科学技術特別委員会

1996-06-14 参議院 全113発言

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会議録情報#0
平成八年六月十四日(金曜日)
   午前十時開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 六月十三日
    辞任        補欠選任
     楢崎 泰昌君     武見 敬三君
     松村 龍二君     林  芳正君
     山本 正和君     渕上 貞雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         長谷川 清君
    理 事
                鹿熊 安正君
                吉川 芳男君
                石田 美栄君
                川橋 幸子君
    委 員
                海老原義彦君
                太田 豊秋君
                沓掛 哲男君
                河本 三郎君
                志村 哲良君
                武見 敬三君
                林  芳正君
                友部 達夫君
                山崎  力君
                渕上 貞雄君
                峰崎 直樹君
                阿部 幸代君
                立木  洋君
   国務大臣
       国 務 大 臣
       (科学技術庁長
       官)       中川 秀直君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      工藤 尚武君
       科学技術庁原子
       力局長      岡崎 俊雄君
       科学技術庁原子
       力安全局長    宮林 正恭君
   事務局側
       第三特別調査室
       長        塩入 武三君
   説明員
       原子力安全委員
       会委員長     都甲 泰正君
   参考人
       動力炉・核燃料
       開発事業団理事
       長        近藤 俊幸君
       動力炉・核燃料
       開発事業団理事  中野 啓昌君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○科学技術振興対策樹立に関する調査
 (高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏
 えい事故に関する件)
    ―――――――――――――
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長谷川清#1
○委員長(長谷川清君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 昨十三日、山本正和君、松村龍二君及び楢崎泰昌君が委員を辞任され、その補欠として渕上貞雄君、林芳正君及び武見敬三君が選任されました。
    ―――――――――――――
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長谷川清#2
○委員長(長谷川清君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 科学技術振興対策樹立に関する調査のうち、高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故に関する件の調査のため、本日の委員会に動力炉・核燃料開発事業団理事長近藤俊幸君及び同理事中野啓昌君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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長谷川清#3
○委員長(長谷川清君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
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長谷川清#4
○委員長(長谷川清君) 科学技術振興対策樹立に関する調査のうち、高速増殖原型炉「もんじゅ」のナトリウム漏えい事故に関する件を議題といたします。
 同件に関し、政府から報告を聴取いたします。中川科学技術庁長官。
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中川秀直#5
○国務大臣(中川秀直君) 昨年末の「もんじゅ」事故につきましては、地元の方々や国民の皆様に大変な不安感、不信感を与えるという極めて遺憾な結果を引き起こし、心からおわびを申し上げます。
 今回の事故については、専門家の参画を得て鋭意調査を進めてまいりましたところ、事故の原因となった温度計の破損原因の究明の見通しが立ち、他の調査項目についても明らかとなってまいりましたので、先般五月二十三日に、「動力炉・核燃料開発事業団高速増殖原型炉もんじゅナトリウム漏えい事故の報告について」を取りまとめ、公表したところであります。
