法務委員会

2014-05-15 参議院 全286発言

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会議録情報#0
平成二十六年五月十五日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十四日
    辞任         補欠選任
     宮沢 洋一君     豊田 俊郎君
     森 まさこ君     大野 泰正君
     江田 五月君     直嶋 正行君
     前川 清成君     礒崎 哲史君
 五月十五日
    辞任         補欠選任
     大野 泰正君     江島  潔君
     豊田 俊郎君     森屋  宏君
     柳本 卓治君     滝波 宏文君
     礒崎 哲史君     前川 清成君
     直嶋 正行君     野田 国義君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         荒木 清寛君
    理 事
                山下 雄平君
                若林 健太君
                小川 敏夫君
    委 員
                石井 準一君
                江島  潔君
                大野 泰正君
                滝波 宏文君
                豊田 俊郎君
                溝手 顕正君
                森屋  宏君
                柳本 卓治君
                吉田 博美君
                有田 芳生君
                礒崎 哲史君
                直嶋 正行君
                野田 国義君
                前川 清成君
               佐々木さやか君
                行田 邦子君
                仁比 聡平君
                谷  亮子君
                糸数 慶子君
       発議者      前川 清成君
   委員以外の議員
       発議者      大久保 勉君
   衆議院議員
       修正案提出者   西田  譲君
   国務大臣
       法務大臣     谷垣 禎一君
   副大臣
       法務副大臣    奥野 信亮君
   大臣政務官
       法務大臣政務官  平口  洋君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  小松 一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫟原 利明君
   政府参考人
       金融庁総務企画
       局総括審議官   三井 秀範君
       金融庁総務企画
       局審議官     氷見野良三君
       金融庁総務企画
       局審議官     池田 唯一君
       金融庁証券取引
       等監視委員会事
       務局国際・情報
       総括官      瀬戸  毅君
       法務省民事局長  深山 卓也君
       厚生労働大臣官
       房審議官     大西 康之君
       厚生労働省政策
       統括官      熊谷  毅君
       国土交通大臣官
       房審議官     広畑 義久君
       環境省総合環境
       政策局長     清水 康弘君
       環境省総合環境
       政策局環境保健
       部長       塚原 太郎君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○会社法の一部を改正する法律案(第百八十五回
 国会内閣提出、第百八十六回国会衆議院送付)
○会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係
 法律の整備等に関する法律案(第百八十五回国
 会内閣提出、第百八十六回国会衆議院送付)
○会社法の一部を改正する法律案(大久保勉君外
 六名発議)
    ─────────────
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荒木清寛#1
○委員長(荒木清寛君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日、前川清成君、江田五月君、宮沢洋一君及び森まさこさんが委員を辞任され、その補欠として礒崎哲史君、直嶋正行君、豊田俊郎君及び大野泰正君が選任されました。
    ─────────────
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荒木清寛#2
○委員長(荒木清寛君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 会社法の一部を改正する法律案(第百八十五回国会閣法第二二号)外二案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省民事局長深山卓也君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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荒木清寛#3
