災害対策特別委員会

1997-02-21 衆議院 全231発言

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会議録情報#0
平成九年二月二十一日(金曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
  委員長 川端 達夫君
   理事 稲葉 大和君 理事 栗原 博久君
   理事 松下 忠洋君 理事 山本 有二君
   理事 菅原喜重郎君 理事 西  博義君
   理事 坂上 富男君 理事 藤木 洋子君
      今村 雅弘君    大石 秀政君
      栗原 裕康君    阪上 善秀君
      下地 幹郎君    砂田 圭佑君
      田中 和徳君    田村 憲久君
      竹本 直一君    桧田  仁君
      平沢 勝栄君    牧野 隆守君
      松本 和那君    目片  信君
      山本 公一君   吉田六左エ門君
      赤羽 一嘉君    一川 保夫君
      漆原 良夫君    木村 太郎君
      笹木 竜三君    冨沢 篤紘君
      中野  清君    川内 博史君
      桑原  豊君    渡辺  周君
      平賀 高成君    北沢 清功君
      小坂 憲次君    望月 義夫君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 伊藤 公介君
 出席政府委員
        阪神・淡路復興
        対策本部事務局
        次長      生田 長人君
        国土政務次官  井奥 貞雄君
        国土庁防災局長 福田 秀文君
 委員外の出席者
        警察庁警備局警
        備課災害対策官 出原 健三君
        科学技術庁研究
        開発局地震調査
        研究課長    上原  哲君
        環境庁自然保護
        局国立公園課長 下   均君
        外務省経済協力
        局国際緊急援助
        室長      和田 章男君
        文部省教育助成
        局財務課長   遠藤純一郎君
        文部省学術国際
        局学術課長   坂本 幸一君
        文部省体育局学
        校健康教育課長 北見 耕一君
        厚生省保健医療
        局疾病対策課長 遠藤  明君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環
        境整備課長   三本木 徹君
        厚生省老人保健
        福祉局老人福祉
        計画課長    青柳 親房君
        農林水産省構造
        改善局計画部資
        源課長     四方 平和君
        林野庁指導部治
        山課長     安井 正美君
        水産庁研究部漁
        場保全課長   櫻井 謙一君
        工業技術院総務
        部研究業務課長 富田 育男君
        中小企業庁計画
        部金融課長   寺坂 信昭君
        運輸大臣官房審
        議官      長光 正純君
        運輸省運輸政策
        局地域計画課長 梅田 春実君
        運輸省運輸政策
        局環境・海洋課
        海洋室長    武藤  浩君
        運輸省運輸政策
        局技術安全課長 釣谷  康君
        運輸省海上交通
        局総務課長   田村雄一郎君
        運輸省港湾局環
        境整備課長   橋間 元徳君
        海上保安庁警備
        救難部海上防災
        課長      坂場 正保君
        気象庁地震火山
        部地震予知情報
        課長      吉田 明夫君
        建設省河川局防
        災・海岸課海岸
        室長      西口 泰夫君
        建設省河川局砂
        防部砂防課長  池谷  浩君
        建設省道路局企
        画課道路防災対
        策室長     宮本 泰行君
        建設省国土地理
        院長      野々村邦夫君
        自治大臣官房参
        事官      門山 泰明君
        消防庁消防課長 桑原 隆広君
