厚生労働委員会

2019-11-08 衆議院 全128発言

⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

会議録情報#0
令和元年十一月八日(金曜日)
    午前九時四分開議
 出席委員
   委員長 盛山 正仁君
   理事 後藤 茂之君 理事 新谷 正義君
   理事 冨岡  勉君 理事 長尾  敬君
   理事 平口  洋君 理事 小川 淳也君
   理事 大西 健介君 理事 高木美智代君
      あべ 俊子君    安藤 高夫君
      上野 宏史君    大岡 敏孝君
      大串 正樹君    大隈 和英君
      木村 哲也君    工藤 彰三君
      国光あやの君    小島 敏文君
      小林 鷹之君    後藤田正純君
      佐藤 明男君    繁本  護君
      白須賀貴樹君    新藤 義孝君
      田村 憲久君    高橋ひなこ君
      谷川 とむ君    津島  淳君
      船橋 利実君    堀内 詔子君
      三ッ林裕巳君    宮内 秀樹君
      宮路 拓馬君    宗清 皇一君
      山田 美樹君    吉川  赳君
      阿部 知子君    池田 真紀君
      泉  健太君    稲富 修二君
      尾辻かな子君    岡本 充功君
      白石 洋一君    中島 克仁君
      西村智奈美君    初鹿 明博君
      本多 平直君    山井 和則君
      柚木 道義君    伊佐 進一君
      桝屋 敬悟君    宮本  徹君
      藤田 文武君
    …………………………………
   厚生労働大臣       加藤 勝信君
   厚生労働副大臣      橋本  岳君
   法務大臣政務官      宮崎 政久君
   厚生労働大臣政務官    小島 敏文君
   政府参考人
   (人事院事務総局給与局次長)           佐々木雅之君
   政府参考人
   (法務省大臣官房審議官) 山内 由光君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           蝦名 喜之君
   政府参考人
   (文部科学省総合教育政策局社会教育振興総括官)  寺門 成真君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  吉田  学君
   政府参考人
   (厚生労働省健康局長)  宮嵜 雅則君
   政府参考人
   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         藤澤 勝博君
   政府参考人
   (厚生労働省老健局長)  大島 一博君
   厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月八日
 辞任         補欠選任
  あべ 俊子君     津島  淳君
  後藤田正純君     吉川  赳君
  塩崎 恭久君     宮内 秀樹君
  白須賀貴樹君     宗清 皇一君
  船橋 利実君     工藤 彰三君
  阿部 知子君     本多 平直君
  稲富 修二君     泉  健太君
  初鹿 明博君     池田 真紀君
同日
 辞任         補欠選任
  工藤 彰三君     船橋 利実君
  津島  淳君     あべ 俊子君
  宮内 秀樹君     新藤 義孝君
  宗清 皇一君     白須賀貴樹君
  吉川  赳君     後藤田正純君
  池田 真紀君     初鹿 明博君
  泉  健太君     稲富 修二君
  本多 平直君     阿部 知子君
同日
 辞任         補欠選任
  新藤 義孝君     宮路 拓馬君
同日
 辞任         補欠選任
  宮路 拓馬君     塩崎 恭久君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 厚生労働関係の基本施策に関する件
 ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律案起草の件
 ハンセン病問題の解決の促進に関する法律の一部を改正する法律案起草の件
     ――――◇―――――
この発言だけを見る →
盛山正仁#1
○盛山委員長 これより会議を開きます。
 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として人事院事務総局給与局次長佐々木雅之君、法務省大臣官房審議官山内由光君、文部科学省大臣官房審議官蝦名喜之君、総合教育政策局社会教育振興総括官寺門成真君、厚生労働省医政局長吉田学君、健康局長宮嵜雅則君、雇用環境・均等局長藤澤勝博君、老健局長大島一博君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →
盛山正仁#2
○盛山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
この発言だけを見る →
盛山正仁#3
○盛山委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。津島淳君。
この発言だけを見る →
津島淳#4
○津島委員 おはようございます。自由民主党の津島淳でございます。
 本日は、質疑の機会をいただきまして、委員長、理事の皆様、委員の皆様、本当にありがとうございます。
 本日、ただいまは一般質疑の時間ということなんですが、ハンセン病元患者家族に関する諸問題について特化して質疑をさせていただきます。
 このハンセン病の問題については、超党派のハンセン病対策議員懇談会とハンセン病問題の最終解決を進めるための国会議員懇談会にて議論を行っております。
 ちなみに、私は、地元に国立松丘保養園が所在することもありまして、ハンセン病対策議員懇談会の事務局長を今務めております。今回、元患者御家族の補償法案の立法を両議懇合同のワーキングチームで行うこととなり、私もチームに加わり、皆様の御推挙により取りまとめ役を僣越ながら務めさせていただいたということでございます。
 質問に入っていきたいんですが、まず、そもそもハンセン病とはいかなる病気かということについて、事実関係をお聞きします。
 これは、今後、政府、国会において取り組むべき差別、偏見の解消という点で極めて重要な点になります。重要な事実関係ですので、特に確認をさせていただきます。この点、宮嵜健康局長にお願いします。
この発言だけを見る →
宮嵜雅則#5
○宮嵜政府参考人 お答えいたします。
 ハンセン病は、らい菌による経過の慢性な感染症でございます。らい菌は感染力が非常に弱く、また、感染した場合も、現在の日本の衛生状態や医療状況、生活環境に鑑みれば、発症することはまれでございます。また、現在では、リファンピシン、DDS、クロファジミンという有効な治療薬が開発され、これらの三種類の飲み薬を併用する多剤併用療法が行われておりまして、早期発見と早期治療により後遺症を残さず治るようになってきております。
 なお、現在、日本での新規の患者数についてですが、毎年ゼロ名から、出ても一名とか数名という状況でございます。
この発言だけを見る →
津島淳#6
○津島委員 ありがとうございます。
 今のお答え、答弁を整理させていただきますと、ハンセン病の感染力は非常に弱い、感染しても発症するとは限らない、現在は発症自体がまれである、例えば日本での新規患者数は毎年ゼロ名から数名である、万が一発症しても急激に症状が進むことはない、したがって、早期発見と早期治療により後遺症を残さずに治るようになっている。つまり、ハンセン病はもはや不治の病ではない、治る病気だということでございます。
 しかし、我が国では、国の誤った隔離政策や差別、偏見により、患者本人のみならず、家族も多大な精神的苦痛を味わってきたわけです。
 元患者本人には、平成十三年にハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給に関する法律、以下、入所者等補償法と呼ばせていただきます、が、また、平成二十年にはハンセン病問題の解決の促進に関する法律、以下、解決促進法と呼ばせていただきます、が、それぞれ議員立法で制定されています。
 しかしながら、元患者家族に対する慰謝や差別解消に向けた取組はなされてこず、平成二十八年、元患者家族ら五百六十一名が原告となり、国に対し損害賠償を求める訴えを熊本地裁に提起をいたします。その裁判は、ことし六月二十八日に判決を下されました。
 ここでお伺いします。
 この判決で示された国等の違法行為はどのようなものであったか、また、判決後の政府の対応について、これもまた宮嵜健康局長さんですかね、お願いいたします。
この発言だけを見る →
宮嵜雅則#7
○宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
 今委員から御指摘のありました六月二十八日、熊本地裁における判決についてですが、その中で、一つ、厚生大臣は、昭和三十五年以降、平成八年まで、ハンセン病患者家族との関係でもハンセン病隔離政策等を廃止する義務を、また、厚生大臣及び厚生労働大臣は、昭和三十五年以降、平成十三年末まで、ハンセン病患者家族に対する偏見、差別を除去する作為義務を負っており、その義務違反があったこと、二点目として、法務大臣及び文部科学大臣は、平成八年以降、平成十三年末まで、ハンセン病患者家族に対する偏見、差別を除去するための人権啓発活動、教育等を実施するための相当の措置を行う義務を負っており、その義務違反があったこと、三点目として、国会議員には、昭和四十年以降、平成八年まで、らい予防法を廃止しなかった立法不作為の違法があったことを認め、原告の損害賠償請求権を一部認容いたしました。
