本会議
⚠️ 発言のコピー・転載時は出典元URL(kokkai.ndl.go.jpおよびkokkai-data.com)を必ず残してください。改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。
会
会議録情報#0
昭和三十五年二月二日(火曜日)
—————————————
議事日程 第三号
昭和三十五年二月二日
午後一時開議
一 国務大臣の演説に対する質疑
—————————————
○本日の会議に付した案件
人事官任命につき同意を求めるの件
原子力委員会委員任命につき同意を求めるの件
労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの件
国務大臣の演説に対する質疑
午後一時十九分開議
この発言だけを見る →—————————————
議事日程 第三号
昭和三十五年二月二日
午後一時開議
一 国務大臣の演説に対する質疑
—————————————
○本日の会議に付した案件
人事官任命につき同意を求めるの件
原子力委員会委員任命につき同意を求めるの件
労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの件
国務大臣の演説に対する質疑
午後一時十九分開議
清
清
清瀬一郎#2
○議長(清瀬一郎君) お諮りいたします。
内閣から、人事官に入江誠一郎君を任命したいので、国家公務員法第五条第一項の規定により本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →内閣から、人事官に入江誠一郎君を任命したいので、国家公務員法第五条第一項の規定により本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
清
清
清瀬一郎#4
○議長(清瀬一郎君) 次に、原子力委員会委員に木原均君を任命したいので、原子力委員会設置法第八条第一項の規定により本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
清
清
清瀬一郎#6
○議長(清瀬一郎君) 次に、労働保険審査会委員に百田正弘君を任命したいので、労働保険審査官及び労働保険審査会法第二十七条第一項の規定により本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与えるに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
清
清
鈴
鈴木茂三郎#9
○鈴木茂三郎君 私は、岸総理の施政方針演説に対しまして、日本社会党を代表し、主として新安保条約に関連する諸問題についてお尋ねをいたします。拍手
昨夜、総理の施政方針演説を聞いたのでありますが、いつものことながら、失望を禁じ得ませんでした。拍手とりわけ、私は総理の施政方針演説を聞きながら思い起こしましたことは、ちょうど満州事変から日支事変、大東亜戦争に発展をいたしました段階で軍部との間に大きな葛藤を起こしました際に、大命を拝して内閣を組織しようといたしまして、ついに軍部の圧力に屈して組閣を中断いたしましたとき、「現在の日本はファッショか憲政か、官僚と軍閥によってファッショより戦争にいくか、議会政治を守り政党政治を守る憲政の道を選ぶか、まさに分岐点にある」という声明を国民に発したことを私は思い起こし、今日、日本の置かれている国際的な重要な段階は、まさに、戦争に通ずる道を選ぶか、あるいは、お互いに平和共存の道を選ぶか、重大な分岐点に日本は立たされていると確信いたすものであります。拍手こういう重要な段階にある日本の現状における総理大臣の施政方針演説は、あるいは所存であるとか、あるいは念願であるとかいうことで満たされておりまして、あるいはスポーツのような微に入り細にわたる施政方針演説でございましたが、今日重大なこの分岐点にあたって国民が総理に期待しているのは、そういう微細な、ささいな問題ではないのであります。私がここで新安保条約に関連する諸問題についてお尋ねいたしたいのも、今日、日本の安危にかかる重要な焦点はこの新しい安保条約にあると確信をいたすからでございます。拍手
岸総理が国民多数の意思に反してついに調印をがむしゃらに強行するに至った新安保条約については、わが党は、これはアメリカの戦略のために日本は相互防衛と軍事力を強化する責務を負わされること、核兵器の戦争に日本の本土と国民を陥れる危険のあること、雪解けによって明るくなってきた国際情勢に反し、かつ、アジアにおけるわが国際的立場を窮地に追い込むおそれのあること、そして、何よりも新安保条約は平和憲法をじゅうりんする重大な憲法違反であること、並びに、かかる新安保条約は国民に政府の不信を高め、戦争への不安を大きくするほか、とりわけ、アジアの国際関係に重大な混乱をもたらすものである、従って、わが日本の外交路線を積極中立方針に転換すべきことなどを、今日まで、国民に訴え、国会において主張し、私もまた、これまで幾たびか総理の注意を喚起したところであるのであります。調印された新安保条約案は、不幸にして、われわれが今日まで指摘し、主張し、また、岸総理の注意を喚起し、政府並びに自民党に警告し来たったような事態と相なったことを、私は、はなはだ遺憾とするものであります。拍手
私は、新安保条約について、こうした新しい事態にかんがみ、大まかには、第一、新しい国際情勢に対する総理の認識と判断について、第二、新安保条約と関連して、世界の完全な軍縮案の問題並びに日ソ、日中及びアジアの諸問題、第三、新安保条約案の国会の批准に先だって民意を闘うための国会解散の問題、第四は、内外の重大な情勢の中にあって、総理はいかなる信念を持ってこれに対処せんとするか、この四点にわたってお尋ねをいたしたいのであります。
第一にお尋ねをしたいことは、昨年春以来、米ソ両陣営間の危機は、ようやく緊張が緩和され、雪解けが始まり、本年になっては、さらに世界平和への方向が強くなって、その成果が期待されるに至っているのであります。もとより、これによって直ちに世界平和が確立されたものと見るわけにはいかないにしても、総理は、かかる国際情勢をいかに理解し、また、いかなる見通しを持たれているかということについて、お尋ねをいたしたいのであります。ただ、総理の施政方針演説によりますと、雪解けをもたらし始める年であることを念願するといわれているだけであります。これは、今日の新しい国際情勢に対して、認識の不足を証明する以外の何ものでもないのであります。拍手
今日までの岸総理の見解を伺いますと、こうした新しい世界情勢をことさら見ようとしないか、または、わざとあいまいにしているように見受けられるのであります。すなわち、政府が安保条約の改正について強い決意を表明した昨年六月の第三十二回国会の施政方針演説において、総理は、「外相会議が巨頭会談への橋渡しとしての役割を果たし得るかいなか、いまだ断じ得ない現状であります。」と述べ、かかる世界情勢の誤った判断を根拠として、総理は安保改正の意図を決意し、ついにこれを強行されたのであります。しかるに、その後、ミコヤン副首相並びにニクソン副大統領の米ソの交換訪問に次いで、フルシチョフ・ソビエト首相の訪米となって巨頭会談が持たれ、安保改正を決意した総理の世界情勢の判断の誤りが、まずここに実証されたのであります。拍手
総理は、その後も引き続き、こうした誤った世界情勢に対する判断を持ち続けたまま、今回渡米してアイゼンハワー大統領との会談をされたのでありますが、その共同コミュニケにおいて、大統領が、最近の南アジア、近東、アフリカ及び欧州への旅行中、これらの諸地域を通じ、世界平和等に対する強烈な意欲のあることに深い感銘を受けた旨を大統領は述べ、「来たるべき巨頭会談において、緊張緩和への有意義な進歩を達成するためにあらゆる努力を払う決意を表明した。」と共同コミュニケにございます。これは施政方針演説のうちにも述べられているところでありまするが、この大統領の世界情勢と決意を述べたのに対し、総理は、ただ同感の旨を答えただけであったということであります。ところが、こうした共同コミュニケを発表した次の日のプレス・クラブにおける演説において、総理は、世界情勢の問題に触れ、「われわれは単なる平和のかけ声のみに惑わされてはならない」という趣旨を述べているのであります。現在の雪解けの国際情勢を、総理は、ただ平和のかけ声だというように見ているようでございます。私は、今日の世界情勢をただ平和のかけ声だと見ているのは、世界じゅうにおいて岸総理一人ではないかと思います。拍手これは現在の世界情勢に対する総理の認識の不足を国際的に暴露したものと見なければならないことを、私は遺憾に思います。
なお、大統領との共同コミュニケによれば、欧州の経済貿易共同体と工業化や世界の低開発地域の経済発展等についても、総理は大統領と話し合いされておるということでありますが、岸総理は、これをどう理解されているか。最近、総理がこの施政方針演説で述べられておるように、国際経済や低開発地域の開発の問題が国際問題として大きく浮かび上がってきたという事実は、これまた、米ソ両国を中心とする軍事力による冷戦、力による外交から、世界情勢が経済問題に転換しつつある新しい事実を示す証拠にほかならないのであります。拍手世界情勢を正しく認識し、誤りなく判断するということは、いつの時代においても重要でありまして、情勢の認識と判断を誤ると、ひいては国民の生命と国土の安全、すなわち、日本の平和のために重大な危機を引き起こすことになるのであります。
岸総理もよく御承知のごとく、日独伊三国同盟の条約が調印されたのは昭和十五年九月二十五日であって、それから十四カ月後の昭和十六年十二月八日に日本は英米に対して宣戦を布告し、大東亜戦争となったのであります。総理は、その宣戦の詔書に、東条内閣の大臣として副署されているのであります。総理が副署された宣戦詔書には、米英は「平和ノ美名ニ匿レテ、東洋制覇ノ非望ヲ逞ウセムトス。」ということが書かれております。拍手しかるに、今回総理が渡米して調印した日米の相互防衛の新たな安全保障条約には、「両国が極東における国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有することを考慮し、」云々、これにも極東平和のお題目がうたってあるのであります。総理は、さきには、米英が平和の美名に隠れたとなす宣戦の詔書に署名し、今回は、その米国と平和のためにとなす新安保条約に署名されたのであります。拍手総理は、これに矛盾を感じないのであるか、これをどう考えるか、お尋ねをいたします。私がおそれるのは、世界情勢に対する認識と判断を誤ったがために、日独伊三国同盟に次いで英米との大東亜戦争に突入し、日本の本土と国民を敗戦に陥れたと同じように、新安保条約の締結に次いで来たるものは、極東平和の美名に隠れて、おそるべき核兵器の戦争に日本を引き込むようなことになりはしないかということであります。拍手私がここで総理の国際情勢に対する認識の誤りをたださんとするのは、総理の手で、世界情勢に対する判断の誤りから、再び戦争のあやまちを繰り返すことをおそれるからでございます。
第二に、新安保条約と関連して、三、四の問題についてお尋ねをいたします。
まず第一点として、世界の完全軍縮の問題についてであります。
本年に入って、アイゼンハワー大統領は、国会に送った一般教書の中で、アメリカの軍事力と科学兵器を誇示して、たといアメリカに大きな損害を与えることができたとしても、逆に彼らは急速におそるべき破壊を受けるだろうと述べているのでありますが、これは、率直に言えば、ソ連が大陸間弾道弾による核兵器の戦争をしかけても、破壊されるのはソ連であって、アメリカは損害を受けるだけだということを誇示したかのように受け取れるのであります。これに対して、ソ連は、大統領の教書にこたえるかのように、一方では、一月二十日、一万二千五百キロの太平洋の目標に向かって、誤差わずかに二キロという正確さをもって、多段式弾道ロケットを発射して、これに成功している。けさの新聞によりましては、第二回目の発射をしているようでございます。また、他方では、フルシチョフ首相は、さきに世界の完全軍縮案を国連に提案し、続いて、本年の一月十四日、ソ連最高会議において、現有兵力の三分の一を削減する軍縮を進んで行なうということを発表いたしております。
かくて、軍縮の問題は、本年の世界の最大の問題となるでありましょう。昨年九月の四ヵ国共同コミュニケによって明らかにされたように、本年は、国連のワク外において、米ソの東西両陣営同数の十ヵ国によって軍縮委員会が持たれることとなっている。雪解けの世界情勢の中で、ようやく何らかの具体的な解決の方向に向かって進み、軍縮の成果を上げるものと期待されているのであります。これと同時に、一九五八年十月に開会された核実験停止会議は本年に持ち越されましたが、実験停止条約草案は、すでに四分の三を議了するに至ったということであります。われわれが主張してきた核兵器の実験、製造の禁止や、核兵器持ち込みの反対や、アジアにおける非核武装地帯の設定等の問題も、ようやく、こうして一つ一つ現実の問題となって、世界的に解決されようとしてきているのであります。
総理は、かくのごとき一般的軍備と核兵器等の軍備の全廃を目ざす軍縮問題について、どう考えるか。総理は、今日もなお、さきに言明したように、軍縮案は宣伝にすぎないと見ているのであるか。また、わが自衛隊は、陸海空軍を備え、第二次拡張計画を進め、アメリカとの共同の防衛体制をとる以上、世界の軍縮から免れることはできないと思う。アメリカ軍事基地についても同じことが言えるのであります。総理は、これらの問題を、世界軍縮の問題と関連して、いかように処理されようとしているか、承りたいのであります。拍手
新安保条約と関連してお尋ねしたい第二点は、日本の隣国の中華人民共和国の陳毅外交部長は、中国の参加しない軍縮協定は拘束力を持つものでないという見解を表明しているのであります。現実の問題として考えてみましても、十ヵ国軍縮委員会が持たれ、成果を上げようとしている今日、強大な軍事力を持った中国を除外した軍縮協定の意味が、ぼやけたものになるということは明らかであります。とりわけ、日本は、中国は隣の国でありまして、友好関係の上から、また、日中の平和の上からも重要な関係にあることは、言うを待たない。その中国が、軍縮会議はもとより、国連からも除外されている事実を、総理はどう考えるか、総理の見解をただしたいのであります。
なおまた、今回の新安保条約は、中華人民共和国を安保体制の行動の範囲に取り入れ、そういうことなどから、日中友好を望む国民の願望は、この新安保条約のために踏みにじられることになって参りましたので、国民の多くは絶望と憤激をもって強く岸総理の責任を追及しようとしております、私は、岸総理によっては、もはや日中問題の解決の手がかりを求めることは不可能であると思う。拍手それゆえ、私が総理にお尋ねしたいことは、かかる事態に対して、総理は、国民に対していかような政治的責任をとろうとするか、総理の政治的責任を問わんとするものであります。拍手ただ、施政方針演説に示されたように、善隣外交を推進することを念願とするということによって、今日の日中問題の解決はできないということを、総理は知ってもらいたい。拍手
さらに、第三点としてお尋ねしたいことは、新安保条約は、東南アジア各国、フィリピンに対してさえ脅威を与えているということであります。アメリカの東南アジア進出に便乗しようとする総理の低開発国に対する経済的な意図も、かえって東南アジア各国の日本に対する危惧を増している状態であるということが伝えられております。総理は、東南アジア各国の不安と危惧に対して、いかなる対策をとろうとするか。また、新安保条約による日本の国際上の重大な困難な事態は、同じくソ連からも起こってきているのであります。こうした、これらの国際的なアジアにおける困難な事態は、総理は、新安保条約を強行せんとする以上、すでにあらかじめ予想し得ることではなかったか。ただ一片のソ連への抗議によって解決できるものではありません。日ソ平和条約、漁業問題、通商問題等、総理は日ソ友好問題をどうしようとするのか、この際承りたいのであります。拍手
申し上げるまでもなく、総理の施政方針には、共産主義の世界と共存の道を見出す熱意と努力をお持ちでございまするが、今日の日ソの問題は、総理大臣が、ただ熱意と、努力するという念願を持たれるだけでは、日ソ問題の当面の解決は不可能でございます。拍手こうして新安保条約によって新たに起こってきたソ連、中華人民共和国や東南アジア各国との国際関係の困難な事態から考えてみても、米ソの軍事力の対立から中立して、どこの国、いずれの民族とも仲よくしていく積極的中立の外交路線の正しさが、今や現実に立証されつつあるのではないか、これまた、ここに総理の見解をただしたいのであります。拍手
第三にお尋ねいたしたいことは、安保条約改正案を批准するに先だって、国民の審判を仰いで民意を問うために、国会を解散して総選挙を断行すべきであるという問題について、総理の所信をただしたいのであります。
総理が調印した新安保条約案は、われわれが、さきに国会において指摘し、国民に訴えたように、調印によって、日本のため憂慮すべき事態がさらに明らかになってきているのであります。これがため、国民の不安と政府への不信は増大して、国民の様相は深刻なる事態を呈して参っております。権威ある世論調査によって見ますと、安保条約改正の論議が国会において行なわれておった当時、安保条約の改正の是非に対し、的確な判断を持たない国民が相当あったように見られたのでありますが、安保条約調印前後の時期、すなわち、本年に入りますと、「この安保改正で日本が戦争に巻き込まれるおそれが強くなったと思うか」という質問に対して、「そう思う」と答えた者が、実に三割八分の多きに及んでいるのであります。拍手「自衛隊をもっとふやして強くすることに賛成か」という質問に対して、実に五割一分の多くの者が反対だと答えているのであります。拍手これは、安保条約に対する国民の理解が最近に至って深まったこと、広がったことと同時に、不安の増大、従って、政府に対する不信を示す国民の動向の一端と見なければならないと思うのであります。かかる国民の不安と政府への不信は、これから日をふるにつれていよいよますます広がり、高まることは必至と考えられるのであります。岸総理は、安保条約に対する国民の不安の広がり、高まりをどう見るか、この際お尋ねをいたします。
