外務委員会

1968-12-17 衆議院 全114発言

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会議録情報#0
本国会召集日(昭和四十三年十二月十日)(火曜
日)(午前零時現在)における本委員は、次の通
りである。
   委員長 秋田 大助君
   理事 青木 正久君 理事 田中 榮一君
   理事 福家 俊一君 理事 戸叶 里子君
   理事 穗積 七郎君 理事 曽祢  益君
      石田 博英君    宇都宮徳馬君
      藏内 修治君    小泉 純也君
      世耕 政隆君   橋本登美三郎君
      福田 篤泰君    増田甲子七君
      松田竹千代君    宮澤 喜一君
      毛利 松平君    山口 敏夫君
      山田 久就君    石野 久男君
      木原津與志君    黒田 寿男君
      田原 春次君    高田 富之君
      帆足  計君    松本 七郎君
      渡部 一郎君    斎藤 寿夫君
―――――――――――――――――――――
昭和四十三年十二月十七日(火曜日)
   午前十時二十五分開議
 出席委員
   委員長 秋田 大助君
   理事 青木 正久君 理事 田中 榮一君
   理事 福家 俊一君 理事 山田 久就君
   理事 戸叶 里子君 理事 穗積 七郎君
   理事 曽祢  益君
     橋本登美三郎君    福田 篤泰君
      松田竹千代君    石野 久男君
      黒田 寿男君    田原 春次君
      帆足  計君    松本 七郎君
      伊藤惣助丸君    斎藤 寿夫君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 愛知 揆一君
 出席政府委員
        防衛施設庁長官 山上 信重君
        外務政務次官  田中 六助君
        外務大臣官房長 齋藤 鎭男君
        外務省アジア局
        長       須之部量三君
        外務省アメリカ
        局長      東郷 文彦君
        外務省条約局長 佐藤 正二君
 委員外の出席者
        防衛施設庁施設
        部長      鶴崎  敏君
        科学技術庁原子
        力局次長    田中 好雄君
        法務省入国管理
        局入国審査課長 平野 文夫君
        外務大臣官房領
        事移住部長   山下 重明君
        外務省条約局外
        務参事官    高島 益郎君
        専  門  員 吉田 賢吉君
    ―――――――――――――
十二月十七日
 委員渡部一郎君辞任につき、その補欠として伊
 藤惣助丸君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 理事野田武夫君十一月三十日委員辞任につき、
 その補欠として藏内修治君が理事に当選した。
同日
 理事鯨岡兵輔君同月三日委員辞任につき、その
 補欠として山田久就君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
十二月十四日
 ペルー在留邦人の凍結資産に関する陳情書
 (第三八号)
 在日朝鮮人の帰国事業に関する陳情書外三件
 (第三九号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 国政調査承認要求に関する件
 閉会中審査に関する件
 国際情勢に関する件
     ――――◇―――――
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秋田大助#1
○秋田委員長 これより会議を開きます。
 長年当委員会の委員でありました川上貫一君が、去る九月十二日逝去されました。まことに哀惜の念にたえません。ここに哀悼の意を表し、つつしんで御報告申し上げます。
     ————◇—————
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秋田大助#2
○秋田委員長 国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。
 本委員会といたしましては、国際情勢に関する事項について調査をいたしたいと存じますので、この旨議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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秋田大助#3
