農林水産委員会

2015-09-10 参議院 全125発言

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会議録情報#0
平成二十七年九月十日(木曜日)
   午前十時開会
    ─────────────
   委員の異動
 九月八日
    辞任         補欠選任
     阿達 雅志君     堀井  巌君
     高野光二郎君     馬場 成志君
     野田 国義君     柳田  稔君
 九月九日
    辞任         補欠選任
     山口那津男君     横山 信一君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         山田 俊男君
    理 事
                野村 哲郎君
                山田 修路君
                徳永 エリ君
                紙  智子君
    委 員
                金子原二郎君
                小泉 昭男君
                古賀友一郎君
                中泉 松司君
                馬場 成志君
                堀井  巌君
                舞立 昇治君
                小川 勝也君
                郡司  彰君
                柳澤 光美君
                柳田  稔君
                平木 大作君
                横山 信一君
                儀間 光男君
                山田 太郎君
   国務大臣
       農林水産大臣   林  芳正君
   副大臣
       総務副大臣    二之湯 智君
       農林水産副大臣  あべ 俊子君
   大臣政務官
       農林水産大臣政
       務官       佐藤 英道君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        稲熊 利和君
   政府参考人
       農林水産大臣官
       房総括審議官   佐藤 速水君
       農林水産大臣官
       房統計部長    佐々木康雄君
       農林水産省消費
       ・安全局長    小風  茂君
       農林水産省生産
       局長       今城 健晴君
       農林水産省経営
       局長       奥原 正明君
       農林水産省農村
       振興局長     末松 広行君
       農林水産省農林
       水産技術会議事
       務局長      西郷 正道君
       水産庁長官    佐藤 一雄君
       経済産業省貿易
       経済協力局貿易
       管理部長     高田 修三君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○独立行政法人に係る改革を推進するための農林
 水産省関係法律の整備に関する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ─────────────
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山田俊男#1
○委員長(山田俊男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、野田国義君、高野光二郎君、阿達雅志君及び山口那津男君が委員を辞任され、その補欠として柳田稔君、馬場成志君、堀井巌君及び横山信一君が選任されました。
    ─────────────
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山田俊男#2
○委員長(山田俊男君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 独立行政法人に係る改革を推進するための農林水産省関係法律の整備に関する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産大臣官房総括審議官佐藤速水君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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山田俊男#3
○委員長(山田俊男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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山田俊男#4
○委員長(山田俊男君) 独立行政法人に係る改革を推進するための農林水産省関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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古賀友一郎#5
○古賀友一郎君 おはようございます。自由民主党の古賀友一郎でございます。
 質問に入ります前に、去る一日未明、対馬沖で漁船五隻が転覆する事故が発生し、懸命の救助捜索活動にもかかわらず、乗組員八名のうち五名の方が亡くなりました。心から御冥福をお祈り申し上げます。
