日米防衛協力のための指針に関する特別委員会

1999-05-10 参議院 全311発言

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会議録情報#0
平成十一年五月十日(月曜日)
   午前九時開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月十日
    辞任         補欠選任
     宮本 岳志君     筆坂 秀世君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         井上 吉夫君
    理 事
                鈴木 正孝君
                竹山  裕君
                山本 一太君
                若林 正俊君
                齋藤  勁君
                柳田  稔君
                日笠 勝之君
                笠井  亮君
                山本 正和君
    委 員
                市川 一朗君
                加納 時男君
                亀井 郁夫君
                木村  仁君
                世耕 弘成君
                常田 享詳君
                長谷川道郎君
                橋本 聖子君
                畑   恵君
                松村 龍二君
                森山  裕君
                矢野 哲朗君
                依田 智治君
                吉村剛太郎君
                伊藤 基隆君
                石田 美栄君
                久保  亘君
                佐藤 泰介君
                千葉 景子君
                寺崎 昭久君
                前川 忠夫君
                本岡 昭次君
                荒木 清寛君
                高野 博師君
                福本 潤一君
                緒方 靖夫君
                小泉 親司君
                筆坂 秀世君
                宮本 岳志君
               日下部禧代子君
                田  英夫君
                田村 秀昭君
                月原 茂皓君
                椎名 素夫君
                山崎  力君
                島袋 宗康君
   衆議院議員
       修正案提出者   赤城 徳彦君
       修正案提出者   大野 功統君
       修正案提出者   中谷  元君
       修正案提出者   丹羽 雄哉君
       修正案提出者   遠藤 乙彦君
       修正案提出者   佐藤 茂樹君
       修正案提出者   山中あき子君
       修正案提出者   東  祥三君
       修正案提出者   達増 拓也君
       修正案提出者   西村 眞悟君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小渕 恵三君
       法務大臣     陣内 孝雄君
       外務大臣     高村 正彦君
       大蔵大臣     宮澤 喜一君
       文部大臣
       国務大臣
       (科学技術庁長
       官)       有馬 朗人君
       厚生大臣     宮下 創平君
       農林水産大臣   中川 昭一君
       通商産業大臣   与謝野 馨君
       運輸大臣
       国務大臣
       (北海道開発庁
       長官)      川崎 二郎君
       郵政大臣     野田 聖子君
       労働大臣     甘利  明君
       建設大臣
       国務大臣
       (国土庁長官)  関谷 勝嗣君
       自治大臣
       国務大臣
       (国家公安委員
       会委員長)    野田  毅君
       国務大臣
       (内閣官房長官)
       (沖縄開発庁長
       官)       野中 広務君
       国務大臣
       (金融再生委員
       会委員長)    柳沢 伯夫君
       国務大臣
       (総務庁長官)  太田 誠一君
       国務大臣
       (防衛庁長官)  野呂田芳成君
       国務大臣
       (経済企画庁長
       官)       堺屋 太一君
       国務大臣
       (環境庁長官)  真鍋 賢二君
   政府委員
       内閣官房内閣安
       全保障・危機管
       理室長
       兼内閣総理大臣
       官房安全保障・
       危機管理室長   伊藤 康成君
       内閣法制局長官  大森 政輔君
       内閣法制局第一
       部長       秋山  收君
       内閣法制局第二
       部長       宮崎 礼壹君
       防衛庁長官官房
       長        守屋 武昌君
       防衛庁防衛局長  佐藤  謙君
       防衛庁運用局長  柳澤 協二君
       防衛庁人事教育
       局長       坂野  興君
       法務省入国管理
       局長       竹中 繁雄君
       外務省総合外交