        消防庁防災課長 山口 勝己君
        消防庁防災課震
        災対策指導室長 遠藤  勇君
        消防庁救急救助
        課長      小濱 本一君
        特別委員会第一
        調査室長    清水紀洋君
    ─────────────
委員の異動
二月二十一日
 辞任         補欠選任
  大石 秀政君     牧野 隆守君
  矢上 雅義君     漆原 良夫君
同日
 辞任         補欠選任
  牧野 隆守君     大石 秀政君
  漆原 良夫君     矢上 雅義君
    ─────────────
二月二十一日
 阪神・淡路大震災被災者に対する生活再建のた
 めの個人補償に関する請願(菅原喜重郎君紹介
 )(第二三一号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
二月十七日
 激甚災害における自治体の相互支援と国の公的
 支援の確立に関する陳情書
 (第
 八一号)
 総合的な火山対策の充実強化等に関する陳情書
 (第八二号)
は本委員会に参考送付された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 災害対策に関する件
    ─────────────
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川端達夫#1
○川端委員長 これより会議を開きます。
 災害対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松下忠洋君。
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松下忠洋#2
○松下委員 鹿児島から出てきております松下忠洋と申します。国土庁長官の所信表明を受けて、所要の質問を申し上げますので、よろしくお願いを申し上げます。
 三問用意いたしました。時間は十五分ですので、簡潔にお答えいただきたいと思います。一つは、土石流災害の再発防止について御質問します。それからもう一つは、建設省が持っております河川砂防技術基準、この見直しについての御意見を伺いたいと思います。三つ目は、阪神・淡路大震災等でも話題になりました活断層、この調査の現況、それについてお尋ねをいたしますので、よろしくお願いをいたします。
 まず、建設省と農林水産省にお尋ねいたします。
 昨年の十二月六日ですけれども、長野県の小谷村で大きな土石流災害がありました。真冬の、しかも非常に雪の深い地域での災害でございまして、土石流によりまして十四名の方が被災をされて、十三名の方が亡くなり、一名の方がまだ行方不明という状況でございます。この災害について、私も防災に長い間携わってまいりましたけれども、真冬のああいう時期にあれだけの大きな規模の土石流が発生するということが非常に衝撃でありまして、いまだ経験なかったことでございます。
 そこで、ああいう真冬の、雪がたくさん積もっている、そういう積雪の状況のときに、いろいろな気温の変化によって、その解けた水が斜面にしみ込んで土石流が発生する原因となるということもわかったわけでございますけれども、そういうようなことについての建設省の方の、あるいは林野庁の方の認識、そして今後、再発防止を含めて、どのように取り組もうとしておられるのか、そこの考え方をお聞かせいただきたい。お願いいたします。
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池谷浩#3
○池谷説明員 ただいま先生から御指摘のように、昨年十二月六日、長野県の蒲原沢で土石流が発生したわけでございますが、この十二月六日発生の土石流の災害を踏まえまして、私ども、特に冬期間におきます土石流、融雪出水等による災害から、特に土石流災害等から人命の被害を防止する、こういう観点で、昨年の十二月九日に、建設工事の安全確保について全国の関係機関や団体に指導したところでございますし、また、ことしの二月五日に、特に砂防工事の安全確保について指導しているところでございます。
 また、先ほど先生御指摘のように、私どもも、十二月に土石流が発生したというのは過去に事例のないことでありますので、このようなことにかんがみまして、林野庁や長野県と連携いたしまして、現在、社団法人砂防学会に、この融雪のことも踏まえまして、土石流の発生の研究を検討していただいているところでございます。
 また、先ほど先生からはお話になりませんでしたが、既に先生からは、土石流災害に関する緊急提言ということで、「悲惨な土砂災害の再発を防止するために」という御提言も私どもいただいているところでございまして、これらの提言内容をきちんと受けとめ、先ほどの砂防学会の災害調査委員会の結果も踏まえながら、今後、土石流災害の再発防止に万全を期していきたい、このように考えているところでございます。
