法務委員会
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会
会議録情報#0
平成二十七年四月二十三日(木曜日)
午前十時開会
─────────────
委員の異動
四月二十一日
辞任 補欠選任
古賀友一郎君 有村 治子君
堀井 巌君 猪口 邦子君
四月二十三日
辞任 補欠選任
有村 治子君 大野 泰正君
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 魚住裕一郎君
理 事
熊谷 大君
三宅 伸吾君
有田 芳生君
真山 勇一君
委 員
猪口 邦子君
大野 泰正君
鶴保 庸介君
牧野たかお君
溝手 顕正君
柳本 卓治君
足立 信也君
江田 五月君
小川 敏夫君
矢倉 克夫君
仁比 聡平君
田中 茂君
谷 亮子君
国務大臣
法務大臣 上川 陽子君
副大臣
法務副大臣 葉梨 康弘君
外務副大臣 城内 実君
大臣政務官
法務大臣政務官 大塚 拓君
事務局側
常任委員会専門
員 櫟原 利明君
政府参考人
内閣府大臣官房
審議官 久保田 治君
金融庁総務企画
局審議官 氷見野良三君
法務省民事局長 深山 卓也君
法務省矯正局長 小川 新二君
外務大臣官房審
議官 下川眞樹太君
外務大臣官房参
事官 水越 英明君
水産庁漁政部長 水田 正和君
国土交通大臣官
房技術参事官 菊地身智雄君
国土交通省水管
理・国土保全局
次長 加藤 久喜君
国土交通省海事
局次長 櫻井 俊樹君
─────────────
本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一
部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
─────────────
この発言だけを見る →午前十時開会
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委員の異動
四月二十一日
辞任 補欠選任
古賀友一郎君 有村 治子君
堀井 巌君 猪口 邦子君
四月二十三日
辞任 補欠選任
有村 治子君 大野 泰正君
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出席者は左のとおり。
委員長 魚住裕一郎君
理 事
熊谷 大君
三宅 伸吾君
有田 芳生君
真山 勇一君
委 員
猪口 邦子君
大野 泰正君
鶴保 庸介君
牧野たかお君
溝手 顕正君
柳本 卓治君
足立 信也君
江田 五月君
小川 敏夫君
矢倉 克夫君
仁比 聡平君
田中 茂君
谷 亮子君
国務大臣
法務大臣 上川 陽子君
副大臣
法務副大臣 葉梨 康弘君
外務副大臣 城内 実君
大臣政務官
法務大臣政務官 大塚 拓君
事務局側
常任委員会専門
員 櫟原 利明君
政府参考人
内閣府大臣官房
審議官 久保田 治君
金融庁総務企画
局審議官 氷見野良三君
法務省民事局長 深山 卓也君
法務省矯正局長 小川 新二君
外務大臣官房審
議官 下川眞樹太君
外務大臣官房参
事官 水越 英明君
水産庁漁政部長 水田 正和君
国土交通大臣官
房技術参事官 菊地身智雄君
国土交通省水管
理・国土保全局
次長 加藤 久喜君
国土交通省海事
局次長 櫻井 俊樹君
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本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一
部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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魚
魚住裕一郎#1
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る二十一日、古賀友一郎君及び堀井巌君が委員を辞任され、その補欠として有村治子さん及び猪口邦子さんが選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
去る二十一日、古賀友一郎君及び堀井巌君が委員を辞任され、その補欠として有村治子さん及び猪口邦子さんが選任されました。
─────────────
魚
魚住裕一郎#2
○委員長(魚住裕一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務省民事局長深山卓也君外九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
魚
魚
魚住裕一郎#4
○委員長(魚住裕一郎君) 船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
