農林水産委員会

2019-03-07 衆議院 全265発言

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会議録情報#0
平成三十一年三月七日(木曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 武藤 容治君
   理事 伊東 良孝君 理事 小島 敏文君
   理事 齋藤  健君 理事 野中  厚君
   理事 細田 健一君 理事 亀井亜紀子君
   理事 近藤 和也君 理事 稲津  久君
      穴見 陽一君    池田 道孝君
      泉田 裕彦君    稲田 朋美君
      今枝宗一郎君    上杉謙太郎君
      加藤 寛治君    金子 俊平君
      金子万寿夫君    神谷  昇君
      木原  稔君    木村 次郎君
      木村 弥生君    小寺 裕雄君
      斎藤 洋明君    坂本 哲志君
      高橋ひなこ君    武井 俊輔君
      冨樫 博之君    西田 昭二君
      福山  守君    藤井比早之君
      藤原  崇君    古川  康君
      古田 圭一君    宮路 拓馬君
      山本  拓君    池田 真紀君
      石川 香織君    尾辻かな子君
      大串 博志君    金子 恵美君
      神谷  裕君    佐々木隆博君
      高木錬太郎君    長谷川嘉一君
      堀越 啓仁君    関 健一郎君
      緑川 貴士君    濱村  進君
      田村 貴昭君    森  夏枝君
    …………………………………
   農林水産大臣       吉川 貴盛君
   内閣府副大臣       田中 良生君
   農林水産副大臣      小里 泰弘君
   内閣府大臣政務官     長尾  敬君
   農林水産大臣政務官    濱村  進君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  大角  亨君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房長) 水田 正和君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         光吉  一君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房総括審議官)         横山  紳君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房危機管理・政策立案総括審議官)            岩濱 洋海君
   政府参考人
   (農林水産省大臣官房審議官)           小川 良介君
   政府参考人
   (農林水産省消費・安全局長)           池田 一樹君
   政府参考人
   (農林水産省生産局長)  枝元 真徹君
   政府参考人
   (農林水産省経営局長)  大澤  誠君
   政府参考人
   (農林水産省農村振興局長)            室本 隆司君
   政府参考人
   (農林水産省政策統括官) 天羽  隆君
   政府参考人
   (農林水産技術会議事務局長)           別所 智博君
   政府参考人
   (林野庁長官)      牧元 幸司君
   政府参考人
   (水産庁長官)      長谷 成人君
   政府参考人
   (観光庁観光地域振興部長)            平岡 成哲君
   農林水産委員会専門員   梶原  武君
    —————————————
委員の異動
三月七日
 辞任         補欠選任
  福山  守君     高橋ひなこ君
  藤原  崇君     武井 俊輔君
  宮路 拓馬君     金子万寿夫君
  石川 香織君     尾辻かな子君
同日
 辞任         補欠選任
  金子万寿夫君     神谷  昇君
  高橋ひなこ君     福山  守君
  武井 俊輔君     冨樫 博之君
  尾辻かな子君     池田 真紀君
同日
 辞任         補欠選任
  神谷  昇君     木村 弥生君
  冨樫 博之君     穴見 陽一君
  池田 真紀君     高木錬太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  穴見 陽一君     藤原  崇君
  木村 弥生君     古田 圭一君
  高木錬太郎君     石川 香織君
同日
 辞任         補欠選任
  古田 圭一君     宮路 拓馬君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 農林水産関係の基本施策に関する件
     ————◇—————
