厚生労働委員会
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会
会議録情報#0
平成十八年四月二十六日(水曜日)
午後一時二分開会
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 山下 英利君
理 事
岸 宏一君
中村 博彦君
谷 博之君
円 より子君
渡辺 孝男君
委 員
阿部 正俊君
岡田 広君
坂本由紀子君
清水嘉与子君
武見 敬三君
中原 爽君
西島 英利君
藤井 基之君
水落 敏栄君
朝日 俊弘君
家西 悟君
島田智哉子君
下田 敦子君
津田弥太郎君
辻 泰弘君
森 ゆうこ君
山本 保君
小池 晃君
福島みずほ君
事務局側
常任委員会専門
員 江口 勤君
参考人
社団法人日本経
済団体連合会労
働政策本部長 川本 裕康君
独立行政法人労
働政策研究・研
修機構統括研究
員 今田 幸子君
日本労働組合総
連合会総合人権
・男女平等局総
合局長 龍井 葉二君
住友電工情報シ
ステム株式会社
総務部チーフマ
ネージャー 西村かつみ君
中央大学法科大
学院教授 山田 省三君
弁護士 坂本 福子君
─────────────
本日の会議に付した案件
○雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇
の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を
改正する法律案(内閣提出)
─────────────
この発言だけを見る →午後一時二分開会
─────────────
出席者は左のとおり。
委員長 山下 英利君
理 事
岸 宏一君
中村 博彦君
谷 博之君
円 より子君
渡辺 孝男君
委 員
阿部 正俊君
岡田 広君
坂本由紀子君
清水嘉与子君
武見 敬三君
中原 爽君
西島 英利君
藤井 基之君
水落 敏栄君
朝日 俊弘君
家西 悟君
島田智哉子君
下田 敦子君
津田弥太郎君
辻 泰弘君
森 ゆうこ君
山本 保君
小池 晃君
福島みずほ君
事務局側
常任委員会専門
員 江口 勤君
参考人
社団法人日本経
済団体連合会労
働政策本部長 川本 裕康君
独立行政法人労
働政策研究・研
修機構統括研究
員 今田 幸子君
日本労働組合総
連合会総合人権
・男女平等局総
合局長 龍井 葉二君
住友電工情報シ
ステム株式会社
総務部チーフマ
ネージャー 西村かつみ君
中央大学法科大
学院教授 山田 省三君
弁護士 坂本 福子君
─────────────
本日の会議に付した案件
○雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇
の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を
改正する法律案(内閣提出)
─────────────
山
山下英利#1
○委員長(山下英利君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案を議題とし、参考人の方々から御意見を聴取いたします。
本日御出席をいただいております参考人の方々を御紹介申し上げます。
社団法人日本経済団体連合会労働政策本部長の川本裕康参考人でございます。
独立行政法人労働政策研究・研修機構統括研究員の今田幸子参考人でございます。
日本労働組合総連合会総合人権・男女平等局総合局長の龍井葉二参考人でございます。
住友電工情報システム株式会社総務部チーフマネージャーの西村かつみ参考人でございます。
中央大学法科大学院教授の山田省三参考人でございます。
弁護士の坂本福子参考人でございます。
以上の六名の方々でございます。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多忙中のところ、当委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
参考人の皆様方から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。
なお、参考人、質疑者ともに発言は着席のままで結構です。
それでは、まず川本参考人にお願いいたします。川本参考人。
この発言だけを見る →雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律及び労働基準法の一部を改正する法律案を議題とし、参考人の方々から御意見を聴取いたします。
本日御出席をいただいております参考人の方々を御紹介申し上げます。
社団法人日本経済団体連合会労働政策本部長の川本裕康参考人でございます。
独立行政法人労働政策研究・研修機構統括研究員の今田幸子参考人でございます。
日本労働組合総連合会総合人権・男女平等局総合局長の龍井葉二参考人でございます。
住友電工情報システム株式会社総務部チーフマネージャーの西村かつみ参考人でございます。
中央大学法科大学院教授の山田省三参考人でございます。
弁護士の坂本福子参考人でございます。
以上の六名の方々でございます。
この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。
本日は、御多忙中のところ、当委員会に御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。
参考人の皆様方から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。
なお、参考人、質疑者ともに発言は着席のままで結構です。
それでは、まず川本参考人にお願いいたします。川本参考人。
川
川本裕康#2
○参考人(川本裕康君) ただいま御紹介いただきました日本経済団体連合会で労働政策本部長を務めております川本と申します。
本日は、男女雇用機会均等法の改正並びに労働基準法の一部改正の審議に当たりまして、私どもの意見を聞いていただく機会をいただきましたことに改めて御礼申し上げたいと思います。
それでは、早速ではございますが、私どもの考え方、意見を述べさせていただきたいと存じます。
まず初めに、今回の見直しにつきましては、公益委員、労働側委員、使用者側委員の三者構成によります労働政策審議会雇用均等分科会におきまして、一昨年の秋、二〇〇四年九月からでございますが、より審議が始められ、真摯かつ活発な議論が重ねられました。その結果、昨年の年末、十二月二十七日でございましたが、三者の合意に達し、報告書が取りまとめられ、そして労働政策審議会より厚生労働大臣に建議され、さらに今年に入りまして、二月七日でございましたが、建議の趣旨に沿った法律案要綱につき諮問と答申が行われたことであることをまず申し上げておきたいと存じます。
次に、審議に際しての私どもの検討の視点、観点について四点ほど述べさせていただきたいと思います。
その第一は、社会情勢の変化や理論、理屈に合ったものであるかどうかという視点でございます。第二は、企業経営や企業の活力を阻害せず、整合性の取れたものであるということであります。第三は、それぞれの職場、現場において対応が可能であり、誤解や混乱を来さないという視点でございます。第四は、男女雇用機会均等法は、結果の平等を求めるものではなく、機会の均等を図るものであって、その趣旨に合致しているということでございます。
このような四つの観点から、また審議会におきましては、公益委員や労働側委員の御意見も踏まえ、私どもでは、企業の方々との会合を重ね、検討をしまして、審議会で使用者側委員を通じて意見を申し上げ、今回の結論をぎりぎりのものとして受け入れることを英断した次第でございます。
さて、男女雇用機会均等法が施行されまして二十年たったわけでございます。この間、男女の雇用機会の均等の重要性の意識は社会に広く浸透したと思っております。また、企業におきましても男女雇用機会均等法にのっとった雇用管理が行われております。また、女性をめぐる雇用環境も変化しつつございます。私ども日本経団連も、会員企業を始め、広く法の遵守について周知に努めているところでございます。
このような中で、審議の結果取りまとめられました今回の改正法案には、多くの項目がございます。時間も限られておりますので、大きな見直しポイントと思われる点につきまして考えを申し述べさせていただきたいと存じます。
まず第一が、現行の女性に対する差別禁止から男女双方に対する差別の禁止に改める法案となっていることであります。これにつきましては、本来あるべき姿は男女双方の差別の禁止であろうと存じますが、その場合に、女性に対する差別の例外を規定する均等法第九条の特例措置、いわゆるポジティブアクションの規定でございますが、これにつきまして男女双方について同様の規定を設けるか否かなどが均等分科会におきましても議論となったわけでございます。
私どもは、企業の自主的な取組を尊重しているポジティブアクションの現行規定を変えないこと、当面、女性に対する特例措置のみを保持することを適切と考え、これを前提として男女双方に対する差別禁止への見直しを行うことが適当であるとしたわけでございます。いずれにいたしましても、男女双方に対する差別禁止とすることは、今回の改正案の中でも実は大きなポイントであろうというふうに認識しております。
なお、審議の過程におきまして、労働側委員より、均等法の目的、理念に、仕事と家庭の調和というものを盛り込むべきという御意見がございました。これに対しましては、使用者側委員は、働き方の多様化が進展している中にあって、様々な働き方が認められるべきであり、本来の性差別の問題以外の要素を均等法に入れるべきではないということで、強く反対を表明した次第であります。均等分科会での審議の結果、仕事と家庭の調和につきましては、分科会の取りまとめた報告、労働政策審議会の建議並びに法案に盛り込まれなかったということを付言しておきたいと存じます。
第二は、限定列挙によります間接差別概念の導入が盛り込まれたことであります。
間接差別につきましては、平成九年の男女雇用機会均等法の改正時にその検討の必要性が国会の附帯決議で示されるとともに、国連等からも指摘がなされていたわけでございますが、大変分かりにくいという概念であることから、雇用均等分科会におきましても最も議論となったところというふうに思っております。
御承知のとおり、間接差別は、外見上は性中立的な基準等であっても、他の性の構成員と比較して、一方の性の構成員に相当程度不利益を与える基準等について職務との関連性がないなど、合理性、正当性がない場合をいうわけでございます。
使用者側としては、このような間接差別の概念が一般的にはまだ浸透していないこと、合理性、正当性の有無の判断に幅があること、性中立的なものであればおよそどのような要件でも俎上に上り得る、つまり対象が無制限に広がりかねないということで、職場や現場が混乱するということなどからその導入に対し強く反対をしたわけであります。しかしながら、公益委員より予測可能性を高めるべく限定列挙の方式が示されたことから、私ども内部で改めて検討を行いまして、ぎりぎりの決断といたしまして今回の三項目の限定列挙とすることで受け入れた次第でございます。
この点につきまして、もう少し具体的にお話をしておきたいと存じます。
今回限定列挙として取り上げられました三項目は、一つ目が、募集、採用における身長・体重・体力要件であります。二つ目が、コース別雇用管理制度におきます総合職の募集、採用における全国転勤要件であります。そして三つ目が、昇進における転勤経験要件ということでございます。この内容につきましても実は非常に分かりにくいという部分もあることから、均等分科会におきましては議論を通して内容のポイントというところを明確にして取りまとめたわけでございます。
例えば、募集、採用における身長・体重・体力要件であれば、例えば身長百七十センチ以上を要件とするときに、その身長が業務遂行上必要であれば何ら問題はないわけでございますが、業務上の関連性、必要性がない場合はこの百七十センチ以上の要件というのは合理性を欠くという基準となるわけでございます。これは比較的分かりやすい項目でございます。
ところが、コース別雇用管理制度におきます総合職の募集、採用における全国転勤要件につきましては、コース別雇用管理自体が間接差別に当たるんですかとか、あるいは全国転勤要件そのものが間接差別に当たるのかとか、どういう場合に間接差別に当たるのか、どういう可能性があるのかよく分からないと、こういった懸念の声が私どもにたくさん寄せられておるわけでございます。これは、やっぱり間接差別の概念が分かりにくいこと、一般的にまだ浸透していないことの表れであろうかと思っている次第であります。
そこで、均等分科会におきましては、具体的なポイントを盛り込んで取りまとめられたわけであります。具体的に申し上げますと、支店や支社がなかったり、又はその計画等がないにもかかわらず、総合職の採用基準に全国転勤要件を掲げることは合理的な基準とは考えられないということがこの報告書、建議の中に明記されたわけであります。したがいまして、コース別雇用管理制度や全国転勤要件そのものが問題とされるわけではないということを明確にしたわけであります。
いずれにいたしましても、今回の三項目の限定列挙によって、無用なトラブルや懸念を生じさせず、間接差別の概念を浸透させていくことがまず何よりも重要であると考えております。
第三は、男性に対しますセクシュアルハラスメントも禁止の対象とすること、調停の対象にセクシュアルハラスメントに係る紛争を加えることなどを盛り込んだ案となっていることであります。
また、今回の法案が成立すれば、労働政策審議会の議論を経まして事業主の講ずべき措置についての指針を定めることとなろうかと存じます。昨年十二月の審議会でまとめられました建議におきましては、セクシュアルハラスメントの事後の対応措置につきまして、一つが事実関係を確認をし、事実関係が確認できたときにはあらかじめ定められたルールにのっとり対応すべきこと。二つ目が、セクシュアルハラスメントに係る紛争を調停に付すことも事後措置の一つとなることを指針において示すことが適当とされたことであります。
セクシュアルハラスメントにつきましては、事実や経緯について、実は被害者とか加害者と思われる当事者間でしか分からない場合が多いわけでございます。したがって、企業がどこまで深くかかわれるのか、非常に困難な場合が多い。また、事後の対応措置につきましても、どのような権限を持って対処し得るのか、企業にとっては大変難しい問題であるわけでございます。したがいまして、今回の法案が実際に企業で対応し得る最大限の内容であるというふうに考えております。
第四は、女性の坑内労働について、女性技術者が坑内の管理・監督業務等に従事することを可能とする法案となっていることであります。女性技術者の坑内労働につきましては、私どもに対しまして、業界よりの要請だけではなく女性の技術者の方々からも直接御要望がありましたことから、日本経団連として規制改革の要望をさせていただいていたものでございます。これによりまして、女性技術者の方々にとりまして大きな前進につながるものというふうに考えております。
ちょうど時間でございます。私からは以上でございます。
この発言だけを見る →本日は、男女雇用機会均等法の改正並びに労働基準法の一部改正の審議に当たりまして、私どもの意見を聞いていただく機会をいただきましたことに改めて御礼申し上げたいと思います。
それでは、早速ではございますが、私どもの考え方、意見を述べさせていただきたいと存じます。
まず初めに、今回の見直しにつきましては、公益委員、労働側委員、使用者側委員の三者構成によります労働政策審議会雇用均等分科会におきまして、一昨年の秋、二〇〇四年九月からでございますが、より審議が始められ、真摯かつ活発な議論が重ねられました。その結果、昨年の年末、十二月二十七日でございましたが、三者の合意に達し、報告書が取りまとめられ、そして労働政策審議会より厚生労働大臣に建議され、さらに今年に入りまして、二月七日でございましたが、建議の趣旨に沿った法律案要綱につき諮問と答申が行われたことであることをまず申し上げておきたいと存じます。
次に、審議に際しての私どもの検討の視点、観点について四点ほど述べさせていただきたいと思います。
その第一は、社会情勢の変化や理論、理屈に合ったものであるかどうかという視点でございます。第二は、企業経営や企業の活力を阻害せず、整合性の取れたものであるということであります。第三は、それぞれの職場、現場において対応が可能であり、誤解や混乱を来さないという視点でございます。第四は、男女雇用機会均等法は、結果の平等を求めるものではなく、機会の均等を図るものであって、その趣旨に合致しているということでございます。
このような四つの観点から、また審議会におきましては、公益委員や労働側委員の御意見も踏まえ、私どもでは、企業の方々との会合を重ね、検討をしまして、審議会で使用者側委員を通じて意見を申し上げ、今回の結論をぎりぎりのものとして受け入れることを英断した次第でございます。
さて、男女雇用機会均等法が施行されまして二十年たったわけでございます。この間、男女の雇用機会の均等の重要性の意識は社会に広く浸透したと思っております。また、企業におきましても男女雇用機会均等法にのっとった雇用管理が行われております。また、女性をめぐる雇用環境も変化しつつございます。私ども日本経団連も、会員企業を始め、広く法の遵守について周知に努めているところでございます。
このような中で、審議の結果取りまとめられました今回の改正法案には、多くの項目がございます。時間も限られておりますので、大きな見直しポイントと思われる点につきまして考えを申し述べさせていただきたいと存じます。
まず第一が、現行の女性に対する差別禁止から男女双方に対する差別の禁止に改める法案となっていることであります。これにつきましては、本来あるべき姿は男女双方の差別の禁止であろうと存じますが、その場合に、女性に対する差別の例外を規定する均等法第九条の特例措置、いわゆるポジティブアクションの規定でございますが、これにつきまして男女双方について同様の規定を設けるか否かなどが均等分科会におきましても議論となったわけでございます。
私どもは、企業の自主的な取組を尊重しているポジティブアクションの現行規定を変えないこと、当面、女性に対する特例措置のみを保持することを適切と考え、これを前提として男女双方に対する差別禁止への見直しを行うことが適当であるとしたわけでございます。いずれにいたしましても、男女双方に対する差別禁止とすることは、今回の改正案の中でも実は大きなポイントであろうというふうに認識しております。
なお、審議の過程におきまして、労働側委員より、均等法の目的、理念に、仕事と家庭の調和というものを盛り込むべきという御意見がございました。これに対しましては、使用者側委員は、働き方の多様化が進展している中にあって、様々な働き方が認められるべきであり、本来の性差別の問題以外の要素を均等法に入れるべきではないということで、強く反対を表明した次第であります。均等分科会での審議の結果、仕事と家庭の調和につきましては、分科会の取りまとめた報告、労働政策審議会の建議並びに法案に盛り込まれなかったということを付言しておきたいと存じます。
第二は、限定列挙によります間接差別概念の導入が盛り込まれたことであります。
間接差別につきましては、平成九年の男女雇用機会均等法の改正時にその検討の必要性が国会の附帯決議で示されるとともに、国連等からも指摘がなされていたわけでございますが、大変分かりにくいという概念であることから、雇用均等分科会におきましても最も議論となったところというふうに思っております。
御承知のとおり、間接差別は、外見上は性中立的な基準等であっても、他の性の構成員と比較して、一方の性の構成員に相当程度不利益を与える基準等について職務との関連性がないなど、合理性、正当性がない場合をいうわけでございます。
使用者側としては、このような間接差別の概念が一般的にはまだ浸透していないこと、合理性、正当性の有無の判断に幅があること、性中立的なものであればおよそどのような要件でも俎上に上り得る、つまり対象が無制限に広がりかねないということで、職場や現場が混乱するということなどからその導入に対し強く反対をしたわけであります。しかしながら、公益委員より予測可能性を高めるべく限定列挙の方式が示されたことから、私ども内部で改めて検討を行いまして、ぎりぎりの決断といたしまして今回の三項目の限定列挙とすることで受け入れた次第でございます。
この点につきまして、もう少し具体的にお話をしておきたいと存じます。
今回限定列挙として取り上げられました三項目は、一つ目が、募集、採用における身長・体重・体力要件であります。二つ目が、コース別雇用管理制度におきます総合職の募集、採用における全国転勤要件であります。そして三つ目が、昇進における転勤経験要件ということでございます。この内容につきましても実は非常に分かりにくいという部分もあることから、均等分科会におきましては議論を通して内容のポイントというところを明確にして取りまとめたわけでございます。
例えば、募集、採用における身長・体重・体力要件であれば、例えば身長百七十センチ以上を要件とするときに、その身長が業務遂行上必要であれば何ら問題はないわけでございますが、業務上の関連性、必要性がない場合はこの百七十センチ以上の要件というのは合理性を欠くという基準となるわけでございます。これは比較的分かりやすい項目でございます。
ところが、コース別雇用管理制度におきます総合職の募集、採用における全国転勤要件につきましては、コース別雇用管理自体が間接差別に当たるんですかとか、あるいは全国転勤要件そのものが間接差別に当たるのかとか、どういう場合に間接差別に当たるのか、どういう可能性があるのかよく分からないと、こういった懸念の声が私どもにたくさん寄せられておるわけでございます。これは、やっぱり間接差別の概念が分かりにくいこと、一般的にまだ浸透していないことの表れであろうかと思っている次第であります。
そこで、均等分科会におきましては、具体的なポイントを盛り込んで取りまとめられたわけであります。具体的に申し上げますと、支店や支社がなかったり、又はその計画等がないにもかかわらず、総合職の採用基準に全国転勤要件を掲げることは合理的な基準とは考えられないということがこの報告書、建議の中に明記されたわけであります。したがいまして、コース別雇用管理制度や全国転勤要件そのものが問題とされるわけではないということを明確にしたわけであります。
いずれにいたしましても、今回の三項目の限定列挙によって、無用なトラブルや懸念を生じさせず、間接差別の概念を浸透させていくことがまず何よりも重要であると考えております。
第三は、男性に対しますセクシュアルハラスメントも禁止の対象とすること、調停の対象にセクシュアルハラスメントに係る紛争を加えることなどを盛り込んだ案となっていることであります。
また、今回の法案が成立すれば、労働政策審議会の議論を経まして事業主の講ずべき措置についての指針を定めることとなろうかと存じます。昨年十二月の審議会でまとめられました建議におきましては、セクシュアルハラスメントの事後の対応措置につきまして、一つが事実関係を確認をし、事実関係が確認できたときにはあらかじめ定められたルールにのっとり対応すべきこと。二つ目が、セクシュアルハラスメントに係る紛争を調停に付すことも事後措置の一つとなることを指針において示すことが適当とされたことであります。
セクシュアルハラスメントにつきましては、事実や経緯について、実は被害者とか加害者と思われる当事者間でしか分からない場合が多いわけでございます。したがって、企業がどこまで深くかかわれるのか、非常に困難な場合が多い。また、事後の対応措置につきましても、どのような権限を持って対処し得るのか、企業にとっては大変難しい問題であるわけでございます。したがいまして、今回の法案が実際に企業で対応し得る最大限の内容であるというふうに考えております。
