文教委員会

1994-10-27 参議院 全208発言

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会議録情報#0
平成六年十月二十七日(木曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松浦 孝治君
    理 事
                南野知惠子君
                森山 眞弓君
                会田 長栄君
                浜四津敏子君
    委 員
                井上  裕君
                木宮 和彦君
                世耕 政隆君
                田沢 智治君
                上山 和人君
                肥田美代子君
                本岡 昭次君
                森  暢子君
                乾  晴美君
                北澤 俊美君
                木暮 山人君
                及川 順郎君
                橋本  敦君
   国務大臣
       文 部 大 臣  与謝野 馨君
   政府委員
       文部大臣官房長  佐藤 禎一君
       文部大臣官房総
       務審議官     雨宮  忠君
       文部省生涯学習
       局長       泊  龍雄君
       文部省初等中等
       教育局長     野崎  弘君
       文部省教育助成
       局長       井上 孝美君
       文部省高等教育
       局長       吉田  茂君
       文部省学術国際
       局長       岡村  豊君
       文部省体育局長  小林 敬治君
       文化庁次長    林田 英樹君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        青柳  徹君
   説明員
       防衛庁教育訓練
       局訓練課長    西ケ廣 渉君
       厚生省大臣官房
       審議官      齋藤  勲君
       厚生省保健医療
       局エイズ結核感
       染症課長     稲葉  博君
       厚生省児童家庭
       局家庭福祉課長  大泉 博子君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (文教行政の諸施策に関する件)
    ―――――――――――――
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松浦孝治#1
○委員長(松浦孝治君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 教育、文化及び学術に関する調査を議題とし、文教行政の諸施策について与謝野文部大臣より所信を聴取いたします。与謝野文部大臣。
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与謝野馨#2
○国務大臣(与謝野馨君) 第百三十一回国会におきまして文教各般の問題を御審議いただくに当たり、所信の一端を申し述べさせていただきます。
 来るべき二十一世紀に向けて、国民一人一人がゆとりと潤いのある生活を実感し、多様な個性を発揮しながら自己実現を図ることができるような社会をつくっていくために、文教行政の果たすべき役割はますます重要になると考えます。
 私は、文教行政を担当する省として、このような使命に思いをいたし、文教行政各般の推進に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。また、このために、教育や学術を未来への先行投資と位置づけつつ、文教予算の充実確保に一層努めてまいります。
 以下、主要な課題について、基本的な考えを申し述べます。
 第一の課題は、個性の尊重を目指す教育改革と生涯学習社会の構築であります。
 生涯学習の振興のため、多様な学習活動の展開を図るとともに、社会人を対象としたリカレント教育やボランティア活動の支援などの施策を積極的に推進します。また、放送大学については、放送衛星を利用した全国化の実施に向けて準備を進めてまいります。
 初等中等教育においては、みずから学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの育成を重視する教育の実現に取り組みます。また、総合学科、単位制高校の設置や職業教育の充実など魅力ある高校づくり、高等学校入学者選抜の改善と中学校における進路指導の改善充実などに積極的に取り組むとともに、環境教育や理科教育の一層の充実を図ってまいります。さらに、道徳教育や生徒指導の充実、国旗・国歌の指導等についても引き続き推進するとともに、学校週五日制については、実施の過程で出された課題の解決を図りつつ、その着実な推進に努力します。
