運輸委員会

1957-11-05 衆議院 全68発言

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会議録情報#0
昭和三十二年十一月五日(火曜日)
    午前十時四十六分開議
 出席委員
   委員長 淵上房太郎君
   理事 生田 宏一君 理事 畠山 鶴吉君
   理事 濱野 清吾君 理事 松山 義雄君
   理事 山本 友一君 理事 井岡 大治君
   理事 松尾トシ子君
      有田 喜一君    稻葉  修君
      大島 秀一君    小泉 純也君
      關谷 勝利君    塚原 俊郎君
      原 健三郎君  早稻田柳右エ門君
      小山  亮君    櫻井 奎夫君
      正木  清君    松岡 駒吉君
      松原喜之次君    森本  靖君
      山口丈太郎君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 中村三之丞君
 出席政府委員
        運輸政務次官  木村 俊夫君
        運輸事務官
        (大臣官房長) 朝田 靜夫君
        運輸事務官
        (鉄道監督局
        長)      權田 良彦君
 委員外の出席者
        運輸事務官
        (船員局長)  森  厳夫君
        運 輸 技 官
        (港湾局長)  天埜 良吉君
        建 設 技 官
        (計画局水道課
        長)      岩井 四郎君
        建 設 技 官
        (河川局長)  山本 三郎君
        参  考  人
        (新潟県知事) 北村 一男君
        参  考  人
        (新潟市長)  村田 三郎君
        専  門  員 志鎌 一之君
    ―――――――――――――
十一月五日
 委員今松治郎君、村上勇君及び中居英太郎君辞
 任につき、その補欠として稻葉修君、大島秀一
 君及び櫻井奎夫君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
同日
 委員稻葉修君、大島秀一君及び櫻井奎夫君辞任
 につき、その補欠として今松治郎君、村上勇君
 及び中居英太郎君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
同日
 理事今松治郎君委員辞任につき、その補欠とし
 て濱野清吾君が理事に当選した。
同日
 理事木村俊夫君委員辞任につき、その補欠とし
 て生田宏一君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
十一月一日
 港湾運送事業法の一部を改正する法律案(山口
 丈太郎君外十四名提出、第二十六回国会衆法第
 三八号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の互選
 国政調査承認要求に関する件
 海員スト経過報告聴取
 新潟地区の地盤沈下問題に関する件
    ―――――――――――――
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淵上房太郎#1
○淵上委員長 これより会議を開きます。
 この際理事の補欠選任についてお諮りいたします。現在理事が二名欠員となっておりますので、この際その補欠選任をいたしたいと存じますが、その選任の方法及び手続は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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淵上房太郎#2
○淵上委員長 御異議がございませんので、それでは生田宏一君、濱野清吾君の両君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
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淵上房太郎#3
○淵上委員長 続いてお諮りいたします。衆議院規則第九十四条により、委員会は会期中に限り議長の承認を得てその所管に関する調査ができることになっておりますので、その内容は前回通りとし、陸運、海運、空運及び観光に関し国政調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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淵上房太郎#4
○淵上委員長 御異議がありませんので、さように決定いたします。
    ―――――――――――――
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淵上房太郎#5
○淵上委員長 次にお諮りいたします。前国会の閉会中に行われました委員派遣の報告に関してでありますが、各地に派遣せられました委員報告にかえまして、会議録に参照掲載をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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淵上房太郎#6
