内閣委員会

2022-11-24 参議院 全232発言

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会議録情報#0
令和四年十一月二十四日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月十七日
    辞任         補欠選任   
     臼井 正一君     磯崎 仁彦君
 十一月十八日
    辞任         補欠選任   
     塩田 博昭君     山本 香苗君
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任   
     山本 香苗君     塩田 博昭君
 十一月二十二日
    辞任         補欠選任   
     柴田  巧君     青島 健太君
 十一月二十四日
    辞任         補欠選任   
     吉田 忠智君     柴  愼一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         古賀友一郎君
    理 事
                上月 良祐君
                森屋  宏君
                山田 太郎君
                塩村あやか君
                塩田 博昭君
    委 員
                有村 治子君
                磯崎 仁彦君
                衛藤 晟一君
                自見はなこ君
                広瀬めぐみ君
                三宅 伸吾君
                山谷えり子君
                柴  愼一君
                杉尾 秀哉君
                水野 素子君
                三浦 信祐君
                青島 健太君
                高木かおり君
                上田 清司君
                井上 哲士君
   国務大臣
       国務大臣     谷  公一君
   副大臣
       内閣府副大臣   星野 剛士君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        中野 英幸君
       財務大臣政務官  宮本 周司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮崎 一徳君
   政府参考人
       内閣官房内閣審
       議官       大矢 俊雄君
       内閣府大臣官房
       審議官      小川 康則君
       内閣府男女共同
       参画局長     岡田 恵子君
       警察庁長官官房
       審議官      友井 昌宏君
       警察庁長官官房
       審議官      早川 智之君
       警察庁長官官房
       審議官      原田 義久君
       警察庁刑事局組
       織犯罪対策部長  猪原 誠司君
       金融庁総合政策
       局審議官     三好 敏之君
       金融庁総合政策
       局参事官     柳瀬  護君
       総務省大臣官房
       審議官      三橋 一彦君
       法務省大臣官房
       審議官      松井 信憲君
       法務省大臣官房
       審議官      保坂 和人君
       外務省大臣官房
       審議官      實生 泰介君
       財務省大臣官房
       審議官      内野洋次郎君
       経済産業省大臣
       官房審議官    澤井  俊君
   参考人
       日本郵政株式会
       社常務執行役   田中  進君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○国際的な不正資金等の移動等に対処するための
 国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号
 等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの
 財産の凍結等に関する特別措置法等の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────
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古賀友一郎#1
○委員長(古賀友一郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十二日までに、臼井正一君及び柴田巧君が委員を辞任され、その補欠として磯崎仁彦君及び青島健太君が選任されました。
 また、本日、吉田忠智君が委員を辞任され、その補欠として柴愼一君が選任されました。
    ─────────────
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古賀友一郎#2
○委員長(古賀友一郎君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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古賀友一郎#3