 さらに、初任者研修等の充実により教職員の資質の向上に努めるとともに、公立学校の教職員配置の改善を着実に進めてまいります。また、義務教育教科書無償給与制度は今後とも堅持してまいります。
 高等教育においては、戦後最大とも言われる大学改革が進行中であります。カリキュラム改革、大学院を中心とした教育研究の水準の向上、大学入試の改善、教育研究環境の改善充実などに積極的に取り組んでまいります。また、理工系教育の魅力向上に取り組むほか、育英奨学の充実を図るとともに、昨今の学生の厳しい就職状況等にかんがみ、就職指導の充実などに一層努めてまいります。
 私立学校については、その役割の重要性にかんがみ、私立学校振興助成法の趣旨に沿って、その教育研究条件の維持向上と修学上の経済的負担の軽減等を図るため、私学助成の確保などに努めてまいります。
 第ニの課題は、人類の知的創造活動としての学術研究の推進であります。
 大学については、研究施設設備の老朽化・狭隘化・陳腐化、研究費の不足など研究環境の劣化が指摘されており、その改善充実を図ることが緊急かつ重要な課題となっております。
 我が国が、今後、科学立国として発展していくために、科学研究費補助金の大幅な拡充、大学の教育研究施設設備の改善、若手研究者の養成確保など、学術の振興のための総合的な施策の推進に努めてまいります。
 第三の課題は、スポーツの振興であります。
 広島における第十二回アジア競技大会は成功裏のうちに終了したところですが、長野オリンピックを初め、今後も我が国で行われる国際競技大会の開催支援と日本選手の競技力向上を図るとともに、国民のスポーツニーズの多様化を受けて、いつでもどこでもスポーツを楽しめる生涯スポーツの振興が重要な課題となっています。さらに、プロスポーツに対する国民の関心も一層高まっております。
 このため、スポーツ振興基金による助成を含め、スポーツ施設の整備充実、すぐれた指導者の養成確保、各種スポーツ事業の推進など、諸施策の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
 第四の課題は、「文化発信社会」の構築を目指す文化行政の新たな展開であります。
 我が国の伝統文化を継承しつつ、文化の発信と交流を通じて国際社会に貢献するとともに、「文化発信社会」の構築に向けて積極的に文化政策の展開を図ることが極めて重要な課題となっております。
 このため、国立文化施設の整備充実や第二国立劇場の開場に向けての諸準備などを着実に進めるとともに、すぐれた芸術創作活動の推進や若手芸術家の養成の充実に努めてまいります。また、地域における文化の振興に係る各種の施策や文化財の保存と活用のための諸施策を推進してまいります。
 最後に、国際化の一層の進展と情報化社会に対応するための文教施策の積極的な推進であります。
 教育、学術、文化、スポーツを通じて国際交流を推進し、国際社会に貢献していくことは極めて重要な課題であります。このため、ユネスコ、OECD等の国際機関を通じた教育協力や途上国への援助、協力を推進するとともに、留学生交流、研究者交流や国際共同研究の充実等に努めてまいります。また、アジア諸国を初めとする海外の文化遺産保護に関する協力等を積極的に推進してまいります。
 また、情報化の目覚ましい進展に適切に対応するため、情報教育を一層推進し、ソフトウェアや教育方法の研究開発、情報ネットワークの整備等を図ってまいります。
 以上、文教行政の当面する諸課題について所信の一端を申し述べました。
 文教委員各位の一層の御理解と御協力をお願いいたします。
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松浦孝治#3
○委員長(松浦孝治君) 以上で文部大臣の所信聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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南野知惠子#4
○南野知惠子君 自由民主党の南野知惠子でございます。
 改めまして、文部大臣の御就任おめでとうございます。また、このたびノーベル賞や文化勲章を受章されます方々に御祝辞を申し上げます。
 さて質問でございますが、我が国は、先ほど文部大臣から御所信をいただきましたとおり、大学研究施設の老朽・狭隘化など研究機関の貧弱が常々話題となり、学者や研究者が創造性豊かな発想や研究を積み重ねる環境整備が急がれておりますところ、近年、最重点施策の一つとして文部省はその整備を図ってこられ、今回の概算要求においても、卓越した研究拠点、センター・オブ・エクセレンスの形成を目指し六十一億円余りの要求がございますが、その内容をお示しいただきたいと思います。
