選挙制度に関する特別委員会

2000-10-13 参議院 全131発言

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会議録情報#0
平成十二年十月十三日(金曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十月十二日
    辞任         補欠選任
     鶴保 庸介君     泉  信也君
     若林 正俊君     久野 恒一君
 十月十三日
    辞任         補欠選任
     泉  信也君     鶴保 庸介君
     岩城 光英君     亀井 郁夫君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         倉田 寛之君
    理 事
                小山 孝雄君
                鴻池 祥肇君
                森山  裕君
                森本 晃司君
    委 員
                阿南 一成君
                泉  信也君
                入澤  肇君
                岩瀬 良三君
                亀井 郁夫君
                木村  仁君
                久野 恒一君
                斉藤 滋宣君
                鶴保 庸介君
                仲道 俊哉君
                長谷川道郎君
                林  芳正君
                吉村剛太郎君
                弘友 和夫君
                益田 洋介君
                佐藤 道夫君
   委員以外の議員
       発議者      片山虎之助君
       発議者      須藤良太郎君
       発議者      魚住裕一郎君
       発議者      月原 茂皓君
       発議者      保坂 三蔵君
   国務大臣
       自治大臣     西田  司君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        入内島 修君
   政府参考人
       自治省行政局選
       挙部長      片木  淳君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法の一部を改正する法律案(片山虎之
 助君外四名発議)

    ─────────────
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倉田寛之#1
○委員長(倉田寛之君) ただいまから選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。
 公職選挙法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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小山孝雄#2
○小山孝雄君 おはようございます。自民党の小山孝雄であります。
 今週最後の日になりましたが、本日も佐藤委員を除く野党の皆さんの御出席がいただけておりませんことを大変残念に思う次第でございます。
 質疑に入りますが、ここに「日本国憲法制定の過程」という、これは本のコピーであります。連合国総司令部側による記録でございまして、この中に参議院の誕生の経緯が書かれてございます。
 御案内のとおり、マッカーサー草案は一院制になっておりました。ところが、日本は貴族院があるのできっと日本側は二院制を要求してくるであろうという想定のもとに、ケーディス大佐は、内部には最初から二院制の案もあったにもかかわらず、一院制にしよう、一院制の草案を総司令部案としようと。きっと日本は二院制を要求してくるに違いない、そうしたら、それはいわゆる変更のできない、すなわち米国本国政府の指令、SWNCC、スウィンク指令に基づく変えてはならない政策の一つではないから、それをのむかわりに、受けるかわりに総司令部案のすべてをのめ、その取引の種として役立たせられると、憲法草案の実務者の最高責任者のケーディス大佐がそのようなことを語ったということが記録に残っております。
 そして、昭和二十一年二月十三日でありますが、これは一つの今日の日本をつくる運命の日でもあると私は思うわけでございますが、総司令部案が松本国務相に、憲法担当大臣に草案が手交されるわけであります。松本大臣はケーディスが予測したとおり、一読をし持ち帰り熟読熟考いたします、こう答えるのですが、その時点で、ただ一点、一院制に対して異議を申し立て、日本側は二院制を希望しますという発言をしておるわけでございます。
