国際経済・外交に関する調査会
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会
会議録情報#0
令和三年二月二十四日(水曜日)
午後一時開会
─────────────
委員の異動
二月十八日
辞任 補欠選任
丸川 珠代君 岩本 剛人君
二月十九日
辞任 補欠選任
岩本 剛人君 丸川 珠代君
二月二十二日
辞任 補欠選任
丸川 珠代君 森 まさこ君
─────────────
出席者は左のとおり。
会 長 鶴保 庸介君
理 事
今井絵理子君
柘植 芳文君
中西 祐介君
川田 龍平君
三浦 信祐君
柳ヶ瀬裕文君
上田 清司君
伊藤 岳君
委 員
朝日健太郎君
猪口 邦子君
小野田紀美君
二之湯 智君
森 まさこ君
山田 修路君
吉川ゆうみ君
小沼 巧君
熊谷 裕人君
田島麻衣子君
横沢 高徳君
里見 隆治君
高橋 光男君
高良 鉄美君
ながえ孝子君
事務局側
第一特別調査室
長 清野 和彦君
参考人
戸田建設株式会
社戦略事業推進
室浮体式洋上風
力発電事業部長 佐藤 郁君
丸紅洋上風力開
発株式会社代表
取締役社長 真鍋 寿史君
一般財団法人日
本船舶技術研究
協会会長 田中 誠一君
─────────────
本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国際経済・外交に関する調査
(「海を通じて世界とともに生きる日本」のう
ち、海洋環境をめぐる諸課題及び取組の在り方
並びに我が国が海洋立国として国際社会を牽引
するための取組と役割(洋上風力発電やゼロエ
ミッション船など脱炭素社会に向けた取組と課
題)について)
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この発言だけを見る →午後一時開会
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委員の異動
二月十八日
辞任 補欠選任
丸川 珠代君 岩本 剛人君
二月十九日
辞任 補欠選任
岩本 剛人君 丸川 珠代君
二月二十二日
辞任 補欠選任
丸川 珠代君 森 まさこ君
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出席者は左のとおり。
会 長 鶴保 庸介君
理 事
今井絵理子君
柘植 芳文君
中西 祐介君
川田 龍平君
三浦 信祐君
柳ヶ瀬裕文君
上田 清司君
伊藤 岳君
委 員
朝日健太郎君
猪口 邦子君
小野田紀美君
二之湯 智君
森 まさこ君
山田 修路君
吉川ゆうみ君
小沼 巧君
熊谷 裕人君
田島麻衣子君
横沢 高徳君
里見 隆治君
高橋 光男君
高良 鉄美君
ながえ孝子君
事務局側
第一特別調査室
長 清野 和彦君
参考人
戸田建設株式会
社戦略事業推進
室浮体式洋上風
力発電事業部長 佐藤 郁君
丸紅洋上風力開
発株式会社代表
取締役社長 真鍋 寿史君
一般財団法人日
本船舶技術研究
協会会長 田中 誠一君
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本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国際経済・外交に関する調査
(「海を通じて世界とともに生きる日本」のう
ち、海洋環境をめぐる諸課題及び取組の在り方
並びに我が国が海洋立国として国際社会を牽引
するための取組と役割(洋上風力発電やゼロエ
ミッション船など脱炭素社会に向けた取組と課
題)について)
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鶴
鶴保庸介#1
○会長(鶴保庸介君) ただいまから国際経済・外交に関する調査会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。
去る二十二日、丸川珠代君が委員を辞任され、その補欠として森まさこ君が選任されました。
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この発言だけを見る →委員の異動について御報告いたします。
去る二十二日、丸川珠代君が委員を辞任され、その補欠として森まさこ君が選任されました。
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鶴
鶴保庸介#2
○会長(鶴保庸介君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと思います。
理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと思います。
理事の選任につきましては、先例により、会長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
鶴
鶴
鶴保庸介#4
○会長(鶴保庸介君) 国際経済・外交に関する調査を議題といたします。
本日は、「海を通じて世界とともに生きる日本」のうち、「海洋環境をめぐる諸課題及び取組の在り方並びに我が国が海洋立国として国際社会を牽引するための取組と役割」に関し、「洋上風力発電やゼロエミッション船など脱炭素社会に向けた取組と課題」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席いただいております参考人は、戸田建設株式会社戦略事業推進室浮体式洋上風力発電事業部長佐藤郁君、丸紅洋上風力開発株式会社代表取締役社長真鍋寿史君及び一般財団法人日本船舶技術研究協会会長田中誠一君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げたいと思います。
本日は、御多忙のところ、またこの現在のコロナ禍の中、こうして御出席をいただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜り、今後の調査の参考にいたしていきたいと思いますので、闊達な御議論よろしくお願いをいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、佐藤参考人、真鍋参考人、田中参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず佐藤参考人からお願いいたします。佐藤参考人。
この発言だけを見る →本日は、「海を通じて世界とともに生きる日本」のうち、「海洋環境をめぐる諸課題及び取組の在り方並びに我が国が海洋立国として国際社会を牽引するための取組と役割」に関し、「洋上風力発電やゼロエミッション船など脱炭素社会に向けた取組と課題」について三名の参考人から御意見をお伺いした後、質疑を行います。
御出席いただいております参考人は、戸田建設株式会社戦略事業推進室浮体式洋上風力発電事業部長佐藤郁君、丸紅洋上風力開発株式会社代表取締役社長真鍋寿史君及び一般財団法人日本船舶技術研究協会会長田中誠一君でございます。
この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げたいと思います。
本日は、御多忙のところ、またこの現在のコロナ禍の中、こうして御出席をいただき、誠にありがとうございます。
皆様から忌憚のない御意見を賜り、今後の調査の参考にいたしていきたいと思いますので、闊達な御議論よろしくお願いをいたします。
次に、議事の進め方について申し上げます。
まず、佐藤参考人、真鍋参考人、田中参考人の順にお一人二十分程度で御意見をお述べいただき、その後、午後四時頃までを目途に質疑を行いますので、御協力をよろしくお願いいたします。
また、御発言の際は、挙手をしていただき、その都度、会長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。
なお、御発言は着席のままで結構でございます。
それでは、まず佐藤参考人からお願いいたします。佐藤参考人。
佐
佐藤郁#5
○参考人(佐藤郁君) では、御説明させていただきたいと思います。
資料がクリップ留めになっておると思いますが、A4横の資料と、その後ろにこういったパンフレットが幾つか入っていますので、後ほど御覧いただければと思います。
それと、ほかに、この「第九の波濤」という漫画本もお配りさせていただいていると思います。これは小学館の方から販売されているものですが、私ども一切お金払っていません。作者の方が私どもの取組に感銘を受けてというふうに前おっしゃっておられましたが、漫画の主題にしていただいて、特に地元の方、漁師さんの視点から、浮体式洋上風力発電、それと、それにまつわるいろんな事業についてまとめていただいております。先日、河野先生にもお渡しさせていただいたら読みましたよと言っていただけましたので、非常に読みやすい本になっておりますので、是非後ほど御覧いただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、資料に基づき説明させていただきたいと思います。
一ページ目をおめくりいただいて、二つ課題をいただいております。一つ目が、事業の概要及び事業を取り巻く現状、二つ目が、今後、事業を進めていく上での政策的な部分も含めた課題等ということです。
一つめくっていただきまして、まず課題の一、事業の概要及び事業を取り巻く現状について御説明させていただきたいと思います。内容は五つに分けております。
一つ目は、まず、日本における浮体式洋上風力発電への誤解を解きたい。いろいろ誤解があるようでして、いろんなお話が私の耳にも入ってきます。それを解きたい、是非ここの場で解かせていただきたいなと思っております。二つ目、なぜ、日本の風力発電産業が全て撤退したのか。三つ目、なぜ、日本は再エネ導入が進まないのか。四つ目、なぜ、信じてしまうのか。五つ目、では、日本の洋上風力は世界と戦えるのか。この観点から御説明させていただきたいと思います。
一つおめくりください。
課題一、まず、日本における浮体式洋上風力発電への誤解を解きたいということで、一つ目の誤解です。浮体式はまともに発電できないという話がいろんなところから聞かれます。これは多分、福島でやられていました事業の件での発言かなというふうに思うんですが、実は、福島でいろいろ実証されていましたが、私どもは五島の方でやらさせていただいていたんですけれども、設備利用率、つまり、一年間フルに発電したときにその風車がどれだけ発電できるか、それが一〇〇%だとしたときに、二十四時間三百六十五日フル発電したときを一〇〇%としたときに実際に発電できたのはどれだけですかというのが設備利用率になります。基本的には、この設備利用率、二つの要素で決まります。一つは風車の性能です。それからあと、系統の安定。例えば、今日も非常に晴天なので出力制限を受けているんですけれども、出力制限を受けると、その分設備利用率が下がります。三つ目が風です。風が吹かないところに風車を幾ら置いても設備利用率は上がりません。この設備利用率が、実は、福島のプロジェクト、こちらは実際に福島の報告書の方に書いてあったものですが、三・七%というふうに書いてあります。これをもって、まともに発電できないと言われている方がおられます。
ただ、実は、この右側、二メガワットの風車というのがあるんですね。そちらは非常に優秀で、風も十分に吹いていると。これも同じ報告書の中に書いてあるんですが、二メガワットの稼働率、設備利用率はおおむね商用水準であるというふうに書いています。ですので、浮体式はまともに発電できないというのは大きな間違いです。日本においても浮体式は十分に発電できることが、五島それから福島においても証明されております。
じゃ、何が悪いのか。それは、やはり風車が悪かったりとか浮体が悪かったりとか、それからマネジメントの問題、いろいろ原因はあるかと思います。ただ、それは技術の問題であって、日本というこの立地の問題ではありませんので、その部分をお分かりいただけると助かります。
二つ目の誤解です。浮体式は大型化ができない、こういうふうに言われることがあります。実際、この下の四つの写真がありますが、この二つの、右側ですね、が七メガワット、五メガワットという風車です。こちらもなかなか技術的な問題から発電が難しかったというふうに報告書の方には書いておりますが、実際のところ、この右の写真にありますように、欧州では既に八・四メガワットと、で、更にこれを超えるものについて実用化されています。実際にもう発電を始めています。ですから、大型化ができないわけではなくて、これはこの浮体だったりこの風車だったりの問題であって、浮体全般のものではございません。このことも御理解いただきたいと思います。
あと、誤解の三つ目、日本の浮体技術は遅れているというふうに言われる方もおります。実際に、このカーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略、十二月二十五日に発表されたものですが、こちらには、商用化を常に見据えながら、技術開発を加速化し、世界で戦える技術力を培っていく必要があるというふうにあります。
ただ、これは右側のものを見ていただきますと、これは行政改革推進会議で十二月九日に出された資料になります。スパー方式については、長崎五島の実証事業を経て商用段階に入っているというふうに書いています、私どもとしては有り難い話なんですが。つまり、技術が遅れているわけではなくて、国が商用化を認めた唯一の技術になりますが、このスパー方式については今世界のトップスリーに入っております。ですから、十把一からげで日本が遅れているというわけではないということを御理解いただければと思います。
実際に、次のページ御覧いただきたいと思いますが、浮体式の技術の現状です。左側にいろいろ絵が描いてありますが、これはカーボントラストというところが公表している資料になります。国旗がいろいろ一番左に並んでいますが、日本の国旗が四つもあります。ですから、日本の技術は決して遅れているわけではなくて、最先端を実は走っていました。ただ、この日本の国旗、上の三つはどれも撤退してしまったんですけれども。今、一番下の一つだけが残っていると。北九州で今やられているものに関しては、これ実はフランスの技術になります。
一番今世界で進んでいるのは、下から四番目にあります①と書いてあるノルウェーの技術です。これは私どもと同じスパー型を使っております。二番目がこの一番上にあるプリンシプルパワーというところが行っているものでして、これがアメリカのエンジニアリングになります。ちなみに、ここには東京ガスさんが二十五億円出資しております。ほかに、一番下になりますが、東京電力さんですね、こちらも、これはまだ実証の準備段階のある意味まだ卵の技術ではありますが、三〇%の出資をしております。
今、この技術開発の流れなんですが、一番上にありますように、研究、開発、事業化、産業化という形で分かれています。それぞれ、魔の川だったり死の谷だったりダーウィンの海だったり、恐ろしいものを越えていかなければいけないんですが、今この死の谷を越えたものが世界で四つの技術があります。さらに、この先、産業化、ダーウィンの海を越えていかなければいけないというところです。
右に黄色で書いてありますけれども、技術開発には大体十年掛かります。ですから、今実験室段階のものは多分二〇五〇年には間に合わないというふうに考えています。つまり、今後は、浮体をどうするかというところではなくて、更にその先、直流で送電をどうするかといったことが主戦場になっているのかなというふうに考えております。
次のページお願いします。
浮体式洋上風力発電の開発スケジュールです。先ほど十年掛かると言いましたが、これ私どもの開発になりますけれども、一番初めに実験始めたのが二〇〇七年になりまして、もう開発から十年以上たっております。やっと今実証が終わって商用化にたどり着いたというところで、これだけ時間が掛かるんだなということを御理解いただければなと思います。
次のページ御覧ください。
なぜ、日本の風力発電産業が全て撤退したのかというところです。答えは、産業化に至らなかったというところです。つまり、実証まで、この右の魔の川、死の谷、ダーウィンの海がありますけれども、死の谷は越えたんです。ただ、ダーウィンの海が越えられなかったわけですね。その理由は何かというと、台風とか地震とか系統制約とかですね、いろんな規制が原因です。つまり、大量生産にならなかったということです。
ちなみに、左側の答えの下にありますけれども、二〇一九年の単年の導入量です。欧米三社、これ下のグラフから読み取ったものですが、欧米三社は二万八千メガワット、これで、三社でシェア四五%占めているわけですが、の導入があります。でも、これ日本全体で実は二百七十メガワットしかないんですね。一%未満です。累積、今まで入れた風車を全部合わせても四千メガワットぐらいです。これではやはり産業化はできません。
ですから、トヨタの車が世界をリードしているのは、日本に市場があって、その市場を基に成長して、それを世界に売っている。世界で売れることによって、我々は更に安くていい技術を持って、安全な技術を持って利用することができる。それをこの風力発電においてもやっていけば、ダーウィンの海さえ越えられれば、次のアクションができるかなというところです。
次のページお願いします。
なぜ、日本は再エネ導入が進まないのか。これは簡単です。電気が足りています。停電はめったに起こりません。発電所が足りているからですね。
ここを一つ仮定をします。もし、電力会社の社長さんが日本の将来なんてどうでもいいというふうに思っていたら、どういうふうに考えるだろうなと思って想像してみました。
一、日本の電気は足りている。風力発電所、太陽光発電所が増える。既存の発電所を止めなくてはならない。そうですね、多過ぎますね。そうすると、火力発電所の稼働率が落ちます。運転しなくてよくなります。発電単価が上がります。発電しないと、原油は使わないのでコスト掛からないように見えますけれども、固定資産だとかいろんなコストが掛かります、維持管理が掛かります。原油が上がっても価格に転嫁できるので余り懐が痛まないんですけれども、稼働率が下がると、それは懐が痛むわけですね。つまり、利益が減ります。今の経営者が困ります。困るとどうするか。あらゆる手段で妨害するでしょう。再エネは不安定になるとか浮体は技術が駄目だとか、いろんなことを言い始めます。そうすると、再エネの市場形成が遅れます。そうすると、産業化ができないのでコストが高いままになります。需要がないから産業が育たない、国内の産業がなくなる。主力電源として問題だ。設備投資を先送り。つまり、電力会社は設備投資を先送りしますので、目先の利益が上がります。日本の将来よりも自分のボーナス、退職金と。いつかは崩壊すると分かっているが、そのときは自分は社長じゃないよ。日本の将来なんてどうでもいい。もし電力会社の社長さんに、こういう人はいないと思いますけれども、こういう人がいたらこういうことを考えるんじゃないのかなという想像です。
次、お願いします。
じゃ、なぜ、そういうことを信じてしまうのか。それは簡単です。だまそうと思っていないからです。そう信じているからですね。
例えば、再エネが入ると調整力が大変だというふうな話があります。調整力というのは発電を減らせる速度なんですね。ピークの対応ではありません。そうすると、調整力が一番低いのは石炭火力、その後、火力があって風力があります。じゃ、もうかるのはどれというと、石炭火力、一番もうかります。火力は、燃料の分だけ値段を上げられますので損しません。でも、風力は、増えれば増えるほど稼働率が、火力発電所の稼働率が下がりますので損します。そうすると、ベース電源というのは何かというと、本来、調整困難電源であるはずのものです。つまり、風力発電も、調整が難しいということであれば、本来であれば調整として使わなければいけない話ですが、なかなかそれができていないということです。まあ、これ、実際何でできないのということなんですね。ヨーロッパはやっています。日本の技術者、そんなに能力低いんですか。そんなことはないと思います。