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与謝野馨#5
○国務大臣(与謝野馨君) お答え申し上げます。
 センター・オブ・エクセレンスについては、平成四年の学術審議会答申におきまして、創造性豊かな世界の最先端の学術研究を推進していくためにはその形成が強く望まれると指摘されたところでございます。同審議会は、形成のための施策等についてさらに検討を進め、本年七月、中間まとめを発表いたしました。
 この中間まとめでは、既にセンター・オブ・エクセレンスとしての特色を有している全国共同利用型の研究機関について研究の一層の高度化を図る施策を講じること、国際的に高水準の研究活動を行い、中核的な研究拠点として発展する可能性の高い研究組織についてセンター・オブ・エクセレンスとして育成する施策を講じることが求められているところでございます。
 文部省ではこれを踏まえまして、研究費、設備費等センター・オブ・エクセレンスの形成を促進するための所要の経費を要求しているところでございます。
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南野知惠子#6
○南野知惠子君 ありがとうございました。ますます科学立国としての我が国の行く末を見詰めていきたいと思っております。
 次の質問でございますが、私学助成についてでございます。
 大臣の所信表明の中で、私学助成の確保などに努めていく御方針を示されました。
 高等学校以下の私学経常費助成費は、本年度予算において昨年に比べて二五%の減、六百三十五億と二百十二億の大幅削減となり、保護者に大きな不安を与えました。六月九日の参議院予算委員会において、来年度以降の取り扱いについては、国の財政状況と私学助成の重要性、都道府県における実際の助成状況を勘案しつつ予算編成過程において適正に判断するとの意見が示されております。平成七年度概算要求とその理由を簡単にお示しいただきたいと思います。
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吉田茂#7
○政府委員(吉田茂君) 私立高等学校等経常費助成費補助金については、御指摘のような二百十二億円の減額というのが内容でございますが、一方で、地方交付税を特別に充実いたしまして、その結果、国全体としての財源措置が充実されまして、六年度の各都道府県の実際の助成状況について見ますと、引き続き改善が図られております。
 こういう状況を踏まえまして、七年度の概算要求については、私立高等学校の普通科等の四十人学級の推進、あるいは教育の個性化、多様化等、教育改革への私学の自主的な取り組みを財政面から支援するという、そういう理由と申しますか、観点に立ちまして、公私間の格差是正にも資するよう、極めて厳しい国の財政事情ではございますが、対前年度比七十億円、一一%増の七百五億円の増額要求を行っておるところでございます。
 適切な確保について最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
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南野知惠子#8
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 次は、文部省と日教組の関係でございます。
 平成六年十月二十四日のある新聞に、日教組の諮問機関である21世紀ビジョン委員会が将来の教職員運動のあり方を検討した中間報告の記事がございました。文部省と社会的パートナーとなるよう提言したとありますが、これに対する評価及び文部省の対応について大臣の御所見をお願いいたします。
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与謝野馨#9
○国務大臣(与謝野馨君) 先生御承知のように、この中間報告はあくまでも中間報告でございまして、現段階で特にその内容についてコメントする保立場にはございませんけれども、この報告書自体は新しい時代に向けた日教組の内部努力の一つのあらわれではないかと思っております。今後は来年三月に最終答申が出されると伺っており、日教組として最終答申を受けまして具体的な検討をされると伺っております。
 文部省としては、日教組の従来の姿勢に変化が見られるかどうかについて今後とも注意深く見守ってまいりたいと思っております。
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南野知惠子#10
○南野知惠子君 ありがとうございました。
 次は学校週五日制についてでございますが、月一回の学校週五日制が実施されて約二年が経過した現状から、学校週五日制に対する文部省評価はいかがなものでしょうか。大臣にお尋ねいたします。