 その後の過程で、草案では国会という極めて単純な表現になっておったのが衆議院、参議院ということでその倍ぐらいの量の憲法条文になり、現在の四十二条、「国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。」という案になって今日に至っておることは御案内のとおりでございます。すなわち、今日我が国が二院制をとり、そして参議院があり、そのもとは現憲法のこの誕生の秘話の中にその経緯を見出すわけでございます。そのことを私は常に参議院にあって思うものでございます。
 そこで、発議者の各党代表にお尋ねをいたします。
 選挙制度の改革というのは、これは常にあるべきその議会の姿、あるべき参議院の姿というものに、理想に限りなく近づく、そのための手段であって、そのためにこそ改革が行われてきたんだと思うわけでございます。そこで、法案の質疑に入る前に、よく参議院は良識の府だ、こう言われておりますが、良識の府と言われるゆえんをどうお考えになり、そしてまたあるべき参議院というものをどうお考えになっていらっしゃるか、自民党、公明党、保守党の代表お三方にお願いを申し上げます。
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片山虎之助#3
○委員以外の議員(片山虎之助君) さすがに小山委員は憲法調査会の理事さんだけあって、憲法の制定過程も相当御研究されておりまして大変参考になりましたが、二院制をとっているわけですね、我が国は。そうしますと、一院を衆議院にし、第二院を参議院ということにしますと、やっぱり一院というのは権力争奪の府なんですね。その権力争奪を生々しくやるところと、距離を置いてもう一遍いろいろなものを考え直してみる、こういう役割が一番大きいので、そういう意味で参議院は良識の府だと言われる。衆議院が良識がないとは言いませんよ。ただ、参議院の方が良識がある。そのために、仕組みも例えば六年の任期保障をして、安んじて落ちついていろいろなものが審議、研究できる、あるいは被選挙権は三十歳にして思慮分別がある人から選んでもらうとか、そういうこともあるし、選挙制度もやはり党よりも人、こういうことがどうしてもあるんだろうと思いますね。
 そこで、あるべき参議院というのは、衆参あわせて国会として国民の代表としてのいろんな機能をしっかり果たしていくということは、衆議院とは違う国民の意思を、国民の意思は多元的ですから、それを吸い上げる、しかもそれを党という集団じゃなくて個々人の良識でできるだけ発揮していく、こういうことが私は参議院だと思いますし、またこれもよく言われておりますように、衆議院との関係では抑制、補完、調整ですか、衆議院の行き過ぎを抑え、衆議院の足らざるを補い、衆とあわせて全体で均衡をとってバランスをとる、それが国民の期待にこたえるゆえんだと、こういうふうに考えております。
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魚住裕一郎#4
○委員以外の議員(魚住裕一郎君) 存在意義、それからあるべき姿、そして良識の府、同じような観点から考えられるところでございまして、今、片山発議者が述べられたことにオーバーラップすることとなろうかというふうに思っております。
 第二院はなぜあるのか、第一院と同じ議決をすればその存在意義はない、あるいは第一院と違う議決をすれば反動になる。たしかシエイエスかだれかが言ったと思いますが、第二院というものはそういうふうに見られてきたところでございます。
 しかしながら、やはり第一院のみの議決でドラスチックに物事を決めていくということよりは、より丁寧に民衆、国民の意思というものを反映する制度、これが私は日本国憲法において二院制をとられた一つの理由ではないかというふうに考えているところでございます。
 それに見合った制度として、被選挙権が三十歳以上。四十歳以上がいいのではないかとかいろんな議論があったというふうに伺っておりますが、三十歳以上。また、解散なしの任期六年という制度になっているわけでございまして、落ちついた、そして良識ある議論ができる、これを目指しているのではないか、このように考えているところでございます。
 私も参議院の憲法調査会に入れていただきまして勉強させていただいているところでございますが、現憲法の審議をする際に、貴族院の議論が非常にハイレベルで、もう教科書、さらに参考書といいますか、そういうような議論をこの場でやっておられた姿を見まして、やはり理性的な、知性に基づく審議ができる、またそういうような人を選ぶことが必要である、そのための選挙制度にすべきであると。ですから、今回私どもはこの法案を提案しているところでございますが、より人物がわかるような制度にすべきである、このように提案をしているところでございます。
