地方分権及び規制緩和に関する特別委員会

1995-05-12 参議院 全68発言

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会議録情報#0
平成七年五月十二日(金曜日)
   午前十時十六分開会
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   委員の異動
 五月十日
    辞任         補欠選任
     釘宮  磐君     続  訓弘君
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     石井 道子君     松谷蒼一郎君
     岩崎 昭弥君     糸久八重子君
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  出席者は左のとおり。
    委員長         小林  正君
    理 事
                斎藤 文夫君
                服部三男雄君
                山口 哲夫君
                渡辺 四郎君
                勝木 健司君
    委 員
                石井 道子君
                上野 公成君
                沓掛 哲男君
                高木 正明君
                野沢 太三君
                松谷蒼一郎君
                溝手 顕正君
                宮崎 秀樹君
                吉村剛太郎君
                糸久八重子君
                今井  澄君
                佐藤 三吾君
                竹村 泰子君
                峰崎 直樹君
                牛嶋  正君
                続  訓弘君
                広中和歌子君
                小島 慶三君
                星川 保松君
                吉川 春子君
   国務大臣
       内閣総理大臣   村山 富市君
       国 務 大 臣
       (総務庁長官)  山口 鶴男君
       自 治 大 臣  野中 広務君
   政府委員
       総務庁行政管理
       局長       陶山  晧君
       大蔵省主計局次
       長        中島 義雄君
       自治省行政局長  吉田 弘正君
       自治省財政局長  遠藤 安彦君
       自治省税務局長  佐野 徹治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        佐藤  勝君
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  本日の会議に付した案件
○地方分権推進法案(内閣提出、衆議院送付)
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小林正#1
○委員長(小林正君) ただいまから地方分権及び規制緩和に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十日、釘宮磐君が委員を辞任され、その補欠として続訓弘君が選任されました。
 また、本日、岩崎昭弥君が委員を辞任され、その補欠として糸久八重子君が選任されました。
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小林正#2
○委員長(小林正君) 地方分権推進法案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
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斎藤文夫#3
○斎藤文夫君 自前民主党の斎藤文夫でございます。
 本日は、地方分権推進法案審議の掉尾に当たりまして、御多忙の総理みずから御出席を賜りまして、まことにありがたく、厚くお礼を申し上げます。
 さて、地方の時代、分権の時代と言われてはや二十年が経過をいたします。臨調や行財政調査会等々でさまざまな答申が出されてきましたが、残念ながらなかなか具体化の兆しが見えませんでした。それが平成五年六月の衆参両院国会における決議、そしてまた昨年の十二月、閣議決定で分権大綱方針をお決めいただきまして、それを踏まえて村山総理の不退転の決意のもとにこの地方分権推進法案が提出をされたところでございます。いよいよ地方分権への道が見えてきた、現実のものになりつつあるという実感を持っておりまして高く評価いたしておるところでございます。
 また、私自身与党分権プロジェクトチームの一員として、二十八回に及ぶかんかんがくがくの意見交換、そしてまた総理及び山口長官に御提言等を申し上げさせていただいた一人として、今日を迎えましたことは大変喜びといたすところでございます。
 とは申しながら、二十一世紀の日本の姿を展望し、地方分権のあるべき姿を考えますときに、今後幾多の曲折が予想されます。むしろ、この五年の間につくられる分権推進計画によっては日本の社会が大きく再構築されていく、そういう重要な要素を含んでおりますだけに、いずれにせよ一内閣だけの問題ではなく、国民も国会も中央各省庁も、そして地方自治体も一丸となってこの地方分権に真剣に永続的に取り組んでいかなければならない、かように存じておるところでございます。
 総理の地方分権推進へのさらなる御決意を御披瀝いただきたいと存じます。
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村山富市#4
○国務大臣(村山富市君) 今、斎藤委員からも御指摘がございましたように、地方の時代と言われ、あるいは地方分権がいろいろ議論をされまして約二十年間ぐらいを経過いたしております。今や地方分権というのは、ある意味ではもう時代の流れになっておる、むしろもう実行する段階だ、こういうように私は受けとめております。国と地方との役割分担を明確にして、地方がそれぞれ持っておる特性を地方の自主性によって十分発揮できるような、そして地方住民のニーズに十分こたえ得るような、そういう地方自治体というものをやっぱりつくっていくことがこれからの時代にふさわしいあり方である、こういう観点から今回の地方分権推進法案というものが提出をされておると私は確信いたしております。
 これは地方制度調査会やあるいは地方六団体やそうした方々の意見も十分踏まえてつくられた法案でございますから、一日も早く成立させていただきまして、五年のうちに必ずこの目的が達成されて実行できるような段取りをつけていきたい、こういう決意でこれからも臨むつもりでございます。
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斎藤文夫#5