○委員長(古賀友一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に塩村あやか君及び塩田博昭君を指名いたします。
    ─────────────
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古賀友一郎#4
○委員長(古賀友一郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際的な不正資金等の移動等に対処するための国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官大矢俊雄君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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古賀友一郎#5
○委員長(古賀友一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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古賀友一郎#6
○委員長(古賀友一郎君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 国際的な不正資金等の移動等に対処するための国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に日本郵政株式会社常務執行役田中進君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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古賀友一郎#7
○委員長(古賀友一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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古賀友一郎#8
○委員長(古賀友一郎君) 国際的な不正資金等の移動等に対処するための国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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広瀬めぐみ#9
○広瀬めぐみ君 自民党の広瀬めぐみでございます。
 質問の機会をどうもありがとうございます。関係各位の皆様方もどうもありがとうございます。
 早速質問に入らせていただきます。
 今回、日本は、FATF第四次対日審査の経過を踏まえて六つの法律の改正をする予定と聞いております。国際テロリスト財産凍結法、外為法、組織的犯罪処罰法、麻薬特例法、テロ資金提供処罰法、犯罪収益移転防止法であります。
 これらの法律は、私たちのふだんの生活では聞き慣れないものでございます。しかし、二〇〇一年のアメリカ同時多発テロ、世界各地における自爆テロ、海外で日本国民がテロリストに拉致され殺害をされるなど、無辜の市民の命が奪われる事件が多発しており、テロリズムの脅威は私たちのすぐそばにあることは間違いございません。
 FATFは、マネーロンダリング、テロ資金供与、大量破壊兵器の拡散に寄与する資金の供与対策のため、多国間で国際基準を策定し、各国が誠実に履行しているかの審査を担う機関であります。
 まず、今回の対日審査において、日本が勧告を受けた内容、そして日本が特に重点フォローアップ国とされた理由を教えてください。また、時に勧告に従わない国もありますが、勧告に従わなかった場合のペナルティーなどはあるのでしょうか。
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内野洋次郎#10
○政府参考人(内野洋次郎君) お答え申し上げます。
 まず一点目、FATF対日審査における勧告内容でございますが、FATFの第四次対日審査におきましては、日本のマネロン、テロ資金供与対策につきまして、国際協力やリスク評価等の点で成果が上がっているとの積極的評価を受けておるところでございます。
 ただ、他方、一層の強化に向け取り組むべき事項といたしまして、例えばマネーロンダリングの法定刑の上限を、少なくとも日本で犯罪収益を最も頻繁に生み出す重大な前提犯罪と同水準に引き上げること、あるいはテロ資金提供処罰法の技術的欠陥の是正、金融制裁を遅滞なく実施するために必要な更なる改善を行うことなどが勧告をされまして、結果といたしまして、この審査結果としては三つのランキング、クラス分けがございまして、通常フォローアップ、重点フォローアップ、観察対象国というわけでございますが、先生御指摘のとおり、日本は重点フォローアップ国とされたところでございます。
 次に、この重点フォローアップ国とされました理由でございますが、FATFの審査は、国際基準に沿って法令等が備わっているかどうかという法令等の整備状況という点と、もう一つ、マネロン等の対策が効果的に実施されているかという有効性という、この二つの観点から審査が行われております。その結果を踏まえまして先ほど申し上げました三つの分類になるわけでございますが、それぞれこの法令等整備状況と有効性がどの程度のスコアリングかによりましてこの枠組みが決まってくるわけでございます。
 四段階の評価が、たくさんの審査項目があるわけでございますが、四段階の評価が付されておるわけでございまして、日本については、特にこの下位の二つの評価にとどまってしまったという項目が法令等の整備状況で十一個、有効性において八個でありましたことから、FATFが定める審査手続の基準に従いまして、結論として重点フォローアップ国となったというものでございます。
