法務委員会

2015-08-05 衆議院 全298発言

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会議録情報#0
平成二十七年八月五日(水曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 奥野 信亮君
   理事 安藤  裕君 理事 井野 俊郎君
   理事 伊藤 忠彦君 理事 盛山 正仁君
   理事 山下 貴司君 理事 山尾志桜里君
   理事 井出 庸生君 理事 漆原 良夫君
      池田 道孝君    岩田 和親君
      小田原 潔君    大塚  拓君
      門  博文君    門山 宏哲君
      菅家 一郎君    今野 智博君
      辻  清人君    冨樫 博之君
      藤原  崇君    古田 圭一君
      宮川 典子君    宮崎 謙介君
      宮澤 博行君    宮路 拓馬君
      簗  和生君    山口  壯君
      若狭  勝君    黄川田 徹君
      黒岩 宇洋君    階   猛君
      鈴木 貴子君    柚木 道義君
      重徳 和彦君    大口 善徳君
      國重  徹君    清水 忠史君
      畑野 君枝君    上西小百合君
    …………………………………
   法務大臣         上川 陽子君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長) 山谷えり子君
   法務副大臣        葉梨 康弘君
   法務大臣政務官      大塚  拓君
   最高裁判所事務総局刑事局長            平木 正洋君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  岡田  隆君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 河合  潔君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 露木 康浩君
   政府参考人
   (警察庁長官官房審議官) 塩川実喜夫君
   政府参考人
   (警察庁刑事局長)    三浦 正充君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    林  眞琴君
   政府参考人
   (法務省矯正局長)    小川 新二君
   政府参考人
   (公安調査庁次長)    杉山 治樹君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 鈴木 秀生君
   法務委員会専門員     矢部 明宏君
    —————————————
委員の異動
八月五日
 辞任         補欠選任
  辻  清人君     岩田 和親君
  簗  和生君     小田原 潔君
  階   猛君     黄川田 徹君
同日
 辞任         補欠選任
  岩田 和親君     辻  清人君
  小田原 潔君     池田 道孝君
  黄川田 徹君     階   猛君
同日
 辞任         補欠選任
  池田 道孝君     簗  和生君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 刑事訴訟法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四二号)
     ————◇—————
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奥野信亮#1
○奥野委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、刑事訴訟法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、本案に対し、盛山正仁君外三名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、維新の党及び公明党の共同提案による修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。山尾志桜里君。
    —————————————
 刑事訴訟法等の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    —————————————
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山尾志桜里#2
○山尾委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、維新の党及び公明党を代表いたしまして、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。
 これまで、当委員会においては、政府提出の法律案について、数次にわたる参考人質疑や視察を含め、長時間に及ぶ丁寧かつ熱心な審査を行ってまいりました。委員会における議論を踏まえ、各党の真摯な修正協議を重ねた結果、今般、次のような内容の修正案を提出することで合意に至ったものであります。
 以下、この修正案の主な内容について御説明申し上げます。
