税制問題等に関する調査特別委員会

1990-06-21 衆議院 全537発言

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会議録情報#0
平成二年六月二十一日(木曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 山崎  拓君
   理事 加藤 紘一君 理事 工藤  巌君
   理事 関谷 勝嗣君 理事 中西 啓介君
   理事 中村正三郎君 理事 佐藤 敬治君
   理事 村山 富市君 理事 和田 静夫君
   理事 渡部 一郎君
      伊吹 文明君    太田 誠一君
      岡田 克也君    奥野 誠亮君
      金子 一義君    小泉純一郎君
      小杉  隆君    古賀 正浩君
      桜井  新君    笹川  堯君
      鈴木 宗男君    田原  隆君
      高鳥  修君    野田  実君
      野中 広務君    鳩山由紀夫君
      林  義郎君    平沼 赳夫君
      藤井 裕久君    町村 信孝君
      村井  仁君    村上誠一郎君
      村山 達雄君    柳沢 伯夫君
      大木 正吾君    嶋崎  譲君
      鈴木喜久子君    筒井 信隆君
      戸田 菊雄君    中沢 健次君
      早川  勝君    武藤 山治君
      安田 修三君    渡辺 嘉藏君
      井上 義久君    小谷 輝二君
      日笠 勝之君    山田 英介君
      正森 成二君    吉井 英勝君
      高木 義明君    中井  洽君
      江田 五月君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  海部 俊樹君
        大 蔵 大 臣 橋本龍太郎君
        厚 生 大 臣 津島 雄二君
        建 設 大 臣 綿貫 民輔君
        自 治 大 臣 奥田 敬和君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      相沢 英之君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 佐藤 守良君
 出席政府委員
        内閣法制局第三
        部長      津野  修君
        公正取引委員会
        事務局官房審議
        官       矢部丈太郎君
        総務庁長官官房
        審議官     増島 俊之君
        経済企画庁調整
        局長      勝村 坦郎君
        経済企画庁国民
        生活局長    末木凰太郎君
        経済企画庁物価
        局長      田中  努君
        国土庁土地局長 藤原 良一君
        大蔵省主計局次
        長       藤井  威君
        大蔵省主税局長 尾崎  護君
        大蔵省証券局長 角谷 正彦君
        大蔵省銀行局長 土田 正顕君
        国税庁次長   岡本 吉司君
        国税庁直税部長 福井 博夫君
        国税庁調査査察
        部長      龍宝 惟男君
        文部省高等教育
        局長      坂元 弘直君
        文部省体育局長 前畑 安宏君
        厚生大臣官房総
        務審議官    加藤 栄一君
        建設大臣官房総
        務審議官    福本 英三君
        自治大臣官房総
        務審議官    芦尾 長司君
        自治大臣官房審
        議官      紀内 隆宏君
        自治大臣官房審
        議官      遠藤 安彦君
        自治省行政局選
        挙部長     浅野大三郎君
        自治省財政局長 持永 堯民君
        自治省税務局長 湯浅 利夫君
 委員外の出席者
        議     員 伊藤  茂君
        議     員 神崎 武法君
        議     員 中野 寛成君
        議     員 菅  直人君
        議     員 森井 忠良君
        議     員 宮地 正介君
        議     員 中村 正男君
        議     員 元信  堯君
        地方行政委員会
        調査室長    渡辺  功君
        大蔵委員会調査
        室長      兵藤 廣治君
    ─────────────
委員の異動
六月二十一日
 辞任         補欠選任
  小泉純一郎君     野中 広務君
  田原  隆君     古賀 正浩君
  吹田  愰君     野田  実君
  中井  洽君     高木 義明君
同日
 辞任         補欠選任
  古賀 正浩君     田原  隆君
  野田  実君     吹田  愰君
  野中 広務君     小泉純一郎君
  高木 義明君     中井  洽君
    ─────────────
六月二十日
 消費税法の即時廃止に関する請願(江田五月君紹介)(第二三七四号)
 同(岡崎トミ子君紹介)(第二三七五号)
 同外一件(草野威君紹介)(第二三七六号)
 同(佐藤徳雄君紹介)(第二三七七号)
 同(平田米男君紹介)(第二三七八号)
 同(藤原房雄君紹介)(第二三七九号)
 同(正森成二君紹介)(第二三八〇号)
 同(山花貞夫君紹介)(第二三八一号)
 消費税廃止に関する請願(大野由利子君紹介)(第二三八二号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 消費税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出、衆法第四号)
 消費譲与税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出、衆法第五号)
 地方交付税法の一部を改正する法律案(伊藤茂君外七名提出、衆法第六号)
 税制再改革基本法案(伊藤茂君外七名提出、衆法第七号)
 消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇号)
 派遣委員からの報告聴取
     ────◇─────
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山崎拓#1