○斎藤文夫君 我が国は、歴史をひもといて考えてみますと、鎖国から開国へ、そして大政奉還によって御一新を迎え、廃藩置県、断髪廃刀令等が行われ、百三十年前に世の中が大変大きく変わったところでございます。自来、欧米先進国を目標に、近代国家を形成するためには中央集権体制こそ合理的であり効果的でございました。それだけに、十分今日までの機能は効果を発揮してきたと率直に認めることができると思います。
 しかし戦後五十年、目標だった欧米諸国をキャッチアップした今日、世界一流の経済大国と日本はなりました。中央集権的な社会システムがいつまでもこれから続いていく、そういう時代ではなく、先ほども総理が御認識をされておられますように、まさに時代の要請の中で地方分権というものが取り上げられるようになってきておるところでございまして、その意味からも新しい時代に適応した社会システムというものをつくり直していく、そういう大きな時代の転換期に差しかかったと私は考えておるところでございます。
 そして、国際化、情報化、高齢化、そういう時代を迎えて国民の価値観やニーズが個性化、多様化してきた、そして集約から分散、一極から多極、中央から地方へとうとうたる流れが醸成されてきた今日でございます。個性あふれる活力に満ちた新しい地方自治がさらに強く要請をされる時代になったと言えると思います。
 先日、総理の郷里であります大分県に参りまして地方公聴会を開催させていただきました。平松知事、岩崎市長会会長、正本町村会会長、それぞれ御出席をいただきまして、積極かつ活発な分権についての御意見を拝聴してまいったところであります。さすが総理御出身の県だけありまして、地方分権の先駆けたらんと御努力をされておることに敬意を表してきたところでございます。
 その話の中で平松知事は、今日の中央と地方の関係を具体的に説明する例として、東京へ陳情すること年間七十二日間、一年の五分の一は東京へ出張しなければならない。いかに行政上大きな問題があるか、ロスがあるか、こういう姿が今日の中央対地方の行政の姿なのか、つくづく述懐をされておられたところでございます。要するに今のような状況では草木も東京になびく。だから、極論で平松知事がおっしゃるには、東京の一極集中排除あるいは首都圏をどこかに移転すればそういう状況が解消されるとお考えになっておられるようだけれども、今の中央対地方のシステムを改革しない限りは東京の一極集中というものは簡単には解決できない。四十七都道府県が三百六十五日のうち五分の一も中央へ押しかけて行かなきゃならない。自分一人ならいざ知らず、大勢の関係者あるいは県下の市町村関係者が東京へ東京へと陳情行政を繰り返して行かなきゃいけない。こういう実態というものをもっと真剣に、しかも掘り下げて対応を考えていかなきゃならないんじゃないか、私は本当にそうだと痛感させていただいたことでございます。だからこそ地方の社会資本を充実して地方の若者の定着を図っていかなければならない。
 例として、大分県の下水道の普及率はたしか二七、八%と御指摘になりました。全国平均から見ても非常に低い位置にある。こういうようなことでは若い人たちに快適な生活環境を提供しようといっても遠く及ばない。だからこそ中央と地方の都市の格差というものを社会資本の充実という姿で埋めてもらって、そして若者も地方都市に魅力を感じ定住してもらう、そういう要件を整備しなければならない。平松知事は切々とお訴えになったところでございます。そして多極分散を、地方分権を進めれば豊かさを実感できる環境づくり、きめ細かな市民サービスの向上ができる、だからこそ一極集中排除は地方への分権が一番の近道ですよ、こういう御指摘もございました。
 ややもすれば今の中央の行政のあり方というのは画一的と言われ、後追いと言われ、縦割り行政と批判をされておるところでございます。しかし、地方分権が進んでいけば、それが個性的であり自主、的であり、また市民のニーズに対応できる、即応できる生き生きとした幅広の地方自治というものが実現されていくのではないか
 二十一世紀の日本社会のあるべき姿というのは地方分権によって私はでき上がってくるのかな、こう思いますときに、総理は分権時代の日本社会、都市の姿でも結構でございますが、どう変わっていくだろうか、分権によってどんな社会が期待できるのか、お考えをお聞かせいただければありがたいと思います。
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村山富市#6
○国務大臣(村山富市君) 今、委員から地方公聴会の実情について、大分県知事や市長会会長やあるいは町村会会長等の発言を引用されましてお話がございました。私もまさにそのとおりだと思うんです。これはある意味から申し上げますと、やっぱり国際情勢なり国内外の情勢が大きく変わってきつつある。新しいそうした時代を想定した場合に、これまでのような中央集権的な、あるいはお話もございましたように一極集中的な今の日本の姿というものは、やはりそうした国内外の情勢の変化に十分対応していけないんではないか。そういう意味から考えましても地方分権の推進は必要である、私はこういう観点からも論議がされておるというふうに思います
 同時に、国の中の、今お話もございましたような国と地方自治体との行財政の権限のあり方というものを考えた場合に、何をするにしても中央の認証を得なければ仕事ができない、こういうようなあり方というものがやっぱり問題ではないかということが端的に私は指摘をされておると思うんです。
 地方はやっぱり地方の特性があるわけですし、それは人口も違いますし、環境も違いますし、地理的な条件も経済的な条件も違うんです。したがって、その地方の持っている特性が十分発揮をされて住民の要望というものに十分こたえ得るような、そういう自立性、自主性でもって運営ができるような、そういうあり方というものがこれからの時代にふさわしいあり方ではないか。そのことを通じて住民の意思が地方行政に十分反映できるような仕組みというものを考えていくことが大事ではないかというふうに私は思っております。
 したがって、あくまでも地方の自主性、自立性というものを尊重したことを前提として行政のあり方、あるいは税制のあり方、財源の持ち方等についても考えていく必要があるんではないか。そうなってまいりますと、私は地方自治体における行政というものは住民のこれからのニーズに十分こたえて、反映できて、もっと身近なものとして住民が地方自治体をとらえることができる、そういう社会に変わっていくのではないかというふうに考えておるところでございます。
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斎藤文夫#7
○斎藤文夫君 今、総理もお触れになりましたけれども、地方分権を進めてまいりますと、どうしても権限、財源、そしてまたそれに伴う人間、俗に三ゲンと言われておりますけれども、国から都道府県へ、都道府県から市町村へ移管をされていくことは当然でございます。
 そこで、時間の関係で一括してちょっとお話を申し上げ、お尋ねを申し上げますが、まず第一の権限の移譲は、これはもう国と地方の役割分担を明確化することが分権のまず第一義的な要素でございます。どこまで中央の集権を地方へ分権するか。