第四は、女性の坑内労働について、女性技術者が坑内の管理・監督業務等に従事することを可能とする法案となっていることであります。女性技術者の坑内労働につきましては、私どもに対しまして、業界よりの要請だけではなく女性の技術者の方々からも直接御要望がありましたことから、日本経団連として規制改革の要望をさせていただいていたものでございます。これによりまして、女性技術者の方々にとりまして大きな前進につながるものというふうに考えております。
ちょうど時間でございます。私からは以上でございます。
山
今
今田幸子#4
○参考人(今田幸子君) 長年労働に関しての調査とか研究に携わってきた者として、また今度の審議会の議論に参加させていただいたという者として、公益の委員として参加した者として今日意見を述べさせていただきます。よろしくお願いします。
今回の均等法改正の議論は、この法律の制定時、それからその改正という前回、前々回の審議のときと比べて、争点というものが非常に見えにくいというか、とらえ難いような、そういう印象を私は持ちました。
今日、女性は雇用者の中で四割以上を占めて確固たる地位を築いている。だが一方、男女の格差というようなものは、賃金格差に見られるように、縮まるどころか格差が拡大をしているというようなそういう実態があるんですけれども、一方でまた、人口減少社会というふうな呼ばれているようなそういう局面に日本は立ち至っていて、女性の、働く人たちが、男女ともに働き、その能力を発揮するというようなことが非常に重要なことになっている。
にもかかわらず、そういう状況であっても、何か今回の改正の争点というようなものが、もちろん前回、要するに法律の制定時というのはもちろん国を挙げての非常な関心と議論があったわけで、その改正というのも劣らぬ、そういう意味では国民の関心、争点というようなものが私たちの目の前にあって、それに対する関心が喚起されたという状況があった。それに比べるとということですが、ということが私のこの問題にかかわったときの印象でした。
その理由としては幾つか考えられると思うんですけれども、まず指摘しなきゃいけないのは、均等法が二十年経過したわけで、そういう実績というものがあるということは理解しなきゃいけない。今、川本さんから御説明にあったように、企業の中でかなり男女の均等確保の必要性というのは周知されていると、そういう定着を見ているという、そういう状況は指摘しなきゃいけないだろうと思いますけれども、さらにさっき言いましたように、制定時にいろんな問題があって積み残して、課題として残されたものが改正均等法によってかなり整理されたと、法律としての整備というものがかなり進んだという、そういうこともその課題、今回へ向けての期待というようなものとしては余り大きなものではないというような、整理されたという状況があったんじゃないかと思いますし、さらにこの二十年、さらにこの十年、雇用における大きな変化があったわけで、雇用の多様化、非正規の拡大というようなそうした大きな雇用の変化がこの十年とりわけ進行したということがあって、それは多様化は、非正規の多様化だけじゃなくて、正規の雇用の多様化をも巻き込んだ大きな多様化現象が進行したということがあると思いますし、さらに出生率の急激な低下というようなことがあって、少子化対策ということが国民の関心の非常に大きなものになっているというような、そうした環境の状況を前提にして様々な要因が重なって、恐らくそういうこと、我々としては、今回の改正の争点というのはどうなのか、均等法は今後どっちへ向けて、どういう方向へ向けて改正されていくのかということについてなかなかこの争点というものが、私だけなのかもしれませんけれども見えにくい、あくまでも前回、前々回との比較ということでしょうけれども。そういうことで均等法改正という作業がスタートしたというふうに私は理解しております。
その結果、事務局を中心として研究会での基礎準備、それから審議会でのかなり熱心な議論というようなものがあって、今回の案、原案というようなものが到達したというふうに理解しておりまして、この間、労使の非常に真摯な議論、それから様々な局面での苦渋の決断等があって今回の案にどうにかたどり着いたという、そういうことで、私自身はこの議論に参加させていただいたということもあるわけですけれども、今回の案には及第点を差し上げたいと、差し上げるというか付けたいと、そういうようなスタンスで今日は話しております。
それで、いろいろありますけれども、一応三点ばかりに絞ってちょっと意見を述べたいんですが、大きな問題としての間接差別ということなんですけれども、この間接差別が今回の改正で明記されたということは非常に高く評価されていいと私は思います。非常に、今言いましたように、雇用の大きな変化の中で多様化も進み、複雑化が増してきている、そういう状況の中で、いろんな、何といいますか、差別だとか格差というようなものもとらえ難い、かつてのような労働市場の状況とは違ってとらえ難い、そういう状況の中で、今回そういう間接差別という一つの法律のルールというようなものがこの均等法の中で明記されたということの意義は非常に高いというふうに考えます。
間接差別の定義とか云々は、今川本さんがおっしゃったので重複しませんが、この間接差別に関しては、前回からの積み残しということもあって、非常に差別法理として大きな期待が掛けられたということは確かだと思うんですね。特に働いている人たちからの観点に立った場合に、新たな間接法理をてこにしながらそうした差別を是正して平等実現という、そういう方向性というのは非常にしっかりしたものであっただろうし、期待を託したという、そういうのはあるわけですけれども、一方では、この間接差別というのが、定義はまあ明らかですけれども、現実に雇用の現場の中でといった場合には川本さんがおっしゃるようなのもうなずけるわけで、かなりの現場における混乱というようなものがある。それを避けたいという企業サイドの意見というのはある意味では説得力があると。この激突の中で、この二つの意見の激突があったわけで、この中で限定列記というような、法案に間接差別という考え方を明記して限定列記という形が取られた。そのことは、双方にとってかなり、法案の原案を作るまでとしては、厳しい労使双方かなりの努力があったんだろうと思います。そういうことでこの案が生まれたという、繰り返しますが、そういう意味で非常に意義が大きい。今後、この法案、この限定列記をして明記した、これをどうつなげていくのかということをこれからアイデアとして考えなきゃいけないだろうと。
裁判過程において、そういういろんなこれから、これが一つの基準とはなるでしょうけれども、そういうものを大きく、間接差別法理というようなものが設定されたわけですから、現実的には直接差別しか扱えなかった状況とは大きく変わるわけで、基準ができ、それを基準にしながら裁判過程でこれが、無限定に広がると企業サイドは問題なんでしょうけれども、恐らく裁判過程でそういう拡大をしていくということが期待されるわけですし、さらに、もう少し、裁判過程だけで任せるというのではなくて、そうした職場、現場においていろいろな間接差別的な雇用ルールというようなものがあって、それを労使の中で情報として集約して、さらにそれを、何か次のステップへ行けるような何かそういう、行政が行うなり労働組合なり、そういう工夫が必要なんだろう。外国のようにそういう裁判とかいろんな過程で間接差別ということが蓄積されていっているという状況では日本ではないわけですから、これからそういう工夫というものが、これで、列記で終わりというわけではない。労働側が心配するように、列記されたことによって間接差別というものがかえって歯止めが掛けられる、これ以外はオーケーなんだというような、そういうことではない、この法律の趣旨ではないわけで、そういうことが重要なんじゃないかというふうに思います。
時間がないので、もう一つ。第二の点で、妊娠、出産等に不利益取扱いということは禁止された。これは、非常にこの今回の改正の中では特筆すべき大きな成果であったと。当然といえば当然のような、もう遅きに失したという感じの感想もあるかと思いますが、今、均等法以降、育児休業制度が整備されて、働く女性が出産をして子育てしながらの制度が整ってきているわけですけれども、私たちのように実際に調査やっている者からいいますと、現実に仕事をしていらっしゃる方が子供を、妊娠し出産して、継続というまでサバイバルで、そこまで行き着かないで辞める人が非常に多いということなんですね。データで見てみますと、均等法前と均等法以後で大きく変わってないか、むしろ継続する比率が減っているという現実があるわけです。
一方では、出産した人の育児休業制度、それ取得する率はかなり上がっていますし、育児休業制度の定着というものは確かに進んでいるわけですけれども、他方で育児休業制度にあずかる前に辞めてしまっているという女性は相変わらず多くて、これは若年者の非正規雇用が増えてその人たちが辞めるというだけじゃなくて、正規の人たちの中においても、要するに妊娠、出産で辞めるという、そういう人たちというのは相変わらず。
これが継続というものの比率を高めないということと、さらに問題は出生率の低下ということにも大きく結び付いている。つまり、そういう妊娠、出産して継続するというそういう道か、妊娠して辞めるという、こういう二者択一の状況に置かれているという、そういう状況下で継続したい女性は結婚もしないし妊娠もしない、子供もつくらないというような選択をせざるを得ない、そういう傾向になると。
そういう意味で、今回、妊娠、出産による不利益取扱いというのを明記してこの規定が置かれたということは余り関心を、あれですが、当たり前のように扱っていますが、非常に大きな点、これもっと評価して、今後この規定を企業が守ってもらえるような、そういうものが必要だというふうに思って、あと少し時間。
そういう意味で第三点は仕事と生活の調和ということですが、結論としましては、これ非常に重要なことで、差別の禁止ということと併せて、その調和というものの両輪を持たなければ男女の真の平等というようなこの実現はないと。そういう意味では非常に重要であり、是非この均等の枠組みの中に仕事と生活の調和というのは入れたいと個人的には思ったわけですけれども。
ただし、この均等法の枠、法律の枠組みというのがあるわけで、成立当初、皆さんも御存じのように、そういう福祉法から出発した時点においては、そうした両立というような視点というようなものは持っていたけれども、改正法の中で明確に禁止法としての性格として整理されたというようなことから、さらにまたそういうこの間、調和というような論点をこの法律の枠の中に持ち込むということは非常に法理論的に難しいというような、そういう判断があった。私は法律家じゃないんで、その辺り非常に自信持って言えないんですが、そうだと言われればそうなのかなということで。
そういう意味で、この仕事と生活の調和というような課題は非常に重要であるとして、この問題に関しては均等法だけではなくて様々なアプローチというようなものが必要で、元々仕事と生活の調和って非常に広い課題を抱える問題ですから、近年様々な労働関係だけでも、均等法とか次世代育成法だけじゃなしに、労働関係だけでも労働時間法制とか労働契約法制とか、その他のいろんな安全衛生法とか、そういう改正の中でこの観点が取り入れられて非常に多様なアプローチが行われて、そうした状況でそういうものを総合的にこの問題へとアプローチしていくという、そういうスタンスも現状においては取らざるを得ないのかなという、そういう意味で今回のこれを見事に、非常に、排除されたということで問題は残したとは思いますけれども、次へ向けての課題として、さらに結論としてはこれはそうした様々なアプローチで問題にするよりも、やはり何かまとめた、両立支援という、仕事と生活の調和両立支援促進法みたいな、支援対策法というような形の、何かやっぱり総合的な支援というようなものが今後議論として必要なんじゃないかと、そういうふうに思っております。
そういうことで、結論としては、間接差別というものが明記されて、今回の原案ということで落ち着いたということは妥当であろうと。ただし、それをもう少し、それで裁判過程とかにゆだねるというだけではやはり不十分なんじゃないか。何らかの、それを情報集約してそれを消化していくような、そういう手だてというのが何らかの形で考えられはしまいかという、そういうこと。
それから、生活の調和というのは、この法律の中ではらち外として排除されたけれども、これはこの法律としては致し方ない。ただし、この法律に関しては、新たに両立あるいは調和促進法、支援促進法というような何かそうした方向付けをもう検討すべき状況にあるんではないかということが私のこの法律改正に当たっての考えであります。
以上です、時間が来ましたので。
この発言だけを見る →今回の均等法改正の議論は、この法律の制定時、それからその改正という前回、前々回の審議のときと比べて、争点というものが非常に見えにくいというか、とらえ難いような、そういう印象を私は持ちました。
今日、女性は雇用者の中で四割以上を占めて確固たる地位を築いている。だが一方、男女の格差というようなものは、賃金格差に見られるように、縮まるどころか格差が拡大をしているというようなそういう実態があるんですけれども、一方でまた、人口減少社会というふうな呼ばれているようなそういう局面に日本は立ち至っていて、女性の、働く人たちが、男女ともに働き、その能力を発揮するというようなことが非常に重要なことになっている。
にもかかわらず、そういう状況であっても、何か今回の改正の争点というようなものが、もちろん前回、要するに法律の制定時というのはもちろん国を挙げての非常な関心と議論があったわけで、その改正というのも劣らぬ、そういう意味では国民の関心、争点というようなものが私たちの目の前にあって、それに対する関心が喚起されたという状況があった。それに比べるとということですが、ということが私のこの問題にかかわったときの印象でした。
その理由としては幾つか考えられると思うんですけれども、まず指摘しなきゃいけないのは、均等法が二十年経過したわけで、そういう実績というものがあるということは理解しなきゃいけない。今、川本さんから御説明にあったように、企業の中でかなり男女の均等確保の必要性というのは周知されていると、そういう定着を見ているという、そういう状況は指摘しなきゃいけないだろうと思いますけれども、さらにさっき言いましたように、制定時にいろんな問題があって積み残して、課題として残されたものが改正均等法によってかなり整理されたと、法律としての整備というものがかなり進んだという、そういうこともその課題、今回へ向けての期待というようなものとしては余り大きなものではないというような、整理されたという状況があったんじゃないかと思いますし、さらにこの二十年、さらにこの十年、雇用における大きな変化があったわけで、雇用の多様化、非正規の拡大というようなそうした大きな雇用の変化がこの十年とりわけ進行したということがあって、それは多様化は、非正規の多様化だけじゃなくて、正規の雇用の多様化をも巻き込んだ大きな多様化現象が進行したということがあると思いますし、さらに出生率の急激な低下というようなことがあって、少子化対策ということが国民の関心の非常に大きなものになっているというような、そうした環境の状況を前提にして様々な要因が重なって、恐らくそういうこと、我々としては、今回の改正の争点というのはどうなのか、均等法は今後どっちへ向けて、どういう方向へ向けて改正されていくのかということについてなかなかこの争点というものが、私だけなのかもしれませんけれども見えにくい、あくまでも前回、前々回との比較ということでしょうけれども。そういうことで均等法改正という作業がスタートしたというふうに私は理解しております。
その結果、事務局を中心として研究会での基礎準備、それから審議会でのかなり熱心な議論というようなものがあって、今回の案、原案というようなものが到達したというふうに理解しておりまして、この間、労使の非常に真摯な議論、それから様々な局面での苦渋の決断等があって今回の案にどうにかたどり着いたという、そういうことで、私自身はこの議論に参加させていただいたということもあるわけですけれども、今回の案には及第点を差し上げたいと、差し上げるというか付けたいと、そういうようなスタンスで今日は話しております。
それで、いろいろありますけれども、一応三点ばかりに絞ってちょっと意見を述べたいんですが、大きな問題としての間接差別ということなんですけれども、この間接差別が今回の改正で明記されたということは非常に高く評価されていいと私は思います。非常に、今言いましたように、雇用の大きな変化の中で多様化も進み、複雑化が増してきている、そういう状況の中で、いろんな、何といいますか、差別だとか格差というようなものもとらえ難い、かつてのような労働市場の状況とは違ってとらえ難い、そういう状況の中で、今回そういう間接差別という一つの法律のルールというようなものがこの均等法の中で明記されたということの意義は非常に高いというふうに考えます。
間接差別の定義とか云々は、今川本さんがおっしゃったので重複しませんが、この間接差別に関しては、前回からの積み残しということもあって、非常に差別法理として大きな期待が掛けられたということは確かだと思うんですね。特に働いている人たちからの観点に立った場合に、新たな間接法理をてこにしながらそうした差別を是正して平等実現という、そういう方向性というのは非常にしっかりしたものであっただろうし、期待を託したという、そういうのはあるわけですけれども、一方では、この間接差別というのが、定義はまあ明らかですけれども、現実に雇用の現場の中でといった場合には川本さんがおっしゃるようなのもうなずけるわけで、かなりの現場における混乱というようなものがある。それを避けたいという企業サイドの意見というのはある意味では説得力があると。この激突の中で、この二つの意見の激突があったわけで、この中で限定列記というような、法案に間接差別という考え方を明記して限定列記という形が取られた。そのことは、双方にとってかなり、法案の原案を作るまでとしては、厳しい労使双方かなりの努力があったんだろうと思います。そういうことでこの案が生まれたという、繰り返しますが、そういう意味で非常に意義が大きい。今後、この法案、この限定列記をして明記した、これをどうつなげていくのかということをこれからアイデアとして考えなきゃいけないだろうと。
裁判過程において、そういういろんなこれから、これが一つの基準とはなるでしょうけれども、そういうものを大きく、間接差別法理というようなものが設定されたわけですから、現実的には直接差別しか扱えなかった状況とは大きく変わるわけで、基準ができ、それを基準にしながら裁判過程でこれが、無限定に広がると企業サイドは問題なんでしょうけれども、恐らく裁判過程でそういう拡大をしていくということが期待されるわけですし、さらに、もう少し、裁判過程だけで任せるというのではなくて、そうした職場、現場においていろいろな間接差別的な雇用ルールというようなものがあって、それを労使の中で情報として集約して、さらにそれを、何か次のステップへ行けるような何かそういう、行政が行うなり労働組合なり、そういう工夫が必要なんだろう。外国のようにそういう裁判とかいろんな過程で間接差別ということが蓄積されていっているという状況では日本ではないわけですから、これからそういう工夫というものが、これで、列記で終わりというわけではない。労働側が心配するように、列記されたことによって間接差別というものがかえって歯止めが掛けられる、これ以外はオーケーなんだというような、そういうことではない、この法律の趣旨ではないわけで、そういうことが重要なんじゃないかというふうに思います。
時間がないので、もう一つ。第二の点で、妊娠、出産等に不利益取扱いということは禁止された。これは、非常にこの今回の改正の中では特筆すべき大きな成果であったと。当然といえば当然のような、もう遅きに失したという感じの感想もあるかと思いますが、今、均等法以降、育児休業制度が整備されて、働く女性が出産をして子育てしながらの制度が整ってきているわけですけれども、私たちのように実際に調査やっている者からいいますと、現実に仕事をしていらっしゃる方が子供を、妊娠し出産して、継続というまでサバイバルで、そこまで行き着かないで辞める人が非常に多いということなんですね。データで見てみますと、均等法前と均等法以後で大きく変わってないか、むしろ継続する比率が減っているという現実があるわけです。
一方では、出産した人の育児休業制度、それ取得する率はかなり上がっていますし、育児休業制度の定着というものは確かに進んでいるわけですけれども、他方で育児休業制度にあずかる前に辞めてしまっているという女性は相変わらず多くて、これは若年者の非正規雇用が増えてその人たちが辞めるというだけじゃなくて、正規の人たちの中においても、要するに妊娠、出産で辞めるという、そういう人たちというのは相変わらず。
これが継続というものの比率を高めないということと、さらに問題は出生率の低下ということにも大きく結び付いている。つまり、そういう妊娠、出産して継続するというそういう道か、妊娠して辞めるという、こういう二者択一の状況に置かれているという、そういう状況下で継続したい女性は結婚もしないし妊娠もしない、子供もつくらないというような選択をせざるを得ない、そういう傾向になると。
そういう意味で、今回、妊娠、出産による不利益取扱いというのを明記してこの規定が置かれたということは余り関心を、あれですが、当たり前のように扱っていますが、非常に大きな点、これもっと評価して、今後この規定を企業が守ってもらえるような、そういうものが必要だというふうに思って、あと少し時間。
そういう意味で第三点は仕事と生活の調和ということですが、結論としましては、これ非常に重要なことで、差別の禁止ということと併せて、その調和というものの両輪を持たなければ男女の真の平等というようなこの実現はないと。そういう意味では非常に重要であり、是非この均等の枠組みの中に仕事と生活の調和というのは入れたいと個人的には思ったわけですけれども。
ただし、この均等法の枠、法律の枠組みというのがあるわけで、成立当初、皆さんも御存じのように、そういう福祉法から出発した時点においては、そうした両立というような視点というようなものは持っていたけれども、改正法の中で明確に禁止法としての性格として整理されたというようなことから、さらにまたそういうこの間、調和というような論点をこの法律の枠の中に持ち込むということは非常に法理論的に難しいというような、そういう判断があった。私は法律家じゃないんで、その辺り非常に自信持って言えないんですが、そうだと言われればそうなのかなということで。
そういう意味で、この仕事と生活の調和というような課題は非常に重要であるとして、この問題に関しては均等法だけではなくて様々なアプローチというようなものが必要で、元々仕事と生活の調和って非常に広い課題を抱える問題ですから、近年様々な労働関係だけでも、均等法とか次世代育成法だけじゃなしに、労働関係だけでも労働時間法制とか労働契約法制とか、その他のいろんな安全衛生法とか、そういう改正の中でこの観点が取り入れられて非常に多様なアプローチが行われて、そうした状況でそういうものを総合的にこの問題へとアプローチしていくという、そういうスタンスも現状においては取らざるを得ないのかなという、そういう意味で今回のこれを見事に、非常に、排除されたということで問題は残したとは思いますけれども、次へ向けての課題として、さらに結論としてはこれはそうした様々なアプローチで問題にするよりも、やはり何かまとめた、両立支援という、仕事と生活の調和両立支援促進法みたいな、支援対策法というような形の、何かやっぱり総合的な支援というようなものが今後議論として必要なんじゃないかと、そういうふうに思っております。
