農林水産委員会

2020-11-17 衆議院 全122発言

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会議録情報#0
令和二年十一月十七日(火曜日)
    午前九時三十二分開議
 出席委員
   委員長 高鳥 修一君
   理事 加藤 寛治君 理事 齋藤  健君
   理事 津島  淳君 理事 宮腰 光寛君
   理事 宮下 一郎君 理事 亀井亜紀子君
   理事 矢上 雅義君 理事 稲津  久君
      伊東 良孝君    池田 道孝君
      泉田 裕彦君    今枝宗一郎君
      上杉謙太郎君    江藤  拓君
      神山 佐市君    木村 次郎君
      黄川田仁志君    小寺 裕雄君
      佐々木 紀君    斎藤 洋明君
      杉田 水脈君    鈴木 憲和君
      武部  新君    西田 昭二君
      根本 幸典君    野中  厚君
      福田 達夫君    福山  守君
      穂坂  泰君    細田 健一君
      石川 香織君    大串 博志君
      金子 恵美君    神谷  裕君
      近藤 和也君    佐々木隆博君
      佐藤 公治君    緑川 貴士君
      濱村  進君    田村 貴昭君
      藤田 文武君    玉木雄一郎君
    …………………………………
   農林水産大臣       野上浩太郎君
   農林水産副大臣      葉梨 康弘君
   農林水産大臣政務官    池田 道孝君
   政府参考人
   (消費者庁政策立案総括審議官)          津垣 修一君
   政府参考人
   (農林水産省消費・安全局長)           新井ゆたか君
   政府参考人
   (農林水産省食料産業局長)            太田 豊彦君
   政府参考人
   (農林水産省政策統括官) 天羽  隆君
   政府参考人
   (農林水産技術会議事務局長)           菱沼 義久君
   農林水産委員会専門員   梶原  武君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十七日
 辞任         補欠選任
  今枝宗一郎君     黄川田仁志君
  金子 俊平君     杉田 水脈君
  斎藤 洋明君     神山 佐市君
同日
 辞任         補欠選任
  神山 佐市君     斎藤 洋明君
  黄川田仁志君     今枝宗一郎君
  杉田 水脈君     穂坂  泰君
同日
 辞任         補欠選任
  穂坂  泰君     金子 俊平君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 種苗法の一部を改正する法律案(内閣提出、第二百一回国会閣法第三七号)
     ――――◇―――――
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高鳥修一#1
○高鳥委員長 これより会議を開きます。
 第二百一回国会、内閣提出、種苗法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として農林水産省消費・安全局長新井ゆたか君、食料産業局長太田豊彦君、政策統括官天羽隆君、農林水産技術会議事務局長菱沼義久君及び消費者庁政策立案総括審議官津垣修一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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高鳥修一#2
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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高鳥修一#3
○高鳥委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。田村貴昭君。
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田村貴昭#4
○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
 先週に引き続き、種苗法の改定案について質問をします。