次に、電気代が高くなって産業競争力が落ちるという話もあります。でも、電気代の割合というのは全産業平均でたった一・七%です。最大でも鉄鋼の四・五%です。鉄鋼価格の変化は電気代に関係なく三〇〇%も乱高下しているんですね。これも何か違うなというところです。
大量の蓄電池が必要になるという人もいます。蓄電するには当然発電しなきゃいけません。充電効率も悪くなります。増設ではなく、ピークだけEVの電源を使えばいいんじゃないのという形も考えている人もいます。発電機を止める方が圧倒的に安いんですね、蓄電池を入れるよりも。一か月止めてもたった八%です。コストにして一円から二円です。ですから、たくさんつくって止める。もちろん、火力発電所も、止まっている火力発電所たくさんあります。それがいいのかなというところです。
次のページですね、こちらが先ほどの数字の根拠になりますので、後ほど御覧いただければと思います。
十二ページ御覧ください。
こちらにも書いてありますが、再エネは電気代を安定させる方向に働きます。それから、洋上風力発電は電気代を下げる方向に働きます。
次のページ御覧ください。
こちらも御覧いただければいいと思いますが、こういう先生方もなかなか違った話をされるのかなと。
それから、十五ページは、これは電力中央研究所の資料になりますが、こちらも何か違った資料を使っているのかなというふうなところが見受けられます。
十六ページ御覧ください。
では、日本の洋上風力は世界と戦えるのかという部分です。答え、浮体式であればまだ十分戦えます。これはなぜかというと、これ、今御覧いただいているのがIEAというところが出している資料になりますが、表の真ん中の欄が着床式、右側の欄が浮体式になります。ニアショアと書いてあるのは比較的陸地に近いところ。イギリスでは、もう既に離岸距離が百キロ以上のところで発電をしています。当たり前のように発電をしています。それに比べると六十キロというのは比較的近いんですけれども、日本の場合はすぐに海が深くなりますので、今回は六十キロにしております。
この六十キロで見ても、例えばアメリカは着床と浮体式が拮抗しています。東海岸が着床式で、西海岸が浮体式になるだろうと。ヨーロッパ、ヨーロッパは実は着床よりも浮体式の方が圧倒的に多いんですね。アフリカもそうです。中国は意外に、着床はあるんですけど浮体が少ないんですね。じゃ、韓国はどうか。日本の六分の一しかありません。そう考えると、この二千という数字のある日本の浮体式の市場は非常に大きいものです。
ですから、右側に書いてありますが、日本の浮体式は欧州の着床式に匹敵します。欧州並みの産業化が可能です。今のヨーロッパ、風力が進んでいるというふうに思われるかもしれませんが、浮体式であれば日本は欧州並みの市場をつくれるポテンシャルを持っているということを御理解いただけるかと思います。
課題の二つ目。今後、事業を進めていく上での政策的な部分も含めた課題等ということで、三つについて御説明させていただきます。
一つ目、次のページを御覧ください。十八ページですね。日本の風力発電産業が世界と戦うための三つの要素というのを考えてみました。
一つは、耐台風ですね。欧州には台風がありません。つまり、風力発電の先進国には台風がないんですね。ただ、先ほど見ていただいたように、世界の市場を見ますと、欧州以外のところがたくさんあります。そういうところは台風が来るわけですね、台風、ハリケーンですね。その他、やはり温帯、熱帯の異常な気象というのがあります。日本は台風が多くて、既に十年の実証を経て実用化をしています。ここは大きな要素になるだろうなというふうに思います。ヨーロッパの人たちが、風車がですね、日本に持ってきて、じゃ、これから台風のテストをしましょうとなると、また十年掛かるわけです。そういう意味で、日本は一日の長があると。
次に、低風速ですね。つまり、地球の極地はすごく風がよく吹きます。南極、北極の近くですね、風が強いんですが、残念ながら、我々が住んでいるこの日本、中緯度それから低緯度の部分については余り大きな常時風が吹く場所ではありません。でも、そこでも風車、風力は入れていかなければいけないと。ブレードを長くすれば効率は上がるんです。でも、腕が長くなると折れやすくなります、台風でですね。そこが日本の技術の見せどころかなというふうに考えています。
最後、量産化ですね。日本は、自動車産業で培った量産化とサプライチェーンがあります。航空機産業もあります。ですので、こういったところを十分に活用していく必要があるかなというふうに考えております。
二つ目。世界の脱炭素化に貢献するための二つのシナリオを考えてみました。一つは国内先行型、左手側です。二つ目が国内市場の配慮型ですね。
どちらがいいかというところですが、三つ目、次のページ御覧ください。
シナリオ一、これが日本が選択すべき道ではないかなというふうに考えています。早期に、例えば二〇二五年に一ギガワットの系統と海域を用意して、世界最大の浮体式の風力発電所を造ります。この技術を世界に売っていくと。それは排他的経済水域を使う必要があるでしょう。ただ、排他的経済水域の面積は世界第六位になります。この日本の優れた環境、海洋環境を生かして、それで世界に打って出る、それは十分に競争力があるということで締めさせていただきたいと思います。
以上で終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →資料がクリップ留めになっておると思いますが、A4横の資料と、その後ろにこういったパンフレットが幾つか入っていますので、後ほど御覧いただければと思います。
それと、ほかに、この「第九の波濤」という漫画本もお配りさせていただいていると思います。これは小学館の方から販売されているものですが、私ども一切お金払っていません。作者の方が私どもの取組に感銘を受けてというふうに前おっしゃっておられましたが、漫画の主題にしていただいて、特に地元の方、漁師さんの視点から、浮体式洋上風力発電、それと、それにまつわるいろんな事業についてまとめていただいております。先日、河野先生にもお渡しさせていただいたら読みましたよと言っていただけましたので、非常に読みやすい本になっておりますので、是非後ほど御覧いただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、資料に基づき説明させていただきたいと思います。
一ページ目をおめくりいただいて、二つ課題をいただいております。一つ目が、事業の概要及び事業を取り巻く現状、二つ目が、今後、事業を進めていく上での政策的な部分も含めた課題等ということです。
一つめくっていただきまして、まず課題の一、事業の概要及び事業を取り巻く現状について御説明させていただきたいと思います。内容は五つに分けております。
一つ目は、まず、日本における浮体式洋上風力発電への誤解を解きたい。いろいろ誤解があるようでして、いろんなお話が私の耳にも入ってきます。それを解きたい、是非ここの場で解かせていただきたいなと思っております。二つ目、なぜ、日本の風力発電産業が全て撤退したのか。三つ目、なぜ、日本は再エネ導入が進まないのか。四つ目、なぜ、信じてしまうのか。五つ目、では、日本の洋上風力は世界と戦えるのか。この観点から御説明させていただきたいと思います。
一つおめくりください。
課題一、まず、日本における浮体式洋上風力発電への誤解を解きたいということで、一つ目の誤解です。浮体式はまともに発電できないという話がいろんなところから聞かれます。これは多分、福島でやられていました事業の件での発言かなというふうに思うんですが、実は、福島でいろいろ実証されていましたが、私どもは五島の方でやらさせていただいていたんですけれども、設備利用率、つまり、一年間フルに発電したときにその風車がどれだけ発電できるか、それが一〇〇%だとしたときに、二十四時間三百六十五日フル発電したときを一〇〇%としたときに実際に発電できたのはどれだけですかというのが設備利用率になります。基本的には、この設備利用率、二つの要素で決まります。一つは風車の性能です。それからあと、系統の安定。例えば、今日も非常に晴天なので出力制限を受けているんですけれども、出力制限を受けると、その分設備利用率が下がります。三つ目が風です。風が吹かないところに風車を幾ら置いても設備利用率は上がりません。この設備利用率が、実は、福島のプロジェクト、こちらは実際に福島の報告書の方に書いてあったものですが、三・七%というふうに書いてあります。これをもって、まともに発電できないと言われている方がおられます。
ただ、実は、この右側、二メガワットの風車というのがあるんですね。そちらは非常に優秀で、風も十分に吹いていると。これも同じ報告書の中に書いてあるんですが、二メガワットの稼働率、設備利用率はおおむね商用水準であるというふうに書いています。ですので、浮体式はまともに発電できないというのは大きな間違いです。日本においても浮体式は十分に発電できることが、五島それから福島においても証明されております。
じゃ、何が悪いのか。それは、やはり風車が悪かったりとか浮体が悪かったりとか、それからマネジメントの問題、いろいろ原因はあるかと思います。ただ、それは技術の問題であって、日本というこの立地の問題ではありませんので、その部分をお分かりいただけると助かります。
二つ目の誤解です。浮体式は大型化ができない、こういうふうに言われることがあります。実際、この下の四つの写真がありますが、この二つの、右側ですね、が七メガワット、五メガワットという風車です。こちらもなかなか技術的な問題から発電が難しかったというふうに報告書の方には書いておりますが、実際のところ、この右の写真にありますように、欧州では既に八・四メガワットと、で、更にこれを超えるものについて実用化されています。実際にもう発電を始めています。ですから、大型化ができないわけではなくて、これはこの浮体だったりこの風車だったりの問題であって、浮体全般のものではございません。このことも御理解いただきたいと思います。
あと、誤解の三つ目、日本の浮体技術は遅れているというふうに言われる方もおります。実際に、このカーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略、十二月二十五日に発表されたものですが、こちらには、商用化を常に見据えながら、技術開発を加速化し、世界で戦える技術力を培っていく必要があるというふうにあります。
ただ、これは右側のものを見ていただきますと、これは行政改革推進会議で十二月九日に出された資料になります。スパー方式については、長崎五島の実証事業を経て商用段階に入っているというふうに書いています、私どもとしては有り難い話なんですが。つまり、技術が遅れているわけではなくて、国が商用化を認めた唯一の技術になりますが、このスパー方式については今世界のトップスリーに入っております。ですから、十把一からげで日本が遅れているというわけではないということを御理解いただければと思います。
実際に、次のページ御覧いただきたいと思いますが、浮体式の技術の現状です。左側にいろいろ絵が描いてありますが、これはカーボントラストというところが公表している資料になります。国旗がいろいろ一番左に並んでいますが、日本の国旗が四つもあります。ですから、日本の技術は決して遅れているわけではなくて、最先端を実は走っていました。ただ、この日本の国旗、上の三つはどれも撤退してしまったんですけれども。今、一番下の一つだけが残っていると。北九州で今やられているものに関しては、これ実はフランスの技術になります。
一番今世界で進んでいるのは、下から四番目にあります①と書いてあるノルウェーの技術です。これは私どもと同じスパー型を使っております。二番目がこの一番上にあるプリンシプルパワーというところが行っているものでして、これがアメリカのエンジニアリングになります。ちなみに、ここには東京ガスさんが二十五億円出資しております。ほかに、一番下になりますが、東京電力さんですね、こちらも、これはまだ実証の準備段階のある意味まだ卵の技術ではありますが、三〇%の出資をしております。
今、この技術開発の流れなんですが、一番上にありますように、研究、開発、事業化、産業化という形で分かれています。それぞれ、魔の川だったり死の谷だったりダーウィンの海だったり、恐ろしいものを越えていかなければいけないんですが、今この死の谷を越えたものが世界で四つの技術があります。さらに、この先、産業化、ダーウィンの海を越えていかなければいけないというところです。
右に黄色で書いてありますけれども、技術開発には大体十年掛かります。ですから、今実験室段階のものは多分二〇五〇年には間に合わないというふうに考えています。つまり、今後は、浮体をどうするかというところではなくて、更にその先、直流で送電をどうするかといったことが主戦場になっているのかなというふうに考えております。
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浮体式洋上風力発電の開発スケジュールです。先ほど十年掛かると言いましたが、これ私どもの開発になりますけれども、一番初めに実験始めたのが二〇〇七年になりまして、もう開発から十年以上たっております。やっと今実証が終わって商用化にたどり着いたというところで、これだけ時間が掛かるんだなということを御理解いただければなと思います。
次のページ御覧ください。
なぜ、日本の風力発電産業が全て撤退したのかというところです。答えは、産業化に至らなかったというところです。つまり、実証まで、この右の魔の川、死の谷、ダーウィンの海がありますけれども、死の谷は越えたんです。ただ、ダーウィンの海が越えられなかったわけですね。その理由は何かというと、台風とか地震とか系統制約とかですね、いろんな規制が原因です。つまり、大量生産にならなかったということです。
ちなみに、左側の答えの下にありますけれども、二〇一九年の単年の導入量です。欧米三社、これ下のグラフから読み取ったものですが、欧米三社は二万八千メガワット、これで、三社でシェア四五%占めているわけですが、の導入があります。でも、これ日本全体で実は二百七十メガワットしかないんですね。一%未満です。累積、今まで入れた風車を全部合わせても四千メガワットぐらいです。これではやはり産業化はできません。
ですから、トヨタの車が世界をリードしているのは、日本に市場があって、その市場を基に成長して、それを世界に売っている。世界で売れることによって、我々は更に安くていい技術を持って、安全な技術を持って利用することができる。それをこの風力発電においてもやっていけば、ダーウィンの海さえ越えられれば、次のアクションができるかなというところです。
次のページお願いします。
なぜ、日本は再エネ導入が進まないのか。これは簡単です。電気が足りています。停電はめったに起こりません。発電所が足りているからですね。
ここを一つ仮定をします。もし、電力会社の社長さんが日本の将来なんてどうでもいいというふうに思っていたら、どういうふうに考えるだろうなと思って想像してみました。
一、日本の電気は足りている。風力発電所、太陽光発電所が増える。既存の発電所を止めなくてはならない。そうですね、多過ぎますね。そうすると、火力発電所の稼働率が落ちます。運転しなくてよくなります。発電単価が上がります。発電しないと、原油は使わないのでコスト掛からないように見えますけれども、固定資産だとかいろんなコストが掛かります、維持管理が掛かります。原油が上がっても価格に転嫁できるので余り懐が痛まないんですけれども、稼働率が下がると、それは懐が痛むわけですね。つまり、利益が減ります。今の経営者が困ります。困るとどうするか。あらゆる手段で妨害するでしょう。再エネは不安定になるとか浮体は技術が駄目だとか、いろんなことを言い始めます。そうすると、再エネの市場形成が遅れます。そうすると、産業化ができないのでコストが高いままになります。需要がないから産業が育たない、国内の産業がなくなる。主力電源として問題だ。設備投資を先送り。つまり、電力会社は設備投資を先送りしますので、目先の利益が上がります。日本の将来よりも自分のボーナス、退職金と。いつかは崩壊すると分かっているが、そのときは自分は社長じゃないよ。日本の将来なんてどうでもいい。もし電力会社の社長さんに、こういう人はいないと思いますけれども、こういう人がいたらこういうことを考えるんじゃないのかなという想像です。
次、お願いします。
じゃ、なぜ、そういうことを信じてしまうのか。それは簡単です。だまそうと思っていないからです。そう信じているからですね。
例えば、再エネが入ると調整力が大変だというふうな話があります。調整力というのは発電を減らせる速度なんですね。ピークの対応ではありません。そうすると、調整力が一番低いのは石炭火力、その後、火力があって風力があります。じゃ、もうかるのはどれというと、石炭火力、一番もうかります。火力は、燃料の分だけ値段を上げられますので損しません。でも、風力は、増えれば増えるほど稼働率が、火力発電所の稼働率が下がりますので損します。そうすると、ベース電源というのは何かというと、本来、調整困難電源であるはずのものです。つまり、風力発電も、調整が難しいということであれば、本来であれば調整として使わなければいけない話ですが、なかなかそれができていないということです。まあ、これ、実際何でできないのということなんですね。ヨーロッパはやっています。日本の技術者、そんなに能力低いんですか。そんなことはないと思います。
次に、電気代が高くなって産業競争力が落ちるという話もあります。でも、電気代の割合というのは全産業平均でたった一・七%です。最大でも鉄鋼の四・五%です。鉄鋼価格の変化は電気代に関係なく三〇〇%も乱高下しているんですね。これも何か違うなというところです。
大量の蓄電池が必要になるという人もいます。蓄電するには当然発電しなきゃいけません。充電効率も悪くなります。増設ではなく、ピークだけEVの電源を使えばいいんじゃないのという形も考えている人もいます。発電機を止める方が圧倒的に安いんですね、蓄電池を入れるよりも。一か月止めてもたった八%です。コストにして一円から二円です。ですから、たくさんつくって止める。もちろん、火力発電所も、止まっている火力発電所たくさんあります。それがいいのかなというところです。
次のページですね、こちらが先ほどの数字の根拠になりますので、後ほど御覧いただければと思います。
十二ページ御覧ください。
こちらにも書いてありますが、再エネは電気代を安定させる方向に働きます。それから、洋上風力発電は電気代を下げる方向に働きます。
次のページ御覧ください。
こちらも御覧いただければいいと思いますが、こういう先生方もなかなか違った話をされるのかなと。
それから、十五ページは、これは電力中央研究所の資料になりますが、こちらも何か違った資料を使っているのかなというふうなところが見受けられます。
十六ページ御覧ください。
では、日本の洋上風力は世界と戦えるのかという部分です。答え、浮体式であればまだ十分戦えます。これはなぜかというと、これ、今御覧いただいているのがIEAというところが出している資料になりますが、表の真ん中の欄が着床式、右側の欄が浮体式になります。ニアショアと書いてあるのは比較的陸地に近いところ。イギリスでは、もう既に離岸距離が百キロ以上のところで発電をしています。当たり前のように発電をしています。それに比べると六十キロというのは比較的近いんですけれども、日本の場合はすぐに海が深くなりますので、今回は六十キロにしております。
この六十キロで見ても、例えばアメリカは着床と浮体式が拮抗しています。東海岸が着床式で、西海岸が浮体式になるだろうと。ヨーロッパ、ヨーロッパは実は着床よりも浮体式の方が圧倒的に多いんですね。アフリカもそうです。中国は意外に、着床はあるんですけど浮体が少ないんですね。じゃ、韓国はどうか。日本の六分の一しかありません。そう考えると、この二千という数字のある日本の浮体式の市場は非常に大きいものです。