そういうことで、結論としては、間接差別というものが明記されて、今回の原案ということで落ち着いたということは妥当であろうと。ただし、それをもう少し、それで裁判過程とかにゆだねるというだけではやはり不十分なんじゃないか。何らかの、それを情報集約してそれを消化していくような、そういう手だてというのが何らかの形で考えられはしまいかという、そういうこと。
それから、生活の調和というのは、この法律の中ではらち外として排除されたけれども、これはこの法律としては致し方ない。ただし、この法律に関しては、新たに両立あるいは調和促進法、支援促進法というような何かそうした方向付けをもう検討すべき状況にあるんではないかということが私のこの法律改正に当たっての考えであります。
以上です、時間が来ましたので。
山
龍
龍井葉二#6
○参考人(龍井葉二君) 御紹介いただきました連合の龍井でございます。
今、私、検討分科会の委員の末席を汚しているんですが、実は就任一か月で、この議論には私個人は直接参加しておりません。そういう意味では少し場違いなことを申し上げるかもしれませんが、お許しいただきたいと思います。
それで、本当は職場実態に即して今日お話をしたかったんですが、昨日の議論を伺っていてかなり素朴な疑問を幾つか感じましたので、今日はその話をさせていただこうと思います。
お手元に「なくそう!男女差別」、リーフレットが配られておりまして、そこに私どもの趣旨は書かれておりまして、一ページ目の一番最後のところに私どもの改正要求ということで、仕事と生活の調和の明記、それから間接差別は例示列挙とすること、ポジティブアクションの義務化ということを中心に今回お願いをしているところです。
素朴な疑問と申し上げましたのは、今お二方からありましたように、均等法二十年、この法律がどういう社会をつくろうとしていたのか、あるいはしているのか、あるいはその均等とか平等とかというときにどういう姿をイメージしているのかということをもう一度私は考えなくちゃいけないと思っています。
法律には、男性と均等の機会、男性との差別的取扱いの禁止というふうになっているわけです。つまり、男性基準ですよ。今の働き方をあるいは処遇を基準にして、それに合わせていく、差を改善していく。もちろん八五年均等法制定時も、いや、そうじゃないよという議論はあったんですが、結果的にはやっぱり男性基準になっているんじゃないか。
それで、その男性正社員基準というのは、もうこれはここで詳しく言うまでもなく、残業は恒常的だし、単身赴任も当たり前だし、有休も取らないで、育児、介護でも休まない。いわゆる家族的責任というのはほとんどもう消極的だというのが男性正社員基準。これは実はほとんど二十年たってこの基準は変わっていないわけです。
この資料で三ページ目なんですが、右上に、昨日も紹介していただいていた図だったと思いますけれども、この十年間、この十年間というのは、要するに改正均等法後の十年です。何が起きているかというと、要するに働き方が二極化していると。短時間が増え、長時間が増え、三十五時間から六十時間が、これ絶対数で減っているわけです。
御承知のように、九七年以降というのは、正社員がそこからずっと減り始める重要な画期に当たっています。ということは、結局、ここで主要には、短時間の方が女性が多い、長時間の方が男性が多いんですけれども、結果的に、今申し上げた話でいうと、この男性正社員基準に合わせられる女性と合わせられない女性というふうに、女性の中で働き方が二極化していく。さっき多様化っていう話があったんですが、私どもは多様化とは言っていません。なぜかというと、ここに、吹き出しに書いてありますように、長時間が当たり前で、長時間が嫌だったら非正規、パートしかないよ。二者択一のカード持たされてどっち選ぶのと言われたら、それで選んだ方は、じゃ自由な選択かと。それは冗談じゃないと。普通の働き方という選択肢を出してもらって選ぶんだったら、それは選択ですよ。でも、今はこれ二つしか選択肢がないような、これ今のハローワークもそうです。派遣でも恐らく残業を前提に今なり始めていますよ。そういう中で、女性自身が二極化していく。更に複雑なことに、この男性の中でも今の男性正社員基準に付いていけないという男性も増え始めている。いずれにしろ、そういうごちゃごちゃっとした形で二極化が進んでいる。これを、こういう働き方をこの元々の均等法は目指したのか、あるいは九七年の改正法は目指していた姿なんですかということを一番お聞きしたいわけです。
別の角度で言います。今度、双方禁止規定になりました。ここでよく考えていただきたいのは、今までは男性基準だったから何が基準かということはそう問わずに済んでいたんですよ、男性に合わせればいいんだなと。今度は双方禁止基準です。そうすると、例えばこっちが長時間正社員、長時間労働パターンの男性社員、こっちはパート中心の女性。これ、双方差別禁止規定、じゃどっちに合わせるんですか、この二者択一のどっちに合わせることが均等の姿なんですか。いや、この問題の立て方が実は間違っているわけですよね。いや、それは両方直して普通の働き方にしなくちゃいけないはずなんじゃないですか。だけど、双方は、差別禁止の基準は何かということが実は余り議論されていないわけですよ。だから、今までだったら男性に合わせればいいと言っていたことがそうじゃない事態になっているときに、じゃどっちに合わせるのかと。その議論が実は一番大事なわけです。つまり、働き方の基準、あるいは均等とか平等とかいう物差し、それが何なのかということが今一番問われている。
私どもが今回、仕事と生活の調和を入れるべきだと言っているのは、実は一般理念として正しいから入れてくれと言っているんじゃないです。そういう働き方の新しい基準、男性基準じゃもう通用しないわけですから、じゃ何に合わせるの、じゃ何を根拠に平等をつくるのといったときに、男女がともに仕事も生活も可能になる働き方に持っていくのが今求められている均等法の課題なんでしょうということを言いたいわけです。
ですから、そういう意味で、これは厚労省に聞いてももう同じ答えしか返ってきていないんですけれども、働き方そのものの問題なんだということを、あるいは均等法そのものの問題なんだということを是非御認識いただきたいと思います。
それと関連して、正規、非正規の問題が昨日も盛んに議論されていました。この二ページ目のチャートに、右側に、男性、女性という箱が結局均等法の後、総合職、一般職、あるいは正社員、パートというふうに名を変え、形を変えて生きていますよって指摘しています。ただ、これ別の言い方をすると、かつての男性、女性、特に八五年均等法前の男性、女性というのは、すべてと申し上げません、多くの女性が結局は非正規扱いだったわけですよ。つまり、それは一人前じゃないと。ですから、もう教育訓練もしないし、お茶くみで、それで花嫁修業で結婚退職でという扱いの女性が、名前は正社員だけれども、結局は半人前扱いだったわけです。
それが結局、男女差別禁止ということで、元々そうあった正規、非正規というのが今度そういう形で露骨に顕在化したというふうにもこの問題はとらえられるわけなんで、したがって問題は、じゃ何でこの半人前のところに女性が集中する、女性だけがそうなっていくのか。これは結局、これはもうずっと議論されてきているように、古典的な性役割に基づいた分業関係、つまり、男性一人前、女性半人前という、正にその基準で今のこの分化が起きているという意味では、正にこの正規、非正規の問題というのはこのチャートに、これはこれで正しいわけですけれども、男女差別が名を変えたというよりは男女差別そのものだということだというふうに私どもは理解しています。もしもその問題にこの今の均等法が切り込めない、あるいは切り込まないとしたら、一体何のための法律なのというのが本当に素朴な感想として昨日持ちました。
三つ目は、一番大きな間接差別の問題です。
私どもやっぱり労働組合としても深刻な反省に立たなくちゃいけないと思っています。なぜかというと、もうこの国会の附帯決議で九七年に間接差別、提起されているんですよ。それで、この国連女性差別撤廃委員会の勧告の中でも、二〇〇三年の段階から既に間接差別の意味と範囲について意識啓発ためのキャンペーンをすべきだと。ここには、恐縮ですが国会議員というのも具体的に指摘されています。
じゃ、一体今まで何を我々やってきたんだろうかと。何か今初めて議論がスタートしたようなふうな印象をお持ちかもしれませんけど、これは国際社会から見ても、あるいは九七年以前から見えない差別と闘ってきた、あるいはその問題で苦しんできた現場の人から見たら、一体何なのと。この我々自身の、言ってみれば、ちょっと口幅ったい言い方ですけれどもその怠慢さを棚に上げて、今ここでしか合意できませんから、果たしてそういうことが通用するんでしょうかという意味で、私はこの問題は、正に見えにくいからこそそれをこじ開けようというふうにしていろんな知恵で作られたこの間接差別法理、これをどれだけ実効あるものにするかというのが一番大事なことだと思っています。
簡単に申し上げますけれども、労働側委員は分科会の中で主に三点言ってまいりました。つまり、間接差別というのは中身というのは時代状況や雇用関係でどんどん変わっていくし、そもそもこれがこれに限るということは言えないものでしょうというそもそも論。
それから二つ目は、結局、何だかんだいろいろ説明はされても、対外的に見てこの三つがという限定がされればそれ以外は間接差別に当たらないということが、結果的にですよ、その意図がどうあろうと結果的にそれは労使関係の中あるいは企業の皆さんの中でも、そしてあるいは場合によったら裁判の中でもそういうことになっていくんじゃないですか。昨日の答弁では、例えば民法九十条に基づく裁判を排除するもんじゃない、ありました。いや、それはそうでしょう。私どもが聞いているのは、それがそういうふうに限定されちゃうおそれがありますねということについては、いやその心配はありませんということは残念ながら今まで一度も伺っていません。
三点目、これを更に拡大するとおっしゃっていました。じゃ、これいつどうやって拡大するの、何に基づいて拡大するの、判例に基づいて、じゃ判例はどんな判例が出るの、何もないまま私どもはそう言われても見通しが立ちません。
そういう、大きく言うとその三点からこれは大変問題だと。この問題は、残念ながら昨日の一連の討議を伺っていてもこの疑問は解明されておりません。したがって、私どもはここに書いていますように、本当にこれが実効あるものとなるためには例示列挙しかないんだという主張は、昨日の討議を伺った上でも言わざるを得ないと思っております。
もう一点は、ポジティブアクションの問題です。これも私どもの修正要求の柱として掲げさせていただいておりますけれども、当然これは前向きな努力、試みを促していくということは、それは必ずしも義務化になじまないのかもしれません。しかし、結局十年たってみてどこまで進んだのかと。しかもこれは、分科会の議論の中では当然経営側の皆さんも、特に間接差別問題に言及をされていて、間接差別の問題があるのはそのとおりだと、だけどそれは別に法制、法律でやるよりはポジティブアクションでやるべきでしょうという前向きの御発言もいただいています。
また一方で、そうはいってもコストが大変だという議論もございます。いや、それは別にコストの問題、これは幾らでも解決ができる方法が多分あるわけなんで、私どもはそれは、今回の次世代じゃございませんけれども、そんなしょっちゅうしょっちゅう報告求めるわけじゃなくて、きちんと適宜求めていくやり方だってあるし、中小企業に負担の掛からない法律の進め方もありますし、とにかく私どもはこの国会の議論の中で一歩でも前向きに進めていくことが全体を引っ張っていくんだということをどうやって、諸外国の多くの例がありますように、いずれそれはやっぱり義務化していくんだという見通しの中でお互いに努力し合っていくということを是非道筋を付けていただきたいと思っております。
いずれにしましても、この均等法、八五年生まれる段階から、やっぱり労側と言うよりはむしろ本当に職場で一人一人苦しんでおられる方がもう本当に勇気を奮って争議にあるいは裁判に立ち上がる、そしてそれを国際世論がバックアップする、そしてしかもそれで行政の方々も御尽力いただくと、そういう長い長い積み重ねの中で一歩ずつこれが来たと思います。
ただ、今私が冒頭に申し上げたような、その十年の結果が本当にそう望むようになっているかというと、とてもそうは言えない面があるんじゃないか。是非その辺の今までの積み重ねを無にしない、もう少しそれが期待と展望が見えるような改正の姿に今回していただきたいということで、私の意見表明にしたいと思います。
ありがとうございました。
この発言だけを見る →今、私、検討分科会の委員の末席を汚しているんですが、実は就任一か月で、この議論には私個人は直接参加しておりません。そういう意味では少し場違いなことを申し上げるかもしれませんが、お許しいただきたいと思います。
それで、本当は職場実態に即して今日お話をしたかったんですが、昨日の議論を伺っていてかなり素朴な疑問を幾つか感じましたので、今日はその話をさせていただこうと思います。
お手元に「なくそう!男女差別」、リーフレットが配られておりまして、そこに私どもの趣旨は書かれておりまして、一ページ目の一番最後のところに私どもの改正要求ということで、仕事と生活の調和の明記、それから間接差別は例示列挙とすること、ポジティブアクションの義務化ということを中心に今回お願いをしているところです。
素朴な疑問と申し上げましたのは、今お二方からありましたように、均等法二十年、この法律がどういう社会をつくろうとしていたのか、あるいはしているのか、あるいはその均等とか平等とかというときにどういう姿をイメージしているのかということをもう一度私は考えなくちゃいけないと思っています。
法律には、男性と均等の機会、男性との差別的取扱いの禁止というふうになっているわけです。つまり、男性基準ですよ。今の働き方をあるいは処遇を基準にして、それに合わせていく、差を改善していく。もちろん八五年均等法制定時も、いや、そうじゃないよという議論はあったんですが、結果的にはやっぱり男性基準になっているんじゃないか。
それで、その男性正社員基準というのは、もうこれはここで詳しく言うまでもなく、残業は恒常的だし、単身赴任も当たり前だし、有休も取らないで、育児、介護でも休まない。いわゆる家族的責任というのはほとんどもう消極的だというのが男性正社員基準。これは実はほとんど二十年たってこの基準は変わっていないわけです。
この資料で三ページ目なんですが、右上に、昨日も紹介していただいていた図だったと思いますけれども、この十年間、この十年間というのは、要するに改正均等法後の十年です。何が起きているかというと、要するに働き方が二極化していると。短時間が増え、長時間が増え、三十五時間から六十時間が、これ絶対数で減っているわけです。
御承知のように、九七年以降というのは、正社員がそこからずっと減り始める重要な画期に当たっています。ということは、結局、ここで主要には、短時間の方が女性が多い、長時間の方が男性が多いんですけれども、結果的に、今申し上げた話でいうと、この男性正社員基準に合わせられる女性と合わせられない女性というふうに、女性の中で働き方が二極化していく。さっき多様化っていう話があったんですが、私どもは多様化とは言っていません。なぜかというと、ここに、吹き出しに書いてありますように、長時間が当たり前で、長時間が嫌だったら非正規、パートしかないよ。二者択一のカード持たされてどっち選ぶのと言われたら、それで選んだ方は、じゃ自由な選択かと。それは冗談じゃないと。普通の働き方という選択肢を出してもらって選ぶんだったら、それは選択ですよ。でも、今はこれ二つしか選択肢がないような、これ今のハローワークもそうです。派遣でも恐らく残業を前提に今なり始めていますよ。そういう中で、女性自身が二極化していく。更に複雑なことに、この男性の中でも今の男性正社員基準に付いていけないという男性も増え始めている。いずれにしろ、そういうごちゃごちゃっとした形で二極化が進んでいる。これを、こういう働き方をこの元々の均等法は目指したのか、あるいは九七年の改正法は目指していた姿なんですかということを一番お聞きしたいわけです。
別の角度で言います。今度、双方禁止規定になりました。ここでよく考えていただきたいのは、今までは男性基準だったから何が基準かということはそう問わずに済んでいたんですよ、男性に合わせればいいんだなと。今度は双方禁止基準です。そうすると、例えばこっちが長時間正社員、長時間労働パターンの男性社員、こっちはパート中心の女性。これ、双方差別禁止規定、じゃどっちに合わせるんですか、この二者択一のどっちに合わせることが均等の姿なんですか。いや、この問題の立て方が実は間違っているわけですよね。いや、それは両方直して普通の働き方にしなくちゃいけないはずなんじゃないですか。だけど、双方は、差別禁止の基準は何かということが実は余り議論されていないわけですよ。だから、今までだったら男性に合わせればいいと言っていたことがそうじゃない事態になっているときに、じゃどっちに合わせるのかと。その議論が実は一番大事なわけです。つまり、働き方の基準、あるいは均等とか平等とかいう物差し、それが何なのかということが今一番問われている。
私どもが今回、仕事と生活の調和を入れるべきだと言っているのは、実は一般理念として正しいから入れてくれと言っているんじゃないです。そういう働き方の新しい基準、男性基準じゃもう通用しないわけですから、じゃ何に合わせるの、じゃ何を根拠に平等をつくるのといったときに、男女がともに仕事も生活も可能になる働き方に持っていくのが今求められている均等法の課題なんでしょうということを言いたいわけです。
ですから、そういう意味で、これは厚労省に聞いてももう同じ答えしか返ってきていないんですけれども、働き方そのものの問題なんだということを、あるいは均等法そのものの問題なんだということを是非御認識いただきたいと思います。
それと関連して、正規、非正規の問題が昨日も盛んに議論されていました。この二ページ目のチャートに、右側に、男性、女性という箱が結局均等法の後、総合職、一般職、あるいは正社員、パートというふうに名を変え、形を変えて生きていますよって指摘しています。ただ、これ別の言い方をすると、かつての男性、女性、特に八五年均等法前の男性、女性というのは、すべてと申し上げません、多くの女性が結局は非正規扱いだったわけですよ。つまり、それは一人前じゃないと。ですから、もう教育訓練もしないし、お茶くみで、それで花嫁修業で結婚退職でという扱いの女性が、名前は正社員だけれども、結局は半人前扱いだったわけです。
それが結局、男女差別禁止ということで、元々そうあった正規、非正規というのが今度そういう形で露骨に顕在化したというふうにもこの問題はとらえられるわけなんで、したがって問題は、じゃ何でこの半人前のところに女性が集中する、女性だけがそうなっていくのか。これは結局、これはもうずっと議論されてきているように、古典的な性役割に基づいた分業関係、つまり、男性一人前、女性半人前という、正にその基準で今のこの分化が起きているという意味では、正にこの正規、非正規の問題というのはこのチャートに、これはこれで正しいわけですけれども、男女差別が名を変えたというよりは男女差別そのものだということだというふうに私どもは理解しています。もしもその問題にこの今の均等法が切り込めない、あるいは切り込まないとしたら、一体何のための法律なのというのが本当に素朴な感想として昨日持ちました。
三つ目は、一番大きな間接差別の問題です。
私どもやっぱり労働組合としても深刻な反省に立たなくちゃいけないと思っています。なぜかというと、もうこの国会の附帯決議で九七年に間接差別、提起されているんですよ。それで、この国連女性差別撤廃委員会の勧告の中でも、二〇〇三年の段階から既に間接差別の意味と範囲について意識啓発ためのキャンペーンをすべきだと。ここには、恐縮ですが国会議員というのも具体的に指摘されています。
じゃ、一体今まで何を我々やってきたんだろうかと。何か今初めて議論がスタートしたようなふうな印象をお持ちかもしれませんけど、これは国際社会から見ても、あるいは九七年以前から見えない差別と闘ってきた、あるいはその問題で苦しんできた現場の人から見たら、一体何なのと。この我々自身の、言ってみれば、ちょっと口幅ったい言い方ですけれどもその怠慢さを棚に上げて、今ここでしか合意できませんから、果たしてそういうことが通用するんでしょうかという意味で、私はこの問題は、正に見えにくいからこそそれをこじ開けようというふうにしていろんな知恵で作られたこの間接差別法理、これをどれだけ実効あるものにするかというのが一番大事なことだと思っています。
簡単に申し上げますけれども、労働側委員は分科会の中で主に三点言ってまいりました。つまり、間接差別というのは中身というのは時代状況や雇用関係でどんどん変わっていくし、そもそもこれがこれに限るということは言えないものでしょうというそもそも論。
それから二つ目は、結局、何だかんだいろいろ説明はされても、対外的に見てこの三つがという限定がされればそれ以外は間接差別に当たらないということが、結果的にですよ、その意図がどうあろうと結果的にそれは労使関係の中あるいは企業の皆さんの中でも、そしてあるいは場合によったら裁判の中でもそういうことになっていくんじゃないですか。昨日の答弁では、例えば民法九十条に基づく裁判を排除するもんじゃない、ありました。いや、それはそうでしょう。私どもが聞いているのは、それがそういうふうに限定されちゃうおそれがありますねということについては、いやその心配はありませんということは残念ながら今まで一度も伺っていません。
三点目、これを更に拡大するとおっしゃっていました。じゃ、これいつどうやって拡大するの、何に基づいて拡大するの、判例に基づいて、じゃ判例はどんな判例が出るの、何もないまま私どもはそう言われても見通しが立ちません。
そういう、大きく言うとその三点からこれは大変問題だと。この問題は、残念ながら昨日の一連の討議を伺っていてもこの疑問は解明されておりません。したがって、私どもはここに書いていますように、本当にこれが実効あるものとなるためには例示列挙しかないんだという主張は、昨日の討議を伺った上でも言わざるを得ないと思っております。
もう一点は、ポジティブアクションの問題です。これも私どもの修正要求の柱として掲げさせていただいておりますけれども、当然これは前向きな努力、試みを促していくということは、それは必ずしも義務化になじまないのかもしれません。しかし、結局十年たってみてどこまで進んだのかと。しかもこれは、分科会の議論の中では当然経営側の皆さんも、特に間接差別問題に言及をされていて、間接差別の問題があるのはそのとおりだと、だけどそれは別に法制、法律でやるよりはポジティブアクションでやるべきでしょうという前向きの御発言もいただいています。
また一方で、そうはいってもコストが大変だという議論もございます。いや、それは別にコストの問題、これは幾らでも解決ができる方法が多分あるわけなんで、私どもはそれは、今回の次世代じゃございませんけれども、そんなしょっちゅうしょっちゅう報告求めるわけじゃなくて、きちんと適宜求めていくやり方だってあるし、中小企業に負担の掛からない法律の進め方もありますし、とにかく私どもはこの国会の議論の中で一歩でも前向きに進めていくことが全体を引っ張っていくんだということをどうやって、諸外国の多くの例がありますように、いずれそれはやっぱり義務化していくんだという見通しの中でお互いに努力し合っていくということを是非道筋を付けていただきたいと思っております。
いずれにしましても、この均等法、八五年生まれる段階から、やっぱり労側と言うよりはむしろ本当に職場で一人一人苦しんでおられる方がもう本当に勇気を奮って争議にあるいは裁判に立ち上がる、そしてそれを国際世論がバックアップする、そしてしかもそれで行政の方々も御尽力いただくと、そういう長い長い積み重ねの中で一歩ずつこれが来たと思います。