 本報告書の詳細については原子力安全局長より後ほど説明させますが、特に、今回の事故の経緯と寄せられた種々の批判を真摯に受けとめ、科学技術庁として深くみずからを省みて、率直に反省すべき諸点を明記しております。私を含め当庁の職員はこれらを重く受けとめ、今後の行政に反映してまいります。これに関連して、別途当庁の責任を明らかにいたしました。
 私としては、本報告書により事故の状況、原因等について相当の部分が明らかとなり、現在とり得る限りの対策の方針がかなり明確になったものと考えておりますが、なお解明すべきことが残っており、報告書にこの点を個々に明記しております。
 科学技術庁としては、引き続き残された諸点について調査を継続しているところであり、その一環として、先週七日にナトリウム漏えい燃焼実験が行われたところであります。また今後、本報告書で明らかにした対応及び改善策についても速やかに着手し、一つ一つ着実に実行に移してまいります。
 また、動燃事業団に対して、本報告書を踏まえ、動燃事業団としての責任を明らかにし、適切な対応を行い、地元の方々や国民の皆様の信頼を回復するため最大限の努力を尽くすよう指示しました。動燃事業団は、直ちに理事長が引責辞任し、さらに関係者の責任を明らかにしたところであります。
 原子力安全委員会におかれては、独自の立場から、「もんじゅ」事故の原因と再発防止対策について調査、審議が行われるとともに、研究開発段階の原子力施設の安全確保のあり方及び事故時の情報公開のあり方について鋭意検討が行われているところであり、これらの結果については十分に尊重して対応してまいります。
 最後に、今回の事故への対応を含め、まず安全対策を徹底するとともに、情報の公開、安全を最優先する体制や対策の確立等に努め、常に国民本位の姿勢に立って原子力行政を進めてまいる決意でありますので、委員長初め委員各位の御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。
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長谷川清#6
○委員長(長谷川清君) 宮林科学技術庁原子力安全局長。
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宮林正恭#7
○政府委員(宮林正恭君) それでは、資料に基づきまして御説明させていただきます。
 まず、数ページのペーパーで、「動力炉・核燃料開発事業団高速増殖原型炉もんじゅナトリウム漏えい事故の報告について」という資料がございますが、今回の報告の本文につきましては少し分厚うございますので、これで説明させていただきます。
 まず、今回の報告につきましては、規制部門だけではない、科学技術庁全体といたしましてこの報告を取りまとめました。それから、今回の報告はまだまだ引き続き調査を行う部分がございますので、引き続き調査を行いまして、別途追加して報告を取りまとめることにしている部分があるということを申し上げたいと思います。
 報告書の要旨でございますが、今回の事故につきましては、法律的な概念からいいますと、原子炉施設の安全は確保されたと。しかしながら、ナトリウムが漏れたということにつきましてはやはり極めて重く受けとめているということでございます。
 それから、地元の方におかれましては、やはりナトリウムの漏えいと火災というふうなことから強い衝撃を受けられたということについては十分認識をする必要があると考えておりますし、また、国民に対してもそういう衝撃を与えているということを強く認識しているということを述べております。それから、動燃によります不適切な対応がございまして、不安感なり不信感を与えるということになったということも述べております。
 漏えいの発生原因でございますが、この漏えいを発生いたしました温度計さやにつきましては、その設計において、当時の米国機械学会の技術基準を正確に理解しないまま設計を行ったミスということがあったということを述べております。
 漏えい後の拡大防止につきましては、異常時運転手順書の記載に問題があったほか、運転員の判断にも適切性が欠けていた面があったということを述べております。ナトリウム漏えいによる影響でございますが、これらにつきましては、それぞれチェックをいたしました結果、放射性物質による影響、あるいはナトリウム火災で生じたエアロゾルによる影響はなかったということを確認いたしております。しかしながら、鋼製足場が損傷した原因、あるいはナトリウムとコンクリートの反応を防ぐために敷かれている鋼板の温度上昇といったような問題などにつきましては、引き続き検討するというふうなことにいたしております。動燃の事故時の対外対応につきましては、状況がどうであったかということについて説明を書いておりまして、それのバックグラウンドにありますものといたしましては、やはり動燃は情報公開ということについての認識が不足していたのではないか、あるいは指揮する者の役割が必ずしも十分機能しなかったのではないかなどのことを述べております。
 それから、原子力安全局の対応についても記しておりまして、これにつきましては、事故の際の正確かつ迅速な情報の把握ができなかったという事実を述べております。