       政策局長     加藤 良三君
       外務省アジア局
       長        阿南 惟茂君
       外務省北米局長  竹内 行夫君
       外務省欧亜局長  西村 六善君
       外務省経済局長  大島正太郎君
       外務省条約局長  東郷 和彦君
       文部大臣官房長  小野 元之君
       文部省初等中等
       教育局長     辻村 哲夫君
       通商産業省通商
       政策局長     今野 秀洋君
       通商産業省貿易
       局長       佐野 忠克君
       運輸省港湾局長  川嶋 康宏君
       海上保安庁長官  楠木 行雄君
       労働大臣官房長  野寺 康幸君
       自治大臣官房総
       務審議官     香山 充弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        櫻川 明巧君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間に
 おける後方支援、物品又は役務の相互の提供に
 関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間
 の協定を改正する協定の締結について承認を求
 めるの件(第百四十二回国会内閣提出、第百四
 十五回国会衆議院送付)
○周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保
 するための措置に関する法律案(第百四十二回
 国会内閣提出、第百四十五回国会衆議院送付)
○自衛隊法の一部を改正する法律案(第百四十二
 回国会内閣提出、第百四十五回国会衆議院送付
 )

    ─────────────
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井上吉夫#1
○委員長(井上吉夫君) ただいまから日米防衛協力のための指針に関する特別委員会を開会いたします。
 日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定を改正する協定の締結について承認を求めるの件、周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律案及び自衛隊法の一部を改正する法律案の三案件を一括して議題といたします。
 三案件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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若林正俊#2
○若林正俊君 おはようございます。自由民主党の若林正俊でございます。
 質疑に入る前に、ユーゴスラビアのコソボ紛争によりまして犠牲を受けられた多くの方々に心からお悔やみを申し上げ、お見舞いを申し上げる次第でございます。
 ユーゴスラビアにおきます民族浄化による犠牲が拡大しないためにということでNATO軍の空爆が開始されたわけでありますが、これによりまして関係のない人たちにも大きな犠牲を起こしているという矛盾が発生しております。このようなことが一日も早く解決されることを願っております。私は、結局は国連を軸とした政治的な解決を図る道しかないと考えております。
 このことにつきまして、総理の基本的な認識をお伺いしておきたいと思います。
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小渕恵三#3
○国務大臣(小渕恵三君) このたびのコソボにおける難民が大量に発生しておる事案に関しまして、NATOといたしましてそうした民族浄化というような不幸な事態に対処するために空爆が行われ、ユーゴ側がこれに対して、ミロシェビッチ大統領がいわゆる平和のための五つの条件を一日も早く引き受けるということが望ましい、こう考えておったところでございます。
 そうした中で、今、若林委員御指摘のように、空爆によりまして軍事施設以外の施設も誤爆等が行われることによりまして多くの犠牲者がまた出てくるというような事態はまことに残念であります。ユーゴ側におかれましてもコソボにおける事態を十分注視しながら、一日も早い安定した状況になるように強く日本政府としては期待をいたしておるところでございます。
 また、今般、NATOによる在ユーゴ中国大使館の誤爆につきましては、我が国といたしましても、極めて遺憾であると考え、犠牲となられた方々に対し深い哀悼の意を表しておるところでございます。
 その後、G8外相会議におきまして、コソボ問題の解決に向けましてG8としての共通の立場が合意され、ようやく政治解決に向けて動き出したやさきの事件でありまして、この事件が政治解決へ向けての機運に悪影響を与えることのないように強く希望いたしておりますし、また、この会議には高村外相も出席をいたしまして、G8として対処するという合意がなされておるわけであります。このことに関連いたしまして、当然世界の平和と安定に大きな役割を果たす国連といたしましても、その事態を十分注視しながら、十分その機能が発揮されるように望んでおるところでありまして、また日本政府といたしましても、国連を通じましてこの事態解決のために努力いたしていかなきゃならない、このように決意いたしておるところでございます。
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若林正俊#4
○若林正俊君 きょうから本委員会におきましていわゆるガイドライン関連三法案の審議が始まります。きょうの審議はテレビを通じて全国の国民の皆さんが注視いたしております。
 この三法案は、昨年四月に衆議院に提出され、以来継続審議となっておりましたが、この四月二十七日に、一部修正の上、参議院に送付されてきたのであります。
 国民の中から、どうもこの周辺事態法案がわかりにくいという声が私たちのところにも伝わってきております。限られた時間でありますけれども、このガイドライン関連三法案が日本の平和と安全を確保するためにどのような役割を果たすことになるのか、時間を有効に活用して国民の皆さんに正しく理解していただけるように心がけて質疑を行いたいと思いますので、総理を初め関係大臣には率直にわかりやすい御答弁をお願い申し上げます。