 次に、このFATFからの勧告に従わなかった場合のペナルティーという点でございますが、FATFは審査で勧告された事項の改善状況が芳しくないと判断される場合には、まずFATF議長から勧告の対応を求めるレターの送付、これが当該国に対して出されるということになっております。また、さらにはハイレベル使節団を派遣しまして当該国に速やかな対応を求めるということも行われることになっています。それでもなお改善が見られない場合は、マネロン等のリスクの高い国として名指しをされること、あるいは当該国への対抗措置を各国に要請するといった対応に最終的にはつながっていくということでございます。
 仮に日本にこうした措置が講じられた場合には、日本の金融機関との取引において他国の金融機関がリスク管理を強化する、つまり海外等との送金や資金の受入れがいささか時間やコストが掛かるとかということになったりいたしまして、最悪の場合は日本の金融機関との取引を回避したりするなどということのおそれもあると、そのように考えているところでございます。
 以上でございます。
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広瀬めぐみ#11
○広瀬めぐみ君 どうもありがとうございました。
 FATFのその評価によって、日本におけるマネロン対策が成果が上がっていること、その評価、その効果を一層上げていくために更なるその法改正が必要だということがよく分かりました。
 マネーロンダリング対策で日本が抜け穴となる懸念などを払拭するためにも、今回の法改正は、日本の国際金融センターとしての地位向上及び国際的なマネーロンダリングへの更なる対応として、国際テロリストの資産凍結措置の強化、それからマネロン対策の強化、暗号資産等への対応強化を行う趣旨があるということも分かりました。
 では、各法律の改正について具体的にお聞きしたいと思います。
 まず、資産凍結措置の強化でございますが、現行の国際テロリスト財産凍結法では、テロリストの保有する金銭、有価証券、不動産、自動車、船舶、航空機、貴金属などの動産につき、これらを提出させることができることはもちろん、国際テロリストがこれら財産の贈与、貸付け、売却の対価を受けることなどを規制することができるとなっております。
 この国際テロリストは、国連安保理決議に基づいて各国が指定したテロリストのことをいい、具体的な人間であり、リストがあると理解しておりますが、我が国で活動する国際テロリストがいるのでしょうか。もし存在しないのであれば、そもそもこの法律の制度趣旨は何なのか。また、もし可能であれば、国際テロリストの財産の管理方法について簡単に教えてください。
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早川智之#12
○政府参考人(早川智之君) お答えいたします。
 まず、国際テロリストの、我が国の、存在しているかどうかという点でございますが、国際テロリスト財産凍結法は平成二十七年十月に施行されました。本法の施行以来、本法の対象となります国際テロリストで国内に居住している者は把握されておりません。
 それから、もしその対象者たるテロリストがいないというならば財産凍結法はどのような趣旨かという御質問でございますが、国際テロリズムを防止、抑止するためには、その手段となり得る資金等を与えず、利用させないことが重要であります。また、一国のみが対策を講じても効果が十分に発揮されず、あらゆる国が協調して対策を講ずることが必要になります。関連する国連安保理決議は、このような理念の下、各国に対しまして国際テロリストの財産の凍結等の措置をとることを求めております。本法は、こうした趣旨から、国際テロリストが行う国内取引に対する財産の凍結等の措置について規定するものであります。
 また、国際テロ組織の活動は国境を越えて行われており、今後、我が国に居住する者が国際テロリストとして国内で取引を行うことも否定できず、我が国が抜け穴とならないよう措置を講ずる必要があると考えております。
 以上でございます。
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広瀬めぐみ#13
○広瀬めぐみ君 お答え、ありがとうございました。非常によく分かりました。
 我が国には国際テロリストの活動自体はまだないけれども、未然にそれを防止するために、世界の平和維持というのでしょうか、そういう観点からしっかりとこれを規制していくと、そういう趣旨であるということが分かりました。
 さて、今回の国際テロリスト財産凍結法の改正では、資産凍結の範囲を拡大すること、すなわち拡散金融について居住者間取引に係る資産凍結ができるようにする、これが大きなポイントになっていると理解しております。
 拡散金融とは大量破壊兵器の拡散に寄与する資金の供与のことであると理解しておりますので、リストにある国際テロリストだけではなく、更に処罰の対象者が増えるということでしょうか。また、居住者間取引というのは日本国内での取引ということになりますが、結局、この法律の改正によって、どんな方のどのような財産が凍結対象になるのかを教えていただきたいと思います。
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大矢俊雄#14
○政府参考人(大矢俊雄君) お答えいたします。
 今回、対象が国際テロリスト、公告国際テロリストから拡散金融の関係者に拡大するのは先生仰せのとおりでございます。
 その上で、その対象、その対象は確かに拡大をいたしますけれども、大きな方向性としては基本的なところは変わっておりませんで、例えば、現行の国際テロリスト財産凍結法におきましては、何人も、許可を受けていない公告国際テロリストを相手方として金銭等の贈与それから貸付け等の取引を行ってはならないとされているところであります。こちらは基本的に同じでございます。