 また、同日、山口県の角島沖でも漁船が転覆し、お一人がいまだ行方不明とのことでございます。
 今回の事故発生時には竜巻が発生していたのではないかということでありますけれども、政府におかれましては、この事故原因の究明と再発防止対策についても御尽力いただきますようよろしくお願いを申し上げまして、質問に入りたいと思います。
 今日は独法改革法案の審議ということでありますけれども、その前に諫早湾干拓開門訴訟について質問いたします。
 今週の七日、小長井・大浦漁業再生請求事件について、一審の長崎地裁に続き、福岡高裁も開門請求を退ける判決を下しました。前回、開門請求を認めた福岡高裁で今度は全く正反対の判断が下されたということになりますけれども、政府は今回の判決をどのように評価されているのか、これは林大臣にお伺いしたいと思います。
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林芳正#6
○国務大臣(林芳正君) 長崎県及び佐賀県の漁業者が諫早湾干拓排水門の開門及び損害賠償を求めた訴訟、長崎一次開門請求訴訟でございますが、九月七日に福岡高裁におきまして開門請求及び損害賠償請求のいずれも棄却する内容の判決が出されました。これは、開門請求及び損害賠償請求を認めるべきではないという国の主張を認めていただいたものと、こういうふうに受け止めております。
 一方、国は開門義務と開門禁止義務の相反する二つの義務を負っており、厳しい立場に置かれておる状況でございます。このため、諫早湾干拓事業をめぐる一連の訴訟について速やかに最高裁判所の統一的な判断を求めていく必要があると考えておりまして、引き続き関連訴訟に適切に対応するとともに、問題の解決に向けて関係者間の接点を探る努力を続けてまいりたいと思っております。
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古賀友一郎#7
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 今回の判決について、私も判決理由も読みましたけれども、漁業補償契約の解釈で少し疑義はありますものの、この最新の高裁判断が開門請求を棄却したことの意味というのは大変非常に大きいと、このように思っております。
 ただ、私はかねてから申し上げておりますように、もう一つの福岡高裁確定判決は、その確定した経緯に納得性がないだけではなくて判決理由自体も無理な論理でありまして、しかも、漁業補償政策に大きな禍根を残すものでありますから、やはりこの問題はどうしても最高裁の判断を得ることによって決着させる必要があると考えております。
 今、林大臣からも最高裁の統一的見解を得るということの必要性をおっしゃっていただきましたので、政府もしっかりこれからも対応していただきますよう、よろしくお願い申し上げたいと思います。
 この福岡高裁確定判決につきましては、もう一つ、国が開門しないことによって制裁金を原告側に支払い続けているという問題がございます。昨年の六月十二日から日一日と積み上がってまいりました制裁金は、本日の支払で二億七千万円を超えます。
 この対策として、現在政府は、確定判決の執行力を排除するための請求異議訴訟を争っているところでありますけれども、その裁判で今回新たな主張を追加されました。それは、開門請求の根拠となっている漁業権は、存続期間の十年を経過し平成二十五年八月末に既に消滅しているというものでありまして、その主張はお手元配付資料にありますように平成元年七月十三日の最高裁判決によって裏付けられております。
 最高裁判決に基づく主張だけに非常にこれは有力な主張だと思いますけれども、この主張が認められれば、制裁金の支払が始まった時点より前に漁業権は既に消滅しているわけでありますから、国が支払う制裁金は全額国庫に返還されることになるのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。また、その場合の利息についても併せてお伺いいたします。
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末松広行#8
○政府参考人(末松広行君) お答えいたします。
 国は、請求異議訴訟において、平成二十二年の福岡高裁確定判決の執行力の排除を求めて争っているところでございます。そのため、裁判の行く末に関して予断を持ったお答えをすることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
 その上で、一般論としてお答えいたしますと、請求異議訴訟において原告が勝訴し既にされた間接強制決定が取り消された場合、それまでに支払った間接強制金について不当利得として返還請求をすることができる場合があるということは議員御指摘のとおりでございます。
 また、不当利得返還請求において、相手側が悪意の受益者、すなわち自分の受けた利益が法律上の原因なしに得た利益であることを知っていながら利益を受けた者に該当する場合、民法七百四条の規定に基づき、利息を付して返還しなければならないということになっております。なお、この場合には、民法四百四条の規定により法定利息が年五%とされているところでございます。
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古賀友一郎#9
○古賀友一郎君 ありがとうございました。不当利得で返還されるケースがあるということでありました。
 この制裁金支払に対する税金の無駄遣いという批判は、私はこれは看過できないんだと、このように思っております。今はもう消費税を引き上げてまで社会保障を維持しようというさなかでもございますから、是非これは国民の批判に堪え得るようにしっかりと対応していただきたいと思います。