それと同時に、総理は、安保条約に対する国民のこうした不安と政府への不信の増大は安全保障条約調印の前後の時期から起こったという新しい事態を、あらためて虚心たんかいにこれを認識しなければならないと思います。
条約の締結ということは、憲法の改正に準ずる国家の重大な問題であるのであります。かつまた、国民のこの条約に対する不安と不信がさらに増大したという事態にかんがみても、自民党が多数を占めている現国会は、必ずしも正しく国民の意思を代表してはいないと断ぜざるを得ないのであります。拍手それでありますから、私は、民主憲法の精神に従って、安保条約批准に先だち国会を解散することが当然であると信ずるのであります。拍手
われわれは、総選挙に臨み、宇宙時代の外交路線として、私とわが党は積極中立政策と平和共存の政策、岸総理と自民党はアメリカ依存と武装平和の政策、それぞれ所信を国民の前に明らかにし、いずれが日本の平和をかちとり、いずれが国民の生活を安定させ、よくするか、まず国民の公正なる審判を仰ぐため、国会の解散を断行すべきではないか、総理の所信をただしたいのであります。拍手
最後にお尋ねいたしたい第四の問題は、わが国が当面している内外の情勢、そのそれぞれの個々の問題でなく、これらを総合した情勢はきわめて重大なるものがあるにかんがみ、この際、私は、かかる情勢の中にあって政治家としていかなる信念を持って対処すべきか、岸総理の信念をここにたださんとするものであります。
岸総理は、雪解けの新しい平和への世界情勢はどうしてできたと思うか、私は、総理に、このことを静かに考えていただきたいのであります。総理は、施政方針演説の中で、こうした雪解けは軍事的均衡のもとにかもし出されたという、相変わらず誤った情勢の認識と判断の上に立っておられるのであります。拍手今日の雪解けの世界情勢は、安保条約の改正のような軍事同盟を作ったり、自衛隊の拡張をはかるようなことをして、こうした新しい世界情勢ができたものではありません。
フルシチョフ・ソ連首相が昨年訪米して世界に投げかけた言葉に、「戦争による共滅か、平和による共存か。ロケットと水爆時代の戦争は、すべての国民に極端に悲惨な結果をもたらす。もし世界戦争が起これば、壊滅的打撃から免れるものは一国もあり得ない。」すなわち、共滅、共倒れと言い放ったことを裏づけるかのように、核兵器とロケットの驚くべき発達、これが世界戦争を不可能とし、新しい世界情勢を平和へ大きく動かした動因であり、その理由はここにあるのであります。拍手総理はこれを知らなければなりません。核兵器による戦争は、ただ一国だけがおそるべき破壊を受けるのではありません。いずれの国も共倒れとなって、世界人類の滅亡は必至であるのであります。日米の安保条約の軍事体制は、このおそるべき核兵器の戦争に日本を巻き込むおそれこそあれ、日本の国土と民族を守るために何の役にも立たないのであります。拍手それであればこそ、全世界のあらゆる人々は、両陣営の緊張を緩和し、共存によって平和を確立せんことを望み、世界人類のための尊い努力がここに注がれているのであります。アイゼンハワー大統領が、たといアメリカのためのアジアにおける軍事体制を望んでいるといたしましても、少なくとも日本の政治家は、世界に比類のない平和憲法のもとに平和を望む国民を結集して、口先だけでなく、世界平和のために真剣に努力することこそ、このとき国会に議席を持つ者の最大にしてかつ最高の、崇高な任務でなければならないと確信をいたします。拍手
岸総理は、私のこの最後の質問に対して、敬虔な気持に立ち返った、信念に基づく所信を国民の前に明らかにされんことを望んで、私の質問を終わります。拍手
〔国務大臣岸信介君登壇〕
この発言だけを見る →昨夜、総理の施政方針演説を聞いたのでありますが、いつものことながら、失望を禁じ得ませんでした。拍手とりわけ、私は総理の施政方針演説を聞きながら思い起こしましたことは、ちょうど満州事変から日支事変、大東亜戦争に発展をいたしました段階で軍部との間に大きな葛藤を起こしました際に、大命を拝して内閣を組織しようといたしまして、ついに軍部の圧力に屈して組閣を中断いたしましたとき、「現在の日本はファッショか憲政か、官僚と軍閥によってファッショより戦争にいくか、議会政治を守り政党政治を守る憲政の道を選ぶか、まさに分岐点にある」という声明を国民に発したことを私は思い起こし、今日、日本の置かれている国際的な重要な段階は、まさに、戦争に通ずる道を選ぶか、あるいは、お互いに平和共存の道を選ぶか、重大な分岐点に日本は立たされていると確信いたすものであります。拍手こういう重要な段階にある日本の現状における総理大臣の施政方針演説は、あるいは所存であるとか、あるいは念願であるとかいうことで満たされておりまして、あるいはスポーツのような微に入り細にわたる施政方針演説でございましたが、今日重大なこの分岐点にあたって国民が総理に期待しているのは、そういう微細な、ささいな問題ではないのであります。私がここで新安保条約に関連する諸問題についてお尋ねいたしたいのも、今日、日本の安危にかかる重要な焦点はこの新しい安保条約にあると確信をいたすからでございます。拍手
岸総理が国民多数の意思に反してついに調印をがむしゃらに強行するに至った新安保条約については、わが党は、これはアメリカの戦略のために日本は相互防衛と軍事力を強化する責務を負わされること、核兵器の戦争に日本の本土と国民を陥れる危険のあること、雪解けによって明るくなってきた国際情勢に反し、かつ、アジアにおけるわが国際的立場を窮地に追い込むおそれのあること、そして、何よりも新安保条約は平和憲法をじゅうりんする重大な憲法違反であること、並びに、かかる新安保条約は国民に政府の不信を高め、戦争への不安を大きくするほか、とりわけ、アジアの国際関係に重大な混乱をもたらすものである、従って、わが日本の外交路線を積極中立方針に転換すべきことなどを、今日まで、国民に訴え、国会において主張し、私もまた、これまで幾たびか総理の注意を喚起したところであるのであります。調印された新安保条約案は、不幸にして、われわれが今日まで指摘し、主張し、また、岸総理の注意を喚起し、政府並びに自民党に警告し来たったような事態と相なったことを、私は、はなはだ遺憾とするものであります。拍手
私は、新安保条約について、こうした新しい事態にかんがみ、大まかには、第一、新しい国際情勢に対する総理の認識と判断について、第二、新安保条約と関連して、世界の完全な軍縮案の問題並びに日ソ、日中及びアジアの諸問題、第三、新安保条約案の国会の批准に先だって民意を闘うための国会解散の問題、第四は、内外の重大な情勢の中にあって、総理はいかなる信念を持ってこれに対処せんとするか、この四点にわたってお尋ねをいたしたいのであります。
第一にお尋ねをしたいことは、昨年春以来、米ソ両陣営間の危機は、ようやく緊張が緩和され、雪解けが始まり、本年になっては、さらに世界平和への方向が強くなって、その成果が期待されるに至っているのであります。もとより、これによって直ちに世界平和が確立されたものと見るわけにはいかないにしても、総理は、かかる国際情勢をいかに理解し、また、いかなる見通しを持たれているかということについて、お尋ねをいたしたいのであります。ただ、総理の施政方針演説によりますと、雪解けをもたらし始める年であることを念願するといわれているだけであります。これは、今日の新しい国際情勢に対して、認識の不足を証明する以外の何ものでもないのであります。拍手
今日までの岸総理の見解を伺いますと、こうした新しい世界情勢をことさら見ようとしないか、または、わざとあいまいにしているように見受けられるのであります。すなわち、政府が安保条約の改正について強い決意を表明した昨年六月の第三十二回国会の施政方針演説において、総理は、「外相会議が巨頭会談への橋渡しとしての役割を果たし得るかいなか、いまだ断じ得ない現状であります。」と述べ、かかる世界情勢の誤った判断を根拠として、総理は安保改正の意図を決意し、ついにこれを強行されたのであります。しかるに、その後、ミコヤン副首相並びにニクソン副大統領の米ソの交換訪問に次いで、フルシチョフ・ソビエト首相の訪米となって巨頭会談が持たれ、安保改正を決意した総理の世界情勢の判断の誤りが、まずここに実証されたのであります。拍手
総理は、その後も引き続き、こうした誤った世界情勢に対する判断を持ち続けたまま、今回渡米してアイゼンハワー大統領との会談をされたのでありますが、その共同コミュニケにおいて、大統領が、最近の南アジア、近東、アフリカ及び欧州への旅行中、これらの諸地域を通じ、世界平和等に対する強烈な意欲のあることに深い感銘を受けた旨を大統領は述べ、「来たるべき巨頭会談において、緊張緩和への有意義な進歩を達成するためにあらゆる努力を払う決意を表明した。」と共同コミュニケにございます。これは施政方針演説のうちにも述べられているところでありまするが、この大統領の世界情勢と決意を述べたのに対し、総理は、ただ同感の旨を答えただけであったということであります。ところが、こうした共同コミュニケを発表した次の日のプレス・クラブにおける演説において、総理は、世界情勢の問題に触れ、「われわれは単なる平和のかけ声のみに惑わされてはならない」という趣旨を述べているのであります。現在の雪解けの国際情勢を、総理は、ただ平和のかけ声だというように見ているようでございます。私は、今日の世界情勢をただ平和のかけ声だと見ているのは、世界じゅうにおいて岸総理一人ではないかと思います。拍手これは現在の世界情勢に対する総理の認識の不足を国際的に暴露したものと見なければならないことを、私は遺憾に思います。
なお、大統領との共同コミュニケによれば、欧州の経済貿易共同体と工業化や世界の低開発地域の経済発展等についても、総理は大統領と話し合いされておるということでありますが、岸総理は、これをどう理解されているか。最近、総理がこの施政方針演説で述べられておるように、国際経済や低開発地域の開発の問題が国際問題として大きく浮かび上がってきたという事実は、これまた、米ソ両国を中心とする軍事力による冷戦、力による外交から、世界情勢が経済問題に転換しつつある新しい事実を示す証拠にほかならないのであります。拍手世界情勢を正しく認識し、誤りなく判断するということは、いつの時代においても重要でありまして、情勢の認識と判断を誤ると、ひいては国民の生命と国土の安全、すなわち、日本の平和のために重大な危機を引き起こすことになるのであります。
岸総理もよく御承知のごとく、日独伊三国同盟の条約が調印されたのは昭和十五年九月二十五日であって、それから十四カ月後の昭和十六年十二月八日に日本は英米に対して宣戦を布告し、大東亜戦争となったのであります。総理は、その宣戦の詔書に、東条内閣の大臣として副署されているのであります。総理が副署された宣戦詔書には、米英は「平和ノ美名ニ匿レテ、東洋制覇ノ非望ヲ逞ウセムトス。」ということが書かれております。拍手しかるに、今回総理が渡米して調印した日米の相互防衛の新たな安全保障条約には、「両国が極東における国際の平和及び安全の維持に共通の関心を有することを考慮し、」云々、これにも極東平和のお題目がうたってあるのであります。総理は、さきには、米英が平和の美名に隠れたとなす宣戦の詔書に署名し、今回は、その米国と平和のためにとなす新安保条約に署名されたのであります。拍手総理は、これに矛盾を感じないのであるか、これをどう考えるか、お尋ねをいたします。私がおそれるのは、世界情勢に対する認識と判断を誤ったがために、日独伊三国同盟に次いで英米との大東亜戦争に突入し、日本の本土と国民を敗戦に陥れたと同じように、新安保条約の締結に次いで来たるものは、極東平和の美名に隠れて、おそるべき核兵器の戦争に日本を引き込むようなことになりはしないかということであります。拍手私がここで総理の国際情勢に対する認識の誤りをたださんとするのは、総理の手で、世界情勢に対する判断の誤りから、再び戦争のあやまちを繰り返すことをおそれるからでございます。
第二に、新安保条約と関連して、三、四の問題についてお尋ねをいたします。
まず第一点として、世界の完全軍縮の問題についてであります。
本年に入って、アイゼンハワー大統領は、国会に送った一般教書の中で、アメリカの軍事力と科学兵器を誇示して、たといアメリカに大きな損害を与えることができたとしても、逆に彼らは急速におそるべき破壊を受けるだろうと述べているのでありますが、これは、率直に言えば、ソ連が大陸間弾道弾による核兵器の戦争をしかけても、破壊されるのはソ連であって、アメリカは損害を受けるだけだということを誇示したかのように受け取れるのであります。これに対して、ソ連は、大統領の教書にこたえるかのように、一方では、一月二十日、一万二千五百キロの太平洋の目標に向かって、誤差わずかに二キロという正確さをもって、多段式弾道ロケットを発射して、これに成功している。けさの新聞によりましては、第二回目の発射をしているようでございます。また、他方では、フルシチョフ首相は、さきに世界の完全軍縮案を国連に提案し、続いて、本年の一月十四日、ソ連最高会議において、現有兵力の三分の一を削減する軍縮を進んで行なうということを発表いたしております。
かくて、軍縮の問題は、本年の世界の最大の問題となるでありましょう。昨年九月の四ヵ国共同コミュニケによって明らかにされたように、本年は、国連のワク外において、米ソの東西両陣営同数の十ヵ国によって軍縮委員会が持たれることとなっている。雪解けの世界情勢の中で、ようやく何らかの具体的な解決の方向に向かって進み、軍縮の成果を上げるものと期待されているのであります。これと同時に、一九五八年十月に開会された核実験停止会議は本年に持ち越されましたが、実験停止条約草案は、すでに四分の三を議了するに至ったということであります。われわれが主張してきた核兵器の実験、製造の禁止や、核兵器持ち込みの反対や、アジアにおける非核武装地帯の設定等の問題も、ようやく、こうして一つ一つ現実の問題となって、世界的に解決されようとしてきているのであります。
総理は、かくのごとき一般的軍備と核兵器等の軍備の全廃を目ざす軍縮問題について、どう考えるか。総理は、今日もなお、さきに言明したように、軍縮案は宣伝にすぎないと見ているのであるか。また、わが自衛隊は、陸海空軍を備え、第二次拡張計画を進め、アメリカとの共同の防衛体制をとる以上、世界の軍縮から免れることはできないと思う。アメリカ軍事基地についても同じことが言えるのであります。総理は、これらの問題を、世界軍縮の問題と関連して、いかように処理されようとしているか、承りたいのであります。拍手
新安保条約と関連してお尋ねしたい第二点は、日本の隣国の中華人民共和国の陳毅外交部長は、中国の参加しない軍縮協定は拘束力を持つものでないという見解を表明しているのであります。現実の問題として考えてみましても、十ヵ国軍縮委員会が持たれ、成果を上げようとしている今日、強大な軍事力を持った中国を除外した軍縮協定の意味が、ぼやけたものになるということは明らかであります。とりわけ、日本は、中国は隣の国でありまして、友好関係の上から、また、日中の平和の上からも重要な関係にあることは、言うを待たない。その中国が、軍縮会議はもとより、国連からも除外されている事実を、総理はどう考えるか、総理の見解をただしたいのであります。
なおまた、今回の新安保条約は、中華人民共和国を安保体制の行動の範囲に取り入れ、そういうことなどから、日中友好を望む国民の願望は、この新安保条約のために踏みにじられることになって参りましたので、国民の多くは絶望と憤激をもって強く岸総理の責任を追及しようとしております、私は、岸総理によっては、もはや日中問題の解決の手がかりを求めることは不可能であると思う。拍手それゆえ、私が総理にお尋ねしたいことは、かかる事態に対して、総理は、国民に対していかような政治的責任をとろうとするか、総理の政治的責任を問わんとするものであります。拍手ただ、施政方針演説に示されたように、善隣外交を推進することを念願とするということによって、今日の日中問題の解決はできないということを、総理は知ってもらいたい。拍手
さらに、第三点としてお尋ねしたいことは、新安保条約は、東南アジア各国、フィリピンに対してさえ脅威を与えているということであります。アメリカの東南アジア進出に便乗しようとする総理の低開発国に対する経済的な意図も、かえって東南アジア各国の日本に対する危惧を増している状態であるということが伝えられております。総理は、東南アジア各国の不安と危惧に対して、いかなる対策をとろうとするか。また、新安保条約による日本の国際上の重大な困難な事態は、同じくソ連からも起こってきているのであります。こうした、これらの国際的なアジアにおける困難な事態は、総理は、新安保条約を強行せんとする以上、すでにあらかじめ予想し得ることではなかったか。ただ一片のソ連への抗議によって解決できるものではありません。日ソ平和条約、漁業問題、通商問題等、総理は日ソ友好問題をどうしようとするのか、この際承りたいのであります。拍手
申し上げるまでもなく、総理の施政方針には、共産主義の世界と共存の道を見出す熱意と努力をお持ちでございまするが、今日の日ソの問題は、総理大臣が、ただ熱意と、努力するという念願を持たれるだけでは、日ソ問題の当面の解決は不可能でございます。拍手こうして新安保条約によって新たに起こってきたソ連、中華人民共和国や東南アジア各国との国際関係の困難な事態から考えてみても、米ソの軍事力の対立から中立して、どこの国、いずれの民族とも仲よくしていく積極的中立の外交路線の正しさが、今や現実に立証されつつあるのではないか、これまた、ここに総理の見解をただしたいのであります。拍手
第三にお尋ねいたしたいことは、安保条約改正案を批准するに先だって、国民の審判を仰いで民意を問うために、国会を解散して総選挙を断行すべきであるという問題について、総理の所信をただしたいのであります。
