商工委員会

1960-12-15 参議院 全97発言

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会議録情報#0
昭和三十五年十二月十五日(木曜日)
   午前十時三十五分開会
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 出席者は左の通り。
   委員長     剱木 亨弘君
   理事
           川上 為治君
           古池 信三君
           栗山 良夫君
   委員
           赤間 文三君
           上原 正吉君
           岸田 幸雄君
           鈴木 万平君
           山本 利壽君
           阿具根 登君
           椿  繁夫君
           吉田 法晴君
           向井 長年君
           加藤 正人君
  国務大臣
   通商産業大臣  椎名悦三郎君
  政府委員
   経済企画政務次
   官       江藤  智君
   通商産業政務次
   官       始関 伊平君
   通商産業政務次
   官       砂原  格君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
  説明員
   通商産業省公益
   事業局長    大堀  弘君
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  本日の会議に付した案件
○商工組合中央金庫法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
○海外経済協力基金法案(内閣送付、
 予備審査)
○経済の自立と発展に関する調査
 (電力問題に関する件)
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剱木亨弘#1
○委員長(剱木亨弘君) これより商工委員会を開会いたします。
 最初に、理事会において申し合わせました事項について御報告をいたします。
 本日はすでに付託されました二法案の提案理由の説明を聴取し、引き続き電力問題について質疑を行ないます。
 なお、衆議院予算、商工、内閣委員会等の関係上、通産、企画両大臣の御都合により、通産大臣のごあいさつだけにとどめまして説明は、今回は特に政務次官から聴取することにいたします。
 なお、次回は十九日月曜日から二十二日木曜日まで連日開会いたす予定とし、なお、衆議院の模様を見ることといたします。
 以上御了承願います。
 椎名通産大臣から発言を求められております。これをお許しいたします。
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椎名悦三郎#2
○国務大臣(椎名悦三郎君) 今回推薦によりまして、はからずも通産大臣を拝命することに相なりました。いわゆる所得倍増の政策におきまして通産行政の占める役割はきわめて重大なるものがあると考えておる次第であります。幸い皆様の御鞭撻御協力を得まして、役割を十分に果し得まするように考えておる次第であります。なにとぞよろしくお願い申し上げます。
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剱木亨弘#3
○委員長(剱木亨弘君) なお、始関通商産業政務次官からごあいさつがございます。どうぞ。
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始関伊平#4
○政府委員(始関伊平君) 始関伊平でございます。このたび通産政務次官に就任をいたしました。大へんふなれなものでございますけれども、皆様の御協力、御支援をいただきまして、通産次官としての職責を果して参りたいと存じております。どうかよろしくお願いをいたします。
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剱木亨弘#5
○委員長(剱木亨弘君) 次に、砂原通商産業政務次官から。
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砂原格#6
○政府委員(砂原格君) 砂原格でございます。このたびはからずも通産次官を拝命をいたしました。私はずぶのしろうとでございます。皆さん方の御鞭撻をいただいて、御指導、お引き回わしのほどをお願い申し上げまして、ごあいさつにいたします。
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剱木亨弘#7
○委員長(剱木亨弘君) 次に、江藤経済企画政務次官から。
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江藤智#8