 農水省は稲の登録品種は一七%としていますけれども、十二日の参考人質疑で、より詳細に見れば三割を超えるという指摘が印鑰参考人からされました。農水省は作付割合上位二十品種で計算、印鑰さんは二百七十三の全品種で計算しました。印鑰さんが示した数字が正確であります。
 また、自民党の議員から、新潟で栽培するコシヒカリは一般品種と言われましたが、実際には新潟県コシヒカリの九割以上は登録品種のコシヒカリ新潟BLが栽培されており、これと富山県のコシヒカリBL米を合わせれば、米の登録品種の生産量は全体で四割になります。
 審議のもととなる資料が事実と違います。これでは審議を尽くすことなどできません。データを出し直すべきです。今国会での成立は断念すべきであります。
 そもそも、法改正の目的はどこにあるんでしょうか。登録品種の自家増殖を一律許諾制にすれば、農家はこれまで自家増殖でとっていた種苗代の負担を負わされることにつながります。種苗を農家に買わせるのが本改正の目的なのでしょうか。本改正の目的は、種苗を農家に買わせるところにあるんでしょうか。大臣、いかがですか。
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野上浩太郎#5
○野上国務大臣 今回の法改正によりまして、育成者権者が海外持ち出し不可の条件を付した場合に正規に販売された種苗の持ち出しができなくなる結果、農業者個人の増殖種苗が狙われるということが懸念をされると考えております。
 このため、今回の種苗法改正は、登録品種の自家増殖については育成者権者の許諾を必要とすることとし、日本の強みである植物新品種の流出を防止することによって日本の輸出競争力を確保するとともに、知的財産を守って、産地形成を後押しして、地域の農業の活性化に資するものであり、農家に種苗の購入を強いることを目的としたものではございません。
 また、登録品種についても育成者権者の許諾があれば自家増殖を行うことが可能でありますので、一律に自家増殖を禁止するというものでもございません。
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田村貴昭#6
○田村(貴)委員 大臣、そうおっしゃいますけれども、その説明はもう通用しませんよ。
 二〇一七年の内閣府の知財戦略本部の第二回検証・評価・企画委員会産業財産権分野会合で、農林水産省は次のように述べています。紹介します。
 自家増殖については何点か問題があって、一つは、自家増殖を認めると、果実などは一本苗があると永久に自分で増殖できることになり、なかなかビジネスの対象になりにくい、自家増殖が認められている分野については民間の参入が非常に阻害される、ここまであけすけに語っているわけです。
 お手元に資料をお配りしています。この会議で出された資料であります。
 「課題」のところの四ポツ目、ここに、「産業競争力強化法の改正に伴い、稲、麦の品種育成に対する民間参入が期待されるが、自家増殖が障害となっている。」と。自家増殖は民間参入の障害、こういうことまで書かれているじゃないですか。
 だから、今回の法改定の目的は、農家に種苗を買わせる、ここにあるんじゃないんですか。もう証拠は出ているじゃないですか。
 この目的を法固めするために、政府、農水省は何をしてきましたか。
 同じ年に、民間参入の障害だとして、種子法を廃止しました。同時に、農業競争力強化支援法で、公的機関は民間に育種の知見を提供せよと迫るようになりました。さらに、事務次官通知で、都道府県の役割は民間参入が進むまでだと言い放ったのであります。その上、払い下げた種子を自家増殖されてはもうけにならないからと、今度は生産農家の自家増殖を原則禁止、許諾制にする。これは一体誰のための農政かと言わなければなりません。
 これまでの審議で、許諾制になっても、育成権者が公的機関であればそんなに種苗は高額にならないと農水省は言ってまいりました。しかし、国はこれまで、都道府県の農業試験場の種苗開発に投じる予算を補助金から地方交付税に変えました。そのために、今、各地の農業試験場は財源不足、人材不足で、出願品数は減少し続けています。民間企業による種苗の市場独占、市場占有が進んで行われていくならば、農家は高額であっても種苗を買わざるを得ないのではありませんか。
 大臣に伺います。政府は、公共の種苗事業が弱体化することをよしとするんですか。公的種苗です。公共が種苗をつくることについて、弱体化することをよしとしますか。いかがですか。
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野上浩太郎#7
○野上国務大臣 これは、公共においても民間においても総力を挙げて取り組んでいくということであります。