三
三宅伸吾#5
○三宅伸吾君 おはようございます。自由民主党の三宅伸吾でございます。質問の機会をいただきましてありがとうございます。
船主責任制限法改正案の中身に入る前に、少し古い話をいたしたいと思います。
百三年前でございます。一九一二年四月の深夜の出来事であります。英国からニューヨークに向けて処女航海中の巨大客船が公海上の北大西洋で氷山に衝突、約二時間四十分後に沈没いたしました。有名なタイタニック号の沈没事故であります。悲劇であります。この船の直接の所有者は英国の会社でありましたけれども、親会社は米国にございました。二千二百人余りの乗員乗客のうち、救助されたのはたった七百人余りという大惨事でございました。
タイタニック号事故の研究者、高島健さんの調査によりますと、当然その後、巨額の損害賠償の請求が起きたわけでございます。請求総額は当時の米ドルで約一千六百万ドル。一九一二年当時の一千六百万ドル、今の日本円に換算するのはなかなか難しいんですけれども、一ドル四千円で計算いたしますと約六百四十億円になります。
当時、英米両国とも海難事故に対しまして賠償責任の制限の法制度を持っていたそうであります。ただ、制度の中身が大きく異なっておりまして、アメリカはとても低く、イギリスは責任の上限額が高かったそうであります。当時のイギリスの制度によりますと、タイタニック号はトン数四万六千トンでありまして、また人身事故を伴ったため、一ポンド一万六千円で換算いたしますと約百十億円が上限になったということであります。それから米国でございますけれども、限度額の方式が大分イギリスと異なっておりまして、運賃などをベースに計算しておったようでございます。極めて低く、三億九千万円というのが当時のアメリカの責任限度額だったそうであります。
当然ながら、イギリスとアメリカで裁判が起きました。いろいろ紆余曲折はありましたけれども、一九一五年、事故から三年八か月後に和解が成立しております。和解総額は六十六万ドル、約二十六億五千万円だったそうであります。これは最初の請求額の約四%、米国の責任制限額の約六倍でありましたけれども、イギリスの責任制限額と比べると約四分の一だったということで、和解で一応収まったそうでございます。
これは百年以上前の事件の訴訟とそれから和解の結末でありますけれども、法務省にお聞きいたします。商船で海難事故が起きた場合、事故の状況、場所とか様々な要因によって責任の有無、裁判ができる国、それからどこの国の法律が適用されるか、いろいろ枝分かれすると思いますけれども、大まかな概要をお知らせください。
この発言だけを見る →船主責任制限法改正案の中身に入る前に、少し古い話をいたしたいと思います。
百三年前でございます。一九一二年四月の深夜の出来事であります。英国からニューヨークに向けて処女航海中の巨大客船が公海上の北大西洋で氷山に衝突、約二時間四十分後に沈没いたしました。有名なタイタニック号の沈没事故であります。悲劇であります。この船の直接の所有者は英国の会社でありましたけれども、親会社は米国にございました。二千二百人余りの乗員乗客のうち、救助されたのはたった七百人余りという大惨事でございました。
タイタニック号事故の研究者、高島健さんの調査によりますと、当然その後、巨額の損害賠償の請求が起きたわけでございます。請求総額は当時の米ドルで約一千六百万ドル。一九一二年当時の一千六百万ドル、今の日本円に換算するのはなかなか難しいんですけれども、一ドル四千円で計算いたしますと約六百四十億円になります。
当時、英米両国とも海難事故に対しまして賠償責任の制限の法制度を持っていたそうであります。ただ、制度の中身が大きく異なっておりまして、アメリカはとても低く、イギリスは責任の上限額が高かったそうであります。当時のイギリスの制度によりますと、タイタニック号はトン数四万六千トンでありまして、また人身事故を伴ったため、一ポンド一万六千円で換算いたしますと約百十億円が上限になったということであります。それから米国でございますけれども、限度額の方式が大分イギリスと異なっておりまして、運賃などをベースに計算しておったようでございます。極めて低く、三億九千万円というのが当時のアメリカの責任限度額だったそうであります。
当然ながら、イギリスとアメリカで裁判が起きました。いろいろ紆余曲折はありましたけれども、一九一五年、事故から三年八か月後に和解が成立しております。和解総額は六十六万ドル、約二十六億五千万円だったそうであります。これは最初の請求額の約四%、米国の責任制限額の約六倍でありましたけれども、イギリスの責任制限額と比べると約四分の一だったということで、和解で一応収まったそうでございます。