○政府委員(江藤智君) 江藤智でございます。このたび経済企画政務次官を拝命いたしまして、今後いろいろと皆様方のお世話様に相なると存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
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剱木亨弘#9
○委員長(剱木亨弘君) 速記をとめて。
   午前十時三十九分速記中止
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   午前十一時一分速記開始
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剱木亨弘#10
○委員長(剱木亨弘君) 速記を始めて下さい。
 商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を聴取いたします。
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砂原格#11
○政府委員(砂原格君) ただいま提案になりました商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
 商工組合中央金庫は、中小企業者を主とする団体の系統金融機関として、中小企業金融の円滑化を通じて中小企業の振興に重要な役割を果たしておりますが、最近における中小企業の体質改善の緊要性にかんがみその使命はますます重大となっております。
 このような情勢において、中小企業者の金利負担の軽減をはかるとともに、当面する年末の資金需要に対処するため、商工組合中央金庫に対する政府出資を増加することといたしました。
 すなわち、金利引き下げのためには、金庫自身の努力に期待するところ大なるものがあるのでありますが、政府といたしましても、その最も有効な手段として、政府出資の増額を行ない、明年一月からの平均三厘程度の引き下げに資することとしたのであります。
 以上の趣旨に従って、本法律案の概要は、政府の商工組合中央金庫に対する出資金を二十億円増額することであります。これによって政府の商工組合中央金庫に対する出資は、現在の三十七億円から五十七億円となることとなります。
 以上が本法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願いいたします。
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剱木亨弘#12
○委員長(剱木亨弘君) 本案の質疑は、都合により後日に譲ります。
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剱木亨弘#13
○委員長(剱木亨弘君) 次に、海外経済協力基金法案を議題といたします。これより提案理由の説明を聴取いたします。
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江藤智#14
○政府委員(江藤智君) 海外経済協力基金法案の提案理由を御説明申し上げます。
 最近の世界経済における重要な動向の一つといたしまして、東南アジアその他の開発途上にある地域に対する国際経済協力の問題が大きく取り上げられていることは御承知の通りであります。すなわち、戦後、これらの開発途上にある諸国は、その資源の開発ないし工業化をはかり、急速な経済の発展と、国民生活水準の向上を意図しているのでありますが、そのためには、資本及び技術の面でその多くを先進工業国に依存せざるを得ない状態にあるのであります。
 一方において、このような開発途上にある諸国の要請にこたえてこれらの国に対する経済協力を推進することは、世界経済全般からみても、地域的不均衡を是正し、経済交流の秩序ある進展をはかるためきわめて重要なことであると考えられるのであります。このような情勢のもとに、最近においては国際開発協会の設立、開発援助グループの会議の開催など、経済協力を国際的規模において一そう強力に推進しようとする動きが見られるのでありますが、わが国といたしましても、今後東南アジア諸国等との経済関係の一そうの増進をはかる上から、これらの国に対する経済協力を積極的に推進することがこの際とくに必要であると考えられるのであります。
 もちろん、従来もわが国のこれらの地域に対する経済協力が行なわれなかったわけではないのでありますが、わが国の場合、民間企業だけではなお資力も十分でなく、また政府関係機関としても、日本輸出入銀行が、輸出入金融のほか海外投融資に必要な金融を行なっているのでありますが、必ずしも十分とは申せない状況でありますので、このたび御審議をいただく海外経済協力基金法案によりまして、新たに独立の法人格を有する海外経済協力基金を設立し、経済協力をさらに積極的に推進するための体制の整備をはかることとしたのであります。