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田村貴昭#8
○田村(貴)委員 公共の役割は否定しない、公共が大事だというのならば、種子法を復活させるべきですよ。都道府県の役割を担保すべきです。そして、都道府県の役割を民間参入が進むまでとした農水省事務次官通知は撤回すべきではありませんか。あの通知、撤回の考えはありますか。
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野上浩太郎#9
○野上国務大臣 今お話のありました主要農作物種子法の廃止につきましては、戦後、不足していた食料の増産を図るために、稲、麦、大豆の原種の生産等に関する事務を全ての都道府県に一律に義務づけたことをやめて、官民の総力を挙げて多様なニーズに応じた種子供給体制を構築するために実施したものであります。
 一方、都道府県の中には、新たに地域の特性を反映した官民の連携ですとか種子供給体制の整備、条例制定の動きが出ているところであり、地域の農業に必要な対応をみずから判断して講じていることと考えます。また、主要農作物種子法の廃止後も、種子供給に係る事務については種苗法や農業競争力強化法に基づいて都道府県が従前と同様に実施することが見込まれることから、引き続き地方交付税措置が講じられることとしております。こうしたことから、農林水産省としては、廃止した法律を復活させるような内閣提出法案を提出することは考えておりません。
 なお、今御指摘のあった事務次官通知につきましては、種子法廃止後の都道府県の役割等について規定しているものであり、今現在御審議いただいている種苗法が改正されれば、その施行に当たり、必要に応じ、本通知についても所要の改正を検討してまいりたいと考えております。
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田村貴昭#10
○田村(貴)委員 事務次官通知は間違いだったというふうにお認めになりました。
 法改正によって、種子、農薬多国籍企業による種苗市場の独占が懸念されるところであります。バイオ化学企業が加盟するロビー団体BIOは、UPOV条約を通じて、TPP加盟国に対して自家増殖を禁止するようにとこの間迫ってまいりました。多国籍の農業化学企業は、上位四社だけで種苗市場の六割超を占有しています。それを買わないと生産やあるいは消費ができないように、構造変革を世界じゅうで促しています。日本でも、BIOには大手農薬企業の住友化学が加入しています。
 先週の質疑で、住友化学はモンサントと業務提携を結び、除草剤耐性のある遺伝子組み換え作物に使用する農薬の開発を進めていると参考人から指摘がありました。一方で、政府は、遺伝子組み換え作物の種子とセットで販売している除草剤グリホサートの残留基準について、禁止を求める声を聞かずに、大幅に緩和してまいりました。グリホサートは発がん性が疑われ、世界各国で使用規制が進んでいますが、逆に日本では緩和をしています。こうして政府は、遺伝子組み換え作物の栽培ができる環境を着々と進めているのであります。
 現在、日本で栽培許可がおりている遺伝子組み換え作物は幾らありますか。資料二をごらんいただきたいと思います。既に百四十品目に達しています。
 消費者庁、お越しになっておられるでしょうか。お聞きします。食料品などの表示に、遺伝子組み換えではありませんというのがありますね。二〇二三年四月からは、遺伝子組み換え混入率がゼロ%でないと表示できなくなるのではありませんか。
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津垣修一#11
○津垣政府参考人 遺伝子組み換え表示制度につきまして御説明申し上げます。
 平成二十九年に開催されました遺伝子組換え表示制度に関する検討会におきまして、大豆及びトウモロコシに対して、遺伝子組み換え農産物が最大五%混入しているにもかかわらず遺伝子組み換えでないという任意表示を可能としていることが消費者の誤解を招くとの指摘があり、御議論をいただいたところでございます。
 消費者庁におきましては、本検討会の報告の内容を踏まえまして、消費者の誤認防止や選択の幅の拡大等の観点から、平成三十一年四月に食品表示基準を改正いたしまして、それまでの制度で遺伝子組み換えでないと表示されていたものを二つに分類いたしまして、分別生産流通管理を実施し、遺伝子組み換え農産物の混入を五%以下に抑えているものにつきましては、従来の遺伝子組み換えでないという表示にかえまして、適切に分別生産流通管理をしている旨、事実に即した表示をすることとして、また、遺伝子組み換え農産物の混入がないと認められる場合におきましては遺伝子組み換えでない旨の表示を認めるという区分に整理したところでございます。