○委員長(荒木清寛君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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荒木清寛#4
○委員長(荒木清寛君) 会社法の一部を改正する法律案(第百八十五回国会閣法第二二号)、会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び会社法の一部を改正する法律案(参第一〇号)を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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山下雄平#5
○山下雄平君 自由民主党の山下雄平です。今週も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
 今回の会社法の改正案はコーポレートガバナンスの強化を盛り込んでおり、日本企業への内外の投資を高めるために非常に有用だと思いますし、日本の経済発展に良い影響を与えるのではないかと思っております。今回、私の質問では、社外取締役の選任の問題を中心に質問させていただきたいと思っております。
 今回の改正案では、社外取締役を置かない企業はその理由を株主総会で説明することとして、そうしたスキームで企業に社外取締役を選任するよう促す制度となっております。
 では、まず議論の前提として、そもそも日本では社外取締役を置いている企業は少ないという認識でよろしいんでしょうか。他の主要国と比較して、日本企業の社外取締役の選任割合はどのようになっているんでしょうか。
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深山卓也#6
○政府参考人(深山卓也君) 他の主要国における社外取締役の要件あるいは選任に関する規律、さらにはコーポレートガバナンスの仕組みというのが区々様々でございますので、日本企業における社外取締役の選任率と各国における選任率とを単純に比較することがなかなか困難だという事情がございます。
 例えば、我が国の監査役会設置会社、これは上場企業の大部分がそうですが、社外監査役が二名以上置かれていますけれども、これなどをどうカウントするかという問題があることはあるんですけれども、しかし、一般論として申し上げれば、他の主要国と比較して日本企業における社外取締役の選任率は一般論としては低いというふうに思っております。
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山下雄平#7
○山下雄平君 制度が各国まちまちなので一律には比較できないということだとは思うんですけれども、そもそも義務付けしているところは一〇〇%ということもありますし、日本が各国に比べてぬきんでて社外取締役の選任率が高いというわけではないと思いますし、また、高めていく必要があるからということで今回の法改正が提案されているわけだと思います。
 私は、二年ほど前まで日本経済新聞の記者をしておりました。日経新聞の紙面でもしばしば企業の不祥事が紙面を飾ることがありました。そういうときには必ず、日本の会社は十分な企業統治が行われていないとか、外国企業に比べて透明性に欠けるというような批判が書かれておりました。
 外部の目による監視、監督が必要だということで、社外取締役の充実を求める声は強まっております。しかし、一方で、個別の事件、不祥事は例外的な事例で、これを一般化して見直しを進めれば適切に経営されている企業に過剰な負担を強いるというような指摘もあります。
 では、そもそも、政府として社外取締役を選任することが望ましい、政府として選任を推進するという立場であることを改めて説明してください。
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深山卓也#8
○政府参考人(深山卓也君) 今委員が御指摘があったように、社外取締役の導入を促進することについては様々な意見があることは承知しております。
 しかしながら、社外取締役については、業務執行者から独立した立場で業務執行者による業務執行全般を評価し、これに基づいて取締役会における議決権の行使等を通じて業務執行者を適切に監督することが期待できますので、その導入を促進することによって日本企業のコーポレートガバナンスが全体として強化されることになるものと思っております。
 そういった観点から、改正法案では社外取締役の導入を促進するための措置を講じておるわけですけれども、改正法案ではその促進策として、例えば、社外取締役を置いていない上場企業等に社外取締役を置くことが相当でない理由を株主総会で説明する義務を課すといった措置を講じておりますけれども、これは各社の実態に最も適した体制でコーポレートガバナンスを向上することを促すという趣旨で、委員が御懸念のように、一律に強制することによって企業に過剰な負担を課すということにはなっていないものと思っております。
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山下雄平#9