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月原茂皓#5
○委員以外の議員(月原茂皓君) 小山議員、大変勉強されて、私もお話を聞いて参考になったところが多いわけですが、今既に片山、魚住両議員からお話があったところと私は基本的には考え方が同じでありますから、重複を避けて申し上げますが、やはりこれから、森総理もIT時代だとか、こう言って情報化が非常に進んでくるとやはり一気に国民の世論というものが固まってきて、そして小選挙区制度における衆議院、それはそれにこたえなければならないという要素が非常に大きくなってくる。そういう意味において歴史的な、今、小山議員の言われたこともありますが、これからさらに二院制という参議院の任務は別の意味で大きな意味を持ってくると思います。
 要するに、最終的に言えば、この二院制というものをもって国が本当に活力ある、それぞれの機能を発揮する、国家をよくするのにどうすればいいかという観点から考えなければならない。それには、今既にお話のあるとおり、選挙制度あるいは年齢の問題とか、それから国会における機能とか、衆議院に与えられた機能と参議院におけるそれぞれの処置の仕方が違ってくると思いますが、私は、そういう点において別の角度から、特に参議院で今議題になっておる点を特に申し上げると、比例代表制の議論からいえば、やはり国家として、いや、現在の政治において政党制というものを参議院から完全にぬぐい去ることはできない。それは戦後のこの参議院の歴史がそれを示しているわけであります。そうかといって、余りにも政党化が強過ぎる、政党の締めつけがきつ過ぎて、それが逆に拘束制になってきて国民から非常に離れた存在になってくる、そういうふうなことになってはならない。最後は国民の代表であるという正統性を確保しなければならないという点から考えなければならない。私もそのように考えているわけであります。
 お答えに十分なっているかどうかわかりませんが、既にお二人の委員が述べられた別の観点から私は取り組む観点も出てきたんではないかということをあえて申し上げたいと思います。
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小山孝雄#6
○小山孝雄君 ありがとうございました。
 御案内のとおり、参議院発足当初には、いわゆる保守的な考えを持ちながらも衆議院の多数派とは一線を画する無所属議員から成る緑風会というのがございました。大勢力でありました。最大会派であったわけであります。当時の活動といたしまして、国家行政組織法案や破壊活動防止法案などの審議の際に重要な修正を行ったり、あるいは緑風会の議員提案でできた法律には、年齢のとなえ方に関する法律あるいは文化財保護法などがあることは御案内のとおりであります。しかし、時代とともに、衆議院における多数派あるいは政府からこうした参議院のあり方についていろんな意見が起こり、選挙のたびごとにその勢力は減少していったわけであります。そうした緑風会の活動が参議院のあるべき姿だということを指摘なさる向きもたくさんあるわけでございます。
 そこで、この提案されております法案、これが憲法違反じゃないかという指摘もございます。週刊誌等で憲法学者等の指摘もあるわけでございますけれども、どういう点かと申しますと、Aという候補者に対する一票によってBやCも当選するということになれば、一票が二票にも三票にもなって、一人一票の原則というのが平等選挙を定める憲法第四十四条の趣旨じゃないのか、それに違反するではないか。二つ目が、自分が投票した人への票が別の候補者の票として影響することから、これは憲法第十五条第一項に規定する公務員の選定・罷免権を侵害するもので違憲だと、こういった論もございます。
 これについての発議者の考えをお尋ねいたします。
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片山虎之助#7
○委員以外の議員(片山虎之助君) 選挙制度には大きく分けて比例代表制と多数代表制とあるわけですね。多数代表制というのは個々人に投票して多数を得た者が当選する。比例代表制というのは、小山委員御指摘のように、各政党が名簿を出してその名簿で政党を選んでもらう投票なんですね。政党を選ぶ選挙なんです。ただ、政党が候補者の名簿を出す、その名簿の出し方に政党が順位をつける拘束式と順位をつけない非拘束があるんです。しかし、あくまでも比例代表選挙は政党を選ぶ、政党が名簿に出している候補者総体の政党を選ぶ、こういうことなんですね。だから、政党を選んで投票するわけですから、そういう意味では憲法四十四条の平等原則に全く触れない。A党に行く一票もB党に行くのも同じですから何らの差はない。