 それから、仮に相手方が公告国際テロリストであると知らずに取引を行った場合、都道府県公安委員会におきまして、まずは情報提供、指導、助言を行いまして、それにもかかわらず更に取引を行ったような場合に、反復して違反行為を行わないよう命令を発すること等とされておりまして、相手方が財産凍結の対象者であることを知らないままに取引をした者が直ちに処罰されることのないよう配慮されているところでございまして、この基本的な枠組みは、今回、財産凍結措置の対象者が大量破壊兵器関連計画等関係者に拡大された場合でも同様に適用されることとしております。
 こうしたことから、財産凍結の対象者の相手方、第三者に対しても配慮した制度設計をしているところでございまして、こうした大きな枠組みは変わりません。
 以上でございます。
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広瀬めぐみ#15
○広瀬めぐみ君 お答え、どうもありがとうございました。
 私も、全く事情を知らない一般市民が犯罪に巻き込まれてその財産を凍結されるようなことがないかと、そういう心配が、懸念がございましたが、今のお答えで、しっかりとそのようなことはないように配慮をされているということでございますので、それで結構でございます。よろしくお願いいたします。
 次に、マネーロンダリング対策の一環として、犯罪収益移転防止法を改正することについてお聞きいたします。
 犯罪収益移転防止法は、出所や帰属を隠された犯罪による収益が将来の犯罪活動や犯罪組織の維持強化に使用されること、犯罪組織がその資金源を元に合法的に経済に介入し市民経済に悪影響を及ぼすことなどを防ぐための法律と理解しております。そして、この法律は、一定の範囲の事業者、金融業や不動産業など、いわゆる特定事業者に取引時における顧客情報の確認、記録などの作成、保存、疑わしい取引の届出義務などを課して、これらの義務に違反した場合、是正命令に始まり、最終的には罰金など重い制裁を科すものでございます。
 今回の改正では、行政書士、公認会計士、税理士などの士業に対して、金融機関などの特定事業者と同様、疑わしい取引の届出義務を課すことになっております。しかし、米国やカナダではFATF審査後も疑わしい取引の届出義務を導入していないし、導入している国でも法律事務は対象から除外されていると聞いております。だとすれば、日本でも、法律事務に携わる士業全般に対して疑わしい取引の届出義務を課すのは行き過ぎではないかという懸念を持っております。
 そもそも、この疑わしい取引はどのぐらい寄せられているものでしょうか。年間の届出件数と、その届出が検挙に役立ったケースはどのくらいあるのか、教えてください。
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猪原誠司#16
○政府参考人(猪原誠司君) お答えいたします。
 令和三年中の疑わしい取引の届出件数は五十三万百五十件であります。また、令和三年中に疑わしい取引に関する情報を端緒として検挙した事件の数は千四十五件、既に着手している事件捜査の過程において疑わしい取引に関する情報を活用して検挙した事件の数は千五百一件となっております。
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広瀬めぐみ#17
○広瀬めぐみ君 お答え、どうもありがとうございました。
 たくさんの、五十三万件以上の情報が寄せられていること、そして、それを端緒として千四十五件、それから千五百一件ものその検挙があったということで、非常にこの疑わしい取引の届出によって犯罪が未然に防止されているということが分かりました。
 それでは、次に、なぜこの行政書士、公認会計士、税理士に届出義務を負担させるのか、その改正の必要性を教えてください。また、一方、同じ士業である弁護士と司法書士がなぜ対象外になっているのか、教えていただきたいと思います。
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猪原誠司#18
○政府参考人(猪原誠司君) 今回の法改正におきましては、令和三年八月に公表されましたFATF第四次対日相互審査報告書におきまして、士業者が疑わしい取引の届出義務の対象になっていないことは、日本のマネロン、テロ資金対策の有効性を著しく損なう旨、勧告されていることなどの状況にあることを踏まえまして、法制定時の附帯決議や士業者に対する疑わしい取引の届出義務に係る懸念にも配慮した上で、疑わしい取引の届出等について士業者に対して義務を課す規定を整備するものであります。
 ただし、弁護士等及び司法書士等につきましては、行政書士等、公認会計士等又は税理士等とは異なり、対立する当事者間の民事紛争解決業務を取り扱うことから、依頼者との信頼関係の構築が重要であるため、疑わしい取引の届出義務の規定を法律で設けることは弊害が大きく、相当ではないと考えております。
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広瀬めぐみ#19
○広瀬めぐみ君 お答え、どうもありがとうございました。
 FATFの勧告に沿って士業に対するその規制を課したということがよく分かりました。また、私も弁護士でございますが、弁護士と司法書士については、その依頼者との信頼関係、そこをおもんぱかってこの規制から、対象から外されたということも分かりました。どうもありがとうございました。
 では、次に、更にこの士業に対する規制についてお聞きしたいと思います。