○山崎委員長 これより会議を開きます。
 伊藤茂君外七名提出、消費税法を廃止する法律案、消費譲与税法を廃止する法律案、地方交付税法の一部を改正する法律案及び税制再改革基本法案並びに内閣提出、消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。
 この際、各案審査のため、昨二十日、宮城県に委員を派遣し会議を開きましたので、派遣委員から報告を求めます。中村正三郎君。
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中村正三郎#2
○中村(正三郎)委員 派遣委員を代表いたしまして、団長にかわり私からその概要を御報告申し上げます。
 派遣委員は、山崎拓委員長を団長として、加藤紘一君、工藤巌君、関谷勝嗣君、佐藤敬治君、村山富市君、和田静夫君、渡部一郎君、正森成二君、中井洽君、江田五月君と私、中村正三郎の十二名でありましたが、現地参加委員として戸田菊雄君が参加されました。
 会議は、ホテル仙台プラザにおいて開催し、現地各界の意見陳述者の方々から、現在本委員会で審議中の五法律案について意見を聴取し、これに対して熱心な質疑が行われました。
 意見陳述者は、東北経済連合会副会長兼専務理事竹澤清隆君、宮城友愛会議議長佐竹元春君、宮城県古川市長千坂侃雄君、東北学院大学経済学部教授野崎明君、東北電力株式会社取締役宮城支店長針生弘吉君、日専連仙台会常任理事松沢健男君の六名であり、消費税法等の一部を改正する法律案に賛成する立場からの意見と、消費税法を廃止する法律案外関連三法案に賛成する立場からの意見がありました。
 その陳述内容につきましてごく簡単に申し上げますと、消費税法等の一部を改正する法律案に賛成する立場からの意見としては、消費税は、先般の税制改革が所得、消費、資産等の間でバランスのとれた税体系を整備するために導入されたものであり、豊かな高齢化社会を支えるための安定的な税として評価できること。定着している点としては、税の転嫁や納税事務等にあっては余り問題が生じていないこと、むしろ廃止された場合は、導入時の苦労を再度味わうことになること、また、将来の税制に展望のないまま廃止することは、企業経営に大きな支障を生ずること。今回の見直しにおける飲食料品に対する小売非課税その他非課税措置の拡大は、いわば暮らしの視点に立った見直しであり期待できること等が挙げられました。
 このほか、消費税は現在貴重な地方の一般財源となっていることから廃止は適切でなく、また、個別間接税の復活や法人税率の引き上げ等廃止に伴う代替財源案は、現在の社会経済情勢、特に、国際化の進展の中にあって適切なものとは言えない等の意見が表明されました。
 また、消費税法を廃止する法律案外これに関連する三法案に賛成の立場からの意見としては、導入の経緯については、公約違反であること及び不公平税制の是正等が先になされるべきであったこと。構造的欠陥については、所得に対する逆進性があること及び中小事業者の事務負担に配慮したとされる簡易課税制度等にあっては、消費者の負担した税が国庫に入らない場合があることや、そのため事業者が消費者から不信感を抱かれている場合もあること。見直し案については、例えば飲食料品について小売段階を非課税とする等の措置を見ても、見直しに応じて飲食料品の価格が下がる保証はないなど逆進性緩和の措置として不十分であるばかりか、税制をより複雑なものとして事務負担を増大させるおそれがあること、簡易課税制度等について十分メスが入ったと言えないこと等が挙げられました。
 このほか、消費税の申告・納税が順調であるとしても、これは国民が納得したためではなく、このことをもって消費税は定着したとは言えないし、福祉ビジョンを明らかにした上で国民負担のあり方を議論すべきである等の意見が述べられました。
 次いで、各委員から陳述者に対し、消費税の見直し案に対する評価、是正すべき不公平税制及び行うべき行財政改革の具体的事項、逆進性の見方、消費税定着に関する見解、土地保有税の新設等土地税制を初めとする資産課税見直しの必要性、消費税の見直しに関連し、簡易課税制度等の問題点や税率引き上げの可能性、福祉への優先充当、さらに見直しに係る事務負担と事業者の具体的対応、先般の税制改革が一般勤労者に与えた影響や地方財政への影響、所得の平準化状況、法人の税負担のあり方等について質疑が行われ、滞りなく全部の議事を終了した次第であります。
 以上でありますが、会議の内容は速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと存じますが、速記録ができましたならば、本委員会の会議録に参考として掲載いたしたいと存じますので御了承願います。
 なお、現地会議の開催につきましては、地元の関係者を初め多数の方々の御協力をいただきました。ここに深く感謝の意を表し、報告を終わります。
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山崎拓#3
○山崎委員長 以上で派遣委員からの報告は終わりました。
 お諮りいたします。
 ただいま報告のありました派遣委員の現地における会議の記録は、中村君の申し出のとおり、本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山崎拓#4
○山崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
    〔会議の記録は本号(その二)に掲載〕
    ─────────────
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山崎拓#5
○山崎委員長 次に、本日の午前は、特に、伊藤茂君外七名提出の各案について質疑を行います。
 なお、本日は、午後一時から本会議が予定されておりますので、質疑持ち時間を厳守されるようお願いいたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小泉純一郎君。
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小泉純一郎#6
○小泉委員 きょうは、質問というより、お互い政治家として議論をしてみたいと思います。
 今回の税制改革は、消費税の導入ばかりでなく、所得税、住民税の大幅な減税が行われました。昨年の参議院選挙、またことしの衆議院選挙を通じて、各地区において、街頭において、あるいは会場内において、この所得税、住民税減税についても消費税導入反対論者から盛んな批判が行われました。