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武藤容治#1
○武藤委員長 これより会議を開きます。
 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房長水田正和君、大臣官房総括審議官光吉一君、大臣官房総括審議官横山紳君、大臣官房危機管理・政策立案総括審議官岩濱洋海君、大臣官房審議官小川良介君、消費・安全局長池田一樹君、生産局長枝元真徹君、経営局長大澤誠君、農村振興局長室本隆司君、政策統括官天羽隆君、農林水産技術会議事務局長別所智博君、林野庁長官牧元幸司君、水産庁長官長谷成人君、内閣官房内閣審議官大角亨君及び観光庁観光地域振興部長平岡成哲君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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武藤容治#2
○武藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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武藤容治#3
○武藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。今枝宗一郎君。
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今枝宗一郎#4
○今枝委員 自民党の今枝宗一郎であります。
 大臣所信の質問に立たせていただけることに感謝を申し上げ、質問に入らせていただきます。
 大臣所信をお聞かせいただき、攻めの農林水産業への大臣の強い思いに非常に共感をいたしました。
 TPP11が昨年十二月に、日・EU・EPAが本年二月に発効されました。このような中で、グローバルな農作物の安値競争で戦うのではなく、高付加価値の農業を推進していくことが日本の目指すべき方向性だというふうに思っております。
 それには、輸出や六次産業化、植物工場など、IoTや先端技術の活用などさまざまございますけれども、私は、中でも、高収益作物への転換や生産拡大というのが農業の高付加価値化に非常に重要であるというふうに考えます。
 大臣のお考えにつきまして、お聞かせください。
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吉川貴盛#5
○吉川国務大臣 昨日の所信でも申し上げましたけれども、我が国の農林水産業が転換期を迎えております中、常にフロンティアを見出し、新たな挑戦を進めることによりまして、農林水産業を若者が夢や希望を託すことができる魅力ある成長産業にしていく必要があろうかと存じております。
 この一環といたしまして、野菜、果樹、花卉等の、ただいま御指摘をいただきました高収益な作物への転換と、輸出促進も含めた生産拡大への挑戦を後押しするために、強い農業・担い手づくり総合支援交付金等による集出荷施設等の整備、水田地帯での作柄安定技術の導入や果樹の改植等への支援を通じた新たな園芸産地の育成、輸出先の規制条件に適合した生産出荷体制の整備等の対策を進めているところでもございます。
 若者がみずからの夢を託すことができる農林水産新時代を切り開いていくために、更に攻めの農林水産業を展開しながら、強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村を実現してまいりたいと存じております。
 今枝先生のさらなる御支援も心からお願いを申し上げるところでございます。
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今枝宗一郎#6
○今枝委員 ありがとうございます。
 さまざま決意を表明いただきました。ありがとうございました。
 また、野菜や果樹、また花卉農業など、地域に合った高付加価値の農作物をつくっていくことへの重要性、これについてもお示しをいただきました。
 中でも施設園芸はとりわけ高付加価値の農業かと思います。推進をしていくべきでありますけれども、燃油価格に左右されやすい、こういう課題がございます。
 自公政権ができてすぐの平成二十四年度補正予算では、約四百億円、燃油高騰対策に基金を積みました。当時、平成二十五年二月ごろでありますけれども、A重油がリッター九十円台でありましたし、七月には、最高、リッター百七円まで上がりました。非常に厳しい時期でありましたので、現場の皆様には非常に喜んでいただいたことを覚えています。
 しかし、平成二十九年にセーフティネット発動基準価格が変更されました。それ以前の発動基準価格は八十八・二円でありましたけれども、今は、直近七中五年平均価格に一一五%を乗じた水準に設定をされております。平成三十年度でいいますと、リッター九十七・二円となるわけであります。