 それから、候補者を選定する権利ですか、公務員を選定する権利、憲法十五条ですね、議員も公務員だそうですけれども。それは名簿で選ぶわけで、ただ非拘束は名簿に順位をつけませんから、個人名を書いてもらって、その個人名での多数をとった者で当選していく。順位づけを固有の名前で行うと、比例代表制の枠の中で。当選人の順番を党があらかじめ拘束して決めるんじゃなくて国民に選んでもらって順番を決める、それだけにすぎないんですよ。だから、その一票が横流しだとかなんとか大変マスコミがおもしろおかしく書いておりますけれども、全く比例代表制選挙の本質を解さない議論だと、私はこういうふうに思います。
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小山孝雄#8
○小山孝雄君 今、御答弁で横流しという御答弁がありました。すなわち、集票力が極めて高い、いわゆるタレント性の高い候補者を立候補させることによって、その候補者が今の東京都知事の石原愼太郎さんだとかあるいは藤原あきさんだとか三百万票を超えた人というのは数名、あるいは我が党の宮田輝候補だとか、等々のそうした候補を出すことによってたくさんの票をとる、そしてそれが、そのたくさんの票をとった方を支持した人が支持していない候補者も上げるというのがいかがなものかと。これはいわゆる横流しということで問題視する意見もあるわけでございますが、あえてもう一度この件についての御見解をお尋ねいたします。
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片山虎之助#9
○委員以外の議員(片山虎之助君) やっぱり比例代表選挙ですから、政党を選ぶということがあって、仮に今、小山委員の言われる石原さんに入れた人も、石原さんが属する党を選んでいるんですね。ただ、その選んだ党の中では石原さんにトップ当選をしてもらいたい、そういう意思が石原愼太郎という票に出るわけで、私は、何ら横流しでもないし、いかにも話がおもしろいですから、横流しだとか縦流しだとかというのは、そういうことを言われているんだろうと思いますけれども、比例代表制選挙の本質をよく私は理解してもらいたいと思うし、世界各国で比例代表制選挙というのはいっぱいあるんです。非拘束の選挙をとっている国もたくさんあるわけでありますから、ぜひ御理解を賜りたいと思います。また、そういう人気だけのタレントを並べるような比例名簿をつくった政党というのは私は結果的には長持ちしないと思います、一時的にはともかく。
 そういう意味で、政党の良識、選ぶ国民の良識に私は期待いたしたいと思います。
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小山孝雄#10
○小山孝雄君 政党名の投票でもいい、個人名の投票でもいいという法案になっているわけでありますが、帰属が不明な票の案分についてお尋ねいたします。
 この両方認めることになったときに、これまでに想定されなかったケース、案分の方法というのが問題になってくるんだと思いますが、どんな点が想定されますか。
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保坂三蔵#11
○委員以外の議員(保坂三蔵君) この点は私からお答えいたします。
 ただいま小山委員から御質問がありましたとおり、氏名、名称が同一である候補者、政党が存在する場合が生じます。
 帰属が不明な票の案分につきましては、御指摘のとおり、これまでは、衆参両院とも比例選挙におきましては政党の名称あるいは略称が同一であるというケース、そしてまたその他の選挙におきましては候補者の氏名が同一であるというケースがあったわけでございますが、今回の改正によりまして個人名投票と政党名投票の両方を結果的に認めることになりました。これに伴いまして、政党の名称、略称と候補者の氏名が、もしくは名前が同一である場合も想定しなければならなくなったわけでございます。
 例えば、公明党という名称で略称をこうめいという政党で書いたつもりが、自由民主党に諸葛孔明という人がいて、こうめいという名前が想定される場合がございます。この場合につきましては、有効票となりまして、案分で開票区ごとに追加して上乗せして振り分けることになっております。
 御理解のほど、お願い申し上げます。
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小山孝雄#12
○小山孝雄君 そうすると、政党と候補者個人両方に案分するということになるのでございますか。
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保坂三蔵#13
○委員以外の議員(保坂三蔵君) そのとおりでございます。
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小山孝雄#14
○小山孝雄君 連座制の適用の問題につきましてはたびたび質問も出たところでございますが、参議院比例代表選出議員の選挙に連座制が適用されることとなるわけでございますが、もう一度、その内容について確認をいたします。