○淵上委員長 それではさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
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淵上房太郎#7
○淵上委員長 これより海員ストの経過について政府より説明を求めます。森船員局長。
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森厳夫#8
○森説明員 それでは船員のストライキにつきまして、経過の御報告を申し上げます。
 本年三月五日、全日本海員組合から船主団体連合会及び各船主団体に対しまして、職別最低賃金制度の改訂及びそれに伴う賃金の増額について要求されたのでございます。それ以来労使間に十数回にわたりまして団体交渉が開催されたのでありますが、労使間の主張の懸隔が相当大きく残ったままついに意見の一致を見ませんで、組合から船員中央労働委員会に対して調停の申請が行われたのでございます。
 同委員会は、本件に関しまして、賃金改訂に関する調停委員会を設けまして、五月三十一日に第一回を開催し、それから約四カ月間にわたりまして、四十数回にわたって会議を開き、慎重に審議が行われておったのでございますが、労使間の意見の懸隔はなおはなはだしくございまして、問題が複雑であり、広範のために、なかなか調整が困難をきわめたのでございます。しかしながら、いろいろの紆余曲折はございましたが、九月二十五日に公益委員によって作成せられた案を調停案として労使双方に提示して、その回答を求めるに至ったのでございます。調停案の諾否につきましては、労使それぞれの機関において十分に検討せられたのでございますが、十月十五日に労使双方から正式に調停案を拒否するという回答をいたしまして、調停は不調に終ったのでございます。
 調停の不調になりまして以来、労使はそれぞれ対策を検討しておったのでございますが、海員組合は闘争態勢の強化をはかるとともに、実力行使を行うことを決定いたしまして、十月二十三日船主側に対して実力行使を行う旨の通告をいたしたのでございます。その内容は、第一波といたしまして、十月二十六日の午前零時から二十七日まで四十八時間にわたって、客船を除く全船舶を対象といたし、それから引き続いて第二波といたしまして百二十時間、指定外航船――これは指定外航定期船とタンカーでありますが、これを対象といたしまして、夜間荷役及び出港の拒否ということを主とする停船ストをいたすことになったのでございます。しかし第二波はその後二十九日から二千トン以上の全船舶をさらに追加するということで強化いたされたのであります。そのストライキの通告以来、労使間には自主的団体交渉を再開する旨の動きが十分でなかったのでありますが、船員中央労働委員会の脇村会長は事態を重視いたしまして、この団体交渉を開始させるように努力をされました結果、十月二十四日の夜、スト通告以来初めて交渉が再開されまして、最悪の事態を回避するために労使双方とも真剣に努力が払われたのでございますが、数回にわたる交渉を行なったにもかかわらずついに意見の一致を見るに至りませんで、組合は予定通り停船ストに突入したのでございます。
 組合の実力行使は第一波、第二波と継続せられまして、最悪事態の長期化が憂慮せられたのでございますが、船員中央労働委員会長は早期解決のために、再び労使間に団体交渉を再開するように勧告いたしまして、その結果団体交渉は、相当困難がありつつ、一時は決裂さえおそれられたのでございますが、十一月の一日から二日にわたりまして徹宵交渉いたしました結果、事態が急速に進展いたし、労使双方は正式に、残った差の点につきまして船員中央労働委員会長にあっせんを依頼するというようになったのであります。その結果、同会長は午後一時に船員中央労働委員会事務局長室に労使双方を招きまして、あっせん案を提示して事態の収拾を勧告したのでございます。この間に組合は第三波の実力行使としまして、十一月の二日午前零時から百二十時間のストを指令いたしました。これは千八百トン以上の全船舶を対象としたものであったのでありますが、この戦術を強化する指令を出しましたけれども、あっせん案の提示を受けた労使双方はその案を受諾することを決定しまして、その旨を会長に回答するとともに、午後四時停船ストを解除したのでございます。ここで長期にわたりましたこの争議も一応の解決を見ることになったのでございます。なおその争議によりまして、その段階においてそれぞれ違いますが、十一月二日午後四時におきましては二百十九隻、百三万五千トンという船がストップいたしたのでございます。
 なお争議の内容につきまして簡単に申し上げますと、この海員組合の要求は、昭和二十六年に制定せられた最低賃金制度の改訂と、それに伴うところの賃金のアップであったのでございます。