ただ、今私が冒頭に申し上げたような、その十年の結果が本当にそう望むようになっているかというと、とてもそうは言えない面があるんじゃないか。是非その辺の今までの積み重ねを無にしない、もう少しそれが期待と展望が見えるような改正の姿に今回していただきたいということで、私の意見表明にしたいと思います。
ありがとうございました。
山
西
西村かつみ#8
○参考人(西村かつみ君) 住友電工に勤務しております西村です。本日はこのような機会をいただきまして、ありがとうございます。
私は、職場における男女の賃金格差の是正を求めて、均等法に基づき、当時の労働省婦人少年室に調停申請をいたしましたが、比較を求めた男性とは採用区分が異なると却下されました。最後の手段として、やむなく会社と国を相手に裁判をいたしました。しかし、ここでも採用区分の壁を切り崩すことはできませんでした。
本日は、この十年にわたる経験に基づき、今回の均等法改正案について参考人として意見を述べさせていただきます。
私は、高校卒業後、住友電工に事務職として入社いたしました。労働省、現在の厚生労働省へ調停申請をいたしましたときには既に勤続三十年近く経過しておりました。同じ高卒事務職で入社した男性たちは全員が年功によって昇格し、管理職の課長クラスになっておりましたが、女性は平社員のままで、賃金では月額二十四万円以上の格差になっておりました。
このままでは納得できないと上司や労組に昇進昇格について相談し、改善の要求をいたしましたが、当社には男女差別はない、コースの違い、能力の違いだとして全くまともな対応はされませんでした。まるで息子のような年齢の男性がどんどん仕事を与えられ鍛えられる姿を見て、人間としての尊厳を深く傷付けられました。仕事の幅も広がらず、昇進もできない、悔しさと焦りでとてもつらい日々が続きました。多くの女性たちは、結婚した後まで将来が見えない仕事は続けたくないと退職していきました。
差別の是正は会社内では解決できない、外に出すしかないと思いながらも、働いている会社を相手に争うことについては非常に悩みましたが、均等法に希望を託し、勇気を出して当時の労働省婦人少年室に調停申請をいたしました。
しかし、婦人少年室長は、比較対象の男性は異なる職種で採用区分が異なる、募集、採用区分の違いによる雇用管理上の差異は均等法の対象外だとして、調停不開始という決定を受け、本当に愕然としました。
このように大きな男女格差があるのに、雇用管理区分の違いという理由で均等法はむしろ差別を正当化したのです。やむなく、会社だけでなく、均等法における男女平等とは何かを問うために当時の労働省をも相手に提訴いたしました。
裁判の中で、会社も国もコースが違うから格差があっても違法ではないと主張しました。そして、五年後の二〇〇〇年七月の大阪地裁による一審判決は私たちの全面敗訴でした。判決の主な内容は、著しい男女差別があった、原因は、男性は幹部候補生のコース、女性は女性であるという理由だけでそのコースに就けなかった、それは憲法十四条の趣旨に反する、しかし会社が効率の悪い女性を低いコースにしたからといって公序良俗に反するとまでは言えないというものだったんです。またもや雇用管理区分によって私たちの訴えは却下されたのです。
憲法十四条の趣旨に反するにもかかわらず、公序には反しないという余りにも矛盾した判決だったこともあり、新聞やテレビでは判決を批判的に大きく取り上げ、当日夜のニュースステーションでは十分以上の特集で放映され、全国からも大きな反響がありました。
このような会社、国の主張や、それを是認した司法を許していては日本の男女差別はなくならない、この判決を覆したい、そのためには国内のみならず国際機関の力をかりたいと考え、ジュネーブの国連社会権規約委員会にて裁判で明確になった日本の男女差別の実態について発言いたしました。二〇〇三年には、ニューヨークの国連女性差別撤廃委員会、CEDAWの日本政府レポート審議に参加し、NGOレポートを提出するとともに審議会で発言する機会を得ました。また、CEDAW委員に均等法の指針やILO総会の資料を示し、均等法指針の雇用管理区分がコース別制度を容認し、間接差別を温存していると説明をいたしました。
日本レポート審議の当日、委員からは厳しく的確な質問が続出しました。とりわけ、ドイツのショップシリング委員は、間接差別は事実上の差別であり、コース別人事制度及びパートタイム労働者に圧倒的に女性が多い現状は間接差別に当たる、異なった雇用管理のカテゴリーを均等法の指針が許容しているのは問題である、低い賃金、昇進できにくい分野に女性が集中しているのも先進国では間接差別とされている、雇用管理区分という比較の仕方は間接差別ではないかなど鋭い追及をされ、私たちは非常に感銘を受けました。
この審議を経てCEDAWからの勧告が出されたのです。
資料一、CEDAW勧告をごらんください。資料を配らせていただいております。
その二十二で、委員会は、直接及び間接差別を含む女性に対する差別の定義が国内法に取り込まれることを勧告する。三十三で、委員会は、主に職種の違いやコース別雇用管理制度から生じている男女間の賃金格差の存在及び機会均等法に関連する政府のガイドラインに示されている間接差別の慣行と影響についての認識の不足に懸念を有する。三十四で、委員会は、締約国が均等法に関連するガイドラインを改正することを勧告するという非常に具体的で厳しい内容のものです。
原告の私たちは、この勧告を係争中の大阪高裁に提出しました。そして、裁判の本人尋問で、私は国連で発言しました、この裁判は世界じゅうに注目されています、是非とも世界に恥ずかしくない判断をお願いしますというふうに訴えました。
この流れの中で、裁判長から、和解勧告前文とともに和解条項が提示されました。資料二の和解勧告を是非ごらんください。
和解勧告文の主な内容は、国際社会においては国連を中心に平等に向けて着実に進んでいる、日本国内では大きな問題も残っている、しかし差別是正の運動の中で一歩一歩前進している、その成果はすべての女性が享受するもの、最後に、また間接差別についても十分に配慮されなければならないとされています。そして、和解条項として、二枚目にありますが、会社に対して、住友電工に対しては、私たち二人の、原告二人の管理職への昇格、国に対しては、労働大臣は、コースが違っていても性別の管理となっていないか十分注意をし、種々の施策を行うものとするとされました。
この和解の結果、私は課長クラスの主席に昇格いたしました。男性たちは既に十数年前にその資格に昇格しています。主席になって、その与えられる情報量の違いにまず驚きました。また、権限が格段に広がります。情報が与えられ、判断することが多くなり、責任は重くなりますが、やりがいがあります。判断していくことによって自信も付いてきます。もちろん、賃金も増え、退職金にも影響し、年金にも影響するわけです。昇格とはこういうものなのか、もう少し若いときに昇格しておればと、改めて差別の残酷さを感じました。
この勝利和解について、CEDAWの委員たちには機会あるごとに報告しました。韓国のシン委員は、良かったですね、裁判の勝利聞いていますというふうにおっしゃいまして、感激しました。
今回の均等法改正も国際的に非常に注目されており、特に間接差別についてどのように規定するかが問われています。しかし、現在提出されているこの法案でCEDAWが勧告している間接差別の定義が入ったと言えるのでしょうか。何度読んでも不明瞭です。英文にどのように翻訳し、CEDAWに報告されるのでしょうか。是非とも、建議に記載があった間接差別の定義を明記した上で、間接差別を禁止することを明らかにしていただきたいと思います。
しかも、間接差別の禁止の範囲を省令にゆだね、しかもその省令が三つの限定列挙、すなわち募集、採用における身長・体重・体力要件、総合職の募集における全国転勤要件、昇進における転勤経験要件の三つの項目とされている法案の枠組みでは、私たちの差別は解消されません。
この十年間賃金差別是正の裁判が続いたことや、九七年の均等法改正などに対応して、企業の中には、総合職、一般職のコース別を廃止して新たな人事制度を導入した例は少なくありません。例えば、複数の商社においてはコース別制度を廃止して、三ランクか五ランクから成るヒエラルキー型の職群に社員を配置する制度を導入しました。しかし、従前の一般職の女性たちは全員入社二、三年目の男性とともに一番下のランクに配置されました。また、これらの会社においての新卒女性の採用は、事務職として三年から五年の期間限定の契約社員としてしか採用せず、まるで若年定年制度の再現となっています。このように、雇用形態や処遇の仕方を変えて男女差別は生き延びています。今回の限定列挙でこのような職場で働く女性たちを現実的に救済することができるのでしょうか。
さらに、限定列挙を判例等を基に見直すと言われておりますが、今述べましたように、裁判は非常に時間が掛かります。その間の精神的、経済的負担は大変大きいものです。また、立証のために必要な賃金などのデータはすべて会社が持っており、証拠資料を作るのは非常に困難です。私たちの裁判も十年も掛かりました。この限定列挙の縛りの下でどれだけの女性が裁判に立ち上がれるのでしょうか。それを考えると暗たんたる思いです。そのような犠牲を女性たちに強いることのないような法律が制定されることを切に望むものです。そのためには、均等法においては間接差別の定義及び禁止をもっと明確にして、事例を限定することなく原則禁止にしていただきたいと思います。具体的な間接差別の例示は、省令で限定列挙するのではなく、指針で例示する方法を取っていただきたいと思います。
また、資料三、日経の記事をごらんください。均等法の指針で、募集、採用、配置、昇進等において雇用管理区分ごとに女性を男性と異なる取扱いをすることを均等法に違反する措置として決めていますが、このことが、雇用管理区分さえ違えておけば、コースさえ違えておけば男女差別は問えないことになり、間接差別を容認するものです。私たちもこの雇用管理区分に苦しめられてきました。CEDAWの勧告にもありますように、是非この雇用管理区分ごとの枠組みを廃止していただきたいと思います。
さらに、資料四をごらんください。十九日の代表質問で、民主党の和田ひろ子議員が、均等法に同一価値労働同一賃金の原則を質問され、川崎厚生労働大臣から労基法第四条に記載という回答がありました。しかし、この資料四にありますように、最高裁が裁判官協議会にて、実定法上、同一労働同一賃金を定めた規定は見当たらないと見解を発表しています。私たちにとって非常に大切な賃金の問題がこのようにあいまいに扱われていることは、大変困惑いたします。女性差別撤廃条約に基づき、均等法に同一価値労働同一賃金原則の導入の御検討をお願いします。また、激しく流動的な職場の変化に対応すべく、早期に見直しをしてくださいますようにお願いいたします。
以上をもちまして、私の発言を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
この発言だけを見る →私は、職場における男女の賃金格差の是正を求めて、均等法に基づき、当時の労働省婦人少年室に調停申請をいたしましたが、比較を求めた男性とは採用区分が異なると却下されました。最後の手段として、やむなく会社と国を相手に裁判をいたしました。しかし、ここでも採用区分の壁を切り崩すことはできませんでした。
本日は、この十年にわたる経験に基づき、今回の均等法改正案について参考人として意見を述べさせていただきます。
私は、高校卒業後、住友電工に事務職として入社いたしました。労働省、現在の厚生労働省へ調停申請をいたしましたときには既に勤続三十年近く経過しておりました。同じ高卒事務職で入社した男性たちは全員が年功によって昇格し、管理職の課長クラスになっておりましたが、女性は平社員のままで、賃金では月額二十四万円以上の格差になっておりました。
このままでは納得できないと上司や労組に昇進昇格について相談し、改善の要求をいたしましたが、当社には男女差別はない、コースの違い、能力の違いだとして全くまともな対応はされませんでした。まるで息子のような年齢の男性がどんどん仕事を与えられ鍛えられる姿を見て、人間としての尊厳を深く傷付けられました。仕事の幅も広がらず、昇進もできない、悔しさと焦りでとてもつらい日々が続きました。多くの女性たちは、結婚した後まで将来が見えない仕事は続けたくないと退職していきました。
差別の是正は会社内では解決できない、外に出すしかないと思いながらも、働いている会社を相手に争うことについては非常に悩みましたが、均等法に希望を託し、勇気を出して当時の労働省婦人少年室に調停申請をいたしました。
しかし、婦人少年室長は、比較対象の男性は異なる職種で採用区分が異なる、募集、採用区分の違いによる雇用管理上の差異は均等法の対象外だとして、調停不開始という決定を受け、本当に愕然としました。
このように大きな男女格差があるのに、雇用管理区分の違いという理由で均等法はむしろ差別を正当化したのです。やむなく、会社だけでなく、均等法における男女平等とは何かを問うために当時の労働省をも相手に提訴いたしました。
裁判の中で、会社も国もコースが違うから格差があっても違法ではないと主張しました。そして、五年後の二〇〇〇年七月の大阪地裁による一審判決は私たちの全面敗訴でした。判決の主な内容は、著しい男女差別があった、原因は、男性は幹部候補生のコース、女性は女性であるという理由だけでそのコースに就けなかった、それは憲法十四条の趣旨に反する、しかし会社が効率の悪い女性を低いコースにしたからといって公序良俗に反するとまでは言えないというものだったんです。またもや雇用管理区分によって私たちの訴えは却下されたのです。
憲法十四条の趣旨に反するにもかかわらず、公序には反しないという余りにも矛盾した判決だったこともあり、新聞やテレビでは判決を批判的に大きく取り上げ、当日夜のニュースステーションでは十分以上の特集で放映され、全国からも大きな反響がありました。
このような会社、国の主張や、それを是認した司法を許していては日本の男女差別はなくならない、この判決を覆したい、そのためには国内のみならず国際機関の力をかりたいと考え、ジュネーブの国連社会権規約委員会にて裁判で明確になった日本の男女差別の実態について発言いたしました。二〇〇三年には、ニューヨークの国連女性差別撤廃委員会、CEDAWの日本政府レポート審議に参加し、NGOレポートを提出するとともに審議会で発言する機会を得ました。また、CEDAW委員に均等法の指針やILO総会の資料を示し、均等法指針の雇用管理区分がコース別制度を容認し、間接差別を温存していると説明をいたしました。
日本レポート審議の当日、委員からは厳しく的確な質問が続出しました。とりわけ、ドイツのショップシリング委員は、間接差別は事実上の差別であり、コース別人事制度及びパートタイム労働者に圧倒的に女性が多い現状は間接差別に当たる、異なった雇用管理のカテゴリーを均等法の指針が許容しているのは問題である、低い賃金、昇進できにくい分野に女性が集中しているのも先進国では間接差別とされている、雇用管理区分という比較の仕方は間接差別ではないかなど鋭い追及をされ、私たちは非常に感銘を受けました。
この審議を経てCEDAWからの勧告が出されたのです。
資料一、CEDAW勧告をごらんください。資料を配らせていただいております。
その二十二で、委員会は、直接及び間接差別を含む女性に対する差別の定義が国内法に取り込まれることを勧告する。三十三で、委員会は、主に職種の違いやコース別雇用管理制度から生じている男女間の賃金格差の存在及び機会均等法に関連する政府のガイドラインに示されている間接差別の慣行と影響についての認識の不足に懸念を有する。三十四で、委員会は、締約国が均等法に関連するガイドラインを改正することを勧告するという非常に具体的で厳しい内容のものです。
原告の私たちは、この勧告を係争中の大阪高裁に提出しました。そして、裁判の本人尋問で、私は国連で発言しました、この裁判は世界じゅうに注目されています、是非とも世界に恥ずかしくない判断をお願いしますというふうに訴えました。
この流れの中で、裁判長から、和解勧告前文とともに和解条項が提示されました。資料二の和解勧告を是非ごらんください。
和解勧告文の主な内容は、国際社会においては国連を中心に平等に向けて着実に進んでいる、日本国内では大きな問題も残っている、しかし差別是正の運動の中で一歩一歩前進している、その成果はすべての女性が享受するもの、最後に、また間接差別についても十分に配慮されなければならないとされています。そして、和解条項として、二枚目にありますが、会社に対して、住友電工に対しては、私たち二人の、原告二人の管理職への昇格、国に対しては、労働大臣は、コースが違っていても性別の管理となっていないか十分注意をし、種々の施策を行うものとするとされました。
この和解の結果、私は課長クラスの主席に昇格いたしました。男性たちは既に十数年前にその資格に昇格しています。主席になって、その与えられる情報量の違いにまず驚きました。また、権限が格段に広がります。情報が与えられ、判断することが多くなり、責任は重くなりますが、やりがいがあります。判断していくことによって自信も付いてきます。もちろん、賃金も増え、退職金にも影響し、年金にも影響するわけです。昇格とはこういうものなのか、もう少し若いときに昇格しておればと、改めて差別の残酷さを感じました。
この勝利和解について、CEDAWの委員たちには機会あるごとに報告しました。韓国のシン委員は、良かったですね、裁判の勝利聞いていますというふうにおっしゃいまして、感激しました。
今回の均等法改正も国際的に非常に注目されており、特に間接差別についてどのように規定するかが問われています。しかし、現在提出されているこの法案でCEDAWが勧告している間接差別の定義が入ったと言えるのでしょうか。何度読んでも不明瞭です。英文にどのように翻訳し、CEDAWに報告されるのでしょうか。是非とも、建議に記載があった間接差別の定義を明記した上で、間接差別を禁止することを明らかにしていただきたいと思います。
しかも、間接差別の禁止の範囲を省令にゆだね、しかもその省令が三つの限定列挙、すなわち募集、採用における身長・体重・体力要件、総合職の募集における全国転勤要件、昇進における転勤経験要件の三つの項目とされている法案の枠組みでは、私たちの差別は解消されません。
この十年間賃金差別是正の裁判が続いたことや、九七年の均等法改正などに対応して、企業の中には、総合職、一般職のコース別を廃止して新たな人事制度を導入した例は少なくありません。例えば、複数の商社においてはコース別制度を廃止して、三ランクか五ランクから成るヒエラルキー型の職群に社員を配置する制度を導入しました。しかし、従前の一般職の女性たちは全員入社二、三年目の男性とともに一番下のランクに配置されました。また、これらの会社においての新卒女性の採用は、事務職として三年から五年の期間限定の契約社員としてしか採用せず、まるで若年定年制度の再現となっています。このように、雇用形態や処遇の仕方を変えて男女差別は生き延びています。今回の限定列挙でこのような職場で働く女性たちを現実的に救済することができるのでしょうか。
さらに、限定列挙を判例等を基に見直すと言われておりますが、今述べましたように、裁判は非常に時間が掛かります。その間の精神的、経済的負担は大変大きいものです。また、立証のために必要な賃金などのデータはすべて会社が持っており、証拠資料を作るのは非常に困難です。私たちの裁判も十年も掛かりました。この限定列挙の縛りの下でどれだけの女性が裁判に立ち上がれるのでしょうか。それを考えると暗たんたる思いです。そのような犠牲を女性たちに強いることのないような法律が制定されることを切に望むものです。そのためには、均等法においては間接差別の定義及び禁止をもっと明確にして、事例を限定することなく原則禁止にしていただきたいと思います。具体的な間接差別の例示は、省令で限定列挙するのではなく、指針で例示する方法を取っていただきたいと思います。
また、資料三、日経の記事をごらんください。均等法の指針で、募集、採用、配置、昇進等において雇用管理区分ごとに女性を男性と異なる取扱いをすることを均等法に違反する措置として決めていますが、このことが、雇用管理区分さえ違えておけば、コースさえ違えておけば男女差別は問えないことになり、間接差別を容認するものです。私たちもこの雇用管理区分に苦しめられてきました。CEDAWの勧告にもありますように、是非この雇用管理区分ごとの枠組みを廃止していただきたいと思います。
さらに、資料四をごらんください。十九日の代表質問で、民主党の和田ひろ子議員が、均等法に同一価値労働同一賃金の原則を質問され、川崎厚生労働大臣から労基法第四条に記載という回答がありました。しかし、この資料四にありますように、最高裁が裁判官協議会にて、実定法上、同一労働同一賃金を定めた規定は見当たらないと見解を発表しています。私たちにとって非常に大切な賃金の問題がこのようにあいまいに扱われていることは、大変困惑いたします。女性差別撤廃条約に基づき、均等法に同一価値労働同一賃金原則の導入の御検討をお願いします。また、激しく流動的な職場の変化に対応すべく、早期に見直しをしてくださいますようにお願いいたします。
以上をもちまして、私の発言を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。
山
山
山田省三#10
○参考人(山田省三君) 山田でございます。
今日は、雇用における男女平等が達成されるためには効果的な差別禁止法の存在が不可欠ということは一致した見解であると思います。今回、ここで私はこの今回の均等法改正案の内容について意見を述べさしていただきます。
まず、差別禁止の対象が女性から男女双方に拡大されたこと及び妊娠、出産あるいは産前産後休暇の請求、取得に関する修正については評価できるところではないかと思います。とりわけ、妊娠、出産あるいは産前産後休業の取得等を理由とする解雇の禁止が定められたこと、あるいは解雇以外の不利益取扱いが禁止されたことも、これが評価されることではないか。あるいは妊産婦ですね、妊娠中あるいは及び産後一年以内、超えない女性の解雇は無効とすると規定されたことは評価できることではないかと思います。
ただ、ここで少し理論的には、この今回、妊娠、出産にかかわる保護を拡大するということが主眼だったためか、実は婚姻については、今回の均等法では女性の差別禁止から男女双方の禁止ということになっているんですけれども、ポジティブアクションは現状では女性だけに限定すること、それなりの合理性があると思いますけれども、この婚姻について女性だけが残っているというのは、やはり婚姻は、妊娠、出産は女性ですけれども、婚姻は男性もあるんでしょうから、男性についての婚姻差別を禁止しなかったというのは理論的に少し問題ではないかと考えております。
しかし、重要な点は、先ほども各参考人の方の意見がありましたように、この法の理念の問題と、それから間接差別の問題ではないかと思います。
まず、差別というのは、御承知のように、これは単に経済的に困るんではなくて、差別自体が人格を侵害するから許されないということが確認されるべきで、そういう意味で、やはり先ほど各参考人の御意見ありましたように、平等と差別をどう理解するかという理念を考えることが差別禁止法の基本的なスタンスではないかと思います。