総理が調印した新安保条約案は、われわれが、さきに国会において指摘し、国民に訴えたように、調印によって、日本のため憂慮すべき事態がさらに明らかになってきているのであります。これがため、国民の不安と政府への不信は増大して、国民の様相は深刻なる事態を呈して参っております。権威ある世論調査によって見ますと、安保条約改正の論議が国会において行なわれておった当時、安保条約の改正の是非に対し、的確な判断を持たない国民が相当あったように見られたのでありますが、安保条約調印前後の時期、すなわち、本年に入りますと、「この安保改正で日本が戦争に巻き込まれるおそれが強くなったと思うか」という質問に対して、「そう思う」と答えた者が、実に三割八分の多きに及んでいるのであります。拍手「自衛隊をもっとふやして強くすることに賛成か」という質問に対して、実に五割一分の多くの者が反対だと答えているのであります。拍手これは、安保条約に対する国民の理解が最近に至って深まったこと、広がったことと同時に、不安の増大、従って、政府に対する不信を示す国民の動向の一端と見なければならないと思うのであります。かかる国民の不安と政府への不信は、これから日をふるにつれていよいよますます広がり、高まることは必至と考えられるのであります。岸総理は、安保条約に対する国民の不安の広がり、高まりをどう見るか、この際お尋ねをいたします。
それと同時に、総理は、安保条約に対する国民のこうした不安と政府への不信の増大は安全保障条約調印の前後の時期から起こったという新しい事態を、あらためて虚心たんかいにこれを認識しなければならないと思います。
条約の締結ということは、憲法の改正に準ずる国家の重大な問題であるのであります。かつまた、国民のこの条約に対する不安と不信がさらに増大したという事態にかんがみても、自民党が多数を占めている現国会は、必ずしも正しく国民の意思を代表してはいないと断ぜざるを得ないのであります。拍手それでありますから、私は、民主憲法の精神に従って、安保条約批准に先だち国会を解散することが当然であると信ずるのであります。拍手
われわれは、総選挙に臨み、宇宙時代の外交路線として、私とわが党は積極中立政策と平和共存の政策、岸総理と自民党はアメリカ依存と武装平和の政策、それぞれ所信を国民の前に明らかにし、いずれが日本の平和をかちとり、いずれが国民の生活を安定させ、よくするか、まず国民の公正なる審判を仰ぐため、国会の解散を断行すべきではないか、総理の所信をただしたいのであります。拍手
最後にお尋ねいたしたい第四の問題は、わが国が当面している内外の情勢、そのそれぞれの個々の問題でなく、これらを総合した情勢はきわめて重大なるものがあるにかんがみ、この際、私は、かかる情勢の中にあって政治家としていかなる信念を持って対処すべきか、岸総理の信念をここにたださんとするものであります。
岸総理は、雪解けの新しい平和への世界情勢はどうしてできたと思うか、私は、総理に、このことを静かに考えていただきたいのであります。総理は、施政方針演説の中で、こうした雪解けは軍事的均衡のもとにかもし出されたという、相変わらず誤った情勢の認識と判断の上に立っておられるのであります。拍手今日の雪解けの世界情勢は、安保条約の改正のような軍事同盟を作ったり、自衛隊の拡張をはかるようなことをして、こうした新しい世界情勢ができたものではありません。
フルシチョフ・ソ連首相が昨年訪米して世界に投げかけた言葉に、「戦争による共滅か、平和による共存か。ロケットと水爆時代の戦争は、すべての国民に極端に悲惨な結果をもたらす。もし世界戦争が起これば、壊滅的打撃から免れるものは一国もあり得ない。」すなわち、共滅、共倒れと言い放ったことを裏づけるかのように、核兵器とロケットの驚くべき発達、これが世界戦争を不可能とし、新しい世界情勢を平和へ大きく動かした動因であり、その理由はここにあるのであります。拍手総理はこれを知らなければなりません。核兵器による戦争は、ただ一国だけがおそるべき破壊を受けるのではありません。いずれの国も共倒れとなって、世界人類の滅亡は必至であるのであります。日米の安保条約の軍事体制は、このおそるべき核兵器の戦争に日本を巻き込むおそれこそあれ、日本の国土と民族を守るために何の役にも立たないのであります。拍手それであればこそ、全世界のあらゆる人々は、両陣営の緊張を緩和し、共存によって平和を確立せんことを望み、世界人類のための尊い努力がここに注がれているのであります。アイゼンハワー大統領が、たといアメリカのためのアジアにおける軍事体制を望んでいるといたしましても、少なくとも日本の政治家は、世界に比類のない平和憲法のもとに平和を望む国民を結集して、口先だけでなく、世界平和のために真剣に努力することこそ、このとき国会に議席を持つ者の最大にしてかつ最高の、崇高な任務でなければならないと確信をいたします。拍手
岸総理は、私のこの最後の質問に対して、敬虔な気持に立ち返った、信念に基づく所信を国民の前に明らかにされんことを望んで、私の質問を終わります。拍手
〔国務大臣岸信介君登壇〕
岸
岸信介#10
○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。
第一の、国際情勢をどういうふうに判断しておるか、いわゆる雪解け論というものをどういうふうに考えておるかということであります。われわれが大事なことは、国際情勢を分析する場合に、希望と現実とを混同してはならぬということであります。拍手私どもが世界の平和を願い、また、国際間の、東西両陣営の間の緊張を緩和したいというその念願、希望ということと、現在どういう状態に国際間があるかというこの現実とは、決して混同してはならないのであります。拍手昨年来、東西両陣営の巨頭の間の往復が盛んにありまして、東西両陣営の間において解決のできなかった問題を、話し合いの形において解決しようという努力が払われるようになっていることは、私ども、国際緊張緩和の上から非常に望ましいことであります。ぜひそれを成功せしめなければならぬと思います。しかしながら、現在、そういう問題が円満に話し合いがいって解決できるというような国際情勢、現実の情勢であるかどうかということは、これはまた、おのずから別の問題であります。すでに御承知の通り、ベルリンの問題にいたしましても、両陣営の主張は、一歩もお互いに譲っておりません。また、軍縮の問題や核兵器の問題につきましても、長い間会議が行なわれておりますが、その前途も、必ずしも非常に楽観し得るような簡単な状態ではないと私は思います。拍手しかし、われわれがそれに向かって努力し、それのりっぱな結果を生むようにわれわれが協力すべきことは、これは当然でございます。拍手こういう見地に立って国際情勢を判断してみますると、何といっても、今日の東西両陣営の対立は、共産主義の陣営においては、共産主義の国がしっかりとした団結を持っており、これに対して、自由主義の国々も強固な団結のもとに、両陣営が話し合いをしてその間の問題を解決していこうというこの情勢に対処して、自由主義の国が、理想を同じくし、進路を同じくしておる国々の間において、いろいろな地域的な安全保障の体制をとり、また協力して、おのおのの平和を守るということは、国際の現実からいって、それを廃止しなければならぬというような情勢にはまだまだきておらないのであります。拍手われわれは、将来、国連において安全と平和を守るところの機構ができて、それに安んじて自国の安全をまかし得るというような事態がくることを望みますけれども、しかし、それができますまでの間は、やはり、自国の安全を現実に即して守るということが、政治家の国民に対する当然の義務であると信じております。拍手
軍縮問題に関して、フルシチョフ首相が、昨年、完全軍縮提案を国連においてなされ、その目標が、いわゆる軍縮交渉の究極の目的であって、ぜひ完全軍縮が世界にできることを、われわれも望んでおるものであります。しかしながら、軍縮の問題は、その目標ではなくして、——目標はだれも異存ないのです。ただ、目標に達する道程として、いかにして軍縮を行なうか、その間における均衡のとれた力をどういうふうにしていくか、あるいは管理制度をどういうふうにして、そうして違反の起こらないようにこれをしていくかという問題が解決されない限り、軍縮の問題は解決できないというのが、従来からわれわれが経験したところであります。従って、私は、これを単にフルシチョフ首相の宣伝であるとかなんとかとは申しませんが、はたしてこの軍縮ができるかどうかということは、従来ソ連が軍縮の会議において示しておるような態度と違って、現実に均衡のとれた軍縮、また有効なる管理制度というものに対して、従来の主張を捨てて、実際の実行できる案を提案されることが、この軍縮問題においてソ連に期待したいところであります。拍手
また、一月十四日のソ連最高会議において通常兵力の三分の一の削減が発表されて、これが直ちに軍縮への誠意の表明としていろいろいわれておりますが、私は、必ずしもこれを手放しで歓迎ばかりはできぬと思う。なぜなれば、フルシチョフ首相が、その同じ演説の中で、ソ連の国防兵力は著しい程度においてロケット及び核兵器に切りかえられておる、また、ここに提案した兵員の削減案はソ連の火力を少しもそこなうものではないという演説をしているところから見ましても、私は、それが直ちに軍縮に対する具体的の誠意を示すものとは言えないと思うのであります。
また、軍縮と自衛隊や米軍基地との関係について御質問がありましたが、将来、軍縮が、重要な国の間——今行なわれておる十ヵ国会議においてその成案を得、各国がこれに従って軍縮を行なうということができるならば、われわれは、当然その軍縮計画に積極的に参加して、それに基づいた必要な国内における措置をとることは、これは当然にやらなければならぬと思う。しかしながら、それができるまでの間、各国がおのおのその国力と国情に応じて自衛の措置をとるということは、国民の安全をはかる政治の目標から言えば、私は当然やらなければならぬことであると思う。拍手決して矛盾するものではございません。
それから、新安保条約の締結は、ソ連や中共の関係が非常に悪化するという問題でございます。この安保条約の内容は、御検討いただけばはっきりしているように、国連の憲章に違反したような侵略行為が行なわれない限り、この新安保条約の防衛に関する規定は発動しないのであります。従って、その意味は、われわれのこの独立と平和を守るところの防衛的の性質のものでございまして、いかなる国をもいわゆる仮想敵国としておるものでないことは、この条文をごらんになれば、きわめて明瞭でございます。拍手これに対して、従来、ソ連や中共から、安保条約反対のいろいろな声明や、あるいは最近のごとき覚書等によりまして、日本国内に国論の分裂を策するがごとき行動が行なわれていることは、私ども非常に遺憾とするところであります。拍手言うまでもなく、独立国がいかなる外交方針をとるか、その国がいかなる方法によって安全保障の道をとるかということは、独立国として、その国民が自主的に決定すべき問題でありまして、他国の干渉や脅迫によってこれを変えるべき性質のものではないと私は確信しております。拍手いわんや、ソ連が従来そういう態度に出られ、また、今回、グロムイコの覚書によって、従来、国際法上、日ソ間に約束されたところの領土の返還の問題に関する約束を一方的に変更するとかいうことは、私は、際条約の観念として許すべからざることであると思うのであります。拍手もとより、自主的な立場から安保条約を調印する場合におきまして、そういう理不尽な抗議がソ連からなされるということは、私どもは予想しておらなかったのでありますが、あくまでも、日本としては、自主的立場でこの安保条約を進めていくことが必要であると私は考えております。拍手
また、東南アジアに対して、何らか安保条約の調印が脅威を与えておるとか、あるいは危惧を与えておるというふうな御意見でありましたが、東南アジアにおける経済開発に対して日本が積極的に協力するということは、東南アジア諸国がいずれも希望しておることでありまして、決してこの安保条約ができたことによって危惧を与えるような事実はないのでありまして、最近の東南アジア諸国におきましては、いろいろの点において、むしろ最近の中共政府の行動に対して、いろいろな危惧を持っておるというのが現状であります。拍手私どもは、あくまでも自由主義の立場で、これらの国の繁栄のために今後も積極的に協力をするつもりであります。
また、ソ連との間の漁業問題や貿易の問題は、われわれは、安保条約とは何ら関係のない問題でありまして、漁業協定に基づくところの漁獲高の問題は、あくまでも科学的基礎によってこれを進め、また、日ソの間の貿易を進めることによって日ソの友好関係を進め、両国の繁栄に資するということは、私どもが一貫して考えておることでありますから、これはもちろん今後も進めていかなければならぬと思います。
また、従来もしばしば論ぜられておることでありますが、社会党とわれわれの外交政策の違いは、われわれは、あくまでも自由主義の立場を堅持して自由主義の国々と提携をし、また、日米が真の協力関係によって日本の繁栄と安全をはかっていくという基本の方針をとっております。これに対して、いわゆる積極的中立政策をとれという社会党の主張でありますが、私どもは、最近のインドの事情をごらん下さってもわかるように、いわゆる中立政策なるものが、実際その国の安全とその国の繁栄をはかっていく上から見ますと、現実的に望ましい政策でないということは、きわめて明瞭であります。拍手
次に、安保条約の批准の前に国会を解散しろという御意見でございます。この点に関しましては従来もしばしば論ぜられておることでございますが、われわれが調印をいたしました新安保条約は、現在あるところの安保条約の体制を基本として、これが成立以来、国民も不満とし、また、各方面から批判を受けておったような不平等性を改めて、真の日米協力によるところの対等性を持とうということでございます。また、最近行なわれましたところの選挙におきましても、しばしば、この問題を題目として、社会党方面はこれらに反対の議論をあげられ、われわれは、これをあくまでも貫くという意味において選挙も行なわれておりまして、今日解散して国民にさらに意見を問わなければならない事態とは私は考えておりません。拍手
最後に、世界平和に対する私の信念をお尋ねになりましたが、これは、私がしばしば申し上げているように、われわれは絶対に戦争を避けなければならない。われわれ自身が戦争に巻き込まれることがないと同様に、世界のどこにも戦争のないような平和の事態を作り上げなければならない。そのためには、われわれは、国連を中心として、世界の平和を進めるようなあらゆる協力をしていかなければならない。しかし、もちろん、そのわれわれが平和を願うということと、先ほど申し上げましたように、国際の現実というものとを混同してはならないのでありまして、われわれは、責任ある政治家として、やはり、現在の現実に即して日本の安全と国民の平和とを守ることについて、それに必要な手段を講ずるということは、世界の平和をわれわれが念願しておることと少しも矛盾するところではなくて、むしろ、そうすることが正しいと私は信じております。拍手
—————————————
この発言だけを見る →第一の、国際情勢をどういうふうに判断しておるか、いわゆる雪解け論というものをどういうふうに考えておるかということであります。われわれが大事なことは、国際情勢を分析する場合に、希望と現実とを混同してはならぬということであります。拍手私どもが世界の平和を願い、また、国際間の、東西両陣営の間の緊張を緩和したいというその念願、希望ということと、現在どういう状態に国際間があるかというこの現実とは、決して混同してはならないのであります。拍手昨年来、東西両陣営の巨頭の間の往復が盛んにありまして、東西両陣営の間において解決のできなかった問題を、話し合いの形において解決しようという努力が払われるようになっていることは、私ども、国際緊張緩和の上から非常に望ましいことであります。ぜひそれを成功せしめなければならぬと思います。しかしながら、現在、そういう問題が円満に話し合いがいって解決できるというような国際情勢、現実の情勢であるかどうかということは、これはまた、おのずから別の問題であります。すでに御承知の通り、ベルリンの問題にいたしましても、両陣営の主張は、一歩もお互いに譲っておりません。また、軍縮の問題や核兵器の問題につきましても、長い間会議が行なわれておりますが、その前途も、必ずしも非常に楽観し得るような簡単な状態ではないと私は思います。拍手しかし、われわれがそれに向かって努力し、それのりっぱな結果を生むようにわれわれが協力すべきことは、これは当然でございます。拍手こういう見地に立って国際情勢を判断してみますると、何といっても、今日の東西両陣営の対立は、共産主義の陣営においては、共産主義の国がしっかりとした団結を持っており、これに対して、自由主義の国々も強固な団結のもとに、両陣営が話し合いをしてその間の問題を解決していこうというこの情勢に対処して、自由主義の国が、理想を同じくし、進路を同じくしておる国々の間において、いろいろな地域的な安全保障の体制をとり、また協力して、おのおのの平和を守るということは、国際の現実からいって、それを廃止しなければならぬというような情勢にはまだまだきておらないのであります。拍手われわれは、将来、国連において安全と平和を守るところの機構ができて、それに安んじて自国の安全をまかし得るというような事態がくることを望みますけれども、しかし、それができますまでの間は、やはり、自国の安全を現実に即して守るということが、政治家の国民に対する当然の義務であると信じております。拍手