 次に、科学技術庁として反省すべき点を五点述べております。
 一つは、温度計の審査に関しまして、許認可の対象とせず、自主的な活動にゆだねていたこと。二つ目といたしまして、科学技術庁の対応については、動燃から情報が適切に提供されるという考えに依拠しまして、能動的対応に欠ける側面があったこと。それから、国民あるいは地元の方々の不安をできるだけ少なくするような努力が不十分であったのではないか。それから情報開示についても、動燃における情報の開示をためらわせるような体質あるいは雰囲気をつくってきたことについてなど、科学技術庁が十分掌握をし切れておらず、そういう点で大きな反省すべきところがある。それから、動燃の経営面についての監督におきましても不十分であったということでございます。八番目といたしまして、今回のいろいろな事故の教訓、これは先ほどから申し上げておりますいろいろな調査をした結果に基づく教訓でございますが、それに基づく対応及び改善策を八項目述べておりまして、一つは、二次系の温度計の取りかえと科学技術庁による審査及び検査。それから、ナトリウム漏えい後の措置の充実。それから、運転員が的確に判断できるような支援システムの充実。それから、事故時の対応のための体制の整備。次いで、動燃の自主保安の強化というふうなことを述べると同時に、科学技術庁みずからにおいても安全性総点検をやる、そしてその実施は動燃にしていただくわけですけれども、その確認体制をつくっていく。それから、運転管理につきましては能動的な動きに欠けるところにあった、こういうようなことでございますので、運転管理の充実強化をする。あるいは、原子力に対します安心感と信頼感の確保をするというふうなことにつきまして述べております。
 それから、同封をいたしましたもう一つの資料をちょっと御説明させていただきたいと思います。
 ナトリウム漏えい燃焼実験が六月七日に動燃の大洗工学センターにおいて行われました。しかしながら、これにつきましては新聞等で既に御存じのとおりでございますけれども、下に敷かれております床ライナーが破損をしているという事実が判明をしたわけでございます。
 それで、今回の実験は、配管支持装置等がある状態でのナトリウム燃焼挙動を確認する。換気空調ダクトあるいはグレーチングと言っております足場でございますが、そういうものが破損をしたという事実についての挙動を確認する。床ライナー、下に敷いております鉄板でございますが、あるいは側壁のコンクリート、そういうものに及ぼす影響の確認をするということで行いました。
 これにつきましては、ナトリウムの温度等はここに書かれておりますが、スペース的には約十三分の一、それから、いろいろと測定をするということから、床面におきましてはステンレス製の管あるいは枠といったものを設置いたした状況で行っております。これにつきましては三ページの上段の方の写真、図二でございますが、こういうふうなことで行われました。
 しかしながら、この実験を行いました結果が図三のようなことになっておりまして、これにつきましては今後十分解析をしていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
 とりあえずの観察状況といたしましては、ナトリウム化合物の堆積が見られていない、これは「もんじゅ」の場合は堆積が見られたわけでございますが、そういうことがあること。あるいは、この図でごらんいただきますように、サンプリングポットとか熱伝対保護管、こういうふうなものがなくなっている。それから、先ほど申し上げました床ライナーに三カ所穴があいた。当然といいますか、ダクト、グレーチング等につきましては「もんじゅ」と同じように穴があいております。
 それで、このような状況になったことにつきましては引き続き検討するということでございますが、過去にいろいろ行われました実験では床ライナーに穴があくということは起こったことがないということでございますので、まずこういうことが起こった原因について十分究明をして、その後的確な措置をとっていきたい、こういうふうに考えております。
 以上でございます。
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長谷川清#8
○委員長(長谷川清君) これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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河本三郎#9
○河本三郎君 自民党の河本でございます。
 大臣、きょうはどうぞよろしくお願いいたします。また近藤理事長、お忙しいところを御出席いただきましてありがとうございます。
 まず初めに、一言お礼を申し上げたいと思います。あの忌まわしい阪神・淡路大震災から一年五カ月が過ぎようとしておりますが、科学技術庁としても震災発生直後より各般にわたる御支援の手を差し伸べていただきましたことに、本席をおかりしましていま一度改めて厚く御礼を申し上げたいと思います。
 ただ、震災発生直後とはまた新たな難しい問題にも直面をしているということも事実でありまして、引き続きの御協力を賜りたい、このようにお願いを申し上げるところでございます。
 それでは、ただいま御説明がございました「もんじゅ」の事故に関連して質問をさせていただきたいと思います。