 昨年十月のA重油価格は、リッター九十四円でありました。従来の基準であればセーフティーネットが発動されましたが、実際には、新基準のもとで発動されませんでした。
 このセーフティーネット発動条件が変更された理由につきまして、お答えをいただきたいと思います。
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枝元真徹#7
○枝元政府参考人 お答え申し上げます。
 平成二十四年度から二十八年度までの燃油価格高騰緊急対策におきましては、補填の発動基準価格を、平成十七年度から二十三年度の七中五平均の燃油価格に一一五%を乗じた価格、八十八・二円ということで固定をしてございました。
 平成二十九年度にこの事業を三年間延長するに当たりまして、平成二十七年度に行われました行政事業レビューにおきまして、十年前の燃油価格をもとに発動基準を設定しているのはおかしいのではないか、他産業では自前の経営努力でコスト増を吸収していることを踏まえれば、農業者の経営努力を対策に反映させるべきではないかという指摘がございまして、事業を再精査いたしまして、直近の燃油価格の動向を的確に反映できるように、発動基準価格を直近の七中五平均価格を用いることに見直したものでございます。
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今枝宗一郎#8
○今枝委員 ありがとうございます。
 経営上の努力でコスト増を吸収せよということでありますが、私はこれはちょっといかがなものかなというふうに思います。
 中長期的に、原油価格は継続的に高騰をしていくということが言われております。日本を代表するエネルギー分析調査機関の日本エネルギー経済研究所は、二〇四〇年には一バレル百二十五ドルになると予測していますし、世界のいろいろな調査機関ですとかアメリカの非常に詳しい調査機関もやはり、非常に高騰していく、しかも継続的に上がっていくというふうに言われております。おおよそ今の倍の水準になるということであります。
 一方、価格転嫁をしろと言われても、農家自身に価格決定力があるわけでもなく、特に農業は土地の制約、気候リスクにさらされておりますし、さらに、施設園芸は初期コストが非常に高いということもあります。
 このような状況から、生産性ですとかまた価格を毎年、中長期的に上昇させていく、それによって、経営上の努力で吸収をしていく、こういったことは非常に難しいのではないかな、これが特性ではないかなというふうに思っておりますので、基準価格の緩和が必要だと考えられますけれども、今後に向けて、少なくとも議論はしていくべきじゃないかなというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
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枝元真徹#9
○枝元政府参考人 お答え申し上げます。
 発動基準価格の基本につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、あわせまして、当年の気温が平均気温を下回った場合に、温度低下の程度によりまして発動基準価格を段階的に引き下げる低温特例措置、また、燃油価格が前年の加温期間の平均価格より二〇%以上高騰した場合には補填額を上乗せする急騰特例措置、そういう特例措置も設けてございます。
 しかしながら、平成二十九年度の発動基準の見直しによりまして、生産現場から、燃油価格が上昇しても発動しづらい等の意見があることは承知してございます。
 このため、燃油価格の高騰、また使用量の増加などが施設園芸の再生産や安定供給、農業者の経営に与える影響を分析いたしまして、また現場の話もしっかりと聞いた上で、行政事業レビューの指摘も踏まえながら、平成三十二年度以降の次期対策を検討してまいりたいと存じます。
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今枝宗一郎#10
○今枝委員 ありがとうございます。
 特例措置だけでなく、ぜひとも議論を加速させていただいて、今、検討しますというお話でありましたので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、大臣所信で触れられました水産業と若者に関連をいたしまして、新規漁業就業者支援についてお聞きをいたします。
 現在、漁業人材育成支援事業として、研修中ですとか、またOJTで働きながら学ぶ方々については補助が出ております。しかし、経営を開始してからの支援というものは、農業人材には、実は百五十万円掛ける最大五年というような支援策があるんですけれども、漁業人材については、このような補助をいただけるような支援というのが実はございません。
 昨年の臨時国会の大きなテーマは水産改革でございました。水産業の成長産業化を目指して、漁業者の所得向上と年齢のバランスのとれた漁業就業構造を確立するというふうにしており、新規漁業就業者支援は具体的に進めねばならないというふうに思います。