 実は総理御出身の大分県中津、私の大学の塾祖でもございますが、福沢諭吉先生が明治十年に「分権論」というものをお書きになった。私は大分から帰りまして「分権論」を一生懸命読みました。まさにあの封建社会、しかも中央集権発足間もない時期に福沢諭吉先生が地方分権をとうとうとうたいとげておるのに今さらのように頭の下がる思いがいたしました。その中で、中央の政権をガバメント、地方の治権をアドミニストレーション、こういう置き方で、国の政権は法律、軍事、税金、外交、通貨、国を一様ならしめる問題については国が引き受けましょう。ところが、地方の治権というのは警察、あとは道路、橋梁、堤防、学校、寺社、衛生、いわゆる住民に密着したものを地方の行政の権限としよう、こういうことを明確にうたいとげておるところでございます。
 私はこの「分権論」を見て、もう明治のあの時代にこういう提唱がなされたとすれば、訂二十年たった今日、当然このくらい思い切った分権を実現していかなきゃいけない、それが今に生きる政治家我々の後世に対する責任なのかな、このように考えておるところでございます。したがって、思い切ったスリム化を図り得るのかどうか、国と地方の職務の明分化をすべきである、その意味で総理はこの「分権論」を含めてどうお考えになっておられるか。
 時間がありませんので、あと当然それを裏づける財源の裏打ちがなければ地方分権の成功はありません。今のような三割自治と言われる中では、どうしても地方財源というものを充実してくれなければ、五割、六割、地方の自主性を高める行政というものは行われない。したがって、今の国が税金を集めて、そしてそれを補助金、交付金、あるいは起債という形で地方に配分する、このシステムを根本的に改めていかなければ本当の意味の地方自治の自主性、独自性は保てない、このように考えておりますが、いかがでございましょうか。
 もう時間がございませんので、最後に一つ。
 やはりそれには人間がついていかなければなりません。地方事務官の身分の問題とかいろいろあると思いますけれども、ただ国がスリム化しただけでこれでいいというわけにはまいりません。都道府県もあるいは市町村も全部が行革の中でスリム化を図り、そして効率を高めながら行政サービスに徹していく、そういう機能的な政治、行政というものをつくり上げていかなければならないわけでございます。この中で地方も人材を確保する、行政を高める、こういう努力をすべきでございます。
 以上、こういう観点を申し上げまして、思い切った分権こそ地方がそれを受け入れて勉強していく。受け皿が弱いよという論ではなくて、思い切って分権をし苦労させていくところに地方の発展があると思いますが、いかがでございましょうか。一言で御答弁をお願いします。
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村山富市#8
○国務大臣(村山富市君) 一言で御答弁を申し上げますと、今、委員から御指摘のあったとおりだと私は考えています。
 今お話もございましたように、近代日本の変革期に大きな貢献をされた郷土の先輩であります福沢諭吉先生は私の尊敬する一人でもありますけれども、あの時代に今私どもが議論をしているようなことをもう指摘されたというのは、極めて先見性に富んだ全く驚嘆に値する意見ではないかというふうに考えております。
 お話もございましたように、やっぱり権限を付与する限りにおいてはその権限を実施できるような裏づけの財源というものが確保されなければそれはできないわけであります。したがって、第六条にもそのことは明記いたしておりまするけれども、その六条の趣旨に基づいて地方財源の確保のあり方について十分やっぱり検討していかなきゃならぬ課題であるというふうに思っております。
 同時に、分権された地方自治体がそれを十分受け入れて、そしてその法の趣旨にこたえて分権が機能して、住民のために十分効果を上げ得るような質というものも持つ必要がありまするし、同時にまた中央も今一生懸命行政改革をやっておりまするけれども、それと見合った形で可能な限り効率的にあるいは創造的に住民のために運営できるような地方行政のあり方、地方自治体のあり方というのもやっぱりお互いに努力をしてつくり上げていく必要があるのではないかというふうに考えておるところでございます。
 そういう意味におきましては、これから人材の確保やらあるいは育成やら等々はやっぱり中央と地方とが足並みをそろえて、この分権の趣旨が十分生かされるような基盤というものをしっかりつくっていくためにお互いに努力をしていかなきゃならぬというふうに考えているところであります。
 いずれにいたしましても、これからの時代に対応できるような中央と地方のあり方が明確になって、それぞれの権限に応じて十分国民の期待にこたえ、市民の期待にこたえ得るような行財政のあり方というものを想定しながら実行していく必要があるというふうに、かたい決意を持ってこの内閣の重要課題としてこれからも取り組み、推進をしていく決意でございます。
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斎藤文夫#9
○斎藤文夫君 ありがとうございました。
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溝手顕正#10
○溝手顕正君 自由民主党の溝手顕正でございます。
 私は、地方において自治体の長の経験をいたしておりまして、地方自治の確立には極めて大きな関心を持っているところでございます。そういった観点から若干の御質問をお願いいたしたいと思います。
 今回の法案の骨子、いろいろ紆余曲折はございましたが、最終的には多くの分権の議論を分権推進委員会の権限にゆだねる、そしてその勧告によって内閣が、中でも内閣総理大臣が全責任を持って推進計画を作成する、こういう形になったものと理解をいたしております。つまり、中央がみずからの判断によって分権すべき内容を決めるということで、ひとえに中央にその責任があるという形になっているのではないかと私は理解をいたしております。
 極めて俗っぽい言い方になりますが、事ここに至って初めてお上が腰を上げた。やっと腰を上げでみずからの判断によって、長年保持、行使をしてきた権限を下々に払い下げるんだ、こういうような受け取り方をする向きもあるんではないかと思っております。そういったことになりますと、当然余計なものをいただくと邪魔になりますし、望んでいたものをいただけないと腹が立って不平不満が起こる、これもすべてお上の責任であると、こういうような論理がまかり通る可能性があると私は懸念をいたしておるわけでございます。
 現在までの衆参両院の審議を通じました中でかなり具体的に目指す方向が出てまいったということも理解をしておりますが、地方分権が目指す対象となる各省庁の権限あるいはこの裏づけとなる法律、政令というのは極めて膨大な最になります。したがいまして、現在までの過程においてこれをすべて議論するということはまさに不可能だと思います。それだけに今後の分権推進委員会での議論というのは極めて注目されるわけでございます。しかしながら、そういった議論の中で、各省庁が果たして期待にこたえていただけるんだろうかどうだろうかと懸念を持っているものでございます。