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保坂三蔵#15
○委員以外の議員(保坂三蔵君) 連座制についてのお尋ねでございますが、連座制は、選挙の腐敗を防止いたしまして公正な選挙を実現するために、公職の候補者または公職の候補者となろうとする者のために行われる選挙運動の中におきまして一定の選挙犯罪が犯された場合は、その者の当選を失わせたり、立候補を制限する制度となっております。
 今回の改正によりまして、これまでと異なりまして、参議院比例代表選出議員の選挙において候補者の選挙運動が事実上認められることになりまして、他の選挙とは区別できなくなりました。参議院名簿登載者またはその予定者のために行われる選挙運動におきましては、選挙犯罪について連座制を適用するということになった次第でございます。
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小山孝雄#16
○小山孝雄君 次に、定数削減についてお尋ねをいたします。
 これは衆議院の定数削減を受けて参議院の定数も削減する、こういうことでしょうか。
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保坂三蔵#17
○委員以外の議員(保坂三蔵君) この点も私から御答弁をさせていただきます。
 衆議院の定数削減は、御高承のところとは存じますが、平成十年十一月十九日の与党の自由民主党と自由党の合意から始まったものでございます。この合意に基づいて、自民、自由両党の合意の場が設けられまして、翌年の平成十一年一月十二日に、両党の定数削減に関する協議会の合意事項といたしまして衆議院比例代表選出議員の定数を五十人削減するということになったところであります。
 ところが、参議院の定数問題は、このいわゆる自自合意に先立つ前の年の平成十年九月九日に、各派の代表者懇談会におきまして斎藤議長から選挙制度改革に取り組むべきであるとの指示がございまして、各会派において検討が既に行われていたところであり、そういった経緯を踏んまえまして、最終的な両党の定数削減に関する合意事項から参議院の議員定数問題は削除をされたものでございます。
 したがいまして、衆議院が定数削減をしたことを受けまして参議院の議員定数も削減したのではないかという指摘に関しましては、事実と相異なるものでございまして、参議院の定数問題はまず議長の諮問を受けて参議院の各会派が独自性を持って検討を行ったものだ、こういうふうに私たちは考えております。
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小山孝雄#18
○小山孝雄君 続いて保坂議員にお願いいたします。
 衆議院は比例区のみの二十人削減になっております。提出されている法案というのは、選挙区六人、比例区四人削減することにしておりますが、その点、なぜですか。
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保坂三蔵#19
○委員以外の議員(保坂三蔵君) お答え申し上げます。
 現行の参議院の選挙は、都道府県を単位とする選挙区制度でございまして、全国区を単位とする比例代表選挙が並立した存在となっておりますが、選挙区制度は事実上、都道府県の代表的な意義ないしは機能を有する制度と考えられております。また、比例代表選挙は、ただいままでお話がありましたとおり、全国共通の職域等を代表する意義ないし機能を持っている制度でありますことを考えますと、両制度は等しく評価をすべきであると考えております。
 そこで、定数削減を行うに際しましては、現行の両制度の定数比、すなわち選挙区におきましては百五十二、比例におきましては百という、これを定数比で計算いたしました点から、このたび選挙区六、そして比例区四という削減数に振り分けたところでございます。
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小山孝雄#20
○小山孝雄君 選挙区のうちで、削減される選挙区が岡山、熊本、鹿児島と、この三県に定まった理由は何でしょうか。
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保坂三蔵#21
○委員以外の議員(保坂三蔵君) お答え申し上げます。
 ただいま御指摘がございました岡山県、熊本県及び鹿児島県の各選挙区の定数をそれぞれ二名削減するという改正案でございますが、現在生じているいわゆる逆転区を解消するためでございまして、定数削減に当たりましてはこれ以上定数の格差を拡大しないためという措置でございます。
 すなわち、現在、鹿児島選挙区では定数四であるのに対しまして、三重選挙区では二名でございます。平成七年度の国勢調査の結果によりますと、鹿児島県の人口は百七十九万四千二百二十四名、そして、これに対しまして三重県の人口は鹿児島県より多い百八十四万一千三百五十八名。百七十九万と百八十四万。ところが、人口の多い三重県の方が定数が二名で少ないわけでございます。このような逆転現象を今回はゼロにしようということで三県を減らすことになったわけでございます。