 今回の所得税減税は、最低税率一〇・五%から最高税率六〇%の十二段階あったものを、最低税率一〇%、最高税率五〇%に下げて五段階にした。住民税も最高税率一六%から一五%にした。いわば最高税率を所得、住民合わせて六五%に下げましたから、その点をついて野党の多くの皆さんは、今回の所得税、住民税減税が金持ち優遇の減税である、金持ちは百万、二百万、あるいは十万、二十万減税される、しかし、低所得者は二万、三万、わずかしか減税してくれないじゃないか、これは金持ち優遇の税制であると言って、盛んに各地区で批判されておりました。
 この議論について各党の政策責任者はどういうふうに感じられますか、お考えを聞かせていただきたい。
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伊藤茂#7
○伊藤(茂)議員 小泉さんは冒頭に、政治家としての議論とおっしゃいました。まさに私も、この問題の取り扱いはそういう視点が一番大事だというふうに思いますので、率直な御議論をさせていただきたいと思います。
 御質問がございましたように、所得税減税についての判断であります。私は、相当規模の減税が所得税について行われたということを政府はおっしゃっておられたわけでありますけれども、問題は、サラリーマンの皆さんの中に大幅な減税が行われたという実感が生じなかったということを考えてみることが重要ではないかと思います。
 幾つかの問題がこの間にあると思います。
 一つは、日本の場合には、私ども年来主張してまいりましたが、インデクセーション、いわゆる所得税に対する物価調整措置という措置が講じられておりません。さまざまな国で既にこれは行われているわけでありまして、私どもも議員立法で提出をしたことがございますけれども、可決をされるに至っていない。そういう面から見ますならば、相当規模の減税、それは当然のこととしてあるべきなのではないかという考え方が、これは労働組合の連合も主張しておりますけれども、あるわけであります。
 二つ目には、所得規模に対応する問題があると思います。私どもは、税率をフラットにしていくということについては特別反対ではございません。なぜかと申しますと、ベースアップがあるごとに、刻みが多いとどんどん上がりますから、増税感の方が非常に強く出るということでございますから、フラット化することについては私どもは反対はいたしませんでした。ただしかし、フラット化をする、税率を単純化する、簡素化する、その大前提はやはり総合課税であろう。総合課税によって、キャピタルゲイン、利子所得などなどが総合して把握をされるということになりませんと、どうしても不公平が発生をするということになるわけでありまして、その結果として、労働組合の連合などでもさまざまの提起をなさり、また政府との政労協議でも提起をなさっているわけでございますけれども、例えば年収三百万以下のサラリーマンの皆さん、相当多くの数になるわけでありまして、その方々は、政府の見通しによりましても、減税と消費税をプラス・マイナスしたら、プラスの影響はほとんどか全然かないという構造になっているわけであります。ですから、減税規模、減税内容というものについても、これはもっともっとさまざまの工夫と対応がなされるべきではなかったのだろうかというふうに考えております。
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神崎武法#8
○神崎議員 昭和六十三年度の所得税の改正に絡んで、私どもは、この所得税の減税が高額所得者に有利である、このような発言をいたしましたけれども、これはあくまでも総合課税を徹底すべきである、こういう主張でございます。課税ベースをもっと拡大すべきであるし、さらにまた累進税率を引き下げろ、こういう主張もいたしておったところでございます。
 さらにまた、政府は、私どもが従来から所得税の減税をやるようにしばしば要請してきたわけでございましたけれども、なかなかやらなかった、それに対して、もっと所得税の減税をやるべきだ、こういう主張をしてきたところでございます。
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中野寛成#9
○中野議員 何が金持ち優遇かということについては、いろいろな解釈があるだろうと思います。
 我が党は比較的、金持ち優遇という言葉は使わなかった方でございますけれども、しかしながら、例えば所得税、相続税ともに最高税率を引き下げる、また税率をフラット化するということについてのいろいろな工夫がなされました、それはそれで、いわゆる働きがいや生きがいの問題等をあわせますと意味のあることでありますが、しかしこれに消費税が加算をされて、そういう状況の中で、結局一方では所得税、相続税の最高税率が引き下げられる、資産課税は不十分であるというふうな状況の中になりますと、いわゆる資産格差を生んでくるというふうなこと等をも考え合わせ、また消費税の逆進性を考え合わせますと、金持ち優遇的傾向が生まれたことはやはり否定できないであろうというふうに思っておるわけであります。
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菅直人#10
○菅議員 たしか私の記憶では、六十三年度の改正の前の年に、かなり大幅な改正をしたときに、野党の提案においてもフラット化、ないしは最高税率も、六十三年度ほどではないですけれども、引き下げるという方向での改正が行われたというふうに記憶しております。
 最終的な六十三年度の改正において、消費税の導入ということと最高税率の最後の部分を下げるということが同時に政府・自民党の方で行われたわけですが、これはこの委員会の中でも議論が一部の与党議員からありましたけれども、消費税そのものが一種の逆進性、一種のといいますか逆進性を帯びているということを考えますと、そのときにさらに最高税率を下げたということが、二重の意味で逆進性を強めたという側面は紛れもない事実でありまして、そういう点で、少なくとも消費税導入のかわりに最高税率を下げるという考え方について、私たちとして必ずしも同意できない、そのように考えております。
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小泉純一郎#11
○小泉委員 私は、金持ち優遇の批判は全く当たらないと思っております。なぜならば、税制改革前、夫婦、子供二人の給与所得者の場合、年間五千万円の収入のある家庭は、税制改革前は実に二千六百三十五万四千三百五十円の税金を払っていたのです。半分以上です。これが税制改正によって、二千六百三十五万から二千四百三十九万八千二百五十円、確かに百九十五万六千百円減税されました。また、年収一千万円の人は、税制改革前は百六十八万六千三百円税金を納めていました。約百六十八万。税制改正によって百三十九万六千七百五十円に減税されました。約二十八万減税されたわけです。確かに持てる者は百万、二百万、十万、二十万減税されたじゃないかということは当たっています。