○山下雄平君 政府として社外取締役の選任を推進するんだ、推奨するんだということだと思いますけれども、では、議論を深めるためにその現状について把握しておきたいと思います。日本において社外取締役を選任している会社の推移はどのようになってきているのでしょうか。
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深山卓也#10
○政府参考人(深山卓也君) 近年、社外取締役を置く上場会社の数は増加傾向にございます。東京証券取引所の一部上場会社のうち、社外取締役を選任する会社の割合は、平成二十三年には五一・四%でございましたが、翌平成二十四年には五五・四%、昨年、平成二十五年八月末現在では六二・三%にまで上昇するに至っております。
 改正法案で社外取締役を置くことの促進策が導入されますと、今後一層その傾向が強くなるものと予想しております。
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山下雄平#11
○山下雄平君 社外取締役を選任している企業というのは増加傾向にあるということでしたけれども、その要因についてどのように分析されているんでしょうか。
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深山卓也#12
○政府参考人(深山卓也君) 社外取締役につきましては、業務執行者から独立した立場で業務執行者による業務執行全般を評価して、これに基づいて取締役会で議決権を行使することを通じて業務執行者を適切に監督することが期待できます。委員御指摘のとおり、社外取締役選任企業が増加傾向にあるのは、こういった社外取締役の機能を活用すべきだという認識が我が国の企業関係者、経済社会に広く浸透しつつあることによるものと思われます。
 また、先ほどの数値で、直近の平成二十五年に特に選任している企業の数が増加しておりますけれども、このことにつきましては、平成二十四年の九月に法制審議会が今回の改正法案の前提となりました会社法の改正に関する要綱を法務大臣に答申し、その内容を公表いたしましたので、その中で社外取締役の選任を促進する法改正が予定されているということが一般に明らかになったということも影響しているものと考えております。
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山下雄平#13
○山下雄平君 法改正が提案されるから更に伸びてきたということだとは思うんですけれども、一方で、ずっと傾向を見ておりますと、そもそも企業自身が外部の目を取り入れなければならないという意識が高まって社外取締役を選任する企業が増えてきたと。どんどんどんどん増えてきているということであるのであれば、そのまま任せていても、つまり、法改正をしなくても社外取締役の選任は進んでいくんじゃないかと、そういうふうにも想像されるんですけれども、あえて政府として、法務省として、法改正をしてまで社外取締役の選任を促すということはどういった理由があるんでしょうか。
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深山卓也#14
○政府参考人(深山卓也君) 確かに、今までお話ししたとおり、社外取締役を置く上場会社の数は一貫して増加傾向にありまして、それが、社外取締役の機能を活用すべきであるという認識が我が国の企業関係者、経済社会に広く浸透しつつあることの表れと考えられますことから、今後も社外取締役を選任する企業は増加するものと考えております。
 もちろん、社外取締役の機能を活用すべきであるという立場からはこのような傾向は望ましいものだと思っておりますけれども、改正法案はこういった傾向を更に推し進めよう、後押ししようということで、社外取締役の導入を促進する更なる措置を講じているものでございます。
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山下雄平#15
○山下雄平君 昨年六月の日本再興戦略では、会社法の改正について、外部の視点から社内のしがらみや利害関係に縛られず監督できる社外取締役の導入を推進すると、そういうふうに明記されております。これは、社外取締役といっても、関連会社の人だったり親族だったりしたら外部の目で監督するということにはならないと、そういう趣旨だと思います。
 ただ、そうであれば、利害関係者に縛られずに監督するためには、重要な取引先、これについても社外取締役の対象から外すべきではないかというような指摘もあります。今回の改正による社外取締役の要件厳格化では、重要な取引先関係者を外さなかった理由というのはどこにあるんでしょうか。
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深山卓也#16
○政府参考人(深山卓也君) アメリカ等の諸外国におきましては、株式会社の重要な取引先の関係者はその株式会社と取引関係に基づく利害関係を有しているということから、重要な取引先の関係者でないことを社外取締役、あるいは独立取締役という言い方の国もありますが、の要件としている例も存在しております。
 そこで、我が国においても、社外取締役の要件に株式会社の重要な取引先の関係者でないことを追加すべきであるという指摘もされております。ただ、取締役が社外取締役の要件を満たすかどうかという問題は、その取締役が関与した取締役会決議の効力に影響する場合がございますので、株式会社の重要な取引先を社外取締役の要件に加える場合には、重要な取引先であるか、つまり、重要であるかどうかの基準を一義的に明確なものにして規定すべきだと思われます。