ここでは、現在では使用者団体の方の方からもワーク・ライフ・バランスという理念が主張されております。これを、いわゆる仕事と生活の調和というものを均等法に入れるかどうかということが議論になっているんですけれども、一つには、ここではそれは家庭の問題、育児や介護については育児・介護休業法で処理されるというのは、それは生活のレベルを家庭だけに限定しているという、それが正にあるんではないか。もちろん、労働者にとって育児や介護は極めて重要な問題ですから、これに対する保障は不可欠ではありますけれども、それにとどまらない、前の状態にある独身の男女に対してもこういったことを保障するという意味で、この生活の意味を家庭責任だけに限定するのは、現在の均等法は、当然それは育児、介護をする男女労働者だけを対象としていないわけですから、広く、その概念を家庭に限定しないということが必要ではないかと思います。
それからもう一つ、それを仕事と生活の調和を立法に入れるということは、単に入れた方がいいということ以上に、今回、後で、間接差別で問題になりました全国転勤とか転勤というような実態について判断する場合には、やはり仕事と生活の調和という理念に基づいて解釈される必要が、これ行政上の問題でも私法上でもあり得るわけで、そういう意味で、これを立法化することによってそういった一つの平等の在り方が、これは性差別以外にも入れるべきでない御意見もありましたけれども、正に性差別の在り方がこの仕事と調和の中で反映しているということですね。そういった意味で、これを目的、理念に入れることがむしろ不可欠ではないかと私は考えております。
次が間接差別の問題ですけれども、これは先ほども御指摘がありましたように、間接差別というのは、社会的構造がもたらした構造的な差別的効果を排除することによって差別をなくしていくことが問題となっている、それはかなり動的な差別概念と言えるわけですね。そういう意味で、最初から限定するというのは、これは間接差別の在り方を見ても、やはりそれは自己矛盾しているのではないかという考えを持っております。
先ほど、間接差別を限定しないと無制限になってしまうとかあるいは現場が混乱するという御意見がありましたけれども、これはそうではないと思うんですね。その間接差別の要件としては、もちろん男女の比率による基準適用の問題がありますけれども、もう一つ重要な要件は合理性ですよね。使用者の方がその合理性を証明すれば間接差別は成立しないわけですから、そういったチェックが掛かっているわけで、そしたら、そういう意味では、何でも間接差別が成立するというのは、議論は少し違うんではないかと。この合理性というチェックに見ていく、むしろその中で前半の部分については、そういった常に差別、今まではそれは社会的に相当と見てきた、特に男性中心の社会では、それは家族手当は男性ですというものが、これはもちろん直接差別に当たるんですけれども、そういったものを常に見直していく。今まで見えなかった構造的な差別を明らかにしていくとすれば、むしろ限定列挙するというのは間接差別の理念からいうとやっぱり矛盾しているのではないかと思いますね。混乱するとか無制限という批判は、これは当たらないのではないかと思います。
もう一つ、この問題は限定の問題と、それからもう一つはこの法的効果について申し上げたいんですけれども、まずこの間接差別が成立する場合については、恐らく厚生労働大臣が当該措置を是正するよう指導するという行政上の根拠として定められていることは確かではないかと思います。しかし、ここでは、今回のこれではこの三つだけについて行政指導をする、カバーしないということになるのかどうか。恐らくそういうことになるんではないかと思います。
恐らく大きい問題は、その行政指導の問題もあるんですけれども、いわゆる私法上の裁判になったときの問題です。いつもこれに対しては恐らくそういった従来のものが別に後退しないということをよく言われるんですけれども、ちょっと変な言い方ですけど、議員の方は裁判官を余りにも何か割と信頼されていらっしゃるという、こういう言い方はちょっと問題かもしれませんけど、印象を持っております。それは、実は立法府がある権利を促進するために設けたものが、裁判の中で逆に解釈されるケースが非常に裁判上少なくないんです。
例えば、労働基準法の改正のときに、年休の促進を進めようということで、新たに使用者は労働者が年休を取得したことを理由として不利益な措置をとらないようにしなければならないという規定ができたときに、これ、もちろん趣旨は、じゃ、この年休促進を、不利益をなくすことによって年休促進を進めようという立法趣旨であった。それで、国会ではそういう意思で作られたと思うんですけれども、最高裁は、これは、してはならないじゃなくて、しないようにしなきゃならないだから、努力義務規定にすぎないとして、この年休取得を理由とする不利益取扱いを認めたという、そういった経緯は、これ御承知だと思いますけど、あります。
このように、制限的な文言を持っている立法がかえって立法者の意思とは無関係に機能する例があるということです。ただいま挙げましたのは労働基準法の例ですけれども、これは均等法についても同じことが言えるわけです。
一九八五年制定の均等法においては、募集、採用、配置、昇進については努力義務にとどまっていたということです。現実の裁判例では、むしろ均等法ですら募集、採用、配置、昇進が努力義務にとどまっていること、極端に言えば、均等法の努力義務規定があったことが、逆に差別された女性の救済を否定する論拠に使われているところもあるわけです。
以上のように、限定的な差別禁止規定ではかえって差別を温存する機能もあるということも過去から学ぶべきではないかと思います。恐らくこれが、行政指導とは別に間接差別の裁判がなされた場合について一つ考えられるのは、この三つの事例のみで立法上は三つに限定されているということと、審議会等の段階では七つの事由が挙げられていたけれども、結果としては結局、他の四つは立法化が見送られたと。そういう経緯からすれば、この間接差別は公序に当たるのはこの三つしかない、間接差別に当たらないという判断される可能性は非常に大きいということになります。これは単なる杞憂ではなくて、今までの裁判の現状から見れば、裁判官の自らの、条文にかなり限定的な、立法者の意思がどこにあったとしても、かなり裁判官というものは職業柄、理念よりむしろ規定を尊重するのが日本の裁判所の一つの特徴であるというのは、これは決して間違った指摘ではないと思います。
その意味で、この限定列挙というのがかなりむしろ、変だけど、なければそれなりに公序という議論ができるものが、限定されたことによってその機会すら奪われることになりかねないという危険性を十分御承知していただきたいと思います。
確かに、間接差別というのは分かりにくいという御指摘はあります。そのとおりかもしれませんけれども、しかしイギリスでは一九七五年に制定されて三十年もたっているわけで、イギリスにできるようなことがなぜ日本でできないかという素朴な、私は、まあ国が違えばいろんな状況も違うんで、一緒くたにイギリスがこうだからということは言えませんけれども、三十年以上たっている、なぜ日本でこれが、間接差別のもっと規定が一般化していかないかというのを素朴な疑問を感じますけれども、この分かりにくいということは、それはセクシュアルハラスメントの、前回の均等法改正のセクシュアルハラスメントでも言われていたことで、分かりにくいというのを、それを指針で示すことによって、かなり裁判例なんかでも指針が引用されたり、一つの違法性の根拠として指針が使われている裁判例も登場してきているわけですね。
そういう意味で、分かりにくいということから、それが限定するということは日本で結び付かない。それで、省令で限定することに結び付かないわけで、先ほども御指摘ありましたように、今後の裁判例の集積を待って指針で例示列挙をしていくということです。指針の法的効果は省令でしなければ法的効果がないということではなくて、指針の内容によっては、例えば均等法の指針、平等に対する指針なんかは均等法と一体となって指針が私は私法上の効力を持ってくるということになると思うんですね。
そういう意味で、省令であれば法的効力が強くて、指針であれば弱いということではないと思います。それは、指針の中身によって、一定の努力義務的な指針もあるでしょうし、一定の私法上の効力を持つような指針もあるということになりますから、そういう意味で、省令で限定列挙せずに指針で例示列挙をすることによって、それこそ裁判の集積を待つことが間接差別の概念が我が国で拡大する一つの大きな大前提になるんではないか。そのことが、繰り返しますが、社会構造的な差別を是正することを目的とする、常に何が差別に当たるかを考える間接差別の概念にかなうものではないかと考えております。
また、蛇足ですが、改正法案では、間接差別の要件として、措置の要件を満たす男性及び女性の比率その他の事情を考慮してという、そういう前半の法の要件になっております。ここでは、一定の間接差別的な措置というのが適用される男女の比率が挙げられております。これがどの程度の要件として強いかはまだ分かりませんけれども、現在、EU、ヨーロッパ連合やイギリスでは、従来はこの男女比率の要件が存在していたんですね。
例えば、イギリスの性差別禁止法では、これ御承知と思いますけれども、従来の要件では、不利益を受ける女性の割合が不利益を受ける男性の割合よりも相当大きな程度であるということがこの間接差別の成立要件に入っていたんです。これが二〇〇四年の改正で外されております。この男女の比率要件というのは、必ずしも間接の要件ではないという立法がされております。このことも、蛇足ですが御指摘させていただきたいと思います。
それから、最後に申し述べさせていただきますが、労使の意見が対立する中で、両者のコンセンサスを踏まえた上でこの法案を作成された御苦労は大変なものであったと推察されます。しかし、性差別禁止法を制定するということは、労使のコンセンサスを若干超えたところに視点を置くべきではないかと考えております。差別というものはやはり歴史的に構造的に形成されたものですから、これをなくすには強力かつ効果的な差別禁止法の制定が不可欠である。これは、外国でもそういった理念に基づいて、必ずしも労使のコンセンサスだけでは差別禁止法は作れないということを認識していただきたい。このことは、外国の立法を見ても明らかではないかと思います。
是非、国民の信託を受けていらっしゃる国会議員の皆様方には、是非この点を御配慮をいただいて、立法府としての領域を一層果たしていただくことを最後にお願いしたいと思います。
どうもありがとうございました。
この発言だけを見る →今日は、雇用における男女平等が達成されるためには効果的な差別禁止法の存在が不可欠ということは一致した見解であると思います。今回、ここで私はこの今回の均等法改正案の内容について意見を述べさしていただきます。
まず、差別禁止の対象が女性から男女双方に拡大されたこと及び妊娠、出産あるいは産前産後休暇の請求、取得に関する修正については評価できるところではないかと思います。とりわけ、妊娠、出産あるいは産前産後休業の取得等を理由とする解雇の禁止が定められたこと、あるいは解雇以外の不利益取扱いが禁止されたことも、これが評価されることではないか。あるいは妊産婦ですね、妊娠中あるいは及び産後一年以内、超えない女性の解雇は無効とすると規定されたことは評価できることではないかと思います。
ただ、ここで少し理論的には、この今回、妊娠、出産にかかわる保護を拡大するということが主眼だったためか、実は婚姻については、今回の均等法では女性の差別禁止から男女双方の禁止ということになっているんですけれども、ポジティブアクションは現状では女性だけに限定すること、それなりの合理性があると思いますけれども、この婚姻について女性だけが残っているというのは、やはり婚姻は、妊娠、出産は女性ですけれども、婚姻は男性もあるんでしょうから、男性についての婚姻差別を禁止しなかったというのは理論的に少し問題ではないかと考えております。
しかし、重要な点は、先ほども各参考人の方の意見がありましたように、この法の理念の問題と、それから間接差別の問題ではないかと思います。
まず、差別というのは、御承知のように、これは単に経済的に困るんではなくて、差別自体が人格を侵害するから許されないということが確認されるべきで、そういう意味で、やはり先ほど各参考人の御意見ありましたように、平等と差別をどう理解するかという理念を考えることが差別禁止法の基本的なスタンスではないかと思います。
ここでは、現在では使用者団体の方の方からもワーク・ライフ・バランスという理念が主張されております。これを、いわゆる仕事と生活の調和というものを均等法に入れるかどうかということが議論になっているんですけれども、一つには、ここではそれは家庭の問題、育児や介護については育児・介護休業法で処理されるというのは、それは生活のレベルを家庭だけに限定しているという、それが正にあるんではないか。もちろん、労働者にとって育児や介護は極めて重要な問題ですから、これに対する保障は不可欠ではありますけれども、それにとどまらない、前の状態にある独身の男女に対してもこういったことを保障するという意味で、この生活の意味を家庭責任だけに限定するのは、現在の均等法は、当然それは育児、介護をする男女労働者だけを対象としていないわけですから、広く、その概念を家庭に限定しないということが必要ではないかと思います。
それからもう一つ、それを仕事と生活の調和を立法に入れるということは、単に入れた方がいいということ以上に、今回、後で、間接差別で問題になりました全国転勤とか転勤というような実態について判断する場合には、やはり仕事と生活の調和という理念に基づいて解釈される必要が、これ行政上の問題でも私法上でもあり得るわけで、そういう意味で、これを立法化することによってそういった一つの平等の在り方が、これは性差別以外にも入れるべきでない御意見もありましたけれども、正に性差別の在り方がこの仕事と調和の中で反映しているということですね。そういった意味で、これを目的、理念に入れることがむしろ不可欠ではないかと私は考えております。
次が間接差別の問題ですけれども、これは先ほども御指摘がありましたように、間接差別というのは、社会的構造がもたらした構造的な差別的効果を排除することによって差別をなくしていくことが問題となっている、それはかなり動的な差別概念と言えるわけですね。そういう意味で、最初から限定するというのは、これは間接差別の在り方を見ても、やはりそれは自己矛盾しているのではないかという考えを持っております。
先ほど、間接差別を限定しないと無制限になってしまうとかあるいは現場が混乱するという御意見がありましたけれども、これはそうではないと思うんですね。その間接差別の要件としては、もちろん男女の比率による基準適用の問題がありますけれども、もう一つ重要な要件は合理性ですよね。使用者の方がその合理性を証明すれば間接差別は成立しないわけですから、そういったチェックが掛かっているわけで、そしたら、そういう意味では、何でも間接差別が成立するというのは、議論は少し違うんではないかと。この合理性というチェックに見ていく、むしろその中で前半の部分については、そういった常に差別、今まではそれは社会的に相当と見てきた、特に男性中心の社会では、それは家族手当は男性ですというものが、これはもちろん直接差別に当たるんですけれども、そういったものを常に見直していく。今まで見えなかった構造的な差別を明らかにしていくとすれば、むしろ限定列挙するというのは間接差別の理念からいうとやっぱり矛盾しているのではないかと思いますね。混乱するとか無制限という批判は、これは当たらないのではないかと思います。
もう一つ、この問題は限定の問題と、それからもう一つはこの法的効果について申し上げたいんですけれども、まずこの間接差別が成立する場合については、恐らく厚生労働大臣が当該措置を是正するよう指導するという行政上の根拠として定められていることは確かではないかと思います。しかし、ここでは、今回のこれではこの三つだけについて行政指導をする、カバーしないということになるのかどうか。恐らくそういうことになるんではないかと思います。
恐らく大きい問題は、その行政指導の問題もあるんですけれども、いわゆる私法上の裁判になったときの問題です。いつもこれに対しては恐らくそういった従来のものが別に後退しないということをよく言われるんですけれども、ちょっと変な言い方ですけど、議員の方は裁判官を余りにも何か割と信頼されていらっしゃるという、こういう言い方はちょっと問題かもしれませんけど、印象を持っております。それは、実は立法府がある権利を促進するために設けたものが、裁判の中で逆に解釈されるケースが非常に裁判上少なくないんです。
例えば、労働基準法の改正のときに、年休の促進を進めようということで、新たに使用者は労働者が年休を取得したことを理由として不利益な措置をとらないようにしなければならないという規定ができたときに、これ、もちろん趣旨は、じゃ、この年休促進を、不利益をなくすことによって年休促進を進めようという立法趣旨であった。それで、国会ではそういう意思で作られたと思うんですけれども、最高裁は、これは、してはならないじゃなくて、しないようにしなきゃならないだから、努力義務規定にすぎないとして、この年休取得を理由とする不利益取扱いを認めたという、そういった経緯は、これ御承知だと思いますけど、あります。
このように、制限的な文言を持っている立法がかえって立法者の意思とは無関係に機能する例があるということです。ただいま挙げましたのは労働基準法の例ですけれども、これは均等法についても同じことが言えるわけです。
一九八五年制定の均等法においては、募集、採用、配置、昇進については努力義務にとどまっていたということです。現実の裁判例では、むしろ均等法ですら募集、採用、配置、昇進が努力義務にとどまっていること、極端に言えば、均等法の努力義務規定があったことが、逆に差別された女性の救済を否定する論拠に使われているところもあるわけです。
以上のように、限定的な差別禁止規定ではかえって差別を温存する機能もあるということも過去から学ぶべきではないかと思います。恐らくこれが、行政指導とは別に間接差別の裁判がなされた場合について一つ考えられるのは、この三つの事例のみで立法上は三つに限定されているということと、審議会等の段階では七つの事由が挙げられていたけれども、結果としては結局、他の四つは立法化が見送られたと。そういう経緯からすれば、この間接差別は公序に当たるのはこの三つしかない、間接差別に当たらないという判断される可能性は非常に大きいということになります。これは単なる杞憂ではなくて、今までの裁判の現状から見れば、裁判官の自らの、条文にかなり限定的な、立法者の意思がどこにあったとしても、かなり裁判官というものは職業柄、理念よりむしろ規定を尊重するのが日本の裁判所の一つの特徴であるというのは、これは決して間違った指摘ではないと思います。
その意味で、この限定列挙というのがかなりむしろ、変だけど、なければそれなりに公序という議論ができるものが、限定されたことによってその機会すら奪われることになりかねないという危険性を十分御承知していただきたいと思います。
確かに、間接差別というのは分かりにくいという御指摘はあります。そのとおりかもしれませんけれども、しかしイギリスでは一九七五年に制定されて三十年もたっているわけで、イギリスにできるようなことがなぜ日本でできないかという素朴な、私は、まあ国が違えばいろんな状況も違うんで、一緒くたにイギリスがこうだからということは言えませんけれども、三十年以上たっている、なぜ日本でこれが、間接差別のもっと規定が一般化していかないかというのを素朴な疑問を感じますけれども、この分かりにくいということは、それはセクシュアルハラスメントの、前回の均等法改正のセクシュアルハラスメントでも言われていたことで、分かりにくいというのを、それを指針で示すことによって、かなり裁判例なんかでも指針が引用されたり、一つの違法性の根拠として指針が使われている裁判例も登場してきているわけですね。
そういう意味で、分かりにくいということから、それが限定するということは日本で結び付かない。それで、省令で限定することに結び付かないわけで、先ほども御指摘ありましたように、今後の裁判例の集積を待って指針で例示列挙をしていくということです。指針の法的効果は省令でしなければ法的効果がないということではなくて、指針の内容によっては、例えば均等法の指針、平等に対する指針なんかは均等法と一体となって指針が私は私法上の効力を持ってくるということになると思うんですね。
そういう意味で、省令であれば法的効力が強くて、指針であれば弱いということではないと思います。それは、指針の中身によって、一定の努力義務的な指針もあるでしょうし、一定の私法上の効力を持つような指針もあるということになりますから、そういう意味で、省令で限定列挙せずに指針で例示列挙をすることによって、それこそ裁判の集積を待つことが間接差別の概念が我が国で拡大する一つの大きな大前提になるんではないか。そのことが、繰り返しますが、社会構造的な差別を是正することを目的とする、常に何が差別に当たるかを考える間接差別の概念にかなうものではないかと考えております。
また、蛇足ですが、改正法案では、間接差別の要件として、措置の要件を満たす男性及び女性の比率その他の事情を考慮してという、そういう前半の法の要件になっております。ここでは、一定の間接差別的な措置というのが適用される男女の比率が挙げられております。これがどの程度の要件として強いかはまだ分かりませんけれども、現在、EU、ヨーロッパ連合やイギリスでは、従来はこの男女比率の要件が存在していたんですね。
例えば、イギリスの性差別禁止法では、これ御承知と思いますけれども、従来の要件では、不利益を受ける女性の割合が不利益を受ける男性の割合よりも相当大きな程度であるということがこの間接差別の成立要件に入っていたんです。これが二〇〇四年の改正で外されております。この男女の比率要件というのは、必ずしも間接の要件ではないという立法がされております。このことも、蛇足ですが御指摘させていただきたいと思います。
それから、最後に申し述べさせていただきますが、労使の意見が対立する中で、両者のコンセンサスを踏まえた上でこの法案を作成された御苦労は大変なものであったと推察されます。しかし、性差別禁止法を制定するということは、労使のコンセンサスを若干超えたところに視点を置くべきではないかと考えております。差別というものはやはり歴史的に構造的に形成されたものですから、これをなくすには強力かつ効果的な差別禁止法の制定が不可欠である。これは、外国でもそういった理念に基づいて、必ずしも労使のコンセンサスだけでは差別禁止法は作れないということを認識していただきたい。このことは、外国の立法を見ても明らかではないかと思います。
是非、国民の信託を受けていらっしゃる国会議員の皆様方には、是非この点を御配慮をいただいて、立法府としての領域を一層果たしていただくことを最後にお願いしたいと思います。
どうもありがとうございました。
山
坂
坂本福子#12
○参考人(坂本福子君) 私は、ちょうど弁護士になったのが一九六〇年、そして女性差別の裁判が起こり出したのが六〇年代半ばからなんですね。その意味で、ずっとそういう差別事件にかかわってきました。やっぱり裁判を起こすというのは、職場でそういう差別があったからこそ起こってきているんだと思います。
今回、均等法の見直しの中で、建議の中で、男女雇用機会均等の確保を徹底するために必要な法的整備の時期に来ているとの基本的考え方を確認したところであると。建議で政府がこう言っているんだから、今度こそ本当にこの均等法は徹底した男女の均等を守ってくれると、いや、そういう法律ができていいはずだということを大いに期待していました。しかし、その中身の具体的条項を読んだときに、私たちは本当にがっかりしたんです。
時間もないことなんで、四つの点について申し上げたいと思います。