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与謝野馨#11
○国務大臣(与謝野馨君) 学校週五日制は、段階的に導入することといたしておりまして、平成四年から月一回の実施をしているところでございます。
 先生のお尋ねがもし月二回の学校週五日制のことでございましたら、その実施につきましては、調査研究協力校、これは約七百近くございますが、そこの研究結果などを踏まえまして、現在、協力者会議におきまして過去の調査研究協力校でのいろいろなデータを検討していただいているところでございます。
 文部省といたしましては、そういう検討の結論をまちまして月二回の学校週五日制の実施について判断してまいりたいと考えております。
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南野知惠子#12
○南野知惠子君 ありがとうございました。まだでございますならば、現場の準備もございますので早急に決定していただきたいと思っております。
 また、一回の学校週五日制についてでも私学では定着しにくいと言われておりますが、その理由は何なのでしょうか。さらに、それらを懸案とするところに受験シフトを重視する学校が多いために、その制度の定着に受験制度の見直しが必要とされておりますけれども、どのような対策をお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
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野崎弘#13
○政府委員(野崎弘君) 私学の実施の状況ということでございます。
 これは平成五年の四月で調査したものと平成六年の四月に調査したものがございますが、この一年間で、例えば高等学校ですと五一%から六一%、中学校で三二%から四三%、小学校で六三%から七五%ということで、実施している学校がふえておりますが、ただ、導入についての検討がいまだ行われていない私立学校もあるという状況でございます。
 特に、校種別で見ますと中学校の比率が高いという状況にあるわけでございまして、この辺の理由が何かということでございますが、これはそれぞれ学校としての考え方というものがあってこのような状況になっていると思うわけでございますけれども、私どもといたしましては、私立学校につきましても公立学校とできるだけ歩調を合わせて学校週五日制を導入していくことが必要である、このように考えておりまして、従来からその積極的な取り組みにつきましてお願いをしているところでございます。今後とも関係者に対しまして理解と協力を求めていきたい、このように思っております。
 それには受験体制というような問題もあるんではないか、こういう御指摘でございまして、やっぱり学校週五日制の実施につきましては幅広い国民の理解を得て実施をしていくことが必要であるというふうに私ども考えておるわけでございまして、そういう意味合いから、明治以来の学校教育に対する考え方というものの転換を迫るものでございますので、段階的に導入をするということで現在月一回を実施しておるわけでございます。
 月二回につきましては、今大臣から御答弁もございましたように、検討していただいておるわけでございますが、そういう中で幅広く国民の理解も得ながら、そして現在高等学校の入試の改善もしております。また、大学におきます入学者選抜も着実に改善が図られているわけでございますので、そういうものと相まってこの円滑な実施ということを図ってまいりたいと思っております。
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南野知惠子#14
○南野知惠子君 ありがとうございました。ゆとりのある学習に効果が見られますよう努力していきたいと思っております。
 次の質問は道徳教育の重要性ということについてでございます。
 特に最近の風俗には目に余るものがあり、子供たちの経験してきた学びや、その年代での常識では消化し切れない、判断を超える内容のもの、例えば青少年の目に触れるところにヘアヌードのはんらん、テレクラやデートクラブを利用した売春、下着や制服を売るブルセラショップなど、性に関する過剰な情報が簡単に手に入る状況であり、本、雑誌、漫画、テレビ、ビデオなどを通し、茶の間や閉鎖された子供部屋に届けられております。興味旺盛な子供たちは、冒険心を持ってお金に魅せられ、得た情報をすぐ行動に移していく現状が見られております。子供独特の発想が大人の常識をひっくり返している社会現象も見られます。大臣はこのような状況をどう御認識しておられるのでしょうか。
 また、現行の道徳教育の中で、思いやりや生命尊重などと同じく、性の尊厳という問題についての指導も充実させるべきではないでしょうか。学校教育の中でこのような事態にどう対処されるのか、大臣の御所見をいただきたいと思います。
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与謝野馨#15