 しかし同時に、それでは年収三百万円の家庭はどれほど減税されたか。税制改正前は四万八千四百五十円の税金を納めていましたけれども、今回の税制改正によってわずか八千七百五十円で済むようになったのです。三万九千七百円の減税です。年収四百万円の人はどうか。税制改正前は十六万八千二百五十円の税金を納めていた。ところが税制改正によって十万一千二百五十円に減税された。六万七千円減税されたわけです。
 減税というのは、納めた税金が減ることを意味しているのです。年間二千万、三千万という税金を納めているからこそ百万、二百万の減税の恩典を受けることができる。年万百方、二百万の税金を納めているからこそ十万、二十万の減税の恩典を受けることができるのです。にもかかわらず、年間四万、五万の税金しか納めていない人が何で十万、二十万の減税の恩典を受けることができるのですか。こういうことを考えますと、年間四万、五万を納めている家庭がまず十万、二十万の減税を受けようという、そういう錯覚を起こさせる議論というのは余りにも一方的だ。
 今回はむしろ低所得者に大変な配慮がなされている。しかも、今、日本の所得税は一〇%から最高税率五〇%になりましたけれども、サラリーマンのほとんど、八割以上は所得税一〇%で済むようになっているんじゃないですか。大蔵省どうですか、八割以上が恐らく一〇%で済んでいるはずですよ。
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尾崎護#12
○尾崎政府委員 サラリーマンの九割近くが一〇%の税率の適用範囲内に、あるいはそれ以下に、というのは税金がかからないというところに入っているわけでございます。
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小泉純一郎#13
○小泉委員 実に、今のお話でもわかるように、最低税率一〇%、八割以上に最低税率が設けられている、これは私は、大変な低所得者に対する配慮だと思います。
 しかも、日本は、金持ちになればなるほどきついというのが今回の税制改正でも明らかなんです。この税制改正前は、収入が三百万の場合、約四万八千円でした。ところが、収入が六百万になりますと、改正前は約五十万六千円の税金を払っていたのです。収入が二倍になると払う税金は十二・五倍だったのですよ。収入が三倍になる、九百万になると約百三十四万円の税金を払っていましたから、約二十七・七倍の税金を納めていた。収入が二倍になると十二・五倍の税金を納める。収入が三倍になると二十七・七倍の税金を納める。
 しかし、今回の改正でその格差が縮まったか。とんでもない、広がっているのです。今回の改正で、収入が三百万から六百万に、倍になりますと、払う税金は実に四十四倍です。三倍になると、今までは二十七・七倍が実に百二十四倍です。収入が三倍になっただけで払う税金は百二十四倍。
 確かに持てる者は百万、二百万、十万、二十万減税されていますけれども、いかに日本は低所得者に配慮して持てる者に厳しい税率を設けているかというのは、これから見ても明らかだと思うのです。しかも、課税最低限も、今まで年収二百六十一万九千円までだったのを引き上げて、三百十九万八千円まで所得税をゼロにしている。こういうことを見ても、私は、今回の所得税減税、住民税減税にしても、かなり低所得者に配慮した税制だと思います。
 そして、野党は、公平という観念を盛んに重視されていますが、私は、所得税というのは、公平の観点というのも大事ですけれども、それ以外にもっといろいろな要素があると思う。今アメリカは、最低税率が所得税一五%、最高税率が二八%、やや比例税制的になっています。二段階。イギリスも、最低税率が二五%、最高税率が四〇%、これまた二段階であります。比例的になっています。私は、公平だけを主張したら、比例税制の方がはるかに公平だと思います。しかし、何で日本はこれだけ、持てる者に対してより厳しい累進課税をかけているか。これは、公平の観点よりも所得再分配機能を重視しているからだと私は思うのです。持てる者により多くの負担をかけよう、これは大体の、国民大方の合意を得ている。
 しかし、昔から四公六民とか、江戸時代でも、四割はお上、六割は自分の得たもの、きつくても五公五民、半分はお上で、半分以上取ったら暴動が起きる、一揆が起こるというぐらいだった。今、日本は、半分以上、最高税率は六五%いっているわけですね。だから僕は、より公平ということを重視するんだったらば、比例税制的なものの方がはるかに公平だと思うのです。
 現に、累進税率が全く公平だという前提でやられていますが、国民の観念も、より公平だというのは、定着しているのは、むしろ定額負担の方が公平観念は多いですね。医療費にしても、比例税率にするだけでも大変な反対が起こった。サラリーマンの一〇%、これにするときも野党は大変反対されました。定額にしろという主張もあります。
 現に町内会費なんかでもみんな定額ですね。所得が多かろうと所得が低かろうと定額、一定の、五百円なり千円。それからパーティーもそうですよ。政治家を励ます会においても、あるいは結婚式においても、大体会費五千円、一万円、二万円、定額。そして党費もそうですね。自民党も党費は定額です。持てる者だろうが持たざる者だろうが、今党費は一年間四千円ですかね。社会党も、そうじゃないですか。そして、共産党はたしか比例だったな、収入の一%か何か、何%かわかりませんが、共産党は比例であります。どんな会でもどんな社会でも、所得に応じてより多く会費を取るなんという会はどこにもない。ですから、一般の国民の定着している観念としては、むしろ定額か定率、一律、この方が公平だと感じている部分が多いと思うのです。
 中には、今皆様の中にも、最高税率を下げたのは好ましくないという議論もありましたけれども、むしろ私は、五〇%以上の税率を課すということは、これは税金というよりもむしろ罰金に近い。より低い人、余りにも低い人というのはよくないですよ、低い人をある程度配慮すれば、全体は、半分以上の税額を政府が召し上げるというのは、これは私は、健全な勤労意欲、国民のみずから助ける精神、こういうものを、さらには経済の活力ということをお考えになれば、必ずしも好ましいことではないと思うのでありますが、その中で、私とは違う議論があっている方があったら、どなたか話していただきたい。違ってない、同感ならば話さなくていいです。こういう考えは持たない、最高税率はもっと上でいいんだという考えがあったら、聞かせていただきたい。
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中野寛成#14
○中野議員 一番意外に思われる人が立って恐縮でございますが、最高税率の問題は、これは垂直的な公平、水平的な公平とよく言われますが、それに、言うならば社会保障制度などの歳出部分も含めまして、国民生活、所得や支出を含めまして、これが均てん化といいますか、比較的貧富の差がない状況になりますれば、今先生おっしゃられたような納税環境というものがなお進められるであろうというふうに思いますが、現段階でそこまでまだ進んでいるというふうには私どもは考えていないわけであります。