ですから、右側に書いてありますが、日本の浮体式は欧州の着床式に匹敵します。欧州並みの産業化が可能です。今のヨーロッパ、風力が進んでいるというふうに思われるかもしれませんが、浮体式であれば日本は欧州並みの市場をつくれるポテンシャルを持っているということを御理解いただけるかと思います。
課題の二つ目。今後、事業を進めていく上での政策的な部分も含めた課題等ということで、三つについて御説明させていただきます。
一つ目、次のページを御覧ください。十八ページですね。日本の風力発電産業が世界と戦うための三つの要素というのを考えてみました。
一つは、耐台風ですね。欧州には台風がありません。つまり、風力発電の先進国には台風がないんですね。ただ、先ほど見ていただいたように、世界の市場を見ますと、欧州以外のところがたくさんあります。そういうところは台風が来るわけですね、台風、ハリケーンですね。その他、やはり温帯、熱帯の異常な気象というのがあります。日本は台風が多くて、既に十年の実証を経て実用化をしています。ここは大きな要素になるだろうなというふうに思います。ヨーロッパの人たちが、風車がですね、日本に持ってきて、じゃ、これから台風のテストをしましょうとなると、また十年掛かるわけです。そういう意味で、日本は一日の長があると。
次に、低風速ですね。つまり、地球の極地はすごく風がよく吹きます。南極、北極の近くですね、風が強いんですが、残念ながら、我々が住んでいるこの日本、中緯度それから低緯度の部分については余り大きな常時風が吹く場所ではありません。でも、そこでも風車、風力は入れていかなければいけないと。ブレードを長くすれば効率は上がるんです。でも、腕が長くなると折れやすくなります、台風でですね。そこが日本の技術の見せどころかなというふうに考えています。
最後、量産化ですね。日本は、自動車産業で培った量産化とサプライチェーンがあります。航空機産業もあります。ですので、こういったところを十分に活用していく必要があるかなというふうに考えております。
二つ目。世界の脱炭素化に貢献するための二つのシナリオを考えてみました。一つは国内先行型、左手側です。二つ目が国内市場の配慮型ですね。
どちらがいいかというところですが、三つ目、次のページ御覧ください。
シナリオ一、これが日本が選択すべき道ではないかなというふうに考えています。早期に、例えば二〇二五年に一ギガワットの系統と海域を用意して、世界最大の浮体式の風力発電所を造ります。この技術を世界に売っていくと。それは排他的経済水域を使う必要があるでしょう。ただ、排他的経済水域の面積は世界第六位になります。この日本の優れた環境、海洋環境を生かして、それで世界に打って出る、それは十分に競争力があるということで締めさせていただきたいと思います。
以上で終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。
鶴
真
真鍋寿史#7
○参考人(真鍋寿史君) 本日は、このような機会をいただきまして、ありがとうございます。丸紅洋上風力開発株式会社の真鍋と申します。本日はよろしくお願いいたします。
では、お手元の資料に沿って説明をさせていただきたいと思います。
まずは、私どもの親会社であります丸紅、総合商社でございまして、いろいろ事業をさせていただいております。
二ページ目が概要、組織の概要でございまして、営業としては、真ん中辺りになりますけれども、六グループ十四本部制を取っておりまして、我々は電力本部、電力事業をさせていただいております。
過去、様々な発電所に投資をさせていただいておりまして、その概要が三ページ目、世界中でネット持分容量で約十二ギガワット相当の発電所を今維持運営をさせていただいております。
四ページ目が国内ですね。国内市場はまだ小さな市場のアセットになりますけれども、約五百メガワット相当のネット持分容量を保有させていただいております。主には、太陽光、並びに、小社の特徴であるんですけれども、水力、小水力を結構歴史的に長くやらせていただいております。
続きまして、五ページ目が、風力で我々どういったことをやってきているかということを簡単にまとめております。これ、全てではないんですけれども、赤枠が陸上風力で、青いボックスが洋上風力になります。
洋上風力に関して御説明いたしますと、英国ですね、イギリスの二件、左上の方にございますが、ガンフリートサンズということとウエスタモストラフ、この二件をデンマークのオーステッド、旧ドンエナジーですね、と一緒に市場に参画しまして、このガンフリートサンズの方に関しましては二〇一〇年に商業運転開始ということで、もう既に十年以上前に運転開始しているアセットでございます。こちらが日本企業としては欧州の洋上風力に関しまして初めて参画をした事例でございます。
続きまして、国内の方なんですけれども、先ほど佐藤様の方からも話がありました福島県の浮体式洋上風力の実証事業、こちらは経済産業省様の補助金をいただいておりますが、この福島、並びに北九州、こちらはNEDOの御支援をいただきまして、今実証に取り組んでおります。こちら、先ほど佐藤さんの方の話にもありました浮体式、両実証とも浮体式の洋上風力でございます。それから、東北の方ですね、秋田県、秋田能代の方で今着床式の洋上風力の建設を始めておりまして、こちらが昨年建設開始、二〇二二年ですので、来年の末に商業運転開始ということで、今、当社の方で取組をさせていただいております。
その時系列が六ページ目の方に簡単にまとめてございます。
二〇一三年、震災後ですね、福島復興のシンボルということで福島沖に、約二十キロですね、二十キロ沖合に洋上風力発電所を建設を始めておりまして、約八年ぐらいオペレーションをしております。こちら、正直、今、佐藤様の方から話がありましたように、いろいろ技術的な困難さもございまして苦労しているんですけれども、今御説明いただいたように、日本で浮体式ができないというわけではなくて、いろいろ実証ならではの問題もあって難しさが直面したんですけれども、我々としては、これ後ほどもございますが、今回この福島での経験でいろいろ学びもありましたので、これを是非生かして、今後、国内外の浮体式洋上風力の拡大に努めていきたいと考えております。
それから、二〇一九年ですが、北九州響灘沖合に、これ右下の方にございますが、三メガワット機の風車、これヨーロッパ製、ドイツ製になりますけれども、の風車を浮かべて今オペレーションをしております。
それから、二〇二〇年が先ほどの秋田県の工事でございます。
秋田の方の詳細が七ページ目でございます。こちらは港湾区域ということで、秋田県の二つの港、秋田港と能代港、この二つのサイトで合計百四十メガワットの着床式の洋上風力発電所を今建設をしております。こちら二〇一五年に秋田県の方から採択をいただきまして、約五年間開発に時間を掛けて昨年から建設をしているということで、商業ベースで考えますとこちらが日本初の洋上風力発電所でございます。現在、商業ベースで建設が始まっているのは国内ではこの一件のみでございます。
八ページ目が、簡単ではございますが、丸紅の洋上風力の取組でございまして、ちょっと守秘義務の関係で全部は出せないんですけれども、秋田能代に続いて、我々は、しっかりと国内の洋上風力の拡大、再エネの拡大に努めていきたいと考えておりまして、一部公開しているものでございますが、山形や北海道の方でも是非その機会をつかみたいと考えております。あとは、一番下になりますが、スコットランドですね。ヨーロッパの方ではもう着床式から浮体式に主戦場が移りつつありまして、我々もヨーロッパのプレーヤーと一緒に、このスコットランド沖では、ほぼ大半が浮体式の海域で、商業ベースで大規模に取り組んでいきたいと考えております。
あとは、九ページ目、関連ビジネスになりますけれども、洋上風力、海の上に風車を設置するため、船が必要となります。
次の田中委員の方がこちらの専門であられると思いますので、我々の方は簡単に御説明させていただきますが、ヨーロッパ、イギリスのこういった洋上風力用の船五隻を持っているシージャックス社に二〇一二年に私ども出資を参画しておりまして、この洋上風力の建設工事の部分も携わらせていただいているというところでございます。
こういった約十年強の取組を踏まえて、私ども丸紅グループとしては、洋上風力専門で取り組んでいこうということで、手前みそで恐縮ですけれども、昨年、この丸紅洋上風力開発という会社をつくらせていただきました。おかげさまで、経済産業省様、国土交通省様に大変野心的なビジョンも見せていただきまして、日本でも、二〇三〇年までに十ギガワット、二〇四〇年までに三十から四十五ギガワットという目標をセットしていただきまして、我々もそれに取り組んでいるというところでございます。
ちょっと手前みそになりますけれども、十二ページ目からちょっと数ページ、我々がどういったことを注意して洋上風力に取り組んでいるのかというのを説明した上で、最後、我々が直面している様々な課題だとか今後の方向性につきまして、少し意見を述べさせていただきたいと思います。
まず一点目、十二ページになりますけれども、EPCでございます。
EPC、業界用語かもしれませんけれども、いわゆる建設工事でございます。洋上ですので、文字どおり海の上で工事をするということで、陸上風力とはレベルの違う難しさがございます。一つの事故が重大事故、死亡事故につながるということで、これ、ヨーロッパの方でもその黎明期には非常に多くの事故が起こっておりまして、当然、当然といいますか、残念ながら命を落とされている方もいらっしゃるかと聞いております。こういったことを国内で絶対に起こさないように、我々としては、今、秋田能代で建設を始めておりますけれども、きっちりとした安全管理、工程管理を組みまして、洋上の工事に関しましてはスケジュールをしっかり組むということが非常に重要になっております。
非常に分かりやすい例でいきますと、例えば一つの部品を忘れてきちゃったというケース、工事だとあり得るんですけれども、陸上であれば、そのパーツを、忘れてきたものを取りに行ってトラックで運べば一日、二日の遅れで済むんですけれども、洋上の場合、船がもう出ていってしまっている、そのときに、物がない、あるいは壊れてしまったとなると、その手配に数日、物自体はすぐ手配できても、その間、船を待たせてしまうと。これ、事業者目線で船を待たせるということは致命的でございまして、この船、一日当たり一千万円以上、数千万円のコストが掛かります。そうすると、十日、例えば一千万円で十日掛かると、それだけでコストが一億円発生するわけです。そのぐらいこの洋上の工事というものはシビアにつくらないといけない、安全上も工程上もシビアにつくらないといけないと。
プラス、戸田建設さんのように非常に御実績のある会社さんもいらっしゃいますけれども、まだまだ日本の国内にはこの洋上の工事にたけた建設会社さんが余り多くないと。これは歴史的に、ヨーロッパと違って、オイル・アンド・ガスの産業が元々国内になかったということが大きいです。そのため、この洋上風力の工事、一括で全部やるということができるスーパーゼネコンさん、ゼネコンさんというか、そういった企業さんがなかなかまだ多くないということが実態とありまして、そういったことも踏まえて、事業者側、当社の場合は我々になりますけれども、事業者側がこの部分のリスクをある程度取らないといけないというのが実態がございます。そういった実態も踏まえまして、こういった工程のパッケージが幾つかに分かれて、それをマネージする能力が問われるということがあります。
我々は、国内でやってきたこと、並びに先ほどの船をもってヨーロッパでもこういった建設オペレーションをやってきたということで、経験者、知見がある者をプロジェクトに投入してマネージをさせていただいております。
続きまして、十三ページ目ですが、施工管理、運営になります。いわゆるオペレーションですね。建設した後、オペレーションをする必要がございます。
こちらは福島沖の洋上の変電所でございます。そちらに船で実際にアクセスしてメンテナンス等を行うわけですけれども、我々ここのオペレーションを約八年ぐらいやってきたということで、これなかなか御理解いただくのが難しいかもしれませんけれども、これ船一つにしても、国内になかなかない船なんですね。船からこの設備に乗り移るのも、普通であればできるだろうと思われるかもしれませんけれども、これ波があって揺れています。向こう側の発電設備の方も揺れているので、これきっちりと固定しないと人が乗り移るときに最悪落下してしまうということもあります。落下すると、これはもう残念ながら命は助かりません。
そういったこともあって、どのように発電設備に船を接岸するのか、船の仕様はとか接岸の補助設備の形状はどうするかとか、そういったことを非常に細かく設計をしていかないとこのオペレーションもままならないということで、我々はやっぱり五年以上これをやってきて、いろんなことを経験して、オペレーションの観点から設計に反映させていかなきゃいけないこともたくさんあります。そういった経験、知見を今後にも生かしていきたいと考えています。
それから、十四ページ目がファイナンスです。
先ほどの秋田県のプロジェクトは、公表されておりますけれども、プロジェクトコストが総額で大体一千億円でございます。これから国内でもかなり多くの大型の案件が予定されておりまして、その一案件当たりのコストが大体二千億とか数千億円というプロジェクトサイズになってきます。そうしますと、全てが事業者側の自己資金でやるのは到底難しくて、やはり金融機関さんの御支援をいただきながらこのプロジェクトファイナンスを組むというのが一般的なやり方になります。
我々はこのプロジェクトで初めてプロジェクトファイナンスを組むことができたわけですけれども、やはりレンダーさん、金融機関さんに、プロジェクトの八割から七割、大半のリスクを取っていただく以上、しっかりとしたプロジェクトをつくり上げていかなきゃいけないということで、これは日本国内にとっても大きなチャレンジでありますし、我々もしっかりとこの秋田の経験を生かして、次の案件ではより良い条件で、より条件のいい資金調達をしていきたいと考えております。
それから、十五ページ目が漁業との協調ですね。
これはもう、洋上風力に限らず、再エネをやる限りは、地元の皆様との協調、共存共栄というのが非常に重要になってまいります。洋上風力に関しましては特に漁業者の皆様の御理解が必要だということで、我々は、国内では福島、北九州、秋田県秋田港、能代港、この三か所で洋上風力をやらせていただいている中で、全て漁業者様との調整は我々でやらせていただいてきております。
当然難しい局面も多々ありますけれども、しっかりとそこは先方様の目線、立場に立って、この洋上風力のメリット、地元に還元できる内容だとかを丁寧に御説明をして、しっかりと同意を取り付けてくるということが大事でありましたし、今後もそういったことを生かして取り組んでいきたいと思います。
最後になりましたが、洋上風力の目標、課題を簡単にまとめさせていただいております。
こちらは、先生方で御存じの方もいらっしゃると思うんですけれども、昨年の七月に経済産業大臣と国土交通大臣を中心とした洋上風力の官民協議会というものが立ち上がっております。これは、文字どおり、官、この二つの省、並びに民間事業者の代表が一堂に会しまして、洋上風力の目標だったり課題、こういったものを整理をするという協議会が立ち上がっております。私もそこに民間代表の一人として参加をさせていただいておりまして、ここで記載させていただいているような課題、こういったものに取り組んでいるというところをちょっとまとめさせていただきました。
まず、大きなところとしては、洋上風力の産業ビジョンの策定とあります。
先ほど佐藤様の方からもありましたが、日本では、残念ながら、もう風力産業、風力メーカーさんが洋上風力分野からは撤退という形で、産業がない状態でございます。そういった大量生産がなかなかできなかった背景がありますけれども、欧州、米州、そういった海外のメーカーさんのサポートをいただかないと風力がつくれないというのが実態です。
じゃ、そういったグローバルで展開をされている風車メーカーさんに日本で取り組んでいただくと、そのためには、日本でどれだけ市場のポテンシャルがあるのか、将来性があるのか、そういったものを示さないと実態としては欧州の風車メーカーさんは日本に関心を持たないということから、これは民側からのかなり強い要請ではあったんですけれども、やはり日本国として今後洋上風力をどうやっていくのかというのをビジョンを示していただきたいということをずっとお願いをしてまいりました。
そういった陳情を踏まえて、日本政府の方で、二〇三〇年までに十ギガワット、二〇四〇年までに三十から四十五ギガワットという、これはかなり世界的に見ても野心的な目標を掲げていただく形になりました。こちらの二〇四〇年の方に関しましては、浮体式を含むということを明記されております。
一方で、官側がそのぐらい御支援をいただいていますので、民間側もしっかりと決意を示すということで、国内の調達比率を二〇四〇年までに六〇%、着床式ですけれども、このコストですね、これを二〇三〇年から三五年までにキロワットアワー当たり八円から九円、これを目指すということを民側からも掲げて、この官民協議会ではこれを大きな目標として今後十年、十五年やっていこうというところで今キックオフを始まったところでございます。
この国内調達比率に関しましては、風車が一社もいないということを考えるとかなりチャレンジングな話でありますけれども、昨日の日経の一面にもありましたように、東芝さんがGEさんと組まれるとか、今後この市場のビジョンが出されたことによって民側はいろんな取組がなされると思いますので、そこは、我々丸紅としては事業者の立場ではありますけれども、そういったことを積極的に、政府の方針を踏まえてこの調達の方も考えていきたいと考えております。
あとは、二点目、入札制度の合理化でございます。これは、ちょっと細かいところは本日は割愛をさせていただきますが、我々がやっている秋田県のやつは港湾区域なんですけれども、その更に沖合、一般海域の入札制度に関しましてはまだ始まったばかりでございまして、様々な課題がございます。こういった課題につきましても、民間側からも意見を出させていただいて、経済産業省様、国土交通省様とより良い制度にできればなと考えております。
あとは、三点目の規制緩和、こちらも二番目と同じような議論になります。
それから、四の系統ですね。こちらも先ほど佐藤様からもありましたように、日本では系統の接続が課題となっております。直流送電も含めて、系統の増強計画というのは、再エネの導入と、洋上風力の導入とセットで議論されるべきであろうと考えております。
それから、五点目が港湾ですね。これは、言ってみれば港でございます。洋上風力をやるためには、しっかりとした港の整備が必要になります。
非常に簡単に御説明いたしますと、非常に巨大な鉄鋼構造物を持ってくるわけです。例えば秋田県の場合、一般の港だとそうだと思うんですけれども、地耐力ですね、地盤のその荷重が耐えられる強度というのが大体決まっておりまして、普通五トンぐらい、スクエアメーター当たり五トンぐらいが限界になっています。一般的にはそのぐらいで設計をされています。ただ、洋上風力の場合はその重さが二十五トンぐらい必要になってくるということで、そのまま乗っけてしまうと港が崩れてしまうということになります。ですので、洋上風力をやるためには港湾インフラを強化していただく必要がありまして、今国内では四か所が認定されましたけれども、まだまだこの四か所では足りないということで、この港湾インフラの整備を是非とも進めていただきたいと。