○国務大臣(与謝野馨君) ただいま先生が御指摘になられた数々の問題については、私は先生と全く認識を一にしておりまして、大変憂慮すべき状況にあるということを考えております。そして、学校において道徳教育の中で性の尊厳ということの指導を充実させるべきという御意見にも、私は全面的に賛成でございます。
 学校教育におきましては、人間の尊重と男女平等の精神に基づきまして、男女の人間関係をどう形成していくかという人間としての生き方など、性の尊厳についての指導を行うことは将来の我が国を担う児童生徒の豊かな人間形成を図る上で極めて重要であると考えております。
 このため、学習指導要領におきましては、御指摘のように、道徳教育においても、小学校高学年においては男女仲よく協力し助け合うこと、中学校においては男女が互いに相手の人格を尊重し健全な異性観を持つことなど、男女が相互に人間として尊重する態度を育成することを基本として、これらの指導内容を明示し、児童生徒の発達段階に応じた指導を行っているところでございます。
 文部省といたしましては、今後とも道徳教育を通じた性の尊厳に関する指導の一層の充実に努めてまいりたいと思っております。
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南野知惠子#16
○南野知惠子君 次は、家庭科教育の充実ということについてでございます。
 最近のテレビ情報では、若い娘さんといいますか、女性が洗剤を入れてお米をといだり、サバのみそ煮は熱したおなべの中にサバを入れて上からみそを塗るなどの実演をしておりました。極端な例かもしれないのですが、基本的な知識が欠けていると言わざるを得ないのではないでしょうか。
 一義的には家庭教育の問題であるとも思われますが、学校で体系的により根本的に日本の食文化や健康生活を教えるべきと思っていましたところ、本年度から高校家庭科教育が男女必須としてスタートいたしました。具体的な科目を見ますと、まさに人間教育、生活教育であろうと思われます。このような大人への成熟に向けた基礎教育をぜひ充実させていただきたいと思いますが、現時点での評価について、問題点も含め、大臣の御所見をいただきたいと思います。
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与謝野馨#17
○国務大臣(与謝野馨君) 平成六年度から実施されております高等学校学習指導要領におきましては、家庭科教育については、家庭を取り巻く環境や社会の変化等に対応し、男女が協力して豊かな家庭生活を築くため、生活に必要な知識、技能を習得できるようにすることなどの観点から、内容の充実を図ったところでございます。
 御指摘の家庭教育については、例えば「家庭一般」では、「乳幼児の保育と親の役割」の中で「子供の人間形成と親の役割」を、「生活技術」、「生活一般」では、「子供の成長と親の役割」の中で「親の役割と家庭教育」をそれぞれ取り上げることとしております。また、食品文化については、例えば「食物」の中で「食生活の変遷と食文化」を取り上げることとしております。
 文部省としては、今後とも家庭科教育の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。
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南野知惠子#18
○南野知惠子君 ありがとうございます。よろしくお願いしたいところでございます。
 次は、いじめと不登校のことについてでございます。
 文部省の調査によりますと、近年減少傾向にあったいじめが平成四年度になって若干増加しております。また、学校嫌いを理由に年間三十日以上欠席した小中学生が昨年度より二千六百人増加し約七万五千人に及ぶなど、不登校の児童生徒は調査開始以来の最高となり、事態は深刻化いたしております。
 ある新聞に、先生と目が合うのが怖かったという中学三年生の男の子の打ち明け話なども出ております。いじめ、不登校に至る状況や原因は一人一人異なり一挙に解決できないでしょうが、学校やクラス環境、また人間関係をよくするなどの対処が必要ではないかと思われます。
 また、保健室登校の問題もございます。子供にとって保健室の存在は大きな意味を持っており、近年その業務内容も複雑化し、養護教諭の果たす役割が一層重要になってきていると思いますが、これらのことについて大臣の御認識をいただきたいと思います。
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与謝野馨#19
○国務大臣(与謝野馨君) いじめや登校拒否等の問題の解決のためには、学校におきまして児童生徒一人一人の個性を生かし、人間味のある温かい指導を行うことを心がけ、児童生徒が充実した学校生活を送ることができるよう努力することが肝要であると考えております。