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安井正美#4
○安井説明員 治山事業の実行に当たりましては、従前から労働災害の防止につきまして指導してきてまいったところでございますけれども、今回の土石流災害の発生を踏まえまして、災害発生直後に、全国の治山工事現場におきます安全点検の実施など、安全対策に万全を期するよう指導したところでございます。
 先生御指摘もございましたように、極めてまれな災害でございますことから、現在、災害調査委員会におきまして、この土石流の予知・予測や、あるいは現場におきます土石流を想定した警戒避難態勢のあり方等々につきまして御検討をお願いしているところでございますけれども、検討結果が出るまでの当分の間、土石流発生のおそれのある治山工事につきまして、現地の状況や冬期の気象条件などを踏まえまして万全の安全対策を講ずるよう、去る二月十四日、改めまして現地を指導したところでございます。
 今後の土石流対策につきましては、この災害調査委員会の検討結果を踏まえまして、また先般、先生からも御提言をいろいろいただいております。これらにつきまして真摯に検討を加えまして、安全確保に万全を期するよう努めてまいりたいというふうに考えております。
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松下忠洋#5
○松下委員 災害の現場を私も調査いたしまして、調査報告を私なりにまとめたものがございます。それは建設省、林野庁の方にも提出いたしまして、「悲惨な土砂災害の再発を防止するために」という八項目の提言をしております。
 この主要なところは、ああいう真冬の積雪のあるところでの土石流発生のメカニズム調査、それがまだ十分でなかったのではないかという反省があるのですね。それをきちっとやるのかどうか。それからもう一つは、全国に、あのような箇所でやはり次の、あの場所ではなくて、ほかの地域に発生するような箇所がたくさんあると思いますから、そういう調査をきちっとやっていくのかどうか。そこのところを含めて提言してあるわけですから、それについてのお考えをお願いしたいと思います。簡明にお願いします、やるのかやらないのか。
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池谷浩#6
○池谷説明員 まず、調査の件につきましては、現在検討中でございますので、近々またその結果を持って先生の方に御報告に参りたいと思いますが、基本的には前向きに、前の調査からしばらく時間がたっておりますので、改めてそういう視点を持ってやりたいと思いますけれども、その調査内容につきましては、現在、砂防学会で検討中の委員会の内容を踏まえて検討していきたい、このように考えております。
 それから、雪の方の勉強でございますが、これについては積極的にやっていきたい、このように考えております。
 以上でございます。
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松下忠洋#7
○松下委員 林野庁も一緒でいいですかね。
 政務次官、しっかり勉強してもらいたいと思ってここに持ってきましたので、どうぞ後で読んでいただきたいと思います。お願いいたします。
 それからもう一つは、河川砂防技術基準の見直しについてでございます。
 これは、たしか昭和三十三年に建設省でつくった技術基準があると思います。それで、昭和五十二年にそれを改定したと思っております。以来、二十年がたっておりますし、最初のときの状況から含めて、もう四十年たっておりますから、その間のいろいろな状況の変化があります。河川法の改正をして緑と環境を入れることにいたしましたし、阪神・淡路大震災の経験を踏まえて地震の強化対策もあるでしょうし、それからまた自然災害、土石流災害や斜面災害を含めて、そういう土石流に破壊されない構造物でありますとか、あるいはがけ崩れ対策の、斜面を緑にしていくとかコンクリートで塗りつぶさないというようなこともあるわけですから、思い切って改定して、新しい状況に対応した技術基準に見直していく。そしてまた、その状況によっていろいろな、建設資材でありますとか単価の見直しとか、建設機械の進展とかありますから、そういう積算基準の見直しもありますから、そういうことを含めて改定をする必要があると思っていますけれども、その辺についてのお考えを聞かせていただきたいと思います。
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池谷浩#8