 この改正につきましては、令和五年四月から施行することとしております。
 これにより、よりきめ細かく正確な情報が消費者に伝えられ、消費者の選択の幅が拡大することを期待してございます。
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田村貴昭#12
○田村(貴)委員 逆じゃないですか。このことによって、遺伝子組み換え混入があっても、消費者の目に見える選択はなくなるというのが事実であります。こうやって変わっていくわけなんですよ。
 推定制度について伺います。
 育成者が裁判で争う際に、これまでは裁判で現物による比較が行われてまいりましたが、今回、あらかじめ登録した特性表と一致すれば侵害実証が簡単にできる措置が盛り込まれました。登録品種と類似の在来種を栽培している農家は、交雑やあるいは変異などで登録品種の特性表と一致しないか、訴えられはしないかと、びくびくしながら栽培しなければなりません。そういう懸念がありますが、いかがですか。
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太田豊彦#13
○太田政府参考人 お答えいたします。
 現行の種苗法のもとでは、育成者権の侵害を立証するには、品種登録がされた当時の登録品種の種苗を長い間では二十年以上も保存しておき、この種苗と侵害が疑われる品種の種苗を実際に栽培して比べるしかなく、オリジナルの種苗が失われたり経年変化により変質した場合には育成者権の適正な保護が難しいという課題があります。
 一方で、品種登録制度では、出願された品種と類似する既存品種の比較栽培を行った上で、植物種類ごとにそれぞれ五十から百項目程度の、大きさや色といった外形的な性質や、病害特性や耐暑性といった生理的な性質を記録した特性表を作成し、審査を行っています。
 今回の法改正では侵害が疑われる品種をこの特性表と比較できるように措置しておりますが、これは侵害の判断基準を変えるものではなく、違法に育成者権を侵害している者に対して適切に権利を行使することができるよう措置するものであり、在来種に育成者権が及ぶことがあり得ないということは現行法と同様です。
 このため、今般の改正により、在来種を栽培している農業者が訴えられやすくなるということはなく、栽培を抑制するようになることは考えられません。
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田村貴昭#14
○田村(貴)委員 いや、そうおっしゃいますけれども、既に海外では、在来種の種が遺伝子組み換えと交雑してしまったばかりに、特許権侵害で訴えられて、農家側が敗訴する事態が起こっているではありませんか。育成者側に明らかに有利になる改定であります。
 世界じゅうの種子市場の六割を占めるバイオケミカル多国籍企業は、多数の弁護士を抱え、稼ぐためなら容赦なく訴訟をしかけてまいります。こうしたところを踏まえない改定は認められません。
 さらに、ゲノム編集についてです。
 日本では何の規制も表示されず、いつの間にか農家がゲノム編集種子を買うような環境ができてしまっています。EUなどはゲノム編集食品に対して遺伝子組み換えと同様の厳しい扱いをしていますが、日本では昨年の十月から、食品安全委員会の審査手続もなく、生産の届出も任意で、表示されずに流通しています。ゲノム編集の種子も、指定種苗制度上、表示義務はありません。農家は知らないまま購入し、栽培する可能性があります。有機認証もこのままではとれません。表示を義務化すべきではありませんか。
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太田豊彦#15
○太田政府参考人 お答えいたします。
 御指摘の指定種苗制度は、種苗の流通に際し、品種名や数量、種子の発芽率など、種苗の品質を担保するために設けられている制度でございます。
 このため、カルタヘナ法の規制対象となる遺伝子組み換え作物についても、指定種苗制度の表示の対象となってはおりません。
 また、ゲノム編集技術を利用して開発された植物の種苗の表示についても、指定種苗制度の対象としておりません。
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田村貴昭#16
○田村(貴)委員 食料・農業植物遺伝資源条約では、種子はみんなのもの、先祖代々受け継がれてきた人類の共有の財産であり、農民の自家採種は農民の根本の権利だというふうにうたわれています。