 制度の改訂に関しましては、同一労働、同一賃金を基調としたものでありまして、賃金の増額については乗船中の一人当りの賃金を最低三〇%アップということで、大体九千八百円程度引き上げるという要求であったのでございます。これに対しまして船主側は、自主交渉のときには一人当り外航関係では二千五百円、内航関係では平均本給の一〇%引き上げという線にとどまったのでございますが、調停委員会におきましては賃金の制度につきましては労使双方でいろいろ意見を調整いたしました結果、おおむね意見の一致を見まして相当の改善が行われたのでございますが、賃金額につきましては外航関係では三千四百円、内航関係では三千円の引き上げをする、つまり最低一二%アップを内容とするものであったのでございます。この調停案に対しまして組合側の態度は、体系については多少の工合の悪い点はあっても若干の修正をもって受諾できるけれども、賃金額についてはどうしても本給の最低二〇%アップ、大体五千六百円程度の引き上げは必要であるということを主張したものでありまして、船主側の態度はその前に主張しておったものとおおむね同じものであったのでございます。
 ストの開始の直前の二十四日の交渉におきましては、船主側は初めの通りの案を主張しておりましたが、その後外航関係三千円、内航関係二千四百円程度まで引き上げるという案を出し、これを多少具体化する案を出したのでございます。しかしその後の交渉におきまして、船主側は一二%だけは最低アップしようという調停案の線まで譲歩し、さらに十一月一日には本給の最低二二%アップまで提示をしたのでございますが、組合側は受け入れできなかったのでございます。そうして、一日の夜から二日の未明にかけましての交渉におきまして、船主側は本給の最低一五%の引き上げ、船員側は二八%の引き上げというところまで歩み寄ったけれども、その間で両者の話し合いはできなかったのでございます。それで午後一時半にあっせんが行われて、ちょうどそのまん中の一五・五%で労使双方が受諾いたすことになったのでございます。そのあっせんの内容は、制度につきましてはほほ調停案通りになりまして、細目についてはなお協定の際に調整する部分も多少残っておりますが、賃金額については今申し上げましたように本給の最低の一五・五%引き上げということに相なっておりまして、大体一人当りの平均額は四千二百円程度の引き上げというように推定されておるわけでございます。
 ごく概略を御説明申し上げました。
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淵上房太郎#9
○淵上委員長 この際大臣より発言を求められております。これを許します。中村運輸大臣。
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中村三之丞#10
○中村国務大臣 いわゆる船員ストにつきましては、ただいま船員局長よりその経過並びに妥結の結果を御報告申し上げました通りでございます。そこで問題は将来の海運政策の根本でございます。何分にも現在の海運世界市況は悪いのでございます。従って今後われわれは海運企業の合理化とその収益の向上に努めると同時に、今回の妥結を基礎として労使協調のもとに生産性の向上を努め、海運に対する国際競争力を涵養して、日本の海運の発展とこれが国際収支の改善に資するよう努力いたして参りたいと思います。
    ―――――――――――――
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淵上房太郎#11
○淵上委員長 次にお諮りいたします。新潟地区の地盤沈下問題に関し、参考人として新潟県知事北村一男君及び新潟市長村田三郎君より現地の実情と御意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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淵上房太郎#12
○淵上委員長 御異議ないので、さよう決定いたします。それでは北村参考人。
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北村一男#13
○北村参考人 貴重のお時間をお与え下さいまして陳情をお聞き取りいただくことができますことは、非常にありがたいことに存じます。
 新潟の地盤沈下は従来少しずつございましたが、昨年の十二月になりまして、少しく高い波のとき防波堤を破壊して港の中に直接波が入ってくる、それから近来わずかの風浪でもやはり直接住民に脅威を与えるとか、あるいは港を破壊するというような事実が出ましたので、急に県民、市民の関心を高めて参りました。去年一年に沈下したのは大よそ三十センチ、一尺と推定されております。そこで県と市並びに学識経験者、実際家などが対策委員会を作りまして、一つは調査をするとともに、一つはさしあたりの問題の処理に努める委員会を作った一わけです。
 ところでその原因というものは、まだ揣摩憶測の域を脱しません。新潟は全国第一の豊富な天然ガスが今工業用の原料に供されて採取しておりますが、それは水とともにガスが出ますので、その水をくみ上げる結果地盤が沈下するのであろうとか、あるいは近来土地改良によって乾田化されました結果、地下をくぐっていく水が少くなって、そのために地盤が沈下するのであろう、あるいは海底構造に異変を生じまして、それが海岸決壊となり地盤沈下の誘因となるのじゃないか、あるいは港を浚渫いたしますとき深く掘ると根元がとられまして、そこから砂が流れて地盤を沈下させるのだというようないろいろの憶測の説が出ておりまするが、これは運輸省なども加わられてこれから御研究願うことに相なっております。しかし一面におきまして、そういう調査は調査として相当の期間がかかると思うのでありますが、そのうちに新潟は海の底に沈んでしまう、沈んでしまってから調査して結論を出されましてもこれは実益には相なりませんので、調査は調査として、対策は対策として別々にやっていただきたい、こういうのが新潟市並びに新潟県の切なる要望であるのでございます。