これは百年以上前の事件の訴訟とそれから和解の結末でありますけれども、法務省にお聞きいたします。商船で海難事故が起きた場合、事故の状況、場所とか様々な要因によって責任の有無、裁判ができる国、それからどこの国の法律が適用されるか、いろいろ枝分かれすると思いますけれども、大まかな概要をお知らせください。
深
深山卓也#6
○政府参考人(深山卓也君) 今幾つかお尋ねがあった点について順次御説明いたしますが、まず、被害者がどの国の裁判所で損害賠償請求訴訟を提起することができるのかという国際裁判管轄に関しましては、諸外国の法制の内容は様々です。
我が国においては、契約において定められた債務の履行地、あるいは差し押さえることができる被告の財産の所在地、不法行為があった地などの属する国の裁判所に損害賠償請求の訴えを提起できるというのが民事訴訟法の建前でございます。
この考え方によりますと、日本の領海内で船舶が沈没したという場合であれば、被害者は我が国の裁判所に損害賠償請求等々の訴えを提起することができますが、公海上又は他の国の領海内で船舶が沈没した場合には、契約上の債務の履行地が我が国に属するといった特殊な事情がないと我が国の裁判所に損害賠償請求訴訟を提起することはできないということになります。
また、どの国の法律に従って責任が認められるかという、いわゆる準拠法の問題ですが、準拠法を決める国際私法というのも各国それぞればらばらでございます。我が国の国際私法、これは、法律の名前は法の適用に関する通則法という法律ですが、これによりますと、運送契約に基づく損害賠償請求権の成立等の準拠法は、当事者が運送契約の当時に選択した地の法によるというルールになっておりまして、そういった選択がない場合にはその運送契約に最も密接な関連がある地の法によるということとされております。
また、不法行為に基づく損害賠償請求権の成立等の準拠法ですけれども、基本的には加害行為の結果が発生した地の法律によると。最も、加害行為が行われた地や、密接な関係がある地の法によることもあり得るというルールになっております。
この考え方によりますと、日本の領海内で船舶が沈没した場合には、船主に対する損害賠償請求について日本法が準拠法となります。また、公海上あるいは他の国の領海内で船舶が沈没した場合も、その船の船籍、あるいは当事者の住所、あるいは船舶の出港地や目的港その他の事情に照らして、その事故が我が国に密接に関係していると認められるときは日本法が準拠法になると思われます。そして、日本法が準拠法になる場合には、船主は、故意又は過失があれば損害賠償責任を負いますけれども、事故が想定外の天災などによる場合には過失が認められないということになって、損害賠償責任を負わないということになります。
最後に、船主責任制限手続自体の国際裁判管轄に関しましては、国際条約は存在しておらず、我が国の法律にも明文の規定はございませんので、解釈論ということになっております。解釈上は、日本籍船が責任を制限する場合、あるいは日本の領海内で事故が起こった場合などに我が国の裁判所で責任制限手続を取ることができるという考え方が一般的に取られておりまして、我が国の実務もこうした考え方に基づいて行われております。
この考え方によりますと、日本籍船が沈没した場合、これは場所を問いませんが、あるいは日本の領海内で船舶が沈没した場合、これは船籍を問いませんけれども、こういった場合には、我が国の裁判所で船主責任制限手続を取ることができるということになります。
この発言だけを見る →我が国においては、契約において定められた債務の履行地、あるいは差し押さえることができる被告の財産の所在地、不法行為があった地などの属する国の裁判所に損害賠償請求の訴えを提起できるというのが民事訴訟法の建前でございます。
この考え方によりますと、日本の領海内で船舶が沈没したという場合であれば、被害者は我が国の裁判所に損害賠償請求等々の訴えを提起することができますが、公海上又は他の国の領海内で船舶が沈没した場合には、契約上の債務の履行地が我が国に属するといった特殊な事情がないと我が国の裁判所に損害賠償請求訴訟を提起することはできないということになります。
また、どの国の法律に従って責任が認められるかという、いわゆる準拠法の問題ですが、準拠法を決める国際私法というのも各国それぞればらばらでございます。我が国の国際私法、これは、法律の名前は法の適用に関する通則法という法律ですが、これによりますと、運送契約に基づく損害賠償請求権の成立等の準拠法は、当事者が運送契約の当時に選択した地の法によるというルールになっておりまして、そういった選択がない場合にはその運送契約に最も密接な関連がある地の法によるということとされております。
また、不法行為に基づく損害賠償請求権の成立等の準拠法ですけれども、基本的には加害行為の結果が発生した地の法律によると。最も、加害行為が行われた地や、密接な関係がある地の法によることもあり得るというルールになっております。