○秋田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ————◇—————
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秋田大助#4
○秋田委員長 おはかりいたします。
 去る十一月三十日理事野田武夫君、また十二月三日理事鯨岡兵輔君が委員を辞任されましたので、理事が二名欠員になっております。この際、その補欠選任を行ないたいと存じますが、先例により委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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秋田大助#5
○秋田委員長 御異議なしと認め、委員長は、理事に藏内修治君、山田久就君を指名いたします。
     ————◇—————
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秋田大助#6
○秋田委員長 この際、愛知外務大臣及び田中外務政務次官より、就任につきそれぞれ発言の申し出がありますので、順次これを許します。外務大臣愛知揆一君。
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愛知揆一#7
○愛知国務大臣  一言ごあいさつを申し上げます。
 十一月三十日の内閣の改造によりまして、不肖私、全くはからずも外務大臣という大任を仰せつかりまして、顧みてまことに微力で粛然たるものを感ずるわけでございますが、内外の情勢がなかなかきびしいおりでもございますので、誠意を尽くして努力をいたしたいと存じます。何とぞ委員の皆さま方におかれましては、ひとついろいろの意味で御指導をたまわり、またお助けをたまわりますように、切にお願いを申し上げる次第でございます。
 まことに簡単でございますが、一言就任に際してごあいさつを申し上げます。拍手
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秋田大助#8
○秋田委員長 外務政務次官田中六助君。
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田中六助#9
○田中(六)政府委員 このたび政務次官を拝命いたしました。よろしくお願いいたします。拍手
     ————◇—————
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秋田大助#10
○秋田委員長 国際情勢に関する件について調査に入ります。
 質疑の通告がありますので、順次これを許します。戸叶里子君。
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戸叶里子#11
○戸叶委員 外務大臣に御就任されておめでとうございます。
 政策マンといわれていらっしゃる愛知さんが外務大臣になられたことは、たいへんに意義あることだと思います。大いに日本国民の声を聞きながら平和外交を進めていただきたいと思います。
 そこで、今日、外交上にはいろいろ問題がございますが、一番大切なことの一つとしてまずあげられますことは、日米関係をどうするかということではないかと思います。アメリカではニクソンが大統領になりまして、そして聞き伝えられるところによりますと、また日本をかつて訪問したときの発言等を照らし合わせてみましても、アジアにおいて軍事的、経済的な責任は日本が負うべきであるとか、あるいはまたアジアでアメリカの青年の血を流すのは当を得ていないとか、そういうような発言が私どもは印象に残っておりますだけに、今後非常に心配になる面があるわけでございます。また一方におきましては、二十三年間の異民族の統治ということに対しての県民の反撃、そして基地で悩まされている沖繩県民の反撃ということから、屋良主席が当選をしたわけでございまして、こういうふうな情勢を踏まえての外務大臣でおありになりますから、よほど将来の見通しを立ててがんばっていただかなければならない、私はこう考えるわけでございますが、ここで一番大事なことは、国民の世論を背景に、そしてまた多くの人たちの意見を聞きながら、まずアメリカにははっきりとしてもの申していく。アメリカのいうことに従うということでなくして、言うべきことは言うという外交の転換が、いま一番大事なときではないかと思いますが、これに対しての御決意のほどをまず承っておきたいと思います。
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愛知揆一#12
○愛知国務大臣 まず御激励をいただきまして、まことに感銘いたすわけでございます。