 第一に、証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度について、検察官が合意をするか否かを判断するに当たって考慮すべき事情として、合意に関係する犯罪の関連性の程度を明記するとともに、合意のための協議の際に弁護人が常時関与することといたしました。
 第二に、通信傍受法について、傍受記録に記録されている通信の当事者に対する通知事項として、傍受記録の聴取等及び傍受の原記録の聴取等の許可の請求並びに不服申し立てをすることができる旨を追加するとともに、通信傍受についての国会報告事項を追加し、暗号技術を活用する方法により傍受の実施をしたときはその旨を国会に報告しなければならないことといたしました。
 第三に、附則の検討条項を次のように改めることといたしました。
 一、政府は、取り調べの録音、録画等が、被疑者の供述の任意性その他の事項についての的確な立証を担保するものであるとともに、取り調べの適正な実施に資することを踏まえ、この法律の施行後三年を経過した場合において、取り調べの録音、録画等の実施状況を勘案し、取り調べの録音、録画等に伴って捜査上の支障その他の弊害が生じる場合があること等に留意しつつ、取り調べの録音、録画等に関する制度のあり方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
 二、一のほか、政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律による改正後の規定の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
 三、政府は、この法律の公布後、必要に応じ、速やかに、再審請求審における証拠の開示、起訴状等における被害者の氏名の秘匿に係る措置、証人等の刑事手続外における保護に係る措置等について検討を行うものとする。
 以上が、この修正案の趣旨及び内容の概要であります。
 何とぞ、御審議の上、委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
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奥野信亮#3
○奥野委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。
    —————————————
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奥野信亮#4
○奥野委員長 この際、お諮りいたします。
 本案及び修正案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官岡田隆君、警察庁長官官房審議官河合潔君、警察庁長官官房審議官露木康浩君、警察庁長官官房審議官塩川実喜夫君、警察庁刑事局長三浦正充君、法務省刑事局長林眞琴君、法務省矯正局長小川新二君、公安調査庁次長杉山治樹君及び外務省大臣官房参事官鈴木秀生君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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奥野信亮#5
○奥野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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奥野信亮#6
○奥野委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局平木刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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奥野信亮#7
○奥野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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奥野信亮#8
○奥野委員長 これより原案及び修正案を一括して質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。盛山正仁君。
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盛山正仁#9
○盛山委員 おはようございます。自民党の盛山正仁でございます。
 今回の刑事訴訟法等の一部を改正する法律案につきましては、この委員会におきまして、これまで約六十時間にわたり、大変濃密な、また充実した審議が行われ、そして、その中で論点が整理、集約されてまいりました。また、我々各委員の問題意識、こういったことも明らかになってきたと思います。
 そういったこともございまして、我々は与党ではございますが、民主党、維新の党と共同いたしまして、公明党、自民党の方で共同で修正提案を先ほど提出したところでございます。
 本日は、きょうのこの審議がこの法律案についての最終局面であるということでございますので、我々が提出いたしました修正案に関連する事項を中心に御質問させていただきたい、そんなふうに思います。
 まず、取り調べの録音、録画制度について、法務省の方にお尋ねしたいと思います。