 しかし、今度の日本での法改定は、余りにも農家の負担をふやし、そしてバイオ多国籍企業の侵入を許す形になって、食の安全を脅かすものにつながります。とりわけ、稲は、主要穀物の中で唯一、種を日本が自給できる、日本の食料安保の最後のとりでとなっています。国民の命や食文化を根本で支える、最も国が守るべき主要品目、その稲さえもこういう状況になってまいります。生産現場では、高齢化で技術の継承が困難になっています。こうしたところに、やはり技術が絶えることのないよう、奨励、支援すべきではないんですか。
 今度の自家増殖を一律に迫る法改定には強く反対し、きょうの質疑を終わります。
 以上です。
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高鳥修一#17
○高鳥委員長 次に、亀井亜紀子君。
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亀井亜紀子#18
○亀井委員 立憲民主党の亀井亜紀子でございます。
 先週に続き、質問をいたします。
 先週の最後の質問は、自家増殖を原則は禁止するとしても、なぜ例外品目を設けないのですかということでした。それに対する大臣の御答弁は、品目を指定すると、その品目全てについて自家増殖を認めることになるのが問題だと。例えば、私の地元には仁多米というブランド米がありますけれども、大臣がおっしゃる意味というのは、仁多米については他県で自家増殖をしてほしくないと。そういうふうに、米全体を例外品目にすると個別に指定ができなくなる、だから品目で例外はつくらないのだというような意味であろうととったんですけれども、そうであるならば、現行法のまま原則自由にして、自家増殖をしてはいけない禁止品目を単純に登録していけばいいんじゃないでしょうか。
 篠原委員の質問で、二〇一七年の種苗法の前回の改定以降、禁止品目が拡大されたと資料が提出をされています。二〇一七年が二百八十九種、二〇一八年三百五十六、二〇一九年三百八十七、二〇二〇年が三百九十六、このように急速にふえているわけですから、単純に禁止品目を登録すればよいものを、何か、大分数がふえたから原則をいっそのこと逆転させましょう、原則禁止にしてしまいましょうというように今回改正をしようとしているのかしらとも思うんですけれども、現行どおりでなぜいけないんでしょうか。
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太田豊彦#19
○太田政府参考人 お答えいたします。
 現行法につきましては、自家増殖に育成者権が及ぶ品種とされているのは栄養繁殖をする植物種のみになっております。
 したがいまして、今おっしゃった仁多米というお米であれば、栄養繁殖をする植物ではありませんので、現行法のままでは、禁止品目として仁多米というものを挙げるということは不可能となっております。
 また、そういった、品種ごとに自家増殖を制限するかどうかを登録させるということであれば、まさに、登録品種の自家増殖を育成者権者の許諾に基づくこととするという今回の法改正の内容と同様の措置になるのではないかと考えております。
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亀井亜紀子#20
○亀井委員 基本的に私たちは主要農作物に関しては自由にするべきだと思っておりますし、現行の制度の方が、禁止品目として対象にすればよいだけの話なので、やはり原則を逆転させるというのは大変違和感があります。
 少なくとも、有機栽培については、先日の参考人の答弁もありましたとおり、種の自家採種を前提としての農業の形態でありますから、今、日本政府が農産品の輸出を促進しよう、特に有機栽培も力を入れていこうというときにこの有機栽培についても例外としなかったということは、私はおかしな改正案だと思っております。
 それで、我が党は修正案を先週、与党の方に御提示して内々協議をしてきたんですけれども、それが一切受け入れられなかったということは大変残念に思います。
 次の質問に行きますけれども、許諾料についてです。
 許諾制にするということを仮に受け入れたとしても、誰が増殖をしているかという名前の登録だけではなくて、なぜ許諾料を取るのかということが疑問なんですけれども、お答えいただけますでしょうか。
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葉梨康弘#21
○葉梨副大臣 お答えいたします。