 日米関係につきましてのお尋ねでございますが、お話しのように、ちょうどアメリカも新しい政権がまさに発足しようとしているときでもございますし、日本側としては、アメリカとの間に多くの問題を持っておることでもございますから、私といたしましても、この際、異常な決心でこのむずかしい局面に当たらなければならないと、かたく覚悟をきめておるわけでございます。
 第一に申し上げたいと思いますことは、いまもお話がございましたが、これはアメリカに対するだけではなくて、日本の外交の主体性と申しましょうか、日本の国民が何を求めているか、何を欲しているかということを十分にわきまえて、これをどこの国に対しましても十分に主張していかなければいけない。この態度が私も非常に必要なことだと思うのでございまして、実は、日米間は、その中でも一番大切な中核になるところであると思いますから、特に対米外交につきましては、その点に十分の配慮をし、また自分としても十分の覚悟をきめて当たってまいりたい、かように存じておる次第でございます。
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戸叶里子#13
○戸叶委員 いま愛知外務大臣から、今後の外交について重要性を認識して、十分に覚悟をきめてやっていただくということでございますから、おそらく言うべきことはどしどし言っていただけるというふうに私は期待をするわけでございます。
 きょうは、沖繩の問題を二、三点と、原子力潜水艦の寄港の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 そこで、この沖繩の問題でございますが、前の外務大臣の三木さんの意見等において、自民党の方々の中にも沖繩の返還は本土並みというようなことが言われ、それはやはり、国民がせめても本土並みで返してもらいたいという、そういう気持ちであるのを背景にしての御意見だと思います。ところが、総理大臣のほうは、なかなかそうまではおっしゃらずに、早期返還であるならば本土並みはむずかしいというような答弁を、私は予算委員会等でもじっと聞いておりましたけれども、そういうお考えを吐露されております。そうすると、この二つの意見があるわけでございますけれども、これをどういうふうに調整をされていこうとするのか、これをまずお伺いしたいと思います。
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愛知揆一#14
○愛知国務大臣 この問題につきましては、私はこういうふうに考えておるわけでございます。
 佐藤総理がしばしば言われておるところでございますけれども、まず沖繩の返還ということが早期に望まれている。このことは何よりも明白な事実であろうかと思いますので、これに全力をあげていきたい。同時に、日本、それから沖繩——施政権返還になればもちろん日本でございますが、沖繩を含む日本の安全を今後確保していく。これはまた一番大切なことではないかと思うわけでございます。また、日本を含み、かつ日本と不可分の関係にある極東の平和、安全を保つということが、私としては非常に大切なことではないかと思います。そういう観点から考えて、現に沖繩がアメリカの施政権下にあって、基地を持っておる。そうして、それがわれわれの安全のためにどういうふうに位置づけられておるかということを、これまたほんとうに真剣に取り組んでいかなければならない。この早期返還ということと安全ということ、これはいわば人によっては二律背反的にとる人もあろうかもしれませんけれども、私は、そこの間の調整をはかっていくということがこの問題のむずかしいところではないかと思います。しかし、そのむずかしいところにぶつかりまして・国民の考え方、あるいはこれも総理のよく言っておられることでありますが、国際情勢の変化あるいは軍事科学等の見通しというふうなこともあわせて十分洞察しながら、適切な道を発見していくこと、同時に、これは現に施政権を持っておりますアメリカが相手でございますから、返還の交渉に当たるためには、十分話し合いで、両方率直に意見を交換しながら解決の道を探求していかなければならない。これがまた非常に言うはやすく、なかなかむずかしいところであると思いますけれども、その間に私は誤りなきことを期していきたい、こういうふうに考えるわけでございます。
 ただいまもお話がございましたように、いろいろの意見があるということは、ある意味ではこれは当然のことではないかと思いますが、ただ、ただいま御指摘がございました、三木前外務大臣あるいは佐藤総理との間に意見の相違があるといわれておりますけれども、私が考えるところでは、これは基本的な考え方には違いがない、かように考えておる次第でございます。
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戸叶里子#15