 山口長官あるいは野中大臣の分権にかける意気込みというのは、十分審議を通じまして受けとめることができたものでございます。しかし、この両大臣の御出席のもとにやったわけでございまして、その他の大臣は全く姿をあらわしておられないわけでございまして、これは当然のことです。権限がないことに言及はできないわけでございますが、果たして農水省は大丈夫だろうか、大蔵省は大丈夫なのか、通産はどうなんだという懸念を持たれてもこれは否定できないことだろうと思います。ましてや、難儀をいたしましたあの大蔵官僚は大丈夫かと国民みんなが思っているのはこれは否定できないだろうと思います。
 そして、山口長官はこの前の審議の中で、その担保は国会決議をもって担保とするんだと、こういう発言をされますと、山口長官の発言に対して野中大臣は、国会決議が破られるなら大したことではないんだと、さきの米の問題がそうじゃないかというお話をされました。私もまさにそうだと思うんです。幾ら国会決議をしても、あの結果を一回経験している我々にとっては、あんなもので果たして信用できるかどうかという問題点もあるわけでございます。果たしてもっと地方分権を担保できる強力な手段があるのかどうかということを考えてみると、一抹の不安があることは事実でございます。そういった中で、国民のあるいは地方の厚い期待を裏切り、政治不信をさらに過熱することがあってはならないだろうと思いますし、総理大臣のよりはっきりした御決意を伺いたい。
 またさらに、最近の新聞報道を見ておりますと、総理は連立内閣での対応には限界があるというような御発言をされたと言っておられます。そして、この地方分権推進が果たしてその限界を超えたものとお考えになっているのか、連立でちゃんとできるとお考えになっているのか。そのあたりのしっかりした決意を表明していただきたいと思います。
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村山富市#11
○国務大臣(村山富市君) 溝手委員は長い市長経験を踏まえた上でいろいろ御配慮された御質問だと私は思います。
 これは言われますように、今の中央と地方のあり方の中で一番指摘をされるのは私は縦割り行政ではないかと思うんです。これは、例えば建設省は県の土木部と直接的につながっておるというようなことがやっぱり地方分権を阻害する一つの要因になるんじゃないかということが心配されると私は思います。
 これは今お話もございましたように、総務庁長官の所管で提案をされておりまするし、自治大臣が一番関連があるわけでありますから、お二人がそれぞれこの審議の中では担当されてきたと思います。しかし、この法案そのものは内閣として提案しているわけですから、したがって閣議でも十分議論をして、そしてそれぞれが同調してお互いに了解し合った上でこれは提案をされているわけですから、内閣が一体となって推進をして取り組んでいくものだというふうに御理解を賜りたいと思います。
 それから、私はやっぱり連立政権というのは、いつも言いますけれども、それぞれ違った理念や政策を持っている政党が一緒になって一つの政権を担っている、こういう性格のものだと思います。したがいまして、その政策の違いというものがいろんなプロジェクトやらいろんな会議の場を通じてお互いにかんかんがくがく議論をし合って、反映し合っていく。これはある意味から申し上げますと、国民の意識も国民の期待も非常に多様化しておりますから、その多様化された意見がそういう議論を通じて反映されていく、そして可能な限りのいい合意点を見出していく。この合意点はある意味から申し上げますと、国民的なコンセンサスが得られたものになっていくのではないかと、こういうふうに私は思いますから、連立政権のよさというものは十分発揮をされる。
 私が限界があると申し上げますのは、一つの政党が持っておる政策がそのままストレートに実現できるかどうかということについては、連立政権というものはそういう性格のものだから、したがってそれは限界がある。しかし、必ずしも一つの政党が持っている政策がそのまま実現できることが国民の意識が十分反映され、期待にこたえられるものであるかどうかということは、これだけ多様化しておる今の実態の中からしますと、連立政権で合意を求めるような努力をしていくことの方がむしろ民主的に国民大多数の意見が反映されたものになるのではないかという意味で申し上げたのであります。
 そういう意味では、私はこの連立政権のよさが十分発揮できるような責任を持った体制をしっかり推し進めていくことが必要であるというかたい決意を持って政権を担当しているということだけは申し上げておきたいと思います。
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溝手顕正#12
○溝手顕正君 大変力強い御決意をいただきましてありがとうございます。
 私は、地方分権に関しまして既に与野党の間に対立はないと考えておりますし、ましてやそういった決意によりましてより前進するのだろうと期待をいたしております。
 次でございますが、この法律の中には中央の責任と同時に地方の責任ということにも触れております。中央からの分権推進を座して待つのみではなくみずからも積極的に行財政改革をやるべきだと、こういう趣旨と理解をいたしております。当然、地方にも大きな責任がございます。私も先ほど申し上げましたように地方の公共団体で二期ほど務めさせていただきまして、地方に数多くの問題があるということも理解をいたしております。
 中でも地方公共団体におきましては、行財政改革の推進に関しましては極めて大きな障害がございます。そして、その障害が実は地方分権推進のおくれとか縦割り行政のひずみとか地方自治法の不備とか、こういった制度上の問題に起因をしているのではなくて、地方自治体における労使交渉、いわゆる職員組合との関係に起因することの方がはるかに大きいんたということを御指摘申し上げたいと思っておるわけでございます。今回の地方分権の推進が、このことによってせっかくの努力が水泡に帰してしまうということになっては大変なことになります用地方分権を推進し、地方の業務をふやし、地方の活力を取り戻すのは結構ですが、地方の公務員がふえてより不効率な地方行政をつくってしまっては大変なことになると懸念いたしておるわけでございます。
 もちろん地方によって事情は違いますが、定員の削減であるとか弾力的な要員配置に関しまして地方公共団体が多くの悩みを抱えております。幼稚園、保育所、給食、ごみ処理、し尿処理あるいは水道やバス等の公営企業等の不効率、不能率というのは厳しく指摘をされております。そして私は、こういった原因の多くがそういった労使交渉の問題から起因をしていると、決して制度の問題ではないと考えているものでございます。そして、そういった労働組合、まさにこれは自治労と申し上げてよろしいと思いますが、この自治労の出身として、そして自治労が支える社会党の代表として内閣を引っ張っていらっしゃる総理の立場として、こういった自治労のお考え方が地方分権推進に……ヤジ自治労が支えているのは間違いないんだ。余計なこと言いなさんな。
 そういう地方分権の推進に大きな支障になっては大変だと懸念をいたしておるわけでございます。そして、そのことが総理にとって極めて問題になることになるんだろうと思います。私が思いますに、村山総理の出現によりまして、我々は安保の問題も自衛隊の問題も日の丸の問題も君が代の問題も一定の解決方向を見ております。