 次に、簡単にこの法律案の内容を御説明申し上げます。まず、基金の目的は、すでに申し上げましたように、東南アジア地域、その他の開発途上にある地域の産業開発に必要な資金で、日本輸出入銀行及び一般の金融機関から通常の条件で供給を受けることが困難な資金の円滑な供給をはかる等の業務を行なうことによりまして海外経済協力の正そうの促進をはかることであります。
 次に、基金の資本金は、経済基盤強化のための資金及び特別の法人の基金に関する法律によって、政府から日本輸出入銀行へ出資されておりました五十億円と、その管理運用によって得られた利益の積立金との合計額を日本輸出入銀行から承継することとし、政府がその全額を基金の設立に際し出資することとしているのでありますが、将来、必要に応じて政府が追加出資をすることとなっております。
 次に、基金の業務といたしましては、東南アジア地域等の産業の開発に寄与し、かつ、わが国との経済交流を促進するため緊要と認められる事業のために、必要な資金の貸付、または、特に必要があるときは、貸付にかえて出資をすることができるほか、このような事業の準備調査またはその試験的実施のための資金の貸付、さらには以上のような投融資の業務に関連いたしまして基金がみずから必要な調査をすることができるよう規定いたしております。
 なお、基金は、その設立の趣旨にかんがみまして、右の貸付等の業務を行なうに当たっては、日本輸出入銀行の業務と十分な調整を行なうとともに、投融資の条件等につきましても、日本輸出入銀行よりはやや幅広く運用できるよう配慮いたしております。
 次に、基金の機構は、極力簡素なものとする建前から、役員としては、総裁一人、理事二人、監事一人の計四人とし、また、事務の相当部分は日本輸出入銀行に委託して行なうこととしております。
 なお、基金の業務の運営については、関係行政機関の所掌事務と密接な関係のあるものも多いと考えられますので、総裁の諮問機関として運営協議会を設けることとし、関係行政機関と緊密な連絡を保って業務の適正な運営が行なわれるよう配慮しております。
 次に、基金の監督は、経済企画庁長官がこれを行なうのでありますが、この法律の規定に基づいて認可または承認をする場合には、あらかじめ、外務大臣、大蔵大臣及び通商産業大臣と協議して行なうこととなっております。
 その他、定款、業務方法書、財務及び会計等の点につきましては一般の政府出資の特別法人とほぼ同様の規定を定めております。
 以上がこの法律案のおもな内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
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剱木亨弘#15
○委員長(剱木亨弘君) 本案の質疑は、都合により後日に譲ります。
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剱木亨弘#16
○委員長(剱木亨弘君) 経済の自立と発展に関する調査を議題といたします。
 前回の委員会において栗山委員から要求のありました資料が提出されておりますので、これをお配りいたします。
 これより電力問題について質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
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栗山良夫#17
○栗山良夫君 私、ただいま若干、一部の地域で問題になっております電気料金の改定問題について、ごく全般的な点を一、二お尋ねをいたしたいと思っております。
 まず第一に、ただいまの電力料金が改定になりましたのは、最後は昭和二十九年の十月一日付で実施に入っておると思います。その当時の料金改定につきましては、いろいろ各方面から批判があり、意見が述べられまして、そういう点については、通商産業省から当時発行された、私、今持っておりますが、「電気料金の概観」というのに相当こまかく出ております。この内容を見まするというと、要するに、二十九年度以前に数回行なわれた電気料金の改定というものは、当時のインフレーションの進行に伴う原価是正が中心である。ところが、二十九年にはデフレの状況にあったにかかわらず、電気料金の改定を行なわざるを得なかったことは、終戦後の新しい投資による資本金の負担といいますか、これが非常に高くなって、そうして原価高になったために、これに補正を加えないというと、将来の電源開発等に支障が来る、こういうことが理由で当局は認めざるを得なかったということが書いてあります。で、まあ、その他一、二の例はありましょうけれども、中心点は、私も当時、国会で審議に当たった一人でありましてその通りであったと思います。