○池谷説明員 ただいま先生から御指摘のように、河川砂防技術基準案は昭和三十三年に制定されまして、以降、昭和五十二年とか昭和六十一年など、数次の改定に努めてきたところでございますが、近年、大変急激な社会変化がございまして、特に、二十一世紀の社会を先取りした基準の内容にすべくというのは大きな課題でございまして、そのためには、これらの課題を抜本的に改正する必要があるということは承知しております。
 とりわけ、ただいま御指摘のありましたように、阪神・淡路の大震災や蒲原沢の土石流など、そういう災害から得られた知見、耐震とか危機管理の問題、こういう安全に関する問題と緑を含みます環境の問題、またコスト縮減などに取り組んで、新しい技術を導入しまして、また民間の創意工夫などを反映する、こういう観点も含めまして、現在抜本的な改定を行うべく準備を進めているところでございます。
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松下忠洋#9
○松下委員 まさにその時期に来ておりますので、これはきちっと抜本的に改定していただきた
い、そういうふうに思います。抜本というのはもとを抜くということですから、しっかりともとを抜いて、枝葉の改定ではなくてきちっとつくり変えるということに取り組んでいただきたいというふうにお願いをいたします。
 それから、もう一つは、活断層についての質問でございます。
 阪神・淡路大震災でその災害の発生源となったものは、地下にあった断層が動いたということでございますから、その活断層の研究がその後どのようにこの数年間で、項目を選び、そしてきちっと研究してきたのかどうか、そこのところをお聞かせいただきたいと思うのです。
 実は私も技術者でありますので、あの後自分たちのグループで研究会をつくって活断層の勉強をしました。そして、九州地方でございますけれども、鹿児島県にも、出水地域を含めて、あるいは鹿児島の錦江湾を含めて活断層がございますけれども、九州の活断層の研究グループで報告書をつくったのです。これは、単なる研究の報告ではなくて、それを実際にそこの上に住んでいる人たちに知らしめる、あるいはその研究の結果を防災に生かしていくということまで踏み込んだ研究報告になっております。
 ですから、そういうことを我々でもやっておりますので、皆さん方もそれぞれの機関でどんなふうに取り組んでおられるのか、そこのところを手短に、簡潔明瞭にお答えいただきたいと思います。
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野々村邦夫#10
○野々村説明員 建設省では、阪神・淡路大震災を契機に、国土地理院において変動地形調査法による活構造・活断層調査を行っております。今後も、県庁所在地等を中心に、引き続き都市圏活断層図の整備を進めてまいる所存でございます。
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上原哲#11
○上原説明員 お答え申し上げます。
 先生御案内のとおり、阪神・淡路大震災の主要な起震断層となりました断層帯を含めまして、我が国には約二千ほどの活断層があると言われておりまして、地震調査研究推進本部の事務局であります科技庁におきましては、交付金制度を用いまして、五十九の自治体、具体的には都道府県と政令指定都市を対象といたしまして、現在活断層調査を実施いたしております。現在の実施状況につきましては、平成八年度までに三十二自治体、断層数でいいますと四十五断層について着手しております。
 それで、具体的な計画については、現在、地震調査研究推進本部の中にあります政策委員会の中で具体的な活断層の選択をいたしてございます。おおむね百個の断層を重点的に調査する。その考え方は、非常に変位が大きくて、将来地震の発生した場合の被害を考えましてその百個を選定いたしてございまして、現在工技院の地質調査部と協力いたしまして、全体ができるように鋭意努力したいと考えております。
 以上でございます。
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富田育男#12
○富田説明員 通産省におきましては、地震の発生可能性を評価して、長期的地震予知技術の向上に資するために、先ほど科技庁の方からもございました地質調査部が、全国の主要な活断層に関する基礎的な調査研究を実施しております。
 具体的には、ボーリング調査でありますとかトレンチ調査によりまして、活断層の活動履歴に関する調査とか、あるいは複数の活断層の相互作用につきまして研究を実施しております。今後とも、これら調査研究を積極的に推進してまいりたいと思っております。
 以上です。
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坂本幸一#13