 政府は、この判決には幾つかの重大な法律上の問題点があるとしながらも、ハンセン病対策の歴史と、筆舌に尽くしがたい経験をされた患者、元患者の家族の皆様の御労苦に思いをいたし、極めて異例の判断ではあるが、控訴は行わないこととするという総理大臣談話を七月十二日に閣議決定いたしました。また、七月二十四日には総理が原告団、弁護団の方々と面会し、直接おわびをいたしました。
 厚生労働省におきましては、厚生労働大臣が原告団、弁護団と面会し、また、実務者レベルで補償についての協議を行いました。現在は、法務省、文部科学省とともに連携して、原告団、弁護団と偏見、差別解消に向けた協議を行っているところでございます。
この発言だけを見る →
津島淳#8
○津島委員 ありがとうございます。
 ただいまの答弁にございましたように、判決では、国会がらい予防法の廃止などを行わなかった立法不作為も指摘をされています。この判決を受けとめ、かつ、過去の二つの法律が議員立法で定められたことを踏まえれば、元患者家族に対する補償も議員立法によるべきであるというのが先ほど申し上げました両議員懇談会共通の思いでありまして、そのため、両議懇のもとに立法に向けたワーキングチームを設置し、超党派で議論をし、法案の骨子案を取りまとめました。
 そして、骨子案をもとに、本日の委員会の最後に委員長により起草されると思いますが、ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律案、これは以下、家族補償法と呼ばせていただきます、と、ハンセン病問題の解決の促進に関する法律の一部を改正する法律案、以下、これは解決促進法改正案と呼ばせていただきます、が作成されています。
 法案作成にかかわらせていただいた立場として、ワーキングチームでの論点について若干御説明をさせていただきたいと存じます。
 まず、家族補償法の前文です。
 私個人の思いを申し上げれば、判決で指摘された立法府の不作為に対するおわびと補償はもとより、家族の皆様が家族関係の回復を望んでおられることをしっかりと書き込みたいという思いが強くございました。ワーキングチームでは、国の責任、謝罪の意をしっかりと書き込むべき、御家族の問題への取組がなされてこなかったことを明記すべき等の御意見をいただきました。
 そこで、前文では、元患者家族等も偏見と差別の中で長年多大の苦痛と苦難を強いられてきたにもかかわらず、問題の重大性が認識されず、国会、政府において取組がなされてこなかったこと、国会、政府は、その悲惨な事実を深刻に受けとめ、深くおわびすること、元患者家族がこれまでにこうむった精神的苦痛を慰謝するとともに、元患者家族等の名誉の回復及び福祉の増進を図ることを書き込むこととなりました。
 続いて、この家族補償法の具体的な内容ですが、補償の対象者であるハンセン病元患者家族は、らい予防法が廃止されるまで、すなわち平成八年三月三十一日までの間にハンセン病の発病歴のある元患者の方々と一定の親族関係にあって、施行日において生存している方々としております。また、この親族関係については、元患者の方々の発病から平成八年三月三十一日までの間に元患者の方々との間で有していたことも要件としています。
 この補償の対象について、この法案では、ハンセン病療養所への入所歴を問わないこととしていることも重要なポイントでございます。
 この点、確認となりますが、熊本地裁判決における入所歴の有無の取扱いと認容額について、宮嵜健康局長に御説明いただきたいと思います。
この発言だけを見る →
宮嵜雅則#9
○宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
 熊本地裁判決では、御家族の被害を偏見、差別を受ける地位に置かれたことと家族関係形成阻害に区分し、前者の偏見、差別を受ける地位に置かれたことにつきましては三十万円、それから、後者の家族関係形成阻害につきましては、元患者の方々に入所歴があると認められた場合に、親族関係に応じ百万円又は二十万円が認容されてございます。
 したがって、判決では、国の義務違反があったとされる昭和三十五年より前しか入所歴がないとか、あるいは、沖縄が日本に返還される昭和四十七年より前にのみ沖縄で入所していたなどの元患者の方々の御家族については、当該元患者の方々との家族関係形成阻害の被害は認められておらず、認容額が低くなってございます。
この発言だけを見る →
津島淳#10
○津島委員 ありがとうございます。