 一番われわれが今その当時を振り返ってみて、お尋ねをしなければならぬ重要な点が一点あるわけです。それは当時、いろいろなまあ経営状態にあった九電力事業社を、経理的には応二十九年十月一日現在において一つのスタート・ラインに並べた。全く同じ条件のもとに並べた。そうしていよいよスタートの信号を発して九社一斉に新しい経営に入った。ですから、当時の計画がそのまま行き、各社が同じ力を持っておるならば、今日も九社とも同じ経営状態であり、同じような内容でなければならぬ。それが現実には、非常に各九社とも格差が出てきておるわけです。経営内容の上において格差が出てきておる。ですから、この格差が出てきた理由というものは一体どこにあるかということを私は検討しなければいけないと思う。それが一番問題点だと思う。そこでまずお尋ねをしたいことは、二十九年の十月一日に同じスタート・ラインにおいてスタートした九電力事業というものが、非常な企業格差が出てきている。その企業格差というものはどのようなものであるかということを伺いたい。で、数字的なことは、またいずれお尋ねをするとして九電力会社の今の企業格差はいい方から並べますと、どういう順序になっているか、これをまず伺いたい。
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大堀弘#18
○説明員(大堀弘君) 非常にむずかしい点でございますが、企業格差として非常にはっきり言えますことは、関西電力の内容が非常によろしくなっております。資本構成も非常によろしいのであります。今後の建設を考えましても、相当長期にわたってやっていけそうだという見通しもあるわけです。その意味で、関西は非常にきわだっていいということは言えると思います。
 当面、非常に悪くなっておりますのは、まあ御承知のように、九州電力が料金改定を必要とするということで申請を出してきております。これは私ども見ましても、経理的に相当苦しくなっておる。企業の資本構成その他も必ずしもいいと言えない状態になってきております。
 その他の会社につきましても、実はどこがいいか、悪いかということは非常に言いにくい点でございますが、まあ極端なものとしては、今、関西が一番いい。悪い方では九州。東京電力あたりは、これは現在の料金と建設との関係から、やはり経理が、非常に苦しくなっているという点が、この上期決算において言えると思います。これもそういう意味合いにおいては、総体的には現状では悪いということが言えると思います。
 その他の会社は当面値上げの必要はございません。しかしながら、開発のスピードが非常に早いために、やはり資本構成がどの会社も一様に悪くなってきております。これが大体現状でございますが、ただいまこまかいデータを持っておりませんので、概略申し上げますと、そういうことでございます。
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栗山良夫#19
○栗山良夫君 ただいまの点はもう少し的確にお答え願えるのじゃないですか。非常に厳格な調査を去年あたりからいろいろおやりになっておるわけですし、するわけですから、十分お聞かせ願えると私は期待していたわけでが、いかがですか。
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大堀弘#20
○説明員(大堀弘君) ちょっと実はきょう数字を用意して参りませんでしたので、具体的な点は申し上げられませんが、火力地帯では、ただいま申し上げました以外では、中国、四国、北海道の三地点が火力中心の地点でございますが、割合に需用の伸びが小さく、開発も割合に低いという関係で、とにかく、一応経理関係では、現状で重大な赤字が出るというふうな事態にはなっておりません。
 それから東北、北陸は、先ほど先生から御指摘がありましたように、二十九年度以降に両会社が一度値上げをやっておりますが、やはり水力地帯で、水力の開発が大きいものでございますから、経理に対する圧迫が非常に強く出ております。従いまして、これは一度値上げをしておりますにかかわらず、ほかに比べると、割合に危険な状態にあるということが言えるのじゃないかと思います。
 中部電力が、私ども多少これはむずかしいのじゃないかと思っておりましたが、需用構成の関係もあるかと思いますが、ともかく、割合に経理状態がよろしいということは言えると思います。
 大体、概要としましては、はなはだ、数字的に今持っておりませんので、概略申し上げますと、そういうことでございます。
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栗山良夫#21
○栗山良夫君 そうすると、A、B、Cと三クラスに分けたら、Aは、三クラスに分けたらどういうことになりますか。
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大堀弘#22