それから、最後になりますけれども、これはどちらかというと経済産業省様のお考えが強いかと思うんですけれども、この洋上風力産業をここまで国内で伸ばしていくからには、今後アジア展開、日本国としても輸出産業にしようじゃないかということで、まずは基準も国際標準にしていきますし、今後、アジアに日本から政策支援といったところを視野に置きながらも、金融、産業面、そういったところで多角的な支援、展開を図っていきたいということで、これは民間、我々も海外も含めて洋上風力事業を考えておりますので、そういったところとも足並みをそろえながら取り組んでまいりたいと思っております。
私からの説明は以上です。ありがとうございました。
この発言だけを見る →では、お手元の資料に沿って説明をさせていただきたいと思います。
まずは、私どもの親会社であります丸紅、総合商社でございまして、いろいろ事業をさせていただいております。
二ページ目が概要、組織の概要でございまして、営業としては、真ん中辺りになりますけれども、六グループ十四本部制を取っておりまして、我々は電力本部、電力事業をさせていただいております。
過去、様々な発電所に投資をさせていただいておりまして、その概要が三ページ目、世界中でネット持分容量で約十二ギガワット相当の発電所を今維持運営をさせていただいております。
四ページ目が国内ですね。国内市場はまだ小さな市場のアセットになりますけれども、約五百メガワット相当のネット持分容量を保有させていただいております。主には、太陽光、並びに、小社の特徴であるんですけれども、水力、小水力を結構歴史的に長くやらせていただいております。
続きまして、五ページ目が、風力で我々どういったことをやってきているかということを簡単にまとめております。これ、全てではないんですけれども、赤枠が陸上風力で、青いボックスが洋上風力になります。
洋上風力に関して御説明いたしますと、英国ですね、イギリスの二件、左上の方にございますが、ガンフリートサンズということとウエスタモストラフ、この二件をデンマークのオーステッド、旧ドンエナジーですね、と一緒に市場に参画しまして、このガンフリートサンズの方に関しましては二〇一〇年に商業運転開始ということで、もう既に十年以上前に運転開始しているアセットでございます。こちらが日本企業としては欧州の洋上風力に関しまして初めて参画をした事例でございます。
続きまして、国内の方なんですけれども、先ほど佐藤様の方からも話がありました福島県の浮体式洋上風力の実証事業、こちらは経済産業省様の補助金をいただいておりますが、この福島、並びに北九州、こちらはNEDOの御支援をいただきまして、今実証に取り組んでおります。こちら、先ほど佐藤さんの方の話にもありました浮体式、両実証とも浮体式の洋上風力でございます。それから、東北の方ですね、秋田県、秋田能代の方で今着床式の洋上風力の建設を始めておりまして、こちらが昨年建設開始、二〇二二年ですので、来年の末に商業運転開始ということで、今、当社の方で取組をさせていただいております。
その時系列が六ページ目の方に簡単にまとめてございます。
二〇一三年、震災後ですね、福島復興のシンボルということで福島沖に、約二十キロですね、二十キロ沖合に洋上風力発電所を建設を始めておりまして、約八年ぐらいオペレーションをしております。こちら、正直、今、佐藤様の方から話がありましたように、いろいろ技術的な困難さもございまして苦労しているんですけれども、今御説明いただいたように、日本で浮体式ができないというわけではなくて、いろいろ実証ならではの問題もあって難しさが直面したんですけれども、我々としては、これ後ほどもございますが、今回この福島での経験でいろいろ学びもありましたので、これを是非生かして、今後、国内外の浮体式洋上風力の拡大に努めていきたいと考えております。
それから、二〇一九年ですが、北九州響灘沖合に、これ右下の方にございますが、三メガワット機の風車、これヨーロッパ製、ドイツ製になりますけれども、の風車を浮かべて今オペレーションをしております。
それから、二〇二〇年が先ほどの秋田県の工事でございます。
秋田の方の詳細が七ページ目でございます。こちらは港湾区域ということで、秋田県の二つの港、秋田港と能代港、この二つのサイトで合計百四十メガワットの着床式の洋上風力発電所を今建設をしております。こちら二〇一五年に秋田県の方から採択をいただきまして、約五年間開発に時間を掛けて昨年から建設をしているということで、商業ベースで考えますとこちらが日本初の洋上風力発電所でございます。現在、商業ベースで建設が始まっているのは国内ではこの一件のみでございます。
八ページ目が、簡単ではございますが、丸紅の洋上風力の取組でございまして、ちょっと守秘義務の関係で全部は出せないんですけれども、秋田能代に続いて、我々は、しっかりと国内の洋上風力の拡大、再エネの拡大に努めていきたいと考えておりまして、一部公開しているものでございますが、山形や北海道の方でも是非その機会をつかみたいと考えております。あとは、一番下になりますが、スコットランドですね。ヨーロッパの方ではもう着床式から浮体式に主戦場が移りつつありまして、我々もヨーロッパのプレーヤーと一緒に、このスコットランド沖では、ほぼ大半が浮体式の海域で、商業ベースで大規模に取り組んでいきたいと考えております。
あとは、九ページ目、関連ビジネスになりますけれども、洋上風力、海の上に風車を設置するため、船が必要となります。
次の田中委員の方がこちらの専門であられると思いますので、我々の方は簡単に御説明させていただきますが、ヨーロッパ、イギリスのこういった洋上風力用の船五隻を持っているシージャックス社に二〇一二年に私ども出資を参画しておりまして、この洋上風力の建設工事の部分も携わらせていただいているというところでございます。
こういった約十年強の取組を踏まえて、私ども丸紅グループとしては、洋上風力専門で取り組んでいこうということで、手前みそで恐縮ですけれども、昨年、この丸紅洋上風力開発という会社をつくらせていただきました。おかげさまで、経済産業省様、国土交通省様に大変野心的なビジョンも見せていただきまして、日本でも、二〇三〇年までに十ギガワット、二〇四〇年までに三十から四十五ギガワットという目標をセットしていただきまして、我々もそれに取り組んでいるというところでございます。
ちょっと手前みそになりますけれども、十二ページ目からちょっと数ページ、我々がどういったことを注意して洋上風力に取り組んでいるのかというのを説明した上で、最後、我々が直面している様々な課題だとか今後の方向性につきまして、少し意見を述べさせていただきたいと思います。
まず一点目、十二ページになりますけれども、EPCでございます。
EPC、業界用語かもしれませんけれども、いわゆる建設工事でございます。洋上ですので、文字どおり海の上で工事をするということで、陸上風力とはレベルの違う難しさがございます。一つの事故が重大事故、死亡事故につながるということで、これ、ヨーロッパの方でもその黎明期には非常に多くの事故が起こっておりまして、当然、当然といいますか、残念ながら命を落とされている方もいらっしゃるかと聞いております。こういったことを国内で絶対に起こさないように、我々としては、今、秋田能代で建設を始めておりますけれども、きっちりとした安全管理、工程管理を組みまして、洋上の工事に関しましてはスケジュールをしっかり組むということが非常に重要になっております。
非常に分かりやすい例でいきますと、例えば一つの部品を忘れてきちゃったというケース、工事だとあり得るんですけれども、陸上であれば、そのパーツを、忘れてきたものを取りに行ってトラックで運べば一日、二日の遅れで済むんですけれども、洋上の場合、船がもう出ていってしまっている、そのときに、物がない、あるいは壊れてしまったとなると、その手配に数日、物自体はすぐ手配できても、その間、船を待たせてしまうと。これ、事業者目線で船を待たせるということは致命的でございまして、この船、一日当たり一千万円以上、数千万円のコストが掛かります。そうすると、十日、例えば一千万円で十日掛かると、それだけでコストが一億円発生するわけです。そのぐらいこの洋上の工事というものはシビアにつくらないといけない、安全上も工程上もシビアにつくらないといけないと。
プラス、戸田建設さんのように非常に御実績のある会社さんもいらっしゃいますけれども、まだまだ日本の国内にはこの洋上の工事にたけた建設会社さんが余り多くないと。これは歴史的に、ヨーロッパと違って、オイル・アンド・ガスの産業が元々国内になかったということが大きいです。そのため、この洋上風力の工事、一括で全部やるということができるスーパーゼネコンさん、ゼネコンさんというか、そういった企業さんがなかなかまだ多くないということが実態とありまして、そういったことも踏まえて、事業者側、当社の場合は我々になりますけれども、事業者側がこの部分のリスクをある程度取らないといけないというのが実態がございます。そういった実態も踏まえまして、こういった工程のパッケージが幾つかに分かれて、それをマネージする能力が問われるということがあります。
我々は、国内でやってきたこと、並びに先ほどの船をもってヨーロッパでもこういった建設オペレーションをやってきたということで、経験者、知見がある者をプロジェクトに投入してマネージをさせていただいております。
続きまして、十三ページ目ですが、施工管理、運営になります。いわゆるオペレーションですね。建設した後、オペレーションをする必要がございます。
こちらは福島沖の洋上の変電所でございます。そちらに船で実際にアクセスしてメンテナンス等を行うわけですけれども、我々ここのオペレーションを約八年ぐらいやってきたということで、これなかなか御理解いただくのが難しいかもしれませんけれども、これ船一つにしても、国内になかなかない船なんですね。船からこの設備に乗り移るのも、普通であればできるだろうと思われるかもしれませんけれども、これ波があって揺れています。向こう側の発電設備の方も揺れているので、これきっちりと固定しないと人が乗り移るときに最悪落下してしまうということもあります。落下すると、これはもう残念ながら命は助かりません。
そういったこともあって、どのように発電設備に船を接岸するのか、船の仕様はとか接岸の補助設備の形状はどうするかとか、そういったことを非常に細かく設計をしていかないとこのオペレーションもままならないということで、我々はやっぱり五年以上これをやってきて、いろんなことを経験して、オペレーションの観点から設計に反映させていかなきゃいけないこともたくさんあります。そういった経験、知見を今後にも生かしていきたいと考えています。
それから、十四ページ目がファイナンスです。
先ほどの秋田県のプロジェクトは、公表されておりますけれども、プロジェクトコストが総額で大体一千億円でございます。これから国内でもかなり多くの大型の案件が予定されておりまして、その一案件当たりのコストが大体二千億とか数千億円というプロジェクトサイズになってきます。そうしますと、全てが事業者側の自己資金でやるのは到底難しくて、やはり金融機関さんの御支援をいただきながらこのプロジェクトファイナンスを組むというのが一般的なやり方になります。
我々はこのプロジェクトで初めてプロジェクトファイナンスを組むことができたわけですけれども、やはりレンダーさん、金融機関さんに、プロジェクトの八割から七割、大半のリスクを取っていただく以上、しっかりとしたプロジェクトをつくり上げていかなきゃいけないということで、これは日本国内にとっても大きなチャレンジでありますし、我々もしっかりとこの秋田の経験を生かして、次の案件ではより良い条件で、より条件のいい資金調達をしていきたいと考えております。
それから、十五ページ目が漁業との協調ですね。
これはもう、洋上風力に限らず、再エネをやる限りは、地元の皆様との協調、共存共栄というのが非常に重要になってまいります。洋上風力に関しましては特に漁業者の皆様の御理解が必要だということで、我々は、国内では福島、北九州、秋田県秋田港、能代港、この三か所で洋上風力をやらせていただいている中で、全て漁業者様との調整は我々でやらせていただいてきております。
当然難しい局面も多々ありますけれども、しっかりとそこは先方様の目線、立場に立って、この洋上風力のメリット、地元に還元できる内容だとかを丁寧に御説明をして、しっかりと同意を取り付けてくるということが大事でありましたし、今後もそういったことを生かして取り組んでいきたいと思います。
最後になりましたが、洋上風力の目標、課題を簡単にまとめさせていただいております。
こちらは、先生方で御存じの方もいらっしゃると思うんですけれども、昨年の七月に経済産業大臣と国土交通大臣を中心とした洋上風力の官民協議会というものが立ち上がっております。これは、文字どおり、官、この二つの省、並びに民間事業者の代表が一堂に会しまして、洋上風力の目標だったり課題、こういったものを整理をするという協議会が立ち上がっております。私もそこに民間代表の一人として参加をさせていただいておりまして、ここで記載させていただいているような課題、こういったものに取り組んでいるというところをちょっとまとめさせていただきました。
まず、大きなところとしては、洋上風力の産業ビジョンの策定とあります。
先ほど佐藤様の方からもありましたが、日本では、残念ながら、もう風力産業、風力メーカーさんが洋上風力分野からは撤退という形で、産業がない状態でございます。そういった大量生産がなかなかできなかった背景がありますけれども、欧州、米州、そういった海外のメーカーさんのサポートをいただかないと風力がつくれないというのが実態です。
じゃ、そういったグローバルで展開をされている風車メーカーさんに日本で取り組んでいただくと、そのためには、日本でどれだけ市場のポテンシャルがあるのか、将来性があるのか、そういったものを示さないと実態としては欧州の風車メーカーさんは日本に関心を持たないということから、これは民側からのかなり強い要請ではあったんですけれども、やはり日本国として今後洋上風力をどうやっていくのかというのをビジョンを示していただきたいということをずっとお願いをしてまいりました。
そういった陳情を踏まえて、日本政府の方で、二〇三〇年までに十ギガワット、二〇四〇年までに三十から四十五ギガワットという、これはかなり世界的に見ても野心的な目標を掲げていただく形になりました。こちらの二〇四〇年の方に関しましては、浮体式を含むということを明記されております。
一方で、官側がそのぐらい御支援をいただいていますので、民間側もしっかりと決意を示すということで、国内の調達比率を二〇四〇年までに六〇%、着床式ですけれども、このコストですね、これを二〇三〇年から三五年までにキロワットアワー当たり八円から九円、これを目指すということを民側からも掲げて、この官民協議会ではこれを大きな目標として今後十年、十五年やっていこうというところで今キックオフを始まったところでございます。
この国内調達比率に関しましては、風車が一社もいないということを考えるとかなりチャレンジングな話でありますけれども、昨日の日経の一面にもありましたように、東芝さんがGEさんと組まれるとか、今後この市場のビジョンが出されたことによって民側はいろんな取組がなされると思いますので、そこは、我々丸紅としては事業者の立場ではありますけれども、そういったことを積極的に、政府の方針を踏まえてこの調達の方も考えていきたいと考えております。
あとは、二点目、入札制度の合理化でございます。これは、ちょっと細かいところは本日は割愛をさせていただきますが、我々がやっている秋田県のやつは港湾区域なんですけれども、その更に沖合、一般海域の入札制度に関しましてはまだ始まったばかりでございまして、様々な課題がございます。こういった課題につきましても、民間側からも意見を出させていただいて、経済産業省様、国土交通省様とより良い制度にできればなと考えております。
あとは、三点目の規制緩和、こちらも二番目と同じような議論になります。
それから、四の系統ですね。こちらも先ほど佐藤様からもありましたように、日本では系統の接続が課題となっております。直流送電も含めて、系統の増強計画というのは、再エネの導入と、洋上風力の導入とセットで議論されるべきであろうと考えております。
それから、五点目が港湾ですね。これは、言ってみれば港でございます。洋上風力をやるためには、しっかりとした港の整備が必要になります。
非常に簡単に御説明いたしますと、非常に巨大な鉄鋼構造物を持ってくるわけです。例えば秋田県の場合、一般の港だとそうだと思うんですけれども、地耐力ですね、地盤のその荷重が耐えられる強度というのが大体決まっておりまして、普通五トンぐらい、スクエアメーター当たり五トンぐらいが限界になっています。一般的にはそのぐらいで設計をされています。ただ、洋上風力の場合はその重さが二十五トンぐらい必要になってくるということで、そのまま乗っけてしまうと港が崩れてしまうということになります。ですので、洋上風力をやるためには港湾インフラを強化していただく必要がありまして、今国内では四か所が認定されましたけれども、まだまだこの四か所では足りないということで、この港湾インフラの整備を是非とも進めていただきたいと。
それから、最後になりますけれども、これはどちらかというと経済産業省様のお考えが強いかと思うんですけれども、この洋上風力産業をここまで国内で伸ばしていくからには、今後アジア展開、日本国としても輸出産業にしようじゃないかということで、まずは基準も国際標準にしていきますし、今後、アジアに日本から政策支援といったところを視野に置きながらも、金融、産業面、そういったところで多角的な支援、展開を図っていきたいということで、これは民間、我々も海外も含めて洋上風力事業を考えておりますので、そういったところとも足並みをそろえながら取り組んでまいりたいと思っております。
私からの説明は以上です。ありがとうございました。
鶴
田
田中誠一#9
○参考人(田中誠一君) ただいま御紹介いただきました日本船舶技術研究協会の田中と申します。本日は、かようなプレゼンの機会を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
船舶技術研究協会、ちょっと長い名前ですが、こういう組織を御存じない方がほとんどだと思いますので、まず簡単に当協会の説明をさせていただきます。
お手元の資料二ページ目でございますが、日本は、世界第二位の海運国であり、そしてまた第三位の造船国でもあり、また、それを支える舶用機械メーカー群、公的機関、あるいは研究所、大学といった一大海事クラスターを形成しております。私ども研究協会は、この海事産業の国際競争力向上に資するような研究開発及び国際基準・規格化に一体的視野で戦略的に対応しております。
船舶はある意味公海であればどこの海でも行けますので海上の安全を担保する必要がありますし、また、海洋汚染や大気汚染、それらを防止するための一定のルールや基準が必要となります。その基準やルールを策定しているのがこの図の左にありますところのIMO、国際海事機関でございます。
また、これらの基準に基づいて、船舶というのはいろんな部品とかあるいは製品を組み立てて造りますので、これら基準に基づいた各種製品の今度は規格を定める必要がありまして、それらを、規格の決定しておりますのがISO、国際標準化機構ですね、それから、電気関係でいえばIEC、日本国内であればJISということで、これらの国際機関あるいは国内の機関と折衝する、あるいは連絡する窓口が私どもの協会でございます。
二ページ目でございますが、IMOでは当然その様々な重要なルールが決定されます。IMOは元々国連の専門機関でもありますが、その審議に向けた対応方針とかあるいは日本提案の文書につきましては、基本的に国土交通省が関係団体と密接に協議をして決定しております。
特に重要な案件やあるいはほかの産業界にまたがるようなそういう事案につきましては、都度、国土交通省あるいは関係団体が参画する委員会、我々はこれをプラットフォームと呼んでおりますけれども、そこで日本の方針を決定しております。