 今回の福岡高裁判決は、有明海全体どころか諫早湾近傍部ですら干拓事業と漁業被害の因果関係が否定をされたわけでありますけれども、現実問題としてこの有明海での貝類等の漁獲は減っております。その典型はタイラギという貝でございますけれども、昔は年間三万トン以上も捕れていたのに近年はほとんど捕れなくなってしまいました。したがって、この開門問題とは別にしても、諫早湾近傍部を含めた有明海再生の取組は重要な課題と、このように思っております。
 そこで、今日の議題である独法改革法案にも関係するわけでありますが、今回統合の対象となっている水産総合センターではタイラギの養殖技術の開発に取り組んでいるということで、私も有明海のタイラギ復活に大いに期待をしているところでありますが、これまでの成果と今後の取組について伺いたいと思います。
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佐藤一雄#10
○政府参考人(佐藤一雄君) 古賀先生の御質問にお答えいたします。
 今、先生から御指摘いただきました水産総合研究センターでございますが、ここにおきまして、水産庁の委託事業、二枚貝人工種苗生産技術開発事業というものによりまして、長崎県、福岡県、佐賀県、そして熊本県の四県の試験研究機関との連携の下に、平成二十六年度からでありますが、有明海で資源減少が著しいタイラギの人工種苗生産技術の開発や、その過程で得られました稚貝による垂下式養殖の試験等に取り組んできているところでございます。
 これまでの成果と今後の課題でございますが、まずこの人工種苗生産技術につきましては、平成二十六年度には約二十八万個体の着底稚貝が生産できたわけでございますが、同じ施設、同じ手法で平成二十七年度に実施した結果、約五千個体の生産となっておりまして、現状では再現性に課題があるというふうに認識しているところでございます。
 また、垂下式養殖試験でございますが、長崎県の小長井地先及び佐賀県の大浦地先の海域で、現在、三百六十個体が平均十一センチ程度まで成長しているわけでございますが、一方で、全く成長せずに死滅した海域もございまして、要因分析が必要となっているところでございます。
 引き続き、安定的な人工種苗生産技術の確立、垂下式養殖に必要な諸条件の究明に取り組んでいきたいと、このように考えているところでございます。
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古賀友一郎#11
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 この再現性について、まだ大きな課題がありそうであります。実際の商用化ということを期待したいところでありますけれども、まだそういった意味ではハードルがありそうでありますが、このタイラギは有明海の象徴とも言える貝でございますので、是非今後ともしっかり取り組んでいただきたいとお願い申し上げたいと思います。
 また、この水産総合センターでは、タイラギ以外にも様々な養殖技術の開発を行っているということでございますが、特にクロマグロの養殖技術、それから、私も昨年の六月の当委員会で取り上げましたニホンウナギについては、シラスウナギからの完全養殖に成功したということで大変注目をいたしております。
 そこで、これらの養殖技術の開発についても、これまでの成果と今後の課題についてお聞かせください。
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佐藤一雄#12
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。
 今、先生の方からございましたが、クロマグロの養殖の種苗のほとんどは天然資源に依存しておりまして、ウナギ養殖の種苗につきましては、これが全量が天然資源に依存すると、こういうふうな状況になっておりまして、太平洋クロマグロの資源状態の悪化、あるいはシラスウナギの漁獲量の低迷によりまして種苗供給というものが不安定な状況になっておりますため、これら人工種苗の量産化が喫緊の課題となっていると、このように認識しているところでございます。
 まず、クロマグロにつきましては、平成十四年に近畿大学が世界で初めて完全養殖に成功しまして、平成二十六年に水産総合研究センターが陸上水槽の人為的環境の下で、天然の親魚では主に四歳から五歳以上で産卵するわけでございますが、研究センターの方で、三歳魚から成熟、採卵させる等の成果が得られているところでございます。
 課題といたしましては、このふ化した仔魚の生存率、全長が五センチのものでございますが、これが二から六%というような数字になっていまして、やはりこの生存率の向上や幼魚期における優れた飼料開発等が課題となっております関係上、農水省といたしましては、この予算を二十八年度要求に盛り込んだところでございます。
 また、ウナギでございますが、これにつきましては、平成二十二年に水産総合研究センターが世界で初めて完全養殖に成功しておりまして、平成二十五年には同センターが新たに開発した一トン型の大型水槽でシラスウナギの生産に成功しておるといった、このような成果が得られているところでございますが、課題といたしましては、ふ化仔魚の生存率、これは一・五%ということになっておりまして、この向上や低コスト化を図るために、給餌システムの改良あるいは飼育水の効率的な交換、新たな飼料開発等が課題となっておりまして、水産総合研究センターを中心に、産学官の連携により、ここについて取り組んでいるところでございます。
 以上でございます。
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古賀友一郎#13