 判決についてはただいま御答弁いただいたとおりですが、これに対して、この法案では、偏見、差別を受ける地位に置かれたことと家族関係形成阻害を区別せず一体的に認め、入所歴の有無は問わないこととすることで、今ほどございました、昭和四十七年以前の沖縄での入所であったこと等により判決では入所歴が認められなかった元患者の御家族についても金額面で不利とならないこととしており、このことにより、多くの御家族に対して判決より手厚い補償金が支払われることになります。
 次に、補償金の金額についてです。
 この点については、判決では最高でも百三十万円というものでした。判決確定後、原告弁護団と厚生労働省との間で実務者協議が重ねられました。その結果について、ワーキングチームでは、双方が受入れ可能な額として弁護団及び厚生労働省より報告をいただき、それを是とするか、議論がございました。最終的に、判決で認容された額より手厚くなっている点、原告弁護団が受入れ可能としていることから、ワーキングチームとして、親族関係の類型に応じ、配偶者、親子などが百八十万円、その他の兄弟姉妹などが百三十万円といたしました。
 ここで宮嵜健康局長さんにまた再度お願いしますが、今般の法律が成立した場合の補償について原告の方々に当てはめると、判決における認容額と比較してどの程度拡充することになるのか、また、対象となる御家族の数及び必要な経費はどの程度を見込んでいるのか、御説明をお願いいたします。
この発言だけを見る →
宮嵜雅則#11
○宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
 原告の方々に議員懇談会で取りまとめられた骨子案に基づく補償金額を当てはめた場合の平均は約百七十万円でございまして、判決の認容額の平均であります約六十万円と比べて約二・八倍となってございます。
 また、今般の補償の対象となる御家族の数についてですが、これは一定の前提を置いた上で試算したものですが、約二万四千人、必要な経費としては約四百億円と試算しているところでございます。
この発言だけを見る →
津島淳#12
○津島委員 ありがとうございます。
 今御答弁いただきましたように、法案による補償金は判決の認容額より手厚くなっているわけですが、補償金を受け取るべき方々が実際に受け取っていただけるようにすることが重要であり、元患者家族に対する十分かつ速やかな周知につき最大限努力するよう国に求める意見もあったことから、法案においては、そのための措置を国において適切に講ずるものとしております。
 次に、解決促進法改正案について御説明いたします。
 ハンセン病問題の解決の促進に関する法律は、ハンセン病患者であった方々などを対象として、福祉の増進、名誉の回復等に関し基本理念等を定めているところ、これまでハンセン病の患者であった者等を対象としていた名誉の回復等の諸規定に、ハンセン病の患者であった者等の家族を新たな対象として追加します。
 また、解決促進法改正案では、国立ハンセン病療養所における医療及び介護に関する体制について、一、充実に努める趣旨を追加するとともに、二、国立ハンセン病療養所に勤務する医師の人材確保のため、国家公務員法の特例を設け、医師の兼業に係る規制を緩和することとしています。
 今回の法案は、一部の規定を除き、両法案とも施行日を公布の日としており、厚生労働省におかれましては、円滑な施行に向けて最善を尽くしていただきたいと思います。
 まずは、補償金を迅速にお払いすることであります。さらに、重要なことは、原告の皆様が何より名誉の回復と家族関係の回復を強く望んでおられることでございます。この点は決して忘れてはならないのだと思います。
 以上申し上げた上で、最後に、加藤大臣にお伺いします。
 補償金の支給に関する業務や家族関係の回復等に向けた取組について、今回の法案が成立した場合の厚生労働大臣としての決意をお聞かせください。
この発言だけを見る →
加藤勝信#13
○加藤国務大臣 今回の法案が出されていくということでありますけれども、これに関しても、かつての施設入所政策のもとで、元患者のみならず、御家族の方々が、大変厳しい偏見、差別があり、また、その中で大変な御苦痛、苦難を強いられてこられた。そうした事実をしっかり我々は受けとめ、反省し、またおわびをする、そういう思いの中で対処しなければならないと考えております。
 そういった意味で、今委員御指摘のように、この法案が成立した際には、その趣旨を十分踏まえ、私みずから先頭に立ちながら、この法案の円滑な施行に対して万全の体制で取り組んでいきたいと思っております。
 具体的には、補償については、広報用ポスター、リーフレット、ホームページの活用により、申請を前提としておりますから、申請を積極的に呼びかけていく。また、元患者の方々の団体への周知、国立ハンセン病療養所内へのポスター掲示や、療養所職員等の協力を得て入所者の方にも補償制度の趣旨をお伝えすることを通じて、御家族の方への周知を図っていく。また、国における相談、受け付け体制を整備し、書類の書き方や手続をわかりやすく説明するなど、対象となる方に対して補償金が円滑に支給されるよう取り組んでいきたいと思っております。