 現在の犯罪収益移転防止法第四条一項は、司法書士、行政書士、公認会計士、税理士などに、例えば司法書士が宅地又は建物売買に関する手続について委任契約の締結をする際など、顧客について本人特定事項の確認を行わなければならないとされております。
 ところが、改正後は、この確認事項が拡大をされて、本人の特定事項だけではなくて取引を行う目的も確認する必要があるとされております。また、顧客が自然人ではなく法人である場合には、その法人の実質的支配者の本人特定事項も確認しなければならないということで、司法書士の方々からは、業務が停滞する、さらには委任契約の締結そのものを回避されるんではないかという弊害の懸念が指摘されております。まあ、営業にならないということだと思います。
 そもそも、このように確認事項を拡大する必要性があるのでしょうか。また、実質的支配者というのは曖昧な言葉ですが、その示すところを具体的にお教えください。
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猪原誠司#20
○政府参考人(猪原誠司君) お答えいたします。
 今回の法改正におきまして、司法書士等の方々につきましても実質支配者の確認義務というものが生じてまいります。
 実質的支配者と申しますのは、例えば法人におきまして議決権の四分の一を超える議決権を持っているといった自然人などが実質的支配者というふうに位置付けられることになります。
 実質的支配者につきましては、FATFからもこれを確認するということがマネーロンダリング対策上は極めて重要であるというふうに指摘をされておりまして、そういったことも考慮いたしまして、実質的支配者の確認につきましてもお願いしようと考えているというところでございます。
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広瀬めぐみ#21
○広瀬めぐみ君 お答え、どうもありがとうございました。
 FATFからの勧告、それからマネロン対策の実効性の確保のために法改正が必要なことは理解いたしましたが、司法書士の先生方など有資格者による取引時確認が煩雑になって不動産取引などの円滑性に支障がないよう、司法書士制度などを所管する法務省において、関係省庁や関係団体と緊密に連携し、関係業界に幅広く通知を発出するなど、法改正の内容について政府を挙げた周知、広報に積極的に取り組むことを求めます。これは意見でございます。
 次に、今お聞きした士業の確認事項の拡大と関わりますが、暗号資産等への対応の強化についてもお聞きいたします。
 犯罪収益移転防止法は、その第十条第一項及び第十条の三第一項において、日本から外国に送金をする際に送金者の本人特定事項を通知しなければならないことになっております。私も、銀行で海外に送金する際、送金目的を含めて聴取されたことを覚えております。そして、今回の改正で、更に相手方の、送金の相手方の本人特定事項を加えることになって、通知事項が増えております。これはマネロン対策の実効性確保のために良いことだと思っております。
 さて、今般、日本でも流通が増えている暗号資産についてでございます。
 暗号資産は新しい財産の形態であり、その実態を詳しく知る人は少ないと思います。今回、同法の改正で、暗号資産の移転時に送付人と受取人の情報を通知する義務を負担させるいわゆるトラベルルールというものが作られることになっております。
 そこで、そもそもこの暗号資産の移転はどのように行うのでしょうか。暗号資産の交換業者は日本ではそれほど多くないと思いますが、ネットで行う取引など極めて流動性が高く、海外との取引も多いと思います。契約を締結する相手方の間で果たしてどれほど実効性のある通知義務を課すことができるのでしょうか。教えてください。
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柳瀬護#22
○政府参考人(柳瀬護君) お答えいたします。
 まず、ブロックチェーンの取引の仕方でございますが、ブロックチェーンに直接参加して暗号資産取引を行う利用者は、ブロックチェーン上で自身を識別するためのアドレスを有してございます。暗号資産を移転する際には、利用者は自身が管理するアドレスに対応した秘密鍵を用いることでブロックチェーン上の指定したアドレスに暗号資産を移転することができます。この場合、全ての取引が記録され、ブロックチェーンの利用者に共有されます。
 このように、利用者間で直接取引することもできますが、現在、我々としては、暗号資産の取引においては、一般的には御指摘のありました暗号資産交換業者を経由して行っていることが多いというふうに認識してございます。この暗号資産の取引を暗号資産交換業者を通じて行う場合には、暗号資産の移転に必要な秘密鍵は暗号資産交換業者において管理することになりまして、この場合には利用者が事業者に暗号資産の売買や移転を依頼し、事業者が実行することになります。
 このためのトラベルルールがこの暗号資産を移転する暗号資産交換業者に対して課されるものでございますが、先ほど申し上げましたとおり、暗号資産交換業者を通じて行われている暗号資産の取引がかなりの量を占めること、また、とりわけ法定通貨との交換においては暗号資産交換業者を通じて行うことが一般的であることを考えますと、トラベルルールの対象を暗号資産交換業者ということで十分な有効性があるというふうに考えてございます。
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広瀬めぐみ#23
○広瀬めぐみ君 お答え、どうもありがとうございました。
 暗号資産の交換業者を最終的には個人間の取引であっても通すことになる、そうすることによって未然に犯罪を防止することができるということが分かりました。ありがとうございました。
 次に、組織的犯罪処罰法についてお聞きします。