 取り調べの録音、録画制度については、これまで、対象事件の範囲が狭過ぎるのではないか、こんなふうに大分言われてまいりました。
 本法律案における対象事件の範囲は、現時点において必要性、合理性を十分検討した結果であり、まずはこの内容で制度を導入して、運用状況の蓄積を見つつ、対象事件のあり方について検討を行うというのが適切である、そんなふうに考えております。
 しかしながら、この検討について、政府原案の方では附則第九条で規定をしておったわけでございますけれども、私どもが提出いたしました修正案による修正後の同条第一項によりまして、従前の文言を修正するようにしております。
 すなわち、修正前におきましては、「取調べの録音・録画等が、被疑者の供述の任意性その他の事項についての的確な立証を担保するものであるとともに、取調べの適正な実施に資すること、」と並べまして、「取調べの録音・録画等に伴って捜査上の支障その他の弊害が生じる場合があること等」、こういうものを三つ並列で挙げておったわけでございます。
 しかしながら、我々の修正案といいますのは、この最後の、取り調べの録音、録画等に伴う支障その他、これにつきまして、前の二つの事項を踏まえた上で、最後の三点目に留意しつつ検討を加える、そういう修正を行おうというものでございます。
 二つのものと最後の一点を分けるというところが今回の我々の修正案のポイントであるということでございますが、法務当局においては、この修正をどのように受けとめて、そして取り調べの録音、録画制度についての検討をどのように行うか、それをまずお尋ねしたいと思います。
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林眞琴#10
○林政府参考人 政府案におきましては、「取調べの録音・録画等が、被疑者の供述の任意性その他の事項についての的確な立証を担保するものであるとともに、取調べの適正な実施に資すること、」ということに続けまして、「取調べの録音・録画等に伴って捜査上の支障その他の弊害が生じる場合があること等」を挙げまして、これらを踏まえて検討するとしていたところでございます。
 これに対して、修正案におきましては、両者を分離いたしまして、前者を踏まえて、後者に留意しつつ検討を加えることとされております。その趣旨は、取り調べの録音、録画等の趣旨、目的が前者にあることを明確にした上で、これを踏まえて後者に留意しつつ検討が行われるようにするために両者を分けるところにあると理解しているところでございます。
 法務省といたしましては、この修正後の規定に従いまして、取り調べの録音、録画制度のあり方について、運用状況を踏まえながら真摯に検討を行っていく所存でございます。
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盛山正仁#11
○盛山委員 ぜひしっかりとした検討を行っていただきたいと思います。
 次に、合意制度について伺いたいと思います。
 この委員会の中でも、合意制度については最も多くの時間を費やして審議、論議がされました。その中で、いわゆる巻き込みの危険に適切に対処できるか、こういう点について議論がなされました。
 繰り返し、法務当局の方から、巻き込みの危険を防止するための制度的な手当てについての答弁があったところであり、十分かなと私自身は思っておったところでございますけれども、なお懸念を示すというような御意見もありました。
 そういうことで、今回、きょう提出いたしました修正案におきましては、刑事訴訟法第三百五十条の二第一項を修正して、検察官が合意をするか否かを判断するに当たって考慮すべき事情として、「当該関係する犯罪の関連性の程度」ということを明記することとしております。
 この修正は、関係する犯罪間に関連性がない場合、法律上合意をすることができないこととするものではない、しかしながら、被疑者、被告人の犯罪と他人の犯罪との間にどの程度の関連性があるかは信用性のある証拠が得られる見込みの程度と関連し得ることなどに鑑み、これを考慮事情として明記しようという修正でございます。
 例えば、検察官が勾留中の被疑者との間で合意をして、留置場の同房者から犯行告白を聞いた旨の供述を得るようなことがあると、巻き込みの危険が大きいのではないかという懸念がございました。こういった懸念を踏まえまして、この制度が基本的に想定しているのは、共犯である場合など、関係する犯罪の間に関連性がある場合であることを明らかにする意味というふうに我々は考えているところであります。
 このように刑事訴訟法を修正するということについて、どのように法務省は受けとめて、検察官が合意に係る判断を行っていこうとしているのか、伺いたいと思います。
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林眞琴#12
○林政府参考人 政府案におきましては、合意の対象となる事件に関して、被疑者、被告人の犯罪と他人の犯罪との間に共犯関係など何らかの関連性があるということは法文上は必要としていないところでございます。
 もっとも、これに対しましては、両犯罪の間に何らの関連性もない場合にも合意をすることができるとすると、例えば、検察官が勾留中の被疑者との間で合意をして、留置場の同房者から犯行告白を聞いた旨の供述を得ることも可能となり、いわゆる巻き込みの危険が高くなるのではないか、こういった懸念が示されていたところでございます。