 ことしの冬、普通の風浪で果して安全であるかどうかということについては、その地方、特に東海岸の方面の市民は大へん心配をいたしております。九月の半ばに、大した風浪でないのに家屋に浸水したり、あるいは下水の流れがとまって非常に困ったというような事実がございますので、ことしの冬に対しましては沿岸あるいはその地帯の住民が、非常に心配をいたしておるわけでございます。もちろん運輸省におかれましてもいろいろの対策を立てていただくし、ことしの冬に対しまして県と市と一千万ほどの工事費を使いまして、その対策を立てることになつておりますが、これだけの金ではどうも心もとない、予算のやりくりで困難な事情があると思いまするが、さらにこれぐらいの程度の金をぜひとも国からめんどうを見ていただきたい、こういうことをまたお願い申し上げる次第でございます。
 本来ならば、今年はどこでもそうですが豊作で、新潟県は特に五百万石以上の米がとれておる。日本一であることはもちろんですが、二番目の県より二百万石もよけいとっておる。天然ガスを原料に使って工業が始まりまして、今年中共に対して尿素アンモニアを二十万トン出し、五百億トンの石灰石というものが工業化されて盛んになっておる。ほんとうに喜色あふれるような事態でなければならぬのに、何となしに憂うつの雲がおおうておるという理由は、この地盤沈下の問題が県民の心配になって、どうも晴れ晴れした気持になれないというような事情にあるのでございまして、県も市ももとより財力の許す限りやるのでございますけれども、一県一市の財政の力には限度があります。ですからあとは国のごめんどうを見ていただかぬと、この地盤沈下というものはとうてい防ぎ得ない、こういう次第でございますので、どうぞ一つ御配慮によりまして、新潟が海の底に入ってしまわぬようにお力添えをいただきたいと思うのであります。お願いいたします。
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淵上房太郎#14
○淵上委員長 村田参考人。
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村田三郎#15
○村田参考人 私新潟市長の村田でございます。地盤沈下に対しましてはただいま北村知事さんから詳細にお述べになりましたので、私からはきわめて簡単に申し上げたいと存じます。新潟は御承知のように過去二十数年来海岸決壊によりまして、新潟市が海水浸入のきわめて危いところに参りましたが、一昨年大火の年から大幅に予算をいただきまして、小康を得ておるわけでございます。昨年の高潮以来、地盤沈下の原因による海水浸入に悩まされまして、ただいま北村知事さんの申されましたように県民と申しますよりも、新潟市民が一番危険にさらされております。しかも新潟市におきましても西突堤と臨港地帯、この面が一メートル三十から一メートル八十の非常な沈下でございまして、新潟港のこの冬がいかに保てるか、これに対しましては県市はもとより貧弱な財政から、応急のまた応急の処置を講じております。また一会社である臨港会社も四千万を投じまして、自分の岸壁をかさ上げをいたしまして守りました。昭和石油も一千万を投じまして東海岸の防壁を築き、新潟鉄工所も約五百万を投じましてこれを防いでおりますが、何と申しましても膨大な予算経費のかかることでございますので、原因につきましてはむろんすでに研究調査の域に入っておりまするけれども、詳細な原因はとうてい短時日には結論に達しませんが、海水の浸入を防ぎまして住民を安定させるには、どうしても国のお力にすがって、できますならば単独立法でも制定していただいてこれを推進して参りたいと存じますので、どうぞ皆様方のお力によって新潟の危機を脱しますように、特別の御配慮を賜わりますようにお願い申し上げる次第でございます。
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淵上房太郎#16
○淵上委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。櫻井君。
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櫻井奎夫#17
○櫻井委員 私はこの新潟市の地盤沈下につきまして、政府、運輸大臣が来ておられるようでありますから、運輸大臣に三点について御質問申し上げたいと思います。
 実は私は現地を再三にわたって調査いたしたわけでありますが、この地盤沈下は非常に予想以上に深刻でございまして、そこに図表が出ておりますが、突堤の一番先端は一メートル八〇くらいの沈下でございます。それも昨年の三月からことしの三月、この短かい一年間の期間において一メートル八〇の沈下をしておる。それからその手前の方の臨港埠頭がございますが、そこが一メートル六〇くらいの沈下であります。それからさらに市街地の方に参りますと〇・六メートルと、こういうふうに沈下をいたしております。これを別の表現でいたしますと、新潟市そのものが海に近い方から傾斜をして、日本海の方にすべり込みつつある、こういう状況で、まことに現地は今りつ然たる状況を呈しておるわけであります。しかも最も危険と思われる地点は、この地図で申し上げますと、埠頭が出ておるこの右手の方に青い色で染めてあります、そこが非常に危険であります。