私どもの協会が事務局を務めており、IMOの会議にも国土交通省の代表者と一緒に出席をいたしまして、結果を素早く業界内で共有して、対応に向けた検討を開始するという役割を担っております。
四ページ目、次はGHGゼロエミッションプロジェクトについて御説明させていただきます。
御存じのように、気候変動、地球温暖化といいますとCO2削減が本当に喫緊の課題であり、国際海運に対しましても船舶から排出されるCO2の削減が強く要請されております。
GHG、グリーンハウスガスですけれども、これは非常に広義な意味ですけれども、ここではCO2とほとんど同義語で使っておりますので言葉が入れたり入ったりしますけれども、ここはちょっと御容赦いただきたいと思います。
五ページ目でございます。
国際エネルギー機関、IEAの統計によりますと、二〇一八年の世界のCO2の排出量、総量は三百三十五億トン、そのうち国際海運の排出量は七億トンということで世界の二・一%、分かりやすく申し上げますと、ドイツ一国に匹敵する量を排出しております。今後、世界の貿易量は伸びていきますし、当然海上荷動き量も着実に増大することが見込まれておりますので、何も対策を取らないと二〇五〇年までに約二十億トン以上、七%程度まで増加するとの予測が出ております。
六ページに移ります。
海上輸送と一言で言っても、国際海運は様々な国が関係、関与しております。この六ページ目に非常に分かりやすい例がありますけれども、これは中国から製品をカナダに輸出するという、じゃ、その中でどういうふうに国が関係しているかがこの説明でございますが、これはギリシャのオーナーが日本の造船所で建造した船をパナマに、船籍国ですね、パナマに登録をして、その船を日本の海運会社に貸し出して荷物を運ぶと、ただし、その船員はほとんどがフィリピンといった形で。
通常の国連の気候変動枠組条約では各国のいわゆるCO2の排出の規制をしておりますけれども、これ国ごとにやっても、船舶はいろんな国にまたがっておりますのでできませんので、ここの部分を同じ国連の専門機関であるIMO、先ほど御説明したIMOに委託した形でトータルのCO2の排出量をコントロールしようとしております。逆に、内航船の方は日本の政府が逆にコントロールできますので、こちらはいわゆる国連の気候変動枠組条約の範囲でコントロールができることになっております。
日本は、先ほど申し上げましたように、世界第二位の海運国、そして世界三位の造船国ということで、IMOでも非常に大きな存在、最近も理事国としてトップの得票を得て再選されており、IMOの活動に大きく貢献しております。
七ページ目に移りますが、GHG、グリーンハウスガス、CO2の規制につきましては、日本は常に主導的な立場で長らくIMOをリードしてきました。ちなみに、IMOの中でも非常に注目を浴びているMEPCという委員会、これは海洋環境保護委員会があるんですけれども、この委員長に国土交通省の斎藤英明技術審議官が二〇一八年より就任しております。日本が環境問題、なかんずくGHGの削減問題でもリーダーシップを取っていることを御理解いただけると思います。
八ページ目でございますが、これは日本が海運のGHG削減にいかに貢献してきたかの歴史でございます。船舶のハードウエア、技術的な側面と船舶を運航するオペレーションの両面での規制に日本が非常に主導的な役割を果たしました。
EEDI、これは一トンの荷物を一マイル、一シーマイル運ぶときに発生するCO2の量のことですけれども、既に二〇〇八年より新造船のCO2削減を目指してEEDI規制、数値を新造船のデザインの中に規制として盛り込むことの検討を始めまして、二〇一一年にIMOで採択され、実際に二〇一三年より実施の運びとなっております。
それ以外、オペレーションの方ですけれども、船舶エネルギー効率管理計画書の提出の義務、あるいは燃料消費実績報告の義務と、これらの規制も日本がリードしております。最近では、今まで新造船に限っておりましたけれども、既存の船舶に対するCO2の排出を規制する今度はEEXIという指標の制度を提案しまして、昨年IMOの承認を得て、今年はこれを採択することで今尽力中でございます。
以上で規制の方の枠組みというのは大体できましたので、今後は経済面でのアプローチということで、幾つかの船舶関連団体が提唱しておりますIMRFという、これはインターナショナル・マリタイム・リサーチ・ファンドの略でございますけれども、分かりやすく申し上げますと、消費燃料一トン当たりに例えば二ドルの資金を拠出を義務付けまして、大体五億ドル程度の資金を集めまして、これをRアンドD、すなわち低炭素技術の費用に充てるというアイデアでございます。これは日本も賛同しておりまして、今後この規則を成立させまして、最終的には燃料油の課金などの制度につなげて脱炭素化を加速する戦略を考えております。
九ページ目でございますが、今御説明しましたように、GHG削減に関しましては、いわゆる規制とそれから技術開発を両輪として対応することが非常に重要と考えております。先ほど申し上げましたEEDI規制を始め、各種の規則の話は、私どもの協会がプラットフォームとなり、産官学公で検討を行って、IMO宛てに提起、提案をしてまいりました。日本政府は並行して技術開発のため三十二億円の資金支援を行い、いち早く日本建造船の省エネ性能の向上を果たしまして、結果として、私もマーケットを見てきましたけれども、日本建造の新造船が非常に高い評価を得るに至っております。実際の造船シェアも、二〇一三年の一三%から二〇一五年の三二%までシェアを回復いたしました。
十ページ目でございます。
IMOは、二〇一八年にGHG削減の目標値を決定いたしました。二〇三〇年までに平均燃費の四〇%削減、二〇五〇年までにGHGの総排出量、CO2の総排出量を五〇%削減する、そして今世紀中のできるだけ早い機会にGHG排出ゼロに持っていくという計画を承認しました。この図はIMOの予想図ですが、最初に申し上げましたように、何もしなければ二〇五〇年には貿易量、海上荷動き量の増加に伴ってGHGは二十億トンを超える予想となっております。
我が国も、このIMOの目標を実現するために、私ども日本船舶技術研究協会とそれから国土交通省が共催で国際海運ゼロエミッションプロジェクトを立ち上げました。日本の造船、海運、舶用工業、海事関係、公的機関、大学、研究所をメンバーといたしまして、高性能な船舶への代替促進、あるいは新燃料への代替、それから船上炭素回収技術、一般的にCCSと言われているものですけれども、これらの技術のイノベーションの促進を含むロードマップを策定しております。
このプロジェクトで燃料転換、今まで百年近く船というのは重油をたいて動いてきたわけですが、完全にこれから新燃料に転換するという、我々の感じでいくと歴史的な大転換にあるわけですけれども、ゼロエミッションプロジェクトで大きく分けて二つの燃料転換シナリオを考えております。
右、左とありますけれども、どちらも二〇三〇年までは基本的にLNG燃料が貢献していると。それ以降はいわゆるゼロエミッション船が大幅に増加するシナリオになっておりますが、最初のシナリオ、左側のシナリオは、いわゆるカーボンリサイクルメタン、すなわち、電気分解をして水素を作って、回収したCO2と合成してメタンを製造して、そのリサイクルメタンが主流となるものでございます。LNGの九〇%の成分は基本的にメタンですので、LNG燃料技術がそのまま活用できます。右側のもう一つのシナリオは、水素やアンモニア、これらは本当にCO2フリーの燃料ですが、これらの燃料が主流となってくるというシナリオでございます。
典型的な二つのシナリオを用意しましたけれども、当然のことながらこの中間もありますし、これがいろいろミックスした形でのシナリオも当然考えられます。どちらのシナリオも、非常に難しい技術的課題、特に燃料インフラあるいはサプライチェーン、最終的にやはり経済性等々ですね、不確定性の要素が、あるいは克服すべき問題が、課題が山積みとなっております。
ページ十三は、先ほども申し上げましたゼロエミッションプロジェクトのロードマップです。
当然のことながら、研究開発、船もありますし、それから特にエンジンですね、開発、これを並行して技術の実証を行いながら、逆に、今のままですと経済性悪いので、これをいかに導入していくかということで市場メカニズムやファイナンスの面で検討もしなくてはいけませんし、当然新燃料になりますので、関連ルール、特に安全とかですね、船員も、LNGが取り扱えるような船員も増やしていかなきゃいけないということで、最終的に二〇二八年―三〇年ぐらいの間に完全なゼロエミッションの船を実船投入するという計画でおります。
ゼロエミッション船というのは一体何だということになりますが、これが十四ページに一応イメージということで、本当にこれが実現するか、あるいはこのとおりにいくのかというのはちょっと別にして、我々が今現在考えられるゼロエミッション船というのはこの程度ということで御理解いただければと思いますが。
まずは、やっぱり最初申し上げました水素燃料、CO2フリーの、燃料とした船舶ですね。これでCO2の発生はゼロになるんですけれども、技術的には水素燃料電池という形ではなかなかいけなくて、やっぱり大出力が船の場合必要なので、加えて航続距離の観点でも恐らく小型船に限定されるものと思います。
結果的にはやはり水素だきの内燃エンジンが絶対に必要になってくるわけですが、水素というのは、御存じのように、非常に発火点が低くて、かつ燃焼速度も速いということで、爆発性の危険性があるわけですね。こういう技術的課題が残ります。一方でまた、水素をどこで調達するんだと、競争力のある水素が本当に手に入るのかといった問題も残ります。
絵の上の右側の方の船は、既に受注を重ねておりますLNGだきの船に加えて、風力、まあ昔の帆船と同じですけれども、帆を船の上に付けて、その風力等を使ってのハイブリッド船ということでございます。
左手下は、今度は水素の代わりにアンモニアを使う船でございます。アンモニアも御存じのようにCO2はフリーでございます。ただ、アンモニアは、逆に燃焼速度が非常に遅くて、簡単に言うと火が非常に付きにくい燃料なんですね。これをいかに、どうやって向上していくかというところに非常にテクニカルなイノベーションが求められるところであります。加えて、アンモニアは劇薬でもありますので、その辺の安全性も求められると。
最後の船は、いわゆる排気ガスからCO2を回収するCCSを使って、エンジンを回しながらそのCO2を回収していくという船なんですが、もうこれは本当にプラントがどのぐらいの大きさになるのか、あるいはCO2をどのぐらい回収できるのかといった技術的課題も残っております。
ちょっと筋がそれるかもしれませんけれども、次に現在の日本の造船業を取り巻く状況につきまして御説明したいと思います。
十六ページでございます。
一九八〇年代―九〇年代までは、日本はナンバーワンの造船国でありました。その後、韓国が台頭しまして、今世紀の初頭には日本と韓国が肩を並べ、二〇一〇年以降はやはり韓国と中国に抜かれ、日本は第三位となっております。
中国、韓国の設備状況、特にリーマン直前の船腹の大量発注によりまして、今もなお大幅な設備過剰問題あるいは船腹過剰問題を抱えて、加えて直近のコロナもありまして、新造船需要が激減しております。手持ち工事量、普通は二年必要なんですが、これが一年を切るような今危機的な水準にあります。
次のページ、十七ページでございますが、この造船不況、あるいはその受注が本当に消失しちゃったという状況は中国も韓国の造船所も同じなんですけれども、非常に厳しい状況なんですが、基本的に大規模な政府の公的支援を受けまして、中国も韓国も政府主導で救済合併や統合が行われておりまして、日本の造船業は相対的にますます厳しい状況に置かれております。
その次は、中国・韓国造船業の技術力のキャッチアップということなんですけれども、十八ページでございます。
技術力につきましては日本がまだまだ優位性がありますが、実際に、十八ページのこの表は、燃費消費率、これブルーが日本の建造の船で、要するに下にあるほど燃費がいい船です、消費量が縦軸になっておりますので。
こういう形で、先ほど、政府の御支援もあって、非常に燃費のいい省エネ船ということで日本は高い評価を得ているんですけれども、今後は、この省エネ船に加えて、ゼロエミッション船の開発というのが日本の造船業を再生、維持していくためにはキーになるものと判断しております。
十九ページ、二十ページは、ゼロエミッション船、これは海外でございます。
十九ページは欧州の発展状況なんですが、これはどれも基本的に水素燃料電池を使った電動船です。ただ、これ、フェリーとかプッシュボートとか非常に小型の船にやはり限られております。
二十ページは、中国も同様にやっておりますけど、これも非常に水素燃料電池ということで小さい船ですね。サムスンと大宇はアンモニア燃料船をやっておりますけど、これは基本的に、ドイツのMANという舶用機械エンジンメーカーがございますけど、このアンモニアだきエンジンを開発するのにお互いにタイアップしてやっているということで、このゼロエミッション船の開発という点では各国一線の状況となっております。
二十二ページ目に入ります。
生き残りを懸けましたゼロエミッションの開発戦略ということで、燃料転換は、先ほど申し上げましたように、重油からガス燃料に移換すると。まずはLNG燃料が主力燃料としていきますし、いずれは水素やアンモニアというものが追随していくという考え方です。
自動車の世界では、水素などの燃料電池車は、トヨタさんのミライが一番分かりやすいんですが、もう実現化しておりますが、船の場合は、もう圧倒的に水の抵抗あるいは波の抵抗が強いものですから、大出力、大容量の出力が要求されるということで、現実的にはやはり内燃機関、エンジンでしかこれは対応できません。これは、逆に言えば、造船とか舶用メーカーの海事クラスター全体がこれを対応していくことが必要で、私どもの協会はプラットフォームとして機能を提供していくつもりです。
是非とも、やっぱり海事クラスターを何とか強力なまま維持していくということが安全保障あるいは経済安全保障上、絶対に必要です。特に、グリーンイノベーション基金等を使いながら、リスクを取った事業者を支援しながら、まずはLNG事業の競争力、そして、ひいてはゼロエミッションの開発、実証を世界に先駆けて成功すれば、必ずや造船業あるいは海事クラスターを強力に維持することができると思っております。
二十三ページ目は、様々なゼロエミッション船の問題点を記載いたしました。これはもう先ほど口頭で申し上げましたように、水素は爆発性があるとか、アンモニアは燃焼速度が悪い、そういうものが盛り込んだ内容でございますので、一応割愛させていただきます。
二十五ページ、最後のまとめでございますけれども、これも今私が御説明しました要点を一応書き並べたものですが、最後の三つだけですね。
ゼロエミッション船の実現というのは非常に海事クラスターをつなぐプラットフォームとして重要ということで、我々協会はしっかり海事産業競争力をアップ、つなげていきたいと。
それから、やはりゼロエミッションの開発はお金が掛かります。リスクを取る民間企業に対しては、グリーンイノベーションファンドのみならず、政府の格別の御支援をお願いしたいと思っております。
最後に、先ほど御両者、佐藤さん、真鍋さんから風力発電の話を御説明いただきましたが、これは非常に、浮体式は特に造船の技術が生かせる分野でもございますし、それに伴った風車、あるいは特にサポートするための船がたくさん必要になりますので、こういった意味でも……
この発言だけを見る →船舶技術研究協会、ちょっと長い名前ですが、こういう組織を御存じない方がほとんどだと思いますので、まず簡単に当協会の説明をさせていただきます。
お手元の資料二ページ目でございますが、日本は、世界第二位の海運国であり、そしてまた第三位の造船国でもあり、また、それを支える舶用機械メーカー群、公的機関、あるいは研究所、大学といった一大海事クラスターを形成しております。私ども研究協会は、この海事産業の国際競争力向上に資するような研究開発及び国際基準・規格化に一体的視野で戦略的に対応しております。
船舶はある意味公海であればどこの海でも行けますので海上の安全を担保する必要がありますし、また、海洋汚染や大気汚染、それらを防止するための一定のルールや基準が必要となります。その基準やルールを策定しているのがこの図の左にありますところのIMO、国際海事機関でございます。
また、これらの基準に基づいて、船舶というのはいろんな部品とかあるいは製品を組み立てて造りますので、これら基準に基づいた各種製品の今度は規格を定める必要がありまして、それらを、規格の決定しておりますのがISO、国際標準化機構ですね、それから、電気関係でいえばIEC、日本国内であればJISということで、これらの国際機関あるいは国内の機関と折衝する、あるいは連絡する窓口が私どもの協会でございます。
二ページ目でございますが、IMOでは当然その様々な重要なルールが決定されます。IMOは元々国連の専門機関でもありますが、その審議に向けた対応方針とかあるいは日本提案の文書につきましては、基本的に国土交通省が関係団体と密接に協議をして決定しております。
特に重要な案件やあるいはほかの産業界にまたがるようなそういう事案につきましては、都度、国土交通省あるいは関係団体が参画する委員会、我々はこれをプラットフォームと呼んでおりますけれども、そこで日本の方針を決定しております。
私どもの協会が事務局を務めており、IMOの会議にも国土交通省の代表者と一緒に出席をいたしまして、結果を素早く業界内で共有して、対応に向けた検討を開始するという役割を担っております。
四ページ目、次はGHGゼロエミッションプロジェクトについて御説明させていただきます。
御存じのように、気候変動、地球温暖化といいますとCO2削減が本当に喫緊の課題であり、国際海運に対しましても船舶から排出されるCO2の削減が強く要請されております。
GHG、グリーンハウスガスですけれども、これは非常に広義な意味ですけれども、ここではCO2とほとんど同義語で使っておりますので言葉が入れたり入ったりしますけれども、ここはちょっと御容赦いただきたいと思います。
五ページ目でございます。
国際エネルギー機関、IEAの統計によりますと、二〇一八年の世界のCO2の排出量、総量は三百三十五億トン、そのうち国際海運の排出量は七億トンということで世界の二・一%、分かりやすく申し上げますと、ドイツ一国に匹敵する量を排出しております。今後、世界の貿易量は伸びていきますし、当然海上荷動き量も着実に増大することが見込まれておりますので、何も対策を取らないと二〇五〇年までに約二十億トン以上、七%程度まで増加するとの予測が出ております。
六ページに移ります。
海上輸送と一言で言っても、国際海運は様々な国が関係、関与しております。この六ページ目に非常に分かりやすい例がありますけれども、これは中国から製品をカナダに輸出するという、じゃ、その中でどういうふうに国が関係しているかがこの説明でございますが、これはギリシャのオーナーが日本の造船所で建造した船をパナマに、船籍国ですね、パナマに登録をして、その船を日本の海運会社に貸し出して荷物を運ぶと、ただし、その船員はほとんどがフィリピンといった形で。
通常の国連の気候変動枠組条約では各国のいわゆるCO2の排出の規制をしておりますけれども、これ国ごとにやっても、船舶はいろんな国にまたがっておりますのでできませんので、ここの部分を同じ国連の専門機関であるIMO、先ほど御説明したIMOに委託した形でトータルのCO2の排出量をコントロールしようとしております。逆に、内航船の方は日本の政府が逆にコントロールできますので、こちらはいわゆる国連の気候変動枠組条約の範囲でコントロールができることになっております。