○戸叶委員 いまの御答弁を伺っておりまして、いろんな意見がある、そうだと思います。そうしてこれから交渉で煮詰めていくのだと思います。しかし、日本の政府として、外務大臣として、いろんな交渉をしていく上にあたって、やはり一つの考え方がなければ前進というものはないと思います。第一回の日米のこの問題に関しての会談のときに、アメリカ側のほうから、国民の世論はどうであるということはわかったけれども、それでは政府は何を考えているのか、こういうことが聞かれたということも伝えられております。したがって、今後交渉にあたっては、政府は何を考えているか。こういろ意見もございます、こういう意見もございます、これだけ投げるだけであっては前進はしないと思います。私たちはこう思います、こういうことがなければ煮詰まっていかないと思うわけです。そこで、愛知外務大臣のお考えは、先ごろ新聞で拝見いたしますと、本土並みが望ましい、こういうふうなことを言っていらっしゃいますけれども、こういうことをベースにして交渉をお始めになると考えてもよろしいかどうか、これをお伺いしたいと思います。
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愛知揆一#16
○愛知国務大臣 実は数カ月前でございます。もちろん就任前でございますけれども、私の申しましたことが活字になっておるものもございます。望むらくは本土並みというふうにこれが表現されている部分もございます。で、これは何と申しますか、私のいろいろの前提やいろいろの考えなければならない条件などを別にして、いわば話しことばとして素朴なと申しましょうか、気持ちをあらわしたものでございまして、実際の交渉あるいはそれに臨むわがほらの腹案というものをほんとうにかっちり積み上げてまいりますためには、いろいろまた考えなければならない前提の条件や、また希望する項目などもございますわけですから、私の素朴な感情は、もちろん頭に入れながら、しかも実際的で、そして日本の国益のためにどうあったらいいか、日本の安全を確保するためにはどうあったらいいか、しかもなおかつ一日でもすみやかな返還を求めるのには最善の選択はどういうところにあるかということを、私自身といたしましてもいまほんとうに一生懸命で探求しておるわけでございます。
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戸叶里子#17
○戸叶委員 その御苦労のほどはわかりますけれども、やはり腹がまえとしてしっかりこうでありたいということがその表面に出てこなければ、そういうことを考えながらもアメリカの言うとおりになっていくのじゃないかという不安が私どもにはあるわけです。
 そこで、もう少し具体的にお伺いいたしますと、佐藤総理大臣が所信表明演説の中で、日米相互信頼の上に立って安全保障上の要請を踏まえつつ沖繩の早期返還実施のために、ということを言っておられます。そこで、日米相互信頼の上に立って安全保障上の要請を踏まえつつということばが、私の耳には残って離れないわけです。国民もおそらくそうだと思うわけです。予算委員会においてもそのことずばりとしてまだ伺っておらないと思いますけれども、たとえば具体的にいって、アメリカのほうから安全保障上こういう基地のあり方が望ましい、こういうようなことが言われれば、その要請に応じるというのでしょうか、どうでしょうか。この点をお伺いしたいと思います。
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愛知揆一#18
○愛知国務大臣 先ほど申しましたように、私は、一つの大きな問題は、日本及び沖繩のセキュリティーということを確保する、このことがやはり大きな命題でなければならないと思うのであります。そういう意味で、日本の立場においてどういうふうなかまえ方をしたならばいいのだろうかということを自主的に私は考えるべきだ。そしてそれを腹に持ちながら——率直に申しますと、現在のところはアメリカが施政権者である。そしてそういうふうなセキュリティーの問題の責任をとってくれているわけでございます。その現に責任者である立場において、沖繩の地位というものをどういうふうに認識し、どういうふうにかまえているのかということも、私どもとしては返還後のセキュリティーということを考えた場合に、いままでのアメリカの考え方あるいは今後どういうふうに考えていくということも、私どもが一つの決心というか対策を立てるためには絶対的に必要な条件じゃないかと思う。そういう意味におきましては、こちら側の主体的な構想を立てるためには、やはり日米間の隔意ない懇談といいますか、相談というものがまず必要ではないか。そういうことをも考えてみますと、いまたとえば私が一つの案を持って、そしてこれでなければだめだと断定的にきめてかかることは、かえって早計であって、当を得たものではないのではないだろうか、こういうふうに考えておるわけでございます。