 そして、その基準を検討するに当たっては、取引先が株式会社にとって重要であるという場合と、その会社が取引先の方から見て重要である場合と、両方の場合があるので、それを分けて考える必要があると思っております。しかし、まず、ある取引先が自分の株式会社にとって重要かどうかということは、その取引先の代替性の有無であるとかその時々の事業の状況によって変化し得るといった事情でございますし、また、自分の会社がその取引先にとって重要かどうかというのは、相手方の会社の事情でありますのでなかなかその判断が難しいという問題もございます。
 実は、法制審議会の会社法制部会でも、重要な取引先の関係者でないことを社外取締役の要件とすることの是非について議論がされましたけれども、今申し上げたような重要な取引先と言えるための基準についても、またこれを要件とすることの是非についても、意見が大きく分かれてコンセンサスを得ることができませんでした。
 そこで、今回の改正法案では、株式会社の重要な取引先の関係者でないことというのを社外取締役の要件とすることはしていないものでございます。
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山下雄平#17
○山下雄平君 重要な取引先という基準が非常に難しいということで、この法律の中に盛り込むというのがなかなか困難だったという指摘だと思います。一方で、アメリカなんかはそういったことを法制化しているという御説明でした。
 この重要な取引先ということに関しては懸念の声がしばしば出ているので、実際の法改正の運用を見ながら、もしやはりそういう懸念が消えないのであれば、更に検討を進めるという必要がまたあるのではないかというふうに考えております。
 政府として健全経営のためにこの社外取締役が必要だというふうに言っているわけですけれども、何人社外取締役を置くべきかということについてはこの法案では触れられておりません。
 四月に安倍総理が指示されてまとめられた対日直接投資に関する有識者懇談会報告書というものがあります。その中では、各企業に社外取締役を三分の一以上置くように提言しています。一方で、火曜日のこの委員会の参考人質疑では、東京証券取引所の静常務が社外取締役は最低二人は必要だと思うというふうにも発言されております。
 社外取締役を複数人選任すべきだと、そういった主張に対して、法務省の見解をお聞かせください。
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深山卓也#18
○政府参考人(深山卓也君) 今委員が御指摘になったような対日投資の促進という観点から、日本に投資を考えている企業の皆さんが三分の一以上の社外取締役が必要だという御意見を述べられ、それがまとめられ、また、先日の静参考人が社外取締役は最低二人は必要だと思うという発言をされたことは承知しております。
 ただ、社外取締役を実際何人置くかということは、各社がそれぞれ自分の会社の実情に応じて適正と考える企業統治体制を構築する中で決められるべきものでございます。
 そもそも、取締役自体を何人置くかということも各会社まちまち、非常に数が多い取締役を置いている企業もあればすごく絞っている会社もございますので、何人の社外取締役を置くことが適切かということを一概に言うというのは難しいものと思っております。
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山下雄平#19
○山下雄平君 現在のところ、政府として何人がいいということを言うのは難しいということだと思います。
 一方で、やはり複数に、一人じゃなくて複数人いいんじゃないかという声もまた強いわけでございますから、政府として今後どう対応していくかというのは、また今後の検討課題ではないのかなというふうには思っております。
 ところで、選任数の数は別としても、政府として社外取締役の選任は望ましいんだということがずっとこの間主張されておりますけれども、そもそも、そうであれば、なぜ社外取締役の選任を義務付けなかったのでしょうか。改めて説明してください。また、主要国の中で社外取締役の選任を義務付けている国というのはどれくらいあるのでしょうか。
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深山卓也#20
○政府参考人(深山卓也君) 取締役会の業務執行者に対する監督機能を強化することを目的として、社外取締役をより積極的に活用すべきであるという指摘が強くされていますから、法制審議会の会社法制部会でも、この社外取締役の選任を法律上義務付けるかどうかという点は最も重要な検討課題として取り上げられました。
 部会では、社外取締役の導入について、社外取締役に監視される立場の業務執行者の自律性に期待することには限界があるという理由で、もうこの際、法律で義務付けることとすべきだという賛成意見と、義務付けをしますとかえって各会社の規模、業種、業態等に適した企業統治体制を構築することを阻害するので、導入は各会社の自由な選択に任せるべきだという義務付けに反対する意見とが激しく対立をいたしまして、議論は非常に何度も重ねられたのですけれども、結局のところ、コンセンサスが得られませんでした。そこで、法制審議会の法務大臣に対する答申では、社外取締役の選任の法的な義務付けは盛り込まれなかったものでございます。これを踏まえた改正法案では、社外取締役の選任の義務付けの規定は設けないこととされました。