日本は、先ほど申し上げましたように、世界第二位の海運国、そして世界三位の造船国ということで、IMOでも非常に大きな存在、最近も理事国としてトップの得票を得て再選されており、IMOの活動に大きく貢献しております。
七ページ目に移りますが、GHG、グリーンハウスガス、CO2の規制につきましては、日本は常に主導的な立場で長らくIMOをリードしてきました。ちなみに、IMOの中でも非常に注目を浴びているMEPCという委員会、これは海洋環境保護委員会があるんですけれども、この委員長に国土交通省の斎藤英明技術審議官が二〇一八年より就任しております。日本が環境問題、なかんずくGHGの削減問題でもリーダーシップを取っていることを御理解いただけると思います。
八ページ目でございますが、これは日本が海運のGHG削減にいかに貢献してきたかの歴史でございます。船舶のハードウエア、技術的な側面と船舶を運航するオペレーションの両面での規制に日本が非常に主導的な役割を果たしました。
EEDI、これは一トンの荷物を一マイル、一シーマイル運ぶときに発生するCO2の量のことですけれども、既に二〇〇八年より新造船のCO2削減を目指してEEDI規制、数値を新造船のデザインの中に規制として盛り込むことの検討を始めまして、二〇一一年にIMOで採択され、実際に二〇一三年より実施の運びとなっております。
それ以外、オペレーションの方ですけれども、船舶エネルギー効率管理計画書の提出の義務、あるいは燃料消費実績報告の義務と、これらの規制も日本がリードしております。最近では、今まで新造船に限っておりましたけれども、既存の船舶に対するCO2の排出を規制する今度はEEXIという指標の制度を提案しまして、昨年IMOの承認を得て、今年はこれを採択することで今尽力中でございます。
以上で規制の方の枠組みというのは大体できましたので、今後は経済面でのアプローチということで、幾つかの船舶関連団体が提唱しておりますIMRFという、これはインターナショナル・マリタイム・リサーチ・ファンドの略でございますけれども、分かりやすく申し上げますと、消費燃料一トン当たりに例えば二ドルの資金を拠出を義務付けまして、大体五億ドル程度の資金を集めまして、これをRアンドD、すなわち低炭素技術の費用に充てるというアイデアでございます。これは日本も賛同しておりまして、今後この規則を成立させまして、最終的には燃料油の課金などの制度につなげて脱炭素化を加速する戦略を考えております。
九ページ目でございますが、今御説明しましたように、GHG削減に関しましては、いわゆる規制とそれから技術開発を両輪として対応することが非常に重要と考えております。先ほど申し上げましたEEDI規制を始め、各種の規則の話は、私どもの協会がプラットフォームとなり、産官学公で検討を行って、IMO宛てに提起、提案をしてまいりました。日本政府は並行して技術開発のため三十二億円の資金支援を行い、いち早く日本建造船の省エネ性能の向上を果たしまして、結果として、私もマーケットを見てきましたけれども、日本建造の新造船が非常に高い評価を得るに至っております。実際の造船シェアも、二〇一三年の一三%から二〇一五年の三二%までシェアを回復いたしました。
十ページ目でございます。
IMOは、二〇一八年にGHG削減の目標値を決定いたしました。二〇三〇年までに平均燃費の四〇%削減、二〇五〇年までにGHGの総排出量、CO2の総排出量を五〇%削減する、そして今世紀中のできるだけ早い機会にGHG排出ゼロに持っていくという計画を承認しました。この図はIMOの予想図ですが、最初に申し上げましたように、何もしなければ二〇五〇年には貿易量、海上荷動き量の増加に伴ってGHGは二十億トンを超える予想となっております。
我が国も、このIMOの目標を実現するために、私ども日本船舶技術研究協会とそれから国土交通省が共催で国際海運ゼロエミッションプロジェクトを立ち上げました。日本の造船、海運、舶用工業、海事関係、公的機関、大学、研究所をメンバーといたしまして、高性能な船舶への代替促進、あるいは新燃料への代替、それから船上炭素回収技術、一般的にCCSと言われているものですけれども、これらの技術のイノベーションの促進を含むロードマップを策定しております。
このプロジェクトで燃料転換、今まで百年近く船というのは重油をたいて動いてきたわけですが、完全にこれから新燃料に転換するという、我々の感じでいくと歴史的な大転換にあるわけですけれども、ゼロエミッションプロジェクトで大きく分けて二つの燃料転換シナリオを考えております。
右、左とありますけれども、どちらも二〇三〇年までは基本的にLNG燃料が貢献していると。それ以降はいわゆるゼロエミッション船が大幅に増加するシナリオになっておりますが、最初のシナリオ、左側のシナリオは、いわゆるカーボンリサイクルメタン、すなわち、電気分解をして水素を作って、回収したCO2と合成してメタンを製造して、そのリサイクルメタンが主流となるものでございます。LNGの九〇%の成分は基本的にメタンですので、LNG燃料技術がそのまま活用できます。右側のもう一つのシナリオは、水素やアンモニア、これらは本当にCO2フリーの燃料ですが、これらの燃料が主流となってくるというシナリオでございます。
典型的な二つのシナリオを用意しましたけれども、当然のことながらこの中間もありますし、これがいろいろミックスした形でのシナリオも当然考えられます。どちらのシナリオも、非常に難しい技術的課題、特に燃料インフラあるいはサプライチェーン、最終的にやはり経済性等々ですね、不確定性の要素が、あるいは克服すべき問題が、課題が山積みとなっております。
ページ十三は、先ほども申し上げましたゼロエミッションプロジェクトのロードマップです。
当然のことながら、研究開発、船もありますし、それから特にエンジンですね、開発、これを並行して技術の実証を行いながら、逆に、今のままですと経済性悪いので、これをいかに導入していくかということで市場メカニズムやファイナンスの面で検討もしなくてはいけませんし、当然新燃料になりますので、関連ルール、特に安全とかですね、船員も、LNGが取り扱えるような船員も増やしていかなきゃいけないということで、最終的に二〇二八年―三〇年ぐらいの間に完全なゼロエミッションの船を実船投入するという計画でおります。
ゼロエミッション船というのは一体何だということになりますが、これが十四ページに一応イメージということで、本当にこれが実現するか、あるいはこのとおりにいくのかというのはちょっと別にして、我々が今現在考えられるゼロエミッション船というのはこの程度ということで御理解いただければと思いますが。
まずは、やっぱり最初申し上げました水素燃料、CO2フリーの、燃料とした船舶ですね。これでCO2の発生はゼロになるんですけれども、技術的には水素燃料電池という形ではなかなかいけなくて、やっぱり大出力が船の場合必要なので、加えて航続距離の観点でも恐らく小型船に限定されるものと思います。
結果的にはやはり水素だきの内燃エンジンが絶対に必要になってくるわけですが、水素というのは、御存じのように、非常に発火点が低くて、かつ燃焼速度も速いということで、爆発性の危険性があるわけですね。こういう技術的課題が残ります。一方でまた、水素をどこで調達するんだと、競争力のある水素が本当に手に入るのかといった問題も残ります。
絵の上の右側の方の船は、既に受注を重ねておりますLNGだきの船に加えて、風力、まあ昔の帆船と同じですけれども、帆を船の上に付けて、その風力等を使ってのハイブリッド船ということでございます。
左手下は、今度は水素の代わりにアンモニアを使う船でございます。アンモニアも御存じのようにCO2はフリーでございます。ただ、アンモニアは、逆に燃焼速度が非常に遅くて、簡単に言うと火が非常に付きにくい燃料なんですね。これをいかに、どうやって向上していくかというところに非常にテクニカルなイノベーションが求められるところであります。加えて、アンモニアは劇薬でもありますので、その辺の安全性も求められると。
最後の船は、いわゆる排気ガスからCO2を回収するCCSを使って、エンジンを回しながらそのCO2を回収していくという船なんですが、もうこれは本当にプラントがどのぐらいの大きさになるのか、あるいはCO2をどのぐらい回収できるのかといった技術的課題も残っております。
ちょっと筋がそれるかもしれませんけれども、次に現在の日本の造船業を取り巻く状況につきまして御説明したいと思います。
十六ページでございます。
一九八〇年代―九〇年代までは、日本はナンバーワンの造船国でありました。その後、韓国が台頭しまして、今世紀の初頭には日本と韓国が肩を並べ、二〇一〇年以降はやはり韓国と中国に抜かれ、日本は第三位となっております。
中国、韓国の設備状況、特にリーマン直前の船腹の大量発注によりまして、今もなお大幅な設備過剰問題あるいは船腹過剰問題を抱えて、加えて直近のコロナもありまして、新造船需要が激減しております。手持ち工事量、普通は二年必要なんですが、これが一年を切るような今危機的な水準にあります。
次のページ、十七ページでございますが、この造船不況、あるいはその受注が本当に消失しちゃったという状況は中国も韓国の造船所も同じなんですけれども、非常に厳しい状況なんですが、基本的に大規模な政府の公的支援を受けまして、中国も韓国も政府主導で救済合併や統合が行われておりまして、日本の造船業は相対的にますます厳しい状況に置かれております。
その次は、中国・韓国造船業の技術力のキャッチアップということなんですけれども、十八ページでございます。
技術力につきましては日本がまだまだ優位性がありますが、実際に、十八ページのこの表は、燃費消費率、これブルーが日本の建造の船で、要するに下にあるほど燃費がいい船です、消費量が縦軸になっておりますので。
こういう形で、先ほど、政府の御支援もあって、非常に燃費のいい省エネ船ということで日本は高い評価を得ているんですけれども、今後は、この省エネ船に加えて、ゼロエミッション船の開発というのが日本の造船業を再生、維持していくためにはキーになるものと判断しております。
十九ページ、二十ページは、ゼロエミッション船、これは海外でございます。
十九ページは欧州の発展状況なんですが、これはどれも基本的に水素燃料電池を使った電動船です。ただ、これ、フェリーとかプッシュボートとか非常に小型の船にやはり限られております。
二十ページは、中国も同様にやっておりますけど、これも非常に水素燃料電池ということで小さい船ですね。サムスンと大宇はアンモニア燃料船をやっておりますけど、これは基本的に、ドイツのMANという舶用機械エンジンメーカーがございますけど、このアンモニアだきエンジンを開発するのにお互いにタイアップしてやっているということで、このゼロエミッション船の開発という点では各国一線の状況となっております。
二十二ページ目に入ります。
生き残りを懸けましたゼロエミッションの開発戦略ということで、燃料転換は、先ほど申し上げましたように、重油からガス燃料に移換すると。まずはLNG燃料が主力燃料としていきますし、いずれは水素やアンモニアというものが追随していくという考え方です。
自動車の世界では、水素などの燃料電池車は、トヨタさんのミライが一番分かりやすいんですが、もう実現化しておりますが、船の場合は、もう圧倒的に水の抵抗あるいは波の抵抗が強いものですから、大出力、大容量の出力が要求されるということで、現実的にはやはり内燃機関、エンジンでしかこれは対応できません。これは、逆に言えば、造船とか舶用メーカーの海事クラスター全体がこれを対応していくことが必要で、私どもの協会はプラットフォームとして機能を提供していくつもりです。
是非とも、やっぱり海事クラスターを何とか強力なまま維持していくということが安全保障あるいは経済安全保障上、絶対に必要です。特に、グリーンイノベーション基金等を使いながら、リスクを取った事業者を支援しながら、まずはLNG事業の競争力、そして、ひいてはゼロエミッションの開発、実証を世界に先駆けて成功すれば、必ずや造船業あるいは海事クラスターを強力に維持することができると思っております。
二十三ページ目は、様々なゼロエミッション船の問題点を記載いたしました。これはもう先ほど口頭で申し上げましたように、水素は爆発性があるとか、アンモニアは燃焼速度が悪い、そういうものが盛り込んだ内容でございますので、一応割愛させていただきます。
二十五ページ、最後のまとめでございますけれども、これも今私が御説明しました要点を一応書き並べたものですが、最後の三つだけですね。
ゼロエミッション船の実現というのは非常に海事クラスターをつなぐプラットフォームとして重要ということで、我々協会はしっかり海事産業競争力をアップ、つなげていきたいと。
それから、やはりゼロエミッションの開発はお金が掛かります。リスクを取る民間企業に対しては、グリーンイノベーションファンドのみならず、政府の格別の御支援をお願いしたいと思っております。
最後に、先ほど御両者、佐藤さん、真鍋さんから風力発電の話を御説明いただきましたが、これは非常に、浮体式は特に造船の技術が生かせる分野でもございますし、それに伴った風車、あるいは特にサポートするための船がたくさん必要になりますので、こういった意味でも……
鶴
田
鶴
鶴保庸介#12
○会長(鶴保庸介君) ありがとうございました。
大変恐縮であります。御協力をいただければと思います。何巡目かの先生方の御質問等々でまた深掘りをしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で参考人の御意見の陳述を終わらせていただきます。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、大会派順に各会派一名ずつ指名し、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと思います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力をお願いいたします。
質疑のある方は順次御発言願います。
吉川ゆうみ君。
この発言だけを見る →大変恐縮であります。御協力をいただければと思います。何巡目かの先生方の御質問等々でまた深掘りをしていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で参考人の御意見の陳述を終わらせていただきます。
これより参考人に対する質疑を行います。
本日の質疑はあらかじめ質疑者を定めずに行います。
まず、大会派順に各会派一名ずつ指名し、その後は、会派にかかわらず御発言いただけるよう整理してまいりたいと思います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
また、質疑者には、その都度答弁者を明示していただくとともに、できるだけ多くの委員が発言の機会を得られますように、答弁を含めた時間がお一人十分以内となるように御協力をお願いいたします。
質疑のある方は順次御発言願います。
吉川ゆうみ君。
吉
吉川ゆうみ#13
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。自由民主党、吉川ゆうみでございます。
〔会長退席、理事柘植芳文君着席〕
三人の参考人の皆様におかれましては、浮体式風力あるいはゼロエミッション船ということで、これからまさにこの環境、もう外部不経済という時代ははるか昔に終わって、これからはこの環境あるいはサステナビリティーということをまさに我々の経済の柱としていかなければならない、その中での本当に心強い様々な皆様の挑戦、そして今後のお話をお聞かせいただき、大変有り難く思っている次第でございます。
まず、佐藤参考人にお伺いをさせていただきたいというふうに思っております。
先ほどバリューチェーンのお話もありました。先ほど申し上げましたように、この環境が経済のプラスになっていかなければならないという中において、我が国、カーボンニュートラル、二〇五〇年のゼロということでございますけれども、私、大変危惧しておりますのが、例えば自動車が電気自動車になるということになりますと、我が国自動車産業に関連する、従事する人たち五百五十万人、約一割という中において、ガソリン車の場合は部品点数三万点、しかし電気自動車になると一万点になるというところ、我が国の雇用と地域産業を支えているこの自動車産業、まさにそこに、私は、環境に取り組むことによって経済あるいは社会のマイナスを起こしてはいけないという大きな危惧を持っております。
先ほど佐藤参考人の方からは、自動車産業あるいはバリューチェーン又は航空機産業というお話ございました。私、この風力発電には、部品点数二万点というところ、大変多い部品点数があるところ、期待申し上げているところでございますが、このバリューチェーンへの貢献、どのように考えていらっしゃるのか。これから、日本が計画立てたことによって、欧米の、海外の企業もどんどん日本に出てくるであろうと、メーカーは欧米であっても部品は日本で調達するということが考えられると思います。その辺り、我が国がこれからどのような形で戦略的に計画し進めていけばいいのか、佐藤参考人の御意見お伺いできたらと思います。
この発言だけを見る →〔会長退席、理事柘植芳文君着席〕
三人の参考人の皆様におかれましては、浮体式風力あるいはゼロエミッション船ということで、これからまさにこの環境、もう外部不経済という時代ははるか昔に終わって、これからはこの環境あるいはサステナビリティーということをまさに我々の経済の柱としていかなければならない、その中での本当に心強い様々な皆様の挑戦、そして今後のお話をお聞かせいただき、大変有り難く思っている次第でございます。
まず、佐藤参考人にお伺いをさせていただきたいというふうに思っております。
先ほどバリューチェーンのお話もありました。先ほど申し上げましたように、この環境が経済のプラスになっていかなければならないという中において、我が国、カーボンニュートラル、二〇五〇年のゼロということでございますけれども、私、大変危惧しておりますのが、例えば自動車が電気自動車になるということになりますと、我が国自動車産業に関連する、従事する人たち五百五十万人、約一割という中において、ガソリン車の場合は部品点数三万点、しかし電気自動車になると一万点になるというところ、我が国の雇用と地域産業を支えているこの自動車産業、まさにそこに、私は、環境に取り組むことによって経済あるいは社会のマイナスを起こしてはいけないという大きな危惧を持っております。
先ほど佐藤参考人の方からは、自動車産業あるいはバリューチェーン又は航空機産業というお話ございました。私、この風力発電には、部品点数二万点というところ、大変多い部品点数があるところ、期待申し上げているところでございますが、このバリューチェーンへの貢献、どのように考えていらっしゃるのか。これから、日本が計画立てたことによって、欧米の、海外の企業もどんどん日本に出てくるであろうと、メーカーは欧米であっても部品は日本で調達するということが考えられると思います。その辺り、我が国がこれからどのような形で戦略的に計画し進めていけばいいのか、佐藤参考人の御意見お伺いできたらと思います。
佐
佐藤郁#14
○参考人(佐藤郁君) お答えさせていただきます。
〔理事柘植芳文君退席、会長着席〕
御指摘のとおり、非常に風力発電というのは部品点数も多いですし、自動車産業、それから航空機産業、特に日本は非常に質の高い部品を作る技術があります。皆様乗っておられる車もめったに故障しないというふうに思われると思いますが、私も先日車買い換えたんですけど、十七年間乗れましたんで、ですから、やっぱりすごいなと。
風力発電にとって、先ほど真鍋さんからもお話ありましたけれども、一つの故障が大きな損失につながるんですね。ですので、部品の信頼性というのは非常に重要です。その点で、日本の自動車、航空機産業の技術はフルに生かせるだろうというふうに考えています。