 政府案におきましても、留置場の同房者から犯行告白を聞いた旨の供述を得るために勾留中の被疑者との間で合意をするようなことは基本的に想定されないところであり、他方、信用性のある証拠が得られる見込みがどの程度あるかを判断する上で、被疑者、被告人の犯罪と他人の犯罪との関連性の程度は、合意をするか否かを判断するに当たり、その他の事情というところで考慮することになると考えていたところでございます。
 今般、刑事訴訟法三百五十条の二第一項の修正は、先ほど申し上げましたような巻き込みの危険に対する懸念も踏まえつつ、被疑者、被告人の犯罪と他人の犯罪との間にどの程度の関連性があるかは信用性のある証拠が得られる見込みの程度と関連し得ることなどから、これを考慮事情として明記することとしたものと理解しているところでございます。そして、これによりまして、合意制度が利用される場合として基本的に想定されるのは、共犯事件など、両犯罪の間に関連性が認められる場合であることが示されることにもなると理解しております。
 検察官におきましては、合意をするか否かを判断するに当たりましては、両犯罪の関連性の程度も適切に考慮することとなるものと承知しております。
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盛山正仁#13
○盛山委員 ぜひ、今の御答弁のとおり、適切な御判断をお願いしたいと思います。
 続いて、その合意制度でございますけれども、今回我々の提出した修正案におきまして、合意制度における協議についても修正を加えております。
 具体的には、刑事訴訟法第三百五十条の四ただし書きを修正して、被疑者、被告人及び弁護人の双方に異議がない場合であっても、検察官と被疑者、被告人のみとの間で協議の一部を行うことはできないこととし、他方、検察官が弁護人のみとの間で協議の一部を行うことは認めることとしたものであります。
 これは巻き込みの危険に対する懸念を踏まえたものでもございまして、被疑者、被告人及び弁護人の双方に異議がない場合であっても、検察官と被疑者、被告人のみとの間で協議の一部を行うことはできないこととするところにその趣旨があるわけであります。
 このような修正を加えたことによりまして、協議を行うに当たって常に弁護人が関与しなければならない、こういうことになるわけでありますけれども、これに対してどのように考えているのか、どのように受けとめているのか、法務当局に伺いたいと思います。
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林眞琴#14
○林政府参考人 政府案におきましては、合意をするための必要な協議について、基本的には検察官、被疑者、被告人及び弁護人の三者で行うこととしつつ、被疑者、被告人及び弁護人の双方に異議がない場合には、検察官はいずれか一方のみとの間で協議の一部を行うことができるとしておりました。
 弁護人が協議に関与することとする趣旨につきましては、被疑者、被告人の利益を保護しようとするところにあるわけでございますが、弁護人が関与することはいわゆる巻き込みの危険の防止にも資するものと考えられるところでございます。
 合意制度につきましては、これまでいわゆる巻き込みの危険に対する懸念が示されてきたところでございますが、政府案におきましても所要の制度的な手当てをしているところでありまして、この危険には適切に対処できるものとなっていると考えておりますけれども、今般の刑事訴訟法三百五十条の四ただし書きの修正につきましては、こうした懸念も踏まえつつ、いわゆる巻き込みの危険の防止についてより一層の確実を期する観点から、協議には弁護人が常に関与しなければならないこととしたものと理解しております。
 検察官といたしましては、当然のことながら、この規定に従いまして、弁護人の常時関与するもとで協議を行っていくことになるものと承知しております。
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盛山正仁#15
○盛山委員 今のその御理解のとおりでありますので、そういった運用というんでしょうか、扱いをしっかり行っていただきたいと思います。
 もう一点、合意について質問します。
 一般的に犯罪捜査においては、その過程で生じる重要な事項を適時適切な方法で何らかの記録をしていくということが必要になると考えますけれども、その点は合意制度における協議についても同様ではないかなと思うところであります。
 したがって、合意制度の運用に当たっては、検察官が協議の過程で生じた重要な事項を適切に記録し保管することになると私どもは考えておりますけれども、この点について法務当局はどのようにしていくつもりなのか、御答弁いただきたいと思います。
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林眞琴#16
○林政府参考人 一般に、捜査において重要な事項につきましては適切に記録がなされるのが当然でありまして、現になされているものと考えております。
 合意制度における協議につきましても、自由な意見交換などの協議の機能を阻害しないとの観点をも踏まえつつ、その過程について、重要なポイントとなる事項につきましては当然に記録がなされ、これが適切に保管されることとなるものと考えております。
 この点につきましては、御指摘も踏まえまして、特に検察内部の指示文書等により周知徹底していきたいと考えております。
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盛山正仁#17