 戦争のない平和な社会でありたいという願いは世界人類の共通の願いであります。しかし、第二次世界大戦の後、米ソの対立による緊張した冷戦状態が長く続き、その間にベトナム戦争などのような悲惨な戦争が幾つもありました。
 その冷戦がソ連の崩壊により終結をして、いよいよこれから世界は協調と共生の時代、平和の時代が来ると期待されましたが、冷戦の終結から十年、世界の各地で地域紛争やテロ事件が数多く発生し、また核兵器の保有国もふえ、さらに核兵器が広がる危険が出てきております。特に、アジア地域におきましては、朝鮮半島情勢を初め、平和と安全を脅かすような不安定な要因を抱えていますし、現にユーゴのコソボ地域をめぐる民族紛争で、NATO軍がユーゴスラビア連邦にミサイルによる空爆を始め攻撃を行っておりまして、情勢は泥沼化しつつあります。
 日本は、敗戦から今日まで幸いにして平和が続き、経済も成長発展をしてきましたが、反面、平和ぼけと言われるように、国を守るという防衛問題への国民の意識は余り高くありませんでした。
 しかし、昨年八月に北朝鮮のミサイルが何の予告もなしに日本列島を飛び越えて太平洋に撃ち込まれたり、また、北朝鮮の工作船と見られる不審な船が領海を侵し、海上保安庁と防衛庁の船がこれを追跡しましたけれども、結局拿捕できなかったこと、また、かねて北朝鮮が地下で核開発をしているという疑惑がありますことなどにより、このままで日本は大丈夫だろうかという疑問や不安が国民の間に高まってきています。国を守るということは、国民一人一人、愛する家族やふるさとを守るということだという理解も次第に深まってきているように思われるのであります。
 そこで、ガイドライン関連三法案の審議の開始に当たり、まず、日本の安全保障、国防の基本的なあり方、その中での日米安全保障条約の位置づけにつきまして再確認をしておく必要がある、このように思うのでございます。
 総理、このたびの訪米、御苦労さまでございました。このたびの訪米は、中曽根総理の訪米から十二年ぶりの公式訪問であり、自由と民主主義という基本的な価値観を共有する日米両国のトップが不安定な国際情勢の中で世界の平和と安全、経済、とりわけ景気の回復問題について率直に話し合い、日米の友好と信頼を深められたのであります。
 帰国早々に、五月七日には衆参両院本会議で総理から御報告がありましたけれども、本委員会の審議と深い関係がありますので、改めて総理御自身からこのたびの公式訪米の意義とその成果について簡潔に御説明をいただきたいと思います。
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小渕恵三#5
○国務大臣(小渕恵三君) さきの日米首脳会談におきまして、私は、クリントン大統領との間で自由と民主主義、そして基本的人権という基本的な価値を共有する同盟国である日米両国が二十一世紀に向け、平和で豊かな世界の構築という共通の目標を目指して一層協力していくことを確認いたしました。そして、より多くの国の人々がより強固な安全と一層の繁栄を享受できるよう率先して協力していくことが日米両国にともに課せられた使命であることについて決意と展望を示すことができましたことは、最大の成果であったと考えております。
 時あたかも一九九九年でございまして、この日米の間におきましては、まさに黒船到来以来百余年、その間には日米間にも大変厳しいあらしのときもございましたが、戦後一貫して日米の協力関係は極めて強固になっておるわけでございまして、二十一世紀を前にいたしまして改めてこの同盟関係をさらに信頼の高い強固なものにいたしたいということで訪問させていただきました。
 公式訪問というのは必ずしも時期を選んでおるわけではありませんが、特に一昨々年、橋本総理とクリントン大統領との間に日米安保共同宣言も発せられておりまして、やはりこうした機会に日本とアメリカとの間の協力関係もさらに強固なものにしていかなきゃならぬという時期でもございましたので、まことに今回の首脳会談は、そうした意味からもより一層理解が深まったということでございまして、改めて日米相協力して世界のために力を尽くしていかなければならないというための会談として意義があったものと考えておる次第でございます。
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若林正俊#6
○若林正俊君 ありがとうございました。
 総理が各地で米国の市民や学生、また経済人などとの交流、対話を通じまして日米の相互理解を深め、クリントン大統領との会談、その後の共同記者会見などによりまして、日米両国が自由と民主主義という基本的な価値を共有する国として、当面する安全保障や経済の問題だけでなく、二十一世紀における世界の平和と人類の繁栄、幸せのために共通の目標に向けて一層の協力をしていくことを世界に発信いたしまして強く印象づけられましたことを高く評価し、重ねて御苦労さまでありましたと申し上げる次第でございます。
 そこで、日米関係の基本的な枠組みであります日米安全保障条約の役割と評価につきまして確認をしておきたいと思います。
 私は、戦後の日本の復興、発展は、いろいろな好条件がありましたけれども、基本的には国民の大変な努力によるものだと思います。その国民の努力の結果が今日のような姿で報われましたのは、何といっても日米安全保障条約に負うところが大きいと思います。
 ところが、日米安全保障条約につきましては、日本がアメリカの支配のもとで戦争をさせられるおそれがある、そういう条約だなどと主張し、いまだにこの条約を認めないグループがいるのでございます。大変残念なことだと思っております。
 そこで、国民の皆さんにこの日米安全保障条約の果たしてきた役割、現に果たしている役割をわかってもらえるように、経済問題から外交、防衛について御説明をいただきたいと思います。
 まず、宮澤大蔵大臣から、この日米安全保障条約の果たしてきた役割につきまして財政、金融、経済の面から国民にわかるようにお話しいただき、続きまして与謝野通産大臣、高村外務大臣、野呂田防衛庁長官の順でひとつ御説明をいただきたいと思います。