 学校における教育相談機能などの充実を図るためには、学級担任や養護教諭などが連携して学校全体で取り組む必要がございますが、近年、心の問題を持って保健室を訪れる児童生徒がふえておりますことも指摘をされております。こうした児童生徒に保健室で対応する養護教諭の役割は大変重要であると考えております。
 こうした養護教諭の重要性にかんがみ、文部省では従来から養護教諭を対象とした研修会を行うとともに、特に心の問題に適切に対処するためヘルスカウンセリングの指導者のための講習会を開催し、養護教諭の資質向上を図っているところでございます。
 今後とも養護教諭の指導力向上に努めてまいりたいと考えております。
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南野知惠子#20
○南野知惠子君 ありがとうございました。心と体の健康が、伸び伸びとできる環境が子供たちにとっては大切だと思います。
 今大臣もお触れになられましたが、平成七年度の概算要求でスクールカウンセラー活用調査研究として約一億円を要求しておられますが、その内容についても少しお聞かせいただきたいと思います。
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野崎弘#21
○政府委員(野崎弘君) いじめとか不登校の対策につきましては、学校が校長以下全教職員一致してこれに対応していかなきゃならないということが基本なわけでございますけれども、やはり状況によりましては、教育センターあるいは児童相談所その他の専門関係機関にも頼らざるを得ないというのが現状なわけでございます。しかし、これらの活用にもさまざまな制約、限界がある、こういうことでございます。
 最近、子供たちの心の問題というようなことにつきまして、臨床心理士というような方々がいろんな場で活躍をしておられるわけでございまして、現在約四千人の臨床心理士の方々がおります。教育とか医療あるいは福祉等さまざまな場において当たっているわけでございます。
 この方々の資質の向上を図るというようなことを目的にいたしまして、昭和六十二年に財団法人日本臨床心理士資格認定協会というのが発足をしておるわけでございますが、こういう方々の力というものを学校におきましても活用していくことが大事なのではないか。こういうようなことで、平成七年度の概算要求におきましてスクールカウンセラー活用調査研究というものを要求しておるわけでございまして、こういう方々の学校におきます活用の仕方とかそういうことにつきましてこの中で調査研究をしていきたい、このように思っておるわけでございます。
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南野知惠子#22
○南野知惠子君 ありがとうございます。いろいろな方策を講じながら、いじめ、不登校、保健室登校、そういったものを少しでも減少させていきたいというふうに思っております。
 次は、看護関係のことについてお尋ねしたいのでございます。
 看護系の大学の設置が進んでおりますが、そうした大学化が進む中で、養成所を卒業した看護婦たちの四〇%強が大学に進学したいという希望を持っております。
 専修学校卒業者の大学編入につきましては平成五年十一月九日の当委員会において私も質問させていただきましたが、その際の御答弁は、「大学審議会において御議論をいただいている」とのことでございました。その後一年近く経過しておりますので、御検討はどの程度進んでおりますのか、進捗状況を教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
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吉田茂#23
○政府委員(吉田茂君) 御指摘のように、専門学校関係者等からの御要望をいただいておるわけでございまして、専門学校卒業後さらに学習を希望する方々の大学への編入学ということにつきまして、現在、大学審議会で検討をいただいております。
 専門学校は、御案内のとおり、制度止一条学校とは別個のもの、こう位置づけられておりまして、大学等に比べて緩やかな基準のもとで独自の目的、教育方針に従って運営をされておる。教育内容もさまざまでございますので、専門学校の卒業者に対しては、現在、制度上大学の途中年次への編入学は認められておりませんが、一方で、専門学校卒業者の大学編入学ということは大学における学習機会の多様化を図る方策の一つということで、生涯学習なりあるいは高等教育の活性化の観点から検討すべき課題であるということで御議論いただいておるわけでございます。
 大学審議会では、一つには、学校教育法上これまで一条学校以外から一条学校への編入学というものは認められていないことから、法律的な考え方をどうするか、それからもう一つは、専門学校の教育内容や水準というものが非常に多様である、これが一つの専門学校の特色でもあるわけでございますが、仮に専門学校卒業者に大学編入学を認める場合の基準をどうするか、こういうことについて現在検討がなされております。