 それで、お尋ねの二点目ですけれども、主要国の中には確かに義務付けている国がございます。その義務付けといってもいろいろな程度がありますので、一番典型的な例を挙げますと、一つはアメリカでございます。アメリカは会社法が各州によって異なっておりまして、最も代表的だと言われているデラウェア州法、デラウェア州の会社法上は社外取締役に関する特段のルールはございません。しかし、ニューヨーク証券取引所の規則において、上場会社は取締役の過半数を独立取締役としなければならないということとされていますので、上場企業である以上、このルールを上場規則で守らなくちゃいけないという形で義務付けがされているということでございます。
 また、法律で義務付けている国としてはお隣の韓国がございます。韓国は、商法それから大統領令において、上場会社は取締役の数の四分の一以上を社外取締役にしなければならない。それから、直近の事業年度末における総資産額が二兆ウォン以上の上場会社については、社外取締役を三人以上選任し、かつ、取締役の総数の過半数を社外取締役にしなければならないといった法的なルールを設けていると。
 この二者が義務付けをしている典型的な例でございます。
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山下雄平#21
○山下雄平君 アメリカと韓国では義務付けているけれども、一般的にどこの国も義務付けているわけではないという御説明だと思います。
 今回、日本としても義務付けを見送った理由として、先ほど深山局長は、反対意見の中には、義務付けるとかえって会社の規模や業績や業態等に適した企業統治が妨げられるというような反対意見があったと言われておりますけれども、具体的にどういう場合がその妨げられるということになるのでしょうか。つまり、社外取締役を選任しない企業が株主総会でどういう説明をするというふうに想定されているんでしょうか。
 もちろん、法務省だったり政府がこういう説明をすると、社外取締役は置かなくても大丈夫だというような、余り具体的に言ってしまうと、企業にとってのエクスキューズのマニュアルを作ってしまうみたいになっても困るわけですけれども、なので、なかなか言及しづらいということはもちろん承知しておりますけれども、ただ、政府として説明を求めるスキームをつくるということであるのであれば、何らかの想定はされているのではないかなと思っております。
 衆議院の方の法務委員会では、例えば、発展途上の会社は負担が非常に重いことがないわけではないなどとか、業務が極めて特殊などと例示をされておりました。このほかに、社外取締役を置くことが困難な事例というのはどういうことがあるんでしょうか。
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深山卓也#22
○政府参考人(深山卓也君) 社外取締役を置かない会社がどんな理由で置いていないかというのは各会社の個別の事情によってもちろん異なりますので、取締役が株主総会に説明義務を負っている社外取締役を置くことが相当でない理由というのも各会社の個別の事情に応じた内容でなければならないというのがまず大前提です。
 そのため、どういった内容であれば相当でない理由と認められるかということをこの場で一概にこうであると申し述べることはなかなか事柄の性質上難しいですし、その具体的な例示というお話でしたけれども、具体的な例を示すことは、これも委員御自身言われていたとおり、それに準拠しておけばこれは法の要請を満たすんだという安易な対応を招く危険もありますので、余り適当であるとは思っておりません。
 ただ、社外取締役を置くことが相当でない理由でございますので、単に置かない理由を説明するだけでは足りませんで、置くことがかえってその会社にとってマイナスである、マイナスの影響を及ぼすといった具体的なその会社に特有の事情を説明しなければならないと、こういうものでございます。
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山下雄平#23
○山下雄平君 今の深山局長の説明にもありましたし、衆議院の方では谷垣大臣からも同じような説明があったと思いますけれども、つまり、置くことによるマイナスを説明しなければならないんだというような形で一定の基準を法務省として示されているとも取れます。それは、説明をするという実行の形式だけを求めているのではなくて、説明する内容まで問うているわけです。説明の内容規制とも言えるかもしれません。
 ただ、説明内容についての、適当である、不適当であるというのはなかなか基準としては判然とはしません。説明が適正かどうかというのは、誰がどのように判断するのでしょうか。
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深山卓也#24
○政府参考人(深山卓也君) 社外取締役を置くことが相当でない理由というのは、定時株主総会で取締役が株主に対して説明する。さらには、これは法務省令事項で予定していることですけれども、業務報告や株主総会参考書類でも書面上相当でない理由を記載して株主に開示すると、こういうものでございますので、第一義的には株主によって適切な説明がされたかどうかということが判断されることになります。
 もっとも、仮に、相当でない理由の説明や、あるいは株主の書面での開示というものが不十分であったという場合に、取締役の善管注意義務違反に基づく責任追及の訴えの原因になることもあり得ますし、それから、取締役の選任決議の取消しの訴えが提起されるというようなこともあり得ます。こういうことになった場合には、最終的に裁判所において、これらの説明や記載が十分であったかどうかということが判断されるということになります。