○坂本説明員 文部省では、大学を中心に地震に関する観測研究をいろいろやっているわけでございますけれども、現在行っております活断層の調査といたしましては、兵庫県南部地震後の野島断層において、地震発生後における断層の固着状況等をリアルタイムで観測する計画が進行しております。
 この計画は、東京大学地震研究所、京都大学防災研究所を中心といたしまして、平成七年度の補正予算で措置された事業として実施されているところでございます。この断層域に三本のボーリングを行いまして、地震、地殻変動等の観測、それから地震波、重力、電磁波による構造探査等の観測研究が行われているところでございます。
 また、文部省では、科学研究費補助金という補助金によりまして、平成八年度におきましては、例えば活断層の危険度評価と強震動予測等々の八件の活断層に関する研究が大学において実施されているところでございます。
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四方平和#14
○四方説明員 農林水産省関係では、事業を実施しております土地改良事業の事業計画の段階におきまして、ダムなどの重要構造物の施設計画の検討に必要となります地形、地質等の調査を実施しているところでございます。この地質等の調査の中で、既存の活断層関係の資料等によりまして、活断層に対する検討が必要な場合におきましては、資料の調査、地質の調査等の調査を実施しております。
 以上でございます。
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松下忠洋#15
○松下委員 時間が参りましたので、最後に井奥政務次官にお聞きしますけれども、お聞きになったように、活断層というのは本当に大きな災害に結びつくのですね。にもかかわらず、これだけの多くの省庁がそれぞれで研究してやっている。どこが、だれが束ねているのか。例えば、その結果を毎年、こういう成果があるから、ここまで出ましたということで、一カ所にまとめて国民に知らせる、そして防災マップなら防災マップで調べて、こういう地域の土地の下には活断層が入っています、こういう大都市の下には活断層がこうなっていますよ、そういうふうに実際の防災に生かせるような対応を、あなたがまとめて、そしてそこで発表していくということをしなければいけないのですね。今、それぞれなのですよ。それをきちっとしてもらいたいと思うのですけれども、それを一言聞かせてもらって終わることにいたします。
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井奥貞雄#16
○井奥政府委員 松下先生が、御自分の御地元でそういった活断層のさまざまな現状を踏まえられて、的確な御意見を拝聴いたしました。
 国土庁は、特に自然災害につきましては、総理、官房長官等々からの負託で私どもが担当させていただくわけでありますから、しかし、かつてのさまざまな事例もございますし、それに的確に対応してきているわけでございますので、そういった問題を踏まえて、先生の御意見等をきちっと精査させていただき、形のあるものでこれからも私どもは努めてまいりたい、そのように思っております。
 ありがとうございました。
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松下忠洋#17
○松下委員 お願いします。
 終わります。
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川端達夫#18
○川端委員長 次に、栗原博久君。
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栗原博久#19
○栗原(博)委員 このたび一月二日に発生しましたナホトカ号海難・流出油災害につきまして、その被害に遭った方々、そしてまたその被害の修復に努力されております関係各位に深く敬意を表する次第でございます。
 ところで、ナホトカ号が上海からペトロパブロフスク市に向かって航行中、この事故が公海上で起きたわけでありますが、破断タンクから約五千キロリットルのC重油が流出し、あるいはまた船首部に約二千八百キロリットルの重油を残して漂流して、今日のこの事故が起きておるわけであります。
 一月十日に閣議口頭了解によりまして、運輸大臣を本部長として関係省庁の局長クラスから成る対策本部が設置されまして、そして流出油の沿岸地域への影響を最小限に食いとめるということで努力され、また関係自治体並びに自衛隊、海上災害防止センターなどが民間ボランティアの協力を得て、今日まで懸命に努力をされておるわけであります。