この考え方によりますと、日本の領海内で船舶が沈没した場合には、船主に対する損害賠償請求について日本法が準拠法となります。また、公海上あるいは他の国の領海内で船舶が沈没した場合も、その船の船籍、あるいは当事者の住所、あるいは船舶の出港地や目的港その他の事情に照らして、その事故が我が国に密接に関係していると認められるときは日本法が準拠法になると思われます。そして、日本法が準拠法になる場合には、船主は、故意又は過失があれば損害賠償責任を負いますけれども、事故が想定外の天災などによる場合には過失が認められないということになって、損害賠償責任を負わないということになります。
最後に、船主責任制限手続自体の国際裁判管轄に関しましては、国際条約は存在しておらず、我が国の法律にも明文の規定はございませんので、解釈論ということになっております。解釈上は、日本籍船が責任を制限する場合、あるいは日本の領海内で事故が起こった場合などに我が国の裁判所で責任制限手続を取ることができるという考え方が一般的に取られておりまして、我が国の実務もこうした考え方に基づいて行われております。
この考え方によりますと、日本籍船が沈没した場合、これは場所を問いませんが、あるいは日本の領海内で船舶が沈没した場合、これは船籍を問いませんけれども、こういった場合には、我が国の裁判所で船主責任制限手続を取ることができるということになります。
三
三宅伸吾#7
○三宅伸吾君 ありがとうございました。
ちょっと質問の順番を変えまして、今の答弁の関連で、もし誰も想定できなかったような、例えば隕石が落ちてきて、商船にぶつかって沈没したと、その場合の賠償責任がどうなるかというのがまず一点。
もう一点は、韓国でセウォル号という悲惨な事故がございましたけれども、もしあの船に日本人の高校生が乗っておって、そのセウォル号の船主の関連会社か子会社が日本にあって財産なんかを持っていた場合、日本人の遺族は、東京地方裁判所などで、国内で損害賠償請求訴訟は起こせるんでしょうか。
この発言だけを見る →ちょっと質問の順番を変えまして、今の答弁の関連で、もし誰も想定できなかったような、例えば隕石が落ちてきて、商船にぶつかって沈没したと、その場合の賠償責任がどうなるかというのがまず一点。
もう一点は、韓国でセウォル号という悲惨な事故がございましたけれども、もしあの船に日本人の高校生が乗っておって、そのセウォル号の船主の関連会社か子会社が日本にあって財産なんかを持っていた場合、日本人の遺族は、東京地方裁判所などで、国内で損害賠償請求訴訟は起こせるんでしょうか。
深
深山卓也#8
○政府参考人(深山卓也君) まず、隕石等の予見し難いような事情によって海難事故が起こったということを考えますと、これはもちろん損害賠償請求権が成立するかどうかは各国の不法行為法によりますので、我が国を前提とすれば、先ほど申し上げたとおり過失責任主義ですので、隕石の衝突したのは予見不可能ですから無過失ということになって、損害賠償責任を負わないということになると思います。
また、セウォル号の事件、これはもちろん韓国国内の沈没事故ですけれども、ここに日本人の乗客がいた場合の損害賠償請求や責任制限がどうなるかということですが、まず、我が国の裁判所に損害賠償請求訴訟を起こせるかという問題については、先ほど申し上げたとおり、その被告に当たる船主の財産が我が国にあるという事例であれば、そのように言われたように思いますが、起こすことは可能だろうと思います。そういうものがない、何もないということになると、全て韓国の国内で完結していますので、起こすことができない場合もあると思います。その場合の準拠法がどうなるかというのも、先ほど申したように、原則は不法行為が起こった、沈没事故が起こった韓国私法によるというのが原則になると思います。
それから、船主責任制限手続も、セウォル号は韓国籍の船ですし、領海も韓国の領海内で起こっていますので、一般的に韓国で責任制限手続が取られる。そのときの法律も、韓国の法律が適用されるということになると思います。
この発言だけを見る →また、セウォル号の事件、これはもちろん韓国国内の沈没事故ですけれども、ここに日本人の乗客がいた場合の損害賠償請求や責任制限がどうなるかということですが、まず、我が国の裁判所に損害賠償請求訴訟を起こせるかという問題については、先ほど申し上げたとおり、その被告に当たる船主の財産が我が国にあるという事例であれば、そのように言われたように思いますが、起こすことは可能だろうと思います。そういうものがない、何もないということになると、全て韓国の国内で完結していますので、起こすことができない場合もあると思います。その場合の準拠法がどうなるかというのも、先ほど申したように、原則は不法行為が起こった、沈没事故が起こった韓国私法によるというのが原則になると思います。
