農林水産委員会
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会
会議録情報#0
昭和三十六年五月十七日(水曜日)
午後一時二十七分開会
—————————————
出席者は左の通り。
委員長 藤野 繁雄君
理事
秋山俊一郎君
櫻井 志郎君
亀田 得治君
東 隆君
森 八三一君
委員
青田源太郎君
石谷 憲男君
植垣弥一郎君
岡村文四郎君
重政 庸徳君
田中 啓一君
仲原 善一君
堀本 宜実君
北村 暢君
小林 孝平君
清澤 俊英君
棚橋 小虎君
千田 正君
北條 雋八君
国務大臣
国 務 大 臣 周東 英雄君
政府委員
農林政務次官 井原 岸高君
農林大臣官房審
議官 大澤 融君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
—————————————
本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
(日ソ漁業交渉に関する件)
○農業基本法案(内閣提出、衆議院送
付)
○農業基本法案(天田勝正君外二名発
議)
○農業基本法案(衆議院送付、予備審
査)
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この発言だけを見る →午後一時二十七分開会
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出席者は左の通り。
委員長 藤野 繁雄君
理事
秋山俊一郎君
櫻井 志郎君
亀田 得治君
東 隆君
森 八三一君
委員
青田源太郎君
石谷 憲男君
植垣弥一郎君
岡村文四郎君
重政 庸徳君
田中 啓一君
仲原 善一君
堀本 宜実君
北村 暢君
小林 孝平君
清澤 俊英君
棚橋 小虎君
千田 正君
北條 雋八君
国務大臣
国 務 大 臣 周東 英雄君
政府委員
農林政務次官 井原 岸高君
農林大臣官房審
議官 大澤 融君
事務局側
常任委員会専門
員 安楽城敏男君
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本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査
(日ソ漁業交渉に関する件)
○農業基本法案(内閣提出、衆議院送
付)
○農業基本法案(天田勝正君外二名発
議)
○農業基本法案(衆議院送付、予備審
査)
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藤
東
東隆#2
○東隆君 私はこの機会に日ソ漁業交渉に関連をして、農林大臣にお聞きをいたしたいと思うわけであります。
日ソ漁業交渉は、まさに百日会談の相貌を呈しておるのであります。近日ピリオドを打つようにも聞いておるのでありますが、日本側はまさにネコがネズミをもてあそぶような、そういうような形でいじめつけられておるように私どもは見ざるを得ないのであります。そういうような状態のもとにおいて、非常に政府では苦労をされておるのではないかと思いますが、私は、本年は奇数年次に相当をいたしておりますし、従って豊漁の年に該当をしておる、こういうふうに聞いております。特別小委員会等におけるところの話し合い、そういうようなものも、ことしは豊漁の年に相当しておるのだからというわけで、決して昨年の数よりも総漁獲量において減るような、そういうようなことはない、こういうようなことが、前もってそういうようなことが報告をされておるにかかわらず、現在においては昨年度よりもかえって減るのではないか、こんなような風評さえも出ておる始末であります。私はこういうような点を考え、またソ連側においては、昨年度よりも一万トン増量をすると、こういうようなことも言われておる。そんなようなことを考えあわせてみますと、実にソ連側の言い分は、私はむちゃな言い分を通そうとしておるのではないかと思います。しかも、それに引っかけて、期日が非常におくれた関係から四十五度以南の方面のものが出漁いたしましたのを、非常にたてにとって、そして今回の交渉を非常に困難に陥れておる、こういうふうにも考えられます。そういうふうなことは、これは私は今までの本年まで続けた第六回までの会談において、私は日本のやり口において非常に下手なやり方をやっておる、こんなような点が見受けられてならぬのであります。たとえば、規制区域の問題にいたしましても、私は規制区域をふやすことと漁獲量を増加させる、こんなようなことを一時的にやっている。こんなような歴史を繰り返しておるように見えて、はなはだ残念に思っております。今回の交渉においても、また規制区域の拡大、こんなようなこともほぼ見えて、それとあわせて漁獲量の問題を妥結をさせようと、こんなふうにも見えておりますので、これははなはだ今後の漁業をやっていく方面においても、私は非常に大きな問題で、悔いを残すようなことになろう、こう考えますので、これらの点についても私は強力に主張して、そういうばかげた取引をするような形でもって妥結をしてはならぬ、こういうふうに考えておるのであります。私はさらに今までの交渉その他においては、私どものこの委員会においても秘密会合を開いて、懇談会の形でもって話をしてきた。こんなような形でもって北洋漁業に関する限りは、国民は完全につんぼさじきに乗せられたような点もあろうと思います。従って、私は今後もし問題においてはなはだしく不利な状態に進むような、そういう問題があるとするならば、私は断固としてこんなものは排撃すると同時に、今までのやり方を変えて非常に国民をバックにした形でもってこの交渉を進めていかなければならぬと、こんなようなことも考えるわけであります。そういうような点で、私は今回ピリオドを打とうとするその段階においては、私は主張すべきものを強力に主張していただいて、そうして悔いを残さないような形に進めていただきたい、こういうことを希望いたしますので、この段階において農林大臣のお考え、その他をこの際明らかにしていただきたい、こういうふうに考えるわけであります。