軍縮問題に関して、フルシチョフ首相が、昨年、完全軍縮提案を国連においてなされ、その目標が、いわゆる軍縮交渉の究極の目的であって、ぜひ完全軍縮が世界にできることを、われわれも望んでおるものであります。しかしながら、軍縮の問題は、その目標ではなくして、——目標はだれも異存ないのです。ただ、目標に達する道程として、いかにして軍縮を行なうか、その間における均衡のとれた力をどういうふうにしていくか、あるいは管理制度をどういうふうにして、そうして違反の起こらないようにこれをしていくかという問題が解決されない限り、軍縮の問題は解決できないというのが、従来からわれわれが経験したところであります。従って、私は、これを単にフルシチョフ首相の宣伝であるとかなんとかとは申しませんが、はたしてこの軍縮ができるかどうかということは、従来ソ連が軍縮の会議において示しておるような態度と違って、現実に均衡のとれた軍縮、また有効なる管理制度というものに対して、従来の主張を捨てて、実際の実行できる案を提案されることが、この軍縮問題においてソ連に期待したいところであります。拍手
また、一月十四日のソ連最高会議において通常兵力の三分の一の削減が発表されて、これが直ちに軍縮への誠意の表明としていろいろいわれておりますが、私は、必ずしもこれを手放しで歓迎ばかりはできぬと思う。なぜなれば、フルシチョフ首相が、その同じ演説の中で、ソ連の国防兵力は著しい程度においてロケット及び核兵器に切りかえられておる、また、ここに提案した兵員の削減案はソ連の火力を少しもそこなうものではないという演説をしているところから見ましても、私は、それが直ちに軍縮に対する具体的の誠意を示すものとは言えないと思うのであります。
また、軍縮と自衛隊や米軍基地との関係について御質問がありましたが、将来、軍縮が、重要な国の間——今行なわれておる十ヵ国会議においてその成案を得、各国がこれに従って軍縮を行なうということができるならば、われわれは、当然その軍縮計画に積極的に参加して、それに基づいた必要な国内における措置をとることは、これは当然にやらなければならぬと思う。しかしながら、それができるまでの間、各国がおのおのその国力と国情に応じて自衛の措置をとるということは、国民の安全をはかる政治の目標から言えば、私は当然やらなければならぬことであると思う。拍手決して矛盾するものではございません。
それから、新安保条約の締結は、ソ連や中共の関係が非常に悪化するという問題でございます。この安保条約の内容は、御検討いただけばはっきりしているように、国連の憲章に違反したような侵略行為が行なわれない限り、この新安保条約の防衛に関する規定は発動しないのであります。従って、その意味は、われわれのこの独立と平和を守るところの防衛的の性質のものでございまして、いかなる国をもいわゆる仮想敵国としておるものでないことは、この条文をごらんになれば、きわめて明瞭でございます。拍手これに対して、従来、ソ連や中共から、安保条約反対のいろいろな声明や、あるいは最近のごとき覚書等によりまして、日本国内に国論の分裂を策するがごとき行動が行なわれていることは、私ども非常に遺憾とするところであります。拍手言うまでもなく、独立国がいかなる外交方針をとるか、その国がいかなる方法によって安全保障の道をとるかということは、独立国として、その国民が自主的に決定すべき問題でありまして、他国の干渉や脅迫によってこれを変えるべき性質のものではないと私は確信しております。拍手いわんや、ソ連が従来そういう態度に出られ、また、今回、グロムイコの覚書によって、従来、国際法上、日ソ間に約束されたところの領土の返還の問題に関する約束を一方的に変更するとかいうことは、私は、際条約の観念として許すべからざることであると思うのであります。拍手もとより、自主的な立場から安保条約を調印する場合におきまして、そういう理不尽な抗議がソ連からなされるということは、私どもは予想しておらなかったのでありますが、あくまでも、日本としては、自主的立場でこの安保条約を進めていくことが必要であると私は考えております。拍手
また、東南アジアに対して、何らか安保条約の調印が脅威を与えておるとか、あるいは危惧を与えておるというふうな御意見でありましたが、東南アジアにおける経済開発に対して日本が積極的に協力するということは、東南アジア諸国がいずれも希望しておることでありまして、決してこの安保条約ができたことによって危惧を与えるような事実はないのでありまして、最近の東南アジア諸国におきましては、いろいろの点において、むしろ最近の中共政府の行動に対して、いろいろな危惧を持っておるというのが現状であります。拍手私どもは、あくまでも自由主義の立場で、これらの国の繁栄のために今後も積極的に協力をするつもりであります。
また、ソ連との間の漁業問題や貿易の問題は、われわれは、安保条約とは何ら関係のない問題でありまして、漁業協定に基づくところの漁獲高の問題は、あくまでも科学的基礎によってこれを進め、また、日ソの間の貿易を進めることによって日ソの友好関係を進め、両国の繁栄に資するということは、私どもが一貫して考えておることでありますから、これはもちろん今後も進めていかなければならぬと思います。
また、従来もしばしば論ぜられておることでありますが、社会党とわれわれの外交政策の違いは、われわれは、あくまでも自由主義の立場を堅持して自由主義の国々と提携をし、また、日米が真の協力関係によって日本の繁栄と安全をはかっていくという基本の方針をとっております。これに対して、いわゆる積極的中立政策をとれという社会党の主張でありますが、私どもは、最近のインドの事情をごらん下さってもわかるように、いわゆる中立政策なるものが、実際その国の安全とその国の繁栄をはかっていく上から見ますと、現実的に望ましい政策でないということは、きわめて明瞭であります。拍手
次に、安保条約の批准の前に国会を解散しろという御意見でございます。この点に関しましては従来もしばしば論ぜられておることでございますが、われわれが調印をいたしました新安保条約は、現在あるところの安保条約の体制を基本として、これが成立以来、国民も不満とし、また、各方面から批判を受けておったような不平等性を改めて、真の日米協力によるところの対等性を持とうということでございます。また、最近行なわれましたところの選挙におきましても、しばしば、この問題を題目として、社会党方面はこれらに反対の議論をあげられ、われわれは、これをあくまでも貫くという意味において選挙も行なわれておりまして、今日解散して国民にさらに意見を問わなければならない事態とは私は考えておりません。拍手
最後に、世界平和に対する私の信念をお尋ねになりましたが、これは、私がしばしば申し上げているように、われわれは絶対に戦争を避けなければならない。われわれ自身が戦争に巻き込まれることがないと同様に、世界のどこにも戦争のないような平和の事態を作り上げなければならない。そのためには、われわれは、国連を中心として、世界の平和を進めるようなあらゆる協力をしていかなければならない。しかし、もちろん、そのわれわれが平和を願うということと、先ほど申し上げましたように、国際の現実というものとを混同してはならないのでありまして、われわれは、責任ある政治家として、やはり、現在の現実に即して日本の安全と国民の平和とを守ることについて、それに必要な手段を講ずるということは、世界の平和をわれわれが念願しておることと少しも矛盾するところではなくて、むしろ、そうすることが正しいと私は信じております。拍手
—————————————
清
水
水谷長三郎#12
○水谷長三郎君 私は、民主社会党を代表いたしまして、第一、外交、第二、予算と経済、第三、民主主義と議会政治擁護の三つの問題につきまして、次の諸点をあげて政府の所信をただすとともに、あわせて、わが党の立場を明らかにしたいと存ずる次第であります。拍手
質問の第一点は、日米新安保条約の調印と関連いたしました岸内閣の外交方針についてであります。
御承知の通りに、世界は、キャンプ・デービッドにおける頂上会談以来、東西の雪解けの傾向が強くなっております。本年になってから、近々十ヵ国軍縮会議が開かれ、五月には東西四巨頭会談が行なわれ、六月には、アイク米大統領も、昨秋のフルシチョフ訪米に応じて訪ソする予定がきまっております。われわれは、この東西の雪解けのきざしが直ちに完全な平和を招来するとは考えておりませんが、春はゆっくりやってくるという言葉に象徴されるごとく、少なくとも世界は平和の方向に進みつつあると断言できるのであります。拍手このような世界情勢の中にありまして、岸内閣が国民の反対を押し切って新安保条約を調印したのでありますが、一般教書において平和を強調いたしましたアイク大統領と会談されましたあとにおきましても、岸総理の国際情勢の認識に何の変化もなかったのでありましょうか。岸総理の国際情勢の認識に対する率直なる答弁をまず伺いたいのであります。拍手日米共同声明におきまして、岸総理並びにアイク米大統領は、緊張緩和への有意義な進歩を達成するためにあらゆる努力を払うことに同感であり、これを支持すると述べ、このことは新安保条約の調印によって強化されると述べているのでありますが、この認識は基本的なあやまちを犯しているのではないでしょうか。何ゆえならば、同じく共同声明で、軍縮があらゆる国家にとって緊急かつ最も重要な問題であり、かつ、この問題の解決が軍備の重荷と戦争の危険を減少すると言明しているのでありますが、新安保条約調印は、防衛力の増強を必要とすることは言うまでもありません。新条約の調印は、緊張緩和と軍縮という全般的な世界情勢に全く逆行すると思うのでございますが、岸総理並びに藤山外相のお考えはいかがでありましょうか。拍手また、新安保条約調印後、われわれが期待しているように、大国間に相互軍縮協定が結ばれました場合において、わが国の自衛隊に対していかなる措置をはかろうとするのであるか、政府の方針を明白にしていただきたいと思う次第であります。拍手
また、共同声明におきまして、本条約のもとにおける事前協議にかかる事項については、アメリカ政府は日本国政府の意思に反して行動する意思のないことを保証したと述べておりまして、岸総理や川島自民党幹事長も、国民に安堵感を与えたと言っているのでございますが、われわれにとっては、むしろ大きな危惧であると申さねばならないのであります。拍手去る臨時国会におきまして、岸総理や藤山外相が事前協議には当然拒否権が含まれているがごとく言明されたのでありますが、これは全く根拠のないでたらめであったことを一そう明らかにしたわけであります。共同声明におけるアイゼンハワー大統領の言葉は、条約上、法律上、アメリカ軍隊の海外出動権をむしろ確認し、ただ政治的に日本側に安心を与えようとしたにすぎないのでございまして、日本は権利として拒否し得ないことは疑う余地がないと思うのでありますが、この点、はっきりと総理並びに外相から伺いたいのであります。拍手
先日の某紙の世論調査によりますと、国民の三四%が、安保改定が問題になっていることも知らないという答案が出ております。また、三八%が、安保改定によって日本が戦争に巻き込まれるのではないかと心配しているという答えが出ているのであります。安保改定が重要であることはもちろんでございますが、それにもまして重要なことは、安保改定の基調となっている岸・藤山外交の方針であるといわねばならぬと思うのであります。拍手岸内閣の外交方針は、自由世界と軍事的・経済的な提携を保ち、いわゆる自由陣営の中で日本を繁栄させ、平和を保持しようというにあるのでございますが、これはあまりに安易であり、あまりにも危険な外交基調と申さねばならないと思うのであります。われわれは、日本の外交方針の基調は、あくまで冷戦不介入の態度を堅持するとともに、目標としては、いずれの陣営とも軍事的な結びつきを持たないことでなければならない、このような自主独立の外交こそが、真にわが国に平和と繁栄をもたらす道であると信ずるのでありますが、政府のお考えはいかがでありましょうか。
こういうような観点からいたしまして、現行安保条約を相互防衛方式に切りかえた新安保条約にはあくまで反対でございまして、われわれは、安保条約の段階的解消論を主張するものでございます。すなわち、段階的解消の要点は、常時駐留を有事駐留にするとか、駐留の目的を日本防衛に限るとか、または、右に至るまでの間、米軍の海外出動に対する完全な拒否権の確立と、核兵器持ち込みの禁止、及び、条約期限を短期化いたしまして、米韓、米比の場合のごとく、一年の予告をもって改廃することであると思うのでありますが、岸総理のお考えはいかがでありましょうか。日米安保条約の段階的解消をはかることによりまして、初めて、わが国は、世界のいずれの陣営に対しても、わが国が、国連の基本的精神である国際連帯主義に基づくところの平和と社会正義を守ることを明らかにいたしまして、世界の緊張緩和に貢献し得るものであると信ずるのでございますが、岸総理の所見はいかがでありましょうか。拍手国際情勢に逆行し、しかも、バンデンバーグ決議を受け入れて、相互援助のための防衛力を増強し、アメリカ軍に対する共同防衛を約束するような憲法違反をあえて行ない、アメリカと第三国との武力衝突に日本を必然的に巻き込むような新安保条約の批准は、われわれといたしましても断じて許すことができないのであります。拍手
一月二十七日、ソ連政府は、わが国に対しまして長文の覚書を送りまして、日米新安保条約が、隣接するソ連、中国の利益に重大な脅威を与えることを前置きいたしまして、日本に駐留する外国軍隊が撤退しない限り、そうして日ソ平和条約が締結されない限り、歯舞、色丹両島の返還は行なわないと、強硬な抗議を行なって参ったのであります。ソ連の抗議が、理不尽にも一九五六年の日ソ復交共同宣言に対して新しい条件をつけたものであったといたしましても、われわれが再三警告して参りました中ソとの国交回復に、新安保条約の調印が大きな支障となって現われたことは事実であるのでございます。新安保条約を調印した岸内閣は、当面する日ソ漁業交渉、日ソ国交回復に対して、いかなる手段を持っているか、明確なる岸総理の答弁を承りたいと思うのであります。
ただいま、岸総理は、社会党の鈴木委員長の質問に対しましてお答えをいたしました。すなわち、ソ連の態度は理不尽であると申されたのであります。一歩譲って、岸総理のおっしゃるように、ソ連のこのたびの態度が理不尽なる大国主義であったといたしましても、それに口実を与えた岸総理の外交方針の責任は断じて黙過することはできないと思うのであります。拍手中ソ両国が、安保改定に対して不安と疑惑を抱いていることが、この覚書によりまして事実となりました今日、新安保条約がアジアにおける冷戦をより深めるものであることは否定できません。われわれは、中ソ両国の主張をそのまま認めるものではなくて、わが国の自主的な立場から、安保改定前に、特に日中関係にめどをつけて、台湾をめぐる米中の緊張をやわらげるよう努力することを主張して参ったのであります。今や、新条約の調印によりまして、日中国交回復はきわめて困難になったと存ずるのでございますが、岸総理はいかにして日中国交回復を促進される気持であられるか。ハーター国務長官との会談で、日中問題はアメリカと連絡して協力すると岸さんは言われたそうでございますが、日中国交回復の問題こそは、日本と中国との問題でございまして、アメリカとの関係では断じてないのであります。拍手この言葉が独立国日本の総理大臣の言動でありましょうか、よく御反省を願いたいのであります。拍手われわれは、国連の代表権を一日も早く大陸の人民中国に与え、日中国交回復に努力すべきであると存ずるのでございますが、岸総理並びに藤山外相の御方針はいかがであるか、承りたいと存ずる次第であります。
質問の第二点は、明年度予算並びに日本経済の動向についてお伺いしたいと思います。
まず第一に、憲法第七十三条第五項に規定されておりまする、予算を編成して国会に提出するという内閣の行政責任が、このたび、むざんにも、自民党の派閥対立と圧力団体の圧迫にじゅうりんされた事実に対しまして、岸総理は今後いかにして予算編成そのものを健全化していくか、その方策を示してもらいたいと思う次第であります。拍手
次に、昨年秋の臨時国会で、総理は、災害関係以外の理由で第三次補正を絶対に行なわないと言明されたのでありますが、今回の予算ぶんどり競争の圧力に屈服いたしまして、全くないと大蔵大臣が言明した自然増収が、またもや取り出され、第三次補正の隠し財源が明るみに出たことは、皆さん自民党の方も御存じの通りであります。総理は、この去年の秋になされました自分の食言について、いかなる見解をお持ちであるか、まず明らかにしたいと思うのであります。拍手
第二に、予算編成の前提となっている経済見通しについて伺いたいのであります。総理は、昨年の経済発展を謳歌されまして、本年も施策のよろしきを得て高原景気を維持し、かつ、貿易自由化に備えたい、と述べているのでありますが、われわれは政府の施策に多大の不安を持つものであります。岸、池田両君は、かつて、昭和三十年の神武景気の余勢をかって、三十一年度予算は一千億減税、一千億積極施策を行なったのでありますが、これが経済過熱を激化する原因となりまして、その年の五月には早くもデフレ政策に急変するという大失敗を演じたことは、天下公知の事実であるのであります。今回も、あの当時と同じく、鉱工業生産水準は上昇し、輸入は増勢をたどっております。従って、国際収支の黒字基調にはさしあたり変わりはないといたしましても、黒字増加は鈍くなりまして、この面から外為会計が揚超に転じまして、金融引き締めの大きな要因にならざるを得ない方向に向かっているのであります。一方、銀行貸し出しは、十二月には日銀査定を大きく上回りまして、一月も例年にない大幅な貸出計画が立てられているのであります。借りる方も活発であるが、貸す方も強気であるというのが民間金融の実態でございまして、設備投資需要は依然強いのであります。今や、政府は、昨年末の日銀公定歩合引き上げに続いて、金融引き締めの警告を行なうべきでありまして、決して岩戸景気を謳歌すべきときではないと思うのでございますが、大蔵大臣の所信はいかがでございましょうか。