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宮澤喜一#7
○国務大臣(宮澤喜一君) 戦後、対日講和条約が結ばれましたのは一九五一年九月にサンフランシスコにおいてでございますが、私はそのときに随員として参加をいたしておりました。講和条約が結ばれました日の午後、別の場所で吉田首相が一人で日米安保条約に調印をせられました。これは、いわば戦後における我が国の重大な選択であったわけでございます。その選択の結果は今日まで続いておりまして、私は、恐らく若林委員がそうでいらっしゃいますように、その選択を大変に賢明であった、正しい選択であったと考えておりますけれども、全体として申しますならばこれについては若干の異論も世の中にあるように思います。
 ただ、今御指摘の経済面に限って申しますならば、その結果、我が国の国民がいわゆる重い軍備負担を免れた、それは戦後の我々がようやく立ち上がろうとするときから今日までのその累積的な効果ははかり知れないものがあると存じます。他方でまた、兵器生産に最小限のエネルギーを割くことで免れておったということも同様に累積的には大きな効果がございまして、経済面に関する限り、この条約が我が国の戦後の発展にあるいは国民生活の向上に大きく貢献したということは、恐らくこれはどなたも異論のないことではないかと存じます。
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若林正俊#8
○若林正俊君 与謝野通産大臣、貿易・産業政策の面からどうですか。
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与謝野馨#9
○国務大臣(与謝野馨君) 私は、安全保障条約というのは、いわゆる直接的な安全保障という側面もございますし、やはり日米友好関係の基本を構築している基本的な条約だというふうに認識をしております。
 こういう条約のもとで日米関係が強力なきずなで結ばれていたということによってアジア太平洋地域の安定が保たれ、現に平和が維持されているということ、そういう中で日本がアジア太平洋地域の諸国との友好的な通商関係、貿易関係、そういうものが結ばれてきたというのが歴史でございまして、私は、安保条約に対する評価は軍事的な側面、安全保障の側面のほかに、恐らく日米安全保障条約が調印されたときの関係者の気持ちの中には、アジア太平洋地域の安定ということも当然考えられていたと思うわけでございまして、その効果というものは最初の日米安全保障条約が調印されて以来ずっと続いているんだろう、大変重要な条約だと。経済的な側面の条約としてもやはり間接的に大きな貢献をした、そのように考えております。
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高村正彦#10
○国務大臣(高村正彦君) 日米安保条約でありますが、過去四十年間、我が国及び極東の平和と安全をもたらした、それだけではなくて、アジア太平洋における安定と発展のための基本的な枠組みとしても有効に機能してきた、こういうふうに評価しているわけでございます。
 我が国は、米国との間で自由と民主主義という価値、理念を共有し、政治、経済、文化等あらゆる分野において緊密な関係を有しているわけでございますが、かかる緊密な日米関係は日米安保条約がその基盤となっているということであります。換言すれば、もし日米安保条約がなかったならば今日のような平和と繁栄を我が国は享受することができなかった、こういうふうに考えております。
 このように、日米安保条約の役割というのは国民の大多数から支持されていると考えておりまして、政府といたしましても、今後とも日米安保体制の堅持を安全保障条約の重要な柱の一つとして堅持していく方針でございます。
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野呂田芳成#11
○国務大臣(野呂田芳成君) 日米安保条約とこれに基づく日米安保体制は、過去四十年間、我が国みずからの防衛努力と相まって、我が国に対する侵略を未然に防止することに大きく寄与してきたものと認識しております。日米安保体制が我が国の安全の確保にとって必要不可欠であるとの認識は防衛計画の大綱においても明記されており、また自衛隊の適切な防衛能力と日米安保体制の組み合わせに基づく日米の緊密な防衛協力が日本防衛のための最も効果的な枠組みであると認識しております。
 また、日米安保条約に基づく米国の抑止力が引き続き我が国の安全保障のよりどころであることは、九六年の日米安保共同宣言においても日米両国政府が確認したところであります。
 こうした日米安保条約の役割は国民の大多数により支持されているものと考えており、政府としては今後とも日米安保体制の実効性確保に努力してまいる所存であります。
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若林正俊#12
○若林正俊君 今、総理初め各関係大臣から、日米安全保障条約というものが戦後日本の社会の安定、発展と日本の平和の基盤として大変大きな役割を果たし続けてきているというお話がございました。日本の国民の大多数もこのことをしっかりと認識していただいていると思います。
 先ごろ、これは毎年行っております、外務省がギャラップに委託してのアメリカの国民に対する世論調査でありますけれども、日本が信頼できるかということを一般的に尋ねた質問に対しては信頼できるという答えが六一%、また日本に対する印象について好意的であるというふうなものが四三%、信頼感、好意的、いずれもこれまでで最高になっているというふうに報じられております。
 日米関係のいろいろな質問の中で、何が最も有効かということの問いに対しては、経済・貿易問題の改善を挙げた人が一般で五三%、有識者で七五%いるということでございます。また、日米安全保障体制につきましては、米国にとって極めて重要としたのが一般の人で五三%、有識者で五二%ありまして、こういう質問を設けた九七年以降初めてともに半数を超えております。安保条約を維持すべきだという回答は一般が八四%、有識者は八九%に及んでいるということでございます。