 冒頭に動燃の方からも御説明をいただきたかったのでございますが、昨年の十二月八日に事故が発生をしてから、鋭意原因究明等に御努力をいただいていると思います。しかし、国民の間には依然として、ただいま大臣からも御報告をいただきましたように、強い不信感、不安というものが根強く残っているということも事実でございます。
 このような事態を一刻も早く解消するためには、まず何よりも徹底した原因究明をして安全確保の対策を講じるということが大変重要であり、正確な情報の開示に努めなければならない、このように考える者の一人であります。
 これは五月二十三日付の報告書でございますが、最初に「もんじゅ」の安全対策について、そして我が国のエネルギー安定供給政策の展望について、順番にお尋ねをしていきたいと思います。
 前回二月九日付の調査状況の取りまとめに比べますと、特に温度計の破損原因を中心としてかなり明らかになってきた、このように受けとめられます。
 ただ、報告書にもあるとおり、さらに調査検討を要する項目も幾つか残っていると書いてあるのでありまして、引き続き調査を継続するとございますが、どのような調査なのか、具体的にお答えをいただきたいことが一点。そして最終報告というものがいつごろ取りまとめられるのか。この二点について冒頭にお伺いしたいと思います。
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宮林正恭#10
○政府委員(宮林正恭君) お答えさせていただきます。
 温度計関連以外にもいろいろと検討する必要がございまして、まず、引き続き調査する項目として報告書の中で挙げておりますのは、当該温度計のみが破損した理由。それから、床ライナーの板厚が減少しているという現象がございますのでその原因。これは、先ほど御報告申し上げましたライナーに穴があいたという現象などもこの関係でかかわるわけでございます。それからコンクリート・ナトリウム反応、こういうことが起こる可能性がありますので、そこのあたりがどうであったかということなどを引き続き徹底的に調査検討する必要がある、こういうふうに申し述べているところでございます。
 なおまた、その後新しい事実関係が出てまいりますれば、当然それについても継続的に調査をさせていただきたい、こういうふうに考えております。
 それから、最終報告ということでございますが、このような調査につきましては時間を決めて調査するという考え方を私どもとっておりませんで、これは着実に調査していく。かつまた、調査した結果は適当なタイミングで御報告を申し上げるというふうな形にさせていただければと、こういうふうに考えているところでございます。したがいまして、現段階におきましてタイミングなどについてちょっと申し上げられるところではございません。
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河本三郎#11
○河本三郎君 先週の末になるんですか、六月七日にナトリウムの燃焼挙動の検証を目的として模擬実験が行われました。この報告書の最後にも写真のコピーがついておりますが、ナトリウム漏えい実験が実施されたとお聞きしております。先ほど局長からお話しございましたように、注目すべき点はナトリウムの受け皿でありますライナー、これは鋼板製の厚さ六ミリのライナーということでありますが、これに穴が三カ所あいたと、当初、予想しなかった結果が生じたのであります。
 私が理解しておりますのは、このライナーといいますものは、ナトリウムとコンクリート中の水分が反応することを防ぐ役割を持っているということで、「もんじゅ」にとって極めて重要な部位である、このように認識しております。さらに追加実験を行い、ナトリウム化合物との反応などの実態を詳細に把握することが必要ではないかと考えますが、いかがでございましょうか。
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宮林正恭#12
○政府委員(宮林正恭君) お答えさせていただきます。
 結論から先に申し上げますと、今回の実験の結果につきましては、先ほど申し上げましたように、過去百二十回程度行われておりますいろいろなナトリウムの漏えい実験などで一度も起こっていない現象でございます。かつまた、「もんじゅ」そのものにおいてもそういうことは起こっておりませんので、今回こういうふうな穴があくという現象が起こったことにつきましては、十分まずそこの原因究明、解明をしたい、こういうふうに考えております。それで、そのために検討していくわけでございますが、必要があれば、当然のことといたしまして実験も十分やりたいというふうに考えております。
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河本三郎#13
○河本三郎君 報告書にございます今回の事故のナトリウムの漏えい量、約六百九十キログラムとお聞きしておりますけれども、この漏えい量と今回の模擬実験で漏えいをさせた量とは同量のようなものですか。
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宮林正恭#14