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山下雄平#25
○山下雄平君 企業ですので、最終的には株主が評価する、判断するということのようです。
 しかし、例えば、紋切り型の説明ばかりをしていても株主が余り問題としてこなければ、木で鼻をくくったような説明が横行してしまうというような事態が起こり得ないとも限りません。社外取締役を設置しない企業に株主総会でその理由を説明させるという立法の趣旨が有名無実化してしまった場合はどのように対応していくんでしょうか。附則に盛り込まれた二年後の再検討の中で法改正も含めて対応していくということになるという認識でよろしいでしょうか。
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深山卓也#26
○政府参考人(深山卓也君) 御指摘のとおり、改正法案では、施行後二年を経過した場合の検討事項が置かれております。社外取締役の選任状況や、選任されない場合の株主総会での置くことが相当でない理由の説明の状況についても、この検討事項において検証されることになるものと思っております。
 その二年を経過した場合の検証の結果、仮にですけれども、この相当でない理由の説明が不十分であるというようなことが非常に多いということであれば、それに対する対応、法的な対応をその時点で考えなくちゃいけないと思っておりますが、現時点でそれ、どういうことになってどういう施策を講ずることになるかというのを予測することはなかなか難しいと思います。
 もっとも、社外取締役の機能を積極活用すべきだという、そのこと自体は、先ほど来申し上げていますとおり、我が国の企業関係者、経済社会に相当程度既にもう共有されておりますし、今回の改正法の施行後は更にそのような意識が一層浸透すると思っておりますので、その社外取締役を置くことが相当でない理由の説明についても、いいかげんな説明が横行するというようなことではなくて、適切な運用が積み重ねられていくんではないかと、こう期待しているところでございます。
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山下雄平#27
○山下雄平君 私も、企業はそんな変な説明ばかりをして法の趣旨を、脱法行為をするというふうに思っているわけではございませんけれども、万が一そういった事態が起こり得るかもしれないということで、法務省としても重大な関心を持って運用の中で対応していっていただきたいと思っております。
 谷垣大臣は水曜日の法務委員会で、法改正により内外の投資家の信頼が高まり、経済の成長につながるというふうに今回の法改正の利点を言及されました。一方で、中には、社外取締役がいるから業績がいいと言えるようなデータはないとか、社外取締役の選任により業績が伸びたと、そういったような相関は見られないというような指摘もあります。社外取締役の選任を促進しようとされている大臣として、こうした声にどのように応えていくのか、お聞かせください。
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谷垣禎一#28
○国務大臣(谷垣禎一君) 社外取締役に期待されるのは業務執行に対する監督ですよね。だから今指摘のようなお声があるわけですが、立派な社外取締役を選んだからその企業が急に成長していくのか。特に、業務執行はもう一つだなということであれば、それは成長には結び付かないと思うんですね。
 ただ、業務執行者と独立の立場から社外取締役が健全な監督をすることによっていわゆるコーポレートガバナンスが向上していくと、そういう健全な環境の中で業務執行自体が、何というんでしょうか、より良きものになっていくという可能性は私は十分にあると思います。
 特に、内外の投資家、特に海外の投資家から、日本はコーポレートガバナンスが弱いんではないかという懸念が見られるという指摘がございましたから、そういう意味合いからも、こういうことを行っていくということが日本企業に対する信頼を増して日本に対する投資を呼び起こす、そのことが経済成長につながっていくと、こういうことではないかと思っております。
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山下雄平#29
○山下雄平君 大臣がおっしゃるように、コーポレートガバナンスが高まって日本の企業の信頼性が高まり、投資をする環境が非常に良くなって、最終的には日本の経済の浮揚につながるというふうに私も期待しておりますし、今改正案が成立して、また二年後検討するというような附則が盛り込まれているわけで、今議論をしました社外取締役の要件を更に厳格化する必要があるのかどうか、選任の数は本当に一人、二人、三人、複数がいいのかどうか、そういったこともまた今後検討を進めていっていただきたいというふうに思っております。
 最後に何問か、この整備法の方に含まれています水俣病関連についてお伺いしたいと思います。
 法案には、日本維新の会から、水俣病特措法についての改正を追加するという修正案が提出されております。修正案の趣旨は、今回の会社法の改正により現在の水俣病特措法で定められたスキームが変更されないようにするためというふうに理解しております。そうであれば、本来は、政府提出法案の中で水俣病特措法の整備も対象としておくべきではなかったのでしょうか。水俣病特措法が整備の対象とされなかった理由を法務省の方から伺いたいと思います。
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