 過去、新潟港では昭和四十六年十一月三十日に、重油七千二百キロリットルを流出しましたジュリアナ号事件というのがございました。あるいはまたその後、三菱石油の水島製油所とか、あるいはまたアストロ・レオ号の衝突、炎上で流出の千二百キロリットルとか、小さなものを挙げたら枚挙にいとまがないわけであります。海外では御承知のとおり、アラスカ沖で過去大変な被害が起きております。要するに、北極海の中でエクソン・バルディーズ号ですか、アラスカ沖で原油が四万キロリットル流されて、そして沿岸の自然環境に多大な禍根を残しておる。その中で、今回の事件が起きたわけであります。
 例えば、新潟のジュリアナ号でございますが、これはリベリア船でありましたが、原油が大量に流れて、私も当時新潟におりましたので、町まで油のにおいがつんと鼻を刺しておりました。そして、その油を抜き取るのに約一カ月、約十二億円の金を当時要したわけであります。日本海は、当時は十一月でありましたが、今ほど荒れてはおりません、新潟港沖でありましたけれども。だから、日本海でこのような海難事故が起きた場合、どんなことが想定されるかは、これはやはり前もってわかっていることと思うのです。
 特に、今ロシアでは、極東では、内陸部での油の運搬が大変経費がかかるということで、洋上ですか、特に中国とかそういうところからこういう油を運んでいる。ところが、そこで油を運んでいる船はみんな老朽化しているわけでありまして、だから、こういう事故が起きないとも限らないということは想定できたと思います。
 そこでお聞きしたいのでありますが、今回のナホトカ号事件は荒海の日本海で想像を絶する中で起きたというようなことを政府当局も言われておりますが、これに類似する、先ほど申しましたアラスカ沖のエクソン・バルディーズ号事故や、あるいはまた先ほど申しました日本海でのジュリアナ号事故など、こういう過去の類似した教訓や経験というものは無にしていなかったと思うのですね。そういう経験、教訓を踏まえて今回、事前にそういう対策も練られていたと思うのですが、そういう事前の対策がどの程度練られておったかということをお聞きしたいと思います。
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坂場正保#20
○坂場説明員 先生御指摘の過去に発生した事故から得られた教訓としまして四つ挙げますと、第一に補償制度の整備、第二に海上交通ルールの確立、第三に国際的取り決めの推進、第四に防除体制の改善という四点が挙げられると思います。
 これらの教訓に対する現在までの対応ぶりについて御説明しますと、まず補償制度の整備でございますが、昭和五十年に油濁損害賠償保障法を制定いたしました。
 次に、海上交通ルールの確立につきましては、昭和四十七年に海上交通安全法を制定したところでございます。
 次に、国際的取り決めの推進につきましては、これはエクソン・バルディーズ号を受けているわけですが、通称OPRC条約、一九九〇年の油による汚染に係る準備、対応及び協力に関する国際条約でございますが、これらの作成に寄与したところでございます。
 防除体制の改善でございますが、油処理剤の技術開発、それから防除資機材の備えつけの義務づけ、これは海洋汚染防止法におきます義務づけでございます。こういうことにつきましては進展を見たわけでございますが、残念ながら、海洋の荒天下で使用可能な油回収船、回収施設の開発等についての教訓もあったわけですが、今のところ、国際的に見ても、こういう荒天下での使用が可、能、効果のあるような資機材の開発というのが実際に開発されていないわけです。こういった問題点については解決していないというのが現状でございます。
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栗原博久#21
○栗原(博)委員 私もこの質問をするに際しまして、各省庁から事前の資料提供あるいはレクを受けたのですが、どうもやはり各省庁お互いに、責任のなすりつけとは言いません、連携がないということです、連携が。だから、こういう事故が起きた場合だれが長として指示をするか、そういう体制がとれてないというのは私の主観であります。
 それで、今の海上保安庁の御説明でありますと、国際条約上あるいはまた海上交通安全法上とかいろいろ申されましたけれども、今回の基金条約でも我が国の製油業者、大体六十億ですか、出すんでしょう、条約に基づく拠出金を。それだけ多大な金を出すことは、やはり日本の油輸送における責任も大きいと思うのですよ。ですから私は、我が国の科学技術を駆使するならば、これに対する事前の策というものはある程度とれたと思う。これだけ科学立国の我が国、日本国でありますから。そういう点について、大変私は残念でなりませんので、ぜひひとつそういう点を考慮に入れて、やはり科学立国日本国でありますから、日本海の荒波ぐらいはけっ飛ばす、そういう気構えで技術開発をしていただきたいと思うわけでございます。