第一に、基本的理念の中の仕事と家庭の両立、少なくとも女性が平等に働いていける、先ほど連合の方がやはり長時間労働の男性の問題を言っておりました。そうであれば、やっぱり女性はそのような職場の中で働き続けられることが、そして結婚して子供を持った場合にそうして働き続けられるんだろうか、そのことを疑問に思ったときに、やはり基本的には仕事と家庭の、職場の平等、双方とも平等ということが言えると思います。既にILOでは、百五十六号条約、百六十五号勧告でもって一九八一年に家庭責任を持つ男女労働者の平等の問題ということで採択しております。
ちなみに、これだけ申し上げておきますと、実に二〇〇一年の総務省の統計基本調査、政府調査ですけれども、家事労働の時間について、共働きの妻は三時間三十一分、夫はわずか九分なんですね。その前の九六年の、五年間の前の調査が、これ全部共働きです、妻は三時間三十五分、夫七分という、これ政府資料から出ております。五年間に夫は二分家事労働が増え、妻は四分縮まったと。
やはり仕事と職場、そういう中で本当に日本の少子化の問題も消えていくんじゃないか。そこがなければ、やはり男女の平等というものは来ないんだと思います。
〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕
第二に、間接差別の問題です。
法案では、先ほどからずっと出ておりますように、三つに省令で限定しました。しかし私は、差別は、直接差別であれ間接差別であれ、差別というものは絶対に許されないと思います。平等は人間の基本的人権です。にもかかわらず、なぜこの三つに限定したのか。既にEUでは、一九七六年に男女均等待遇指令、これを出しまして、直接あるいは間接、いずれの差別も禁じております。そのため、EU各国では間接差別をほとんど禁止しているということが言えると思います。
今、山田先生の方もおっしゃいましたけれども、政策研究会が間接差別で七つ、これは例示です、いわゆる省令による七つの限定列挙ではありません。間接差別が何が分かりにくいかということをいったときに、政策研究会の中では七つの例を挙げているということになってきております。例示列挙であれば、それに当てはまらなくても、これが一つの例示だよということになって次々と拡大するので十分です。しかし、省令でもって限定してしまって、法律上、厚生労働省の定める省令によるということになってくれば、その三つに限定されるわけです。
果たしてこれが、じゃ、その三つ以外の問題について間接差別として訴訟ができるんだろうか。建議の方では、判例が確立したときというような、判例でもって考えられるときというふうに言っております。しかし、判例というのは本当に各裁判官にもよりますし、分からないものだと思います。
私は、その判例を例として、大変均等法のための苦汁を自らかかわった事件で二つなめました。一つは、岡谷鋼機という商社の事件です。それから一つは、兼松という商社の事件です。いずれも商社で、コース別雇用になりました、均等法の前後に合わせて。そして、その判決は約十年後に出ました。
〔理事岸宏一君退席、委員長着席〕
そこで何を言われたか。少なくともそういう男女差別の配置、昇進について言うならば、これは西村さんの言われた住友電工と一緒ですけれども、憲法十四条の趣旨に反するけれども、当時の均等法は要するに努力義務規定だったと、禁止規定になったのは定年解雇だけであったと、だから公序に反しないと。まさしく憲法があって何なのと言いたいところなんですね。
その九十条に反しないという言い方として、これまた均等法を即使っています。というのは、九七年に改正された均等法は努力義務規定であったと。その後、禁止規定になったと。九七年の禁止規定は九九年から施行になったと。したがって、九九年の四月一日以降は違法である、しかし九九年の三月三十一日までは使用者側の差別は違法じゃないという言い方なんです。たった一日で何で公序がそんなに変わるのかということを私は物すごく怒ったというか、そんなばかな話があるかということを言ったんですけれども、判決はそういうふうに出てきた。
要するに禁止規定だから、でも、率直に言いますが、一九八五年の均等法が成立するときに、これは八四年の百一国会で赤松婦人局長と、当時の、それから、当時、亡くなられましたけれども、坂本労働大臣、これは国会で答弁していることは、今まで何にも禁止規定の法律がなかった、男女差別を禁止する法律がなかった、しかし、判例としては、男女の定年差別、それはもう最高裁で八一年に確立しているじゃないかと、それは公序できているんだ、その公序が悪くなることはないということを答弁しまして、何回も繰り返して答弁しまして、ところが、見事、私がもらった判決は、実に二〇〇〇年、二〇〇二年と、そういうような形の判決が出されたんです。ここまでやっぱり禁止規定と努力義務規定と違うのかと。そんなばかな、一日で違うなんてこと、しかし、法律はさかのぼらないということなんですね。だから、建議がこう言ったって、いつ本当にそれができるのと。やっぱり限定列挙については、これは絶対に通していただいては困るというふうに思っています。
例えば、それから、もう一つ言うならば、非常に非正規の労働者が増えています。御存じのように、政府統計であっても、今男性の正規社員は八二・三%に比べ、女性の正規は四七・六%、既に半数を割っているんですね。だから、非正規が、いわゆるパート、派遣、それらを含めて半分以上ということになっております。
EUで言っているのは、例えばパートが非常に女性が多いという場合には、いわゆる女性だけがそういう低賃金の労働条件、その他の労働条件の不利益を受けているということについては、これは間接差別に当たるということを言われています。というならば、私はこの国でもやはり間接差別に当たる例が結構出てくるんではないだろうか。それで、女性たちがその間接差別を直していけるケースが結構あるんではないだろうか、そんなふうに期待しております。
それからもう一つ、これはどなたの参考人もおっしゃらなかったけれども、弁護士の場合の立場で言えば、いわゆる挙証責任の転換です。仮に間接差別が規定されたとしても、今回の法案では、三つに限定したものでは確かに挙証責任の転換を規定しています。要するに、使用者側が、こうこうこういう合理性があるんだよと言うことの責任転換です。しかし、すべての差別については、やはり差別を争うときには資料はこれは使用者側が握っているんですね。それを使用者側から引き出せるというのは大変なことです。EUを引きますけれども、EUは九七年に挙証責任の転換指令ということを出しております。日本でも、この挙証責任の転換はきちっと既に判例では出ております。
したがって、直接、これは既に、最初に出されたというか、一九九六年の八月に広島にある石崎本店、これは男女の賃金差別を争った事件ですけれども、ここで、要するに、男女差別があるという資料を出せば、使用者側においてそれが男女差別でないという立証をしなければならないと、その資料を提起しなければならないということを出され、その後、二〇〇一年の五月に岡山地裁で内山工業事件、そして二〇〇四年の十月に、これまた岡山の高裁でもって、同じくそういう挙証責任を認めた判決を出しております。
やはり、これは裁判を起こせばそういうことが非常に身近に感じるのかといえば、決してそうではないと思います。職場の交渉でも、組合が交渉するときに、やっぱり挙証責任の転換ということがきちっと規定されれば、法律でこうなっているよ、だから資料は見せなさいという、この交渉が組めるんだと思います。したがって、私はやはり、この挙証責任の転換ということはきちっと入れていただきたいというふうに思っております。
それから、三番目に行きますと、やはりポジティブアクションの問題。これは、私どもは前から義務規定にしてくれと。少なくとも附帯決議でも、ポジティブアクションは附帯決議の中にもきちっとうたわれております。それから、CEDAWのこれは最終コメントからの中でも、やっぱり我が国のそのときの報告、二〇〇三年ですか、のその前、それに出した報告の中で、いろいろ均等法を作って男女平等は進んできていると、しかしまだいろいろと残っていると、それを推進するためにはポジティブアクションの強化ということをはっきり言っているんですね。にもかかわらず、今回こそは、私は努力義務規定はなくなって禁止規定になるかというふうに思っておりましたのに、残念ながら、それがどうしてと言いたいんですけれども、ポジティブアクションすら努力義務規定に収まりました。やっぱり裁判でやっていくときには、それは努力義務規定と禁止規定ともうはっきり違うんだということを、それは私は身にしみて感じております。
第四番目に、やっぱり一つ言いたいのは、雇用ステージ、これはどういうわけか、要するに均等法、今回もそうですけれども、賃金差別の禁止はありません。政府に問いただすと、これは労基法四条があるということなんですね。確かに労基法四条では、女子であることを理由にして差別してはならないという規定になっております。
しかし、後でごらんになっていただければ、御存じと思いますけれども、まず今日資料をお渡ししました、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する日弁連の意見書がございます。これは二〇〇五年、これが出される前なんですけれども、現在の国会から法案が出される、六月に日弁連として私どもが、差別をなくす、いわゆる基本的人権を守っていくためには職場でどういう法律があったらいいか、それを討議して日弁連として意見書として出し、これに基づいてのシンポもやりました。
その中でも言われているのは、やはり労基法四条があったとしても、今、性による差別、それが最も表面的に現れるのは、何だかんだといろいろ言われますけれども、やっぱり賃金なんですね。そのときに均等法に賃金が入らないということはおかしいと。性による賃金差別はきちっとこの均等法に禁止すべきだ。と同時に、労基法四条で、これは同一価値労働同一賃金を明記すべきだというふうに書かれております。というのは、やはり非正規が非常に多くなってきているんです。
御存じだと思いますけれども、長野県の丸子警報機の中では、いわゆる女性のパートが女性社員と比較した場合に、これは労基法四条は使われませんでした。なぜかといったら、労基法四条は、同一価値労働同一賃金なのかもしれぬけれども、女子であることを理由にというか、女性同士の要するに差別賃金についてはこれは、この規定は用いられないということだったんですね。だから公序良俗違反というふうに来ました。したがって、やはり均等法に賃金差別の禁止を入れるとともに、そして労基法四条は同一価値労働同一賃金、この規定をきちっと規定してもらいたいということが私どもの日弁連の意見書にも書かれております。
もう時間もありませんけれども、私は最後に一言お願いしたいのは、法律は国会で作られます。今、政府案から出されている法律について、私は、やっぱり何十年かの女性労働者の人たちと付き合い、その職場の実態を知り、そしてどんなに差別を受ける者が苦しいものかということを身にしみて感じてきました。先ほど挙げた岡谷は既に十年目、やっと解決いたしました。でも、あの均等法の一日の差で、二人の原告のうち一人は結局完全に敗訴になったわけですよね。今もう一つ挙げた商社兼松は、十年たってまだ裁判は続いております。
女性が裁判を起こすまでに、それは弁護士ですから裁判裁判と言うかもしれませんけれども、どんなに悩み、苦しみ、そしてそれを裁判を起こして十年間、どんな苦しみがあったか。やっとこぎ着けたときに、どんな判決だったか。そのことを思うと、本当にいい法律があったら、それは私たち女子の三十歳定年制の差別事件を争ったときからの、労働者たちのいい法律があったらねというのが、それが合い言葉でした。
だから、今回の、いわゆるこの法案を是非とも、一つでも二つでもいいから、やっぱり女性差別がなくなるように変えていただきたいということが最後のお願いです。
以上です。
この発言だけを見る →今回、均等法の見直しの中で、建議の中で、男女雇用機会均等の確保を徹底するために必要な法的整備の時期に来ているとの基本的考え方を確認したところであると。建議で政府がこう言っているんだから、今度こそ本当にこの均等法は徹底した男女の均等を守ってくれると、いや、そういう法律ができていいはずだということを大いに期待していました。しかし、その中身の具体的条項を読んだときに、私たちは本当にがっかりしたんです。
時間もないことなんで、四つの点について申し上げたいと思います。
第一に、基本的理念の中の仕事と家庭の両立、少なくとも女性が平等に働いていける、先ほど連合の方がやはり長時間労働の男性の問題を言っておりました。そうであれば、やっぱり女性はそのような職場の中で働き続けられることが、そして結婚して子供を持った場合にそうして働き続けられるんだろうか、そのことを疑問に思ったときに、やはり基本的には仕事と家庭の、職場の平等、双方とも平等ということが言えると思います。既にILOでは、百五十六号条約、百六十五号勧告でもって一九八一年に家庭責任を持つ男女労働者の平等の問題ということで採択しております。
ちなみに、これだけ申し上げておきますと、実に二〇〇一年の総務省の統計基本調査、政府調査ですけれども、家事労働の時間について、共働きの妻は三時間三十一分、夫はわずか九分なんですね。その前の九六年の、五年間の前の調査が、これ全部共働きです、妻は三時間三十五分、夫七分という、これ政府資料から出ております。五年間に夫は二分家事労働が増え、妻は四分縮まったと。
やはり仕事と職場、そういう中で本当に日本の少子化の問題も消えていくんじゃないか。そこがなければ、やはり男女の平等というものは来ないんだと思います。
〔委員長退席、理事岸宏一君着席〕
第二に、間接差別の問題です。
法案では、先ほどからずっと出ておりますように、三つに省令で限定しました。しかし私は、差別は、直接差別であれ間接差別であれ、差別というものは絶対に許されないと思います。平等は人間の基本的人権です。にもかかわらず、なぜこの三つに限定したのか。既にEUでは、一九七六年に男女均等待遇指令、これを出しまして、直接あるいは間接、いずれの差別も禁じております。そのため、EU各国では間接差別をほとんど禁止しているということが言えると思います。
今、山田先生の方もおっしゃいましたけれども、政策研究会が間接差別で七つ、これは例示です、いわゆる省令による七つの限定列挙ではありません。間接差別が何が分かりにくいかということをいったときに、政策研究会の中では七つの例を挙げているということになってきております。例示列挙であれば、それに当てはまらなくても、これが一つの例示だよということになって次々と拡大するので十分です。しかし、省令でもって限定してしまって、法律上、厚生労働省の定める省令によるということになってくれば、その三つに限定されるわけです。
果たしてこれが、じゃ、その三つ以外の問題について間接差別として訴訟ができるんだろうか。建議の方では、判例が確立したときというような、判例でもって考えられるときというふうに言っております。しかし、判例というのは本当に各裁判官にもよりますし、分からないものだと思います。
私は、その判例を例として、大変均等法のための苦汁を自らかかわった事件で二つなめました。一つは、岡谷鋼機という商社の事件です。それから一つは、兼松という商社の事件です。いずれも商社で、コース別雇用になりました、均等法の前後に合わせて。そして、その判決は約十年後に出ました。
〔理事岸宏一君退席、委員長着席〕
そこで何を言われたか。少なくともそういう男女差別の配置、昇進について言うならば、これは西村さんの言われた住友電工と一緒ですけれども、憲法十四条の趣旨に反するけれども、当時の均等法は要するに努力義務規定だったと、禁止規定になったのは定年解雇だけであったと、だから公序に反しないと。まさしく憲法があって何なのと言いたいところなんですね。
その九十条に反しないという言い方として、これまた均等法を即使っています。というのは、九七年に改正された均等法は努力義務規定であったと。その後、禁止規定になったと。九七年の禁止規定は九九年から施行になったと。したがって、九九年の四月一日以降は違法である、しかし九九年の三月三十一日までは使用者側の差別は違法じゃないという言い方なんです。たった一日で何で公序がそんなに変わるのかということを私は物すごく怒ったというか、そんなばかな話があるかということを言ったんですけれども、判決はそういうふうに出てきた。
要するに禁止規定だから、でも、率直に言いますが、一九八五年の均等法が成立するときに、これは八四年の百一国会で赤松婦人局長と、当時の、それから、当時、亡くなられましたけれども、坂本労働大臣、これは国会で答弁していることは、今まで何にも禁止規定の法律がなかった、男女差別を禁止する法律がなかった、しかし、判例としては、男女の定年差別、それはもう最高裁で八一年に確立しているじゃないかと、それは公序できているんだ、その公序が悪くなることはないということを答弁しまして、何回も繰り返して答弁しまして、ところが、見事、私がもらった判決は、実に二〇〇〇年、二〇〇二年と、そういうような形の判決が出されたんです。ここまでやっぱり禁止規定と努力義務規定と違うのかと。そんなばかな、一日で違うなんてこと、しかし、法律はさかのぼらないということなんですね。だから、建議がこう言ったって、いつ本当にそれができるのと。やっぱり限定列挙については、これは絶対に通していただいては困るというふうに思っています。
例えば、それから、もう一つ言うならば、非常に非正規の労働者が増えています。御存じのように、政府統計であっても、今男性の正規社員は八二・三%に比べ、女性の正規は四七・六%、既に半数を割っているんですね。だから、非正規が、いわゆるパート、派遣、それらを含めて半分以上ということになっております。
EUで言っているのは、例えばパートが非常に女性が多いという場合には、いわゆる女性だけがそういう低賃金の労働条件、その他の労働条件の不利益を受けているということについては、これは間接差別に当たるということを言われています。というならば、私はこの国でもやはり間接差別に当たる例が結構出てくるんではないだろうか。それで、女性たちがその間接差別を直していけるケースが結構あるんではないだろうか、そんなふうに期待しております。
それからもう一つ、これはどなたの参考人もおっしゃらなかったけれども、弁護士の場合の立場で言えば、いわゆる挙証責任の転換です。仮に間接差別が規定されたとしても、今回の法案では、三つに限定したものでは確かに挙証責任の転換を規定しています。要するに、使用者側が、こうこうこういう合理性があるんだよと言うことの責任転換です。しかし、すべての差別については、やはり差別を争うときには資料はこれは使用者側が握っているんですね。それを使用者側から引き出せるというのは大変なことです。EUを引きますけれども、EUは九七年に挙証責任の転換指令ということを出しております。日本でも、この挙証責任の転換はきちっと既に判例では出ております。
したがって、直接、これは既に、最初に出されたというか、一九九六年の八月に広島にある石崎本店、これは男女の賃金差別を争った事件ですけれども、ここで、要するに、男女差別があるという資料を出せば、使用者側においてそれが男女差別でないという立証をしなければならないと、その資料を提起しなければならないということを出され、その後、二〇〇一年の五月に岡山地裁で内山工業事件、そして二〇〇四年の十月に、これまた岡山の高裁でもって、同じくそういう挙証責任を認めた判決を出しております。
やはり、これは裁判を起こせばそういうことが非常に身近に感じるのかといえば、決してそうではないと思います。職場の交渉でも、組合が交渉するときに、やっぱり挙証責任の転換ということがきちっと規定されれば、法律でこうなっているよ、だから資料は見せなさいという、この交渉が組めるんだと思います。したがって、私はやはり、この挙証責任の転換ということはきちっと入れていただきたいというふうに思っております。
それから、三番目に行きますと、やはりポジティブアクションの問題。これは、私どもは前から義務規定にしてくれと。少なくとも附帯決議でも、ポジティブアクションは附帯決議の中にもきちっとうたわれております。それから、CEDAWのこれは最終コメントからの中でも、やっぱり我が国のそのときの報告、二〇〇三年ですか、のその前、それに出した報告の中で、いろいろ均等法を作って男女平等は進んできていると、しかしまだいろいろと残っていると、それを推進するためにはポジティブアクションの強化ということをはっきり言っているんですね。にもかかわらず、今回こそは、私は努力義務規定はなくなって禁止規定になるかというふうに思っておりましたのに、残念ながら、それがどうしてと言いたいんですけれども、ポジティブアクションすら努力義務規定に収まりました。やっぱり裁判でやっていくときには、それは努力義務規定と禁止規定ともうはっきり違うんだということを、それは私は身にしみて感じております。
第四番目に、やっぱり一つ言いたいのは、雇用ステージ、これはどういうわけか、要するに均等法、今回もそうですけれども、賃金差別の禁止はありません。政府に問いただすと、これは労基法四条があるということなんですね。確かに労基法四条では、女子であることを理由にして差別してはならないという規定になっております。
しかし、後でごらんになっていただければ、御存じと思いますけれども、まず今日資料をお渡ししました、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する日弁連の意見書がございます。これは二〇〇五年、これが出される前なんですけれども、現在の国会から法案が出される、六月に日弁連として私どもが、差別をなくす、いわゆる基本的人権を守っていくためには職場でどういう法律があったらいいか、それを討議して日弁連として意見書として出し、これに基づいてのシンポもやりました。
その中でも言われているのは、やはり労基法四条があったとしても、今、性による差別、それが最も表面的に現れるのは、何だかんだといろいろ言われますけれども、やっぱり賃金なんですね。そのときに均等法に賃金が入らないということはおかしいと。性による賃金差別はきちっとこの均等法に禁止すべきだ。と同時に、労基法四条で、これは同一価値労働同一賃金を明記すべきだというふうに書かれております。というのは、やはり非正規が非常に多くなってきているんです。
御存じだと思いますけれども、長野県の丸子警報機の中では、いわゆる女性のパートが女性社員と比較した場合に、これは労基法四条は使われませんでした。なぜかといったら、労基法四条は、同一価値労働同一賃金なのかもしれぬけれども、女子であることを理由にというか、女性同士の要するに差別賃金についてはこれは、この規定は用いられないということだったんですね。だから公序良俗違反というふうに来ました。したがって、やはり均等法に賃金差別の禁止を入れるとともに、そして労基法四条は同一価値労働同一賃金、この規定をきちっと規定してもらいたいということが私どもの日弁連の意見書にも書かれております。
もう時間もありませんけれども、私は最後に一言お願いしたいのは、法律は国会で作られます。今、政府案から出されている法律について、私は、やっぱり何十年かの女性労働者の人たちと付き合い、その職場の実態を知り、そしてどんなに差別を受ける者が苦しいものかということを身にしみて感じてきました。先ほど挙げた岡谷は既に十年目、やっと解決いたしました。でも、あの均等法の一日の差で、二人の原告のうち一人は結局完全に敗訴になったわけですよね。今もう一つ挙げた商社兼松は、十年たってまだ裁判は続いております。
女性が裁判を起こすまでに、それは弁護士ですから裁判裁判と言うかもしれませんけれども、どんなに悩み、苦しみ、そしてそれを裁判を起こして十年間、どんな苦しみがあったか。やっとこぎ着けたときに、どんな判決だったか。そのことを思うと、本当にいい法律があったら、それは私たち女子の三十歳定年制の差別事件を争ったときからの、労働者たちのいい法律があったらねというのが、それが合い言葉でした。