 一般論でございますが、品種開発には多大なコストと時間を要します。品種開発に係る費用は、種苗の販売利益あるいは増殖の許諾料を通じて回収することになります。農業者も新品種のメリットを享受するということでございますので、その受益に応じて必要な費用負担を行うことは自然なことだろうと思います。
 ただ、農研機構や都道府県は、普及することを目的として品種を開発しております。開発費の大半は運営費交付金などの公的負担で賄われておりまして、農業者から営農の支障となるような高額の許諾料をいただくということは通常ありません。民間の種苗会社においても、農研機構や都道府県の許諾料の水準を見ていますので、著しく高額な許諾料となるということは考えにくいと思います。
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亀井亜紀子#22
○亀井委員 私が感じたことは、種子法が廃止をされて、種子の開発の予算をつけるための根拠法がなくなりました。今のところ、県で条例をつくっているところも多いですし、なかなか種子法がなくなったから一気に予算を減らすということはやりにくいかもしれませんけれども、だんだん地方交付税措置が減っていく中で、そのかわりとして許諾料というものを取って、いわゆる農家から取って補おうとしているんじゃないかなというふうに私は感じておりますので、そういう意図があるのではないかと思っております。
 きょうは時間がないので、次の質問に行きます。
 先週、私が、なぜ種子法を廃止したのですかという質問をする中で、大臣の御答弁で、種子法は食料増産法であったから、今の時代は米も余っているし必要ない、そして、農研機構などが進める種子開発というのは味のよい米の方に寄ってしまって、外食や中食に求められている多収品種の開発というのはほとんどできていないんだという御答弁でした。
 それで、伺いたいんですけれども、つまり、私は、日本の政策は、日本という国は耕地面積が少ないですし、広い面積でたくさん栽培して安く売るような、そういう農業は海外と比較しても向かないので、そうではなくて、ブランド米ですとか質のよいものをつくって高い値段で売っていくというような方針であったと思っているのですけれども、大臣のおっしゃる意味ですと、たくさんとれる外食用の安い米が欲しいというように聞こえますし、そのために種子法を廃止したというふうに理解できるものですから、次の質問をいたします。
 それでは、今、野菜の種というのは、一代限りの種、F1が主流になっています。このF1については、収量が安定する、形ですとか大きさですとかそういうものが安定して、経営的には楽だということは言われていますけれども、一方で、農薬や肥料がセット販売されること、それから、何よりも、毎年種を買わなければいけなくなることが問題視されております。けれども、こういう多収量の種子が広がることはよいことだ、そのために民間にも種子を開発してほしいんだということでよろしいですか。F1が広まったということについて、政府は好ましいと思っているのか、問題だと思っているのか、その根本のところを伺いたいのですけれども、大臣にお尋ねいたします。
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野上浩太郎#23
○野上国務大臣 今お話のございましたF1の野菜の種子ということですが、生物には異なる系統をかけ合わせることで両親よりもすぐれた性質を持つ品種が生まれる場合があり、F1品種はそうした植物の特性を利用した品種で、生育が旺盛で栽培しやすいですとか、収量が安定するですとか、あるいは形や品質のそろいがすぐれているといった特性があります。このような特性を生かして、戦後、野菜の種子等を扱う種苗会社を中心にしまして農業の振興につながるようにと積極的に新品種開発が行われ、我が国の高品質な野菜等の安定供給を支える技術の一つとなっていると認識をしております。
 また、農業者は、みずからの経営に合った品種、農薬、肥料を選択していると考えております。この中で、例えば、農薬や肥料とセットで種苗が販売されるビジネスが導入されたとしても、農業者が経営上のメリットを検討の上で、このような形のセット販売の導入の是非を判断するということになると思いますので、農業者の経営の選択肢がふえること自体は否定すべきものではないと考えております。
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亀井亜紀子#24