 例えば、これまでも申し上げてきましたけれども、燃油高騰対策となるセーフティーネット事業の発動条件の緩和ですとか、漁船、漁具のリース事業を当初予算で安定的に行うことなど、さまざまな支援策がございますし、既に農水省さんもいろいろ考えていただいているというふうには思います。
 ただ、農業における百五十万円掛ける五年という支援策を鑑みながら、今後、どのように漁業人材育成により力を入れていくのか、お答えをいただきたいというふうに思います。
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長谷成人#11
○長谷政府参考人 漁業につきましては、例えば果樹農家のように、経営を開始してから数年間は所得が見込めないといったような条件は存在しない一方で、漁業就業者における就業初期の一番の課題として、漁業に必要な知識、技術の不足が挙げられていることもありまして、独立して新たに漁業経営を始める者については、農業よりも研修期間を長くとっているところでございます。
 さらに、研修後でありますけれども、新たに漁業経営を始める場合は、浜の中核的な担い手として位置づけられること等を条件といたしまして、漁船、漁具等のリース方式による導入を支援する水産業成長産業化沿岸地域創出事業、それから、燃油、配合飼料価格が上昇したときに影響を緩和する漁業経営セーフティーネット構築事業、さらには、漁業経営を開始するのに必要な経費を融資する沿岸漁業改善資金などの支援策についても、地域でよく検討し、活用していただきたいと考えております。
 また、新たな資源管理措置のもとで適切な資源管理等に取り組む漁業者の経営を安定的に行うため、漁業収入安定対策の法制化についても検討していくこととされておりまして、漁業者が将来にわたり希望を持って漁業経営に取り組むことができるように、議員御指摘の点も踏まえまして、総合的に検討を行ってまいりたいと考えております。
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今枝宗一郎#12
○今枝委員 ありがとうございます。
 ぜひとも、新たな支援策、今、積立ての話も少しございましたけれども、今後御検討いただきますようにお願いを申し上げたいと思います。
 では、続きまして、大臣所信で述べられた国土強靱化についてでございますけれども、こちらについては法案も提出されるということで、強い思いを受け取らせていただきました。また法案の審議等々はしっかりとお伺いさせていただきたいなというふうに思っております。
 ただ、この国土強靱化の前に、昨年は非常に災害が多くございました。いわゆる災害の復旧復興、これが、特に農作物において被害が大きかったものですから、ここについて質問していきたいと思います。
 我が地域でも、二十四号を始めとした台風被害で、ハウスの倒壊、野菜や果樹などの塩害が出ました。沿岸部だけではなくて、海から数十キロ離れていても、川を遡上して被害があるということもございました。
 こちら小里副大臣には、東三河に入っていただきまして、御視察いただきました。感謝申し上げたいというふうに思います。
 そして、台風二十四号については、激甚災害指定までもしていただきまして、農林水産業の復旧復興に、これまでに加えてさらなる支援を進める必要があるというふうに思っておりますけれども、いかがか、御答弁をお願いいたしたいと思います。
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小里泰弘#13
○小里副大臣 昨年発生しました猛烈な風を伴った台風第二十四号では、全国で農作物の塩害、ハウスの損壊、果樹の落果や枝折れなどの被害が発生し、議員の御地元であるところの愛知県でも、約二十五億円の被害が発生をしております。
 お話にありましたとおり、愛知県には、大臣の御指示によりまして私が派遣されまして、被害の状況を調査するとともに、被害状況を踏まえまして、農水省としましては、被災農業者が速やかな営農再開ができるように、農業用ハウス、機械等の復旧については被災農業者向け経営体育成支援事業を発動し、助成対象者、対象地域、補助上限額等の制限を撤廃をしております。また、塩害に伴う植えかえ等に必要となる追加的な種子、種苗の確保、追加防除、施肥に要する経費の助成などのきめ細かい支援対策について迅速に決定をしたところであります。
 加えまして、台風第二十四号の対策において、初めて、被災した農業用パイプハウスの原状復旧にとどまらない、補強の支援を措置したほか、被災を契機とした、新たに産地で共同利用する耐候性ハウスの導入への支援を行うとともに、防災、減災、国土強靱化のための緊急対策として、農業用パイプハウスの補強等を三年間で集中的に実施するなど、災害に備えるための対策についても積極的に取り組んでいるところであります。
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今枝宗一郎#14
○今枝委員 ありがとうございます。