 したがいまして、私はぜひこの地方分権推進に当たりまして、地方自治体における合理化問題に対するより積極的な自治労の取り組み姿勢、あるいは社会党の皆さんの取り組み姿勢ということをしっかり出していただきたい。そのことが結局は総理の力を助けることになるんではないか、こう思っておりますが、総理としての御所見を賜りたいと存じます。
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村山富市#13
○国務大臣(村山富市君) 地方分権推進の成果を十分に上げていくためには、今御指摘になった観点というものも私は大事なことだと思います。
 単に国が権限移譲等に努力をするというだけではなくて、地方公共団体におきましても自主的、積極的に行政改革を進めることも必要でありまするし、同時に行政の公正の確保、あるいは透明性の向上とか、できるだけ住民に行政に参加してもらうというようなことも必要だと思います。そういう意味では、地方自治体自体もそうした意味におけるやっぱり努力も当然してもらわなきゃならぬ。
 そういう場合に、労使関係というものの中に具体的に問題になっている視点が私は出てくる可能性も全然ないと否定はできないと思うんです。しかし、これはその首長なら首長と、そして地方労働団体と十分やっぱり話し合いをして解決さるべき問題であると思います。これは私がここで自治労のことを申し上げるのはどうかと思いますけれども、生民自治の確立と地方分権の推進ということは運動方針の中で一貫してきちっと明記されていることは私も十分承知いたしております。
 社会党も、これはもう政府が出す以前に地方分権推進法という法案をつくって、そしてむしろ政府に働きかけて推進をしてきたということもあるわけでございますから、そういうことに関する意見の違いは私はないというふうに考えております。一体的に協力し合って地方分権は推進されるというふうに確信をいたしておりますから、そういう観点からこれからもさらに努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。
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溝手顕正#14
○溝手顕正君 多少突っ込み過ぎかもしれませんが、私は自治労の方針もよく承知をいたしておりますし、目指す方向もよく承知をいたしております。
 しかしながら、問題は現実に起こっている姿を申し上げているわけで、私の二期にわたる経験から申し上げているわけです。そしてそのことが大きな陣容にならないようにぜひとも御高配を賜りたい。そのことによって初めて総論、各論相整った地方分権になるのではないかと期待をしているところでございます。
 大変失礼なことを申し上げましたが、どうぞお力を出していただきますことをよろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
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山口哲夫#15
○山口哲夫君 大変お忙しい中、総理の御出席をいただきまして、心からお礼を申し上げたいと思います。
 さて、私は三十年間地方自治体の現場で働いてまいりました。常に地方分権を主張してきた一人でもございます。そういう中で、今、村山総理の手によって地方分権維進法案が提出をされたわけであります。大変感慨無量なものがあります。考えてみますと、明治政府がつくられてから百三十年間中央集権の政府が続いてきたわけであります。それを今、今度は地方自治体が主権を持った地方の政治をつくっていこうという、大変行政的な面から見ると革命的なことであろうと思います。その第一歩を今踏み出そうとしているわけでございまして、国民の立場で見てもこれは大変大きなことではないだろうか、そう考えます。
 私は、一日も早く参議院の本会議でこれが可決されまして、そして今国会中に推進委員の任命も国会の承認をいただいて実現し、そしてとにかく推進計画がつくられて着実に地方分権の第一歩を踏み出していく、そういう日の来るように心から期待をしておりますし、私たちもまた努力を続けていきたい、こう考えているところでございます。
 そういう立場に立って、三つ、四つ総理に質問をしたいと思います。
 まず第一は、地方分権推進委員会が地方分権推進計画の指針についての勧告をいたします。その勧告を総理大臣が受けまして、今度は総理の手によって分権の推進計画を立てて国会に報告するわけでございますけれども、しかし今までのいろいろな分権に関連する審議会等の勧告を見ましても、それがなかなか思うように進まない。いわゆる官僚の抵抗というものが大変強いわけです。それを象徴するのがあのパイロット自治体であったと思います。
 これは相当私たちは覚悟してかからなければ、結局立派な法律はできてみたはいいけれども、実際やってみたら骨抜きになってしまったということになっては、これは大変なことでございます、私はぜひ、国家的な大事業であります地方分権を、そういう抵抗を断固排除してもこれを実現していかなければならない大変な政治力を期待するわけでございます。どうかひとつ、そういう抵抗に対しても毅然としてこの分権を進めていくという御決意をぜひお伺いしたいと思います。
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村山富市#16
○国務大臣(村山富市君) 山口委員も市長の経験を持たれておる方であります。それだけに、今お話もございましたように、ようやく法案が提出されて、そして地方分権の実行段階に入ったということからすれば、私は歴史的、画期的なものではないかというふうに位置づけております。それだけに、やっぱり重大な決意で実行する必要があるというふうに思っておるところでございます。
 今御指摘もございましたように、地方分権推進委員会ができて、そこで十分御審議をいただいて、これは当然国会で衆参両議院で御議論をされた点も踏まえて私は検討されると思いますけれども、十分な審議をしていただきまして、そして政府に勧告していただく、その勧告を受けて政府が推進計画をつくって実行に入っていく、こういう経過をたどるわけです。
 その間には、先ほども申し上げましたように、縦割り行政といったような意味におけるいろんなやっぱり問題点もあることは十分承知をいたしておりまするけれども、しかしもう今や時の流れ、実行段階ということを踏まえた場合に、全体として内閣が一体となって分権を推進していくということについては、これはもう閣議でたびたび確認をされていることでもございますし、大綱でもしっかり示されておるところでもございますから、これはもう総理大臣が強力なイニシアチブを持って、今御懸念があったようなことのないように全力を挙げて取り組んで必ず実行していくという決意で臨みたいというふうに考えております。
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山口哲夫#17
○山口哲夫君 期待してまいりたいと思います。