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戸叶里子#19
○戸叶委員 そこで、二点お伺いしたいのは、先ほどもちょっと触れましたけれども、アメリカ側から日本の政府はどう考えているかというようなことを聞かれたときに、いままだ暗中模索ですというお答えをなさるかどうかということが一点。
 もう一つは、いま大臣は、自主的に考えて諸般の情勢とにらみ合わせての結論を出していくと言われましたが、このことは、参議院の予算委員会でも、総理が「日本独自の考えを貫きたいと考えるから、アメリカがどう思おうと支障がないというならば、日本が独自のものを強く主張するか、問題はそこなんです。日本が安全だと判断すれば、それ以上のものをアメリカが必要だといっても、さようなものは必要ないじゃありませんかとはっきり申します。」こういうことを言われているわけです。そうなってまいりますと、一体今日の段階において、日本の政府としては、沖繩に核というようなものが必要だというふうなお考えを持って臨んでいられるのか、そういうものはいまは必要ないという考えで臨んでいられるのか、ここにやはり重要な観点が、重要な問題が出てくるのではないかと思いますが、それに対するお考えを伺いたいと思います。
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愛知揆一#20
○愛知国務大臣 暗中模索しているわけではございませんし、それから今後におきましても、一方において世論の動向を見ながら、またただいま申しましたように、アメリカ側がアメリカ側の立場で、日本及び沖繩あるいはそれと不可欠な関係にある極東の平和、安全ということに対して、沖繩の位置というものをどういうふうに考え、かつこれをどういうふうに活用していこうとしているのかということも、こちら側としては十分にわきまえなければならない。これがやはり日本の主体的な、自主的な立場にも通ずるのではないか。一つのことをこちら側が億測をたくましゅうして、一方的に早計に一つの固定した考え方で臨むということでは、私は、ほんとうの日本の国益に合致するような結論を導くことはなかなかむずかしいのではないか、こういうふうに考える。同時に、私は、外交問題の権威者がおそろいのこの委員会でございますので、たいへんなまいきなことを申すようで恐縮でございますが、同時に、こうした大きな外交問題に対して、いわば外交としての本質というものを考えてみました場合に、早計に一つの考え方を断定的に出して、そうしてそれで押していくんだ、できなければどうとかというふうに考えるのは、外交というものの本質からいって、とるべき策ではないんじゃなかろうか。ことに私は、沖繩問題の扱い方に対して、日米の相互信頼関係の上に立って、あくまで話し合いで煮詰めていかなければならない、これは闘争の外交、対決の外交であってはならないと思います。幸いにして、日米間の関係というものは、これは見る方によってはいろいろの見方もございましょうが、私としては、現在の日米間の関係ならば、ほんとうにもっと突っ込んで十分に話ができる環境にある、またこれを大いに活用しなければならないと思っております。何ぶんにも、この間予算委員会でも問題になりまして、たとえばせっかく佐藤・ジョンソン会談があったのに、その後沖繩の返還を前提にした継続的な協議というものがあまり行なわれていないではないか、五月に一回行なわれただけではないかという御指摘もございました。事実そのとおりであるかもしれませんけれども、これは何も正式のテーブルをはさんで、双方何人も代表を出してというような形だけが私は外交ではないと思います。これは今後まことに微力でございますけれども、私もあらゆる知恵才覚をしぼりまして、いま申しましたような点について探求をいたします。しかし、それはいつまでかかるというような長い時間を前提にするわけにまいりません。まず私自身といたしましても、アメリカ側の率直で真剣で誠実な態度やものの見方というものを掌握したいのでございます。その前に、あるいはまた世論ももうきまっているというふうに見る見方もございましょうが、世論に対しても、問題の所在、私どもの考えなければならないテーマを率直に提供いたしまして、そして相ともにまた考えていただくことも必要じゃないだろうか。そういう意味で、私は、総理と同じといいますか、総理はこの問題に取り組んでたいへん熱心に継続的にやっておられますところへ、私が今回こういう地位についたわけでございますから、その総理が白紙と言われる気持ちもよくわかるし、いわんや、私としていま白紙以上のことを申し上げるということはできにくい、こういうふうな私の考えでありますことを御了察いただきたいと思います。