 非常に積極的に御尽力いただいていること、感謝を申し上げたいと思います。
 この台風二十四号でありますけれども、実は、もう一つ大きな問題がございました。それは停電の大規模化、長期化であります。最大五日間、実は停電をしたところもございます。理由は、特に中山間地においては、道路沿線に電線を張られていますけれども、倒木が非常に多くございまして、とにかくありとあらゆる箇所で倒木があって、実は、この復旧に大変時間がかかってしまったということであります。
 このような経験から、道路沿線ですとか電線の沿線については、倒木を極力避けるように、木をよく伐採をし、また森林整備をしていく必要があるというふうに思います。
 そのような中で、今国会では森林環境税ですとか森林環境譲与税の議論が進んでおります。この使い方については市町村に任せるということでありますので、国が実際の使い方に何かを禁じたりすることはないというふうに思いますけれども、新たな財源ということではあるわけであります。
 道路沿線、電線沿線の伐採を大いに進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
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牧元幸司#15
○牧元政府参考人 お答え申し上げます。
 森林は、国土保全等の機能を通じまして、道路を始めとする重要なライフラインの保全にも一定の役割を果たしているところでございますけれども、間伐等が行われないために過密化をいたしまして、風倒被害が発生しやすい森林もあるものというふうに認識をしております。また、委員御指摘のように、台風二十四号におきましては、風倒木の大変大きな被害が生じたということでございます。
 このため、森林整備事業によりまして、危険木の伐採も含め、間伐を推進をしているところでございまして、国と都道府県合わせまして約七割の支援を行っております。風倒被害が発生した場合には、被害木の伐採、搬出とその後の植栽等に対して支援を行っているところでございます。
 一方、御指摘いただきました森林環境譲与税でございますけれども、この森林環境譲与税につきましては、森林整備及びその促進に関する費用というのがこの法律案で定める使途ということでございまして、この範囲内で各地方公共団体がそれぞれの地域の実情を踏まえた取組を進めていただくことが可能ということでございます。
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今枝宗一郎#16
○今枝委員 ありがとうございました。
 あと残り十分ぐらいでございますけれども、残りの時間を全て使いまして、きょうも、けさも発生をしてしまいました豚コレラにつきまして御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、殺処分、また消毒、衛生管理など、寝る間を削って御尽力いただいている全ての皆様に心から敬意を申し上げたいと思います。
 そして、養豚農家の皆様には、心から、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 ここで、実はある養豚農家さんからお手紙を預かっておりますので、少しだけ読ませていただければというふうに思います。
 今回の殺処分については、うちは陰性判定だったんですが、畜産団地という立地条件で殺処分になりました。豚コレラのこれ以上の感染拡大を防ぐためにも殺処分はやむを得ないこと、それは全員がわかっている。ただ、陰性農場の気持ちは本当にやるせない。
 時間もありませんので、少し先に行かせていただきます。
 そして、経営再開するためには、今の農場豚コレラと野生イノシシのコレラ、両方が解決しないと安心して再開に踏み出せません。うちも、長男が将来は家業を継ぐつもりで、大学の農学部にことしの春から進学しますが、彼が安心して、そして胸を張って日本の食料自給を支えているんだと言えるような環境で事業継承できればと思います。再スタートはゼロからのスタートではなく、マイナスからのスタート、そのマイナスの事業資金もスムーズに進むことができるよう配慮されることを望みます。
 最後に、このように結んでおられます。
 殺処分を見て、本当に涙が出ます。こんな思いをこれ以上ほかの仲間にさせないためにも、ぜひ今の状況を知っていただきたいと思います。
 このような養豚農家の方々の思いに報いるためにも、一日も早い終息と、養豚が再開できるように十分な補償を行わなくてはならないと思います。これまでも、殺処分をした豚に対して一〇〇%の手当金など、さまざま支援をしていただいておりますし、二月二十六日にはさらなる追加支援というものも決めていただきました。さらに、愛知県におかれましては、すばらしいことに、当面の運転資金を確保することを目指して県費で手当金を、概算払いを決めるなど、御尽力もいただいております。