○政府委員(宮林正恭君) 先ほど御説明用に使いました資料の一ページでございますが、漏えい量は約六百九十キログラムというのが先日の実験のときの量でございました。大体、実験条件、ナトリウム温度あるいはナトリウム漏えい速度、実験時間などにつきましては、実際の「もんじゅ」に起こりました状況を模擬するような形でやったわけでございますが、ただ、床面につきましては、先ほど申し上げました別の条件があった、あるいは部屋も十三分の一というふうな容積であったということなど、当然、模擬でございますので別の条件もありました。
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河本三郎#15
○河本三郎君 失礼しました。実験の漏えい量が六百九十キログラムということでありますね。
 それで、ライナーが溶けて床部のコンクリートと何らかの反応をしたと思いますが、この反応についてどのような御見解を持っておられますか。
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宮林正恭#16
○政府委員(宮林正恭君) まず、床部の部分のうちコンクリートと反応したかどうかにつきましては、これは水素が発生したかどうかということでございまして、現在の一時的な解析の状況では水素は発生していないというふうに、発生していないというのはちょっと言い過ぎでございまして、少なくとも水素が測定限界以下であった、こういうふうな状況でございました。
 それから、床の鉄板との反応につきましては、これはナトリウム、鉄、それから酸素という三者が共存する中で、かなり高温のところにおきましてはある種の化学反応といいますか、そういうものが起こったのではないかというのが一時的な見通しとして推測されているところでございますが、今後引き続きこれらにつきましては解析をしていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
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河本三郎#17
○河本三郎君 これまでの調査によりますと、温度計の破損は、ナトリウムの流れに伴う温度計の流体振動に起因する高サイクル疲労によるものであり、この温度計さやが段つき構造になり、さらにその段つき部のいわゆる応力逃がし、曲率半径が考慮されていなかったということだと思います。つまり、応力が非常に集中をしやすい、そういう設計であったということが判明しておりますが、具体的には、当時の設計担当者がアメリカの機械学会の基準を正確に理解せずに、テーパー状の形状を適用すべきであったところを段つき構造のものにしてしまったということが指摘をされております。つまり設計ミスであります。
 このような初歩的なミスもさることながら、動燃事業団においても、温度計さやの設計図面を検討の上で承認しているわけでありまして、その過程で設計上の問題点を指摘、改善できなかったという点は大変大きな問題であったと考えております。俗な表現でありますが、技術を売り物にする日本としては極めて情けない事態でありまして、国際的にも信用を落としてしまったと言わざるを得ないのであります。私も流体力学、振動工学を学んだ者の一人として、実に貧しい設計であったと思います。
 そこで、動燃の近藤理事長にお伺いをしますが、今回の設計のミスを見逃したという点について、どのような対応をされるおつもりでございますか。
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近藤俊幸#18
○参考人(近藤俊幸君) 本来、高い信頼性を確保すべきこのナトリウム配管などの一部でございます御指摘の温度計に問題があり、破損しましたが、これをチェックできなかったということは重く受けとめております。温度計さやの構造に対し、慎重な配慮が欠けていたと反省しております。
 今後は、設計の考え方やその根拠、品質保証システムにおける問題点など、根源に立ち返った見直しを行っていきたいと思っております。
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河本三郎#19
○河本三郎君 しっかりとした対応を今後とっていただきたいと言うしかございません。
 次に、フランスのスーパーフェニックスの漏えい事故を例に出して御質問したいと思います。
 今回のような事故の再発防止のためには、各国の事故あるいは故障のデータを常に収集して、これを原子力プラントの安全性向上に役立てるということが重要でございます。温度計部からのナトリウムの漏えいは、フランスのスーパーフェニックスにおいて過去に発生しておるのでありまして、この漏えいの直接の原因は溶接不良であったと聞いておりますが、その際、このスーパーフェニックスでは、同時に振動対策として温度計のさやの長さを短くするという改善策をとっておられます。この振動対策を「もんじゅ」に適用しておけば、今回の事故は防止できたかもしれません。各国の安全対策を我が国の原子力施設に反映させるためにも、従来より先進国と情報交換を行っており、フランスと安全に関する情報の交換を行っていると聞いておりますが、この一九八五年に起きましたスーパーフェニックス事故の教訓がなぜ生かされなかったのかということで大変残念でございます。その辺についての御見解をお聞きしたいと思います。
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宮林正恭#20
○政府委員(宮林正恭君) 御説明させていただきます。