今や、夏から秋にかけては、景気変動の警戒期に入ることが明らかであるにもかかわらず、政府は、明年度予算におきまして、財源一ぱいを支出に充て、財政膨張をはかっているのであります。しかも、財政支出の増加は、公共事業費、兵器生産費など、直ちに経済循環に入り込まない長期的投資の面への支出が多く計上されまして、財政は明らかに中立ではなく、過度の膨張刺激要因を持っていることは言うまでもございません。政府が一月二十六日発表されました経済見通しによりますと、表面的には金融政策の弾力的運営を強調しているのでございますが、何ら具体的な施策が明らかにされておらないのであります。前回の大失敗を繰り返さないという具体的な施策を、この際はっきりとしていただきたいと思います。
第三に、予算の内容についてお伺いいたします。政府は、二千百五十億円という大幅な租税自然増を見積もりながら、今回は一切減税を行なっておりません。これが歳入面における最大の特徴であるといわねばなりません。一方、歳出増加は、公共事業費と防衛庁費に全力を集中しておるのであります。国民生活関係費については何ら見るべき新政策はなく、国民年金費が次第に平年度化している点、生活保護基準がやっと物価を追いかけ、若干修正された程度であります。農業予算におきましても、政府は増額したと言っておりますが、その実質は、食管の赤字補てんと災害処理にすぎないことは、だれでも知っていることであります。拍手しかも、治山治水費は十カ年計画、防衛費は六カ年計画で、それぞれ大幅な長期支出が約束されておりまして、継続費や国庫債務負担行為の制度を悪用——あえて悪用と申しまするが、三十六年度以降の歳出を今から大きく拘束していることは、皆さん御承知の通りであります。政府が声高く宣伝した所得倍増計画のごときは、計数上の根拠すら発表できず、明年度予算には全くなごりすらとどめていないのでありますが、土建屋のため、軍事産業育成のためには、長期計画をもって歳出を保障しているというのが、来年度の予算の特徴であるのでございます。拍手明年度予算こそは土建予算であり——まさしく土建予算であり、軍需産業振興予算でありまして、財政の国民への還元を考慮した福祉予算とは断じて言えないのであります。拍手福祉国家をうたう自民党内閣は、国民生活向上につき、いかなる構想があるのか、ここに示してもらいたいのであります。
われわれは、ここに政府が治山治水十カ年計画並びに防衛新六カ年計画の全貌を国民に明らかにすることを強く要求するものであります。拍手両計画の提示なくして、明年度の予算の審議に応ずるわけには絶対に参りません。拍手また、このような長期計画に基づく予算執行については、当然、進行状況の新しい査察機構が必要になると思うが、この点につきまして政府の所信を伺いたいのであります。
政府案を通じて、岸内閣の今後の財政政策を展望いたすならば、本年度予算で補正を三回行ない、三十六年に繰り越す余裕金はほとんど皆無となります。また、防衛関係費は、防衛分担金百十億円のワクがなくなり、ロッキード生産二百億円増額のため、歳入の自然増に食い込まざるを得ないのであります。また、外債償還は、明年度の八倍になりまして二百二十億円の増額となり、国民年金支払いは、平年度化いたしまして五十億円増、さらに、拠出制年金の実施で、別に二百億円が必要になります。このほか、国民皆保険関係、治山治水関係でも、さらに当然増が予想されるのであります。このようにいたしまして、岸内閣は、明年度予算には大幅な税自然増を計上しなかったが、明後年度は減税も新規施策実施も不可能であることを、今から予告しているといわなくてはならぬのであります。拍手このような財政政策を続ける限り、今後、減税、社会保障予算は大きく後退いたしまして、防衛予算のみが太っていくことは、火を見るよりも明らかであるといわなくてはならぬのであります。拍手
われわれは、経済体質の改善と国民生活安定のために、当面、低額所得者の生活引き上げ、雇用条件の充実、勤労者の消費生活の充実、中小企業や農林漁業面の近代化促進等をもって、国民生活の中産階級化を目ざして福祉国家を建設することこそが予算編成の目標であると考えるが、岸内閣の政治は、予算編成面から、国民の待望する生活安定を阻害するものではないでしょうか。今や、岸総理、佐藤大蔵大臣は、財政政策につき重大な反省を行なうべきときであると思うが、総理並びに蔵相の御兄弟の所信はいかがでございましょうか。拍手
第四に、経済政策全般につきまして政府の見解をただしたい。
政府は、貿易・為替の自由化が明年度の大きな課題であると説明しておりますが、われわれも、この点、同感でございます。現在の自由化傾向は、経済自立の方向に沿った欧州ブロック経済の結成がもたらした流れと、アメリカが、ドル防衛の立場から、貿易相手国に自由化を要請している流れの双方が、ガットを通じて、国際協力として要請されていることは、言うまでもないのであります。政府は、この面のみを強調されまして、輸入の自由化率を高めていく商品別順序をすでに公表され、一方では、為替自由化の構想も公表されているのであります。しかし、わが国経済は、最近の経済発展が著しいとはいえ、資本構成におきまして、借り入れ資本が多く、商品生産における大企業と中小企業との企業格差、賃金格差、国際的に著しく立ちおくれている農業生産性の問題等、西欧やアメリカに比べて大きなハンディキャップを持っていることを忘れてはなりません。拍手また、西欧やアメリカには、ほぼ完全雇用が保障されておりますが、わが国では、不完全就労者並びに低額所得者が莫大な数に上っている事実を見のがすわけには参りません。このような国内条件のもとに、貿易・為替の自由化が先行するならば、しわ寄せがくるのは、労働者であり、競争力の弱い中小企業であり、コスト高の農業や石炭産業、海運業等であることは、論を待たないのであります。拍手政府が明年度中に輸入を自由化しようとしている銅、牛脂、ラード、大豆のいずれをとってみましても、国内産業、特に、中小企業、農業、そこに働く労働者にとりまして、きわめて大きな打撃を与える問題であります。われわれも、為替管理を防波堤とする国内産業保護の限界を痛感するものでございますが、今や、国民が自発的に生産性を高めて、みずから積極的に国民経済の発展に協力していく方策を明らかにすべきであります。これなくしては、自由化は単なる大企業の再編成強化の手段と化し、わが国経済は外資のもとに屈服せざるを得ないでありましょう。拍手
世界的な産業構造の変化と見合った国内産業の再編成、これに伴った国内産業の保護、特に、農林漁業や石炭、海運産業など、国際競争力の弱い産業、あらゆる面で企業格差のはなはだしい中小企業に対する保護助成並びに労働力保障、これらの諸点について政府はいかなる見解を持っておられるか、まずそれを明らかにしてもらいたいと存ずる次第であります。拍手政府は、単に自由化に備える諸法律の準備や輸入自由化率について没頭するだけではなしに、自由化の国民経済に与える影響、政府の考える自由化の意義を、まず何よりも先に国民に明らかにすべきであると思うが、政府の所信はいかがでありましょうか。拍手
最後に、第三に岸総理にお伺いしたいことは、民主主義と議会政治についてであります。
議会主義を堅持するわれわれ民主社会党は、国会の審議権を徹底的に行使するものでありまして、審議権をみずから放棄する挙に出ないことは言うまでもございません。拍手しかし、自民党の方が手をたたくのはまだ早いのでございまして、政府や自民党が、新安保条約の審議にあたりまして、その審議を十分に尽くさず、世論に反して、疑点を残したまま審議打ち切りを強行するような場合におきましては、われわれが国会の審議権を守るために退場などの非常手段を用いることもまたあり得ることを、ここにあらかじめ警告しておきたいと存ずる次第であります。(拍手、発言する者あり)かかる場合におきまして、はたして、自民党は、一党でもっても安保承認を押し切るのかどうか、すなわち、単独審議でも安保承認を押し切るのかどうか、岸総理に国会冒頭にあたってまずお尋ねしておきたい大きな問題であると考える次第であります。拍手
われわれは、わが国の議会政治を守る立場から、安保批准前に国会を解散いたしまして、政府、自民党の安保改定がよいか、それとも、改定反対、安保即時無条件廃棄がよいか、それとも、わが党の安保の段階的解消が正しいか、この三つの立場を明らかにいたしまして、民意に問い、民意に従って安保条約を決定するのが、民主主義に即するゆえんと存ずるのでありますが、岸総理の信念はいかがでございますか。
以上をもちまして私の質問は終わりといたします。ただ望むらくは、岸さんの、例のそつのない上手な答弁を私は望みません。そつがあっても、愛情のこもった、真実のこもった答弁を、国民に向かってしていただきたいと思う次第であります。拍手
〔国務大臣岸信介君登壇〕
この発言だけを見る →質問の第一点は、日米新安保条約の調印と関連いたしました岸内閣の外交方針についてであります。
御承知の通りに、世界は、キャンプ・デービッドにおける頂上会談以来、東西の雪解けの傾向が強くなっております。本年になってから、近々十ヵ国軍縮会議が開かれ、五月には東西四巨頭会談が行なわれ、六月には、アイク米大統領も、昨秋のフルシチョフ訪米に応じて訪ソする予定がきまっております。われわれは、この東西の雪解けのきざしが直ちに完全な平和を招来するとは考えておりませんが、春はゆっくりやってくるという言葉に象徴されるごとく、少なくとも世界は平和の方向に進みつつあると断言できるのであります。拍手このような世界情勢の中にありまして、岸内閣が国民の反対を押し切って新安保条約を調印したのでありますが、一般教書において平和を強調いたしましたアイク大統領と会談されましたあとにおきましても、岸総理の国際情勢の認識に何の変化もなかったのでありましょうか。岸総理の国際情勢の認識に対する率直なる答弁をまず伺いたいのであります。拍手日米共同声明におきまして、岸総理並びにアイク米大統領は、緊張緩和への有意義な進歩を達成するためにあらゆる努力を払うことに同感であり、これを支持すると述べ、このことは新安保条約の調印によって強化されると述べているのでありますが、この認識は基本的なあやまちを犯しているのではないでしょうか。何ゆえならば、同じく共同声明で、軍縮があらゆる国家にとって緊急かつ最も重要な問題であり、かつ、この問題の解決が軍備の重荷と戦争の危険を減少すると言明しているのでありますが、新安保条約調印は、防衛力の増強を必要とすることは言うまでもありません。新条約の調印は、緊張緩和と軍縮という全般的な世界情勢に全く逆行すると思うのでございますが、岸総理並びに藤山外相のお考えはいかがでありましょうか。拍手また、新安保条約調印後、われわれが期待しているように、大国間に相互軍縮協定が結ばれました場合において、わが国の自衛隊に対していかなる措置をはかろうとするのであるか、政府の方針を明白にしていただきたいと思う次第であります。拍手
また、共同声明におきまして、本条約のもとにおける事前協議にかかる事項については、アメリカ政府は日本国政府の意思に反して行動する意思のないことを保証したと述べておりまして、岸総理や川島自民党幹事長も、国民に安堵感を与えたと言っているのでございますが、われわれにとっては、むしろ大きな危惧であると申さねばならないのであります。拍手去る臨時国会におきまして、岸総理や藤山外相が事前協議には当然拒否権が含まれているがごとく言明されたのでありますが、これは全く根拠のないでたらめであったことを一そう明らかにしたわけであります。共同声明におけるアイゼンハワー大統領の言葉は、条約上、法律上、アメリカ軍隊の海外出動権をむしろ確認し、ただ政治的に日本側に安心を与えようとしたにすぎないのでございまして、日本は権利として拒否し得ないことは疑う余地がないと思うのでありますが、この点、はっきりと総理並びに外相から伺いたいのであります。拍手
先日の某紙の世論調査によりますと、国民の三四%が、安保改定が問題になっていることも知らないという答案が出ております。また、三八%が、安保改定によって日本が戦争に巻き込まれるのではないかと心配しているという答えが出ているのであります。安保改定が重要であることはもちろんでございますが、それにもまして重要なことは、安保改定の基調となっている岸・藤山外交の方針であるといわねばならぬと思うのであります。拍手岸内閣の外交方針は、自由世界と軍事的・経済的な提携を保ち、いわゆる自由陣営の中で日本を繁栄させ、平和を保持しようというにあるのでございますが、これはあまりに安易であり、あまりにも危険な外交基調と申さねばならないと思うのであります。われわれは、日本の外交方針の基調は、あくまで冷戦不介入の態度を堅持するとともに、目標としては、いずれの陣営とも軍事的な結びつきを持たないことでなければならない、このような自主独立の外交こそが、真にわが国に平和と繁栄をもたらす道であると信ずるのでありますが、政府のお考えはいかがでありましょうか。
こういうような観点からいたしまして、現行安保条約を相互防衛方式に切りかえた新安保条約にはあくまで反対でございまして、われわれは、安保条約の段階的解消論を主張するものでございます。すなわち、段階的解消の要点は、常時駐留を有事駐留にするとか、駐留の目的を日本防衛に限るとか、または、右に至るまでの間、米軍の海外出動に対する完全な拒否権の確立と、核兵器持ち込みの禁止、及び、条約期限を短期化いたしまして、米韓、米比の場合のごとく、一年の予告をもって改廃することであると思うのでありますが、岸総理のお考えはいかがでありましょうか。日米安保条約の段階的解消をはかることによりまして、初めて、わが国は、世界のいずれの陣営に対しても、わが国が、国連の基本的精神である国際連帯主義に基づくところの平和と社会正義を守ることを明らかにいたしまして、世界の緊張緩和に貢献し得るものであると信ずるのでございますが、岸総理の所見はいかがでありましょうか。拍手国際情勢に逆行し、しかも、バンデンバーグ決議を受け入れて、相互援助のための防衛力を増強し、アメリカ軍に対する共同防衛を約束するような憲法違反をあえて行ない、アメリカと第三国との武力衝突に日本を必然的に巻き込むような新安保条約の批准は、われわれといたしましても断じて許すことができないのであります。拍手
一月二十七日、ソ連政府は、わが国に対しまして長文の覚書を送りまして、日米新安保条約が、隣接するソ連、中国の利益に重大な脅威を与えることを前置きいたしまして、日本に駐留する外国軍隊が撤退しない限り、そうして日ソ平和条約が締結されない限り、歯舞、色丹両島の返還は行なわないと、強硬な抗議を行なって参ったのであります。ソ連の抗議が、理不尽にも一九五六年の日ソ復交共同宣言に対して新しい条件をつけたものであったといたしましても、われわれが再三警告して参りました中ソとの国交回復に、新安保条約の調印が大きな支障となって現われたことは事実であるのでございます。新安保条約を調印した岸内閣は、当面する日ソ漁業交渉、日ソ国交回復に対して、いかなる手段を持っているか、明確なる岸総理の答弁を承りたいと思うのであります。
ただいま、岸総理は、社会党の鈴木委員長の質問に対しましてお答えをいたしました。すなわち、ソ連の態度は理不尽であると申されたのであります。一歩譲って、岸総理のおっしゃるように、ソ連のこのたびの態度が理不尽なる大国主義であったといたしましても、それに口実を与えた岸総理の外交方針の責任は断じて黙過することはできないと思うのであります。拍手中ソ両国が、安保改定に対して不安と疑惑を抱いていることが、この覚書によりまして事実となりました今日、新安保条約がアジアにおける冷戦をより深めるものであることは否定できません。われわれは、中ソ両国の主張をそのまま認めるものではなくて、わが国の自主的な立場から、安保改定前に、特に日中関係にめどをつけて、台湾をめぐる米中の緊張をやわらげるよう努力することを主張して参ったのであります。今や、新条約の調印によりまして、日中国交回復はきわめて困難になったと存ずるのでございますが、岸総理はいかにして日中国交回復を促進される気持であられるか。ハーター国務長官との会談で、日中問題はアメリカと連絡して協力すると岸さんは言われたそうでございますが、日中国交回復の問題こそは、日本と中国との問題でございまして、アメリカとの関係では断じてないのであります。拍手この言葉が独立国日本の総理大臣の言動でありましょうか、よく御反省を願いたいのであります。拍手われわれは、国連の代表権を一日も早く大陸の人民中国に与え、日中国交回復に努力すべきであると存ずるのでございますが、岸総理並びに藤山外相の御方針はいかがであるか、承りたいと存ずる次第であります。
質問の第二点は、明年度予算並びに日本経済の動向についてお伺いしたいと思います。
まず第一に、憲法第七十三条第五項に規定されておりまする、予算を編成して国会に提出するという内閣の行政責任が、このたび、むざんにも、自民党の派閥対立と圧力団体の圧迫にじゅうりんされた事実に対しまして、岸総理は今後いかにして予算編成そのものを健全化していくか、その方策を示してもらいたいと思う次第であります。拍手
次に、昨年秋の臨時国会で、総理は、災害関係以外の理由で第三次補正を絶対に行なわないと言明されたのでありますが、今回の予算ぶんどり競争の圧力に屈服いたしまして、全くないと大蔵大臣が言明した自然増収が、またもや取り出され、第三次補正の隠し財源が明るみに出たことは、皆さん自民党の方も御存じの通りであります。総理は、この去年の秋になされました自分の食言について、いかなる見解をお持ちであるか、まず明らかにしたいと思うのであります。拍手
第二に、予算編成の前提となっている経済見通しについて伺いたいのであります。総理は、昨年の経済発展を謳歌されまして、本年も施策のよろしきを得て高原景気を維持し、かつ、貿易自由化に備えたい、と述べているのでありますが、われわれは政府の施策に多大の不安を持つものであります。岸、池田両君は、かつて、昭和三十年の神武景気の余勢をかって、三十一年度予算は一千億減税、一千億積極施策を行なったのでありますが、これが経済過熱を激化する原因となりまして、その年の五月には早くもデフレ政策に急変するという大失敗を演じたことは、天下公知の事実であるのであります。今回も、あの当時と同じく、鉱工業生産水準は上昇し、輸入は増勢をたどっております。従って、国際収支の黒字基調にはさしあたり変わりはないといたしましても、黒字増加は鈍くなりまして、この面から外為会計が揚超に転じまして、金融引き締めの大きな要因にならざるを得ない方向に向かっているのであります。一方、銀行貸し出しは、十二月には日銀査定を大きく上回りまして、一月も例年にない大幅な貸出計画が立てられているのであります。借りる方も活発であるが、貸す方も強気であるというのが民間金融の実態でございまして、設備投資需要は依然強いのであります。今や、政府は、昨年末の日銀公定歩合引き上げに続いて、金融引き締めの警告を行なうべきでありまして、決して岩戸景気を謳歌すべきときではないと思うのでございますが、大蔵大臣の所信はいかがでございましょうか。