 さて、そういう中で──事故が起きたのはいたし方ありません。しかし、海洋汚染防止法とかいろいろ法律があるようですが、例えば今回の油回収船、清龍丸ですか、これは名古屋港にいるということである。あるいはまた原油処理施設の設置箇所ですね。確かに太平洋側には石油コンビナートとかいろいろあるのでわかるのですが、全国に三十三の廃油処理施設があるけれども、今回のこの事故の起きた沿岸にはさっぱりないのですね。伏木、敦賀、新潟ですか、全国で三十三カ所あるけれども、今の油の事故が起きたところには三カ所くらいしかないというふうに私も把握しておるのです。
 ですから、海上災害防止センターの機能は、どうも瀬戸内海とか太平洋側が主体でございまして、日本海側がなおざりになっていたという点もあると私は思うのですよ。それについて、このことが災害対策の手おくれにつながらなかったかどうかということをお聞きしたいと思うのであります。
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坂場正保#22
○坂場説明員 海上保安庁におきましても、海上災害防止センターにおきましても、防除資機材の整備につきましては、その効果を考えて、これまで、タンカー等の船舶交通がふくそうし、また一たん事故が起きた場合にはその影響が甚大な海域に重点を置いて、防除資機材の整備を行ってきたところでございます。
 その結果として、太平洋側と日本海側におきまして防除体制に差が生じているということとともに、静穏な内水での活動を前提とした防除体制となっているということでございまして、外洋における厳しい自然条件のもとでの防除体制としては十分なものとなっていないというのが現状でございまして、この点は反省すべきであるというふうに考えております。
 本件事故の重大性にかんがみまして、本件の防除体制など、どのように行われ、また、どのような問題点があったかということを検証しまして、今後、今回のような大規模かつ荒天下における事故にも対応可能な油防除体制、そして即応体制のあり方についてあらゆる角度から検討を加えまして、適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
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栗原博久#23
○栗原(博)委員 今の海上保安庁の御答弁、ひとつ御期待申し上げます。
 と申しますのは、かつて新潟沖でジュリアナ号が、タンカーが真っ二つに割れまして、原油がどどっと流れたんですよね。だから、日本海におけるそういう事故というのは想定されておるわけですから、私は、今回のこのナホトカ号の事故を見ましても、やはり過去の教訓というのをもう少し考えておいていただければなと思って、今御質問申し上げたわけであります。
 次の質問に移らさせていただきますが、今回こうして不幸にも事故が起きまして、沿岸の関係各県、市町村は必死になってその防除対策に努めております。よく市町村の方とお話ししますと、今海上保安庁は関係市町村、沿岸市町村に指揮命令はできない法体系になっていると思うので、当然地方自治体が自主的に自分の沿岸を守らねばならぬということで、必死になって努力をされているところだと思うのです。
 それによって、各市町村、自治体からも多くの要請が参っております。ここでくどくど申しても
しょうがありませんけれども、要するに沿岸の自然の浜を早期にもとに戻していただきたい、あるいは、沿岸漁民の方々の生活も困窮しておる、それを何とか救ってもらいたいなど、そういう要望が皆さんのお手元にも配られていると思うのであります。
 そこで私は御質問申し上げたいのですが、今回の事故を通じまして、各自治体がいろいろ経験されて、その結果、行政権者として国にどのような要望を特にされているか。あるいはまた漁業者としての被災の問題、あるいはまたこういう法律をつくってほしいとか、そういう要望が来ておりましたら、ひとつ御答弁願いたいと思います。
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梅田春実#24
○梅田説明員 運輸省の地域計画課長でございます。先生の御質問に対するお答えを申し上げます。
 今回の災害で、地方自治体等からたくさんの要望をいただいております。その中の主なものにつきまして二、三申し上げますと、一つは、船首部を早期に撤去してほしいという要望がございます。それから船尾部、本体部分でございますけれども、この部分につきましては、そこからの流出油がございます。こういうものについての処理をできるだけやっていただきたいというものがございます。それから、再発の防止につきまして、原因究明をきちっとして、二度とこのような災害が起きないようにしていただきたいという要望がございます。それから、賠償問題につきまして、政府の支援をよろしくお願いしたいというものがございます。それから、立法につきましては、私どもが承っているものにつきまして申し上げますと、災対法、災害対策基本法がございますけれども、これに基づきます個別の支援法がございません。この点につきまして、立法の制定をというような要望がございます。