 委員御指摘の点につきましては、私どもも大変申しわけないことだと思っておりまして、これにつきまして十分調査を進めたいということでやつてきているわけでございますが、現在、私どもが存じているところでは、当庁でこの一九八五年七月に発生しましたナトリウム漏えいに関する情報については、その当時情報を入手していたという記録は見当たりません。
 それから日仏規制情報交換、これは一九八八年が第一回でございましたが、その後第八回まで行われております。第九回もことし行ったわけでございますが、そういうふうな中で本件につきましての議論がされた、特に御指摘がございました温度計が振動するので短縮化したというようなことにつきましては、話題となっていないということでございます。
 これにつきましては、九二年から九四年にかけまして行われましたナトリウム火災対策につきましての情報を入手した際にも十分入手できていないというふうな状況にございまして、詳細が入手できたのは、ことし動燃が一月に、事故後にでございますが、現地に行かれたときに入手されたというふうに承知しております。当然、これにつきましてはある種の記述というのが当時記録の中であるわけでございますが、少なくともここまで詳細が判明する、注意を引くというような内容ではなかったということのようでございます。
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河本三郎#21
○河本三郎君 済みません、聞き取りにくかったのでもう一度御答弁いただきたいんですけれども、話題になっていなかったとおっしゃいましたが、何が話題になっていなかったのですか。
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宮林正恭#22
○政府委員(宮林正恭君) ちょっと説明が悪くて申しわけございません。
 日仏規制情報交換におきまして、温度計の短縮化というふうな、まさに今回の事故の中身に関連しますような話題というのは出てきていないということでございます。
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河本三郎#23
○河本三郎君 今御答弁された九六年の一月に入手してそれが初めてわかったと、こういうことでありますか。
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宮林正恭#24
○政府委員(宮林正恭君) はい。
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河本三郎#25
○河本三郎君 わかりました。
 温度計の破損に加えまして、今回の事故をこれほど拡大させた要因として運転マニュアル類の不備というものが指摘されます。
 このマニュアルは、報告書にもしっかりと書いてございますが、概要、フローチャート、そして細目の三部構成から成っておりまして、今回の手動トリップ、すなわちエマージェンシーシャットダウンを行い得なかったのは、フローチャートを正しく理解しないまま細目に従って運転操作したことによるものということであります。
 このエマージェンシーシャットダウンを行うか行わないかの選択判断というものは、運転員にとって心理的に極めて重い負担がかかると私は思います。しかし、原発という性格上、緊急時には安全性を最優先にした対応が重要であります。運転員に負担をかけないためにも、マニュアルというものは細部に至るまで整合性がとれたものでなければならないと考えております。このような配慮に欠けていたことは大変残念でありますが、今回の教訓を生かすためにも改めるべきものは改めるという姿勢が必要でありますが、マニュアルの改善について何かお考えがございますか。
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宮林正恭#26
○政府委員(宮林正恭君) マニュアルの改善につきましては、まず運転マニュアルにつきましては、これまでは政府が特段の報告を受けるという形になっておりませんでした。しかしながら、やはり異常時のものにつきましては、これは安全上非常に重要であるという観点から、「もんじゅ」につきましては、これを安全性総点検の中で当庁としても確認をさせていただくというふうにしたいと思っております。
 当然、マニュアル全体につきましては動燃において見直しをしていただく、見直しといいますか全体をチェックしていただくというふうに考えております。それからその際には、特に異常時の運転マニュアルにつきましては、緊急時に運転員に過度な負担がかからないようなシンプルかつ整合性のとれたものにするように十分指導していきたいと思っております。
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河本三郎#27
○河本三郎君 温度計の設計や今マニュアルの点についてお聞きをしましたが、大臣にお尋ねをいたします。
 科学技術庁として、「もんじゅ」の安全性確認への取り組みに当たっての大臣のお考えなり御決意をお聞かせいただきたいと思います。
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中川秀直#28
○国務大臣(中川秀直君) お答えの前に、先ほど阪神・淡路大震災について先生からお話がございましたが、震災直後はもとより、その後につきましてもまた新たな地域開発の観点から御提案も当庁にいただいておりますので、そういうようなことも鋭意努力をして、私ども全力を挙げてまいりますことをあらかじめ申し上げておきます。