今や、夏から秋にかけては、景気変動の警戒期に入ることが明らかであるにもかかわらず、政府は、明年度予算におきまして、財源一ぱいを支出に充て、財政膨張をはかっているのであります。しかも、財政支出の増加は、公共事業費、兵器生産費など、直ちに経済循環に入り込まない長期的投資の面への支出が多く計上されまして、財政は明らかに中立ではなく、過度の膨張刺激要因を持っていることは言うまでもございません。政府が一月二十六日発表されました経済見通しによりますと、表面的には金融政策の弾力的運営を強調しているのでございますが、何ら具体的な施策が明らかにされておらないのであります。前回の大失敗を繰り返さないという具体的な施策を、この際はっきりとしていただきたいと思います。
第三に、予算の内容についてお伺いいたします。政府は、二千百五十億円という大幅な租税自然増を見積もりながら、今回は一切減税を行なっておりません。これが歳入面における最大の特徴であるといわねばなりません。一方、歳出増加は、公共事業費と防衛庁費に全力を集中しておるのであります。国民生活関係費については何ら見るべき新政策はなく、国民年金費が次第に平年度化している点、生活保護基準がやっと物価を追いかけ、若干修正された程度であります。農業予算におきましても、政府は増額したと言っておりますが、その実質は、食管の赤字補てんと災害処理にすぎないことは、だれでも知っていることであります。拍手しかも、治山治水費は十カ年計画、防衛費は六カ年計画で、それぞれ大幅な長期支出が約束されておりまして、継続費や国庫債務負担行為の制度を悪用——あえて悪用と申しまするが、三十六年度以降の歳出を今から大きく拘束していることは、皆さん御承知の通りであります。政府が声高く宣伝した所得倍増計画のごときは、計数上の根拠すら発表できず、明年度予算には全くなごりすらとどめていないのでありますが、土建屋のため、軍事産業育成のためには、長期計画をもって歳出を保障しているというのが、来年度の予算の特徴であるのでございます。拍手明年度予算こそは土建予算であり——まさしく土建予算であり、軍需産業振興予算でありまして、財政の国民への還元を考慮した福祉予算とは断じて言えないのであります。拍手福祉国家をうたう自民党内閣は、国民生活向上につき、いかなる構想があるのか、ここに示してもらいたいのであります。
われわれは、ここに政府が治山治水十カ年計画並びに防衛新六カ年計画の全貌を国民に明らかにすることを強く要求するものであります。拍手両計画の提示なくして、明年度の予算の審議に応ずるわけには絶対に参りません。拍手また、このような長期計画に基づく予算執行については、当然、進行状況の新しい査察機構が必要になると思うが、この点につきまして政府の所信を伺いたいのであります。
政府案を通じて、岸内閣の今後の財政政策を展望いたすならば、本年度予算で補正を三回行ない、三十六年に繰り越す余裕金はほとんど皆無となります。また、防衛関係費は、防衛分担金百十億円のワクがなくなり、ロッキード生産二百億円増額のため、歳入の自然増に食い込まざるを得ないのであります。また、外債償還は、明年度の八倍になりまして二百二十億円の増額となり、国民年金支払いは、平年度化いたしまして五十億円増、さらに、拠出制年金の実施で、別に二百億円が必要になります。このほか、国民皆保険関係、治山治水関係でも、さらに当然増が予想されるのであります。このようにいたしまして、岸内閣は、明年度予算には大幅な税自然増を計上しなかったが、明後年度は減税も新規施策実施も不可能であることを、今から予告しているといわなくてはならぬのであります。拍手このような財政政策を続ける限り、今後、減税、社会保障予算は大きく後退いたしまして、防衛予算のみが太っていくことは、火を見るよりも明らかであるといわなくてはならぬのであります。拍手
われわれは、経済体質の改善と国民生活安定のために、当面、低額所得者の生活引き上げ、雇用条件の充実、勤労者の消費生活の充実、中小企業や農林漁業面の近代化促進等をもって、国民生活の中産階級化を目ざして福祉国家を建設することこそが予算編成の目標であると考えるが、岸内閣の政治は、予算編成面から、国民の待望する生活安定を阻害するものではないでしょうか。今や、岸総理、佐藤大蔵大臣は、財政政策につき重大な反省を行なうべきときであると思うが、総理並びに蔵相の御兄弟の所信はいかがでございましょうか。拍手
第四に、経済政策全般につきまして政府の見解をただしたい。
政府は、貿易・為替の自由化が明年度の大きな課題であると説明しておりますが、われわれも、この点、同感でございます。現在の自由化傾向は、経済自立の方向に沿った欧州ブロック経済の結成がもたらした流れと、アメリカが、ドル防衛の立場から、貿易相手国に自由化を要請している流れの双方が、ガットを通じて、国際協力として要請されていることは、言うまでもないのであります。政府は、この面のみを強調されまして、輸入の自由化率を高めていく商品別順序をすでに公表され、一方では、為替自由化の構想も公表されているのであります。しかし、わが国経済は、最近の経済発展が著しいとはいえ、資本構成におきまして、借り入れ資本が多く、商品生産における大企業と中小企業との企業格差、賃金格差、国際的に著しく立ちおくれている農業生産性の問題等、西欧やアメリカに比べて大きなハンディキャップを持っていることを忘れてはなりません。拍手また、西欧やアメリカには、ほぼ完全雇用が保障されておりますが、わが国では、不完全就労者並びに低額所得者が莫大な数に上っている事実を見のがすわけには参りません。このような国内条件のもとに、貿易・為替の自由化が先行するならば、しわ寄せがくるのは、労働者であり、競争力の弱い中小企業であり、コスト高の農業や石炭産業、海運業等であることは、論を待たないのであります。拍手政府が明年度中に輸入を自由化しようとしている銅、牛脂、ラード、大豆のいずれをとってみましても、国内産業、特に、中小企業、農業、そこに働く労働者にとりまして、きわめて大きな打撃を与える問題であります。われわれも、為替管理を防波堤とする国内産業保護の限界を痛感するものでございますが、今や、国民が自発的に生産性を高めて、みずから積極的に国民経済の発展に協力していく方策を明らかにすべきであります。これなくしては、自由化は単なる大企業の再編成強化の手段と化し、わが国経済は外資のもとに屈服せざるを得ないでありましょう。拍手
世界的な産業構造の変化と見合った国内産業の再編成、これに伴った国内産業の保護、特に、農林漁業や石炭、海運産業など、国際競争力の弱い産業、あらゆる面で企業格差のはなはだしい中小企業に対する保護助成並びに労働力保障、これらの諸点について政府はいかなる見解を持っておられるか、まずそれを明らかにしてもらいたいと存ずる次第であります。拍手政府は、単に自由化に備える諸法律の準備や輸入自由化率について没頭するだけではなしに、自由化の国民経済に与える影響、政府の考える自由化の意義を、まず何よりも先に国民に明らかにすべきであると思うが、政府の所信はいかがでありましょうか。拍手
最後に、第三に岸総理にお伺いしたいことは、民主主義と議会政治についてであります。
議会主義を堅持するわれわれ民主社会党は、国会の審議権を徹底的に行使するものでありまして、審議権をみずから放棄する挙に出ないことは言うまでもございません。拍手しかし、自民党の方が手をたたくのはまだ早いのでございまして、政府や自民党が、新安保条約の審議にあたりまして、その審議を十分に尽くさず、世論に反して、疑点を残したまま審議打ち切りを強行するような場合におきましては、われわれが国会の審議権を守るために退場などの非常手段を用いることもまたあり得ることを、ここにあらかじめ警告しておきたいと存ずる次第であります。(拍手、発言する者あり)かかる場合におきまして、はたして、自民党は、一党でもっても安保承認を押し切るのかどうか、すなわち、単独審議でも安保承認を押し切るのかどうか、岸総理に国会冒頭にあたってまずお尋ねしておきたい大きな問題であると考える次第であります。拍手
われわれは、わが国の議会政治を守る立場から、安保批准前に国会を解散いたしまして、政府、自民党の安保改定がよいか、それとも、改定反対、安保即時無条件廃棄がよいか、それとも、わが党の安保の段階的解消が正しいか、この三つの立場を明らかにいたしまして、民意に問い、民意に従って安保条約を決定するのが、民主主義に即するゆえんと存ずるのでありますが、岸総理の信念はいかがでございますか。
以上をもちまして私の質問は終わりといたします。ただ望むらくは、岸さんの、例のそつのない上手な答弁を私は望みません。そつがあっても、愛情のこもった、真実のこもった答弁を、国民に向かってしていただきたいと思う次第であります。拍手
〔国務大臣岸信介君登壇〕
岸
岸信介#13
○国務大臣(岸信介君) 最近、私がアメリカをたずねてアイゼンハワー大統領と会見して、国際情勢の分析をいたしたのでありますが、国際情勢に対する認識が、この会見によって私が異なったかどうかという御質問であります。言うまでもなく、今日、国際の情勢が、話し合いによって問題を解決していこう、国際的緊張を緩和しようという努力があらゆる面において行なわれていることは、これは非常に望ましい、歓迎すべきことであります。しかしながら、一方、ベルリンの問題をとらえてみても、あるいはアジアの各地域におけるいろいろな問題を考えましても、局地的に武力をさえ用いるような事態、紛争が今日起こりそうな情勢もまた起こっているような点もあるのでありまして、問題は、現実とこの希望とはやはり混同してはならないのでありまして、われわれは、一面において、そういう国際緊張緩和のために根強い努力を続けるとともに、やはり現実に即してわれわれの安全と平和を守るところの体制をとっていく必要がある、それには、共産圏というものは、かたい団結のもとに立っておるので、自由主義国もやはり十分な協力と強固なお互いの団結をはかっていく必要がある、かように私は終始考えておるのでありまして、アイゼンハワー大統領の国際的認識もまた同様な見地に立っておるのであります。
また、この安保条約は、将来防衛力の増強になりはしないかという点についての御質問でありますが、新安保条約によってわれわれは防衛力を増強する義務を負うのではございませんで、われわれは、日本の防衛力については、自主的に、日本の憲法の範囲内において、国力と国情に応じてこれを漸増していくという防衛の根本方針を将来も堅持していくのでありまして、この点は新条約によって何らの変更を受けるものではないのであります。拍手
また、新安保条約に調印することは、世界の軍縮と逆行するのじゃないかという御質問であります。私どもは、軍縮の問題に関しましては、すでに国連を通じてこれが実現するように努力をいたして参っております。いわゆる十カ国会議におけるところの話し合いも行なわれておることは、御承知の通りであります。ただ、私どもは、一日も早く、各国の承認するような、均衡のとれた、しかも、十分有効な管理制度のもとにこの軍縮が最後の結論に達することを願いますが、しかしながら、それまでの間、どの国といえども、軍縮の声だけで決してすべての国が防衛を廃棄しておるのではございませんことは、御承知の通りであります。従って、その範囲内において、われわれが国力と国情に応じて自衛力を持ち、また、日本の安全をはかるのに、日本と同じような政治・経済の基盤に立っておる国と協力してやっていくということは、今日まだ国連の安全保障機構が完備しておらない時代におきましては、これは必要にしてやむを得ないものであると私は考えております。
次に、事前協議の問題でありますが、言うまでもなく、この交換公文において、一定の事項を日米間の事前協議の主題とするということを定めておりまして、この協議が成立するためには、両方の合意が必要でございます。協議の途中において、われわれがこれに同意する場合もあれば、また、反対をする場合もあるのであります。反対をした場合は、合意が成立しないのであります。しこうして、問題は、アメリカが日本の意思に反して行動をしないということは、交渉の途中において十分に両当事者の間に了解があったことであります。しかし、この点について不明瞭であるという疑いもあったのでありますが、今回の私のアイゼンハワー大統領との会談におきまして、その点を明瞭にしたのであります。もちろん、これは、本質におきましては、事前協議とするということを定めました交換公文そのものの解釈の問題であります。従いまして、これによって従来論議されておったところの不安は私は一掃されたものだと信じております。拍手
次に、私や藤山外相のとっておるところの自由世界との連携において、われわれが提携を強化して日本の繁栄と平和をはかっていくという考え方は、それは外交の基調としては安易な考え方であって、むしろ、中立の政策をとって、冷戦不介入、どの陣営にも結びを持たないということが望ましいじゃないかというお話であります。われわれは、もちろん、自由世界に立っておりまして、自由世界との政治的、経済的あるいは防衛的な意味の提携を強化していくことが日本の繁栄と平和に必要であるという考えに立っておるのでありますが、これが安易であるかどうかということは、むしろ、水谷君のおあげになっておるような世界の情勢から考えてみまして、いわゆる中立政策をとるというようなことによってその国の安全が保たれると考えることの方が、私は、現実問題として、むしろ安易な考え方であろうと思う。拍手そういうような国際情勢ではないのであります。従いまして、われわれは、われわれのとっておる外交が、過去においても日本の安全と繁栄に貢献しておるし、寄与しておるし、将来においてもこれは間違いでないという確信に立っております。
安保条約を段階的に解消するということが民主社会党の御主張であります。それについてのいろいろな内容的の御提案、御指示もあったようでありますが、しかし、私どもは、この安保条約によって日本がアメリカと協力して日本の安全を守っていくということが、現在の情勢においては最も時宜に適しているものであるという見解に立っております。たとえば、今おあげになりました中の一、二を申しますと、米韓、米比のような、一年の予告でいつでも廃止できるようにしておいたらいいじゃないかというような意見は、こういう、お互いが信頼と理解の上に立って真の協力をしていくということであるならば、むしろ、私どもは、一定の安定した期間を持つことが望ましいのであって、そういう点は、米韓、米比と日米の関係はおのずから違った関係に立っておる、こういうふうに考えております。拍手こういうような意味におきまして、今日におきましては、私どもは、段階的に解消しようという見解をとっておらないのであります。
次に、新安保条約に対するソ連の抗議の点についての御質問であります。これは、言うまでもなく、私どもは、先ほどもお答えを申し上げましたように、日本がどういう外交政策をとるか、また、安全保障体制としてどういうものをとるかということは、日本国民みずからが自主的にきめる問題であって、他から干渉を受くべき性質のものではない。拍手また、ソ連が、日ソの間に正当に結ばれた国際条約である日ソ共同宣言のうちの歯舞、色丹に関するこの条項を、外国軍隊が撤退するという新たな条件を付して、一方的にこれを変更しようとすることは私どもは、国際条約の性質からいって、許すべからざることである、こういう観点に立っております。拍手そういう理不尽なことを言ってくるのに対して口実を与えたではないかという御質問でありますが、私ども、理不尽なことを言うのは、これは言葉通り理不尽なのですから、口実も何も、そういう間違った横車を押すということに対しましては、やはり、正しい国際的正義と信義の上に立って、あくまでも抗議していくことが当然であると思います。拍手
また、漁業問題については、御承知の通り、これは漁業協定によって、年々科学的根拠によってその漁獲数量を両方の委員が話し合ってきめるということになっておるのでありまして、この協定の趣旨に基づいて、わが方から委員を出しまして、モスクワにおいて会議をしていくのであります、その態度は少しも変わっておりません。また、日ソ平和条約の問題につきましては、言うまでもなく、領土問題に関して従来両国の意見の相違のために平和条約が結ばれないのであります。私は、今日の状況においても、遺憾ながら、まだ領土問題について両国の意見が一致するとは思いません。最近、歯舞、色丹についてすらああいう抗議が申し出されることでありますから、われわれが主張しておる国後、択捉、あるいは社会党の諸君は、さらにそれに樺太や千島全体の領土の返還を求めておられるのでありまして、そういう見地から申すならば、決してソ連がそれに応ずるような情勢ではございませんので、平和条約はまだ締結に至らない段階であると思います。拍手
次に、予算の編成権の問題についての御質問であります。言うまでもなく、予算の編成につきましては、政府が責任を持って編成をして国会に提案すべきことになっておるということは、御指摘の通りであります。ただ、問題は、政党が従来国民に公約しておったり、あるいは選挙の際に国民に向かって約束をしたような政策をいかにして予算に組み入れるかということは、やはり、政府としても、政党内閣として当然考えなければならないことであります。従って、政党との間において十分編成の途上において話し合いをしていくということは、これは当然であります。その途中において、あるいは日数がよけいかかったとか、いろんな議論が一部中間的に報告されて、いろいろな疑惑を与えた点があることは遺憾でありまして、これらの点については将来十分考えていかなければならぬと思いますが、本質としては今申したような関係に立つことは十分御了承願いたいと思います。