 また、家族関係の回復については、先月の原告団、弁護団の皆さんとの協議においても、専門家による支援等が必要だという意見をいただいております。こうした意見も含めて、引き続き、御家族や関係の皆さんの御意見も伺いながら、鋭意検討を進めていきたいというふうに考えております。
この発言だけを見る →
津島淳#14
○津島委員 ありがとうございます。
 このハンセン病の問題の解決に向けて、我々、ワンチームで取り組んでまいりたいと思うんです。
 とにかく、家族であるということを対外的に言うことがはばかられる、そういう状況にあった方々が、堂々と世間に向かって、家族だ、我々は家族なんだというふうに言えるようにするということが何よりであって、そのために、引き続き議員懇談会として、しっかりと御意見を承りながら進めてまいりたいと思っております。
 今回の法案については、原告団、弁護団の御要請等も踏まえながら、どのような対応ができるか、与野党問わず検討を重ね、一日も早い成立を目指しつつ真摯な議論を積み重ね、一定の結論を得るに至ったと考えます。
 この場をおかりして、ワーキングチームに御参加いただきました方々、また、さまざまに御支援をいただきました、アドバイスをいただきました方々に心より厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 この質疑を通じまして、ぜひ委員の皆様におかれましてはこうした点を御理解をいただきまして、速やかな成立に向けて御協力をお願い申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございます。
この発言だけを見る →
盛山正仁#15
○盛山委員長 次に、高木美智代君。
この発言だけを見る →
高木美智代#16
○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。
 本日は、質問の機会をいただき、感謝申し上げます。
 ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律案及びハンセン病問題の解決の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、私も、公明党を代表して立法の過程に携わらせていただいてまいりましたので、今後政府においてしっかり取り組んでいただきたい点を中心に、質問をさせていただきます。
 ハンセン病に関する問題は、元患者の方々に対しましては、二〇〇一年、熊本地裁が国に賠償を命ずる判決を下し、当時の坂口力厚生労働大臣の強い主張によりまして控訴を断念した経緯があり、以来、公明党は、元患者の方たちの権利回復に向けて精力的に取り組んでまいりました。
 ハンセン病元患者の御家族の方々に対しましては、本年六月に熊本地裁が国に賠償を命ずる判決を下し、政府として控訴は行わないこととしました。
 これを受け、公明党は、各党に先駆けて、八月二日、桝屋議員を本部長とする公明党ハンセン病家族救済対策本部第一回会合を開催しました。その折、今回の原告を始め、原告以外の御家族も含めてできるだけ広く救済できるよう、補償に向けた立法措置が必要であり、御家族に寄り添った内容を目指す方針を確認したわけでございます。
 その後、党派を超えてこの問題の解決を図るために、先ほどの津島議員のお話のとおり、十月二日、ハンセン病対策議員懇談会及びハンセン病問題の最終解決を進める国会議員懇談会によりまして合同会議のワーキングチームが立ち上げられ、各党の代表者で、公明党は私と山本博司参議院議員がメンバーとなりまして、補償内容等を議論し、十月二十四日に基本方針、この法案の骨子案を取りまとめることができたわけでございます。
 そこで、まずは補償金の額に関してですが、骨子案に示された補償金額百八十万円、百三十万円は、厚生労働省の事務方と弁護団との実務者協議において双方が受入れ可能と判断するに至った額としてワーキングチームで説明を受けたものでございます。ワーキングチームでは、さまざまな議論の上で、判決の認容額と比較しても手厚い額であること、そして弁護団が受入れ可能としていることを踏まえて、これに決定をいたしました。
 改めて、厚労省と弁護団の実務者協議におきまして、金額に関してどのようなことが論点となったのか、熊本地裁との対比を交えて御説明いただきたいと思います。
この発言だけを見る →
宮嵜雅則#17
○宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
 弁護団と厚生労働省との実務者協議におきましては、熊本地裁判決における認容額をベースとしつつ議論を行わせていただきました。