 この日米安全保障条約に基づきます日米関係というものが経済、防衛、外交にとって欠くことのできないものでありますけれども、同時に、日米両国民の間に深い信頼関係が形成されているというそのことも高く我々は認め、評価しなければならない、このように思うのでございます。
 総理、このたびのガイドライン関連法案は、先ほど総理がお話しになりました、クリントン大統領と橋本前総理が日米安全保障共同宣言の中で日米防衛協力のための指針の見直しで合意し、開始することから始まって成案を得たものでございます。
 そういう意味で、先ほどのクリントン大統領との会談の中で、この三法案が衆議院で可決をしたということにクリントン大統領はどういう評価をされたのか。また、重大な修正でございます船舶検査活動が削除されていることについて何か言及されたのでありましょうか、お伺いいたします。
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小渕恵三#13
○国務大臣(小渕恵三君) 今般の私の訪米の際、首脳会談におきまして、私からクリントン大統領に対しまして日米防衛協力のための指針関連法案等が先日、衆議院を通過した旨を説明し、これに対してクリントン大統領からはこのことを評価したい旨の表明がございました。
 先ほどもお尋ねがございましたが、これは日米安保条約四十年の歴史の中でますますその評価は高まり、この条約の意味は深まっておると思いますが、ただ世界的な政治情勢の変化というものは大きいものがありまして、いわゆる冷戦構造が崩壊をいたしまして以降、米国あるいは旧ソ連、こういう対決でない形で世界は推移しておりますが、しかし同時に、北東アジアも含めましてのいろいろとこの状況というものについての問題というものは全く皆無になったわけではありません。
 そういった意味でも、日米の協力によりまして、地域の安定も大切でありますし、同時に最も我が国の平和と安全に寄与しなければならないということでありまして、そういった意味でこの条約に基づきまして改めて、ある意味でボルトを締め直すといいますか、そういう形の中で今般のガイドラインが提起され、衆議院を通過したということについての評価はいただきました。
 ただ、お尋ねのように、今詳細にわたりましてどの項目がどうだったというようなことを逐一お話しする時間帯はございませんでしたが、全般的には日本の国会の一つの衆議院の意思が明らかになったということについては評価されたということでございました。
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若林正俊#14
○若林正俊君 北朝鮮の問題について、お互いにその認識、対応を話し合われたようでございますが、どのようなことでございますか。
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小渕恵三#15
○国務大臣(小渕恵三君) 今申し上げましたが、北東アジアの状況というものについては双方とも深い関心を寄せておるところでございます。
 日本としては、昨年の北朝鮮のミサイルが我が国土を通過したというような事実もございますし、また同時に秘密核施設の容疑がございまして、これに対して現下米朝間でいろいろな話し合いが進展をいたしておるところでありまして、こうしたことに対しまして我が国としても看過することのできないことでございますので、こうした点も含めまして種々お話し合いをさせていただいたところでございます。
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若林正俊#16
○若林正俊君 北朝鮮は日本にとって隣国でありますと同時に、不幸なことでありますけれども、両国間におきます対話のチャネルがないわけでございます。現在、朝鮮半島の問題につきましては北朝鮮、韓国、中国、アメリカの四カ国の協議の場がございまして、このような場で対話を通じた外交が進められているわけでありますけれども、我が国はなかなかこの対話の中にも参加できないでおります。
 総理は、クリントン大統領に対しまして、この四国の協議の場かあるいは別の場をしつらえてか、いずれにしても大変関係の深い隣国であります日本とロシアも加えた場をひとつ骨を折ってもらえないかという趣旨でお話しになられたように聞いておりますが、そのことについてはどのようなことでありましたでしょうか。
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小渕恵三#17
○国務大臣(小渕恵三君) 北朝鮮に関してのチャンネルというものは、言うまでもありませんが国連にも加盟をされておるわけでございますので、そういった意味で、国連の場でいろいろと北朝鮮に対する関係というものは各国とも話し合っておられるわけでございます。
 ただ、我が国といたしましては、残念ながらただ一つの国交の正常化しておらないところでございますので、一日も早い正常化のための交渉を続けておりますが、残念ながら現下中断をいたしております。もちろん、議員外交と申しますか、いろいろ衆参両院の諸先生方を中心にいたしまして、隣国でございますから、かつては韓国は近くて遠い国と言われましたが昨今は非常に近くて近い国になっておりますが、まさに近くて全く遠い国になっておる北朝鮮に対するパイプを何とかつなげていかなきゃならぬ、こういうことでございます。
 現在は、米朝間、米国と北朝鮮との関係、あるいはジュネーブにおける四カ国の会合等がございますが、いずれも我が国は直接的に参加をいたしておりません。KEDOにつきましては、これは我が国として参加をし、かつ十億ドルに上るところの協力をコミットメントいたしておりますが、いずれにしても、そういうことであればあるほどに、何とか話し合いに参加できないかということでございまして、今、若林委員御指摘のように、できれば四カ国に対してロシアと我が国も参加した形での話し合いの場というものが持ち得ないかということでございます。