 また、現在各選挙区の配分定数の一議席当たりの人口格差、これは最高裁でも判決が出たところでございますが、合憲とはなっておりますが、東京都と鳥取県の間では、平成七年度の国勢調査によりますと四・七八七倍になっております。これが合憲でありましても、これ以上拡大できないという範囲まで来ていることは事実でございます。
 このような観点から、定数を削減する際に、議員定数が八である東京都や、議員定数が六である埼玉県、愛知県、神奈川県及び大阪府の定数を削減するということは、事実上さらに最大格差を広げてしまうことになります。そしてまたその逆に、それらの区を、東京や愛知県をふやすということになりますと新たな逆転区が起きかねません。これに対しまして、議員定数四の都道府県のうち人口の少ないものから順に定数を削減すれば最大格差をこれ以上拡大することにはならない。それに相当する意味合いから、鹿児島県、熊本県、岡山県の三県の議員定数を削減させていただくことになりました。以上の結果から、逆転区もゼロとなった次第でございます。
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小山孝雄#22
○小山孝雄君 今削減の内容についてお尋ねしたわけですが、今回の改正法案について多くの国民は定数削減のことが含まれているということを知らないんじゃないんでしょうか。佐藤委員を除く野党の皆さん、きょうもおいでになっておりませんが、その審議拒否の理由はこの法案の内容ではなく、削減することに反対なんだと、こういう声も聞こえてくるのでございますけれども、きのうここで午前、午後二時間にわたり参考人の意見を拝聴いたしました。各界のというよりも選挙制度の専門家の御意見でありましたが、参議院の削減は必要ないんじゃないかと、四人ともたしかそのような御意見であったと思います。身を削るんだという発議者の意向も伺ったわけでございますけれども、それでも、四人の参考人がそろってああいう意見を述べるというのは私は予想しなかったことだったんですけれども、定数削減には否定的でございました。
 発議者は、定数削減について、それでもやるということでありましょうか。
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須藤良太郎#23
○委員以外の議員(須藤良太郎君) 定数は削減しなくてもいいという四人の参考人のお話は、参議院の今置かれている役割なりそれに対する定数の問題を非常に考えている結果ではないかと、こういうふうに思っておりますけれども、この定数問題については、例の協議会におきましても相当論議をされておりまして、確かに両論あったわけでございます。
 定数削減は要らないという論拠は、やはり衆議院の三分の二は二院として必要ではないかという問題と、あるいは国民との太いパイプが必要ではないかとか、いろいろ理由がございます。
 そしてまた一方では、やはり既に話がありましたけれども、行政庁等の削減問題あるいは民間あるいはマスコミ等の世論の問題等々を考えますと、やはりここで少しでも前進といいますか、姿勢を示す必要があるだろうということでございまして、特にこの問題は二、三の党が相当抜本的な改革を数年前に出しております。それは、これは相当抜本的な改革になりますから当然かもしれませんけれども、二百五十二人を二百人程度に削減すると、そういう改革案を出しておりまして、そういう面からしますと、これから抜本改革、きのうの話では、いわゆる応急措置の比例代表の中で変えるという問題でなくて、抜本改革のときにはそういう削減が考えられているということからいたしましても、今回この程度の削減をやるのは一つの姿勢としてもいいし、また、手戻りといってはおかしいですけれども、少なくも前進の方向で考えられるのではないかと、こういうことで削減に踏み切っておりまして、これを今変えるあれは全くございません。
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小山孝雄#24
○小山孝雄君 参考人の御意見を総合いたしますと、参議院は創設当初二百五十、沖縄県が祖国復帰をいたしまして二百五十二、創設以来一議席もふえておりませんよという御指摘でありました。当然そのとおりでございます。
 衆議院が、一票の格差等の問題から次第次第に、本則はそのままにして附則でもってふやし続けて今日に至って、そして小選挙区制に移ったというわけであります。一議席も戦後参議院がふえていないにもかかわらず、今回の改正案で身を削るんだというその姿勢、これは極めて大事なことであり、多くの国民に知ってもらいたいと、こう願わずにはおられません。
 次に、自治省にお尋ねいたします。