この発言だけを見る →日ソ漁業交渉は、まさに百日会談の相貌を呈しておるのであります。近日ピリオドを打つようにも聞いておるのでありますが、日本側はまさにネコがネズミをもてあそぶような、そういうような形でいじめつけられておるように私どもは見ざるを得ないのであります。そういうような状態のもとにおいて、非常に政府では苦労をされておるのではないかと思いますが、私は、本年は奇数年次に相当をいたしておりますし、従って豊漁の年に該当をしておる、こういうふうに聞いております。特別小委員会等におけるところの話し合い、そういうようなものも、ことしは豊漁の年に相当しておるのだからというわけで、決して昨年の数よりも総漁獲量において減るような、そういうようなことはない、こういうようなことが、前もってそういうようなことが報告をされておるにかかわらず、現在においては昨年度よりもかえって減るのではないか、こんなような風評さえも出ておる始末であります。私はこういうような点を考え、またソ連側においては、昨年度よりも一万トン増量をすると、こういうようなことも言われておる。そんなようなことを考えあわせてみますと、実にソ連側の言い分は、私はむちゃな言い分を通そうとしておるのではないかと思います。しかも、それに引っかけて、期日が非常におくれた関係から四十五度以南の方面のものが出漁いたしましたのを、非常にたてにとって、そして今回の交渉を非常に困難に陥れておる、こういうふうにも考えられます。そういうふうなことは、これは私は今までの本年まで続けた第六回までの会談において、私は日本のやり口において非常に下手なやり方をやっておる、こんなような点が見受けられてならぬのであります。たとえば、規制区域の問題にいたしましても、私は規制区域をふやすことと漁獲量を増加させる、こんなようなことを一時的にやっている。こんなような歴史を繰り返しておるように見えて、はなはだ残念に思っております。今回の交渉においても、また規制区域の拡大、こんなようなこともほぼ見えて、それとあわせて漁獲量の問題を妥結をさせようと、こんなふうにも見えておりますので、これははなはだ今後の漁業をやっていく方面においても、私は非常に大きな問題で、悔いを残すようなことになろう、こう考えますので、これらの点についても私は強力に主張して、そういうばかげた取引をするような形でもって妥結をしてはならぬ、こういうふうに考えておるのであります。私はさらに今までの交渉その他においては、私どものこの委員会においても秘密会合を開いて、懇談会の形でもって話をしてきた。こんなような形でもって北洋漁業に関する限りは、国民は完全につんぼさじきに乗せられたような点もあろうと思います。従って、私は今後もし問題においてはなはだしく不利な状態に進むような、そういう問題があるとするならば、私は断固としてこんなものは排撃すると同時に、今までのやり方を変えて非常に国民をバックにした形でもってこの交渉を進めていかなければならぬと、こんなようなことも考えるわけであります。そういうような点で、私は今回ピリオドを打とうとするその段階においては、私は主張すべきものを強力に主張していただいて、そうして悔いを残さないような形に進めていただきたい、こういうことを希望いたしますので、この段階において農林大臣のお考え、その他をこの際明らかにしていただきたい、こういうふうに考えるわけであります。
周
周東英雄#3
○国務大臣(周東英雄君) お答えをいたします。東委員の御心配の点、まことに感謝をいたす次第であります。私どもも従来からの日ソ漁業の交渉というものは、とかくどうも筋を通さないで、力によって年々不利な形に追い込まれていくような格好は、何とかしてこれをはねのけて筋を通していく交渉にしたい、こういうことで今年は交渉に臨むに先立って、関係委員等とも打ち合わせたしたわけであります。ことに、ソ連が従来から主張しておりますことは、資源論、サケ、マスの資源の状態を見て、その資源を減らさないようにお互いに気をつけて取ろう、その資源の上に立脚して漁獲数量等をきめていきたいというような考え方を述べておりますので、これは私ども賛成だ。しかもそれに関しては、今までの調査というようなものが不完全でありますので、今後においての調査方法、あるいは調査時期等、いろいろな具体的な調査に関して共同に一つ立案して、そうしてその方向に進もう、こういうことまでも言っておったわけであります。
しかも、今年は漁業交渉は、いつかもお話し申し上げましたように、一月二十三日から始まる予定でありましたが、モイセーエフ団長が病気で一月近く日本へ来るのがおくれまして、その間にじんぜん日を空費しないように科学技術委員会を召集して、その委員会においてサケ、マスの資源を論争をしたわけでありますが、その委員会の同意いたしました結論というのは、御指摘のように、本年は豊漁年である、もちろん一昨年の豊漁年に比べるとやや悪いけれども、昨年の不漁に比べるとよろしい、こういうことが一致したわけであります。しかも、これを本会議において確認をいたしております。従って、そういう状態から見ますると、去年よりも漁獲数量等において減るというのはおかしい。これも一つの筋であるということで考えておったわけであります。
しかも、御承知のように漁業交渉については常に問題となるのは、皆さん御指摘のように、いわゆる規制区域、それは日本の母船式鮭鱒漁業の入るところでありまして、その他の区域はソ連カムチャッカ沿岸及びその領海においてとるサケ、川に上るサケ、これを取るのはソ連の漁業計面によって自由にきめられる。また、母船漁業の行なわれる以外の区域、すなわち、四十五度以南の太平洋及び日本海等におけるサケ、マス漁業は、これは日本の政府が自治的に繁殖方法を考えて、規制しながら自由に出漁を認められる区域であります。従って、漁業交渉が問題になるのは、常に母船式漁業でありまする四十五度以北、東経四十五度以西、それと陸等によって囲まれた地域ということであります。オホーツク海はもちろん禁漁区でありますから別でありますが、その範囲に限られておるわけであります。
ところが、ことしはどうした関係でありますか、初めから四十五度以南の日本政府が自由にきめることができる区域も規制区域の中に入れて、漁業交渉の中で数量等をきめる、こういう問題にしたいという希望が出て参りましたが、これは筋が違うということで、いろいろと談合いたしておりました間に、四十五度以南の流し網、はえなわが出る時期が切迫し、おくれましたので、御承知のようにこれの出漁を許可したのです。これを世間に往々強行出漁と申しますが、強行でも何でもない、日本の政府の自主権の範囲内であります。これを出した。これがなかなか、自後における交渉に多少感情的になっているのじゃないかと思いますが、これは私は筋が違うのじゃないかと思うのであります。それを出しました。