○亀井委員 今の御答弁で、私たち立憲民主党とはやはり根本的な考え方が違うんだなということがわかりました。私たちは、やはり、多種多様な種、在来種を保護していきたい、多種多様であることが自然災害にも強いし、よいことだと思っていますし、だからF1種が広がっていって、毎年、工業製品の原材料のように農家が種を全量買わなきゃいけなくなるという状態は自然に逆らっている、だから余り好ましくないと考えています。少なくとも、主要農作物、米、麦、大豆については在来種を守っていかなきゃいけないと思っているんですけれども。
 大臣の御答弁ですと、それは農家の判断によるものです、F1で収量が安定して、たくさん栽培できるものが選択肢として広がるのはよいことですというふうにとれますので、やはり基本のところが、考え方が違うからこういう種苗法の改正になるし、種子法も廃止されたんだなというふうに、賛同はできませんけれども、論理としては理解いたしました。
 最後の質問に行きます。
 これは、先日、参考人質疑で印鑰参考人が触れていたことなんですけれども、今回、特性表が導入をされます。従来であれば、栽培されているものが同じものか否かということ、その判定について裁判に持ち込まれるものですけれども、今回の改正では農水大臣が特性表を見て判断しと変わるわけでして、その判断に対して異議があった場合は、その後どうなるのか、裁判で判定をすることになるのか、全くわからないという指摘がありました。
 また、過失か故意か。農家が知らずに栽培していた、過失であったというときには罰則は適用されずに済むのでしょうか。言いかえれば、故意だということを証明できなければ過失であって、農家は罰せられないということでよろしいですか。大臣にお尋ねいたします。
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野上浩太郎#25
○野上国務大臣 今般の改正案では、農林水産大臣が侵害が疑われる品種と品種登録審査において確認された登録品種の特徴を記録した特性表を比較しまして育成者権が及ぶ品種かどうかを判定する制度を措置しています。
 この判定の結果は農林水産大臣の所見ということにすぎず、法的拘束力があるということではありません。したがって、これまで同様、育成者権の侵害は訴訟を通じて判断することになりますが、改正後は、判定の結果が裁判の証拠として提出された場合には、この結果の妥当性については裁判所により改めて判断するということになります。
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亀井亜紀子#26
○亀井委員 そうですね、今伺った感想としては、裁判に提出をする、いわゆる権利侵害だという書類が一つ、大臣のお墨つきといいますか、一つ書類がふえたような形になるのかなというふうに思いました。
 今回の特性表の規定に関しては、やはり農家にかなり不安を与えている部分はあると思います。先日、参考人も、萎縮する効果があると思うというふうに述べておりましたので、やはりこの改正のところもかなり不安が残るということを申し上げて、時間ですので、終わりにしたいと思います。
 以上です。
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高鳥修一#27
○高鳥委員長 次に、佐々木隆博君。
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佐々木隆博#28
○佐々木(隆)委員 立憲民主党の佐々木でございます。
 この種苗法については、前回の通常国会のときからずっと私自身もかかわってまいりました。ある意味でようやく質問に立たせていただいたわけでありますが、数カ月、半年以上、ずっとこの議論をやっていても、なお不安が払拭できないという声がたくさんございます。そうした意味で、そうした不安にどう応えることができるのか、あるいはまだ足りないのか等々について、きょうは質問をさせていただきたいというふうに思います。三十分の時間を与えていただきましたが、ある意味では余り時間がありませんので、できるだけ端的にお答えをいただきたいというふうに思います。
 まず、自家増殖について、ずっと議論になってございますが、ここについてお伺いをいたします。
 自家増殖は原則禁止なのかどうかについて、理由等についてはこの後質問させていただきますので、端的に、禁止なのか、禁止でないのかについてお答えください。
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太田豊彦#29
○太田政府参考人 お答えいたします。
 今般の法改正は、自家増殖について、育成者権者の許諾に基づき行うこととするものであり、禁止をするものではありません。
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