 それから、先ほど党費の問題、町内会費の問題、いろいろ言われましたが、大変御都合のいい事例を持ち出されました。
 ただ、シャウプ税制の場合にも、どちらかといえば国税は総合課税、累進課税、そして地方税はどちらかといえば応益負担的な考え方、こういうものが原則にあったと思うわけでありまして、町内会費や地方税、まあ住民税は均等割を除けば累進課税でございますから、これはこれで国税的な要素が入っているわけでございますけれども、地方税につきましては、どちらかといえば単一課税的な色彩が濃いことは私どももよく承知をいたしております。それを一緒にするわけにはいかないと思います。
 まして国の場合は、先生は厚生大臣をおやりになってよくおわかりのように、社会保障制度の充実が望まれておりますように、やはり担税力に応じて、担税力の高い方にはそれだけ税負担をしていただく、そして再分配も含めまして、税金にそういう社会保障的また福祉的な役割も持たせながら税制というのは構成されていると思うわけでありまして、私どもとしては、先生が言われたような単一税率といいますか比例税制といいますか、そういうものができる社会が一日も早く来ることを望んでおりますけれども、しかし、現状、そういう方向にあるということではないという現状認識の問題もあるであろうと思うわけであります。
 税制上の公平も、また党費の問題やパーティーの問題も言われましたけれども、例えばこの委員会での発言時間を決めます場合にも、各党二時間ずつというのも一つの公平でございましょう。議席数に比例をしてというのも公平でございましょう。しかし、議席数に比例してということになれば、これはやはり民主主義の原則の中で少数意見も尊重しなければということになりますと、我が党みたいな少数政党にも幾らか時間のげたを履かすという配慮も加えられるでありましょう。そのことによって政治的公平が保たれているという判断がなされていることも考えれば、先生の幾つか挙げられました事例は、この税制の論議をするときに果たしてふさわしいであろうかどうかというふうに考えざるを得ないわけであります。
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小泉純一郎#15
○小泉委員 日本は課税最低限も欧米先進国に比べれば高いですし、低所得者に対しては税制のみならず歳出の面でかなりの配慮がなされていると思います。
 この問題から、同じく今まで税制改革に反対していた方が言われたのが、酒の税金の改正においても同じように金持ち優遇という批判がなされました。今回の委員会で最初に質問された加藤議員も触れられました。スコッチウイスキーの、いわゆる高級ウイスキーに税率を低くして、そして庶民の飲むしょうちゅうまで上げた、これまた庶民いじめで金持ち優遇だというような批判が展開されました。
 しかし、この酒の種類の間の税負担格差を縮小せよということは、日本国内のみならず諸外国からそういう要求があったのです。ガットにおいても、日本の酒税は輸入品に対して不利な取り扱いとなっている、そういう勧告を受けました。ですから、そういう現実の中でいかに国内政策との調和を見出すかという点で我々は考えて、この酒の税金の改正もしたわけですが、確かに一部の反対論者が言われるように、しょうちゅうは若干上げました。そして高級スコッチウイスキーなり輸入品のウイスキー等はかなり値下げされました。
 しかし、今やもうしょうちゅうは庶民が飲むもの、ウイスキーは持てる者が飲むもの、私はそういう時代じゃないと思います。この国際的な批判にこたえるためには、高級ウイスキーをしょうちゅうまで下げるか、しょうちゅうをウイスキーまで上げるか、ウイスキーをかなり下げてしょうちゅうをかなり上げるか、この三つの方法しか、同じ蒸留酒でありながら何でしょうちゅうには低くウイスキーには高い税率をかけているのかという諸外国の批判をかわす方法はないと思うんです。そういうことから、日本はウイスキーを下げてしょうちゅうを若干上げました。
 しかし、しょうちゅうは上がった上がったと言いますけれども、しょうちゅうは、平均的な甲類一升で、改正前は九百八十円だった。それが上がったといっても百十円だけですね、一升千九十円になっております。しょうちゅうの乙は改正前は一升千五十円でした。それが改正後上がったといっても七十円で千百二十円。しょうちゅうは上がつた上がった、庶民いじめだ庶民いじめだと言っていますけれども、それではウイスキーはどれだけ下がっているか。具体的に言いますけれども、改正前はあのサントリーオールド一本三千百七十円でしたよ。今幾らになっていますか、二千三百七十円です。実に八百円下がった。ですから、上がったしょうちゅうばっかりのことを言って、こういう下がっていることを言わない。私は、もはや今の時代はしょうちゅうは大衆的、ウイスキーは高級だ、そんな時代じゃない。だれだってどっちを飲むかというのは好みの問題なんですね。
 今、酒の税金に批判がありますけれども、野党はそれではこの国際的な、同じ蒸留酒でありながら非常に大きな格差を持っている日本の税制を批判された外国の批判に、今の日本の行った税率改正を、どういうふうにすれば、それではそういう庶民いじめという批判をなくすためにはどういう方法があるのか。しょうちゅうを上げてもやむを得ないと思うでしょう。ウイスキーを下げるのは当然だと思いませんか。伊藤さん、どうですか。
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伊藤茂#16
○伊藤(茂)議員 二つの視点でお答えをさせていただきたいと思います。
 私も小泉さんと長く大蔵委員会に所属をしまして一緒に勉強させていただきましたし、小泉さんは大蔵委員長をお務めになった方でございますから、さまざまの具体的な酒類ごとの数字とか比率などは省略をさせていただきます。
 考え方を述べたいと思いますが、私は今回のこの酒税の経過を見まして、海外からの批判が非常に強かったということでございまして、私どもも、野党ではございますけれども、欧米のさまざまな業界などからも随分いろんなお話を承りまして、さまざまの議論も政府と同じように私どももさせていただきました。
 今回、高級酒の税率が大幅に引き下げられる、それからしょうちゅうなどの税率が大幅に引き上げられたという構造であったわけであります。私は思いますが、小泉さんおっしゃるように、しょうちゅうはマルビの方々が飲む、高級ウイスキーはマル金の方々である、そういう状況が変わっていく社会状況というのは私は確かにあると思います。ただしかし、所得の高い方が、表現はなんですが、お金持ちの方が宴会でもしょうちゅうを好んでお飲みになるという現象は、相当幅広く存在をするわけであります。しかしそれと同じ程度に、なるべく安いお酒を楽しんでたしなんでおられた方々が、高級ウイスキーを主な嗜好品とするというふうな変化になるように現実あるだろうか、これはやっぱり大きく差があるというのが現実ではないだろうかと私は思います。いろんな方方に伺いましても、今度の税率変更という中で、自分の所得と比較をして、毎晩のささやかな楽しみですから、家計に響かないようにどの程度のものをどう飲めるかなというふうなことを考えながらやっておるのが庶民の感情ではないだろうか。