ただ、一つ課題があります。今のヨーロッパの風車、まあ風車産業は全部そうなんですけれども、認証というものを経ないと基本的には使えません。その認証に当たっては、部品一点一点まで指定をして認証を取るんですね。なので、その部品が変わるということは設計を変えなければいけない可能性も出てきます。ですので、今ある、製品として出ているものに対して部品を供給するというのは不可能に近いです。若しくは、もうでき上がったものがコストが安いからこっちの部品にしましょうというのはあるかもしれませんけれども、基本的には信頼性が勝負ですのでなかなか難しいですね。
ですので、日本がこれから風車のサプライチェーンに入っていく、自動車、航空機産業に入っていくのであれば、これから開発するもの、今もう十六メガとか二十メガとかそういったサイズ、非常に大きなサイズの風車の開発に入っています。ですから、そういうところに積極的に提案をして参加していく。そのためにも、日本の自動車、航空機産業の方が風力発電のことをもっとよく知っていただいて、何が不足しているのか、そういったことを理解していただく必要があります。
幸い、日本にはまだ、撤退したとはいえ風力発電のエンジニアはまだたくさんおります。彼らとしても、多分次の世界に、世代に向けて自分たちの技術や知見を生かしたい気持ちは大きいと思いますので、そういったところを活用しながら、新たな時代に向かって歩みを進めていけるような環境の構築が必要だろうなと思います。
よろしいでしょうか。
この発言だけを見る →〔理事柘植芳文君退席、会長着席〕
御指摘のとおり、非常に風力発電というのは部品点数も多いですし、自動車産業、それから航空機産業、特に日本は非常に質の高い部品を作る技術があります。皆様乗っておられる車もめったに故障しないというふうに思われると思いますが、私も先日車買い換えたんですけど、十七年間乗れましたんで、ですから、やっぱりすごいなと。
風力発電にとって、先ほど真鍋さんからもお話ありましたけれども、一つの故障が大きな損失につながるんですね。ですので、部品の信頼性というのは非常に重要です。その点で、日本の自動車、航空機産業の技術はフルに生かせるだろうというふうに考えています。
ただ、一つ課題があります。今のヨーロッパの風車、まあ風車産業は全部そうなんですけれども、認証というものを経ないと基本的には使えません。その認証に当たっては、部品一点一点まで指定をして認証を取るんですね。なので、その部品が変わるということは設計を変えなければいけない可能性も出てきます。ですので、今ある、製品として出ているものに対して部品を供給するというのは不可能に近いです。若しくは、もうでき上がったものがコストが安いからこっちの部品にしましょうというのはあるかもしれませんけれども、基本的には信頼性が勝負ですのでなかなか難しいですね。
ですので、日本がこれから風車のサプライチェーンに入っていく、自動車、航空機産業に入っていくのであれば、これから開発するもの、今もう十六メガとか二十メガとかそういったサイズ、非常に大きなサイズの風車の開発に入っています。ですから、そういうところに積極的に提案をして参加していく。そのためにも、日本の自動車、航空機産業の方が風力発電のことをもっとよく知っていただいて、何が不足しているのか、そういったことを理解していただく必要があります。
幸い、日本にはまだ、撤退したとはいえ風力発電のエンジニアはまだたくさんおります。彼らとしても、多分次の世界に、世代に向けて自分たちの技術や知見を生かしたい気持ちは大きいと思いますので、そういったところを活用しながら、新たな時代に向かって歩みを進めていけるような環境の構築が必要だろうなと思います。
よろしいでしょうか。
吉
吉川ゆうみ#15
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。大変貴重な御意見賜りまして、心から感謝申し上げます。
次に、田中参考人に御質問させていただきたいというふうに思っております。
現在のIMOの中での我が国の立ち位置、特に環境のところでは斎藤審議官が議長ということで、大変心強いところでございます。
ちょうど昨年末にもIMOでカーボンの、CO2の削減のこれからの目標に対して承認がされる、あるいは国際海運のゼロエミッションに向けたロードマップ、これが二〇二八年に向けてスタートしているというところでございますけれども、私、危惧しておりますのは、この十年、二十年ほど、IMOの環境への規制、これがかなりのスピードで、もちろん世界的な環境への取組がスピード感を持って進んでおりますので、その中で海洋というところは大変重要でございますので、かなりのスピード感でもって規制の強化というのが進んでいるというふうに見ております。
その中において、我が国、環境技術も大変優れている、造船も優れているものの、この船のライフサイクルに対してIMOの環境規制の方の強化の方がスピードが速いというところを大変危惧しております。つまり、規制の中に、造船業、我が国のすばらしい技術をもって対応してもどうしてもコスト高になるところにおいて更に先の規制があって、そこにはまたコストでもって、中国や韓国、国策でやっているところに取っていかれると。さらに、コロナによって環境で選ばれなくなっているというのが現状でございますので、そこを大変危惧しております。
これから、我が国がIMOの中で大変なこの環境について立ち位置を持っている今、このゼロエミッション船、これ、我が国の造船産業、海事クラスター二十五万人のうち約半分は造船に携わっていると認識しておりますので、その中のしっかりとした雇用と技術を守るためにも、我が国が環境規制を握っているところと我が国のこの産業の両立といいますか、共存といいますか、共栄といいますか、そこについて田中参考人は、今後の我が国の造船産業あるいは海事クラスター、どのような見解と戦略立てるべきだと思っていらっしゃいますでしょうか。
この発言だけを見る →次に、田中参考人に御質問させていただきたいというふうに思っております。
現在のIMOの中での我が国の立ち位置、特に環境のところでは斎藤審議官が議長ということで、大変心強いところでございます。
ちょうど昨年末にもIMOでカーボンの、CO2の削減のこれからの目標に対して承認がされる、あるいは国際海運のゼロエミッションに向けたロードマップ、これが二〇二八年に向けてスタートしているというところでございますけれども、私、危惧しておりますのは、この十年、二十年ほど、IMOの環境への規制、これがかなりのスピードで、もちろん世界的な環境への取組がスピード感を持って進んでおりますので、その中で海洋というところは大変重要でございますので、かなりのスピード感でもって規制の強化というのが進んでいるというふうに見ております。
その中において、我が国、環境技術も大変優れている、造船も優れているものの、この船のライフサイクルに対してIMOの環境規制の方の強化の方がスピードが速いというところを大変危惧しております。つまり、規制の中に、造船業、我が国のすばらしい技術をもって対応してもどうしてもコスト高になるところにおいて更に先の規制があって、そこにはまたコストでもって、中国や韓国、国策でやっているところに取っていかれると。さらに、コロナによって環境で選ばれなくなっているというのが現状でございますので、そこを大変危惧しております。
これから、我が国がIMOの中で大変なこの環境について立ち位置を持っている今、このゼロエミッション船、これ、我が国の造船産業、海事クラスター二十五万人のうち約半分は造船に携わっていると認識しておりますので、その中のしっかりとした雇用と技術を守るためにも、我が国が環境規制を握っているところと我が国のこの産業の両立といいますか、共存といいますか、共栄といいますか、そこについて田中参考人は、今後の我が国の造船産業あるいは海事クラスター、どのような見解と戦略立てるべきだと思っていらっしゃいますでしょうか。
田
田中誠一#16
○参考人(田中誠一君) お答えいたします。
御質問どうもありがとうございます。
日本、環境ということに関して、特に船に関して言うと、先ほど御説明したとおり、全然遅れていないと思っています。逆に、やはり燃費がいい船、すなわちCO2を出す量が少ない船、これについてはやはり高い評価を得ておりますので、現実的に日本の船を選ぶ外国の船主さんもたくさんいらっしゃいます。
一方で、今何が問題かというと、やはり船価の差、この辺がやはり決定的に、今一〇%あるいは二〇%違うと一般的に言われておりますけれども、この船価差をどうやってカバーしていくかというのが非常に問題だと思っています。
一方では、今、国土交通省もいろいろ御協力いただいて、いわゆる国のファイナンスを使ったり様々な仕組みをつくり上げて競争力の回復に努めているというのが現状です。一方で、韓国、中国は、やはりルール上、本来でいけばWTOのあれからも違反するような動きをしているので、これも一応提訴した形になっているんですけど、なかなかこの本当の実態が分からないので苦労しているところです。
そういう意味で、御質問の中で、この環境が逆にどんどん変わっていくと日本は追い付いていけないんじゃないかということの御質問だったと思うんですけれども、実際には、やはり船、耐用年数が三十年以上ありますので完全になくなるというのはこれは難しいんですけれども、逆に古い船あるいは効率の悪い船はどんどん退出していきますので、スクラップにしていきますので、これは結果的には日本の造船業にとっては極めていい兆候なので、逆に、燃料の変換とか環境規制に合った船を造っていくということが逆に古い船を追い出して、結果的に日本の造船業を救うことになると思っています。
ただ、中国、韓国の造船所はやっぱり非常に巨大で新しい設備持っていますので、どうしてもコスト競争力という意味では差が出てきますが、これは今やはり再編の途上にあって、幾つかの造船所も今タッグを組んで競争力を上げようということでやって、それを日本政府として支援していただくという構図がやはり一番自然なのかなと思っています。
この発言だけを見る →御質問どうもありがとうございます。
日本、環境ということに関して、特に船に関して言うと、先ほど御説明したとおり、全然遅れていないと思っています。逆に、やはり燃費がいい船、すなわちCO2を出す量が少ない船、これについてはやはり高い評価を得ておりますので、現実的に日本の船を選ぶ外国の船主さんもたくさんいらっしゃいます。
一方で、今何が問題かというと、やはり船価の差、この辺がやはり決定的に、今一〇%あるいは二〇%違うと一般的に言われておりますけれども、この船価差をどうやってカバーしていくかというのが非常に問題だと思っています。
一方では、今、国土交通省もいろいろ御協力いただいて、いわゆる国のファイナンスを使ったり様々な仕組みをつくり上げて競争力の回復に努めているというのが現状です。一方で、韓国、中国は、やはりルール上、本来でいけばWTOのあれからも違反するような動きをしているので、これも一応提訴した形になっているんですけど、なかなかこの本当の実態が分からないので苦労しているところです。
そういう意味で、御質問の中で、この環境が逆にどんどん変わっていくと日本は追い付いていけないんじゃないかということの御質問だったと思うんですけれども、実際には、やはり船、耐用年数が三十年以上ありますので完全になくなるというのはこれは難しいんですけれども、逆に古い船あるいは効率の悪い船はどんどん退出していきますので、スクラップにしていきますので、これは結果的には日本の造船業にとっては極めていい兆候なので、逆に、燃料の変換とか環境規制に合った船を造っていくということが逆に古い船を追い出して、結果的に日本の造船業を救うことになると思っています。
ただ、中国、韓国の造船所はやっぱり非常に巨大で新しい設備持っていますので、どうしてもコスト競争力という意味では差が出てきますが、これは今やはり再編の途上にあって、幾つかの造船所も今タッグを組んで競争力を上げようということでやって、それを日本政府として支援していただくという構図がやはり一番自然なのかなと思っています。
吉
吉川ゆうみ#17
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。
時間が参りましたので、真鍋参考人さん、申し訳ございません、ここで終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
この発言だけを見る →時間が参りましたので、真鍋参考人さん、申し訳ございません、ここで終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
鶴
小
小沼巧#19
○小沼巧君 立憲民主党の小沼巧です。よろしくお願いいたします。
時間限られておりますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。
まず、丸紅の真鍋参考人にお伺いさせていただきたいと思っておるのですが、この洋上風力発電事業というものを考えてみたときに、一体、丸紅始めとした様々なプレーヤーの稼ぎどころといいますか、どこが一番ビジネス的に注意するポイントなのかなということをビジネスモデルから考えていくと、大きく三つぐらいあるのかなと。一つが出資、一つがEPC売り、一つがOMで、要はランニングでもうけているというところがあると思うんですけれども。
海外における規模と日本における規模をそれぞれ見比べてみますと、我が国における規模は全体の十分の一にも満たないような状況でございますが、事日本において洋上風力発電事業というものをやっていこうとしたときに、一体どういう観点での採算性、とりわけプロジェクトファイナンスに強みがあるということもおっしゃっておりましたので、どういう観点、勘どころで見ていくとペイするのかしないのか。また、その際に当たって乗り越えなければいけないバリアというのは一体どういうところなのか。ふだんからの事業を展開していくに当たって、我が国市場における展開をやるに当たっての勘どころというものをどういう観点で見ているのか、それについて御知見を教えていただければ幸いです。
この発言だけを見る →時間限られておりますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。
まず、丸紅の真鍋参考人にお伺いさせていただきたいと思っておるのですが、この洋上風力発電事業というものを考えてみたときに、一体、丸紅始めとした様々なプレーヤーの稼ぎどころといいますか、どこが一番ビジネス的に注意するポイントなのかなということをビジネスモデルから考えていくと、大きく三つぐらいあるのかなと。一つが出資、一つがEPC売り、一つがOMで、要はランニングでもうけているというところがあると思うんですけれども。
海外における規模と日本における規模をそれぞれ見比べてみますと、我が国における規模は全体の十分の一にも満たないような状況でございますが、事日本において洋上風力発電事業というものをやっていこうとしたときに、一体どういう観点での採算性、とりわけプロジェクトファイナンスに強みがあるということもおっしゃっておりましたので、どういう観点、勘どころで見ていくとペイするのかしないのか。また、その際に当たって乗り越えなければいけないバリアというのは一体どういうところなのか。ふだんからの事業を展開していくに当たって、我が国市場における展開をやるに当たっての勘どころというものをどういう観点で見ているのか、それについて御知見を教えていただければ幸いです。
真
真鍋寿史#20
○参考人(真鍋寿史君) 御質問ありがとうございます。
お答えいたします。
当社としては幾つかの顔が実はあるわけですけれども、私の立場からしてみると、事業者として出資で投資収益を得るというのが主になります。他方、出資をさせていただいているシージャックスという船の会社になりますと、どちらかというと建設側ですのでEPCの方で収益を上げさせていただくという形なので、丸紅グループとしては複数の顔があるんですけれども、本日は出資の観点から説明をさせていただきたいと思います。
海外と比べますと規模が小さいというのは確かにおっしゃるとおりであるんですけれども、他方、制度面でありますと、現時点ではフィードインタリフの制度がありまして、固定価格で売電ができるという制度に今のところ守られているというところがございます。
他方、勘どころといいますか、注意しないといけないところなんですけれども、こちらは十二月の官民協議会の方でも私が述べさせていただいたんですけれども、再エネの導入に関しましては、太陽光を皮切りに高い固定価格買取り制度がセットされまして、急激に拡大が進んだと。その反省点といいますか、ちょっと国民負担が大き過ぎるんではないかという反省点もありまして、そのフィードインタリフの売電価格を下げる方向で今考えが進められています。
確かに国民負担を考えますと当然あるべき姿だと思っているんですけれども、洋上風力に関しますと、私の説明の方でも申し上げましたが、やはり安全面のところが陸上とは比べ物にならないほど重要になっているということで、コストを削っていくということはどうしても何かを削らなきゃいけない。そうすると、EPCを削るのか、それ以外のマネジメントコストを削るのか、ファイナンスコストを削るのかと、いろんなところを削るわけですけれども、やはり黎明期でありますので、このタイミングで大きな事故やその産業自体の育成に障害となるようなことを起こすべきではないと思っていますので、やはり事業者としてしっかりとした安全対策に係るコスト、人員というのは確保すべきだと思っております。
ですので、当然、再エネのコストを下げていく、カーボンニュートラルに向けて下げていく、で、FIT単価を下げていくということは国策として非常に重要だと思うんですけれども、一方で、市場黎明期に関しては特にそういった安全面のところを犠牲にするようなことはあってはならないということを私の方からも申し上げさせていただいたんですけれども、そういった観点を踏まえた適切なその料金設定というのを是非とも御検討いただきたいと思っていますし、民間の方からもそういった意見を出させていただいております。
この発言だけを見る →お答えいたします。
当社としては幾つかの顔が実はあるわけですけれども、私の立場からしてみると、事業者として出資で投資収益を得るというのが主になります。他方、出資をさせていただいているシージャックスという船の会社になりますと、どちらかというと建設側ですのでEPCの方で収益を上げさせていただくという形なので、丸紅グループとしては複数の顔があるんですけれども、本日は出資の観点から説明をさせていただきたいと思います。
海外と比べますと規模が小さいというのは確かにおっしゃるとおりであるんですけれども、他方、制度面でありますと、現時点ではフィードインタリフの制度がありまして、固定価格で売電ができるという制度に今のところ守られているというところがございます。
他方、勘どころといいますか、注意しないといけないところなんですけれども、こちらは十二月の官民協議会の方でも私が述べさせていただいたんですけれども、再エネの導入に関しましては、太陽光を皮切りに高い固定価格買取り制度がセットされまして、急激に拡大が進んだと。その反省点といいますか、ちょっと国民負担が大き過ぎるんではないかという反省点もありまして、そのフィードインタリフの売電価格を下げる方向で今考えが進められています。
確かに国民負担を考えますと当然あるべき姿だと思っているんですけれども、洋上風力に関しますと、私の説明の方でも申し上げましたが、やはり安全面のところが陸上とは比べ物にならないほど重要になっているということで、コストを削っていくということはどうしても何かを削らなきゃいけない。そうすると、EPCを削るのか、それ以外のマネジメントコストを削るのか、ファイナンスコストを削るのかと、いろんなところを削るわけですけれども、やはり黎明期でありますので、このタイミングで大きな事故やその産業自体の育成に障害となるようなことを起こすべきではないと思っていますので、やはり事業者としてしっかりとした安全対策に係るコスト、人員というのは確保すべきだと思っております。