補正予算につきましては、もちろん、必要やむを得ないものは、そのつど補正を出して、そうしてやっていかなければならぬことは、政府の責任であると思います。今回提案いたしております第三次補正予算も、全く必要やむを得ないところのものに対して、必要の限度において補正を出したものであります。
それから、議会主義についての御質問であります。議会政治、民主政治というものは、言うまでもなく、十分に案件の審議を尽くすべきものである、本会議あるいは委員会等において十分に審議を尽くすべきものであって、その審議の結果は、多数決によってこれをきめるということが、私は議会主義の根底であると思います。従いまして、議案の審議は十分に尽くしていくことは当然であります。やらなければならぬ。しかしながら、水谷君も言われたように、審議権を放棄するということは、議員としての職責を尽くさないことでありまして、そういうことをしないということを言明されたことは、きわめて力強く感じたところであります。拍手私どもは、今申すように、審議は十分尽くすということを申しております。また、水谷君は、審議権を放棄することはないということを言明されておるのでありまして、従って、私は、単独審議というような事態は絶対に起こり得ないと考えております。拍手
また、解散の問題につきましては、従来しばしば論ぜられておるのでありまして、いろいろな御意見もございますが、私もしばしば明瞭にお答えを申し上げておりますように、今日の段階において解散する意思は持っておらないということを重ねて申し上げておきます。
その他の点につきましては、各大臣よりお答え申し上げます。拍手
〔国務大臣藤山愛一郎君登壇〕
この発言だけを見る →また、この安保条約は、将来防衛力の増強になりはしないかという点についての御質問でありますが、新安保条約によってわれわれは防衛力を増強する義務を負うのではございませんで、われわれは、日本の防衛力については、自主的に、日本の憲法の範囲内において、国力と国情に応じてこれを漸増していくという防衛の根本方針を将来も堅持していくのでありまして、この点は新条約によって何らの変更を受けるものではないのであります。拍手
また、新安保条約に調印することは、世界の軍縮と逆行するのじゃないかという御質問であります。私どもは、軍縮の問題に関しましては、すでに国連を通じてこれが実現するように努力をいたして参っております。いわゆる十カ国会議におけるところの話し合いも行なわれておることは、御承知の通りであります。ただ、私どもは、一日も早く、各国の承認するような、均衡のとれた、しかも、十分有効な管理制度のもとにこの軍縮が最後の結論に達することを願いますが、しかしながら、それまでの間、どの国といえども、軍縮の声だけで決してすべての国が防衛を廃棄しておるのではございませんことは、御承知の通りであります。従って、その範囲内において、われわれが国力と国情に応じて自衛力を持ち、また、日本の安全をはかるのに、日本と同じような政治・経済の基盤に立っておる国と協力してやっていくということは、今日まだ国連の安全保障機構が完備しておらない時代におきましては、これは必要にしてやむを得ないものであると私は考えております。
次に、事前協議の問題でありますが、言うまでもなく、この交換公文において、一定の事項を日米間の事前協議の主題とするということを定めておりまして、この協議が成立するためには、両方の合意が必要でございます。協議の途中において、われわれがこれに同意する場合もあれば、また、反対をする場合もあるのであります。反対をした場合は、合意が成立しないのであります。しこうして、問題は、アメリカが日本の意思に反して行動をしないということは、交渉の途中において十分に両当事者の間に了解があったことであります。しかし、この点について不明瞭であるという疑いもあったのでありますが、今回の私のアイゼンハワー大統領との会談におきまして、その点を明瞭にしたのであります。もちろん、これは、本質におきましては、事前協議とするということを定めました交換公文そのものの解釈の問題であります。従いまして、これによって従来論議されておったところの不安は私は一掃されたものだと信じております。拍手
次に、私や藤山外相のとっておるところの自由世界との連携において、われわれが提携を強化して日本の繁栄と平和をはかっていくという考え方は、それは外交の基調としては安易な考え方であって、むしろ、中立の政策をとって、冷戦不介入、どの陣営にも結びを持たないということが望ましいじゃないかというお話であります。われわれは、もちろん、自由世界に立っておりまして、自由世界との政治的、経済的あるいは防衛的な意味の提携を強化していくことが日本の繁栄と平和に必要であるという考えに立っておるのでありますが、これが安易であるかどうかということは、むしろ、水谷君のおあげになっておるような世界の情勢から考えてみまして、いわゆる中立政策をとるというようなことによってその国の安全が保たれると考えることの方が、私は、現実問題として、むしろ安易な考え方であろうと思う。拍手そういうような国際情勢ではないのであります。従いまして、われわれは、われわれのとっておる外交が、過去においても日本の安全と繁栄に貢献しておるし、寄与しておるし、将来においてもこれは間違いでないという確信に立っております。
安保条約を段階的に解消するということが民主社会党の御主張であります。それについてのいろいろな内容的の御提案、御指示もあったようでありますが、しかし、私どもは、この安保条約によって日本がアメリカと協力して日本の安全を守っていくということが、現在の情勢においては最も時宜に適しているものであるという見解に立っております。たとえば、今おあげになりました中の一、二を申しますと、米韓、米比のような、一年の予告でいつでも廃止できるようにしておいたらいいじゃないかというような意見は、こういう、お互いが信頼と理解の上に立って真の協力をしていくということであるならば、むしろ、私どもは、一定の安定した期間を持つことが望ましいのであって、そういう点は、米韓、米比と日米の関係はおのずから違った関係に立っておる、こういうふうに考えております。拍手こういうような意味におきまして、今日におきましては、私どもは、段階的に解消しようという見解をとっておらないのであります。
次に、新安保条約に対するソ連の抗議の点についての御質問であります。これは、言うまでもなく、私どもは、先ほどもお答えを申し上げましたように、日本がどういう外交政策をとるか、また、安全保障体制としてどういうものをとるかということは、日本国民みずからが自主的にきめる問題であって、他から干渉を受くべき性質のものではない。拍手また、ソ連が、日ソの間に正当に結ばれた国際条約である日ソ共同宣言のうちの歯舞、色丹に関するこの条項を、外国軍隊が撤退するという新たな条件を付して、一方的にこれを変更しようとすることは私どもは、国際条約の性質からいって、許すべからざることである、こういう観点に立っております。拍手そういう理不尽なことを言ってくるのに対して口実を与えたではないかという御質問でありますが、私ども、理不尽なことを言うのは、これは言葉通り理不尽なのですから、口実も何も、そういう間違った横車を押すということに対しましては、やはり、正しい国際的正義と信義の上に立って、あくまでも抗議していくことが当然であると思います。拍手
また、漁業問題については、御承知の通り、これは漁業協定によって、年々科学的根拠によってその漁獲数量を両方の委員が話し合ってきめるということになっておるのでありまして、この協定の趣旨に基づいて、わが方から委員を出しまして、モスクワにおいて会議をしていくのであります、その態度は少しも変わっておりません。また、日ソ平和条約の問題につきましては、言うまでもなく、領土問題に関して従来両国の意見の相違のために平和条約が結ばれないのであります。私は、今日の状況においても、遺憾ながら、まだ領土問題について両国の意見が一致するとは思いません。最近、歯舞、色丹についてすらああいう抗議が申し出されることでありますから、われわれが主張しておる国後、択捉、あるいは社会党の諸君は、さらにそれに樺太や千島全体の領土の返還を求めておられるのでありまして、そういう見地から申すならば、決してソ連がそれに応ずるような情勢ではございませんので、平和条約はまだ締結に至らない段階であると思います。拍手
次に、予算の編成権の問題についての御質問であります。言うまでもなく、予算の編成につきましては、政府が責任を持って編成をして国会に提案すべきことになっておるということは、御指摘の通りであります。ただ、問題は、政党が従来国民に公約しておったり、あるいは選挙の際に国民に向かって約束をしたような政策をいかにして予算に組み入れるかということは、やはり、政府としても、政党内閣として当然考えなければならないことであります。従って、政党との間において十分編成の途上において話し合いをしていくということは、これは当然であります。その途中において、あるいは日数がよけいかかったとか、いろんな議論が一部中間的に報告されて、いろいろな疑惑を与えた点があることは遺憾でありまして、これらの点については将来十分考えていかなければならぬと思いますが、本質としては今申したような関係に立つことは十分御了承願いたいと思います。
補正予算につきましては、もちろん、必要やむを得ないものは、そのつど補正を出して、そうしてやっていかなければならぬことは、政府の責任であると思います。今回提案いたしております第三次補正予算も、全く必要やむを得ないところのものに対して、必要の限度において補正を出したものであります。
それから、議会主義についての御質問であります。議会政治、民主政治というものは、言うまでもなく、十分に案件の審議を尽くすべきものである、本会議あるいは委員会等において十分に審議を尽くすべきものであって、その審議の結果は、多数決によってこれをきめるということが、私は議会主義の根底であると思います。従いまして、議案の審議は十分に尽くしていくことは当然であります。やらなければならぬ。しかしながら、水谷君も言われたように、審議権を放棄するということは、議員としての職責を尽くさないことでありまして、そういうことをしないということを言明されたことは、きわめて力強く感じたところであります。拍手私どもは、今申すように、審議は十分尽くすということを申しております。また、水谷君は、審議権を放棄することはないということを言明されておるのでありまして、従って、私は、単独審議というような事態は絶対に起こり得ないと考えております。拍手
また、解散の問題につきましては、従来しばしば論ぜられておるのでありまして、いろいろな御意見もございますが、私もしばしば明瞭にお答えを申し上げておりますように、今日の段階において解散する意思は持っておらないということを重ねて申し上げておきます。
その他の点につきましては、各大臣よりお答え申し上げます。拍手
〔国務大臣藤山愛一郎君登壇〕
藤
藤山愛一郎#14
○国務大臣(藤山愛一郎君) 水谷議員の御質問、特に外交の問題につきましては、総理が確信を持って十分御答弁になりましたので、実は私の答弁を申し上げる余地はほとんどないと思うのでありますが、ただ、私の名前を特に指摘されまして言われました御質問の中で、事前協議の問題につきましては、御承知の通り、総理が言われました通り、協議が成立するためには意見の一致を見なければならぬこと、これ当然でございます。特に、今回の条約におきまして、事前に協議するという、「事前」という字を用いましたのは、この同意を前提とすること、もちろんなのでありまして、その意味から申しまして、われわれが同意しない以上は、この条約に違反して参ることになろうかと思います。そういう限りにおきまして、岸・アイク共同声明も、またそれを確認いたしたわけでございます。
それから、ソ連との関係あるいは中共との関係についてどういうふうに外務大臣は現在考えておるかという御質問があったと存じております。ソ連との関係におきます覚書等の点につきましては総理が答弁せられましたが、今日、われわれは、貿易に関する交渉をソ連といたしております。現在、延べ払いの点につきましても、あるいは期限等につきましても、円満な話し合いが進みつつあるのでありまして、その意味におきましては、われわれはソ連と隔意ない話し合いを続けてきておるのでありまして、共産圏といえども、決してそうした話し合いについてわれわれは偏見を持ってやっておることはないのであります。そういうことでありまして、中共との関係におきましても、われわれ自身が偏見を持って対処しようとは考えておりません。しかし、中共は、日本の態度を相当誤解している点があることは、これまたいなめないと思うのでありまするし、また、これらの関係の調整につきましては、基本的には、やはり、アジアにおける諸般の情勢を歴史的にも解決して参る必要があろうと思います。しかし、今日、われわれが、誤解のない、お互いに信頼し合った立場に立ちまするならば、貿易関係等についての打開の道をはかっていくことは当然必要でございますし、私が昨日外交演説等に申し上げました通り、将来、世界政治の中における中共の立場というものを考慮して参らなければならぬこと当然でございまして、われわれ自身が偏見を持ってこれらに対しているということは断じてございません。拍手
〔国務大臣佐藤榮作君登壇〕
この発言だけを見る →それから、ソ連との関係あるいは中共との関係についてどういうふうに外務大臣は現在考えておるかという御質問があったと存じております。ソ連との関係におきます覚書等の点につきましては総理が答弁せられましたが、今日、われわれは、貿易に関する交渉をソ連といたしております。現在、延べ払いの点につきましても、あるいは期限等につきましても、円満な話し合いが進みつつあるのでありまして、その意味におきましては、われわれはソ連と隔意ない話し合いを続けてきておるのでありまして、共産圏といえども、決してそうした話し合いについてわれわれは偏見を持ってやっておることはないのであります。そういうことでありまして、中共との関係におきましても、われわれ自身が偏見を持って対処しようとは考えておりません。しかし、中共は、日本の態度を相当誤解している点があることは、これまたいなめないと思うのでありまするし、また、これらの関係の調整につきましては、基本的には、やはり、アジアにおける諸般の情勢を歴史的にも解決して参る必要があろうと思います。しかし、今日、われわれが、誤解のない、お互いに信頼し合った立場に立ちまするならば、貿易関係等についての打開の道をはかっていくことは当然必要でございますし、私が昨日外交演説等に申し上げました通り、将来、世界政治の中における中共の立場というものを考慮して参らなければならぬこと当然でございまして、われわれ自身が偏見を持ってこれらに対しているということは断じてございません。拍手
〔国務大臣佐藤榮作君登壇〕
佐
佐藤榮作#15
○国務大臣(佐藤榮作君) 予算編成の基礎になる経済の現況並びに今後の見通しについて誤りはないかというのが第一点であったと思います。いろいろ御注意をいただきましたことは、私どもも大いに参考にしたいと思いますが、昨年来の経済の動向等を考え、また、年初以来の動向等を考えてみますと、御心配になるような点は一切ございません。拍手私は、本年の経済もまた繁栄への道である、かように確信いたしております。
その次に、今回の予算の内容につきまして、これは土建屋の予算ではないか、あるいは軍需産業育成の予算ではないか、こういうことをお尋ねでございましたが、昨夜も詳しく予算につきまして内容を説明いたしました。今回の予算編成にあたりましては、昨年の大災害にかんがみまして、特に災害復旧並びに国土保全事業の遂行に重点を置いたということを申しました。さらに、産業基盤の関係で、あるいは東海道新幹線の本格化の工事であるとか、あるいは電信電話の増備であるとか、これら工事関係の予算が大幅に盛られております。まさか、土建屋予算として非難なさる民主社会党の方は、災害復旧や国土保全の事業をあと回しにしてもいい、こういう意味ではないだろうと私は思いますが、どうも言葉といたしましては不適当な表現ではないかと思います。
防衛関係の問題といたしまして、今回の予算では、FXを採用することにいたしました。その関係におきまして、債務負担行為の金額が大きくなっております。この点は、過去におきましても、建艦その他債務負担行為として計上すべきもののあることは、すでに御承知でございまして、それと同様の処置をとったのでございます。なお、防衛関係費としては、前年に比べまして、わずかに九億円の増であります。節約に関しまする点を加えましても十二億円であります。ただいま申し上げますように、これは防衛関係費としての増でございます。誤解のないように願っておきます。
社会保障費の関係におきましては、昨日も詳しくお話しいたしましたように、三十五年度の予算におきましては、二百七十六億円に上る大幅な増額をいたしております。社会保障関係は、最近漸次整備されておりますが、特に三十五年度予算におきましては重点の置かれておることを指摘いたしておきます。
最後に、ことしの予算を編成した結果、三十六年度予算では、財源が枯渇して、非常に編成難に陥るのではないかという御意見であったと思います。もちろん、三十六年になりましては当然支出増もございますから、いろいろ予算の支出の面におきまして苦しさも当然あることだと思います。しかし、国民経済の成長に伴う租税等の収入の増加も当然期待ができるのであります。また、災害復旧費の減等も考えられることでございますから、御質問のように、社会保障費やあるいは減税を全くしないような予算を作るというような心配は、まず起こらないのではないかと思います。私どもは、歳出の点につきましても、これが支出についての冗費を省くことについても十分努力をいたして参りたいと思いますし、ことに減税等につきましては、税制調査会の結論等も出ることでございますから、これらを取り上げて、国民の期待に沿うようにいたしたい、かように考えております。