 具体的には、地裁判決で示されました認容額に関して、一点目の、差別を受ける地位に置かれたことによる損害に対する慰謝料額三十万円の方につきましては、差別被害の認識時期が最も遅い者を算定の基準にしたことにより控え目に算定された点、それから、国の違法行為の開始時が米国統治下の後であること等により、他地域より違法性の程度が低い沖縄における違法行為を念頭に算定が行われた点がございます。
 それから二点目として、家族関係形成阻害に対する慰謝料額につきましては、入所者との親族関係等により設けられている差、すなわち、入所者が親子又は配偶者である場合は百万円、入所者が兄弟姉妹である場合には二十万円となっていることが適切なのかどうかという点につきまして、いかなる考慮を行うべきかということが論点となり、議論を行ってきたところでございます。
この発言だけを見る →
高木美智代#18
○高木(美)委員 ありがとうございました。
 本法案の成立によりまして、ハンセン病元患者の御家族の方々へ補償金を支給する制度が創設されるわけですが、そもそも、この制度を御家族の方々に知っていただかないと補償金の支給は始まらないわけでございます。しかし、裁判の原告の大半の方たちが匿名だったことを考えますと、差別や偏見を恐れて請求をためらうようなことがあってはなりません。また、戦前の台湾、朝鮮等の本邦も含んでおります。
 この補償金制度をどのように周知していくのか、伺いたいと思います。
この発言だけを見る →
宮嵜雅則#19
○宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
 今回の法案が成立した際には、厚生労働省としても、御家族の方々に補償金制度をしっかりと知っていただけるように、相談、受け付け体制を整備しますとともに、広報用ポスター、リーフレットやホームページの活用等による申請の呼びかけの準備を進め、対象となる方に補償金が円滑に支給されるようにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
高木美智代#20
○高木(美)委員 そこで申し上げたいのですが、この補償の対象となる範囲につきましては、原告団と厚労省の実務者協議では、元患者の配偶者、親子、兄弟姉妹のほか、同居を要件として孫、おい、めい等としておりましたが、ワーキングチームで検討した結果、同居を要件とした上で、対象範囲を事実婚の配偶者の連れ子や孫の配偶者まで拡大することとなりました。
 なお、この同居については、骨子案では、生活の本拠を同一にしていたことを意味し、休暇時の帰省等の一時的な滞在は含まないとしております。
 ただし、この事実婚、同居については、書類のみで認定していくことは困難な場合が十分想定されます。
 そうしたことから、骨子案におきましては、補償の認定に当たっては、まず、厚生労働省において、家族の過去の補償金等の受給歴、療養所の患者台帳や診療歴、戸籍等の関係する書類により、請求者が対象者に該当することを確認し、これらの書類等により確認できない場合、厚生労働大臣は、当該請求の内容に関し、外部有識者から成るハンセン病元患者等家族補償金支給認定審査会に審査を求めなければならないとしております。
 そこでお伺いしますが、この認定審査会における認定基準につきまして、ワーキングチームでは、明らかに不合理ではなく、一応確からしいこととすること、このような議論をさせていただき、これを踏まえて、政府において認定手続に適切に取り組むべきと考えております。政府の方針について説明を求めます。
 あわせて、この認定審査会における認定の公平性にもかかわることですので、審査会の人選について、どのような方針で検討しているかについても伺います。
この発言だけを見る →
宮嵜雅則#21
○宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
 認定審査会における認定基準につきましては、議員懇談会で取りまとめられました骨子案では、認定審査会における判断に当たっては、関係者の証言や供述等の内容が、当時の社会状況や請求者が置かれていた状況、収集した資料等から考えて、明らかに不合理ではなく、一応確からしいことを基準とするとされております。
 法案が成立しました際には、厚生労働省としても、議員懇談会での御議論を十分に踏まえ、対象となる方に補償金が適切に支給されるよう、認定審査会の適正な運用などに努めてまいります。
 また、認定審査会の人選につきましては、例えば、医療、法律等に関してすぐれた識見を有する方として、国立ハンセン病療養所長や裁判官の経験者といった方々を念頭に置いてございます。
 具体的な人選は法案成立後に決定することになりますが、いずれにいたしましても、公平性や中立性の観点から、適切な委員を選任してまいりたいと考えております。
この発言だけを見る →
高木美智代#22
○高木(美)委員 適正な認定ができるよう、御対応をお願いしたいと思います。