それから、その間に、カ二の漁業につきましても非常にぐずついておりましたけれども、これも昨年通り、カ二の繁殖上減っておらぬという委員会の決定に基づいて、ことしおくれましたが、これは昨年通り日本の船を出しました。ただ漁場が多少変わりまして、従来ソ連の漁場であったのが日本に、日本の漁場であったものがソ連の漁業になった、こういうふうに交換したのですが、なかなかおもしろいことに、かえって日本の漁場が今度やっぱり漁獲はいいようであります。こういうふうな状況で、四十五度以南の流し網、はえなわによるサケ、マス漁業もきまり、出漁し、カニ漁業も出ておるわけであります。
残された問題が、今の母船の区域でありまする四十五度以北の海面であります。これにつきましては、昨年は御承知の通り六万七千五百トン日本が取っております。ところが、ことしはそれを五万トンしか許さんというのでして、どうも私どもは納得がいかん。おまけにこの海面におきましていわゆる制限区域といいますか、禁止区域ではありませんが、制限区域を新たに追加して参りました。これも私どもは困る。こういうことで折衝いたし、幸いにして、この新しく設けられる制限区域が三つありましたが、二つはこちらの主張をいれて取ってしまいました。あと一つ南が残っております。これが今の段階であります。ところがどうも漁業の方は、いろいろやっておりましたが、向こうが五万トンを一歩も出ません。私どもの方もそれでもまだ日が何しますので、涙をのんでと申しますか、筋は少し通らぬけれども、いろいろな事情で急ぐこともありますので、昨年よりも五千トン増の七万二千五百トンというものを出して要求を出しましたところ、向うでは五万トンを五千トン上げて五万五千トンにし、最近さらに二千五百トンを増加して五万七千五百トン、ただいま五万七千五百トンと七万一千五百トンが対立している格好であります。
私どもはこの関係は、もう日本がもっと減らせとこういうことでありますが、私どもはあくまでも今日までは、ことしの繁殖状況なり資源状況が悪くないのだから、それに先ほど御指摘のようにソ連の方は漁業計画において、自分の方は七万トンを一万トンふやして八万トンにしておりますから、日本が五千トン去年よりふやすということは最小限度の行き方であって、これを譲ることはできぬと、こういうことでただいま話を進めておりますが、しかし一面に、昨年は十八日にきまって十九日に出ておるという格好で、それから申しますと非常に追い詰められた格好になっております。そこら向こうはなかなかむずかしいような主張をいたしておりまして、あくまでもいろいろ考えてもっとふやすつもりであったけれども、四十五度以南の区域をこっちの言うように中に入れないから、もう今は御破算であるというようなことで主張しているようであります。
幸いにしてあとに御質問になりましたように、もっと世論とともに言ったらどうかという点は、ことしはかなり新聞、世論というものは私どもの行き方を支持してくれまして、日本の主張が筋が通っておるということで支持してくれております。私どもが十二日に、にもかかわらず七万二千五百トン出したら新聞からだいぶたたかれました。筋を通すと言いながら、また陰で妥協しているではないかということで責められたのでありますが、これも現実にやむを得ざる事情でございまするが、そういう形でございますので、私どもとしては、日本としてはいろいろにやっていまして、なかなかきめ手がないのですが、あくまでこれは世論というものと一緒に進めていくということがよいと存じます。今後とも御指摘のような日ソ漁業のごとき対外的な問題については、一番世論を代表する国会の皆様方に相当ある程度話を申し上げまして、御援助をいただくことがよかろうかとかように考えております。
ただいまさような状況でありまして、少しつばぜり合いになっております。どうもやはり業界の方がいろいろ弱いことを言うので、私も困っておりますが、もうここ数日の間激しいつばぜり合いが続くと思います。
この発言だけを見る →しかも、今年は漁業交渉は、いつかもお話し申し上げましたように、一月二十三日から始まる予定でありましたが、モイセーエフ団長が病気で一月近く日本へ来るのがおくれまして、その間にじんぜん日を空費しないように科学技術委員会を召集して、その委員会においてサケ、マスの資源を論争をしたわけでありますが、その委員会の同意いたしました結論というのは、御指摘のように、本年は豊漁年である、もちろん一昨年の豊漁年に比べるとやや悪いけれども、昨年の不漁に比べるとよろしい、こういうことが一致したわけであります。しかも、これを本会議において確認をいたしております。従って、そういう状態から見ますると、去年よりも漁獲数量等において減るというのはおかしい。これも一つの筋であるということで考えておったわけであります。
しかも、御承知のように漁業交渉については常に問題となるのは、皆さん御指摘のように、いわゆる規制区域、それは日本の母船式鮭鱒漁業の入るところでありまして、その他の区域はソ連カムチャッカ沿岸及びその領海においてとるサケ、川に上るサケ、これを取るのはソ連の漁業計面によって自由にきめられる。また、母船漁業の行なわれる以外の区域、すなわち、四十五度以南の太平洋及び日本海等におけるサケ、マス漁業は、これは日本の政府が自治的に繁殖方法を考えて、規制しながら自由に出漁を認められる区域であります。従って、漁業交渉が問題になるのは、常に母船式漁業でありまする四十五度以北、東経四十五度以西、それと陸等によって囲まれた地域ということであります。オホーツク海はもちろん禁漁区でありますから別でありますが、その範囲に限られておるわけであります。
ところが、ことしはどうした関係でありますか、初めから四十五度以南の日本政府が自由にきめることができる区域も規制区域の中に入れて、漁業交渉の中で数量等をきめる、こういう問題にしたいという希望が出て参りましたが、これは筋が違うということで、いろいろと談合いたしておりました間に、四十五度以南の流し網、はえなわが出る時期が切迫し、おくれましたので、御承知のようにこれの出漁を許可したのです。これを世間に往々強行出漁と申しますが、強行でも何でもない、日本の政府の自主権の範囲内であります。これを出した。これがなかなか、自後における交渉に多少感情的になっているのじゃないかと思いますが、これは私は筋が違うのじゃないかと思うのであります。それを出しました。