 率直に申し上げまして、北朝鮮として直ちにこれを受け入れるという状況ではありませんけれども、他の国々、関係の国々に対しましては私も事あるごとにそうした会合が持ち得ないかということに対して申し上げておるわけでありまして、ロシアのエリツィン大統領にも、また先般我が国を公式訪問されました江沢民国家主席に対しましても申し上げておるところでございまして、韓国の金大中大統領は賛意を表していただいておりましたので、改めて米国のクリントン大統領にもそうした会合が持ち得ないかということにつきまして、米朝間の関係がございますので、そうした六カ国の話し合いの場が持ち得ないかどうかということに対しての協力といいますか、お考えもお伺いし、賛同を得ておるところでございます。
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若林正俊#18
○若林正俊君 小渕総理が北朝鮮との国交正常化の前提として種々の懸案事項を対話で解決できるような条件整備のために大変御努力をいただいておりますことに敬意を表し、また期待をしているところでございます。
 政党レベルあるいはまた民間経済人のレベル、さらにスポーツや文化の交流などを通じて、多角的にいろいろな機会をとらえまして、北朝鮮との対話のきっかけがつかめますような、そういう努力を政府のみならず我々も心がけていかなければならない、このように思うわけでありまして、今、村山元総理を団長として超党派の北朝鮮訪問団の計画もあるやに聞いておりますけれども、いろいろな機会を通じまして、北朝鮮と我々がお互いに信頼できるような基礎的な条件を整えていかなければならないと思います。
 しかし、こういう対話を進め友好関係を形成していくに当たりましても、厳しい国際政治の現実でありますから、やはりこういう対話の背景には勝手をしたときのいろいろなプレッシャーも理解してもらわなければならないわけで、そういう意味で抑止効果というものはきちっとしておかなければならない、こう思うのでございます。
 今回の周辺事態法は決して北朝鮮を仮想の敵国とするような性格のものではありません。ありませんけれども、常日ごろ日本が周辺事態に対応をするための態勢をきちっとつくっておくというようなことも、一方で対話を進める上で大事なことだと私は思うのでございます。
 さて、冷戦が終結しました後に、世界の国民の皆さん方の協調と共生の時代、平和の時代が来るという期待にもかかわらず、各地で地域紛争が多発をいたしました。冷戦中にはこのような地域紛争が表に出てこないで、冷戦後にこのように多発しているということにつきまして、どうしてなんだろうという基本的な認識をお伺いしたいと思いますが、総理か外務大臣に、冷戦後にこういった地域紛争が多発をしてきているというのは、どういうことからこのようになっているのかということをお聞きしたいと思います。
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高村正彦#19
○国務大臣(高村正彦君) 突然のお尋ねでありますが、冷戦構造というのは、決していい秩序だったとは思いませんけれども、それなりの秩序であったことは間違いないんだろうと思うんです、東西それぞれが対峙するという形で。
 それが二つの陣営が対峙するというところでの構造が崩れて、一つ一つの民族が民族の主張をし、宗教的な主張も出、そういったことで決していい秩序ではなかったけれども、秩序であったものが崩れて新しい秩序がまだ形成されていない。こういう中で、大きな秩序の中で国境線としても不満であってもみんなで我慢していたとか、いろんなことが崩れて、それぞれの主張があって、新しい秩序ができるまでの間のいろんな不安定性、不確実性が今大いに出てきている、そういうような状況なんだろうというふうな認識を持っております。
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若林正俊#20
○若林正俊君 今お話がございますように、冷戦時代におきます米ソのいわばそれぞれの関係国に対する抑止力といいますかそういうものが働いておりましたものがとれて、そしてそれぞれの地域が内在的に持っておりました宗教問題でありますとかあるいはまた民族問題でありますとか地域、国境をめぐります諸問題というようなものが各地で火を噴き出してきている、こんなふうに思うわけであります。
 このたびの周辺事態法案を中心とします三法案につきましては、日本の近隣の諸国におきましていろいろな評価があると思います。不安を感じ、あるいはまたこれに対して賛成をし期待をしているといったような声も聞いておりますが、近隣の主なアジア諸国ではどういうような受けとめ方をしておりますか。また、これに対しまして我が国は理解を求めるためにどのような対応をおとりになっておりますか、簡単に御説明いただきたいと思います。
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小渕恵三#21
○国務大臣(小渕恵三君) 新たな日米防衛協力のための指針関連法案につきましては、関心を有する諸国に対しまして、私自身また外務大臣、防衛庁長官等から機会あるたびに説明を懇切にいたしてまいってきておるところでございます。
 例えば、中国につきましては、昨秋の江沢民国家主席の訪日の際、私からも十分説明を申し上げ、中国側の一定の理解を得たと考えております。また、韓国につきましては、本年一月の野呂田防衛庁長官の訪韓等累次の機会に指針関連法案等の整備状況につき説明をしておりまして、韓国政府は実は今般、本法案はこの地域の安定に寄与するものとの論評を発表いたしておるところでございます。また、シンガポールを初めとするASEAN諸国及び豪州等からも一般的に肯定的な評価を得ておるものと承知いたしております。
 いずれにいたしましても、政府といたしまして、今後とも本件に関心を有する諸国に対し透明性を確保することが重要であると考えており、必要に応じしかるべき説明を行っていく考え方でありますし、特にアジア諸国に対しましては、我が国の安全のためにこのガイドラインの法案を制定しようとするものである趣旨は可能な限り一生懸命説明をし理解を求めていくということは、過去の歴史的な経過にもかんがみましてどうしてもなさなければならないことだと理解し、努力をいたしておるところでございます。
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若林正俊#22