 しかし、本当に再開できるのか、現場は非常に不安であります。陰性殺処分にもかかわらず、衛生管理基準を厳しく評価されて減額支給になってしまうんじゃないだろうか、新たに豚を出荷するまで約一年半かかりますけれども、この間の資金繰りができるのか、こういった不安に対してどのように対応していくのか、農水省にお答えをお聞きしたいと思います。
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小川良介#17
○小川政府参考人 お答え申し上げます。
 豚コレラ発生農家等への支援につきましては、家畜伝染病予防法に基づきまして、発生農家に対し、殺処分された家畜の評価額の全額を手当金として交付するほか、移動制限がかけられた農家に対しましても、出荷制限による減収分を補填することといたしております。特に手当金につきましては、通報のおくれなど明らかな飼養衛生管理基準の不履行が認められない限り、家畜の評価額の全額が支給されることになっております。
 また、経営再開に向けましては、畜産経営の再開、継続、維持に必要な家畜の導入、飼料、営農資材の購入等に要する資金につきまして、家畜疾病経営維持資金や農林漁業セーフティネット資金の活用が可能になっております。
 さらに、家畜防疫互助基金の加入者が新たに豚を導入し経営を再開する場合には、経営支援互助金の交付を受けることが可能になっております。
 これらによりまして、豚コレラの発生により影響を受けた農家の方々が、経営を続ける意欲を失わず、速やかに経営再開できるよう、きめ細かく対応してまいりたいと考えております。
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今枝宗一郎#18
○今枝委員 どうもありがとうございます。
 この豚コレラ問題で、養豚農家を一軒も倒産させてはならないというふうに私は思います。そのために全力で御尽力をいただきたいというふうに思います。
 ただ、まだまだ現場には、例えば、生まれた子豚の算定額が低いんじゃないかとか、手当金に課税をされてはやっていけないとか、さまざまな御意見がありますので、何とぞ現場の意見をしっかりと聞いていただいて、尽力できるようにお願いを申し上げたい、万全の支援をお願いしたいと思います。
 そして、今、十キロ以内の移動制限区域はかかっていないわけでありますけれども、それよりも隣というか近くの養豚農家にも、更に非常に強い不安がございます。
 防護柵設置支援を、鳥獣被害防止総合交付金ですとか消費・安全対策交付金などですとか、こういったことで行うと思いますけれども、更に追加が必要になるかもしれません。現場から要望があったときに、十分に対応できますでしょうか。被害があった地域や近隣地域については、更にこの優先採択もお願いをしたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
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小川良介#19
○小川政府参考人 岐阜県及び愛知県における野生イノシシの拡散防止のための防護柵の設置につきましては、今年度の特別対策として、鳥獣被害防止総合対策交付金におきまして、合計六十キロ分の支援を行うこととしたところでございます。
 また、豚コレラの侵入を防止するための防護柵の設置につきましては、従来より、消費・安全対策交付金におきまして、農場におけるバイオセキュリティーの向上を目的とした野生動物侵入防止のための防護柵の設置を支援しているところでございます。
 平成三十一年度当初予算におきましても、消費・安全対策交付金等におきまして、これらの防護柵の設置をしっかり支援してまいりたいと考えております。
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今枝宗一郎#20
○今枝委員 ありがとうございます。
 猟友会の方々も非常に御尽力いただいておりますので、そこの支援も含めて、ぜひともお願いをしたいと思います。
 最後、あと少しだけありますので、一問だけさせていただきます。
 ジビエ、特にイノシシへの今回の豚コレラの影響があります。ことしはいのしし年でありますから、イノシシ肉は販売は好調だと見込まれていたわけでありますけれども、今回の豚コレラ問題で販売に影響が出ております。
 政府としての認識と今後の対応について、最後にお聞かせください。
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室本隆司#21
○室本政府参考人 陽性のイノシシが確認されている地域におきましては、現在、狩猟を規制しまして、また、許可捕獲で捕獲されたイノシシについても食用利用を自粛していただいているところでございます。
 これを受けまして、狩猟規制地域における処理加工施設では、受入れを休止したり、陽性が確認されていない他の地域からジビエ利用のためのイノシシを受け入れて施設の運営を継続するところが見られる一方で、狩猟規制地域以外の一部処理加工施設におきましても、自主的にイノシシの処理を自粛する施設もあるというふうに聞いているところでございます。