ですので、当然、再エネのコストを下げていく、カーボンニュートラルに向けて下げていく、で、FIT単価を下げていくということは国策として非常に重要だと思うんですけれども、一方で、市場黎明期に関しては特にそういった安全面のところを犠牲にするようなことはあってはならないということを私の方からも申し上げさせていただいたんですけれども、そういった観点を踏まえた適切なその料金設定というのを是非とも御検討いただきたいと思っていますし、民間の方からもそういった意見を出させていただいております。
小
小沼巧#21
○小沼巧君 ありがとうございました。
それでは次に、佐藤参考人にお伺いして、いただきたいと思います。
佐藤参考人は、例えば国交省や経産省、それぞれの協議会の委員なんかもお務めになられておるところでございます。その御経験を踏まえてお伺いしたいと思っておるのですが、実際に再エネのプロジェクトをやったのは環境省の事業であったということでありまして、様々な評価、環境省のやったところはうまくいったんだけれども、経産省のやっているところの、福島のあんまりだったよねみたいな、そういう評価というのも多々あるところでございます。
大きく二つありまして、一つが、なぜに、例えば経産省などのプロジェクトの関係で、協議会ですね、やっておられたんですけれども、経産省の事業ではなく環境省の事業を選択してこのような実証ということをやるに至ったのか、その比較考量というところの観点は何だったのかということが一つ。
もう一つが、一つ、一歩大きく視点を考えてみますと、いわゆる今回のグリーン成長、グリーンが大事だということのいろんなことが言われておりますけれども、実は、私、誤解を恐れず申し上げれば、十年前から変わっていないと思っています。
何でかというと、十年前にも似たような成長戦略なるものが出されておって、そのときにはグリーンイノベーション、ライフイノベーションなどということで、同じことを言っていたように聞こえるのであります。目標値を掲げたというところに何か意味があるかというと、必ずしもそうではないと思っていて、例えば蓄電池戦略、二〇二〇年に我が国企業のシェアを五〇%にするんだと当時掲げましたけれども、実際それは達成されないまま、レビューも大してされないまま、昨年の経産委員会で問うてみましたけれども、余り目標を立ててもそれが振り返られることもないまま来てしまっているというのが、近年、ここ十年程度の我が国の現状であったのではないかなと思うところであります。
そういう意味で、グリーンということを新しく成長ということにされましたが、中身として何が変わったのか、民間企業から見たときに。それによって、実際に投資行動だったり、あるいは対株主との会話などにおいて説得する材料というものはどのように変わっていったのかということを、純粋に民間側から見たときに、政府のやっておるようなこの十年間の現状踏まえたときにどのように評価をするのかということの観点も併せてお答えいただければと思います。
大きく二つになりまして恐縮ですが、お答えいただければと思います。
この発言だけを見る →それでは次に、佐藤参考人にお伺いして、いただきたいと思います。
佐藤参考人は、例えば国交省や経産省、それぞれの協議会の委員なんかもお務めになられておるところでございます。その御経験を踏まえてお伺いしたいと思っておるのですが、実際に再エネのプロジェクトをやったのは環境省の事業であったということでありまして、様々な評価、環境省のやったところはうまくいったんだけれども、経産省のやっているところの、福島のあんまりだったよねみたいな、そういう評価というのも多々あるところでございます。
大きく二つありまして、一つが、なぜに、例えば経産省などのプロジェクトの関係で、協議会ですね、やっておられたんですけれども、経産省の事業ではなく環境省の事業を選択してこのような実証ということをやるに至ったのか、その比較考量というところの観点は何だったのかということが一つ。
もう一つが、一つ、一歩大きく視点を考えてみますと、いわゆる今回のグリーン成長、グリーンが大事だということのいろんなことが言われておりますけれども、実は、私、誤解を恐れず申し上げれば、十年前から変わっていないと思っています。
何でかというと、十年前にも似たような成長戦略なるものが出されておって、そのときにはグリーンイノベーション、ライフイノベーションなどということで、同じことを言っていたように聞こえるのであります。目標値を掲げたというところに何か意味があるかというと、必ずしもそうではないと思っていて、例えば蓄電池戦略、二〇二〇年に我が国企業のシェアを五〇%にするんだと当時掲げましたけれども、実際それは達成されないまま、レビューも大してされないまま、昨年の経産委員会で問うてみましたけれども、余り目標を立ててもそれが振り返られることもないまま来てしまっているというのが、近年、ここ十年程度の我が国の現状であったのではないかなと思うところであります。
そういう意味で、グリーンということを新しく成長ということにされましたが、中身として何が変わったのか、民間企業から見たときに。それによって、実際に投資行動だったり、あるいは対株主との会話などにおいて説得する材料というものはどのように変わっていったのかということを、純粋に民間側から見たときに、政府のやっておるようなこの十年間の現状踏まえたときにどのように評価をするのかということの観点も併せてお答えいただければと思います。
大きく二つになりまして恐縮ですが、お答えいただければと思います。
佐
佐藤郁#22
○参考人(佐藤郁君) まず一点目、なぜ経産省さんではなくて環境省さんを選んだかということなんですけれども、当時、経済産業省さんは着床式のプロジェクトを実施されておりまして、環境省さんの方で浮体式を担当するという形で、実際にその場に居合わせていたわけではないので正しいかどうか分かりませんが、いわゆるデマケがあって、環境省さんが浮体の担当になったというふうに伺っております。ですので、私どもは、先ほど御説明させていただいたように、十年以上前から浮体の開発に特化してやっておりますので、環境省さんのプロジェクトに応募したということです。
二つ目、グリーン成長についてですけれども、いわゆる十年前と今とは大きく変わっていると思います。特に脱炭素という観点からいくと、世界の動き、特にヨーロッパが先行しているわけですが、大きく変わっていると思います。特に、アメリカの大統領が先日替わりましたけれども、そこで更にマーケットが、世界のマーケットが倍増しています。つまり、日本はある意味蚊帳の外に近いような状態に今追いやられているようなところになっています。ですので、政策的については、今まではなかなか、官民協議会のようなものもなかったんですけれども、政策の中身についても大きく変化しているというふうに考えております。
民間側から見て、株主さん等の評価もやはり環境のビジネスをやっている企業が高く評価されるようになっていますので、やはり今般の国の方針の明確化というのは非常に大きな動きであったなというふうに評価しております。
よろしいでしょうか。
この発言だけを見る →二つ目、グリーン成長についてですけれども、いわゆる十年前と今とは大きく変わっていると思います。特に脱炭素という観点からいくと、世界の動き、特にヨーロッパが先行しているわけですが、大きく変わっていると思います。特に、アメリカの大統領が先日替わりましたけれども、そこで更にマーケットが、世界のマーケットが倍増しています。つまり、日本はある意味蚊帳の外に近いような状態に今追いやられているようなところになっています。ですので、政策的については、今まではなかなか、官民協議会のようなものもなかったんですけれども、政策の中身についても大きく変化しているというふうに考えております。
民間側から見て、株主さん等の評価もやはり環境のビジネスをやっている企業が高く評価されるようになっていますので、やはり今般の国の方針の明確化というのは非常に大きな動きであったなというふうに評価しております。
よろしいでしょうか。
小
小沼巧#23
○小沼巧君 ありがとうございます。
時間が限られますので、一問だけ、最後、田中参考人にお伺いしたいと思います。
ゼロエミ船の話がございましたが、これ、いわゆる電化という流れにあって、バッテリー船ということの議論というのはIMO及び日本の中で余り議論がされていないようにプレゼンとして印象を受けたのですが、どちらを重視していくかということ、やっぱり、モーター駆動なのかバッテリーなのかというところの、モーター駆動の方の電化船というものの議論というのはどのような状況になっておるのかということについて、簡単で恐縮ですが、お聞かせいただければと思います。
この発言だけを見る →時間が限られますので、一問だけ、最後、田中参考人にお伺いしたいと思います。
ゼロエミ船の話がございましたが、これ、いわゆる電化という流れにあって、バッテリー船ということの議論というのはIMO及び日本の中で余り議論がされていないようにプレゼンとして印象を受けたのですが、どちらを重視していくかということ、やっぱり、モーター駆動なのかバッテリーなのかというところの、モーター駆動の方の電化船というものの議論というのはどのような状況になっておるのかということについて、簡単で恐縮ですが、お聞かせいただければと思います。
田
田中誠一#24
○参考人(田中誠一君) 電化はもちろん考えております。特に内航船はやはり小船中心ですので電動船も役に立つかなということで検討中ですが、どうしても、車のように輪っかが付いてイナーシャ付ければぱっと走るのと、やはり波があってやっていくというのは非常に大変なのが一つと、もう一つ、やはり中小企業がどうしても内航船は多いので、これがいかにコストダウンして電動化の方に行けるかというところが非常に大きいと思っています。
この発言だけを見る →小
鶴
里
里見隆治#27
○里見隆治君 公明党の里見隆治でございます。
本日は、三人の参考人の先生方、本当にありがとうございます。
まさに、脱炭素社会の実現という観点で、我が国にとって大変重要な論点となる洋上風力発電、またゼロエミッション船ということで、大変示唆に富むお話をいただき、感謝申し上げたいと思います。
まず、佐藤参考人にお伺いをしたいと思います。
戸田建設様始め、事業を進めていただいている五島市、私も実は党内の離島振興対策本部の事務局長で、様々な離島の対策を伺っておりますが、この離島においての洋上風力発電というのは、今までは離島、海に囲まれているということがデメリットであったところが、この洋上風力発電ということで逆にそれをメリットとして生かすことができるということで大変関心を持ち、また、地域を挙げて、島を挙げて取り組まれているということ、御担当からもつぶさにお聞きしております。
特に戸田建設様が入られて、これまでも、病院とか橋梁とか、そういった公共インフラに取り組まれ、それを住民の皆さんと一緒にやってきたという観点を今回はこの洋上風力ということで熱意を持って取り組まれたということで、地域の皆様にも非常に溶け込んでやっておられること、様子を伺っております。
そうした観点で、もちろんこれはグローバルに、また、国を挙げての国策としても進めなければなりませんけれども、こうした地域振興、地方創生という観点での重要性と、どのように受け止められているか。特に五島市におかれては、五島市民電力株式会社というものを設立されて地域電力としても活動されているといったこともありますので、こうしたことをどのように促していくか、こういった観点も含めて御教示いただければと思います。
この発言だけを見る →本日は、三人の参考人の先生方、本当にありがとうございます。
まさに、脱炭素社会の実現という観点で、我が国にとって大変重要な論点となる洋上風力発電、またゼロエミッション船ということで、大変示唆に富むお話をいただき、感謝申し上げたいと思います。
まず、佐藤参考人にお伺いをしたいと思います。
戸田建設様始め、事業を進めていただいている五島市、私も実は党内の離島振興対策本部の事務局長で、様々な離島の対策を伺っておりますが、この離島においての洋上風力発電というのは、今までは離島、海に囲まれているということがデメリットであったところが、この洋上風力発電ということで逆にそれをメリットとして生かすことができるということで大変関心を持ち、また、地域を挙げて、島を挙げて取り組まれているということ、御担当からもつぶさにお聞きしております。
特に戸田建設様が入られて、これまでも、病院とか橋梁とか、そういった公共インフラに取り組まれ、それを住民の皆さんと一緒にやってきたという観点を今回はこの洋上風力ということで熱意を持って取り組まれたということで、地域の皆様にも非常に溶け込んでやっておられること、様子を伺っております。
そうした観点で、もちろんこれはグローバルに、また、国を挙げての国策としても進めなければなりませんけれども、こうした地域振興、地方創生という観点での重要性と、どのように受け止められているか。特に五島市におかれては、五島市民電力株式会社というものを設立されて地域電力としても活動されているといったこともありますので、こうしたことをどのように促していくか、こういった観点も含めて御教示いただければと思います。
佐
佐藤郁#28
○参考人(佐藤郁君) お答えさせていただきます。
まず、地域振興としての重要性という御質問でありますけれども、やはり離島も含め風が強く吹く場所というのは、昔から余り人間が住むには適した場所ではないということもありまして、なかなかへんぴな場所が多かったりとか、電線が来ていない場所が多いというのがあります。さらに、最近ですと、漁獲、温暖化で漁獲高が減っていたりとか、それから人口減少ですね、少子高齢化が進んだりというところで、地域の力は非常に落ちているというふうに感じております。
ただ、今回、環境省さんの事業で五島市さんの方にお願いをして事業をやらさせていただいて、初め行ったときには飛行機の中で背広着ているのは私一人だったんですけれども、最近、背広を着ている人の方が多くなってきたんですね。ですから、やはり一つの事業が呼び水となって地域の方々の考え方が変わったりとか、そういう効果は少なからずあるのかなと。
それ以上に、やはり、いわゆる固定資産税とか、それから風車を建てるために地元の企業の方に御協力いただいたりとか、漁師さんに船まで運んでもらったりとか、そういったことをやっているわけですけれども、相当なお金が、下世話な話で恐縮なんですが、相当なお金が地域に落ちます。やはりそれがきっかけとなって、地域として、さらに、その投資、落ちたお金をどう生かしていくか。そこに対して、我々は電気をつくらせていただいている、その地域にある意味迷惑を掛けて電気をつくらさせていただいているわけですので、そういうところにしっかりとお金が落ちるように、貴重な電気を使い、買っていくということが必要かなと。
二点目のいわゆる市民電力ですけれども、これは、我々の、今、環境省さんの事業でつくってもう八年目になりますが、今日も運転していますけれども、その電気は全て五島市民電力さんにお買い上げいただいております、市民のために使いたいということで。
ですから、やはり自分の家の前でつくった電気を自分たちで生かす、それをさらに、じきに五島市内では使い切れないぐらいの電気をつくることになりますので、それを外に売っていく。つまり、地産地消ではなくて地産外消ですね、ここまで持っていくことが地域振興、特に風力発電の役割ではないかなというふうに考えております。
よろしくお願いします。
この発言だけを見る →まず、地域振興としての重要性という御質問でありますけれども、やはり離島も含め風が強く吹く場所というのは、昔から余り人間が住むには適した場所ではないということもありまして、なかなかへんぴな場所が多かったりとか、電線が来ていない場所が多いというのがあります。さらに、最近ですと、漁獲、温暖化で漁獲高が減っていたりとか、それから人口減少ですね、少子高齢化が進んだりというところで、地域の力は非常に落ちているというふうに感じております。
ただ、今回、環境省さんの事業で五島市さんの方にお願いをして事業をやらさせていただいて、初め行ったときには飛行機の中で背広着ているのは私一人だったんですけれども、最近、背広を着ている人の方が多くなってきたんですね。ですから、やはり一つの事業が呼び水となって地域の方々の考え方が変わったりとか、そういう効果は少なからずあるのかなと。
それ以上に、やはり、いわゆる固定資産税とか、それから風車を建てるために地元の企業の方に御協力いただいたりとか、漁師さんに船まで運んでもらったりとか、そういったことをやっているわけですけれども、相当なお金が、下世話な話で恐縮なんですが、相当なお金が地域に落ちます。やはりそれがきっかけとなって、地域として、さらに、その投資、落ちたお金をどう生かしていくか。そこに対して、我々は電気をつくらせていただいている、その地域にある意味迷惑を掛けて電気をつくらさせていただいているわけですので、そういうところにしっかりとお金が落ちるように、貴重な電気を使い、買っていくということが必要かなと。
二点目のいわゆる市民電力ですけれども、これは、我々の、今、環境省さんの事業でつくってもう八年目になりますが、今日も運転していますけれども、その電気は全て五島市民電力さんにお買い上げいただいております、市民のために使いたいということで。
ですから、やはり自分の家の前でつくった電気を自分たちで生かす、それをさらに、じきに五島市内では使い切れないぐらいの電気をつくることになりますので、それを外に売っていく。つまり、地産地消ではなくて地産外消ですね、ここまで持っていくことが地域振興、特に風力発電の役割ではないかなというふうに考えております。
よろしくお願いします。
里
里見隆治#29
○里見隆治君 どうもありがとうございました。
続いて、真鍋社長、参考人にお伺いをしたいと思います。
官民協議会について触れていただきました。様々な取組の中で、港湾インフラについては、これは一昨年、ちょうど小沼議員も私御一緒しましたけれども、国土交通委員会でも鹿島港にも委員会視察で拝見をしてまいりました。こうした点で官民が協力していくというのは大変重要なことだと思います。その一方で、いろいろな振り返り、これまでの経験を生かしていくということも重要で、私、あえてお聞きしたいと思いますけれども、先ほど真鍋参考人からのお話で、福島の経験を今後生かしていくということでありました。
我々も、これは社会的な実験であり検証を踏まえてということですので、これは是非日本社会としても共有をして前に進まなければならないと考えておりますけれども、なかなかこれ、話せば長くなることだと思いますけれども、この福島の経験という点で我々として共有すべきこと、二、三、ポイントで挙げるとすればどのようなことか、教えていただきたいと思います。
この発言だけを見る →続いて、真鍋社長、参考人にお伺いをしたいと思います。
官民協議会について触れていただきました。様々な取組の中で、港湾インフラについては、これは一昨年、ちょうど小沼議員も私御一緒しましたけれども、国土交通委員会でも鹿島港にも委員会視察で拝見をしてまいりました。こうした点で官民が協力していくというのは大変重要なことだと思います。その一方で、いろいろな振り返り、これまでの経験を生かしていくということも重要で、私、あえてお聞きしたいと思いますけれども、先ほど真鍋参考人からのお話で、福島の経験を今後生かしていくということでありました。
我々も、これは社会的な実験であり検証を踏まえてということですので、これは是非日本社会としても共有をして前に進まなければならないと考えておりますけれども、なかなかこれ、話せば長くなることだと思いますけれども、この福島の経験という点で我々として共有すべきこと、二、三、ポイントで挙げるとすればどのようなことか、教えていただきたいと思います。