それから、船主責任制限手続も、セウォル号は韓国籍の船ですし、領海も韓国の領海内で起こっていますので、一般的に韓国で責任制限手続が取られる。そのときの法律も、韓国の法律が適用されるということになると思います。
三
三宅伸吾#9
○三宅伸吾君 ありがとうございます。
国土交通省と金融庁にそれぞれお聞きをします。
海上輸送事故による賠償責任について、国交省所管の法律で何か特別の制度がありますでしょうか、これ国交省に。
そして、金融庁にお聞きします。海上輸送事故対応としてどのような保険がよく使われているんでございましょうか。
この発言だけを見る →国土交通省と金融庁にそれぞれお聞きをします。
海上輸送事故による賠償責任について、国交省所管の法律で何か特別の制度がありますでしょうか、これ国交省に。
そして、金融庁にお聞きします。海上輸送事故対応としてどのような保険がよく使われているんでございましょうか。
櫻
櫻井俊樹#10
○政府参考人(櫻井俊樹君) お答え申し上げます。
国土交通省が所管をしております法律で船舶油濁損害賠償保障法というものがございます。この体系でございますけれども、原油、重油等を輸送するタンカーからの油濁事故につきましては、その被害額が大きいことから、本日御審議いただきます船主責任制限とは違うスキームで、具体的には千九百九十二年の油による汚染損害についての民事責任に関する条約、千九百九十二年の油による汚染損害の補償のための国際基金の条約、さらには二千三年の、油による汚染損害の補償のための国際基金の条約の議定書という国際条約及び議定書に基づきまして特別の国際制度が設けられています。
そして、タンカーにおきましては、船主責任制限に基づく責任限度額よりも多い、高い額での船主責任限度額を設けるとともに、船主責任保険への加入を義務付けております。この責任限度額を超える汚染損害が発生した場合には、先ほど申し上げました条約に基づきまして、原油、重油の荷主からの拠出金を財源とする基金により三百四十二億円までの被害を補償する制度がございます。さらに、三百四十二億円を超えるような更に巨額の汚染事故が発生した場合のためには、また新たな追加基金議定書に基づきまして千二百四十五億円までの被害を補償する制度がございます。
この発言だけを見る →国土交通省が所管をしております法律で船舶油濁損害賠償保障法というものがございます。この体系でございますけれども、原油、重油等を輸送するタンカーからの油濁事故につきましては、その被害額が大きいことから、本日御審議いただきます船主責任制限とは違うスキームで、具体的には千九百九十二年の油による汚染損害についての民事責任に関する条約、千九百九十二年の油による汚染損害の補償のための国際基金の条約、さらには二千三年の、油による汚染損害の補償のための国際基金の条約の議定書という国際条約及び議定書に基づきまして特別の国際制度が設けられています。
そして、タンカーにおきましては、船主責任制限に基づく責任限度額よりも多い、高い額での船主責任限度額を設けるとともに、船主責任保険への加入を義務付けております。この責任限度額を超える汚染損害が発生した場合には、先ほど申し上げました条約に基づきまして、原油、重油の荷主からの拠出金を財源とする基金により三百四十二億円までの被害を補償する制度がございます。さらに、三百四十二億円を超えるような更に巨額の汚染事故が発生した場合のためには、また新たな追加基金議定書に基づきまして千二百四十五億円までの被害を補償する制度がございます。
氷
氷見野良三#11
○政府参考人(氷見野良三君) 旅客船及び貨物船につきましては、船主責任保険、いわゆるPI保険ですとか、あるいは衝突損害賠償特約の付された船舶保険が利用されているというふうに承知いたしております。
この発言だけを見る →三
三宅伸吾#12
○三宅伸吾君 ありがとうございます。
深山局長にちょっと確認でございますけれども、大型商船、旅客船で死亡事故が起きた場合は、今議題となっております改正法案によって責任限度額が抑えられることがあるのかどうかを念のために確認をしたいと思います。
あともう一点、日本はずっと、つい最近までデフレが十五年前後続いているわけでございます。にもかかわらず、一・五一倍も上限額を引き上げるというのはどうしてなんでしょう。
この発言だけを見る →深山局長にちょっと確認でございますけれども、大型商船、旅客船で死亡事故が起きた場合は、今議題となっております改正法案によって責任限度額が抑えられることがあるのかどうかを念のために確認をしたいと思います。
あともう一点、日本はずっと、つい最近までデフレが十五年前後続いているわけでございます。にもかかわらず、一・五一倍も上限額を引き上げるというのはどうしてなんでしょう。
深
深山卓也#13