 そのほかたくさんございますので、簡単でございますが、この程度で終わらせていただきます。
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栗原博久#25
○栗原(博)委員 今たくさんあるということですが、その一番最後のところ、法律のことで、立法措置を求められているところかな。今あなた、たくさんあるとおっしゃったけれども、ちょっと言ってください、時間は十分あるから。
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梅田春実#26
○梅田説明員 中身につきましては、私ども詳しく承っておりませんけれども、地元の府県の知事さんからの要望書の中に、災害対策基本法につきまして、これに基づく個別の支援の法律の制定をお願いするというようなものでございます。ちょっと原文を今持っておりませんので……。
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栗原博久#27
○栗原(博)委員 今回のこの災害に対処する法律を見ますと、海洋汚染防止法というものがあるわけでありますが、それ一本が起動して、それで海上災害防止センターが油汚濁の回収作業をやっている。しかし、海上の公害としては、そのほかに海岸法とか港則法とか、あるいはまた自然公園法とか漁港法とか河川法とか、そういうものが対象になると思うのですよね。
 やはり自治体がおっしゃるのは、仕事をする立法的な権限がないということですね。ですから、今私が申し上げたこういう法律が稼働すれば、それには裏づけがあるわけですが、そういうことについて市町村がおっしゃるには、例えば油の回収についても、ちゃんと油回収に対する立法措置がとられまして、そういう油汚染に対する調査とか、あるいはその処理、除去に対する経費を面倒を見る、そういう新たな法律を求めているというようなこともよく伺うのであります。
 と同時に、今ある法律、例えば自然公園法を見ましても、ここには山陰海岸とか大山隠岐、国立公園が二つあります。それから、若狭湾、越前加賀海岸、あるいは能登半島、佐渡弥彦米山の国定公園があるわけでありますね。当然ここには、やはり国立公園、国定公園を守るための権限者の義務があるわけであります。あるいは、私先ほど申しました港湾についても、新潟港でありました油タンカーのときも港湾の法律も稼働していたと思うのですが、やはり港湾法がある。あるいはまた海岸法、河川法がある。
 ということで、ひとつお聞きしたいのですが、まず、この被災に対して、自然公園法として、この法律を生かしてどのような仕事ができるか。それから次に、海岸法、港湾法、河川法、この事故の被災地に対してどのような対応ができるかということを、これを順番にお話しいただきたいと思います。
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下均#28
○下説明員 先生御指摘の自然公園法でございますけれども、自然公園法は、指定された区域内のすぐれた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図ることを目的といたしております。このため、指定された一定の区域内における工作物の新築でございますとか木竹の伐採等の自然を改変する行為につきまして、環境庁長官の許可に係らしめる等の規制が行われているものでございます。
 今回のように、指定された区域の外で発生し、その結果として公園の区域内の自然への影響が及ぶ場合につきましては、自然公園法に基づく法的な措置は講じることはできない仕組みになっておりますので、御理解いただきたいと思います。
 以上です。
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西
西口泰夫#29
○西口説明員 まず、海岸法でございます。
 海岸法に基づく海岸の防護は、津波、高潮、波浪その他海水または地盤の変動からの防護に限定されており、漂着油による被害から海岸を防護することは、一義的には海岸法の目的にはなっておりません。
 それから、河川法でございますが、河川法には「目的」の中に、「河川について、洪水、高潮等による災害の発生が防止され、河川が適正に利用され、及び流水の正常な機能が維持されるようにこれを総合的に管理する」とございまして、対応可能と考えております。
 以上でございます。
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