海のところから民家までわずか二十メートルくらいしかありません。しかもその間に一メートルくらいの砂丘があって、その手前の方、民家の方はどちらかといえば海面よりも低いような状態であって、そこに多数の倉庫、それから平和町という人家が五、六千尺ずっと新潟市の一部でありますが、そういうふうな状況で、かりに冬季間に高潮が参りますならば、その砂丘を越えて民家及び倉庫に海水が浸入してくることは火を見るよりも明らかであって、その平和町の住民の方々は毎日毎晩まくらを高うして寝られない、こういうのが実情であろうと思うのです。従って県及び市の当局では、先ほど御説明がありました通り、とりあえずこの冬季間ここに一千万円くらいの費用を投じて、砂による波浪をとめる方策をやる、こういうことでございますが、その計画を聞くと、まことにちゃちな作業でありまして、これをやっても、かりに大きな高潮が来た場合はとうていこれを防ぎ切れない、こういうことは私どもしろうとが見ても明瞭でございます。
 従って私はとりあえずことしの冬をどうするか。運輸省及び建設省におかれてはおのおの三十三年度の予算においては、何がしかの予算を計上しておられるようでありますが、本年度の来年の三月末日までに対する何らかの財政的裏づけはないように聞いているのでありますが、この点は、もしもそのようなことでこの工事を県や市だけにまかしておくとするならば、私はこの冬季間に思わぬ事態が招来するというふうに考えざるを得ないのであります。これはもしもそういうことになると、明らかに人災といわざるを得ない。当然そういうことが警告されているにもかかわらず、国の方で何らかの施策をこれにしなかったということになると、これは大へんなことだと考えますので、海岸の管理をしておられるところの運輸省においては、今年度最も危険と思われる来年の三月末までの期間において、何らかの措置を考えておられるかどうかということをまず一点お聞かせ願いたいのであります。
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中村三之丞#18
○中村国務大臣 私は今の沈下問題はかねてから承わっております。つきましては臨時国会が終りますならば、現地を視察いたしたい考えであります。来年度の予算にはこの沈下対策につきましては用意ができております。これは港湾局長から御説明を申し上げ――まだ通過してない予算でございますけれども、概算を申し上げることは差しつかえないと思いますが、今お話の緊急の問題は、私一つ行きまして、局長も来てもらって、未然にこの災害を防ぐ対策を講じたいと思うのです。これは私ここでお約束申し上げておきます。
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櫻井奎夫#19
○櫻井委員 国会終了後大臣が親しく現地を視察されることはぜひやっていただきたいのでありますが、ごらんになれば、大臣もおそらくこれは一日も放置できない、こういう感を抱かれるに違いないと私は確信するものでありますが、その際どうか政府の方でも応分の財政的措置を、これに至急講ぜられるように強くお願いいたしておくわけであります。
 次に時間もありませんので、第二点として来年度の措置でございます。これは運輸省の方でも港湾について一億三千六百万円、海岸については六千四百万円の予算を大蔵省の方に御要求なさっているようであります。しかし市、県当局が緊急三カ年計画として立てておりますところの予算からいたしますと、これは非常に微々たる額のように私どもは考えるわけであります。この予算内容についてはおそらく大臣は詳細に御答弁願えないかと思うのでありますが、関係局長がおられたら局長から御答弁をお願いいたしたいのであります。この予算で一体あなた方の専門的立場でも、この高潮等に相当耐え得る工事が一応できる、こういう御自信のもとに作成された予算案であるかどうかをお伺いいたします。
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天埜良吉#20
○天埜説明員 運輸省におきまして新潟の地盤沈下に対して、来年度要求しております予算の概要について申し上げます。第一番に西の防波堤並びに突堤の点でございますが、これは西防波堤のかさ上げをする。これについては一億一千八百万円、延長八百四十五メートルを要求いたしております。次に山下護岸でございますが、この部分につきましては八百十一万八千円、四百六メートルの延長について要求をいたしております。そのほかに調査費として千七百万円という予算を要求いたしておりますが、この防波堤その他につきましては原形復旧を基準にいたしまして、まずそこまでいきたいということで要求いたしております。それからこの山下の部分でございますが、これについては計画上石炭埠頭の計画もございますので、その分については一応留保して、その他の緊急やむを得ないところをかさ上げするようにいたしております。なおここの山辺堀の問題でございますが、ここが浸水するおそれがございますので、ここは締め切って、この水は他の方の予算要求、つまり建設省側の予算要求によって排水をするというような計画で要求をいたしております。そのほかに先ほどお話のありました平和町の浸水を防ぐために、六千四百万円の予算を計上いたしております。まず原形復旧を主とした点で、これをもって応急の工事をいたしたいという考えでございます。