 お尋ねでございますが、科学技術庁という政府の立場からいたしましても、安全確保のための規制を行うという責任を持っておるわけでございます。そういう意味で、今回の事故については私どもも責任を感じ、そしてまた今後しっかりとした対応をしなきゃいかぬ、こう考えていることをまずもって申し上げておきます。
 御指摘の点につきましては、先ほど来局長から申し上げておりますけれども、今後行われる安全性総点検の中におきまして、今回の事故にかんがみまして一段の安全性の強化を図るという観点から、動燃自身が行います施設、プラントに対する安全性及び今御指摘のあった保安規定やあるいはマニュアル類についても総点検を行わせるわけでありますが、それについて私どもの方も安全性総点検チームというものを設けまして、総点検の基本的な方針も政府の方から示し、また必要に応じて現場でもきちんと総点検の実施について確認をし、また総点検の結果についてもそれが妥当であるかどうか、また具体的な改善策についてもそれが妥当であるかどうか十分検討、確認をすることにいたしております。
 また、そういう総点検の結果につきましても、一層の情報公開という観点から、地元の皆様や国民の皆様にしっかりと結果を公表して、失われた信頼あるいはまた理解というものを回復するために全力を挙げてまいりたい、このように考えております。
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河本三郎#29
○河本三郎君 大臣、ありがとうございました。
 「もんじゅ」の安全確保対策について質問をしてまいりましたが、原子力の一般的な考え、取り組みの原点というものについて少し御質問をさせていただきたいと思います。
 世界の人口を考えますと、現在約五十七億人の世界の人口が今後爆発的に増加するということが予想されておるわけで、二〇二五年には約八十五億人、二〇五〇年には約百億人に達すると言われております中で、世界のエネルギーの消費は、開発途上国の人口増加や経済発展に伴って急激に増加すると見込まれております。開発途上国も先進国と同様、経済発展というものを求める権利がありまして、我々が幾ら省エネルギー政策を進めても、世界的に見ればエネルギー消費が今後とも増加するということは当然でございます。
 一方、化石燃料の可採年数といいますものは石油が約四十年、石炭でも二百年と言われております。しかし、これは現在の消費レベルであればと仮定した年数でありまして、今申し上げましたように世界のエネルギー消費が増加すればさらに短くなるわけであります。その状況の中で、資源に乏しい日本が将来にわたって安定して発展していくにはエネルギーの安定確保が必要不可欠であると私は確信しております。
 そこで、原子力行政でありますが、原子力は供給安定や経済性にすぐれるほか、発電の過程で地球温暖化の原因であると言われますCO2、二酸化炭素を発生しないために環境問題の解決に大きく貢献をするという特徴があり、既に我が国では総発電電力の約三割を担っているということであります。しかし、この原子力も燃料としているウランは有限でありまして、その可採年数は四十年程度と言われております。したがって、軽水炉で一回だけ使用して廃棄する方式を今後採用している限り、ほかのエネルギーと同様の運命をたどるということであります。
 原子力が本来持っている性能、特徴を最大限に生かすために、使用済み燃料を再処理して再び燃料として使用する核燃料リサイクルを確立することが重要であると考えております。特に、発電をしながら消費したそれ以上の燃料を生み出すことができる高速増殖炉を中心とした核燃料リサイクルによるウランの利用効率は飛躍的に向上し、今申し上げました可採年数が四十年程度と言われておりますこの資源量を千年以上にすることができると、このようにお聞きしております。
 今回の「もんじゅ」の事故によって国民全体に原子力に対する不安感、不信感を与えてしまったことは大変残念であります。今後の原子力開発をさらに円滑に進めていくために、事故原因の究明、万全の安全対策を講じるということが重要であります。報告書に記載された対応及び改善策を早急に実施していただきたい、このように思っております。動燃の近藤理事長にその辺の御決意をお聞きしたいと思います。
 そこで、技術的な面での安全対策と同様、社会的な信頼を維持していくということも重要でございます。そして、そのためには情報公開を初め、日ごろから地元や国民の理解を得るということが極めて重要でございます。動燃の技術者の方々に大変な御苦労をいただいているわけでございますが、地元の理解を得るための配慮に欠ける点があったと言えるかもしれません。そして、今回のビデオを隠したという問題についても、事故後の動燃の対応というものが不適切であったということは否めません。これを反省して徹底的に改めるべきだと私は思います。
 今回、動燃の理事長になられた近藤理事長、今回の「もんじゅ」の事故、そして動燃における対応等を客観的にごらんになってこられて、さまざまなお考え、感想をお持ちだと思いますが、この際、新理事長としてどのような対応をしていくのか、その御決意をお聞かせいただきたいと思います。
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