 組織的犯罪処罰法は、犯罪組織の資金源断絶やマネロン防止を目的にしていて、一定の組織的犯罪を行った場合に、刑法の規定よりも重い刑を科すことや、組織的犯罪によって得た収益を没収、追徴することができることを定めております。例えば、振り込め詐欺など集団で詐欺を働いた場合、単独の詐欺罪よりも重い刑罰が科されます。
 また、この法律では、マネロン対策の観点から、犯罪収益等隠匿罪、犯罪収益等収受罪などの刑罰が規定されており、これらの法律も今回更に法定刑の引上げをするとのことですが、改正の理由とその内容を教えてください。
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保坂和人#24
○政府参考人(保坂和人君) まず、どういう改正をするかということから先に御説明いたしますと、今委員から言及のございました犯罪収益等隠匿罪、これにつきましては、現行法では五年以下の懲役、三百万円以下の罰金とされていますが、これを十年以下の懲役、五百万円以下の罰金に引き上げます。また、犯罪収益等収受罪の法定刑につきましては、現行の三年以下の懲役、百万円以下の罰金から、七年以下の懲役、三百万円以下の罰金に引き上げることといたしております。
 その理由について申し上げますと、令和三年八月のFATFの第四次対日審査報告書におきまして、マネーロンダリング罪の法定刑の上限を、犯罪収益を最も頻繁に生ずる前提犯罪である詐欺罪や窃盗罪、これはいずれも上限は十年以下となっておりますが、それと同水準に引き上げるよう勧告を受けたところでございます。
 国内の犯罪実態といたしましても、例えば特殊詐欺を始めとする多くの事案で取引名義の偽装や犯罪収益の隠匿などのマネーロンダリングが行われ、また暗号資産等の新たな形態の財産が利用されるなど、その態様が多様化、巧妙化しているという傾向も見られるところでございます。
 そこで、FATFからの勧告をも踏まえまして、マネーロンダリング罪についてより一層厳正に対処すべき犯罪であるという法的評価を示して、国際社会と協調して更に強力に抑止、防止を行うためにこのような形で法定刑を引き上げるということにいたしたものでございます。
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広瀬めぐみ#25
○広瀬めぐみ君 お答え、どうもありがとうございました。FATFの勧告によって法定刑を引き上げたということがよく分かりました。
 次に、組織的犯罪処罰法は、犯罪収益などとして没収できる財産を規定しております。不動産、動産、金銭債権がその対象でございましたが、今回の改正では、更に暗号資産にもその対象を拡大する方向で整備がされていると思います。
 そもそも、これまで過去にこの法律で財産を没収された例というのはどのくらいあるのでしょうか。その総額はどのぐらいになるのでしょうか。また、検挙者数はどのくらいでしょうか。お教えください。
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保坂和人#26
○政府参考人(保坂和人君) 犯罪収益等として没収された金額などについてのお尋ねでございますが、令和三年三月、失礼、令和三年までの三年間におきまして、通常第一審判決で組織的犯罪処罰法の犯罪収益等あるいは麻薬特例法の薬物犯罪収益等につきまして没収、追徴が言い渡された人員数は合計で一千二百七十三人、合計の金額といたしましては六十七億円、約六十七億円ということでございます。
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広瀬めぐみ#27
○広瀬めぐみ君 お答え、どうもありがとうございました。千二百七十三人とたくさんの人たちが捕まっている、それから六十七億円の没収、追徴ということで結構巨額になっていることもよく分かりました。こういう犯罪を未然に防いでいくこと、それが本当に大切だということがよく分かりました。
 それでは、最後にお聞きしたいんですけれども、外為法についてお伺いします。
 令和四年四月に外為法が改正されて、マネーロンダリング対策が強化されたと思います。これもFATFの勧告に基づく改正でしょうか。改正の理由と実効性についてお教えください。
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内野洋次郎#28
○政府参考人(内野洋次郎君) お答え申し上げます。
 本年四月の外為法改正では、これは対ロシア制裁との関係で、暗号資産を利用した資産凍結措置の回避のリスクに対して各国間で抜け穴が生じないようにするとのG7でのコミットメントを直接の背景といたしまして、我が国としても制裁の抜け穴になることを防ぐべく、暗号資産に対する資産凍結措置の強化を行ったものでございます。ただ、これは同時にFATFの勧告上も求められておったものではございまして、そういう意味では、喫緊の課題としてロシア制裁が前面に出て、緊急での国会での御審議、成立をお願いし、そのとおりになったものでございますが、結果的にはFATFのそういうリクワイアメントにも応えたものということでございます。
 このような迅速な法的措置を講じました結果、現時点において我が国において特段の弊害は生じていないと解しておりまして、仮にこうした措置をとらなかった場合、暗号資産を使った、我が国が制裁対象者の言ってみれば資産投資先となってしまった可能性も否定はできないところでございまして、そのような状況を未然に防いでいるという評価はできるものと考えております。
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古賀友一郎#29
○委員長(古賀友一郎君) 時間が来ておりますので、おまとめください。
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