それから、その間に、カ二の漁業につきましても非常にぐずついておりましたけれども、これも昨年通り、カ二の繁殖上減っておらぬという委員会の決定に基づいて、ことしおくれましたが、これは昨年通り日本の船を出しました。ただ漁場が多少変わりまして、従来ソ連の漁場であったのが日本に、日本の漁場であったものがソ連の漁業になった、こういうふうに交換したのですが、なかなかおもしろいことに、かえって日本の漁場が今度やっぱり漁獲はいいようであります。こういうふうな状況で、四十五度以南の流し網、はえなわによるサケ、マス漁業もきまり、出漁し、カニ漁業も出ておるわけであります。
残された問題が、今の母船の区域でありまする四十五度以北の海面であります。これにつきましては、昨年は御承知の通り六万七千五百トン日本が取っております。ところが、ことしはそれを五万トンしか許さんというのでして、どうも私どもは納得がいかん。おまけにこの海面におきましていわゆる制限区域といいますか、禁止区域ではありませんが、制限区域を新たに追加して参りました。これも私どもは困る。こういうことで折衝いたし、幸いにして、この新しく設けられる制限区域が三つありましたが、二つはこちらの主張をいれて取ってしまいました。あと一つ南が残っております。これが今の段階であります。ところがどうも漁業の方は、いろいろやっておりましたが、向こうが五万トンを一歩も出ません。私どもの方もそれでもまだ日が何しますので、涙をのんでと申しますか、筋は少し通らぬけれども、いろいろな事情で急ぐこともありますので、昨年よりも五千トン増の七万二千五百トンというものを出して要求を出しましたところ、向うでは五万トンを五千トン上げて五万五千トンにし、最近さらに二千五百トンを増加して五万七千五百トン、ただいま五万七千五百トンと七万一千五百トンが対立している格好であります。
私どもはこの関係は、もう日本がもっと減らせとこういうことでありますが、私どもはあくまでも今日までは、ことしの繁殖状況なり資源状況が悪くないのだから、それに先ほど御指摘のようにソ連の方は漁業計画において、自分の方は七万トンを一万トンふやして八万トンにしておりますから、日本が五千トン去年よりふやすということは最小限度の行き方であって、これを譲ることはできぬと、こういうことでただいま話を進めておりますが、しかし一面に、昨年は十八日にきまって十九日に出ておるという格好で、それから申しますと非常に追い詰められた格好になっております。そこら向こうはなかなかむずかしいような主張をいたしておりまして、あくまでもいろいろ考えてもっとふやすつもりであったけれども、四十五度以南の区域をこっちの言うように中に入れないから、もう今は御破算であるというようなことで主張しているようであります。
幸いにしてあとに御質問になりましたように、もっと世論とともに言ったらどうかという点は、ことしはかなり新聞、世論というものは私どもの行き方を支持してくれまして、日本の主張が筋が通っておるということで支持してくれております。私どもが十二日に、にもかかわらず七万二千五百トン出したら新聞からだいぶたたかれました。筋を通すと言いながら、また陰で妥協しているではないかということで責められたのでありますが、これも現実にやむを得ざる事情でございまするが、そういう形でございますので、私どもとしては、日本としてはいろいろにやっていまして、なかなかきめ手がないのですが、あくまでこれは世論というものと一緒に進めていくということがよいと存じます。今後とも御指摘のような日ソ漁業のごとき対外的な問題については、一番世論を代表する国会の皆様方に相当ある程度話を申し上げまして、御援助をいただくことがよかろうかとかように考えております。
ただいまさような状況でありまして、少しつばぜり合いになっております。どうもやはり業界の方がいろいろ弱いことを言うので、私も困っておりますが、もうここ数日の間激しいつばぜり合いが続くと思います。
千
千田正#4
○千田正君 関連して。今の東君の質問に対して、農林大臣からお答えがありましたが、これほど漁業の問題が、北洋漁業の問題がせっぱ詰まってきても、世論が十分沸かないというのはどういうことかということを、私は非常に心配するのです。ということは、ややもするというと、北洋漁業は資本漁業が多く、資本漁業の傘下の独航船等がやる仕事であるから、零細漁民と関係がないのだ、こういうような考え方を持っておる人がある。ところが、現実の問題はそうではなくて、向こうを締め出しを食うというと、必然的に沿岸漁業あるいは零細漁民の方に影響を及ぼしてくるわけであります。また、これは単なる資本漁業のみならず、日本の北洋におけるところの権益を確保するかしないか、国際漁場においての日本の権益が後退するか前進するかというような大きな問題をかかえておりながら、世論が少しも沸かないということはどういうととか、私は非常にその点に疑問を持っているのですね。水産庁あたりは参議院の農林水産委員会に来ましても、これは秘密会議だから、これは秘密だからというふうに、もう扉を閉ざして、大して秘密でもないようなことを秘密のようなふうにお話しになっている。こういうことであっては、ちっとも世論の背景にはならぬし、日本の国民の要望というのはどこにあるのか、日本の国の権益というものは後退するとかいうようなことを国民に植えつける何物もないのであります。ですからせっかく農林大臣は、このつばぜり合いの段階にきまして、相手をやはり押し通していけるか、あるいはこちらが押し沈められるかというこの問題にきて、やはり一番大切なのは、皆後におけるところの日本国民の世論というものを盛り上げて、その力によってもっと日本のつばぜり合いを向こう側の方へ押し進めていくという必要があるのじゃないか。そういう意味においてはどうも世論が沸かない。その原因は奈辺にあるかという点を、一つ大臣もお考えになっておられるでしょうから、その御態度、同町にまたかりにそういうことはおそらくないと思いますが、大臣の御声明によるとないと思いますが、これが七万トン以下になった場合に、当然これは失業者が出てくる、あるいは漁船の調整という問題が出てくる。そのしわ寄せが必ずこれは沿岸漁業あるいは零細漁民、そうして大臣御存じかどうか知りませんが、北洋漁業に行って働いておる労働者というものは、これは沿岸の漁民じゃないでしょう、大部分は山間地帯におけるところの農民、ここの農業基本法に現われてくるところの他産業に従事すると称せられる対象の人たちが、大部分があの船に乗ってそうして行っている。沿岸の漁民は三分の一あるかないか、ほとんどの大部分というのは、山間地帯から北洋に行っておるということを御認識願って、この問題と合わせて今農業基本法という大きな問題をかかえておりますが、同時に将来漁業におけるところの基本法も政府として考えておかれる必要があると思いますから、合わせて御答弁をいただきたいと思います。