だから、今回の、いわゆるこの法案を是非とも、一つでも二つでもいいから、やっぱり女性差別がなくなるように変えていただきたいということが最後のお願いです。
以上です。
山
山下英利#13
○委員長(山下英利君) ありがとうございました。
以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑の時間が限られておりますので、参考人の方々には簡潔な御答弁をよろしくお願い申し上げます。
また、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願い申し上げます。
それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
この発言だけを見る →以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑の時間が限られておりますので、参考人の方々には簡潔な御答弁をよろしくお願い申し上げます。
また、委員長の指名を受けてから御発言いただくようお願い申し上げます。
それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
坂
坂本由紀子#14
○坂本由紀子君 自由民主党、坂本由紀子でございます。
本日は六人の参考人の皆様、貴重な御意見をありがとうございました。大勢いらっしゃるので全員の方にお伺いできないかもしれませんが、その際はお許しいただきたいと思います。
まず、川本参考人にお伺いいたします。
法の規定に仕事と生活の調和を入れるか入れないかということが大分、多くの参考人から御意見が出されました。均等法というのは、できた当初は、女性に対して男性と均等な機会を与えるということで設けられたわけでありまして、制定当時は、家庭責任を負う女性は勤続期間が短いでありますとか、家庭責任を負っているがゆえになかなか男性と同じような働き方ができないではないかとか、あるいは、当時は保護規定がかなりありましたので、そういう中で女性の均等な機会を与えることについては随分労使の間で大きな議論がありました。ですが、二十年たちまして、かつまた今の日本の社会においては、女性の労働力抜きにして企業の経営というのは成り立たないと思うのであります。
そこでお伺いしたいのは、企業として、男女の差別解消に向けての意識ですとか決意を、今般のこの男女雇用機会均等法を機に、具体的にどのように日本経団連としてはお進めいただくのかどうか。つまり、実際にこの程度の規定では企業が自主的にどこまで取り組んでくれるだろうかという懸念を抱いていらっしゃる方が多いかと思うのでありますが、私は、まず第一に、企業が差別解消についての意識を持っていただいて自主的にきちっとお取り組みをいただくということが非常に大事なことではないかと思いまして、その点についての経営側の意識をお伺いしたいというのが一点であります。
それから、二点目は、間接差別の禁止につきまして、これを例示というような形でやった場合に企業の現場で混乱が起こることが予想されるわけでありますが、具体的に予想される混乱の具体例があれば、その辺を更に詳しくお述べいただきたいと思います。
次に、龍井参考人にお伺いいたします。
先ほどお話しになった、男性の正社員基準にそろえられるということではおかしいというお話がありましたが、おっしゃった男性の正社員基準というのは、労働時間でありますとかあるいは労働契約にかかわる話ではないかと思います。そういたしますと、労働時間については、労働基準法等別の法律があるわけでありますが、そういう法律の中での取扱いこそ重要ではないかと思うのでありますが、この点についていかがかという点と、もう一点、労働時間について言えば、労働組合が自主的な取組として、三六協定等を結ぶときに長時間労働を抑制するというような形でのお取組があると思うのですが、この点について十分な機能を果たしているとお考えなのかどうかということをお伺いしたいと思います。
それと、更に加えまして、限定列挙という形で間接差別の禁止の規定を入れるのであれば、そういうことであれば、差別禁止というような規定についてはない方がましだというふうなお考えなんでしょうか。
その点と、さらにパートについては、パートの均衡処遇などはパート労働法等、連合もこれまでいろいろ提案をなさっていらっしゃいますが、そういうことでの取組の方が効果的だとお考えなのかどうかということをお伺いいたします。
今田参考人にお伺いいたします。
今回、審議会の中で労使それぞれの御意見があったかと思います。今回、法改正で盛り込まれている大きな事項をざっと数えましても、差別禁止の範囲の拡大とか、妊娠を理由とする不利益取扱いの禁止ですとか、セクハラ対策の強化、あるいは均等法の実効性の確保等、これら項目の多さ、つまり労働側委員から主張された均等法改正についての項目と、それから経営側委員からそれに関連して主張された項目があったと思うのでありますが、結果としてできたこの均等法の改正と労働基準法の改正を見たときに、どちらの主張が多く取り入れられているのかどうかということをお伺いしたいと思います。
それともう一点、仕事と生活の調和については、これは、このことを均等法の中に入れなければ男女差別というのはなくならないというふうにお考えなんでしょうか。
以上であります。
この発言だけを見る →本日は六人の参考人の皆様、貴重な御意見をありがとうございました。大勢いらっしゃるので全員の方にお伺いできないかもしれませんが、その際はお許しいただきたいと思います。
まず、川本参考人にお伺いいたします。
法の規定に仕事と生活の調和を入れるか入れないかということが大分、多くの参考人から御意見が出されました。均等法というのは、できた当初は、女性に対して男性と均等な機会を与えるということで設けられたわけでありまして、制定当時は、家庭責任を負う女性は勤続期間が短いでありますとか、家庭責任を負っているがゆえになかなか男性と同じような働き方ができないではないかとか、あるいは、当時は保護規定がかなりありましたので、そういう中で女性の均等な機会を与えることについては随分労使の間で大きな議論がありました。ですが、二十年たちまして、かつまた今の日本の社会においては、女性の労働力抜きにして企業の経営というのは成り立たないと思うのであります。
そこでお伺いしたいのは、企業として、男女の差別解消に向けての意識ですとか決意を、今般のこの男女雇用機会均等法を機に、具体的にどのように日本経団連としてはお進めいただくのかどうか。つまり、実際にこの程度の規定では企業が自主的にどこまで取り組んでくれるだろうかという懸念を抱いていらっしゃる方が多いかと思うのでありますが、私は、まず第一に、企業が差別解消についての意識を持っていただいて自主的にきちっとお取り組みをいただくということが非常に大事なことではないかと思いまして、その点についての経営側の意識をお伺いしたいというのが一点であります。
それから、二点目は、間接差別の禁止につきまして、これを例示というような形でやった場合に企業の現場で混乱が起こることが予想されるわけでありますが、具体的に予想される混乱の具体例があれば、その辺を更に詳しくお述べいただきたいと思います。
次に、龍井参考人にお伺いいたします。
先ほどお話しになった、男性の正社員基準にそろえられるということではおかしいというお話がありましたが、おっしゃった男性の正社員基準というのは、労働時間でありますとかあるいは労働契約にかかわる話ではないかと思います。そういたしますと、労働時間については、労働基準法等別の法律があるわけでありますが、そういう法律の中での取扱いこそ重要ではないかと思うのでありますが、この点についていかがかという点と、もう一点、労働時間について言えば、労働組合が自主的な取組として、三六協定等を結ぶときに長時間労働を抑制するというような形でのお取組があると思うのですが、この点について十分な機能を果たしているとお考えなのかどうかということをお伺いしたいと思います。
それと、更に加えまして、限定列挙という形で間接差別の禁止の規定を入れるのであれば、そういうことであれば、差別禁止というような規定についてはない方がましだというふうなお考えなんでしょうか。
その点と、さらにパートについては、パートの均衡処遇などはパート労働法等、連合もこれまでいろいろ提案をなさっていらっしゃいますが、そういうことでの取組の方が効果的だとお考えなのかどうかということをお伺いいたします。
今田参考人にお伺いいたします。
今回、審議会の中で労使それぞれの御意見があったかと思います。今回、法改正で盛り込まれている大きな事項をざっと数えましても、差別禁止の範囲の拡大とか、妊娠を理由とする不利益取扱いの禁止ですとか、セクハラ対策の強化、あるいは均等法の実効性の確保等、これら項目の多さ、つまり労働側委員から主張された均等法改正についての項目と、それから経営側委員からそれに関連して主張された項目があったと思うのでありますが、結果としてできたこの均等法の改正と労働基準法の改正を見たときに、どちらの主張が多く取り入れられているのかどうかということをお伺いしたいと思います。
それともう一点、仕事と生活の調和については、これは、このことを均等法の中に入れなければ男女差別というのはなくならないというふうにお考えなんでしょうか。
以上であります。
山
川
川本裕康#16
○参考人(川本裕康君) ただいま坂本先生の方から御質問を二点ばかりお受けしたのかなと思います。
一つは、企業が、この差別禁止の法等ございますけれども、こういう解消についてどういうふうに取り組んでいくのだろうかと、こういう御質問が第一点目であったかと思います。
実は、私ども日本経団連、様々な報告書や提言書を出しております。あるいは全国にいろんな解説をしに行ったり、また講演をする機会も多く持ってございます。今日までも、様々な法改正等がありましたときはその周知に努めるべく、そういう報告書に文面を記載する、あるいは全国に、講演の中でそういうお話をしてきております。したがいまして、当然この法改正ございませば、この法律の内容についてそういう機会を使いながら内容の周知を図るとともに、またその思いも伝えてまいりたいと思っております。
実は、私ども経労委報告というのを毎年お出しして、お読みいただいている方もいらっしゃるかと思いますが、そういう中でも、余り細かなことは書いてございませんが、この法の遵守ということ、あるいは先ほど言ったワーク・ライフ・バランスであるとか男女同権とか、そういうことというのは常に書きながらその周知を、また思いを伝えることに努めているということでございます。今後もこういうことに努めてまいりたいというのが一つでございます。
それからもう一つ、間接差別、これ例示した場合にどんな混乱が起こるんでしょうかと、具体例というお話がございました。これがまた出すのがなかなか難しいんでありますが、実は今回この審議会で議論に先立ちまして、研究会、学者の先生方がお集まりになった研究会報告が取りまとめられております。それが七つほどあって、そのうちの三項目が今回限定列挙という形で話合いの結果盛り込まれたわけでございます。
例えば、その七つの中にこういう場合もあるかもしれないねということで検討の材料となったわけでございますが、例えば家族手当等の支給の際の世帯主要件が間接差別に当たるんではないかと、こういうものがございます。
実は、一つ申し上げたいのは、家族手当というのは個別企業の労使が長年話し合ってきて労使自治の中でつくり上げてきたものだということでございます。したがって、こういうものがあるところもないところもあるわけですね。あるところは今度支給の要件というのが必要なわけで、これございませんと、夫婦共稼ぎで別々の会社に勤めている場合に、両方の会社が両方ともそういう規定を持っていて払うというと、これダブルになりますですね。かつ労働の対価そのものではございませんので、非常に、もらわない人にとってとの公正性という問題も出てくるということでございます。したがって、支給要件を定めるということになりますが、今一般的に世帯主要件というのが多いわけであります。
この世帯主要件なんですが、実は世帯主を御夫婦のどちらにするかというのはこれ御夫妻の話合いなんですね。男が世帯主にならなきゃいけないとか、いや女性だとか、そういうことではないわけでありまして、したがって、これ実は性別で決まっているわけではないわけでございます。したがって、こういう概念を、例えば間接差別というふうになりますと、これは企業も本当どういう対応をしていいか分からないわけであります。あるいはトラブルが起きてくるということになる。
こういうことがあるわけで、したがって、やはり限定的に予測可能性があるように示していただいて企業は対応していくことがまず一番大事なんじゃないかと。かつ、この概念、今まで日本人は余り慣れてございませんので、先ほど三点の項目申し上げてこれが今回の定義ですということでしたが、こういうものが、だんだんこの考え方が浸透していくというのが重要なんじゃないかなと、こんなふうに思っております。
以上でございます。
この発言だけを見る →一つは、企業が、この差別禁止の法等ございますけれども、こういう解消についてどういうふうに取り組んでいくのだろうかと、こういう御質問が第一点目であったかと思います。
実は、私ども日本経団連、様々な報告書や提言書を出しております。あるいは全国にいろんな解説をしに行ったり、また講演をする機会も多く持ってございます。今日までも、様々な法改正等がありましたときはその周知に努めるべく、そういう報告書に文面を記載する、あるいは全国に、講演の中でそういうお話をしてきております。したがいまして、当然この法改正ございませば、この法律の内容についてそういう機会を使いながら内容の周知を図るとともに、またその思いも伝えてまいりたいと思っております。
実は、私ども経労委報告というのを毎年お出しして、お読みいただいている方もいらっしゃるかと思いますが、そういう中でも、余り細かなことは書いてございませんが、この法の遵守ということ、あるいは先ほど言ったワーク・ライフ・バランスであるとか男女同権とか、そういうことというのは常に書きながらその周知を、また思いを伝えることに努めているということでございます。今後もこういうことに努めてまいりたいというのが一つでございます。
それからもう一つ、間接差別、これ例示した場合にどんな混乱が起こるんでしょうかと、具体例というお話がございました。これがまた出すのがなかなか難しいんでありますが、実は今回この審議会で議論に先立ちまして、研究会、学者の先生方がお集まりになった研究会報告が取りまとめられております。それが七つほどあって、そのうちの三項目が今回限定列挙という形で話合いの結果盛り込まれたわけでございます。
例えば、その七つの中にこういう場合もあるかもしれないねということで検討の材料となったわけでございますが、例えば家族手当等の支給の際の世帯主要件が間接差別に当たるんではないかと、こういうものがございます。
実は、一つ申し上げたいのは、家族手当というのは個別企業の労使が長年話し合ってきて労使自治の中でつくり上げてきたものだということでございます。したがって、こういうものがあるところもないところもあるわけですね。あるところは今度支給の要件というのが必要なわけで、これございませんと、夫婦共稼ぎで別々の会社に勤めている場合に、両方の会社が両方ともそういう規定を持っていて払うというと、これダブルになりますですね。かつ労働の対価そのものではございませんので、非常に、もらわない人にとってとの公正性という問題も出てくるということでございます。したがって、支給要件を定めるということになりますが、今一般的に世帯主要件というのが多いわけであります。
この世帯主要件なんですが、実は世帯主を御夫婦のどちらにするかというのはこれ御夫妻の話合いなんですね。男が世帯主にならなきゃいけないとか、いや女性だとか、そういうことではないわけでありまして、したがって、これ実は性別で決まっているわけではないわけでございます。したがって、こういう概念を、例えば間接差別というふうになりますと、これは企業も本当どういう対応をしていいか分からないわけであります。あるいはトラブルが起きてくるということになる。
こういうことがあるわけで、したがって、やはり限定的に予測可能性があるように示していただいて企業は対応していくことがまず一番大事なんじゃないかと。かつ、この概念、今まで日本人は余り慣れてございませんので、先ほど三点の項目申し上げてこれが今回の定義ですということでしたが、こういうものが、だんだんこの考え方が浸透していくというのが重要なんじゃないかなと、こんなふうに思っております。
以上でございます。
龍
龍井葉二#17
○参考人(龍井葉二君) ありがとうございました。大変四つとも重要な問題提起だと思います。
一点目は、当然、労働時間法制での規制の強化というのは当然必要です。ただ、私が先ほど強調させていただいたのは、均等法という、持っている法律の特徴が、要するに規範を決める法律であると。つまり、労働時間としての上限あるいは例えば残業時間の上限、そういう基準ではなくて、働き方の規範、それから平等という、まあここでいえば均等ということの規範を決める。その規範の在り方が、先ほどの例でいえば今の、極端に申し上げれば、元の長時間残業をするものなのか、あるいは非正規なあるいは有期契約しかないような、じゃ、その私が申し上げた例は、じゃどちらが、みんなが全員不安定雇用になることが望ましい平等の姿なのか、いや、じゃ、みんなが長時間残業することが平等の姿なのか、そうじゃないでしょうと。その規範の在り方の問題としてこの均等法というのが正にその基準を指し示す、そういう役割を持っているということで、労働時間法制は当然でございますけども、あえて申し上げました。
二つ目、労働組合の御指摘、いつも厳しく指摘いただいています。私ども是非これは頑張っていきたいと思いますが、今回の法律に関連する限りは、やっぱりこれは、残念ながら労働組合はまだ組織率が大変低うございます。また、特に事業所単位でいえばほとんどもう組合のある職場が減りつつある。そして非正規のところというのはまして十分に私どもの力が及んでいない。かといって、フランスのように協約でカバーしているかというとできているわけではない。私ども自身の努力は御指摘のとおり精一杯頑張っていきたいと思っていますけれども、それだけでは限界があるというのが正直な実態ではないかと思っております。
三点目、これが入らなければない方がましですかと、これはあえてそういう提起をされていらっしゃると思うんですが、私どもは全くなければいいということを申し上げたいのではない、あくまで実効性があるものにしていただきたいということを再々申し上げています。したがいまして、今の話は、全くこれはもう、それこそこのまま規定が将来的にも変わらないんだという前提でない方がましということでは私はないと思っています。これが、今回の討議を、今国会を通じてでも、あるいはいろいろな確認の場でも、これがこういうふうに変わっていくんだと、あるいはこういう道筋が付けられるんだということが示されるかどうかということで私どもは判断したいと思っております。
四点目、これもおっしゃるとおりで、パートの問題というのは、当然これは均等待遇、これも私どもも要求していますし野党の皆さんも法案を出していらっしゃいます。逆に言えば、もうこの場でそれが、それの法制化ということが確認されるのであれば、私どもはまた別のお願いをしようと思います。ただ、少なくとも今までこの間ずっとこの議論を指摘しているときに、行政の審議する場が縦割りになっていますんで、片方でパートの方の研究会で提起をされればそれは基準法、じゃ基準法の方でそれをやろうと思うと、それは均等待遇とはまた別の問題だ。じゃ、今度は基準法じゃなくて均等法なのかと。結局、言ってみればそれぞれのところで、それぞれにまたがる課題ではありますけれどもたらい回しにされ続けているというのが実情ですので、私は、間接差別禁止でいくのか均等待遇の法制化でいくのか、極端に言ったらそれはいろんな法的効果は違いますけども、どこかでとにかく明らかな道筋を付けていただきたいと、それが先決だというふうに思っております。
よろしくお願いいたします。
この発言だけを見る →一点目は、当然、労働時間法制での規制の強化というのは当然必要です。ただ、私が先ほど強調させていただいたのは、均等法という、持っている法律の特徴が、要するに規範を決める法律であると。つまり、労働時間としての上限あるいは例えば残業時間の上限、そういう基準ではなくて、働き方の規範、それから平等という、まあここでいえば均等ということの規範を決める。その規範の在り方が、先ほどの例でいえば今の、極端に申し上げれば、元の長時間残業をするものなのか、あるいは非正規なあるいは有期契約しかないような、じゃ、その私が申し上げた例は、じゃどちらが、みんなが全員不安定雇用になることが望ましい平等の姿なのか、いや、じゃ、みんなが長時間残業することが平等の姿なのか、そうじゃないでしょうと。その規範の在り方の問題としてこの均等法というのが正にその基準を指し示す、そういう役割を持っているということで、労働時間法制は当然でございますけども、あえて申し上げました。
二つ目、労働組合の御指摘、いつも厳しく指摘いただいています。私ども是非これは頑張っていきたいと思いますが、今回の法律に関連する限りは、やっぱりこれは、残念ながら労働組合はまだ組織率が大変低うございます。また、特に事業所単位でいえばほとんどもう組合のある職場が減りつつある。そして非正規のところというのはまして十分に私どもの力が及んでいない。かといって、フランスのように協約でカバーしているかというとできているわけではない。私ども自身の努力は御指摘のとおり精一杯頑張っていきたいと思っていますけれども、それだけでは限界があるというのが正直な実態ではないかと思っております。
三点目、これが入らなければない方がましですかと、これはあえてそういう提起をされていらっしゃると思うんですが、私どもは全くなければいいということを申し上げたいのではない、あくまで実効性があるものにしていただきたいということを再々申し上げています。したがいまして、今の話は、全くこれはもう、それこそこのまま規定が将来的にも変わらないんだという前提でない方がましということでは私はないと思っています。これが、今回の討議を、今国会を通じてでも、あるいはいろいろな確認の場でも、これがこういうふうに変わっていくんだと、あるいはこういう道筋が付けられるんだということが示されるかどうかということで私どもは判断したいと思っております。
四点目、これもおっしゃるとおりで、パートの問題というのは、当然これは均等待遇、これも私どもも要求していますし野党の皆さんも法案を出していらっしゃいます。逆に言えば、もうこの場でそれが、それの法制化ということが確認されるのであれば、私どもはまた別のお願いをしようと思います。ただ、少なくとも今までこの間ずっとこの議論を指摘しているときに、行政の審議する場が縦割りになっていますんで、片方でパートの方の研究会で提起をされればそれは基準法、じゃ基準法の方でそれをやろうと思うと、それは均等待遇とはまた別の問題だ。じゃ、今度は基準法じゃなくて均等法なのかと。結局、言ってみればそれぞれのところで、それぞれにまたがる課題ではありますけれどもたらい回しにされ続けているというのが実情ですので、私は、間接差別禁止でいくのか均等待遇の法制化でいくのか、極端に言ったらそれはいろんな法的効果は違いますけども、どこかでとにかく明らかな道筋を付けていただきたいと、それが先決だというふうに思っております。
よろしくお願いいたします。
今
今田幸子#18
○参考人(今田幸子君) 時間がないので簡単に。