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戸叶里子#21
○戸叶委員 外務大臣のいまの御答弁を伺っておりまして、私が質問したことには残念ながら答えていただいておらないと思います。たとえばアメリカ側から日本の政府はどういう考え方かというふうに聞かれたときに、いまおっしゃったようなことでは、どうも私どもは納得がいきませんのと、それからもう一つ伺いました、いまのこういう国際情勢、ベトナムの問題等も解決しつつあるこういうふうなときに、日本政府として沖繩の基地に核兵器を置く必要があると思うのかどうかという質問に対してもお答えをいただいておらないと思います。そのことだけでけっこうですから、お考えのほどを承っておきたいと思います。
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愛知揆一#22
○愛知国務大臣 私は、実はそれに端的にお答えができないのでありまして、これも総理のことばをたびたび引用して恐縮なんでありますけれども、こういう点については、国際情勢の分析、認識、それから現にあるいは今後予想される軍事科学、核戦力といったようなことについての考え方、見通しというものももっと突っ込んで真剣に検討し、そして国民の間にも考えていただくために問題を提供しながら、一面において世論を醸成していくというふうに考えるべきじゃないだろうか、こういうふうに思っておりますので、端的にイエス、ノーでお答えする能力も立場もまだ私にはないことを、先ほど申しましたように御了察いただきたいと思うわけでございます。
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戸叶里子#23
○戸叶委員 実は国民の聞きたいところはそこだということを認識しておいていただきたいと思います。
 そこで、それではお伺いいたしますけれども、総理も、予算委員会等で、大体両三年に沖繩返還をするという中で、もうあと二年のうちには返還をするというようなことをはっきりおっしゃったようでございますけれども、そしてまた、いまの外務大臣の御答弁の中にも、まず早期返還をして、そして基地の問題等の解決に当たっていく、こういうふうなことでございましたが、それではお伺いいたしたいのは、来年総理の訪米にあたっては、大体基地のあり方、態様というもののめどをつけた上で訪米なさろうとしているのか、それとも基地のあり方に対してもめども何もつけずに早期返還だけを持っていかれるのか、この辺の心がまえのこともお伺いいたしたいと思います。
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愛知揆一#24
○愛知国務大臣 この点は、まず第一に、すでに御承知のように、こちら側の心組みといたしましては、来年の秋佐藤総理が訪米してこの問題を煮詰めて決着をしたい、こう考えておることは事実でございますから、アメリカ側の都合もありましょうけれども、わがほうといたしましては、それまでに、こうしていきたいということはもちろん持っていかなければいけないと思っております。その際に、返還だけを考えるのか、こういう御質問でございますが、やはり沖繩の返還ということは、日本の完全な領土に復帰してもらうことでございますから、セキュリティーの問題その他もあわせて考えていかなければならない、また、これはワンパッケージとしての中の問題として取り上げていくべきであろう、私はこう考えております。
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戸叶里子#25
○戸叶委員 いまの問題で、どうもいままでの御答弁を伺っていますと、沖繩の返還はするけれども、基地の問題が何かうやむやになりそうで心配でございましたが、ともかくワンパッケ−ジでこれを解決する、そしてまた、来年訪米までには何らかのめどをつけていくのだ、こういうふうなことがはっきりしたわけでございますが、そのめどがつき次第、こういう形の基地の返還をするのだということは、はっきり国民にお知らせになりますね。
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愛知揆一#26
○愛知国務大臣 それは、そういうかまえで問題を取り上げていくことは当然であろうと私は私えております。
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戸叶里子#27