 さて、次は地方分権推進委員会、これは大変大きな実は役割を担っております。まず推進計画の指針を勧告する。その勧告が出れば総理はこれを尊重しなければならない。特に推進の実施状況についても監視をして意見を述べることもできる。それも尊重しなければならない。ですから、推進委員会の果たす役割というのは、これはもう地方分権を実際進めることができるかどうか、そのかぎを握っているとさえ言われるわけでございます。しかも、この条項については総理御自身が指示をされて入れたというふうにも伺っておるわけでございます。そうなりますと、この七名の推進委員にどんな人を選ぶかということは非常に重要な問題でないかというように思います。
 私は、三月十五日の当委員会で山口長官に質問をいたしました。官僚OBを推進委員に入れるとパイロット自治体のときのように中身が完全に骨抜きにされてしまうのではないだろうか、そういうことからいえば官僚OBは入れるべきではないのでないか、こういうふうに質問をいたしまして、山口長官はこのように答えております。
 私が今、どういう者はいいとか、どういう者は悪いとかいうことを言うことは控えさせていただきたいと思うんですが、ただ、昨年成立をいたしました行政改革委員会、五名の委員の顔ぶれを見ていただけばおわかりだと思いますが、まさに村山総理の指導性をもって任命した五名の方でございます。その顔ぶれを見れば、ただいま山口委員の御心配というものは解消されるのではないであろうかなというふうにも考えるわけでございまして、こういう答弁をされまして、私も納得をしたところでございます。村山総理も同じ考えと理解してよろしいでしょうか。
 そしてさらに、これは分権を受ける方の立場の地方自治体の経験者、そういう方を、できればやっぱり首長経験者を入れるべきではないだろうかというふうにも考えます。地方六団体からもそういう要請が出されておりますけれども、それについてのお考えもあわせてお答えいただきたいと思います。
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村山富市#18
○国務大臣(村山富市君) 今お話もございましたように、この地方分権推進委員会がある意味では勧告権あり、それから実施段階における点検をしてそれに基づいて意見を述べるといったようなことができるような権限を持たせるということについてはさまざまな意見があったけれども、しかしもうそこまで踏み切らなければ地方分権は推進されないということを前提にして、地方分権維進委員会の役割やら機能やら権限やらといったものについて御提案されているような内容のものにしたわけであります。
 それだけに、そのことも十分踏まえた上で分権が推進されるということの性格を考えた場合に、分権推進委員会の持っている役割というものは大変大きいものがあるわけですから、したがってその選任については衆参両院の審議の経過やら地方六団体の提言やらあるいはまた地方制度調査会の御意見やら等々も十分踏まえて、この法案の目的が十分達成できるような委員の選任というものは考えていかなきゃならぬというふうに思っておりまするけれども、今ここで予見を持ってこれはするとかこれはしないとかいうようなことについては差し控えたいというふうに思います。
 今、委員から御指摘もございましたようなことも十分踏まえた上で委員の選任はしなきゃならぬものだというようなことについては、十分配慮して検討させていただきたいというふうに思っているところでございます。
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山口哲夫#19
○山口哲夫君 国会におけるいろいろな意見が出ておりますからそういう点を十分踏まえて、特に私が申し上げた意見、山口長官が前回お答えになった意見、ぜひひとつ実現できるようにお願いをしておきたいと思います
 次に、国の役割について質問したいと思います。
 第四条で国の役割が三つに区分されておりますけれども、大変抽象的に書かれております。この案文だけを読みますと拡大解釈をしようと思えばできないわけではない、そんなふうにも心配されるわけでありまして、そこで具体的に一体この三つの区分というものはどういうものを指すのかということでございます。
 それで、地方六団体が示しました十六項目というのがあります。国は以下次のような仕事を行うといって十六項目が全部限定列挙されております。また、地方制度調査会と行政改革推進本部の地方分権部会の「本部専門員の意見」、大体同じですけれども、それを見ますと三つの柱に対して括弧書きといたしまして、例えばどんなものというように書いてあります。
 そういう列挙されているようなものを国の役割というように考えてよろしいかどうか、そのことについてお答えをいただきたいと思います。
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村山富市#20
○国務大臣(村山富市君) 今お話もございましたように、地方六団体の意見やらあるいは地方制度調査会の提言等の中には、国の役割分担というものもある程度具体的に明記されておる点があることは十分承知をいたしております。
 しかし、これから地方分権推進委員会でそうした御意見やらあるいは先ほど申し上げましたような国会の御審議の経過やら等も十分踏まえて検討されるというふうに思いますから、今ここで限定してこれとこれとこれは国の仕事だというふうにすることについては、私は推進委員会がこれから審議をする前提としてむしろそれは推進委員会の御審議の方にお任せして、そしてもう基本理念は明確になっているわけでありますから、その理念も踏まえ、今申し上げましたような各団体やらあるいは地方制度調査会等の答申も十分受けた立場でこれから議論されるわけでありますから、むしろ限定しない方がいいのではないかというふうに私は考えております。その点を十分前提として踏まえた上で委員会でも議論されるものだというふうに私は理解いたしております。
 同時に、これは立法機能にも関する問題でありますから、そういう点を考えた場合にも限定は差し控えた方がいいのではないか、私はそういうふうに理解をいたしておりますから、そういう意味で今お話のございましたような点については誤解を生じないように扱わせていただきたいというふうに思っているところでございます。
 国の役割のあり方あるいは内容については、今申し上げましたような立場でこの推進委員会で十分議論をされるものだ、議論をされて勧告があればその勧告については国は尊重して実行するということについてはこれはいささかも違いはないわけでありますから、そういうふうに御理解を賜りたいというふうに思っているところでございます。
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山口哲夫#21
○山口哲夫君 三月十五日の当委員会で実は同じ質問を山口長官に払いたしました。そのときの質問は、「本部専門員の意見」として専門員の意見が出されているけれども、国の役割分担について、例えば「国は、国家の存立に直接関わる政策に関する事務(例えば、外交、防衛、通貨、司法など)」、そのほか第一、第三と同じように、「(例えば、公正取引の確保、生活保護基準、労働基準など)」云々というふうに書かれている。したがって、こういうことを一応頭に入れて考えてよろしいんですねというような質問に対して、山口長官はこういうふうに答えております。
 「具体的にそれでは地方制度調査会のような内容なのかと、こういう意味を含めてのお尋ねだと思うんでございますが、そういうことをイメージしていることは事実でございます。」、こういう答弁をされているわけですから、大体こういう列挙されたようなことを頭に描いていらっしゃるというようなふうに解釈してよろしいんですね。