二つ御質問いただいたと思うんで、一問目ですけれども、我々がのっとっている審議会方式というようなものというのによるということだと思うんです。あれは私は公益委員という形で参加しておりまして、労使という枠組みの中である意味ではほとんど役に立たないのが公益なんだろうと思うんですけれども、労使ががっぷり四つになって、今回でも、間接差別にしろ生活にしろ真っ向から対立するという、そういう図式の中で事務局が資料を提供しながらというのは皆さん御存じだと。これはこの方式であって、それは結局法案がこういう上に上がって国会で議論されるということが前提になるわけですから、審議会の中だけでかんかんがくがくでもう何かよく分からないという議論じゃなしに、当然国会の議論を見据えながらという形で議論をされている、これはもう当たり前のルールである。別の方式のように審議会だけで決まったことがいろんな、すぐそのまま要綱とか何かの形で発動されるという方式じゃないという、それが我々のルールであると思う。その結果、がっぷり四つで労使は非常に本当にぎりぎりまで頑張った議論をされたんだろうと思います。
行政も中に入って、私たちもそれなりの努力をしたということで、どっちとも言えない、非常に私とすれば譲るべきところはお互い譲りながら、ぎりぎりででもという状況で、かなりきつい最後であったということというふうにお答えするしかないなということ。
この枠組みの中で、さっき山田さんがおっしゃったように、差別の問題は労使の合意で決まるようなものじゃないんだという、それは、そういうふうに言えば、もっと別の論点から差別というようなものについてのきちっとしたルールは作るべきだという議論は分からなくはないですけれども、それはどういう訳なのか。国会でも、こういうところでもない、委員会でもなく、もっと何か官邸ぐらいから超党的に落ちてくると考えておられるのか、どういう議論なのか、山田さんに、ここで議論しちゃいけないんですけれども、お聞きしたいぐらいで、やはりこの枠組みの中では今回の案というのはベストというふうに近い。それは、後はここのこの委員会で議論していただくという、そういうことだろうと思います。
あと、第二点、差別という問題と調和という問題は均等法の中でどうなのかという、そういう御質問だったんですけれども、この枠組みが改正均等法ででき上がったということから、あえて調和という哲学をこの均等法の中に置かなければ意味がないんだという龍井さんの御議論だったんですけれども、本来ならば均等実現というそういう目標へ向けて考えた場合には、差別の禁止ということと両立ということ、調和ということ、やっぱり両輪でいかなきゃいけない問題だろうと論理的には思います。
そういう意味では、ただ、そういう形での法律なり枠組みというものが、きちっと形が作られるのかどうか、その辺について私は自信ありません。
現状では、今の均等法、改正均等法においては差別法としての明確な性格を打ち出してきていると。その路線といいますか、それに踏襲された今回の改正ということで、あえて両立という問題、調和という問題は新たなそうした体系的な、多角的なアプローチが可能なようなそういう法律として構想していくというのが今後の方向としてあり得るのかなというふうに、そういうふうに思っております。
以上です。
この発言だけを見る →二つ御質問いただいたと思うんで、一問目ですけれども、我々がのっとっている審議会方式というようなものというのによるということだと思うんです。あれは私は公益委員という形で参加しておりまして、労使という枠組みの中である意味ではほとんど役に立たないのが公益なんだろうと思うんですけれども、労使ががっぷり四つになって、今回でも、間接差別にしろ生活にしろ真っ向から対立するという、そういう図式の中で事務局が資料を提供しながらというのは皆さん御存じだと。これはこの方式であって、それは結局法案がこういう上に上がって国会で議論されるということが前提になるわけですから、審議会の中だけでかんかんがくがくでもう何かよく分からないという議論じゃなしに、当然国会の議論を見据えながらという形で議論をされている、これはもう当たり前のルールである。別の方式のように審議会だけで決まったことがいろんな、すぐそのまま要綱とか何かの形で発動されるという方式じゃないという、それが我々のルールであると思う。その結果、がっぷり四つで労使は非常に本当にぎりぎりまで頑張った議論をされたんだろうと思います。
行政も中に入って、私たちもそれなりの努力をしたということで、どっちとも言えない、非常に私とすれば譲るべきところはお互い譲りながら、ぎりぎりででもという状況で、かなりきつい最後であったということというふうにお答えするしかないなということ。
この枠組みの中で、さっき山田さんがおっしゃったように、差別の問題は労使の合意で決まるようなものじゃないんだという、それは、そういうふうに言えば、もっと別の論点から差別というようなものについてのきちっとしたルールは作るべきだという議論は分からなくはないですけれども、それはどういう訳なのか。国会でも、こういうところでもない、委員会でもなく、もっと何か官邸ぐらいから超党的に落ちてくると考えておられるのか、どういう議論なのか、山田さんに、ここで議論しちゃいけないんですけれども、お聞きしたいぐらいで、やはりこの枠組みの中では今回の案というのはベストというふうに近い。それは、後はここのこの委員会で議論していただくという、そういうことだろうと思います。
あと、第二点、差別という問題と調和という問題は均等法の中でどうなのかという、そういう御質問だったんですけれども、この枠組みが改正均等法ででき上がったということから、あえて調和という哲学をこの均等法の中に置かなければ意味がないんだという龍井さんの御議論だったんですけれども、本来ならば均等実現というそういう目標へ向けて考えた場合には、差別の禁止ということと両立ということ、調和ということ、やっぱり両輪でいかなきゃいけない問題だろうと論理的には思います。
そういう意味では、ただ、そういう形での法律なり枠組みというものが、きちっと形が作られるのかどうか、その辺について私は自信ありません。
現状では、今の均等法、改正均等法においては差別法としての明確な性格を打ち出してきていると。その路線といいますか、それに踏襲された今回の改正ということで、あえて両立という問題、調和という問題は新たなそうした体系的な、多角的なアプローチが可能なようなそういう法律として構想していくというのが今後の方向としてあり得るのかなというふうに、そういうふうに思っております。
以上です。
坂
坂本由紀子#19
○坂本由紀子君 ありがとうございます。
均等法の目指すところは、性によって差別をしないということが基本にあるんだと思います。そして、私たち労働関係を取り巻く法案というのも様々ありますので、そういう法案がきちっとした法の目的に照らしたことをやっていかなくてはいけないだろうと思います。
均等法の中には家庭生活との調和の規定の条文を持っているわけではありませんので、そういう意味で、今田参考人が最後に言われましたが、私は均等法はあるべき姿として均等をきちっと徹底をするということと、今少子化もあって両立支援ということが国家的な重要な課題になっていますので、それはそれできちっとした、別途の法律が様々ありますので、措置することが適当ではないかという思いを申し述べまして、参考人への質問を終わります。
この発言だけを見る →均等法の目指すところは、性によって差別をしないということが基本にあるんだと思います。そして、私たち労働関係を取り巻く法案というのも様々ありますので、そういう法案がきちっとした法の目的に照らしたことをやっていかなくてはいけないだろうと思います。
均等法の中には家庭生活との調和の規定の条文を持っているわけではありませんので、そういう意味で、今田参考人が最後に言われましたが、私は均等法はあるべき姿として均等をきちっと徹底をするということと、今少子化もあって両立支援ということが国家的な重要な課題になっていますので、それはそれできちっとした、別途の法律が様々ありますので、措置することが適当ではないかという思いを申し述べまして、参考人への質問を終わります。
谷
谷博之#20
○谷博之君 民主党・新緑風会の谷博之でございます。
今日は、六人の参考人の皆様には大変それぞれのお立場から御意見を賜りまして、ありがとうございます。
私も、時間の関係で全員の方々にはちょっとお聞きできないということで大変申し訳ないと思っておりますが、質問をする私の基本的な立場というのは、先ほど連合の龍井参考人もお話ございましたように、今度の法改正でこの法律の理念に仕事と生きがいの調和を入れるべきだ、あるいは間接差別を限定列挙したことの妥当性はない、そして指針で例示列挙すべきだ、さらにまたポジティブアクションの義務化の明記、こういうことについて行うべきだ、こういう視点から御質問をさせていただきたい、自分のスタンスを明らかにさせていただきたい、このように思っております。
そしてまた、いろいろ御説明いただいておりますので、ちょっとそれを触れられている部分もあると思います。したがって、重複する質問になるかもしれませんが、ある意味では集約的な御答弁、御見解をいただくということで簡潔にひとつお答えいただきたいと思うんです。
まず、山田参考人に幾つかお聞きしたいと思いますが、一番大きな話ですが、まず今回の均等法改正の全体的な評価をどのように見ておられるか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
この発言だけを見る →今日は、六人の参考人の皆様には大変それぞれのお立場から御意見を賜りまして、ありがとうございます。
私も、時間の関係で全員の方々にはちょっとお聞きできないということで大変申し訳ないと思っておりますが、質問をする私の基本的な立場というのは、先ほど連合の龍井参考人もお話ございましたように、今度の法改正でこの法律の理念に仕事と生きがいの調和を入れるべきだ、あるいは間接差別を限定列挙したことの妥当性はない、そして指針で例示列挙すべきだ、さらにまたポジティブアクションの義務化の明記、こういうことについて行うべきだ、こういう視点から御質問をさせていただきたい、自分のスタンスを明らかにさせていただきたい、このように思っております。
そしてまた、いろいろ御説明いただいておりますので、ちょっとそれを触れられている部分もあると思います。したがって、重複する質問になるかもしれませんが、ある意味では集約的な御答弁、御見解をいただくということで簡潔にひとつお答えいただきたいと思うんです。
まず、山田参考人に幾つかお聞きしたいと思いますが、一番大きな話ですが、まず今回の均等法改正の全体的な評価をどのように見ておられるか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
山
山田省三#21
○参考人(山田省三君) 今御質問にありましたように、基本的には先ほどの性差別の対象が男女に広がったということと、妊娠、出産等についての差別が保障、保護が拡大されたことはやっぱり評価するんですけれども、これは議論の分かれ目ですけれども、仕事と生活の調和を理念に入れるかどうか、あるいは間接差別の限定列挙についてはかなり、それについては大きな疑問を持っております。
この発言だけを見る →谷
谷博之#22
○谷博之君 続いて、仕事と生活の調和という理念を均等法に入れるという、こういうことについてお聞きしたいと思いますが、仕事と生活の調和という理念を均等法に入れても、その理念を実現する具体的な規定が存在しない限り不適切ではないかと、こういうふうな考え方があります。それからまた、仕事と生活の調和というこの理念は育児・介護休業法を始めとする他の法律のそういうものも含めて総合的になされるべきであると、こういうふうに考えているわけですが、こういう点についての御見解をお伺いしたいと思います。
この発言だけを見る →山
山田省三#23
○参考人(山田省三君) 今御指摘ありましたように、この理念について、一つが、実質的に仕事と生活の調和という理念を実現化する具体的な対応する規定が均等法にないではないかというのが一つ言われていると。御指摘のとおりなんですけれども、これに対しては、先ほど申しましたように、一つには、二つの質問に一緒に答えさせていただきますけれども、生活というのは家庭だけに限定するものではなくて、そういう意味で、それは育児・介護休業法が基本的に対応しているわけですけれども、あるいは労働時間については労働基準法が対応しているんでしょうけれども、それは、やっぱり平等の在り方は、一つには、先ほど申しましたように、間接差別についての条項について解釈する場合には、単身赴任とか転勤条項というものを考えれば、単に転勤条項そのものよりも、その背景にある社会的な状況というのを無視しては間接差別はこの三つに限定しても成り立たないわけですから、そういう意味で、そういったものを、差別の理念を検討する場合の一つの解釈理念としてこの仕事と生活の調和というのが不可欠ではないかということが一つ言えて、そういう意味で、家庭生活ですね、育児、介護に生活を限定しないということで、もう一つが、立法理念として、これが解釈理念として含まれるということになりますね。
立法技術的に無理だと、それは恐らく立法の判断で、必ずしもこれ入れたら立法の面でおかしいということではないと思います。現に、今度の改正法案でも、この二条ですけれども、「労働者が性別により差別されることなく、」、それでまたその後ですね、女性労働者にあっては「母性を尊重されつつ」、これが、母性尊重と言っているのが妊娠、出産差別の今回の保護の拡大につながっていると思いますけれども、その後、「充実した職業生活を営むことができるようにする」という目的が入っているんですね。
これは別に、これ具体的にどれが対応しているかというと、必ずしもそうではないと思いますので、それは理論的にも、法理論的にも、立法論的にもそういった対応する規定がないから立法は要らない、私の個人の見解では十分対応している、その解釈理念として対応することになるんですけれども、そういった意味で具体的規定に対応していないという批判は当たらないんではないかと私は考えております。
以上です。
この発言だけを見る →立法技術的に無理だと、それは恐らく立法の判断で、必ずしもこれ入れたら立法の面でおかしいということではないと思います。現に、今度の改正法案でも、この二条ですけれども、「労働者が性別により差別されることなく、」、それでまたその後ですね、女性労働者にあっては「母性を尊重されつつ」、これが、母性尊重と言っているのが妊娠、出産差別の今回の保護の拡大につながっていると思いますけれども、その後、「充実した職業生活を営むことができるようにする」という目的が入っているんですね。
これは別に、これ具体的にどれが対応しているかというと、必ずしもそうではないと思いますので、それは理論的にも、法理論的にも、立法論的にもそういった対応する規定がないから立法は要らない、私の個人の見解では十分対応している、その解釈理念として対応することになるんですけれども、そういった意味で具体的規定に対応していないという批判は当たらないんではないかと私は考えております。
以上です。
谷
谷博之#24
○谷博之君 今もお触れいただきましたけれども、その間接差別の問題で、先ほどの説明でイギリスの例を挙げておられて御説明をいただいたわけですけれども、諸外国のこうした状況、特に限定列挙した法律というのはあるんでしょうか。
この発言だけを見る →山
山田省三#25
○参考人(山田省三君) 諸外国では、イギリスが一九七五年に性差別禁止法を定めておりますし、EUの指令でもあって、各国にこれは、EUの指令は各国、加盟国を拘束することになりますので、そういった立法がなされております。そして、この彼らの立法の中で、私知る限りでは、これを限定列挙した法律、間接差別の範囲を限定列挙した法律は私の見た幾つかの法律の中ではありません。そういう意味では、日本の法律はかなり特異な、世界的に見ても特異な間接差別の規定ではないかと考えます。
この発言だけを見る →谷
谷博之#26
○谷博之君 ありがとうございました。
それでは、続いて西村参考人にちょっとお伺いしたいんですが、先ほど御説明の中で、同一労働同一賃金を定めたこの実定法が日本にあるのかないのかについてお聞きしたいというふうに思っておりますが、四月十九日のいわゆる参議院の本会議で我が党の和田議員が大臣に質問をいたしまして、その内容は先ほど御説明をいただきました。一言で言えば、大臣はあると。一方では、この委員会で、昨日の円理事の質問に対して北井局長はないと、こういうふうに答えているわけですが、これは明らかに矛盾をしているというふうに思うんです。
西村参考人の配付していただいたこの新聞のコピー、資料四でしょうか、これを見ておりますと、二〇〇一年の最高裁裁判官協議会の見解が新聞記事で紹介されていますけれども、こういう、先ほどの申し上げたような本会議と委員会の食い違い答弁等も含めて、西村参考人としてはここのところをどのように見ておられるか、どういうふうに考えておられるか、お聞きしたいと思います。
この発言だけを見る →それでは、続いて西村参考人にちょっとお伺いしたいんですが、先ほど御説明の中で、同一労働同一賃金を定めたこの実定法が日本にあるのかないのかについてお聞きしたいというふうに思っておりますが、四月十九日のいわゆる参議院の本会議で我が党の和田議員が大臣に質問をいたしまして、その内容は先ほど御説明をいただきました。一言で言えば、大臣はあると。一方では、この委員会で、昨日の円理事の質問に対して北井局長はないと、こういうふうに答えているわけですが、これは明らかに矛盾をしているというふうに思うんです。
西村参考人の配付していただいたこの新聞のコピー、資料四でしょうか、これを見ておりますと、二〇〇一年の最高裁裁判官協議会の見解が新聞記事で紹介されていますけれども、こういう、先ほどの申し上げたような本会議と委員会の食い違い答弁等も含めて、西村参考人としてはここのところをどのように見ておられるか、どういうふうに考えておられるか、お聞きしたいと思います。
西
西村かつみ#27
○参考人(西村かつみ君) この付けさせていただいた資料ですけれども、私たちにとって非常に大切な賃金の問題があいまいになっているということで付けさせていただきました。
これは、発表されたのは二〇〇一年八月なんですけれども、実際、その最高裁が招集された裁判官協議会というのは一九九八年に開かれております。それで、ある弁護士が資料開示を請求してこれが出てきたというような内容なんですけれども、結局、その採用区分が違っていたときに、賃金で格差があった場合、それは違法かどうかということで、裁判官を集めて、労働裁判官を集めて研修みたいな形でされているんですね。そこでは、採用区分が違っておれば賃金格差があっても仕方がないという結論に達しているんです。
その理由として、付けさせていただいたこの資料の六枚目にありますけれども、百七十一ページという形になっていますけれども、上から十行目ぐらいです。また、実定法上、同一労働同一賃金の原則を定めた規定も見当たらないという、だから違法とは言えないという形で出されているんですね。
でも、ILOの条約も批准しておりますし、そういう状況の中でこんなふうになっていていいんだろうかということでこれは付けさせていただきました。是非、均等法でこの辺はきっちりしていただきたいなということです。
この発言だけを見る →これは、発表されたのは二〇〇一年八月なんですけれども、実際、その最高裁が招集された裁判官協議会というのは一九九八年に開かれております。それで、ある弁護士が資料開示を請求してこれが出てきたというような内容なんですけれども、結局、その採用区分が違っていたときに、賃金で格差があった場合、それは違法かどうかということで、裁判官を集めて、労働裁判官を集めて研修みたいな形でされているんですね。そこでは、採用区分が違っておれば賃金格差があっても仕方がないという結論に達しているんです。
その理由として、付けさせていただいたこの資料の六枚目にありますけれども、百七十一ページという形になっていますけれども、上から十行目ぐらいです。また、実定法上、同一労働同一賃金の原則を定めた規定も見当たらないという、だから違法とは言えないという形で出されているんですね。
でも、ILOの条約も批准しておりますし、そういう状況の中でこんなふうになっていていいんだろうかということでこれは付けさせていただきました。是非、均等法でこの辺はきっちりしていただきたいなということです。
谷
谷博之#28
○谷博之君 今回のこの改正案の中に、出されてきているその法改正案の中に、いわゆるその第二節に「事業主の講ずべき措置」というのがありまして、そこに「職場における性的な言動に起因する問題に関する雇用管理上の措置」という、こういう大きな柱があるわけですけれども、これに関連して、実は私どもは修正案を提出すべく準備をしておりまして、その中に、この問題については、特にジェンダーハラスメントの問題ですね、この言葉についての解釈、いろいろありますけれども、いわゆるセクシュアルハラスメント以外の様々な性別による差別というものが現実にあるということになれば、そういうものも含めたいわゆる性別による固定的な役割分担等の意識に基づく言動、こういうものも含めたそういうふうな事柄に対する問題というのはやっぱり大事になってくるんだろうというふうに思うんですね。
現実に、まあこれはもうほとんど事例はなくなったというふうに思っていますが、昔、例えば公務員なり学校の先生なりが御夫婦で勤めておられると、片一方の御主人というか、夫の方が校長先生になると妻の方はどうしてもそういうことはなれないといいますか、そういういわゆる辞めざるを得ない方向に持っていかれるとか、そういうふうなことが現実にありました。そういうことを考えますと、非常にこれはある意味では大きなやはり問題だというふうに思うんですが。
そこで、西村参考人にお伺いしたいのは、そういうふうな事柄が、お勤めになっているその会社の中でも具体的にそういう問題が起きているかどうか、あるいはあるかどうかですね、ちょっとお答えにくいかと思いますけれども、お聞かせいただきたいと思っています。
この発言だけを見る →現実に、まあこれはもうほとんど事例はなくなったというふうに思っていますが、昔、例えば公務員なり学校の先生なりが御夫婦で勤めておられると、片一方の御主人というか、夫の方が校長先生になると妻の方はどうしてもそういうことはなれないといいますか、そういういわゆる辞めざるを得ない方向に持っていかれるとか、そういうふうなことが現実にありました。そういうことを考えますと、非常にこれはある意味では大きなやはり問題だというふうに思うんですが。
そこで、西村参考人にお伺いしたいのは、そういうふうな事柄が、お勤めになっているその会社の中でも具体的にそういう問題が起きているかどうか、あるいはあるかどうかですね、ちょっとお答えにくいかと思いますけれども、お聞かせいただきたいと思っています。
西
西村かつみ#29
○参考人(西村かつみ君) やはりいまだに女性側とすれば、結婚して、まあ結婚は、今結婚ですぐに辞めるというのは少なくなりましたけれども、妊娠をした場合に、いろいろな形で、言葉だけではなくて、その仕事の面とかでもいろいろな形でやはり続けにくくなっているという状況はありますね。ですから、独身の場合ですと働き続けれるんだけれども、結婚して子供を産んだ場合に非常に厳しいという状況はあります。
妊娠して休まないといけない場合は、やはり周りの方にいろいろ迷惑が掛かり、迷惑というか、やっぱり大変です。そうしたら、その代わりの方を何とかしてもらわないといけないんですけれども、その辺がフォローされないと。そうすると、やっぱりその本人が気持ち的に非常にしんどくなって辞めていくという形もありますね。
この発言だけを見る →妊娠して休まないといけない場合は、やはり周りの方にいろいろ迷惑が掛かり、迷惑というか、やっぱり大変です。そうしたら、その代わりの方を何とかしてもらわないといけないんですけれども、その辺がフォローされないと。そうすると、やっぱりその本人が気持ち的に非常にしんどくなって辞めていくという形もありますね。