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 大変夢がありそうな感じがいたしますけれども、現実問題として見ると、やはり種苗の量産あるいはその生存率といった、いろんなやっぱりまだまだ越えなければいけないハードルがあるようであります。
 ただ、これからはやはり捕る漁業よりも育てる漁業ということで、養殖によって必要な魚を確保していくことが、資源管理の面であるとか、あるいは漁業経営の安定の面からも大変重要なポイントになってくると、このように思っておりますので、是非引き続いて頑張っていただきたいと、このようにお願い申し上げたいと思います。
 次に、新たに四法人を統合することによって発足しようとしております農業・食品産業技術総合研究機構についてでございますけれども、その統合によって基礎的研究と応用研究を一貫して行いまして、生産現場と連携した攻めの農業に資する研究を推進しようということであります。私もそうした戦略的な取組に大変期待をするところでありますが、具体的には、この研究テーマの設定について、生産現場の声をどのように取り込んでいくのか、また、そうして生み出した研究成果を広く生産現場にどうやって普及をさせていくかということがポイントではないかなと、このように思っておりますが、その点についての今後の取組について伺えればと思います。
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西
西郷正道#14
○政府参考人(西郷正道君) 農水省では、食料・農業・農村基本計画を策定するのと併せまして、研究面につきましても農林水産研究基本計画というものを定めております。この中で、生産現場等が直面する問題を速やかに解決するということを重要な目標としているところでございます。これに即しまして新法人に中長期目標を示すわけでございますけれども、この中で生産現場等が直面する問題解決にきちんと取り組むよう指示をするというふうな方針でおります。
 具体的には、地域にございます農業研究センターなどで研究課題を設定する際に、実際の農業者の方々とかあるいは普及員の意見、こういった方々の現場の声を取り入れるという新たな仕組みといたしまして、地域の先進的な農業経営者などで構成するアドバイザリーボードを新設したりとか、あるいは研究ニーズの把握や課題抽出に取り組むコミュニケーターの配置などを行うことを検討してございます。
 また、普及につきましては、特に産学官の連携などを強化するということで、普及組織や民間企業に技術を円滑に移転し、検証、改良していくという仕組みといたしまして、都道府県の公設試、プロジェクト推進に必要な関係機関との調整を行う研究コーディネーターとか、あるいは食農ビジネスに関する研究を進めるためのマーケティングリサーチや戦略的なプロモーションを含めた連携、普及活動が行えるような食農ビジネス推進センターといったものを新設する方向でございまして、このようなことによりまして、研究成果の現場への円滑な普及に努めてまいりたいと存じております。
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古賀友一郎#15
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 是非、統合を期して新しい取組をやっていただいて、その統合の成果が実感できるような、現場が実感できるような、そういう新しい法人として頑張っていただきたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 本日の本来の課題は独法の改革でございますけれども、先月二十八日には農協の改革法案が成立したわけであります。本会議の討論では、儀間委員から我々与党議員に対しての大変厳しい御指摘も賜ったところでございますけれども、我が国の農業が危機的な状況にある中で、農協もこのままではいけないという認識は恐らく広く共有できているのではないかなと、このように思います。ただ、今回の法改正では、JAグループや農業委員会の組織論ばかりにスポットが当たり過ぎて、農業や農家にとってのより本質的な課題が見えにくくなってしまったことが議論を分かりにくくしてしまったのではないかと、このように感じております。
 その本質的な課題という観点から私が注目いたしましたのは、先月十八日の当委員会参考人質疑で、全国農協青年組織協議会、通称全青協の天笠淳家会長が資料として提出されました「JA全青協ポリシーブック二〇一五」でありました。その冊子では、これからの日本農業を担う若手農家の視点から、何が課題なのか、その課題解決のために農家自身がまず何をすべきか、そして農協が何をすべきか、さらには政府、行政に何をしてもらうかということが、まさに自助、共助、公助の観点から網羅的に列挙をされているわけであります。全青協によりますと、内容的にはこれからブラッシュアップしたい、していかなければならないという話で伺っておりますが、非常に示唆に富む指摘が多いと感じました。
 その中でも私が特に注目したのは、農畜産物の価格形成に関する問題提起の部分でございました。これは配付資料の二ページに抜粋しておりますけれども、概略このように書かれております。大半の農畜産物の市場・販売価格が生産費を下回り、適正な価格となっていない、また、スーパーなどの量販店の力が強く、売値を基に仕入れ値を決められているので販売価格が伸びないということであります。