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櫻井奎夫#21
○櫻井委員 大体承わりましたが、これは県の方から出ておりますところの計画のごく一部を取り上げておられるわけでありますが、たとえば山下の護岸は県、市の方では二千四百万円というふうに考えておる、それを八百万程度に押えておられるわけでありますが、これは技術的にこれだけの費用で果して――あまりにこの数字の上に開きがありますから私は疑問とするわけでありますが、技術的に八百万程度のもので当座は災害を防ぎ得る、こういう確信のもとに要求しておられる数字であるかどうか。
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天埜良吉#22
○天埜説明員 この山下の部分につきましては、先ほどちょっと触れましたように石炭埠頭の計画をいたしておりますので、その分の延長が減って参りまして、この金でまず防護できるという見込みでございます。
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櫻井奎夫#23
○櫻井委員 こまかい点にわたって恐縮でございますけれども、現地民は大へん憂慮しておって、一日も早く政府の財政的な援助の手を待っておる関係上、私は時間を拝借しておるわけでありますが、平和町の右手にあるそこの護岸の工事も、運輸省で考えておられるのは非常に少額のようでありますが、五千メートルですか、この程度で高潮の場合防ぎ得るかどうか、私どもはこれはしろうと考えで恐縮ですけれども、高潮が出た場合、五千メートルくらいの場合はうしろから回って浸水してくるのではないかというふうに考えるわけです。県、市が要求しておるのは三億五千万でありますが、それが二千万程度に押えられておる。それは技術的にそういうことで一応防ぎ得るというお考えでございましょうか。
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天埜良吉#24
○天埜説明員 平和町の方の護岸につきましては、これは緊急に必要な前面をまず取り上げまして、比較的少い面についてはあとにする。それからなお構造その他について相当――つまりメートル当りの単価が、私どもの考えるのが少し低いものですから、それで県の要求の金額よりは少いけれども、かなり防護には役立つものというふうに確信しております。
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櫻井奎夫#25
○櫻井委員 詳細にお聞きしたいこともございますけれども、当委員会の時間もあまり食い込むことをおそれて、技術的な詳細な面についてはあとでお伺いいたすことにいたしますが、いずれにいたしましても、運輸省が大蔵省に要求しておられる予算の額は、私どもから見るとはなはだ僅少であるというふうに考えざるを得ないわけであります。これをまた大蔵省の査定にあって削減を受けるというようなことになれば、これはまことに憂慮すべき事態だと思うわけであります。運輸大臣はこの予算の獲得については一段の努力を払われて、これを削減されないように、これは国会終了後現地をごらんになればわかるわけでありますが、放置できないような事態になっておりますので、この予算は是が非でも、運輸省の面子にかけても削減されないように、大幅に御獲得を願いたいのでございますが、運輸大臣の御決意をちょっとお伺いしたいと思います。
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中村三之丞#26
○中村国務大臣 運輸省の今度要求いたしております概算のうち、港湾の改善、これに全力を上げております。従いまして今の新潟の問題も、われわれの努力の目標とするところでございまして、私は港湾の整備、港湾の近代化、またこういう地盤沈下等の対策につきましては、予算の上に努力をいたします。同時にどうか運輸委員会の皆様におかれましても、政党政派を超越して、側面的に御援助を賜わりますよう、私からもお願い申し上げておきます。
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櫻井奎夫#27
○櫻井委員 建設省の予算はどうなっておりますか。一応御説明願いたいと思います。
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山本三郎#28
○山本説明員 ただいま運輸省から御説明がございましたが、建設省関係といたしましてはこの地図に出ております新栗ノ木川というのがございますが、そこにあります日ノ出町付近の地盤沈下対策でございます。この点につきましては先般私どもの方から現地を視察いたしまして、県と目下打ち合せ中でありますが、大体概算といたしましては千五、六百万円かかるというような話を私承わっております。その点につきましてもよく県当局と打ち合せまして、来年度におきましてはこの程度を考えたい。それからあわせまして調査も一つやっていきたいというふうに考えております。
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櫻井奎夫#29
○櫻井委員 これはまだ数字が出ていないのですか。どれくらい要求するというようなことは考えておられないのですか。
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