 そういうことを考えてみますと、国際的な関係でございますから、前にも御答弁申し上げましたように、国際関係上やむを得ないという全体の構造はあったと思います。まあしかし、しょうちゅう等に対する配慮はもっとあるべきだったのではないだろうかという気がするわけであります。
 もう一つ簡単に申し上げたいのは、先ほどの公平感に関連してなんですが、今の酒税の問題とも関連をいたしますけれども、私はやはり本当の公平というのは、所得に応じ社会のためにやはり一定の程度での累進というものがあって今日の社会の公平があるんではないだろうか。ただ私どもも、応能、応益ということにつきましては、本法案を作成する段階でもいろんな議論を実はいたしました。やはりずっと昔の段階といいますか、産業資本主義初期の段階と申しましょうか、そういう段階の応益、応能の考え方と現在といろいろな違いはあるであろうというようなことも率直に私ども勉強はしたわけでありますが、しかし小泉さんおっしゃるようなことから申しますと、小泉さんの持論について私の考え方を申すといたしますならば、まあ所得も今以上にはるかに、もう同一所得になるとかというふうな社会の構造になればそういうこともあるかと思いますが、現実の今の構造の中では、やっぱりそういう発想では公平感のある社会にはならないのではないだろうかというふうに考えております。
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小泉純一郎#17
○小泉委員 そうすると、このしょうちゅうに対してもっと配慮なさるべきだったということは、これはしょうちゅうの税率が一升七十円あるいは百十円上がったというのは、これは負担が強過ぎる、ウイスキーの下げ過ぎだと思っているわけですか。
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伊藤茂#18
○伊藤(茂)議員 高級品が下がって、それでしょうちゅうなどの税率が上がったという今回の経過になっているわけでありまして、確かにウイスキーなどの税率については、国際的なさまざまな関係がございましたから、その面ではやむを得ないものがあったなというふうに私どもは思っております。まあしかし、全体の構造として、もっとやはりしょうちゅうなどについて、業者の方々からも私どもも大きな再編成が起こりかねないというお話も随分伺いましたが、業者の立場から見ても、それからそれを消費なさっている市民の立場から、庶民の気持ちからいたしましても、もっと配慮があるべきであったというように考えております。
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小泉純一郎#19
○小泉委員 お互い考えが違うわけですから、それはそれで違っていいんですけれども、私は、一升今まで千円だったのが七十円なりあるいは百円なり上がった、これはまあ妥当な改正だったんじゃないかなと思っています。そしてウイスキーも八百円下がったということは、これは大変なことですから、私はそういう格差を是正するというんだったらば、こういう方法が一番妥当じゃなかったかな。三つ言いましたね。ウイスキーをまさかしょうちゅうまで下げるわけにいかぬ、しょうちゅうをウイスキーまで上げるわけにいかぬ。結局、上を下げて下を上げるという解決が最も現実的な妥当な改正案だったんじゃないかなと思っています。ともかくそれは考えが違うんだからいいんですけれども。
 次に、物品税に移りますけれども、かつて野党は、旧物品税について不公平税制であると批判してきました。例えば、昭和六十三年八月十七日に公表した野党の「不公平税制是正の共同提案」によると、「現行の物品税制には多くの矛盾がある。」と述べております。ところが、消費税廃止の代替財源案として、かつて批判してきた物品税を、とりあえずとはいえまた復活しようとしている、これは私は大変不見識なことだと思うのですけれども、なぜか。しかも、具体的に聞きますけれども、今までの物品税の最高税率、ゴルフのクラブもボールも三〇%の物品税が課されておりました。スキーもテニスも非課税でした。これを今回野党の皆さんは、依然としてゴルフはぜいたくなスポーツであって、スキーやテニスは大衆のスポーツである。ゴルフに課税して、スキーやテニスに非課税なのは当然だと思っているんでしょうか。どなたかどうですか。
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伊藤茂#20
○伊藤(茂)議員 物品税についての御質問でございますけれども、私どもも、大蔵委員会などを中心にいたしまして今日の物品税制についてのさまざまの諸問題も指摘をいたしました。私も小泉さんのお座りになっている席で、特に竹下さん、長い大蔵大臣でしたから、いろいろな議論をした覚えがございます。というのは、やはりもっと説得性のあるベースと申しましょうか、何か恣意的にかかるもの、かからないもの、税率などが決められるということがない、もっと税負担者に説得性のある構造が必要ではないかというふうな角度が中心であったかと思います。ですから、当時の物品税制についてさまざまな問題があることは私ども否定はいたしませんし、あるいはまた、それらについては政府の政策として政策執行にもっときちんとした対応があるべきではないかという角度から申し上げてきたわけであります。
 ただ、私ども今回廃止法案を提出するに当たりまして判断をいたしましたのは、まず一つには、今日の消費税の構造は、物品税に若干の問題があるにせよ、それ以上にはるかに大きな問題と欠陥がある、それがまた国民の声となって大きく指摘をされているという現実である。そういう上に立って、どうするのか。やはりこれは小手先の見直しや手直しではできない、もう一度白紙に戻してやり直す、そういう視点が必要であらう、それがまた、長い目で見て信頼ある税制が確立をされる唯一の道ではないだろうかというふうに考えたわけであります。これは私ども四党だけではなくて、やはり幅広く国民の中にもそういう考え方が存在をしているというふうに思っているわけであります。
 そういたしますと、どうするか。どちらにいたしましても、一年か若干の期間、やり直すための措置を講じなければなりません。やり直すためにはその期間若干の時間を必要といたしますので、暫定的な措置を講じなければならない。具体的には平成二年度、今年度の十月一日以降あるいは平成三年度ということになってくるわけでありまして、その期間の暫定的な対応をどうしたらいいのかと考えてみますと、若干の問題はあるにせよ、やはり長年社会に定着をした制度でありますから、この物品税制を若干工夫し手直しをいたしまして、それで暫定期間の対応を講じていただくということにしていきたいという趣旨になっているわけであります。