○盛山委員 皆さんが同じような対応をしていただけるように、人によって対応が異なるといったようなことがないように、ぜひお願いしたいと思います。
 続きまして、通信傍受法について伺いたいと思います。
 通信傍受法の改正は、大きく分けて、対象犯罪の拡大、手続の合理化、効率化、この二つの柱だと思っております。
 対象犯罪の拡大につきましては、通信の秘密の不当な侵害につながるのではないかという懸念を前提に、振り込め詐欺に対応できるようにすることは認めるという意味で、詐欺、恐喝の追加のみを認めるべきではないかとの意見も見られたところであります。
 しかしながら、昨今の犯罪情勢を見ますと、暴力団による一般国民を標的とした殺人、放火等の凶悪事件や、外国人窃盗団を初めとする不良集団による組織的な窃盗、強盗の事件など、善良な国民生活を脅かす組織的な犯罪は依然として後を絶たない状況にございます。これらの事件の全容を解明し、首謀者に対しその責任に見合うだけの刑罰を科すこと、ひいては組織を壊滅させていくこともまた国民の方々が刑事手続に期待するところであり、そのような国民の切なる思いに応えていくのが我々の務めであると考えております。
 もとより、対象犯罪のあり方につきましては、最高裁判例の趣旨も踏まえつつ、通信の秘密の制約に見合うほどの重大性があるかどうかという観点からの検討も必要であると考えますが、その検討に当たっては、現実の犯罪情勢、国民生活に与える脅威といった視点も欠かすことができないと考えているところです。
 そこで、対象犯罪の拡大はどのような観点から必要であると考えているのか、法務当局に改めて答弁をお願いしたいと思います。
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林眞琴#18
○林政府参考人 組織的な犯罪等におきましては、首謀者の関与状況等を含めました事案の解明が求められるところでございますが、現行法のもとでは客観的な証拠を収集する方法が十分ではございません。そこで、その解明を図るために、末端の実行者など組織内部の者の取り調べによって供述を得ようとすることとなり、そのことが、取り調べ及び供述調書に過度に依存せざるを得ない状況となっている要因の一つとなっております。
 他方で、近時、一般国民を標的としました暴力団によると見られる殺傷事案が相次いでおりまして、また、特殊詐欺のような通信傍受法の施行後に新たに発生した犯罪事象による被害が深刻になっているなど、一般国民にとって脅威となる事案が社会問題化しておりまして、このような事案の解明の要請はより一層強くなっております。
 組織的な犯罪等におきましては、組織防衛の一環として、末端の実行者等が警察に検挙された場合には徹底して供述を拒否するよう厳しく統制がなされるなど、事案の解明に資する供述を得ることが非常に困難となっております。
 そこで、通信傍受法施行後の犯罪情勢の変化等を踏まえまして、通信傍受の対象犯罪をまず拡大することによりまして、一つには、組織的な犯罪等において事案の解明に資する客観的な証拠をより広範に収集することが可能となり、また、証拠収集に占める取り調べの比重というものを低下させ得ると考えるところでございます。
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盛山正仁#19
○盛山委員 しっかりとした対応をお願いしたいと思います。
 通信傍受についてもう一点伺いたいと思います。
 今回の法改正で、特定電子計算機を用いる新しい方式の導入が想定されているところであります。この委員会でも長く、さまざまな観点から議論がなされましたけれども、運用上、デュープロセス、これがきちんと確保されるようにより一層の配慮も必要ではないか、こういうような議論がいろいろございました。
 そういう点で、きょう提出いたしました修正案におきましては、通信の当事者に対する通知事項を追加し、捜査機関が作成する傍受記録の閲覧、聴取等や、裁判官が保管する傍受の原記録の閲覧、聴取等、さらには不服申し立てをすることができる旨を通知することとするほか、本法律案により新たに導入する方式により傍受の実施をしたときはその旨も国会報告しなければならないというふうにしたところでございます。
 これらは、通信事業者等の施設において一時的保存を命じて行う傍受の実施についても同様であり、傍受の実施のより一層の適正化に資することが期待されているところでございます。
 この我々の修正案についてどのように法務当局は捉えているのか、答弁をお願いしたいと思います。
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林眞琴#20
○林政府参考人 現行の通信傍受法及び今回の政府案におきましては、その通信の当事者に対する通知の際に、傍受記録の閲覧、聴取等をすることができる旨を通知するということにはしていないところでございます。
 今般の通信傍受法第三十条の修正は、傍受の実施の適正をより一層確保するとの観点から、通信当事者に対する通知の際に、傍受記録の聴取、閲覧等ができること、傍受の原記録の聴取、閲覧等ができること、不服申し立てができること、こういったことをあわせて通知することとしたものと理解しております。
 捜査機関といたしましては、当然のことながら、この規定に従いまして、通信当事者に対する通知を適切にしていくことになるものと承知しております。