 さて、今回の法案では、法施行時に生存している方のみが対象となっております。法施行前に亡くなられた原告の方々の対応は、合同ワーキングチームでも大きな議論となったところです。
 法施行前に死亡した原告につきましてもこの法の中の補償の対象とすべきとの意見があり、私もとても悩みましたが、周囲の反対で訴訟を提起できずに法施行前に亡くなった家族の方もいらっしゃる、こうした方との公平性の問題があること、また、亡くなった原告の方に果たして訴訟の提起をもって補償金を請求する意思があったとすることは、制度設計としての合理性を欠くものではないか、こうした問題があることから、今般の補償の対象として法律に書くことは困難との結論に至ったわけでございます。
 しかしながら、他方で、亡くなった原告の方たちがいらしたからこそ、御家族の偏見、差別と家族形成を阻害されて苦しんでこられたその実像を知ることができ、今日の流れがあるということを思うと、何かできないだろうかというこの心情は、まさにワーキングチーム全員が共有をしたところでありまして、更に議論を重ねました。
 その結果、補償金とは別に、法案の概要の紙にあるとおり、訴訟を通してこの問題の解決を促したことに鑑み、特にこれに敬意を表し、ねぎらい、いたわり、もってハンセン病元患者の家族の名誉の回復に資するためとして、法案の第二十四条にあります名誉回復と福祉の増進を根拠として、省令による特別一時金を支給するということで合意をいたしました。
 この関係の規定は省令での措置を想定しておりますが、厚生労働省としての受けとめを伺います。
この発言だけを見る →
宮嵜雅則#23
○宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。
 法施行前に死亡された原告につきましては、議員懇談会の合同ワーキングチームにおきまして、委員から御紹介ございましたが、訴訟を通してこの問題の解決を促したことに鑑み、特にこれに敬意を表し、ねぎらい、いたわり、もってハンセン病元患者の家族の名誉の回復に資するため、特別一時金を支給することとされたと承知しております。
 厚生労働省といたしましても、こうした一時金の趣旨を十分に踏まえ、訴訟を提起する決断をされ、法施行前に亡くなった方々に対して、補償金と性格の異なる金銭としての特別一時金につきまして、省令において適切に対応してまいります。
この発言だけを見る →
高木美智代#24
○高木(美)委員 よろしくお願いいたします。
 それでは次に、ハンセン病問題の解決の促進に関する法律の一部を改正する法律案についてお伺いいたします。
 国立ハンセン病療養所における医師確保に関しましては、国としてもこれまでさまざまな取組がなされてきたところですが、安定的な医師確保は困難な状況にありまして、入所者の方々から強い御要望があると承知しております。
 骨子案におきましては、国立ハンセン病療養所に勤務する医師の人材確保のため、国家公務員法の特例を設け、医師の兼業に係る規制を緩和することとしておりますが、療養所における医師確保の現状及び今後の見込みについてお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →
吉田学#25
○吉田政府参考人 お答えいたします。
 ハンセン病療養所に勤務する医師の方々は、令和元年五月現在におきまして、定員百四十六人に対して現員が百十一人であり、三十五人の欠員となってございます。
 これまでも、関係自治体、医学部を持つ大学などの機関に対して協力を依頼するなど、医師の確保に努めておりますが、医師の処遇の問題や医療技術向上の機会の確保という課題があるというふうに承知をしております。
 今般、医師の勤務時間における兼業規制の緩和が骨子案に盛り込まれたことで、ハンセン病療養所に勤務しながら他の医療機関において診療行為を行うことが可能となりますことから、医師の確保につながるものと考えております。
 また、医師の処遇改善についても、今年度より、園長及び副園長について俸給の調整額の適用対象となったことで、年額六十万円程度の給与改善が図られたところでございます。
 こうした取組などを通じまして、入所者の方々に良質な療養環境を提供できるよう、引き続き医師の確保に努めてまいりたいと思っております。
この発言だけを見る →
高木美智代#26
○高木(美)委員 今回取りまとめた骨子案におきましては、ハンセン病問題の解決の促進に関する法律における名誉回復等の規定の対象に、家族を新たに追加することとしております。これは偏見、差別解消の施策を進める上で推進力となると考えております。
 十月二十四日、両議員懇談会の合同会議におきまして骨子案が了承された際、原告団長から、胸がいっぱいだ、きょうの日を迎えることができてありがとうの言葉しかない、今後は偏見、差別解消に向けた啓発、教育が大きな課題になるという旨のお話をいただきました。