この発言だけを見る →周
周東英雄#5
○国務大臣(周東英雄君) 御指摘のように、日ソ漁業の交渉というものは、何か脹れ物にさわるような気持で従来はややもすると、隠された形で動いておったということではないでもないと私は思う。これは私はこういうことこそ大きく世論の盛り上がりを願って、その援助ということが必要だと思います。私このたびはかなりそういう面に向けて、御承知のように、この一ヵ月間近くにおける日本の新聞紙の動向は、論説におきましてもまた社会面におきましても、その点はかなり支持をしてくれたと思うのですが、まだ十分とは思っておりません。そういう点が最も私は大切だと思うのであります。今後ともそういうものについては善処をいたしたいと思います。
それからあとの問題は、これは御指摘の通りで、私も独航船というものの乗り組み員は青森、秋田、山形、岩手等の農業者の方が季節的にその方へ出ておるということは、昔ながらの通りであります。それであるがために、私は必ずしもこれは資本漁業というものばかりじゃなくて、ことに戦後における独航船の経営者と母船の経営者と分離されておることにおいて、一そうその感が深いのでありますから、そういう面も合わせて向こうには主張をいたしておるわけであります。まあことしはだいぶ引き締めてかかっていきましたが、どうも内輪からいろいろ分かれたような意見が出るので大へん因っております。今日までは幸いに一致団結しましたが、どうもこう切迫して参りますと、ここではこのぐらいでいいのだとか、あすこではこのぐらいでいいから早くまとめろなんというのは、そういう点はみんな向こうで利用される。本来の姿はそうでないといってもいかぬようであります。もう一息であります。最善の努力を尽くしていくつもりであります。
この発言だけを見る →それからあとの問題は、これは御指摘の通りで、私も独航船というものの乗り組み員は青森、秋田、山形、岩手等の農業者の方が季節的にその方へ出ておるということは、昔ながらの通りであります。それであるがために、私は必ずしもこれは資本漁業というものばかりじゃなくて、ことに戦後における独航船の経営者と母船の経営者と分離されておることにおいて、一そうその感が深いのでありますから、そういう面も合わせて向こうには主張をいたしておるわけであります。まあことしはだいぶ引き締めてかかっていきましたが、どうも内輪からいろいろ分かれたような意見が出るので大へん因っております。今日までは幸いに一致団結しましたが、どうもこう切迫して参りますと、ここではこのぐらいでいいのだとか、あすこではこのぐらいでいいから早くまとめろなんというのは、そういう点はみんな向こうで利用される。本来の姿はそうでないといってもいかぬようであります。もう一息であります。最善の努力を尽くしていくつもりであります。
東
東隆#6
○東隆君 委員長、私は今の農林大臣のお話等を伺いまして、当委員会で一つ政府を激励する必要がある、こういうふうに考えます。そこで、この委員会で一つ後刻でようございますけれども、決議をして、そうして一つ政府を激励いたしたい、こういう考え方、これ一つ委員長の方でお取り上げを願いたいと思います。
この発言だけを見る →藤
藤
藤
藤野繁雄#9
○委員長(藤野繁雄君) 続いて、農業基本法案(閣法第四四号、衆議院送付)、農業基本法案(参第一三号)、農業基本法案(衆第二号、予備審査)以上三案を一括して議題として質疑を行ないます。
御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いします。
この発言だけを見る →御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いします。
千
千田正#10
○千田正君 私は先般池田総理並びに周東農林大臣に質問いたしましたが、そのほかに若干残っておる点がありますので、それを補足してお伺いいたしたいと思います。それはあのとき農林大臣及び池田総理大臣からもお答えがありましたが、私は農民は寸土といえども手放したくないという考え方、この考え方をどういうふうに、しからば政府が考えておるように二町五反以上百万戸といういわゆる理想の姿に持っていくか、これはなかなかむずかしいのじゃないかという点を申しましたところが、それに対して農林大臣は、また総理大臣もおっしゃっておりましたが、農民といえども日本国民なのだから、だから政府が農民のためによかれとはかったことに協力しないはずはないのだ、こういうお答えでありますけれども、私はあの翌日私の県の農民諸君と会ったのです。そのときの話には、こういうことが出てきたのですね。農業の歴史は日本の歴史と同じように歩んできておる。ところが、いつの時代でも、たとえば戦国時代においては群雄割拠のもとにわれわれはいじめられてきた。ざらにその後幾多の変遷をへていわゆる明治、大正、昭和、こういう時代に進んできて、先般は有史以来の敗戦で日本が国土を失った。国土を失ったけれども、同時に失われた国土に住んでおられた人たちは引揚者として、焦土と化した東京あるいはその他の戦災者が農村地帯に入り込んできた。第一番に何を求めたかというと食糧である。その食糧を求めるためにその人たちは何を手放したかというと、自分の身につけておったすべてのものをほとんど手放すようにして求めたものは食糧である。そのときに、われわれはつくづく感じたのは、どんなことが起きてもわれわれはこの土地だけは放したくない、金は一文もなくても、めしとそれから野菜だけは、太陽のかがやいている限りにおいては、お天とうさまはわれわれを見捨てないのだ、この食糧にしがみついて、われわれの永遠の生命というものを確保するのだ、この大地に根づいたこの思想は、とてものことには簡単には、皆さんの政策のようなこういうりっぱな名文を掲げても、そう動かないと私は思うのであります。
そこで、この間そういう会合の席上で、しからば諸君は何を求めているのだ、政府は諸君のために幸福な農業形態の中に幸福な生活を送るようにという意味で、この農業憲法あるいは農業憲章と称すべきものを出したのだが、これに反対なのか賛成なのか。反対も賛成も今言えないのだ。そこで実際においてほんとうに政府の提案が農民の幸福を考えるとするならば、農民が寸土も放さないというこの思想に対して、前進するところの政策、なるほどという納得のいくところの政策がこの法案に盛られておるかどうかということを考えまして、私はいろいろ検討しておりますけれども、農民が土地を手放してまでも政府の政策に協力するというような段階まで来ておらないのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、この点に対してどういうふうなPRをして、どういうふうにして一体農民諸君の考え方を政府のこの名文にあるような方向に近づけさせようとするかという大体の大きな大づかみのところでよろしゅうございますから、大臣から所信のほどを承っておきたいと思います。