○説明員(大堀弘君) まあ何といいますか、経理の収支状況から見た立場と、それからもう一つは、資本構成その他の資産内容、そういった面から見ました場合と多少違いますので、ちょっとAクラス、Bクラスと仕分けすることも私どもとしてはいかがかと思うのでございますが、経理的には、先ほど申し上げましたように、当面、私どもは、非常に苦しいと思われますのは、九州及び東京でございます。
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栗山良夫#23
○栗山良夫君 これはもう、普通の民間会社の場合は個別の名前をあげて調査をするということはしないというのが原則です。ところが九電力の場合は、もう完全な公益事業であるし、今まではこのような名前をあげて、そして本委員会としては調査したこともしばしばありますから、その点は問題ないと思うんです。で、今後の電気事業のあり方を検討するのには、少なくとも二十九年の十月一日をもって全く同一の条件に保障されるように料金というものが設定をせられて、そして数年たってみたところが、現実には格差が生じたということでありますから、その内容を厳密に検討を加えないでほかのことを私は論じられないと思うんです。で、ここのところは、やはり通商産業省としては責任をもって、どうしてそれは収支の面、資本構成の面、もっと極端に言えば、資金繰りの面でもようございますが、そういうような各点から、若干の順位にくるいが各要素要素によっては出るかもしれませんが、そういうものを個別に、あるいは総合して、順位というものをやはりわれわれに示していただきたい。と同時に、どうしてそういう格差が出てきたのか、その理由というものを明確にしてもらわにゃいかん。そうしないというと、各社一斉に合理化をやる、人件費の節約をやる、いろんなことを努力しておるにかかわらず、一体、それらの努力というものが非常に行なわれたにかかわらず、成績が悪くなっているのか、何も努力しなくて悪くなったのか、そういう検討すらも加えることができないわけです。そういう一番中心の問題を、検討も加えない、国会でも表示をしないということは、私は電気事業そのもののためにも、また消費者の立場からいっても工合が悪いんじゃないか。完全な国民の理解の上に電気事業というものが経営されていかなきゃならん問題でありますから、そういう意味では私は今の御答弁は、それはあらかじめそういう内容の質問通告はいたしてありませんでしたけれども、通商産業省の電気行政指導の立場からいえば、もう即座にでもここで答えていただかなけりゃならんほどの重要な問題だと思うんです。
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大堀弘#24
○説明員(大堀弘君) 御指摘の通り、私どもこれは一番基本的な問題と考えております。決して分析をいたしていないわけではございませんが、ただいまちょっとその面の詳細な資料を持ち合わせてきておりませんので、ただ二十九年のときの料金をきめます場合の、今までの料金算定は一年の経理収支の予想から料金をきめるという建前をとっております、一年間で。その後幸いにして今日まで大きな料金値上げをしないで進んでこられたわけでございますが、その内容は、ただいま先生が御質問になろうとしておられる、どういうふうに企業格差というものが出てきて、どういうものから出てきたかというような原因にも関係してくるかと思いますが、私どもは、経理内容の変化を来たしております事情が、これはたくさんあると思いますが、主要な点といたしましては、やはり開発によって資本費がふえてくる、それで料金原価が上がって、現行料金で吸収できるかできないかという問題になっておるわけでございますから、やはり開発の程度ということが一つの大きな条件になっていると思います。
 その中で特に水力と火力に分けて考えますと、水力の方が資本負担が火力に比べまして——火力でございますと、大体キロワットで、現在まあ石炭と重油の混焼で考えましても七万円ぐらいかかっておりますが、水力は先生御承知のように十五、六万円以上かかっております。二倍半から三倍ぐらいの資本負担になっております。従いまして、どうしてもやはり水力をよけいやるところは経理が苦しくなってくるという状況になるかと思います。これは東北、北陸あたりの例が端的に出てくるのではないかと思いますが、その他の会社でもやはり関係があると思います。これは開発に伴ってやはり変化が出てくる。その内容についても確たる変化が出て参ります。
 それからもう一つの問題は、需要構成がこれに対して違っていると言いますか、たとえば東京あるいは関西あたりは比較的需用構成がよろしいために、コストが上がりましても何とか吸収して伸びていけるという格好になっているかと思います。ここらあたりが、産業の発展なり、家庭用電灯の消費の状況等によって違ってきております。このあたりが一つの大きな条件じゃないかと思います。