 ですから、不公平とさまざま批判をしてきたものをなぜ採用したのかという御意見はあると思いますが、今申し上げたような経過でありまして、考えますと、要するに基本は現在の国民が納得しない消費税をこのままやるのか、そうではなくて若干時間はかかるけれども、暫定措置も必要だけれども、もう一遍やり直そうではないか、その政治の決断にかかるということではないだろうかと思います。
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小泉純一郎#21
○小泉委員 私は、抽象的なことではなくて今具体的に言ったのです。
 旧物品税はゴルフだけかかってスキーやテニスにかかっていなかった。しかし、一昨年でしたか、日本の人々の中でどのスポーツを一番やるかといったら、ついにスキー、テニスを抜いてゴルフがトップの座を占めたのですね。今、日本国民の中で一番どんなスポーツをやっているか、驚くなかれゴルフがトップになった。こういうときに、依然としてゴルフがぜいたくなスポーツ、スキー、テニスが大衆的なぜいたくでないスポーツなんというのは、全く時代おくれといいますか、時代に合ってないというか、スキーをやろうがテニスをやろうがゴルフをやろうが、私は個人の好みだと思うのです。
 だから、今回ゴルフもスキーもテニスも一律三%にした、これははるかに公平なものじゃないか。ゴルフをやる人、スキーをやる人、両方やる人、結構。ゴルフ、百万円のクラブを買う人いるでしょう。しかし、百万円だったらば三%ですから三万円の消費税を払ってもらう。スキー、十万円の板を買う人いるでしょう。十万円、三%ですから三千円の消費税を払ってもらう。テニス、ラケットが一万円する。一万円だったらば三百円の消費税を払ってもらう。全部やる人、それぞれ払ってもらう。こんな公平な考え方はないと思うのですけれどもね。
 野党は、この物品税復活で、依然としてゴルフはぜいたくなスポーツだという認識を持っているのでしょうか。具体的に私は聞いているのです。抽象的なことじゃない。
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伊藤茂#22
○伊藤(茂)議員 一つ申し上げたいのは、あくまでもこれは暫定的な措置である、さっきも申し上げました。長期にこのような制度、今暫定財源でとっている制度を固定をさせるという考え方は特っておりません。いずれにいたしましても、見直しに必要な若干の期間何らかの措置をしなければならない。それは、長年定着をしてきたものをしばらくの間これでやっていただくということが必要であろう。したがいまして、課税品目などにつきましては従来の形を踏襲をする。ここで大きな変化その他考えるよりも、暫定的な措置ですから、しばらくの間これでお願いをいたしまして、そしてなるべく短期間に立派なものを考えていこうという趣旨で扱っているわけであります。ですから、さまざまのそれについての問題があることは私どもも承知をいたしているわけであります。
 同時に、どうしてもやはり基本になるのは、現在の消費税、小泉さんは現在の課税の仕方が公平ではないかという御趣旨のお話がございましたが、消費税全体に対してなぜ多くの国民のこれだけの反対なり疑問が起きているのかということを私は大事にしなければならないと思います。そこから実はスタートをいたしているわけでありまして、やはりそれをどうやってやり直すのかということが、今日、税制あるいはタックスデモクラシーの精神からしても基礎ではないだろうかという角度から私どもは発想いたしているわけでありまして、ぜひその点は私の立場を御理解いただきたいと思います。
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小泉純一郎#23
○小泉委員 党の責任者としてなかなか具体的に言うのは難しいかもしれませんけれども、私は率直な感じを聞いているのですよ、議員として。暫定的だということは、やはりこれからの時代においては、今言ったゴルフとか、ぜいたく品あるいはそうでないというのを分けるのは離しい、将来はやはり一律的な課税の方がいいと思っているのでしょう。
 今ゴルフとスキーとテニス、実際言えなかった、ゴルフをぜいたくなスポーツだ、課税していい物品だとはっきり言えなかった、その点が聞きたいのです。スキーとゴルフ、テニス、こんなのはもう個人の好みで、率は同じ三%だけれども、買う器具によって値段が違うのですから、むしろぜいたくなスポーツ、そうでないスポーツと決めない方がより公平と思いませんか。その点もう一度お答えいただきたい。
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伊藤茂#24
○伊藤(茂)議員 二つ申し上げたいと思いますが、暫定措置ではございますけれども、若干の工夫、努力をさせていただきました。
 というのは、一つは税率など工夫をいたしまして、現行の消費税負担よりも大幅に大きくならないように、ほぼ同じ程度あるいは現行消費税負担とほとんど変わらないというのが大部分かと思いますが、現実には自動車、家電が税収の大部分でございますから、そのような措置を工夫してとったわけであります。
 それからもう一つは、物品税制、第一種、第二種含めましてさまざまの税率がございます。それらにつきまして、もっとやはり簡潔に、暫定的な措置にせよ、簡潔なやり方をするという工夫をしようではないかということで、御案内のように、幾つかの段階の単純な税率構造にさせていただいたわけであります。
 小泉さんの今の御質問でございますけれども、私どもはこれから国民の納得できる間接税禍造というものを当然つくらなければなりません。その際に二つ申し上げているわけであります。
 一つは、消費税が強行されたときに多くの国民の皆様から、これを強行する前にやるべきことがたくさんあったのではないですか。不公平もあります、土地もあります、あるいはこれからの福祉のビジョンと施策もあります、それらのことを私ども申し上げたわけでありますが、そういう気持ちを改めてやはりここで考えることが必要であろうと思います。
 そういう上に立ちまして、さまざまの、今小泉さんも指摘をされましたような具体的な物品に対する課税のあり方などについては、社会的な説得性と納得性のある、あるいは社会的常識の通るものにしなければならないということだと思います。