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村山富市#22
○国務大臣(村山富市君) 今お話もございましたように、地方制度調査会におきましては、もう時間がありませんから申し上げませんけれども、三つに分類して、そして国の役割分担と責任というものを明記してあるわけです。
 私は先ほども答弁申し上げましたように、この地方制度調査会の答申やらあるいは六団体の意見やら等も十分踏まえ尊重した立場で推進委員会では議論をされるものだというふうに理解をいたしておりまするし、そういう受けとめ方をいたしておるということは申し上げておきたいと思います。
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山口哲夫#23
○山口哲夫君 質問を終わるわけですけれども、ひとつ委員長にお願いしておきたいと思うんですが、先ほど溝手委員の質問の中に、たしか村山総理が自治労を代表しているというお言葉があったように思うわけです。村山総理は自治労の政治連盟の一員ではあります。私たちと同じ一員でございまして、決して代表をしているものではありませんし、何か自治労が政権を担っているのでないかというお言葉もあったように聞こえたものですから、これはもしそうであったら大変誤解を招きますので、後ほど議事録をちょっと審査していただきまして、もし間違いであれば委員長の責任でひとつ削除をしていただくようにお願いしておきたいと思います。後ほど委員長の御意見をお伺いしたいと思います。
 最後に、とにかく地方自治法が制定されて四十七年になるわけです。地方自治は民主主義の学校だと言われてまいりましたけれども、残念ながら必ずしもそうは今なっていない。民主主義がだんだん低下してきているんでないだろうか。その一つの象徴として自治体選挙の投票率が非常に低くなっている。これはやっぱり長年続いてきた補助金行政による中央集権的な行政、それから選挙のときに各党相乗りの中でなかなか征風に対して公約を明確に出せない、争点がない、そんなようなこともありまして、結局は住民自身が地方の行政というものは首長と議員に任せておけばいいんだという、そういうお任せ的な行政ということになってきているんでないだろうか。
 私は、やっぱり地方自治は民主主義の学校だと、これは名言だと思うんですけれども、本当に地方自治から、自治体から民主主義を定着させていくためには、そこで住民一人一人が自分たちがこの町の主人公なんだ、自分たちがこの町をつくっていくんだという、そういう政治をつくっていかなきゃならないと思うんですね。そのためにも分権を行って、首長が本当に町づくりの方針を明らかにできろ、国の力をかりなくともこういう方向で行きたいというようなことを明確にしていくことによって、住民も非常に選挙のときにも首長の争点というものがはっきりしてくる。そういう住民一人一人に町づくりに対する期待を持たせていくというのが地方分権の大きな役割だと思います。
 そういう意味で日本の民主主義を高めていくためにも、ぜひひとつ総理の手によってこれを着実に実現させていただきますように心からお願いして、質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
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小林正#24
○委員長(小林正君) それでは、山口理事からの御指摘がございましたが、質問者の趣旨が山口理事御指摘の内容であるかどうかにつきましては、後刻速記録を精査いたしまして、理事会において検討させていただきたいと存じます。
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渡辺四郎#25
○渡辺四郎君 どうも本日は総理の出席をいただき、地方分権推進法案の審議もいよいよ大詰めを迎えた感を深くするものです。
 ほぼ二年前の九三年六月、お話がありましたように衆参両院の本会議で行った国会決議、この歴史的な大改革に向けて私崎身、こんなに早く法律案が提出をされるとはその当時正直言って思いもしなかった一人です。あれから約二年、そして今、法案の成立を間近にして、地方分権の着実な第一歩を踏み出す機が熟していることを深く感じると同時に、長年の地方自治体の夢が現実化しつつある、このことを思うと本当に感慨深いものを覚えます、
 私も地方自治の確立を叫び続けてきた。人として、あるいは先ほど溝手先生からお話がありましたが、若干やはり認識の違いもあるようですけれども、自治労は中央に法人格の地方自治研究センターも持っております。それから自治労という労働団体は全国各組織に地方自治研究所を組織して、そして多くの学者、文化人、研究者を入れて約三十年間地方分権問題について取り組みをしてまいりました。今度の与党のプロジェクトの中でも自治労代表の皆さんに来ていただきまして、運動体としての地方分権についての考え方も述べていただきました。与党としてもお話を聞きながら、全く我々の方向と変わりはない、より積極的に自治労の方が前に出て進めるような、そういうお話も聞かせていただきました。私たち与党プロジェクトとしても実は参考になったところも多かったわけです。
 そういう中で、先ほど斎藤先生からお話がありましたが、私も与党のプロジェクトの一員として約二十八回に及ぶ議論をしてまいりました。私は、細川前々内閣の当時からいわゆる与党の地方分権プロジェクトのチームの一員として、ですから共産党の皆さんが抜けた以外のプロジェクトのメンバーとはこの分権問題については議論をしてまいりました。そしてかんかんがくがく議論もやりました。各党の主張もありましたが、そういう中で全体的に見れば今の法案についていま一歩という感もなきにしもあらずという気はいたしますが、現段階では昨年末のいわゆる地方分権大綱から見れば一歩前進をした、踏み込んだということについて私自身もそう評価をしますし、あるいは地方六団体等を含めて多くの皆さんからもそういう評価もいただいておるところです。
 そういう点から見れば今一番求められていることは何か。それは本法案を速やかに成立させ、実質的に地方分権を進めていくことだというふうに実は考えておりますが、この点多くの委員からも総理の御認識のお伺いがありましたが、再度私の方からも総理の御認識をお伺いしたいと思うんです。
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村山富市#26
○国務大臣(村山富市君) 冒頭に斎藤先生からもお話がありましたけれども、地方の時代になる、あるいはこれから地方分権の時代だというようなことが言われて約二十年ぐらい経過しているわけです。そういう経過を振り返ってまいりますと、これはまさに地方の時代の流れですし、同時にもう実行段階だというふうに言わなきゃならぬと私は思いまするし、こういう法案がようやく日の目を見て審議をされる段階になったということは感無量な感がするわけであります。それだけ歴史的、画期約なものであるという言葉を使わせていただきましたけれども、そういう性格のものではないかというふうに私は思っております。