 こうした状況を踏まえまして、豚コレラ対応の長期化に伴うジビエ利用への影響を把握する必要があることから、現在、担当職員を現地に派遣しまして、どういった課題があるかということなどについて聞き取りを行っているところでございまして、その結果を踏まえ、必要な対策について検討してまいりたい、このように考えております。
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今枝宗一郎#22
○今枝委員 実態調査を始めていただいて、ありがとうございます。今後、しっかりと必要な支援というのを行っていただきたいと思います。
 最後に、豚コレラ、何としてでも今の状況で封じ込めを何とぞ何とぞお願いをしたいというふうに思います。これが面で発生してしまいますと、もういよいよ防疫指針にのっとって次の対応ということも考えなくてはならないというリスクもあります。
 豚コレラ汚染を約二十年かけて清浄化してきた養豚家や関係の皆様の思いを絶対に忘れてはいけませんので、早期に終息をさせるべく全力を尽くしていただきますように、心からお願い申し上げます。
 終わります。
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武藤容治#23
○武藤委員長 次に、金子俊平君。
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金子俊平#24
○金子(俊)委員 おはようございます。自由民主党の金子でございます。
 本日も農水委員会で御質問させていただく機会を設けさせていただきまして、改めて御礼を申し上げさせていただきます。
 ただいま今枝先輩から豚コレラの話が終盤の方にありましたけれども、私も引き続き豚コレラの件に関しまして質問をさせていただきたいというふうに思います。
 また、冒頭に、豚コレラに関して本当にいろいろな関係者の皆様が日夜努力をしておりますことに改めて敬意を表させていただきたいというふうに思いますし、同様に、きょう、ちらっと今、今枝議員からもありましたけれども、武藤委員長の御地元の山県市でまた新たな豚コレラの事案が見つかったという、けさ発表がありましたけれども、委員長も心中穏やかではないんだろうというふうに思いますけれども、早速、豚コレラに関して質問させていただきたいと思います。
 本当に、豚コレラが発生してから、昨年から、ちょうど今理事であられますけれども、野中理事、そして小里副大臣、また高鳥副大臣等々、政府の役職の皆様方におかれましても、岐阜に入っていただきまして、陣頭指揮をとっていただいたり、また情報を共有していただいたり、いろいろな対策を打っておりますけれども、なかなか終息のめどが立ってきません。
 そこで、昨年九月からの、一例目でありますけれども、発生拡大に関して、今どういうふうに農水省の皆様方が考えられているのか、また、今後どういった方針をとっていかれるのか、一問目、聞かせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
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小川良介#25
○小川政府参考人 お答え申し上げます。
 豚コレラにつきましては、昨年九月以降、二月十九日まで、岐阜県及び愛知県で計十例、関連農場を含め五府県において発生が確認されております。
 また、発生農場と屠畜場や出入りをする車両等が共通する農場、あるいは近辺で野生イノシシの豚コレラ感染が確認された農場につきましては、豚の移動制限や、異状が確認された場合の報告徴求を行うなど、監視を継続しているところでございます。
 この監視により、先ほど御指摘ございましたが、昨日、近辺で野生イノシシの豚コレラ感染が確認されていた岐阜県山県市の農場から異状の報告がございまして、精密検査を行った結果、けさ、豚コレラの感染が確認されたところでございます。
 まずは、蔓延を防ぐため、発生農場における防疫措置を徹底してまいりたいと思います。
 この豚コレラの発生を予防するためには飼養衛生管理基準の遵守が最も重要であることから、岐阜県内の養豚場に対しまして、国が主導して、飼養衛生管理基準の遵守状況の再確認と改善の指導を進めているところでございます。
 また、野生イノシシの対策といたしましては、ウイルスの拡散、拡大を防ぐための防護柵の設置や、わなを用いた捕獲による個体数の削減に取り組んでおり、さらに、二月二十二日には、野生イノシシ向け経口ワクチンの使用を決定したところでございます。
 加えて、豚コレラ対策を強化するため、二月二十六日には、イノシシ陽性地域から半径十キロ以内の農場に対する報告徴求、出荷検査に加え、定期的な立入検査、あるいは、岐阜県での指導経験を持つ国の獣医師等が愛知県等の獣医師職員を指導し、農場指導を実施する、あるいは、全国の農場におきまして、飼養衛生管理基準の遵守状況をチェックシートを用いて国が確認する、さらには、豚コレラの早期発見のポイントとなる症状を家畜伝染病予防法の特定症状に位置づけ、農場、獣医師からの早期通報を義務化する等の追加対策を行いました。