○政府参考人(深山卓也君) まず最初の点です。旅客船で自分の船の旅客が死亡に至った場合に責任制限ができるかということですが、これは船主責任制限法では、自船、自分が責任制限を申し立てる自分の船の旅客についての損害については無限責任を負うと、責任制限はできないというふうになっております。
次に、一・五一倍に決まった経緯ですけれども、これは国際海事機関での議論に基づいて一・五一倍になったことを受けて、この法律もそれに合わせるものですが、具体的には各締約国における、一九九六年、平成八年ですが、から二〇一二年、平成二十四年、この間の物価上昇率について、各締約国のGDPの割合を乗じて、つまり加重平均にして算出した数値が採用されたので、我が国だけで見れば確かに一・五一倍どころかデフレで少し物価は下がっているぐらいなんですけれども、加入している国全部のGDP比率に応じた物価上昇率を加重平均すると一・五一倍になったということでこの数字が採用されたものと聞いております。
この発言だけを見る →次に、一・五一倍に決まった経緯ですけれども、これは国際海事機関での議論に基づいて一・五一倍になったことを受けて、この法律もそれに合わせるものですが、具体的には各締約国における、一九九六年、平成八年ですが、から二〇一二年、平成二十四年、この間の物価上昇率について、各締約国のGDPの割合を乗じて、つまり加重平均にして算出した数値が採用されたので、我が国だけで見れば確かに一・五一倍どころかデフレで少し物価は下がっているぐらいなんですけれども、加入している国全部のGDP比率に応じた物価上昇率を加重平均すると一・五一倍になったということでこの数字が採用されたものと聞いております。
三
氷
氷見野良三#15
○政府参考人(氷見野良三君) 責任限度額の引上げは保険料の引上げの一要素ではありますが、保険料の額は様々な要素を考慮して決定されるものでございます。
私ども、複数の保険事業者に確認してみましたが、今回の改正に伴い直ちに保険料を引き上げることは予定していないと、そういう回答でございました。
この発言だけを見る →私ども、複数の保険事業者に確認してみましたが、今回の改正に伴い直ちに保険料を引き上げることは予定していないと、そういう回答でございました。
三
魚
魚住裕一郎#17
○委員長(魚住裕一郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、有村治子さんが委員を辞任され、その補欠として大野泰正君が選任されました。
─────────────
この発言だけを見る →本日、有村治子さんが委員を辞任され、その補欠として大野泰正君が選任されました。
─────────────
小
小川敏夫#18
○小川敏夫君 民主党の小川敏夫でございます。
まず、外務副大臣にお越しいただきました。憲法で、条約は国会の承認を受けなくてはならないということに決められております。これは、新たに条約を締結するという場合だけでなくて、条約を変更する場合であってもこれは同じ趣旨でありまして、要するに国際約束であれば国会の承認を経なくてはならないと。
じゃ、どういう場合に国会の承認を経るのかということについては、大平三原則、当時の大平外務大臣が述べた大平三原則で、そのうちの一つで、いわゆる法律事項を含む国際約束、これは憲法で定められた国会の承認が要るんだと、こういうことになっております。
それで、今回のこの法律でありますけれども、まさに条約が変更されて、そして法律事項だからこうして法律を提案されて、通していただきたいということになっておるわけであります。ですから、法律事項を含む条約の変更であるのに、しかし、法律は出てきているけれども、そもそもの条約の変更については国会の承認が求められていないということになっておりますが、これはどういうことなんでしょうか。
この発言だけを見る →まず、外務副大臣にお越しいただきました。憲法で、条約は国会の承認を受けなくてはならないということに決められております。これは、新たに条約を締結するという場合だけでなくて、条約を変更する場合であってもこれは同じ趣旨でありまして、要するに国際約束であれば国会の承認を経なくてはならないと。
じゃ、どういう場合に国会の承認を経るのかということについては、大平三原則、当時の大平外務大臣が述べた大平三原則で、そのうちの一つで、いわゆる法律事項を含む国際約束、これは憲法で定められた国会の承認が要るんだと、こういうことになっております。
それで、今回のこの法律でありますけれども、まさに条約が変更されて、そして法律事項だからこうして法律を提案されて、通していただきたいということになっておるわけであります。ですから、法律事項を含む条約の変更であるのに、しかし、法律は出てきているけれども、そもそもの条約の変更については国会の承認が求められていないということになっておりますが、これはどういうことなんでしょうか。
城