○若林正俊君 この周辺事態法案につきましては、アメリカの軍事力の行使に協力をするための法案であるとか、あるいはアメリカが先行した軍事行動、アメリカの戦略に日本が巻き込まれていくのではないかといったような批判がございます。国民の中にはそのような批判を聞いて不安を感じている人たちもいるわけでございます。
 こういう御意見に対しまして、やはりわかりやすく、日本は専守防衛を中核といたしましてしっかりとした防衛原則を守り、そして日本の平和と安全を守るという観点で主体的に事態に対応するんだといったようなことをしっかりと説明しなければならないわけでございますけれども、こういう批判がありますことにつきまして、どういう御見解、どういう御説明をなさっておられますか、お伺いしたいと思います。
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野呂田芳成#23
○国務大臣(野呂田芳成君) この法案は、周辺事態に対応するために必要な措置等を定め、我が国の平和と安全の確保に資することを目的とするとともに、日米安保体制のより効果的な運用を確保し、我が国に対する武力攻撃の発生等を抑止することに資するものである、こういうふうに考えます。
 周辺事態において、事態の拡大の抑制あるいは収拾のために国連憲章及び日米安保条約に従い行動する米軍に対し我が国が後方地域支援を行うことはむしろ当然である、国際法上も何ら問題がないことである、こういうふうに考えております。
 また、この法案に基づき自衛隊が実施することを想定している米軍への後方地域支援は、それ自体武力の行使に該当するものではない、また米軍の武力の行使と一体となるものではない、こういうことは総理から累次答弁しているところでございます。
 このように、今、議員から御紹介ありましたようなこの法案に対して米国の戦争協力法案であるというような一部の批判は当たらないものである、そういうふうに考えております。
 政府としては、今後とも、この法案の目的と意義について適切に御説明し、国会や国民の一層の理解を得ていきたいと考えているところであります。
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若林正俊#24
○若林正俊君 私は、国民の皆さん方が不安を感じていることもわからないではありません。
 大事なことは、これは日本の平和と安全を確保するという観点で日米協力という枠組みの中で措置をするわけでありますが、しかしあくまで日本がその利益のために、国益のために主体的に判断するんだ、主体的に判断していくんだということを、常日ごろからこれを明確にしておく必要があると思うんです。アメリカに引きずられていくのではないかといったようなそういう不安を与えてはならないというふうに思います。
 と同時に、私は、やはり後方地域は戦闘が予想されるような危険地域から一線を画した地域であることは御説明を受けて承知いたしておりますけれども、それにしても、後方地域におきます支援の諸活動は、その関係国からしますと、交戦をしているような状態になってきますとその後方地域におきます支援が交戦力を高める、こういう効果を持つわけでありますから、やはりこれに対して重大な関心を持つということは考えられることでありますし、場合によっては、そのことによって後方支援をしています我が国に対します種々の軍事的な行動も行われるかもしれない。そういうリスクといいますか、そういうような事態というのは全くゼロではないと私は思うんです。
 しかし、そういうようなことをあえて承知しながらもこのような周辺事態に対します法制、制度を整備し、日米間の強力な信頼関係をつくり上げていくということによります、抑止によります平和確保といった効果の方がずっと大きいという、そういう判断が根底にあるのではないかというふうに私は思うのでございます。
 その意味で、国民の皆さん方に率直にこれからの法案の各条項を通ずる論議によりましてそういう不安を取り除いていただけるような努力、審議を通じましてそういうことが必要なのではないか、こういうふうに思います。
 日本の平和と安全を確保するということにつきましては、これは申すに及ばず、何といっても日ごろの外交努力が前提でございます。日本有事とならないようなそういう予防外交というのが前提でありますけれども、先ほどもお話ししましたように、一方で紛争になったときには相手方にとってもこれは大変な犠牲を伴うものだというような意味で、我が国が持ちます抑止力、こういうことが背景になければ、友好、平和の外交を、予防外交を進める場合にも十分な効果が期待できない。この両者は大変微妙なバランスの上に成り立っているように思うのでございます。このことについては大変努力が必要であろうかと思うのでございます。このことは私の気持ちを指摘するにとどめたいと思います。
 先ほどの何がしかのリスクを伴うというようなことにつきまして、外務大臣、何かお考えがございましたらお聞かせいただきたいと思います。
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高村正彦#25
○国務大臣(高村正彦君) 例えばこの法案では後方地域というのを設けて、そういうリスクができるだけ少なくなるような努力はしております。
 リスクが起こるようなことになれば、またそれを中断するとか、そういった努力もしてできるだけ少なくなるようにしておりますけれども、委員が御指摘のように、ではリスクがゼロかと言われれば、私もリスクがゼロだと断言する自信はないわけでありますが、そういうリスクを少なくするような配慮をできるだけしながらも、何らかのリスクは残るかもしれない。だけれども、まさに委員が御指摘になったように、そういう周辺事態が起こって、それが本当に日本に対する有事に発展するようなことにならないように、行動する米軍に対して日本が何らかの支援をする、そしてそれで食いとめる、あるいはそういったことによって一般的に日米安保関係の信頼性が向上する、そういったことによる抑止力、そういったことの効果の方が何がしか残るかもしれないリスクよりもはるかに大きい。こういう政治的判断をしてこの法案を提案させていただいているわけでございます。
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若林正俊#26