 それからもう一つまあ大きな問題は、やはり燃料費の関係で変化が出ていると思います。これは石炭価格が三十九年の原価計算をしましたときと現在とでは、そう大きな開きは、大きな変化はございません。途中で上がりましてまた下がっておりますが、大体大きな変化はございませんが、全般としてはやはり重油も使っておりますし、全体としてはやはり下がってきている。それから火力の熱効率その他、火力が非常に近代化されましたために、その意味での燃料費の原単位が下がってきている。こういったことが合わさりまして、燃料費の関係がやや変化が現われてきていると思います。この点は九州の場合はその意味からいうと、プラスに働いてくるはずのものでございますが、これはたまたま水火力調整金制度が先生御承知のようにございましたが、三十一年撤廃されておりますが、これは九州電力としては大きなマイナスに働いておりますので、やはり経理的には、関西あたりでございますと、同じに火力を持っておりますが、水力も持っているということで、水火力調整金の影響はあまり出ないで、火力の方が安くなって来たメリットだけが出て来ているという関係はあるかと思います。そういうようなことは、そのほかにまだあると思いますが、いろいろこういう条件が入り組みまして、格差が一つは開いてきているのじゃないか、かように考えております。
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栗山良夫#25
○栗山良夫君 今の点はここで二分や三分御説明をいただいて満足し得る程度のものではないと思いますが、問題の性質もそうですし、それから内容もそうです。ですから、二十九年以後今日まで九電力別に企業格差というものを各その要素別に一つ整理せられて、そうしてその主たる原因というものを、場重要なものをずっと列挙されて、そうしてもう少し詳細な説明を願いたいと思うんです。それを緊急に次の委員会でもけっこうでございますが、用意していただけるかどうか。
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大堀弘#26
○説明員(大堀弘君) 現在手元に資料がございますから、できる限りのものを整えましてできるだけ早い機会に提出をいたしたいと思います。
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栗山良夫#27
○栗山良夫君 それからこのことはその資料を出していただければ全貌が明らかになると思いますが、一番大きな問題は、合いただいた資料でも経費の推移を見ますというと、「人件費、燃料費、資本費、その他」となっておりますが、九電力の総計を見ますというと、二十九年と——たとえば三十五年度はまだ上半期しかありませんから、三十四年度を例にとりますと、人件費は二十九年度二七・四%、三十四年は一九・三%、こういうことになっておりますが、絶対額はどうかというと、これは幾らぐらいになりますか、五百三十二億六千百万円ですか、これに対して七百四十六億一千二百万円、ほとんどけたが違うほどは伸びていませんね、人件費が。ところが燃料費になると二五・五%が一八・三%になってパーセンテージがふえている。と同時に絶対額が倍ぐらいになっている。それから資本費に至っては三一・八%が三八・四%になる。これもまあ倍以上になっておる。その他も倍になっておりますが、合理化即人件費というような考えでやってきたのがよく見えるわけでありますが、人件費の方はなるほどこういうふうにしぼられておるけれどもほかのものは五年間の間に倍以上になっている。こういうことが経費の構成を非常に大きく変えているわけです。従って、これらの内容というものが、今あなたのおっしゃった需用構成、開発の内容等に直接響く関係があろうと思いますから、これをこまかくわれわれが内容を検討しないというと、九電力会社の格差がどの程度であるか、そしてその結果、格差の一番激しい、たとえば例をあげれば九州電力のようなところの料金の値上げというものは、社会的な問題は別として、純電力行政の立場からいって値上げが妥当であるのか妥当でないのか、そういうことの判断がつかないと私は思うのです。
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大堀弘#28