防衛関係費につきましては、基本的な考えといたしまして、国力相応の漸増方針ということを申し上げておりますので、十分歳入とにらみ合せまして歳出計画を立てて参るつもりでございます。拍手
〔国務大臣菅野和太郎君登壇〕
この発言だけを見る →その次に、今回の予算の内容につきまして、これは土建屋の予算ではないか、あるいは軍需産業育成の予算ではないか、こういうことをお尋ねでございましたが、昨夜も詳しく予算につきまして内容を説明いたしました。今回の予算編成にあたりましては、昨年の大災害にかんがみまして、特に災害復旧並びに国土保全事業の遂行に重点を置いたということを申しました。さらに、産業基盤の関係で、あるいは東海道新幹線の本格化の工事であるとか、あるいは電信電話の増備であるとか、これら工事関係の予算が大幅に盛られております。まさか、土建屋予算として非難なさる民主社会党の方は、災害復旧や国土保全の事業をあと回しにしてもいい、こういう意味ではないだろうと私は思いますが、どうも言葉といたしましては不適当な表現ではないかと思います。
防衛関係の問題といたしまして、今回の予算では、FXを採用することにいたしました。その関係におきまして、債務負担行為の金額が大きくなっております。この点は、過去におきましても、建艦その他債務負担行為として計上すべきもののあることは、すでに御承知でございまして、それと同様の処置をとったのでございます。なお、防衛関係費としては、前年に比べまして、わずかに九億円の増であります。節約に関しまする点を加えましても十二億円であります。ただいま申し上げますように、これは防衛関係費としての増でございます。誤解のないように願っておきます。
社会保障費の関係におきましては、昨日も詳しくお話しいたしましたように、三十五年度の予算におきましては、二百七十六億円に上る大幅な増額をいたしております。社会保障関係は、最近漸次整備されておりますが、特に三十五年度予算におきましては重点の置かれておることを指摘いたしておきます。
最後に、ことしの予算を編成した結果、三十六年度予算では、財源が枯渇して、非常に編成難に陥るのではないかという御意見であったと思います。もちろん、三十六年になりましては当然支出増もございますから、いろいろ予算の支出の面におきまして苦しさも当然あることだと思います。しかし、国民経済の成長に伴う租税等の収入の増加も当然期待ができるのであります。また、災害復旧費の減等も考えられることでございますから、御質問のように、社会保障費やあるいは減税を全くしないような予算を作るというような心配は、まず起こらないのではないかと思います。私どもは、歳出の点につきましても、これが支出についての冗費を省くことについても十分努力をいたして参りたいと思いますし、ことに減税等につきましては、税制調査会の結論等も出ることでございますから、これらを取り上げて、国民の期待に沿うようにいたしたい、かように考えております。
防衛関係費につきましては、基本的な考えといたしまして、国力相応の漸増方針ということを申し上げておりますので、十分歳入とにらみ合せまして歳出計画を立てて参るつもりでございます。拍手
〔国務大臣菅野和太郎君登壇〕
菅
菅野和太郎#16
○国務大臣(菅野和太郎君) ただいま、佐藤大蔵大臣から、三十五年度の予算の基本になりました今後の経済の見通しについて確固たる信念を申されましたので、私がもうそれ以上つけ加える必要はないと思いますが、なお念のために、神武景気のときと昨年来の日本の経済の動向とが全然違っておるということを、数字的に御説明申し上げたいと思うのであります。
たとえば、稼働率について申し上げますと、神武景気の最低のときが昭和二十九年の九月であったのでありまして、それが、いわゆるピーク、八〇%に達しましたのは、三十一年の九月であります。その稼働率の増加率は二一・一%でありまするが、昨年来の情勢を見ますと、三十三年の九月が稼働率の最低であり、昨年の九月が稼働率のピークでありまして、その稼働率の増加はわずかに五・三%であります。また、物価水準は、二十五年の六月十八日を一〇〇といたしますと、三十二年の四月が一七八・四でありまするが、昨三十四年十二月が一六五でありまして、これによっても、物価が神武景気のように暴騰していないということがおわかりになると思うのであります。なお、物価の変動の先駆である鉄鋼、繊維の関係を見ましても、神武景気のときには非常な暴騰をしたのでありますが、昨年来、鉄鋼、繊維はむしろ下がりぎみなのであります。なお、国際収支について申し上げますと、神武景気のときは、三十一年の後半から経済が拡大したのでありまして、これに随伴いたしまして、三十二年から輸入が急増いたしました。毎月赤字であったのでありまして、上半期だけで四億九千四百万ドルの赤字となっておるのであります。しかるに、昨年の状況を見ますると、毎月黒字でありまして、昨年、年間の黒字が三億四千五百万ドルということに相なっておるのであります。なお、かくのごとき赤字を生みましたのは、輸入が急増した結果でありまして、三十二年の五月では四億五千三百万ドルの輸入を見たのであります。昨三十四年の十二月が一番輸入が多かったのでありますが、それでもわずかに三億七千三百万ドルでありまして、これによって、神武景気の経済事情と昨年来の経済事情とが全然違っておるということを一つ御承知を願いたいと思うのであります。
要するに、経済は非常に平穏に越年しておりまして、このままことしも平穏な数量景気を呈すると考えておるのであります。しかし、お話の通り、過当な設備投資とか、あるいは銀行の貸し出しの要求も相当多いのでありまして、これを決して手放しで見ておるわけにはいきません。従いまして、金融面から、あるいは業者の自主調整によって、こういう景気の過熱を来たさないように、われわれといたしましては、できるだけそういうことを願いたいと思っておるのであります。
次に、貿易・為替の自由化の問題についてお話がありましたが、お話の通り、貿易・為替の自由化をやりますると、これはいろいろ問題が起こってくるのであります。従いまして、貿易・為替の自由化につきましては、去る一月十二日の貿易為替自由化促進閣僚会議におきまして、初めてこの自由化の大方針を決定いたしたのであります。そうして、いよいよこれを具体化するにつきましては、五月末までに各省で具体化について策定してもらうということになっておるのでありますが、申すまでもなく、目標、時期、あるいは所要の対策などについては、慎重にこれをやらなければ、いろいろの方面に影響を及ぼすと思うのでありまして、お話の通り、あるいは農業方面、あるいは労働者方面についても、決して私は影響ないとは考えられない。しかし、自由化ということを手放しでわれわれは実現しようとは考えていないのでありまして、それらに及ぼす影響をできるだけ少なくして、そうして、国民全体の生活向上をせしめるような自由化を実現していく、こう考えておる次第であります。拍手
〔国務大臣池田勇人君登壇〕
この発言だけを見る →たとえば、稼働率について申し上げますと、神武景気の最低のときが昭和二十九年の九月であったのでありまして、それが、いわゆるピーク、八〇%に達しましたのは、三十一年の九月であります。その稼働率の増加率は二一・一%でありまするが、昨年来の情勢を見ますと、三十三年の九月が稼働率の最低であり、昨年の九月が稼働率のピークでありまして、その稼働率の増加はわずかに五・三%であります。また、物価水準は、二十五年の六月十八日を一〇〇といたしますと、三十二年の四月が一七八・四でありまするが、昨三十四年十二月が一六五でありまして、これによっても、物価が神武景気のように暴騰していないということがおわかりになると思うのであります。なお、物価の変動の先駆である鉄鋼、繊維の関係を見ましても、神武景気のときには非常な暴騰をしたのでありますが、昨年来、鉄鋼、繊維はむしろ下がりぎみなのであります。なお、国際収支について申し上げますと、神武景気のときは、三十一年の後半から経済が拡大したのでありまして、これに随伴いたしまして、三十二年から輸入が急増いたしました。毎月赤字であったのでありまして、上半期だけで四億九千四百万ドルの赤字となっておるのであります。しかるに、昨年の状況を見ますると、毎月黒字でありまして、昨年、年間の黒字が三億四千五百万ドルということに相なっておるのであります。なお、かくのごとき赤字を生みましたのは、輸入が急増した結果でありまして、三十二年の五月では四億五千三百万ドルの輸入を見たのであります。昨三十四年の十二月が一番輸入が多かったのでありますが、それでもわずかに三億七千三百万ドルでありまして、これによって、神武景気の経済事情と昨年来の経済事情とが全然違っておるということを一つ御承知を願いたいと思うのであります。
要するに、経済は非常に平穏に越年しておりまして、このままことしも平穏な数量景気を呈すると考えておるのであります。しかし、お話の通り、過当な設備投資とか、あるいは銀行の貸し出しの要求も相当多いのでありまして、これを決して手放しで見ておるわけにはいきません。従いまして、金融面から、あるいは業者の自主調整によって、こういう景気の過熱を来たさないように、われわれといたしましては、できるだけそういうことを願いたいと思っておるのであります。
次に、貿易・為替の自由化の問題についてお話がありましたが、お話の通り、貿易・為替の自由化をやりますると、これはいろいろ問題が起こってくるのであります。従いまして、貿易・為替の自由化につきましては、去る一月十二日の貿易為替自由化促進閣僚会議におきまして、初めてこの自由化の大方針を決定いたしたのであります。そうして、いよいよこれを具体化するにつきましては、五月末までに各省で具体化について策定してもらうということになっておるのでありますが、申すまでもなく、目標、時期、あるいは所要の対策などについては、慎重にこれをやらなければ、いろいろの方面に影響を及ぼすと思うのでありまして、お話の通り、あるいは農業方面、あるいは労働者方面についても、決して私は影響ないとは考えられない。しかし、自由化ということを手放しでわれわれは実現しようとは考えていないのでありまして、それらに及ぼす影響をできるだけ少なくして、そうして、国民全体の生活向上をせしめるような自由化を実現していく、こう考えておる次第であります。拍手
〔国務大臣池田勇人君登壇〕
池
池田勇人#17
○国務大臣(池田勇人君) 水谷さんの御質問の貿易・為替の自由化につきまして、ただいま菅野企画庁長官がお答えになりましたが、お話の通り、この問題は、現在並びに将来にかけて日本の経済が直面しておりまする重大な問題でございますので、所管大臣といたしまして、少しくつけ加えて御説明申し上げたいと存じます。
皆さん御承知の通り、戦争を中心として、わが国の経済はいわゆる統制経済に相なったのであります。昭和二十三年に外国から来られましたドッジ氏は、日本経済を竹馬経済と称せられたのであります。私は、当時、日本の経済の発展には、為替相場をきめ、少なくとも国内経済を自由にして、いわゆる竹馬をとっぱずすことを試みて、皆様方の協力を得て、国内的には今日のごとく発展を来たしたのでございます。拍手しかし、国内経済の発展は見られましたが、国際経済的観点から申しますと、日本の輸入の七、八割はまだ切符制度でございます。この切符制度があったのでは、ちょうど十年前、わが国の国内経済が正常化していないと同様であって、この国際的切符制度を、今の日本の現状から申しますならば、できるだけ早くなくして、自由な姿にしたいということが、われわれの念願であるのであります。しこうして、世界経済の新情勢に即応いたしまして、私は、一つには、日本経済の正常化とその発展の基盤を強化する意味において、また、他面、国際経済社会の一員として、世界貿易の拡大と日本の国際貿易上における地位を高めていくことが、われわれのいわゆる国際平和と国民経済安定増進のゆえんであると考えまして、私は、この意味におきまして、貿易・為替の自由化につきまして着々歩を進めていきたいと考えております。水谷さんの言われるように、わが国の経済の体質はまだまだ脆弱な面もございます。従いまして、こういう面につきましては、体質の改善に努力をいたすと同時に、生産性の向上と、流通機構の正常化、また、関税制度の再検討等々を行ないまして、農村、中小企業はもちろん、脆弱な産業につきましても競争力を高めつつ、徐徐に行なっていく考えでおるのであります。拍手
〔国務大臣渡邊良夫君登壇〕
この発言だけを見る →皆さん御承知の通り、戦争を中心として、わが国の経済はいわゆる統制経済に相なったのであります。昭和二十三年に外国から来られましたドッジ氏は、日本経済を竹馬経済と称せられたのであります。私は、当時、日本の経済の発展には、為替相場をきめ、少なくとも国内経済を自由にして、いわゆる竹馬をとっぱずすことを試みて、皆様方の協力を得て、国内的には今日のごとく発展を来たしたのでございます。拍手しかし、国内経済の発展は見られましたが、国際経済的観点から申しますと、日本の輸入の七、八割はまだ切符制度でございます。この切符制度があったのでは、ちょうど十年前、わが国の国内経済が正常化していないと同様であって、この国際的切符制度を、今の日本の現状から申しますならば、できるだけ早くなくして、自由な姿にしたいということが、われわれの念願であるのであります。しこうして、世界経済の新情勢に即応いたしまして、私は、一つには、日本経済の正常化とその発展の基盤を強化する意味において、また、他面、国際経済社会の一員として、世界貿易の拡大と日本の国際貿易上における地位を高めていくことが、われわれのいわゆる国際平和と国民経済安定増進のゆえんであると考えまして、私は、この意味におきまして、貿易・為替の自由化につきまして着々歩を進めていきたいと考えております。水谷さんの言われるように、わが国の経済の体質はまだまだ脆弱な面もございます。従いまして、こういう面につきましては、体質の改善に努力をいたすと同時に、生産性の向上と、流通機構の正常化、また、関税制度の再検討等々を行ないまして、農村、中小企業はもちろん、脆弱な産業につきましても競争力を高めつつ、徐徐に行なっていく考えでおるのであります。拍手
〔国務大臣渡邊良夫君登壇〕
渡
渡邊良夫#18
○国務大臣(渡邊良夫君) 福祉国家の構想を示せというお話でございます。国民経済の増大につきまして、わが党内閣の立場といたしましては、当然、福祉施策に対しまして十分考慮を払うというのが建前になっておるのでございます。まず、低所得者層の対策といたしましては、さきに申しましたように、母子世帯、あるいはまた厚生施設等に対しまするところの十分なる措置を考えており、また、結核対策、児童福祉等につきましても十分なるところの措置を講じておるのでございます。拍手国民皆保険につきましては、三十五年度をもって終了することとなっておりまするし、国民年金制度も十分な順調の歩みを続けておるのでございます。医療制度につきましても、保障問題や、あるいは医療金融等の創設によりまして、国民医療というものの十分なる完璧を期する次第であります。
総括いたしまして、本年度の厚生予算は千六百四十七億でありまして、防衛庁の予算と比較いたしまするときに、防衛庁の予算は千五百四十五億でありまするから、厚生予算はそれより上回ること百二億でございます。拍手この面から考えてみましても、わが党内閣がいかに福祉国家の建設に十分な意を注いでいるかということはおわかりになるであろう、かように存ずるのであります。拍手
————◇—————
この発言だけを見る →総括いたしまして、本年度の厚生予算は千六百四十七億でありまして、防衛庁の予算と比較いたしまするときに、防衛庁の予算は千五百四十五億でありまするから、厚生予算はそれより上回ること百二億でございます。拍手この面から考えてみましても、わが党内閣がいかに福祉国家の建設に十分な意を注いでいるかということはおわかりになるであろう、かように存ずるのであります。拍手
————◇—————
天
清
清
清瀬一郎#21
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。
本日は、これにて散会いたします。
午後三時二十八分散会
————◇—————
出席国務大臣
内閣総理大臣 岸 信介君
法 務 大 臣 井野 碩哉君
外 務 大 臣 藤山愛一郎君
大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
文 部 大 臣 松田竹千代君
厚 生 大 臣 渡邊 良夫君
農 林 大 臣 福田 赳夫君
通商産業大臣 池田 勇人君
運 輸 大 臣 楢橋 渡君
郵 政 大 臣 植竹 春彦君
労 働 大 臣 松野 頼三君
建 設 大 臣 村上 勇君
国 務 大 臣 赤城 宗徳君
国 務 大 臣 石原幹市郎君
国 務 大 臣 菅野和太郎君
国 務 大 臣 中曽根康弘君
国 務 大 臣 益谷 秀次君
出席政府委員
内閣官房長官 椎名 悦三郎君
法制局長官 林 修三君
総理府総務長官 福田 篤泰君
大蔵省主計局長 石原 周夫君
厚生大臣官房長 森本 潔君
この発言だけを見る →本日は、これにて散会いたします。
午後三時二十八分散会
————◇—————
出席国務大臣
内閣総理大臣 岸 信介君
法 務 大 臣 井野 碩哉君
外 務 大 臣 藤山愛一郎君
大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君
文 部 大 臣 松田竹千代君
厚 生 大 臣 渡邊 良夫君
農 林 大 臣 福田 赳夫君
通商産業大臣 池田 勇人君
運 輸 大 臣 楢橋 渡君
郵 政 大 臣 植竹 春彦君
労 働 大 臣 松野 頼三君
建 設 大 臣 村上 勇君
国 務 大 臣 赤城 宗徳君
国 務 大 臣 石原幹市郎君
国 務 大 臣 菅野和太郎君
国 務 大 臣 中曽根康弘君
国 務 大 臣 益谷 秀次君
出席政府委員
内閣官房長官 椎名 悦三郎君
法制局長官 林 修三君
総理府総務長官 福田 篤泰君
大蔵省主計局長 石原 周夫君
厚生大臣官房長 森本 潔君
すべての発言を表示しました