城内実#19
○副大臣(城内実君) お答えいたします。
まず、この千九百七十六年の海事債権についての責任の制限に関する条約を改正する千九百九十六年の議定書というのがございまして、そこの第八条において、実質的な通貨価値の変動等に迅速にかつ適切に対応し得るようにするため、一定の変動幅にとどまる責任限度額の改正について簡易な改正手続が採用されているところであります。
すなわち、具体的には、そのような責任限度額の改正については、国際海事機構の法律委員会において当該改正案が採択された後、一定期間内の全締約国の四分の一以上が国際海事機構、IMOに対して当該改正を受諾しない旨の通知を行わない限り、当該改正は各締約国により受諾されたものとみなされ全ての締約国を拘束することと、そういう立て付けになっております。
本議定書の締結に当たりましては、このような簡易な改正の方式を採用している条約であると、この第八条ですけれども、ことを含めて、平成十七年、一九九六年から九年掛かったわけですが、その締結につき国会の承認をいただいたところであります。
その上で、今回の改正はそのような形で国会の御承認をいただいた本議定書第八条の規定の範囲内で行われたものでありまして、したがって、改めて国会にお諮りしなかったものであります。
なお、このような簡易な改正手続が採用されている条約については、政府として、従来から本条約と同様の対応を取ってきたところであります。
ちなみに、日本国憲法第七十三条三号、「条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。」という規定がございますけれども、これは条約自体を国会承認を必要とするというのではなくて、条約を締結する行為について国会の承認を必要とするということでございまして、今回については、これは条約の締結行為ではございませんことを参考までに申し上げておきます。
この発言だけを見る →まず、この千九百七十六年の海事債権についての責任の制限に関する条約を改正する千九百九十六年の議定書というのがございまして、そこの第八条において、実質的な通貨価値の変動等に迅速にかつ適切に対応し得るようにするため、一定の変動幅にとどまる責任限度額の改正について簡易な改正手続が採用されているところであります。
すなわち、具体的には、そのような責任限度額の改正については、国際海事機構の法律委員会において当該改正案が採択された後、一定期間内の全締約国の四分の一以上が国際海事機構、IMOに対して当該改正を受諾しない旨の通知を行わない限り、当該改正は各締約国により受諾されたものとみなされ全ての締約国を拘束することと、そういう立て付けになっております。
本議定書の締結に当たりましては、このような簡易な改正の方式を採用している条約であると、この第八条ですけれども、ことを含めて、平成十七年、一九九六年から九年掛かったわけですが、その締結につき国会の承認をいただいたところであります。
その上で、今回の改正はそのような形で国会の御承認をいただいた本議定書第八条の規定の範囲内で行われたものでありまして、したがって、改めて国会にお諮りしなかったものであります。
なお、このような簡易な改正手続が採用されている条約については、政府として、従来から本条約と同様の対応を取ってきたところであります。
ちなみに、日本国憲法第七十三条三号、「条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。」という規定がございますけれども、これは条約自体を国会承認を必要とするというのではなくて、条約を締結する行為について国会の承認を必要とするということでございまして、今回については、これは条約の締結行為ではございませんことを参考までに申し上げておきます。
小
小川敏夫#20
○小川敏夫君 いろいろ網羅的にお話しされたんですけれども、じゃ、最後の点だけですけれども、締結行為じゃなければ要らないという議論はそれで通るんですかね。しかし、条約の変更は締結行為には当たらないということなんですか、そうすると条約の変更は全て要らないことになってしまいますよね。
この発言だけを見る →城
城内実#21
○副大臣(城内実君) 憲法の通説といたしまして、今申し上げました第七十三条三号につきましては、条約自体ではなくて、繰り返しになりますけれども、条約の締結行為について国会の承認を必要とするということでございますので、今回はこれ第八条に基づく簡易な改正手続であって、これは条約締結行為ではございませんので、その範囲でなされておるものでありますから国会の承認は必要とされていないということでございますし、かつて、過去には、例えば最近の例としましては、千九百七十三年の船舶汚染防止国際条約の千九百七十八年の議定書附属書Ⅵの改正に伴い平成二十四年に改正された海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の改正の事例、あるいは千九百七十三年の船舶汚染防止国際条約の千九百七十八年の議定書附属書Ⅰ及び同附属書Ⅵの改正に伴い平成二十二年に改正された海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律の改正等、こういった事例がございます。