この発言だけを見る →そこで、この間そういう会合の席上で、しからば諸君は何を求めているのだ、政府は諸君のために幸福な農業形態の中に幸福な生活を送るようにという意味で、この農業憲法あるいは農業憲章と称すべきものを出したのだが、これに反対なのか賛成なのか。反対も賛成も今言えないのだ。そこで実際においてほんとうに政府の提案が農民の幸福を考えるとするならば、農民が寸土も放さないというこの思想に対して、前進するところの政策、なるほどという納得のいくところの政策がこの法案に盛られておるかどうかということを考えまして、私はいろいろ検討しておりますけれども、農民が土地を手放してまでも政府の政策に協力するというような段階まで来ておらないのじゃないか、こういうふうに考えるのですが、この点に対してどういうふうなPRをして、どういうふうにして一体農民諸君の考え方を政府のこの名文にあるような方向に近づけさせようとするかという大体の大きな大づかみのところでよろしゅうございますから、大臣から所信のほどを承っておきたいと思います。
周
周東英雄#11
○国務大臣(周東英雄君) ごもっともな御意見でありまして、土地さえ持っておれば、いろいろ悪い場合でも食べ物には不自由せぬという気持で土地を大事にして手放さないという傾向は、私はあると存じます。これは戦争後における食糧難の時代における状況を見て、食糧だけ自家用食糧確保のための農家というものができたことを見てもわかるわけであります。ただ私は法を流れる一貫した考え方というものは、だから日本の農家というものはみんながよくならないで、みんなが小さいままに固まって貧乏を続けなければならぬ状態にあるのだ、その意味におきまして、しかし強制的に離農を進めるわけじゃありませんが、だんだんと現在の経済成長の高度発展に伴いまして、他産業に移動する者ができてきておる。その際になるほど就業労働者の方が主であって、家族をあげて戸数の減はまだ少ないのですけれども、問題は、日本の農業の実態が小さい土地に多数集まってみんなが貧乏しあってやっている形態は変えなければならぬのだ。それについては他に移動すべき第二次、第三次産業の方面がよりよくなって、その方へ行ってもところを得て収入が確保されるのだという形態、私はそれが必要だと思うのです。この点がなければよく社会党さんの方の御質問を受けますが、ごもっともの質問である。現在の状態において移ったって日雇い労働者じゃないか、そういう形態ではかわいそうだ、本職にいけるのかという御質問がありましたが、これはまあ現状においては、いろいろ御質問のような点がありますが、高度発展に伴って、やはりその方面に行ってところを得た職につくについては、職業上の訓練なり、ことに技術訓練というようなものが私は必要であって、正当の場所に技術を持って、そうして雇われるようにしむけていくし、片っ方においては高度成長できた産業面においては十分にその労働者のことも考えてこれを収容する考え方をとっていって、ほかの方に行ってもこれは安全に生活が確保できるというような形を整えることが必要だと思うのであります。これはしかし、口で言うはやすく、実際は困難でありますけれども、日本の農業の零細実態を見ますと、やはりそういう方向に持って行くことがよろしい。これには、私ども何としても鉱工業方面の発展に伴っての技術訓練、職業訓練もやりますが、同時にやり方についてまず最初考えられることは、工場の農山村への移動、つまり都市の分散化計画、未開発地域における工場の誘致、これに関しての特例の法律を作って、今回も議会の御審議を願っております。こういうこととあわせて考えて、農村に居住しながら、その農外所得の得られるように、他の産業に従事しても、しっかりした生活が得られるような賃金が得られるような形もあわせていきたい。これは今度の国会に出しておるのはその一部でございますが、やはり将来としては、私どもはそういう方向で積極的に施策を行なって、ああいうふうなことができたらそっちに行った方がいい、安定できるのじゃないかというような魅力といいますか、施策というものを実際に示すことが必要であろう、こういうように考えております。なかなかむずかしいことでありますが、農村の現在をよりよく発展させるためには、何らか、からを破って新しい方向に進めていきたいと、かように考えておるわけであります。
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千田正#12
○千田正君 それで今度は農村の実態ですが、この兼業農家の諸君並びに自作農諸君にぶつかって聞いてみたところが、現実の問題として、今持っておる土地は放したくないのだ、今持っておる土地はこのままにしてもらいたい。そのかわり、政府はこういう施策をしてもらいたい。こういう非常な熱意で言っていることは、新しく国営開墾、あるいはその他の原野の開墾に対して、一部落あるいは、たとえば三十戸とか五十戸とかという集団で、余剰能力を使って、そうして政府のいい果樹園の経営あるいは酪農の経営、そういう方面に協業をやれというのに大賛成なんです。こう言うのですね。自分らの土地は放したくないのだ、自分らの土地はあくまで自分らで確保しておいて、そうして国営、たとえば林野の開放であるとか、あるいはそういう面の新しい土地の造成に対しては、政府の施策に協力して近代化をやる、協業化といいますか、共同化といいますか、お互いの共同耕作によって、お互いの配分を求める方向にいきたい。ただ、自分たちが持っている土地は放したくない。こういう感情なんですね。こういう考え方に対しては、どういうふうにお考えになっておりますか。
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周東英雄#13
○国務大臣(周東英雄君) その点は、私どもは、そういうふうな希望が地域的にあり、またその地域には開放するといいますか、払い下げをしたり、あるいは使用権の設定をしていくような場所が、適地があれば、これはそういうふうな方向へ導く。またそれがために協業経営までいくというならば、その一部経営について、これは助長していくことは、ちっとも差しつかえないと思っております。