 また、政府案におきましては、本法律案において新たに導入することとしている方式による傍受の実施をした場合でも、その旨を国会に報告すべきこととはしていなかったところでございます。
 今般の通信傍受法の第三十六条の修正は、修正案の附則第九条第二項によりまして、今般の通信傍受法の改正規定についてのいわゆる検討条項が設けられることも踏まえまして、新たに導入される方式による傍受の実施のあり方や運用状況についての検討の資料とするために、それらの方式により傍受の実施をしたときは、その旨を国会に報告するとともに、公表しなければならないこととしたものと理解しております。
 関係行政機関といたしましては、当然のことながら、この規定に従いまして、国会に対する報告等を適切に行うことになるものと承知しております。
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盛山正仁#21
○盛山委員 今御答弁にありましたが、しっかり受けとめていただきたいと思います。
 では、今後の検討についてちょっと伺いたいと思います。
 きょう我々が提出いたしました修正案におきましては、附則の九条二項、三項として、本法律案全体についての検討条項、そして本法律案に盛り込まれなかった諸制度についての検討条項を加えることとしております。
 刑事司法制度が、社会情勢や犯罪情勢の変化に対応しつつ、将来にわたってその機能を十分に発揮していくためには、その運用状況に十分目を配りながら、改善の余地がないかどうかを常に考え続けていくということが重要であります。そして、本法律案に盛り込まれている各制度についても、また盛り込まれなかった諸制度についても、引き続き検討を行っていくことが必要であると考えております。
 これらの検討条項に基づきましてどのような姿勢で検討を今後行っていくつもりか、御答弁をいただきたいと思います。
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林眞琴#22
○林政府参考人 政府案におきましては、取り調べの録音、録画制度以外につきましては検討条項を設けておりませんでしたが、修正案におきましては、取り調べの録音、録画制度を除く本法律案全体につきまして、施行後三年を経過した後に必要な検討を行い、所要の措置を講ずる旨のいわゆる検討条項を設けることとされております。
 これは、刑事司法制度は、その運用を重ねていく中で、必要に応じて改善がなされていくことを通じまして、よりよいものにしていく必要があるとの認識に立つものであると理解しているところでございます。
 法務省といたしましては、この規定に従いまして、本法律案全体について、その運用状況を踏まえつつ、真摯に検討を行っていく所存でございます。
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盛山正仁#23
○盛山委員 制度というのは、改正して、それでパーフェクトになるというものでは決してございません。今後とも、ぜひ、これをステップにして、また改善の御努力をお願いしたいと思います。
 続きまして、国家公安委員長にお尋ねをしたいと思います。
 いよいよ、きょうでこの法案審議が終わるのかなと思っております。この法律が今後、衆議院を経て、また参議院に送られていくわけでございますけれども、本法律が成立したならばということになるわけでありますけれども、適正、的確な運用というものがやはり必要ではないかと思います。この委員会でも、参考人の方も含めて、いろいろな御議論がなされました。大臣の方からもさまざまな御答弁をしていただいたところであります。
 警察を所管される国家公安委員長として、デュープロセスというんでしょうか、この法律の趣旨をよく踏まえられて、どのように適正、的確な運用がなされるか、ここが我々としては大変大事なポイントではないかなと考えておるわけでございますが、山谷大臣のお考えというものをお伺いしたいと思います。
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山谷えり子#24
○山谷国務大臣 本法案は、取り調べの録音、録画制度、通信傍受の合理化、効率化を初め、刑事司法分野の重要かつ多岐にわたる課題に対処するものでありまして、これら諸制度が一体となって新時代の刑事司法制度を形づくることとなると考えております。
 今回の審議を通じまして、私自身も、刑事司法制度の役割の重みや適正捜査の重要性について改めて思いを深くしたところでございます。
 御審議の上、改正法が成立、施行された場合には、同法を適正、的確に運用し、国民の安全、安心を確保するため、世界一安全な国日本を目指して、引き続きしっかりと警察を指導してまいりたいと考えます。
 取り調べの録音、録画については、重大で真相解明が最も強く求められる裁判員裁判対象事件を対象として全過程の録音、録画を義務づける制度への対応は、警察にとって重い課題と認識しておりますが、御審議の上、改正法が成立、施行された場合には、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 また、通信傍受については、法の定める厳格な要件と手続に基づいて、これまでも慎重に運用してきたところでございますけれども、御審議の上、改正法が成立、施行された場合には、本委員会における御議論も踏まえ、同法を適正かつ効果的に活用し、振り込め詐欺や暴力団犯罪等、現に国民の脅威となっている組織的犯罪の脅威に的確に対処してまいりたいと考えます。