 今後は看護婦養成施設や専門学校の実情を十分踏まえ、大学関係者等の意見も広く伺いながら鋭意御検討をいただくこととしておりますが、何分にも学校の制度の根幹にかかわる事柄でございますので、十分な審議が必要でございます。結論の時期については今のところ明確にはなっておりませんので、御理解を賜りたいと思います。
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南野知惠子#24
○南野知惠子君 大体一年前にお聞きしたのと同じではないかなとも思っておりますので、本当に前向きに急いでお取りまとめいただきたいと思っております。看護教育にとっては緊急を要する課題でありますので、さらによろしくお願いしたいと思うんですが、大体いつごろになるのか、おおよその見当をお知らせいただきたいと思います。
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吉田茂#25
○政府委員(吉田茂君) 今申し上げましたように、学校制度の中で編入学については、これをもし実現することとなれば初めてということで、今申し上げまし軽、審議の時間がやはり十分必要であるということで、結論を急いでいただきたいというふうにお願いをしておりますが、今のところいつという時期的なものを申し上げられないので申しわけありませんが、鋭意御検討をいただくように私どもでも努力したいと思っております。
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南野知惠子#26
○南野知惠子君 大変苦しい御答弁をいただいたわけでございますが、看護の教育といいますのは他の分野と違いまして、看護婦養成所におきましても、看護系大学、短大、そこら辺におきましても、カリキュラムや実習は同じ指定基準が適用されております。これは他の各種学校、専修学校とは違うところでございますし、大学編入する仕組みについて逆に組み立てやすいのではないかというふうに思いますが、それでもいつまでにその成果が見られるかというのはお示し願えないでしょうか。
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吉田茂#27
○政府委員(吉田茂君) 確かに先生御指摘のように、そういった状況については私どもも十分踏まえてまいるつもりでございます。ただ、今おっしゃったような看護系の専修学校についての状況は御指摘のとおりであろうかと思いますが、制度全般にかかわる問題でございますので、その他全般的な問題、専修学校、専門学校からの大学編入学という大きな課題の中で解決しなければならないという非常に大きな問題でございます。
 そういう意味で、私どもとしては鋭意検討をお願いしておるところでございますが、全体の問題をいつまでに結論を出すということについてなかなか申し上げられないような状況でございますので、検討を急ぎたいと思いますが、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
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南野知惠子#28
○南野知惠子君 本当に苦しいことを申し上げて申しわけございません。これを進めていくに当たりまして課題がございましたら、また法的な問題としてそれを解決するような方向でございますならば、ぜひまた我々の方にもお知らせいただきたいというふうに思っております。
 そのことに関連しまして、看護のマンパワーというものについて今大きく社会が注目いたしておりますので、質の高い看護を皆様方が望んでおられるのではないのかなと思っております。そういう観点におきましても、看護婦たちが満足して、そして相手の方々にいいケアをするというところに一つのポイントがあろうかと思いますので、大臣、ちょっとお言葉をいただきたいんでございますが。この件に関してよろしくお願いいたします。
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与謝野馨#29
○国務大臣(与謝野馨君) 看護婦の職業についておられる方の負担というのは、肉体的にも時間的にも大変な職業であると私はいつも思っておりまして、病院に参りますと、看護婦の皆様方が昼夜をたがわず働いておられる姿というのは本当に感動をいたします。
 そういう中にありまして、質の高い看護をするためには看護教育を充実していくということが大変大事な事でございますし、またいい資質を持った方がなるべく多くこの道に入っていただくということも大事でございます。医療の水準がますます高くなっている状況にかんがみまして、看護婦の皆様方の資質向上、このためには私どもやはり最大限の努力をしていかなければならないことであろうと思っております。
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