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千田正#14
○千田正君 これは私の県に限ったことではないと思いますが、特に私の県は特異性を持っておって、まあ四国四県と比較するというと、わずかに十六平方キロですか、それだけ少ないだけの大県でありますが、その大部分が山林地帯なんですね。山林地帯であるがために、国有林と、それからいわゆる山林所有の地主が、大きな面積を占めておる。それでその山岳地帯に住んでおるところの山村農民、農民と一緒くたにいわれますけれども、農民という範囲からいえば、いろいろな分析がありますが、その農民と称せられる、そうした国有林であるとか、あるいは地方の大地主、一千町歩、二千町歩と持っているその地主のもとに、長い間、徳川時代から生活しておるところの人たちは、この終戦によって土地開放というようなことをされても、その恩恵には浴していない。今もってその地主の所有土地にすがって生活しておる。ことに今度の農業基本法というような、農業憲法が、かりにこれが実行されても、そういう人たちは、その恩恵には浴さない。相変わらず他人の土地を借りて、そうして、その人が貸さないといえば、死ななければならないような苦しい生活である。しかも薪炭をやる、炭焼きと称しますが、これによって生計を立てておる諸君には、おそらくこの農業基本法というものは徹底しないでしょう。かりにこの人たちが共同して、それならば酪農をやりたい、こういうことを言っても、その自分らの生息している周囲の大部分というものは、大地主によって所有されて、山林開放どころの話でない。新しいところの山林行政に基づいて、逆に大地主の方は植林をする。おそらく一反歩も自分らの手に戻るような土地がないという現状にあるのでありますが、こういう山村における、一括すれば農民と称せられながら耕地さえ持てない、こうした人たちに対する施策は、何をもって一体あなた方の施策が徹底するような方法があるか、これは何をもってやります。
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大澤融#15
○政府委員(大澤融君) 農業構造改善ということで、現状の農家をりっぱなものに引き上げていこうということを、この基本法もうたっておるわけでありますが、それは今の農業のワクの中だけじゃなくて、これは基本法の第四章の第二十二条に書いてございますけれども、農業構造の改善をする場合に、たとえば今御指摘がありましたように、山村での問題といたしましては、農業だけでいわゆる自立経営にならないというようなものは、林業とかみ合わせて、農林一体となって、農業だけで自立経営になり得るものと同じような生活ができるようにということで、国有林等について、国土保全というような立場から差しつかえのないところは、そういうところに土地を提供していこら、山を提供していくというようなことを、今後やろうということで、検討しているわけでございます。
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千田正#16
○千田正君 大澤さん、それはほんとうですか。僕は、あなた、画にかいた餅じゃないかな。実際に言うと、まだ徳川時代そのままのものが生息しているのですよ、農地開放というかつての、今から十五年前の、終戦当時行なわれた農地開放さえもやられてない、山村におけるところの人たちは。大地主の人たちに、しからばそういうふうに、自分のところに、三十戸、四十戸として山林の中に点在している農家の人たちに、それならば政府の言う通り、私の所有山林を開放します、そうして新しいそういう人たちに、今の酪農なら酪農をやらせましょうというふうに、一体、地主が頭を切りかえているかどうか、おそらく切りかえないだろうと私は思う。それから現在あなたのおっしゃったように、国有林を開放するって、ほんとうにそれはできるか。今までも国有林の開放ということは、おそらく地方公共に寄与するというような問題じゃなけりゃ、なかなか国有林など開放してくれなかったじゃないか。それをどういうふうにして、国有林の開放というところまで進めていく考えであるか。あなた、この法律になって、あくまでこの法律を施行するということになると、相当これは問題ありますが、その点はどうなんです。
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大澤融#17
○政府委員(大澤融君) 林業の基本問題と申しますか、基本対策と申しますか、これは農業よりおくれた形になっておりますけれども、この農業基本法案の政府案の第一、十二条に、「国は、農業構造の改善に係る施策を講ずるにあたっては、農業を営む者があわせて営む林業につき必要な考慮を払うようにする」ということで、その思想をうたっているわけであります。林業問題の基本的な対策、基本的な方向の問題につきましては、今後検討を進めていくわけでございますが、そうした場合に、ここに書いてありますような考え方で、農業のみならず、農林一体となって、自立経営になり得るようにという構造改善の方向をいろいろ検討して参る、こういうことを申し上げているわけであります。
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周東英雄#18
○国務大臣(周東英雄君) 今大澤審議官が申し上げましたが、国有林の問題ですが、これは私は、今後の農政をこれからやっていくについて、土地造成との関係において、地域ごとによく調査の上、ことに牧町、草地の設定というようなものに関して、国有林もある程度一役買うということで、私は研究を進めているわけであります。一律に何でもかんでも、治山治水と関係もないようなところを、ただむやみに払い下げるということではないのでありますけれども、やはりここに新しい農政を考えるときに、そういう面については、新しい考え方をもって処置し、あるいは必要な場所に差しつかえない限り、使用権の設定をしていくこともよろしいし、場合によっては払い下げということもあっていい。ただ、その間におきまして、林野を払い下げたあとは、もらったからすぐ伐採して、あと植えないということになれば、治山治水上大きな問題であります。今日国有林としてあることの非常によいことは、それが国のものであるだけに治山治水上切ったら必ず植林をしているということにある。こういうことは、山というものの公共性から見るとやっぱり切ったら植えるというような形をとるような形に調整していかなくちゃいかぬと思います。そういう面を考えて、しかも牧野、草地の必要量造成ということについては今後考えなくちゃなりませんので、そういう点において新しい見地に立って、非常な条件もつくでありましょうが、払い下げなり使用権設定というようなことについて考えたらよかろうということを今申したわけであります。