この発言だけを見る →小
小川敏夫#22
○小川敏夫君 ちょっと極端な例を挙げますけれども、そうすると、日米安全保障条約があると、今現在あるわけです。これを変更しようとして変更した場合は、これ条約の変更だから、締結行為じゃなくて変更だから国会の承認は要らないという議論になるんですか。そうはならないですよね。
この発言だけを見る →城
城内実#23
○副大臣(城内実君) 条約の変更の意味にもよりますけれども、新たな条約を締結する場合は当然、これは憲法第七十三条三号の規定に基づきまして、そういった条約締結行為については国会の事前又は事後の承認が必要とされるところであります。
この発言だけを見る →小
小川敏夫#24
○小川敏夫君 いや、大臣の答弁で、締結行為が国会の承認が必要である、締結じゃなくて変更は必要じゃないというと、ですから、一つの例として、じゃ日米安全保障条約を変更しようと、実質的に大変な中身の変更だった場合に、変更だからそれは憲法が求めている国会の承認には入らないと、こういうことにはならないと思うんですけど、どうなんでしょう。
この発言だけを見る →城
城内実#25
○副大臣(城内実君) 繰り返しになりますけれども、今回の場合はこの第八条にそういった簡易の改正手続がございまして、条約の中で授権規定がございまして、その授権規定を含めて既に平成十七年の国会の御承認をいただいておりますので、その授権の範囲内、すなわち第八条の範囲内で行政府限りで処理するということは、これはできるということでございます。
この発言だけを見る →小
小川敏夫#26
○小川敏夫君 つまり、条約の変更だからということじゃなくて、今回はこの船主の責任制限の条約の中に、そもそも自動的に一定の手続が生じれば変更になる、変更した条約の効果が生じると、そういう規定があって、そういう規定も含めて前に国会で承認されているから今回は要らないと、こんな趣旨ですか。
この発言だけを見る →城
小
小川敏夫#28
○小川敏夫君 それで、私は素朴な疑問としては、条約にそういうふうに一定の範囲でなおかつ一定の要件が満たされれば自動的に条約が発効するという規定があるといっても、それは条約の中の規定ですよね。条約に規定があるからといっても、我が国の憲法の規定は憲法の規定であるわけですから、憲法上もしそれが求められているのであれば、条約の中にそういう自動発効の規定があったといったって、しかし、国会の承認を必要とするものは必要とするんじゃないか。国会の承認を必要とするものについては、大平三原則で法律事項を含むものは国会の承認が必要とするんだというふうになっているわけですから。
大平原則でいえば、国会の承認が必要な法律事項を含む変更が条約の中で自動的に発効するということになっていても、自動的に発効した条約の変更を国会が承認するかどうか、やはりこれは求められているんじゃないでしょうか。
この発言だけを見る →大平原則でいえば、国会の承認が必要な法律事項を含む変更が条約の中で自動的に発効するということになっていても、自動的に発効した条約の変更を国会が承認するかどうか、やはりこれは求められているんじゃないでしょうか。
城
城内実#29
○副大臣(城内実君) お答えいたします。
この第八条ですけれども、これにつきましては、こういった責任限度額の変更について、簡易な改正手続でやるということを含めて全体のパッケージで平成十七年に国会で承認が得られたわけでございますので、したがいまして、新たに国会承認が必要としないということでございます。
ちなみに、やはり国内法、これはもう憲法も含めだと思いますが、国際法がやっぱり国内法の上位であるということもございますので、これを憲法第七十三条三号をもって国会承認することになるということには理論的にはならないというふうに理解しております。
この発言だけを見る →この第八条ですけれども、これにつきましては、こういった責任限度額の変更について、簡易な改正手続でやるということを含めて全体のパッケージで平成十七年に国会で承認が得られたわけでございますので、したがいまして、新たに国会承認が必要としないということでございます。
ちなみに、やはり国内法、これはもう憲法も含めだと思いますが、国際法がやっぱり国内法の上位であるということもございますので、これを憲法第七十三条三号をもって国会承認することになるということには理論的にはならないというふうに理解しております。