 この法案は、先ほど来申し上げておりまするように、国会の決議も十分踏まえた上で御提案を申し上げているところでございまして、同時にその内容につきましては地方制度調査会やらあるいは地方六団体等々の意見、提言というものも十分参考にしてつくられておりまするし、そういう地方制度調査会やあるいは地方六団体からも評価をされておる内容であるというふうに私は確信を待たせていただいておるところでございます。
 したがいまして、皆さん方の御理解もいただきまして一日も早く成立をさせていただき、地方分権推進委員会も発足をさせていただきまして具体的に実行できる段階に早く入らせていただいて、そして政府は一体となってこの期待にこたえ得るような取り組みをさらに強化していきたいというふうに考えているところでございますので、何分よろしくお願い申し上げたいと存じます。
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渡辺四郎#27
○渡辺四郎君 ぜひ、我々も国会の方も大いにひとつ努力をして内閣と一緒になって進めていきたい、そういう決意も申し上げておきたいと思うんです。
 以下、数点について総理にお伺いをし確認しておきたいという点がございます。
 まず、本法案は法律の有効期限を五年と規定をしてあります。そのことは政府がその期限内に地方分権を積極的に進める、そういうことを国民の皆さんにお約束したものであり、この点については私自身も政府の決意を含めて評価したいと思う。しかし、そのためには限られた時間内に具体的な成果を上げなければなりません。地方分権という、先ほど山口委員からもお話がありましたように明治以来の内政のいわば大革命、大改革であるわけですから、五年という期間というのは余りある時間ではない、そういうことを思えばむしろ時間的には少な過ぎるのじゃないかという気もするわけです。
 法案成立後、法案のかなめであります地方分権推進委員会を早期に発足させなきゃいけない。そして委員会の活動をバックアップするための強力な事務局体制の整備、そして委員会が積極的に調査、審議を行い、早い時期にいわゆる指針勧告をお願いしなきゃいけない。そうしますと、指針勧告が示された場合には、政府として早急に充実した内容の地方分権推進計画を作成して国民の皆さんにお示しすることができると思うんです。
 さらに、これを実施していくということになりますと、限られた時間、先ほど言いましたように五年間という期限があるわけですから、集中的に実行していかなければ地方分権の具体的な成案はやはり目に見えてこない。終わってみたら、やっぱり中央省庁がいいところばっかり取って、あとの残りだけを地方に分権をしたというふうなことを言われたのではこの目的を達成することができません。
 そういう点、総理、こうした点に対する政府の格段の努力を期待するものでありますが、総理の断固たる決意のほどをひとつお伺いしたいと思うんです。
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村山富市#28
○国務大臣(村山富市君) 有効期限を五年間というふうに規定してあるわけでありますけれども、こういう大きな仕事をするのに五年間というのはそれほど長い期間ではないというふうに私は思っております。
 したがって、この五年間にできるだけ充実した議論をしていただいて、そして必ず結論が出せて実行できるようなものにしてもらわなきゃならぬというふうに考えております。したがって、委員の選任につきましても、先ほどお話もございましたようにできるだけ国と地方との行政全体に対する見識を持っておるバランスのとれた人選もする必要があるというふうに考えておるわけであります。その委員会が例えば勧告を出したという場合に、その勧告を出すのに必要な資料の提供というものはこれは当然各省庁から協力してもらわなきゃならぬわけですね。
 そういう内閣が一体となって取り組む体制というものは極めて大事なことだというふうに考えておりますから、これは冒頭申し上げましたように、この内閣が政治改革を進めていく一つの大きな重要課題として地方分権というのを位置づけておるということは、これはもうおげいに明確に確認をしておるところでありますから、したがってそういうことのないように各省庁も積極的に資料の提供も願い、同時に委員会の審議にも協力してもらうということは当然ではないか、また私はそうさせなきゃならぬというふうに考えておるところでございます。
 同時に、事務局の体制につきましても、この法の理念に基づいて分権が具体的に実践的に推進をされる、そういうことができるような適正な人員の配置ということも十分考えて、委員会の構成やらあるいはそれを推進する事務局のあり方やら等々は御意見のあった点も十分踏まえてやらなきゃならぬものだというふうに私は考えておりますから、そういう点についてはひとつ皆さん方の御理解もいただきましてさらなる御協力をお願い申し上げたいというふうに思っておるところでございます。
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渡辺四郎#29
○渡辺四郎君 推進委員会の人選問題、そして強力な事務局体制、それに対する予算措置、今、決意をお伺いしましたから、ぜひひとつお願いを申し上げておきたいと思っております。
 あともう時間が余りないものですから、最後の問題で、財源問題で少しお聞きをしておきたいと思うんです。本法案の第六条で、国は地方公共団体が自主的かつ自立的に事業を行うことができるよう、国と地方の役割分担に応じた地方税財源の充実確保を図ることが規定をされています。地方税源の充実策については逆に何ら明示をされていないという点で実は心配があるわけですが、地方分権に当たっての地方税財源の具体策について、今後推進委員会に検討をゆだねた形になっているというふうに思っております。
 そこで、せっかくの機会ですから総理に伺っておきたいと思いますが、これまで、先ほどからお話がありましたように、国会の決議やあるいは地方制度調査会あるいは六団体等々のたくさんの答申なり指摘も出てまいっておりますように、例えば国税と地方税とのあり方について、やはり責任と経費負損の所在を明確にせよという多くの答申なりあるいは御意見等も実は出されておるところです。そういう点で、国と地方の歳入歳出のアンバランスを見直すことが大事で、国庫補助金についても整理合理化をして一般財源化していく、こういう視点で交付税全体を見直し、そして地方の独立財源をどう確保するかというところにひとつ力を入れてもらいたい。同時に、交付税そのものを今の方式でなくて直入方式に持っていって、もう別建てだというふうな方向で、そのくらいのやはり強い体制に整備していく必要があるのじゃないのか。
 あるいは、地方債の許可問題についてもいろいろと御指摘がありました。委員会の審議がありました。ぜひこれについても関与はやっぱり最小限にとどめてもらって、そして許可制度の弾力化、簡素化を大幅に進めてもらいたいというような点をひとつ申し上げて、地方の自主性、自立性を高めるために大いに今後ひとつ政府としても努力をしてもらいたいということを、最後に総理にその点についての御所見をお伺いして終わりたいと思います。
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