断される者に対してはできる限り速やかに本制度による手厚い専門的な医療を行うことが重要であることにかんがみますと、必ずしも適当ではないと考えられるからでございます。
 この制度における抗告理由は少年審判手続と同様でございます。
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江田五月#27
○江田五月君 私は、措置入院のときのこの抗告訴訟の理由とこの手続による抗告の理由と、そのどこまで同じでどこまで違うか、異同について聞いたんですが、今は、この抗告理由をこういう要件で絞っている、その説明だけだったんですが、いかがですか。
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樋渡利秋#28
○政府参考人(樋渡利秋君) 本制度は、純粋な行政機関である都道府県知事による決定と異なりまして、裁判所において職業裁判官も加わった合議体が処遇の要否、内容を決定することとしているものでございまして、その判断主体が異なるとともに、本制度の審判手続と行政事件訴訟の手続とは異なること等から両者を一概に比較して論ずることはできないと考えられまして、先ほどのようなお答えをしたわけでございます。
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江田五月#29
○江田五月君 両者を一概に比較できない、まあ一概に比較はできないかもしれませんが、そういうお答えによって受けるニュアンスといいますかね、措置入院の場合は、かなり抗告訴訟の理由として広い理由を裁判所によって審査を受けられる、しかしこの制度による審判の場合には、これは今の専門性とか迅速性とかということで一定の要件に限られると。これはやはり均衡を失するんではないかという気が、そういう批判があっても当然だと思いますね。
 弁護士との面会の制限はないというのは、これは原則だと、これはそういう理解でいいんですかね。
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