それから御指摘のように、私は事実を知りませんけれども、私有地で、大地主が山を持っておる。これは別に強制的にどうこうするわけにいきません。しかしそういう点も、ある程度話し合いの上において、日本のその地域にぜひとも一つ共同でもって牧野を作らした方が畜産の上においても役に立つといえば、それは勧奨するということも考えていかなくちゃいけない。強制的にどうするというわけにいきませんけれども、これは私有地と国有地とまた違います。かように考えます。進んでは部落有林野というようなものにつきましても、それをいつかもお話が出ておりましたように、個人に分散することだけが私は必ずしもよいとは思いません。しかしそこらに共同使用の形において新しい農政の用に供する、その地域における農業者のために供するということも一つの考え方であろうというようにこの前も申しておりましたが、これを全部何か分割して払い下げるということは必ずしもいいとは思いませんし、これは地域の町村あるいは部落で持っておったままで使用権の設定をして、その部落の農民のためにはかるということも必要であろう、こういうことをこの前申しておったわけであります。
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千
千田正#19
○千田正君 構造の点については、あとから、これは逐条審議になりますから、あとの問題にしますが、もう一点承りたいのは、との零細漁民、御承知の通り零細漁民と称するものは、これはもう農業と兼業なんですね。全国で約三百万と称せられる零細沿岸漁民と称するものは、ほとんど大部分農業と漁業の兼業である、こういう、面にも今度の農業基本法としての考え方はもちろん及ぶだろうと思うのですが、この点はどうですか。
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千
千田正#21
○千田正君 これは今のところそういう問題も含めてこの案が出されておりますからですが、当然私は漁業の問題になるというと、農業と漁業と兼業であるとすれば、これの裏づけとしてやはり漁業の基本法のようなものが出て初めて農業と漁業の兼業農家というもの、あるいは零細漁民というもの、また一面においては零細漁民であり零細農民であるこの二つのかまえのもとに生活しておる人たちを救う一つの案も出てくる。でこれは将来において、今出ておりませんが、漁業の、沿岸の漁民に対する基本法のようなものは出す御意向があるのですか、どうなんですか。
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周東英雄#22
○国務大臣(周東英雄君) これはぜひ出したいと思っております。これには大きく漁業というものは農業と違った特質を持っているところに、特質のある基本法的なものを出したいと思っております。ただいま法制局でその暫定措置として出そうとしておりますものを実は審議中であります。この国会にできるだけ間に合わせたいと思いますが、もしおくれるようなことがあれば、当然このたび漁業制度調査会が答申をしております案に沿ってどうしても漁業権制度、許可漁業権を入れて考え直さなければならんかと思いますが、これは沿岸漁業に影響するところが大きいのであります。これがおくれておりますが、ようやくこれがことしの三月に答申されております。これらの問題と合わせて適当な法案を将来準備をいたしたいと思います。
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周
周東英雄#24
○国務大臣(周東英雄君) 根本の問題についてただまだ漁業権制度の形が、制度が確立しておりませんから、不完全ではありますが、ただいま法制局において沿岸漁業振興法という名前のものが審議中であります。
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周
周東英雄#26
○国務大臣(周東英雄君) ちょっとその点については多少違っております。そこでもし今度の関係、一部出たといたしましても、追っかけて次の機会には漁業権制度の問題が確立するに従って、それと合わせてもっと基本的なものを出したいと思っておるのであります。
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千田正#27
○千田正君 最後に私は一点。この間お尋ねいたしましたけれども、お答えがなかった点があるのです。それは外国産の農業産物が将来日本に輸入される。それで政府の案としては大体十年後には三千数百億というふうに、私は物の本で読んだ記憶をしておりますが、これは十年後においては一体どれくらいの外国産農産物が国内に入ってくるか。その点であります。
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大澤融#28
○政府委員(大澤融君) 十年後にどの程度の農産物が外国から入るかということは今後の問題になりますので、非常に見通しがむずかしいわけでありますが、培増計画でみております数量、それを基準年次の価格で計算をしてみますと、今おっしゃったように約三千二百億という程度のものになります。
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千田正#29
○千田正君 十年後に三千二百億という膨大な外国産の農産物が入ってくる。それと競争しないように、まあ第二条にはそういう意味のことをうたっておりますね。外国産の農産物が三千数百億十年後には入ってくる。それと競争しないように国内においては別な面においてそれを育成する。それはいずれ各省においての構造その他について、あるいは流通経済、価格調整等の問題が出てくると思いますが、そのときお伺いするとしまして、これに対処するだけの十分な施策の準備があるわけですね。これはどうですか。その点だけお伺いいたしておきます。
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