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盛山正仁#25
○盛山委員 山谷大臣、ありがとうございました。
 この委員会の中でも何度もいろいろ御質問、そして御答弁をいただいたところでありますが、安心、安全の生活の実現、そして国民から信頼される警察というものの確立に今後ともぜひ御指導いただきたいと思います。
 大臣、御予定があれば、もうこれでどうぞ。
 最後に、上川法務大臣にお尋ねしたいと思います。
 時間が我々与党は限られているものですから、主要な論点に絞って御質問あるいは議論をしてきたところであります。
 我々も政府・与党の一員として、今回の刑事訴訟法の改正を出すときに、さまざまな疑問、懸念に答えることができるよう、あるいは、法制審等を通じましてこれまで十分な議論を踏まえて立案してきたつもりでございましたけれども、今回の約六十時間に及ぶ審議を通じまして、なお一層改善点があるんじゃないかということで、きょう、我々は四党で修正案というものを提出したところであります。そしてまた、この修正案を取り込むということができれば、この刑事訴訟法の改正の内容がさらに充実したものになっていくのではないかと我々は考えているところでございます。
 今回の刑事訴訟法の改正といいますのは、現在の刑事司法制度が取り調べ及び供述調書への過度の依存から脱却するために不可欠なものであり、ぜひ成立させるべきものと考えているところであります。そして同時に、刑事司法制度がその役割を十分に果たし、国民にとって頼りがいのあるものであり続けるためには、幅広い観点から不断の検討が必要であります。
 先ほど御答弁もいただいたところでありますが、法務省にはそのような検討を進めていくことを我々期待しているところであります。山谷大臣に対しまして、信頼される警察というものを確立してください、そういうふうにお願いしたところでありますが、法務省に対しては、信頼される検察あるいは司法制度、こういうことになろうかと思います。
 今後この法律が成立したならばということになるわけでございますけれども、今後の刑事司法制度の進化、発展を期しまして、どのように上川法務大臣として今後の制度のさらに一層適切な改善に向けて検討を行い、そしてまたそれを実現していくかにつきまして、お考えを伺いたいと思います。
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上川陽子#26
○上川国務大臣 ただいま委員から、この法務委員会におかれまして、委員の先生方から長時間にわたりまして大変さまざまな視点から御審議をいただき、この法律案につきましてのさまざまな論点ということにつきましてもクリアにしていただいたということで、この間の委員会の御審議に対しまして大変大きな御貢献をしていただいたものというふうに改めて感謝をしておるところでございます。
 そもそも、この法律案の趣旨でございますが、捜査、公判が取り調べ及び供述調書に過度に依存していた状態を改めまして、刑事司法制度全般にわたりまして機能的なものにする、適正なものにする、そして、国民の皆さんから信頼を得るということが何よりも大事である、そうしたことから、証拠収集手続の適正化、多様化、また公判におきましての審理の充実化を図る、こういうことで新時代の刑事司法制度の構築をする、こうした大きな課題、目的をしょってのこの法律案の提起でございました。
 まさに、刑事司法は国民生活の安全、安心にとりましての重要な基盤であるということでございますので、この点に鑑みて、この刑事訴訟法等の改正におきましても、ぜひとも改正をしていただきたいということを強くお願い申し上げる次第でございます。
 もとより、刑事司法の分野につきましては、社会情勢が変化をしていく、さらに、さまざまな捜査や公判の事情につきましても、それに応じましてたゆまぬ改革をしていくべきことであるというふうに思っているところでございます。その意味で、修正案の今回の御趣旨は、この諸制度の施行状況等を踏まえた上で検討を加える、そうした内容の修正案を御提示していただいたということでございまして、まさに認識を共有しているものでございます。
 刑事司法のさらなる進化、発展を目指しまして、たゆまぬ改革、そのために、たゆまぬ、絶えざる検討をしてまいりたいというふうに思っております。
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盛山正仁#27
○盛山委員 ありがとうございました。
 たゆまぬ改革という言葉がありました。ぜひ、安全、安心の生活の確立、そして信頼される司法制度の確立に向けて、今後ともよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
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奥野信亮#28
○奥野委員長 正午から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時五分休憩
     ————◇—————
    正午開議
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奥野信亮#29
○奥野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。黒岩宇洋君。
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