 その先を早く言えという御質問が随分ございましたが、私ども勉強はいたしておりますけれども、あえてやはり初めに大型間接税ありきのような議論はしたくない。あるいはまたそこだけが先行するというのはよろしくないのではないかという経過にもかんがみまして、国民税制協議会という場で議論していきたい。それは、そういう方々が御議論をいただくと同時に、当然でございますけれども、私どもも国民の代表としての政治家や政党でございますから、さまざまな意見をその段階、またそういう審議が行われる場で提起をしながら実りある結論を出していくということにしてまいりたいと思います。したがって、その中身につきましては、今予断を持って具体的な中身についてこうしますとか、こうしませんとかいうふうな予見は、今のところ申し上げる段階ではないというふうに思っている次第でございます。
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小泉純一郎#25
○小泉委員 質問に答えてないというか、もう答えるのが嫌なんでしょう。意見が分かれていますが、もう一つよく俗に言われたのが、これまた金持ち優遇、庶民いじめだと言われた物品税の改正で、製造段階では最高税率三〇%、最低税率五%であった、小売段階で最高税率の一五%だった宝石類が三%に下げられた。これが実に金持ち優遇じゃないか、必要品の身につける衣類までゼロが三%になった、こういうのはやはり金持ち優遇の税制だと盛んに言ってきました。
 しかし、今確かに金持ちは宝石を買います。しかし、宝石を買っているのは金持ちだけじゃない。いろいろ調べたところによりますと、サラリーマンかなんかでも最近非常に宝石類を買っている。今一番売れ筋は幾らの宝石類かといいますと、婚約指輪にしても結婚指輪にしても、大体二十万、三十万円程度のものが今一番売れているそうです。この二十万、三十万が約五〇%いっている。しかも、最近サラリーマンも豊かになってきましたから、婚約する際には給料の二カ月分とか三カ月分でダイヤモンドの指輪を買う。決して金持ちじゃない。しかも大体婚約指輪なんというのは、一生に買うのは一回か二回でしょう。四回、五回買う人はそんなに多くない。普通の人は一回か二回、多い人では六回、七回買う人もいるかもしれないけれども。
 しかし衣類、これは今宝石の二十万、三十万が一番売れ行きがいいといいますけれども、和服で二十万、三十万なんというのは高級と言えませんよ。二百万、三百万の和服なんかざらです。しかも、持てる者ほど和服を何着も買います。これが非課税。しかも和服のみならず洋服も買います。和服も洋服も買う。しかも持っている人に限って、春物を買う、夏物を買う、秋物を買う、冬物を買う、何着も、着道楽というほど買う人もたくさんいるんです。しかし、そういう持てる者が非課税。私はこの方がはるかに不公平だと思うのですが、どうですか。
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伊藤茂#26
○伊藤(茂)議員 それは暫定段階と将来のことと両面あると思います。暫定段階の取り扱いについては先ほど繰り返し申し上げましたので、また繰り返しはいたしません。
 つまり、あり方論として、消費税にも関連をしあるいは今後の考え方にも関連をいたしますけれども、私はやはり国民の多くの皆さんの気持ちというのは、単一税率というのはおかしいのではないかという気持ちを持っておられる方が非常に多いと思います。確かに小泉さんおっしゃいましたように、ダイヤモンドにしましても、何千万円もする超高級品、お金持ちがお買いになるというのとは違いますから、何かやはりサラリーマン、庶民のささやかな願いとして、そう何遍も買い物をするわけではございませんけれども、奥さんになる人にダイヤモンドの指輪を上げるとか、なった人にも上げるというわけではありますけれども、ということはあると思います。ですから、一般的にダイヤモンドか貴金属がいわゆる庶民の手の届かないものだというふうな今日の社会状況でないことも、私は承知をいたしております。さまざまの線の引き方が、御判断がそこには考えられなければならないでありましょう。
 しかし、社会的にだれが見てもこれは非常に高いものであり、高級品であり、一般の庶民がなかなか手が届かないものだというものに対する税負担の問題と、それからささやかな願いとして庶民がお買い求めになるもの、あるいは生活必需品などなどと同じというのはおかしいのではないか、よく世上で大根、ダイヤモンドと言われますが、そういう安直な比喩は別にいたしまして、そういうお考えがあると思います。
 世界の付加価値税、その他EC型などを見ましてもそう思うわけでありまして、一昨年でしたか、当院の派遣で、特に税制に関係する者でヨーロッパを回ったことがございましたが、そのときにたまたまフランスで、世界で付加価値税の父と言われているモーリス・ローレさんという方にお会いをいたしましたが、付加価値税につきましては一番先に先鞭をつけられた、フランスのあの制度の実務をつくられた方で有名であります。
 その方に、今、日本では単一税率、帳簿方式あるいは簡易課税方式などなどの方法があるが、付加価値税の父と世界で言われている方として感想はいかがですかということを申し上げましたら、単一税率、これは社会政策がない証拠でしょう、これは社会政策的思考がない証拠ではありませんかというような答えがございましたし、帳簿方式は税金が見えなくなる、あるいは簡易課税方式の大きな規模などについてもますます不公平になるというようなことで、それぞれ厳しい御批判を承った覚えがございます。国際的に見ましても、ちょっと今の構造というのはおかしいのではないだろうかと思っているわけであります。
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小泉純一郎#27
○小泉委員 しかし、消費税といったって三〇%じゃないのです。三%なんですよ。たえられない負担じゃないのです。将来も、衣類、確かに身につける下着、五百円とか千円、こういう下着というのは必需品でしょう。しかし、どれが必需品でどれがそうでないかという区別ができないからこそこういう税制改革をやったのです。昨年なんて、同じ身につけるハイレグカット、布なんかわずかしかないのですよ、ああいう五万円、十万円するハイレグカットの水着がどんどんデパートで売れたという。今や着るものがないという時代じゃないのです。身につけるもので、これが必要品、これがそうでない、区別できないのです。
 野党は、これは本音で語ってくださいよ、将来も衣類について非課税というのは妥当だと思っているのですか。これは本音でいいです。政党の立場を離れて、議員個人として伊藤さん、どうですか。そこを聞きたいのです。
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伊藤茂#28
○伊藤(茂)議員 衣類にもいろいろあるだろうかと思います。
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小泉純一郎#29
○小泉委員 それでは、衣類においても課税物品と非課税物品を分けられると思っているのですね。もう一回確認したいと思います。
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