○戸叶委員 次に、B52の問題を一、二点伺いたいと思いますけれども、B52というのは、四十年の七月二十八日に沖繩に待避していて、そして南ベトナムの戦争に直接参加した。これが初めてでございました。その当時、アメリカの国務省のスポークスマンが、私が知る限り、沖繩基地の爆撃機をこのように使用する場合には、日本政府の事前通告は要らないけれども、事前に通告するのが適当と思うと発表をいたしました。それから椎名外務大臣も、ベトナムヘの直接発進は避けてほしいという申し入れをいたしております。ところが、当時そういうふうに言っておられたのに、四十三年の二月五日ごろから嘉手納にずうっと移動をしてきたわけです。にもかかわらず、通告するのが適当であると思うと言われながら、一体その後日本に通告があったのですか。ベトナムに行きますという通告があったのかなかったのか、それもうやむやにされている。そして、こういうものは県民感情に困るから直接の発進は避けてほしいという椎名外務大臣のそういう要請も、うやむやにされたまま今日まで常駐している。こういうふうに無視されてくるから、そしてひとりでに一つの例を積み上げていってしまうから、いろいろな支障というか、いろいろななめられた外交というものが今日まで行なわれてきたと思うのです。そういうことを一つ一つ区切りをつけていかないところに問題があるわけで、アメリカはそういうふうに通告するのが適当と思うと言いながら、しないでずうっとなしくずしにやっていくという、こういうあり方というものは、私は非常に無礼だと思うのですけれども、この点についてはどういうふうにお考えになりますか。いまいるからしかたないといえばそれまでですけれども、今後のこともありますから、そういう点をはっきりさせておいていただきたい、こういうふうに思います。
 そしてそれに関連いたしまして、B52の爆音とかその姿というものは、私はこの間沖繩で飛び立つところを見まして、よく沖繩県民が心臓病にならないなと思うほど、私は心臓がどきどきいたしました。そしてまた非常に心配になりました。そういうふうな点から見まして、そしてまた一日に二回ずつ、午後一時と三時に飛び立っていくわけですけれども、これを常駐ではないと言っておられますが、私はこれはことばのあやだけであって、常駐というふうに見ていいんじゃないか。こういうことをまずはっきりさせていただきたいと思います。
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愛知揆一#28
○愛知国務大臣 実は私、就任前にどういうふうなやりとりがあったかということは、正確に詳細に承知しておりませんけれども、とにかく私は、いまの御不審あるいは御不満、お考えになっておられる点はごもっともだと思うのです。ことにこれは、かねがね私も外務大臣になる前から心配しておった問題でございますから、就任早々ジョンソン大使を招きましたときにも、沖繩全体の返還問題という大きな問題も控えておりますが、当面緊急の問題といたしまして、私としてあらためてこのB52の問題に対して注意を大いに喚起いたしました。これはまず当面の問題といたしましては、沖繩の県民がほんとにはだに触れて、ほんとにこれはやりきれない思いをしているわけで、それにまずこたえてあげなければならない。これは条約上、法律上の問題からいたしますれば、あるいは事前通告というようなことは必要ないことなんですが、そういうことは抜いてというか、あるいはそれ以前の問題として、私は、沖繩の人たちの気持ちを自分の心として、何とかこれはやってほしいということで注意を喚起いたしまして、ジョンソン大使としては、一つは、B52の発進基地としてこれを恒久化するものでないということはアメリカ政府の態度でございます。これはとにかく再確認はいたしました。それから今後の問題でございますけれども、情勢が好転して沖繩をB52が利用しないで済むような状態をつくり上げるということについて、大きく努力をしなければなりませんということは申しておるわけでございますが、これは一度の会談や申し入れくらいで片づく問題ではないと思いますから、今後とも十分現地の情勢も注視しながら、私どもとしてもできるだけのことをしたいというふうに考えております。
 なお、本件につきましては、私は旧知の間柄でもございますので、屋良さんの真情あふるる気持ちをほんとうに伺い、同感の意を表したようなわけであります。何とかひとつ最善の努力を続けてまいりたいと思います。
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戸叶里子#29
○戸叶委員 ことばにとらわれるわけではございませんけれども、それでは常駐というのは、何年たてば帰りますとか、そういうふうな恒久的な約束なり何なりをしたときに常駐というのであって、いまのように年じゅういても常駐とはいわないのですか。この点がどうしてもいろいろ考えていきますと私はわかりませんので、念のために伺っておきたいと思います。
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