 一つは、今回の改正によりまして基準法の改正内容があろうかと思います。お答えください。
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片木淳#25
○政府参考人(片木淳君) 今回提案されております改正法附則におきまして、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律が改正されております。
 その内容につきましては、一つは、非拘束名簿式比例代表制の導入に伴いまして、政党への投票、名簿登載者個人への投票のいずれもが認められることになり、候補者別の分類、案分票の計算等の開票事務が複雑になると見込まれますことから開票所経費を増額したこと、二つには、氏名等の掲示につきまして、当日の投票所における掲示及び不在者投票記載場所内の掲示の方法等に変更がありましたことから、候補者氏名等掲示費の額を改めておることの二点であるというふうに承知をいたしております。
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小山孝雄#26
○小山孝雄君 それに続いて自治省にお尋ねしますが、開票体制の問題でございます。
 先ほども、政党と個人、両方への案分という、これまでの日本の政治史の中でないんじゃないんでしょうか、選挙史の中でない案分も行われるとなると大変時間がかかる。そしてまた、三千三百近くに上る市町村と都道府県選管とのオンライン化がどこまでどう進んでいてどう機能していくのか。
 私も、かつての旧全国区選挙、若いときから事務局でやった経験を持つ者の一人でございますけれども、あの時代で、全国区の開票でも最高で二晩徹夜したことがあります。今度は、候補者名と政党名と、それを案分し、全部合計して政党別の得票数を算出して、それに従って議席を確定し、そしてその政党内の投票の多寡をもって当落が決まるという極めて複雑な開票作業になろうかと思います。
 まず、どんな開票体制になると想定され、またその場合の経費増、これも莫大なものじゃないかと思うんですが、手当てはどうでありましょうか、自治省、お答えください。
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片木淳#27
○政府参考人(片木淳君) 先ほども申し上げましたとおり、非拘束名簿式比例代表制の導入に伴いまして、これまでの政党への投票に加えまして新たに名簿登載者個人への投票が認められることによりまして、開票におきましても、今御指摘ございましたとおり、候補者別の票の分類、疑問票に係る審査、案分票の計算等に係る選挙事務の増加が想定されるところでございます。
 経費につきましては、今後予算で確保していくことになりますが、先ほど申し上げましたように、今申し上げたことも勘案されまして、法案の附則において国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律を改正し、開票所経費を増額されておるものと承知をしておるところでございます。
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小山孝雄#28
○小山孝雄君 新制度の導入に伴いまして、どうでしょう、先ほども申し上げましたが、即日開票というのは維持できますか。
 即日開票と申しましても、投票日の夜中の十二時までとはあえて言いませんけれども、少なくとも深夜、日付変更線を過ぎて深夜には全部議席が定まるということは維持できるでしょうか。
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片木淳#29
○政府参考人(片木淳君) 公職選挙法の六十五条に開票のことが規定されております。これによりますと、開票は投票の当日または翌日に行うということとされております。
 即日開票を行うか否かは市町村選管が決めることとされているところでございますが、いずれにいたしましても、選挙の結果を選挙人に対して速やかに知らせるという公職選挙法第六条の趣旨を基本としつつも、開票事務に要する時間等を考慮して総合的に判断しなければならない問題であると考えておるところでございます。
 先ほども申し上げ、また御指摘もございましたとおり、繰り返しになりますが、政党への投票のほかに名簿登載者個人への投票が認められることとなりますので、旧全国区の開票同様、候補者別の分類あるいは案分票の計算に時間を要することが想定されるところでございます。
 いずれにいたしましても、非拘束名簿式比例代表制導入後の参議院通常選挙におきまして即日開票とするか翌日開票とするかは、今後開票手順をどうするか、さらに具体的に詰めてまいりますとともに、全国の市町村選管の実務の実態も勘案しつつ、十分に調査を行って最終的な判断をしてまいりたいというふうに考えております。
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