○若林正俊君 外務大臣から率直な御見解が述べられました。私も外務大臣が今お述べになりましたようなそういう観点でおりますが、そのことはやはりこれから率直にこの審議を通じて明らかにしながら理解を求めなければならないと思います。
 総理の訪米の成果と意義につきましていろいろとお尋ねをしてきたわけでありますが、この訪米関係の最後に、総理は訪米の直前に来年の九州・沖縄サミットの首脳会合を沖縄で開催するということを決定されたのでございます。総理の沖縄に対します並々ならぬお気持ちと、そしてこのことを決定いたしました勇断に改めて敬意を表するものでございます。
 在日米軍の基地の七割以上が集中しているという沖縄にクリントン大統領を初めとして世界の首脳が集まることになるわけでございます。このことにつきまして、大変警備上その他不安もあるわけでございますが、クリントン大統領はこのことにどのようなコメントといいますか、言及しておられましたでしょうか、お伺いしたいと思います。
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小渕恵三#27
○国務大臣(小渕恵三君) 二〇〇〇年に行われますサミットにつきましては、我が国がその主催国ということで決定をいたしております。
 その開催地につきましては、しばしば本院でも御答弁申し上げておりますが、今般第四回目に当たりまして、過去三回首都東京で行われておりますので、この機会に地方開催ということも考えてよろしいのではないかと申し上げてまいりました。そこで、国内に八カ所それぞれ立候補されるところがありましたが、結論的に政府といたしましては、沖縄県で九州サミットという名のもとに開催をすることと決定いたしました。
 主催国が決めればこれは各国とも御出席を願うことではありますけれども、たまたま日米首脳会談がございましたので、私としてクリントン大統領に決定した向きを申し上げましたところ、非常によい考えである旨述べられたわけでありますし、また国務省も、我が国の決定を歓迎するということを申し上げているわけでございます。
 今、若林委員も申されましたように、沖縄県、我が国の最も南に位置する地域でありますが、歴史的ないろいろの経過もございます。また現在、この地域はアジアの安定のために、また我が国の防衛のために必要な米軍の基地も多く有しておるところでございます。そういった意味で、ぜひこの沖縄県における開催が広く、沖縄県が我が国の亜熱帯地域における特殊な地理的地位もさることながら、アジアに向けての大変発信をできる地域であるということでありますし、また、沖縄県民をひとつぜひ挙げてここでサミットが行われることに対して御理解を得つつ、成功を願っていけることができれば大変ありがたいと思います。また、世界各国の首脳も、こうした沖縄県は歴史的に戦後考えてみましても、世界の中でいわゆる戦争によって、領土を平和のうちに返還されたという、世界の歴史の中でも希有な形の中で沖縄の祖国復帰が成立いたしております。
 もろもろのことを考慮いたしまして、政府といたしましては二〇〇〇年サミット沖縄開催を決定し、その成功のためにぜひ全力を挙げてまいりたいと思っております。御協力もよろしくお願いいたしたいと思います。
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若林正俊#28
○若林正俊君 今、総理からお話ございました。もう今さら申し上げるまでもありません。第二次世界大戦の末期におきまして沖縄は我が日本の最前線の地域として戦場になり、大変痛ましい犠牲を強いたわけでありますし、その後今日まで日本防衛のための米軍基地を多数擁しておりました。しかも経済的には、最南端でありますことから、経済の状態も大変苦しい状況に長らくあったわけでありますし、今日も失業率がずば抜けて高いといったような状況であります。
 この沖縄の人たちがふるさとを愛して、そして沖縄の軍事基地に大きく依存しないでもやっていけるようなすばらしい地域にしたいという願いを持っているわけでございまして、こういう沖縄県民の歴史的な経過なり現状というものをクリントン大統領を初め世界の首脳に御理解をいただきながら、沖縄が今後発展していきますようなそういうきっかけになればということで、大きな期待を持っている一人でございます。安全面を初めといたします受け入れ体制につきましては、沖縄県民と一体となり、沖縄県と政府が一体となって全力を挙げて成功するようにしていただきたいと願うものでございます。
 さて、法案の内容に入って質疑をさせていただきたいと思います。
 ガイドライン関連三法案のうち、自衛隊法の改正案、また後方支援、物品または役務の相互提供に関します改定協定の承認案件につきましては政府原案どおり衆議院で可決されたのでありますが、周辺事態法案につきましては大きな修正が行われました。自由民主党、自由党、公明党・改革クラブの三党によりまして、周辺事態の定義などに重要な修正があり、修正法案が参議院に送付されてきたところであります。
 そこできょうは、この修正法案を提案いただきました衆議院の提案議員が御出席でございますので、この修正法案につきましていろいろと御質問をさせていただきたいと思いますが、総括として、政府案がこのような修正を受けて衆議院で可決、参議院に送られておりますことについて、総理の基本的な認識といいますか受けとめ方というのをまず伺っておきたいと思います。
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小渕恵三#29
○国務大臣(小渕恵三君) 政府といたしましては、政府原案をもって国会の御了承をいただきたいということで、あらゆる機会に、衆参両院予算委員会を初めそのことを申し上げてまいりました。自主的な特別委員会が衆議院にまた参議院にも設置されましたが、その過程におきまして各党間の話し合いが行われた結果、修正をされたわけであります。
 もとより、国会におきまする修正でございますので、政府といたしましては、それが参議院におきましても成立をいたしますれば、そのことをもって政府としては誠実にその実施のために万遺漏なきを期していくというのが政府の立場でございます。
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