 さらに、経営再開支援といたしましても、家畜疾病経営維持資金につきまして、制限区域外の農家も対象にいたしましたほか、償還期限を延長するなど、発生農家等の経営再開を支援するため、取り組んでおるところでございます。家畜防疫互助基金につきましても、基金の枯渇による減額は行わず、基金を積み増すこととしております。さらに、発生農家を対象に、豚マルキンの生産者負担の納付を免除することといたしました。
 これ以上の感染拡大を防ぐとともに、経営再開を支援するため、引き続き、国が主導して、各府省、都道府県と緊密に連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
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金子俊平#26
○金子(俊)委員 ありがとうございます。
 もう少しゆっくりしゃべっていただけると。細かいところが聞き取りづらいものですから、できれば次回からよろしくお願いをいたします。
 ちょっと、野生イノシシの部分だけ、実は聞き取れなかったのでもう一度御答弁いただきたいんですけれども、野生イノシシの拡散防止に関して、何を今されていた話をされたんでしょうか。
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小川良介#27
○小川政府参考人 失礼しました。
 イノシシによるウイルスの拡散防止対策でございますが、野生イノシシ対策については、これまで、ウイルス拡散を防ぐための防護柵の設置、あるいは猟友会等による捕獲活動の強化などを緊急的に支援する対策を講じてまいりました。さらに、二月の二十二日に、野生イノシシを介して豚コレラウイルスが拡散していくことを防止するため、農林水産省の豚コレラ防疫対策本部におきまして、我が国初めての取組といたしまして、野生イノシシに対する経口餌ワクチンを豚コレラに感染した野生イノシシが確認されている地域に限定して散布することを決定いたしまして、今月から散布できるよう、現在準備をしているところでございます。
 引き続き、ウイルスの蔓延防止の徹底に努めてまいりたいと考えております。
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金子俊平#28
○金子(俊)委員 ありがとうございます。
 ただいま、野生のイノシシに関しまして、経口ワクチンの散布を決められたという話を頂戴いたしました。
 経口ワクチンに関して何点か教えていただきたいんですけれども、まず一点目。
 今、日本で初めてというふうに話を賜りましたけれども、いろいろな御判断がその中にあったんだろうというふうに推測をいたします。また、決めていただいたことに関しては敬意を持っておりますし、また、岐阜県の議員として感謝もさせていただきたい一方で、何で今のタイミングなのかということ、もっと早く逆に経口ワクチンの導入を決められなかったのか、判断ができなかったのかということについて、まず一点目、教えていただきたいというふうに思います。
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小川良介#29
○小川政府参考人 お答えします。
 野生イノシシに餌でワクチンを使用いたしますと、豚コレラに対する抗体を持たせることになりまして、野生イノシシにおける豚コレラの感染を抑えることが可能になります。
 野生イノシシへの経口ワクチンの使用につきましては、先ほど申し上げましたとおり、我が国は経験が全くございませんので、欧州での使用事例等、ヨーロッパでの使用事例を踏まえ、情報の収集や分析を行ってきたところでございます。
 豚コレラ防疫措置に関するEUの指令によりますと、ワクチンの散布地域の範囲は感染地域内において自然又は人工的障壁を考慮して設定することとされております。現在、岐阜県におきまして、感染イノシシが確認されている地域を囲う柵の設置が完了しており、EUの指令等を踏まえたワクチン投与の環境が整ったと判断したところでございます。
 今後、具体的な方針につきましては、現在、岐阜県あるいは愛知県との間で具体的な散布計画あるいは実施体制の整備について調整をしているところでございます。また、我が国には経験がございませんので、野生イノシシへのワクチンの使用経験のあるドイツから専門家を招くなどして、技術的助言を受けることとしております。
 豚コレラの蔓延防止、封じ込めは、極めて重大な局面を迎えていると認識してございます。これ以上の感染拡大を防ぐため、国が主導して、各府省、都道府県と緊密に連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
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