 この点につきましては、七月十二日閣議決定の内閣総理大臣談話におきましても、「関係省庁が連携・協力し、患者・元患者やその家族がおかれていた境遇を踏まえた人権啓発、人権教育などの普及啓発活動の強化に取り組みます。」とあります。
 とりわけ、厚労、法務、文科の果たす役割は大きく、今後の三省連携での一層の取組を期待しております。
 橋本副大臣を始め、宮崎法務大臣政務官、また文科省、それぞれから、ハンセン病に係る偏見、差別解消に向けた取組への決意を伺いたいと思います。一言ずつお願いいたします。
この発言だけを見る →
橋本岳#27
○橋本副大臣 先月、厚生労働省、法務省、文部科学省と原告団家族代表の皆様方などとの協議の場として、ハンセン病に係る偏見、差別の解消に向けた協議会を立ち上げ、御家族の方々から貴重なお話や御意見をお伺いしたところでございます。
 そして、その中で、例えば、国というのは無らい県運動というのをやってきたわけですね。そうした大キャンペーンを張って患者の方を療養所の方に隔離するということを、ある意味で官民を挙げてという言い方もできるのではないかと思いますが、そういうのをやってきた歴史があったわけであります。例えばそうした勢いでなぜ普及啓発ができないのかということも問われましたし、一方で、そうしたことをこれまで国がずっと率先してやってきて、ある日から突然、ハンセン病の方々に対する差別、偏見を解消しましょう、そんな手のひら返しなんか誰も通用しない、そんなお話もいただきました。また、国のいろいろな施策、取組というのはなかったわけではございませんが、やったらやりっ放しだというお話もいただきました。
 そうした厳しいお声をたくさんいただいた、これを私たちはしっかりと受けとめて、偏見、差別の実態を踏まえるべきだとか、謝罪広告など名誉回復措置を実施すべきだとか、家族関係の回復に向けた施策を実現すべき、そうしたこともいただいたわけでございます。
 今後、まず実務的に具体的な議論をするということになっておりますけれども、そうしたことも踏まえながら、法務省、文部科学省とも連携し、そして、これは総理が所信で、政府一丸となりという表現もされました。そのこともしっかりと受けとめながら、そして、元患者の方々、御家族の皆様とも議論を深め、全力で取り組んでまいりたい、このように考えております。
この発言だけを見る →
宮崎政久#28
○宮崎大臣政務官 患者、元患者の方のみならず、御家族にも、社会において大変厳しい偏見、差別が存在しているということは厳然たる事実でございます。
 今、橋本副大臣から言及がありました、先月、十月二日の原告団、弁護団の皆様との協議の場、私も法務省を代表して出席をさせていただきました。
 その際に、御家族の方から、御両親は病気になりたくてなったわけではない、でも、この世で一緒に暮らすことができない、その悲しみがあって、その御家族の方は、分骨をしてでも将来あの世で一緒に暮らして、失った時間を取り戻したい、こんなお話も聞かせていただきました。重く受けとめなければいけないと改めて思った次第でございます。
 患者御家族、患者、元患者のみならず、御家族の方を含めた偏見、差別の解消に向けた普及啓発活動のあり方については、皆様と一緒に、ともに考えていきたいという旨のお話もさせていただきました。
 法務省としましても、原告団の皆様を始めとして、当事者の皆様の御意見を伺いながら、厚生労働省、文部科学省とともに、偏見、差別の解消に向けた取組を一層推進していきたいと考えております。
 以上です。
この発言だけを見る →
寺門成真#29
○寺門政府参考人 お答えを申し上げます。
 文部科学省といたしましては、これまでも、関係省庁と連携し、ハンセン病問題を含めた差別や偏見の根絶に向けて人権教育の推進に取り組んでまいったところでございますけれども、ハンセン病患者、元患者の皆様や御家族に対する偏見や差別はいまだに強く残っているというのが実態であると認識してございます。
 こうした実態や、ことし七月に閣議決定しました内閣総理大臣談話等を踏まえまして、先月十六日には、佐々木文部科学大臣政務官が東村山市にある国立療養所多磨全生園と国立ハンセン病資料館を訪問されまして、療養所の皆様、入所者の皆様に直接お会いしてお話を伺うとともに、偏見や差別に関する歴史や資料について説明を受けたところでございます。
 また、ハンセン病の患者、元患者の皆様やその御家族の置かれていた境遇を踏まえた人権教育を推進するための具体的な検討を行うことを目的といたしまして、佐々木文部科学大臣政務官を座長とするハンセン病家族国家賠償請求訴訟を踏まえた人権教育推進検討チームを省内に設置いたしまして、先月二十九日に第一回を開催したところでございます。
 今後は、御家族の皆様との協議や、先ほど申し上げましたチームでの議論等を踏まえまして、関係省庁と連携し、取組の一層の充実を図ってまいります。
この発言だけを見る →
← 戻る