○説明員(大堀弘君) ただいま御指摘の通りに、これはまあ九電力を全体合わしてみますと、人件費が二十九年から総経費に対する比率としては非常に下がってきておるということが出ておりますが、合理化の問題につきましてちょっと私今手元に持っております数字を御参考に申し上げますと、キロワット・アワー当たりの人件費としましては九社平均で三十年が一円三十八銭でありましたものがずうっと毎年下がりまして、三十四年で一円二銭というふうに下がって参っております。一人当たりの販売電力量自身が二十六年当時二十二万六千キロワット・アワーでありましたものが、三十五年には五十七万五千キロワット・アワーにふえております。これは明らかにそういう意味におきましては人員がほとんど二十九年以来総人員ではふえておりません。それにもかかわらずキロワット・アワーは相当大きな伸びを示しております。ちょっと二十九年の数字との比較は幾らになりますか、再編成以来ちょうど容量といたしましてことしの三月でほとんど倍以上になっているわけでございまして販売電力量も倍ぐらいになって人員の方はほとんどふえないでやってきております。まあ、こういう形になっております。その意味でまあ合理化はわれわれとしてはまだ不十分で、さらに努力してもらいたいと思いますが、相当の成績が上がっておるのではないかと思います。たとえば送電ロス率につきましても、二十六年当時再編成直後は二四・九%の高いロス率でありましたが、その後ずっと下がりまして、三十四年で一二・九%、という、送電ロス率が半減しております。それから火力の熱効率につきましては、二十六年度は平均で一八・八六%ということでしたが、これは現在熱効率は三一・一一%というふうに非常に上昇いたしております。これらの面で総合しまして、非常に合理化はとにかく進められてきておるわけでありますが、人件費につきましては、ただいま申し上げましたように、人はほとんどふえないで設備は倍以上、燃料費も従いまして火力がふえましたから石炭の量が、絶対量が非常にふえておる、こういうことが経理の数字に出ているわけであります。
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栗山良夫#29
○栗山良夫君 それから、きょういただきました公益事業局の「電源開発の推進とその問題点」というのをごく簡単に拝見しましても、将来電力事業を健全化するためのいろいろな方針というものが書かれておる、だから、こういう方針というものが実行されるということの前提で今後おやりになるでしょうけれども、実はこれは別に新しいことでなくて、ただいまの電源開発法でも電源開発に必要な資金というものは政府が責任をもって調達をするとか、その他電源開発を助成すべきいろいろな問題点というものが今までも出尽しておるわけですね。そういうものが政府が伝家の宝刀を押えられるような方向で誠実に履行されたかどうかということが一つ問題があるのじゃないか、その点の説明というものはまだ寡聞にして聞いたことがない、総合的に。政府は当時国民に約束した。そういう問題点というものを一つ一つ克明に実施してきたかどうか、この点は説明を私ども聞いていないわけですけれども、この点の説明もやはり十分にしていただくことがまず第一。それからもう一つは、最近の、最近のというのは二十九年以降でもよろしゅうございますが、先ほど局長のおっしゃったように水力で十五万円、火力で七万円というような巨額の設備を要する、投入した新しい発電所で起きた電気というものは、その電気だけを見れば確かに原価は高い、それが既設の安い原価の電気とコンバインされて今日の価格体系を維持しておるわけですが、しかし、その新しく開発された電力というものが主としてどこに配電せられておるか、これも私は一つの重要な問題だと思うのですね。公益事業として国が供給の責任を持たなければならぬことに今なっております、全部の需用に対して。しかし、それは広義な見方であって、狭義に見るならば、自分の力で発電をすることのできないような、自分の能力で発電をすることのできないような、そういう需用面については、これは供給責任というものを政府があくまでも持たなければならぬ。しかし、大企業のような場合には戦前でもありましたように、電力事業よりは自分で電力を起こした方が安いのだということで自家発電というものがどんどん作られた。ところが、最近私ども聞くところによると、あるいは見るところによると、自家発電が単価が安いからというので建設をせられるという例はほとんどないと思います。工場の余熱利用等で、それは若干はありますけれども、積極的に、そういうことでなしに、自家発電を建設するというような、戦前にあったような姿は全くありません。このことは逆に言うならば、大企業、何方キロというような電力を一工場で消費するような大工場がみずから自家発用の発電所を作るよりは、ただいまの政府がきめておる電気料金によってやった方が安いのだ、安上がりだ、そういうことが理由になって、私は自家発電というものができていないと思います。従って、それを逆に言うならば、せっかく税金を使い、そうして国の金までも投入して、今電源開発をやってできた電力というものは、一体そういうような部面にどの程度流れておるのか、ほんとうに家庭だとか工場の電灯あるいは事業用の電力、中小企業の電力、そういうものに集中して行なわれたのか、その辺の分析というものがはっきりしないと、これまた電力料金の検討あるいは将来の国家資金の投入の仕方等についても、にわかに私は判断がつかないと思うのですね。そういう検討をおやりになっているかどうか。
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