 私がこれに注目した理由は、もしこれが事実であるとするならば、要するにコスト割れなのに価格を抑えられているというわけでありますから、日本農業衰退の構造的な問題ではなかろうかと思うからであります。我が国の農業が持続可能であるためには、当然ながら労働に見合った所得が得られなければならないということは自明でありますけれども、仮にそうした構造によって農業の魅力が失われて衰退しているとすれば、非常にこれは本質的な問題でございまして、幾らもうかる農業などといってほかの対策を頑張ったとしてもむなしいのではないかと、このように思うところであります。
 実は、こうした指摘はこの全青協だけではございませんで、当委員会の現地視察でも私自身伺ったことがございましたし、これは水産物についても私自身、地元で同様の話を聞くことがございますから、事は一次産業全体の構造的問題ではないかと懸念をいたしております。ただ、そもそも事実として正しいのかどうかということが確認できているわけではございませんし、仮に事実だとしても、その解決は一筋縄ではいかない難しい問題だということも認識はいたしております。
 このポリシーブックでは、解決方策として、生産費に見合った所得補償制度、あるいは生産費に見合った最低取引価格の設定といったことが提案されておりますけれども、それが意味するところは、片や納税者負担であり、片や消費者負担ということでありますから、いずれにしても国民負担につながるわけでございますし、また、これまでの政策の流れとしても、食管制度や減反制度のような政府による価格維持政策から、新しい米政策のように生産者が各自判断する方向に転換してきているという、そういう流れもあるわけであります。しかし、さはさりながら、事はこの農業再生の本質に関わる問題でありますから、私は、この指摘に対して正面から取り組む、少なくとも事実関係について検証してみる必要があるのではないかと、このように思っております。
 さきの農協法案審議の中で、私は、農協の本質がバーゲニングパワーの発揮にあるとするならば、単協中心主義を強調するだけでなく全農をもっと活用すべき旨主張をいたしました。私も売手と買手のパワーバランスが崩れているのではないかという問題意識を持っておりますけれども、そうした根源的な問題については今回の農協法案ではほとんど議論されておりませんし、農水省の事務方の皆さんとやり取りする中でも特に意識されているようには感じられません。
 そこで、ここは林大臣にお伺いしたいのでありますけれども、こうした構造的な問題についてどのように認識をされておられるのか。私は、農協改革がスタートするこの機会を捉えて、政府や農業、農協関係者を始め、流通業者や消費者も含め、この事実関係の確認から問題意識の共有あるいは解決方策の模索について検討するための全庁横断的なプロジェクトチームを立ち上げてもよいと、このように思いますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか、お聞かせください。
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林芳正#16
○国務大臣(林芳正君) この農畜産物の価格、これは基本的にはやはり需給を反映して決定されると。先ほど政策の方向にも触れていただきましたが、そういう中でニーズに対応した付加価値の高い農畜産物の生産拡大、これが大変にこの成長産業化に向けて大事だろうと、こう思っております。
 我々が決めましたこのプランにおいても、需要サイドの取組というのを非常に一つの大きな柱にしまして、供給サイドと需要サイドをつなぐバリューチェーンとともに三本柱ということでやってきたわけでございまして、やはりここを更に力を入れていくということが大事であろうと、こういうふうに思っております。
 優れた品種とか生産技術といったサプライサイドは強いわけですが、マーケット・インという考え方でニーズに的確に対応して、品質それからやはりブランド力、こういう強みを持った産地化、これを推進をすることが大事であろうと、こういうふうに思っております。新品種・新技術の開発・保護・普及の方針、これを取りまとめまして、これに沿った産地の取組を支援しております。実需者と連携して、強みのある農畜産物の産地化は着実に進展をしております。二十六年実績で、全国三十九地区にこういうふうに広がってきております。
 また、水産物についても、水産業の成長産業化を目指すために、これ、浜ごとの創意工夫の下で鮮度向上、それから未利用魚を活用した加工品開発、こういう付加価値向上を通じて漁業者の所得向上を目指す浜の活力再生プランの策定、実行、これを推進するということ、それから、やはり資源管理の高度化、水産物輸出拡大、流通促進等に取り組んでいるわけでございます。
 まさに、ニーズに対応した生産供給体制、こういうものの構築が大変大事だと、こういうふうに思っておりまして、それを通じて農畜水産物の高付加価値化、農林産業の成長産業化、こういうものをしっかりと推進していきたいと、こういうふうに考えております。
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古賀友一郎#17
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 ニーズに対応したということであります。私、売手と買手の力関係が対等であれば、そのニーズを適切に反映して価格も適切な均衡点に達すると、このように思うわけでありますけれども、もちろん一部のブランド力のある農産物についてはそうしたことは可能かも分かりませんが、私がちょっと懸念しているのは、この全青協の中でも出ていますけど、ほとんどの農畜産物がコスト割れだと、一方でそういう販売価格を抑えられている現状があるということ、この点が非常に心配なんです。
 だから、一部のトップランナーはトップランナーとして、それはそれでいいんですけれども、日本農業全体の問題として、この点について、これはやっぱり一度はきちんと考えてみた方がよいのではないかと、このように思っております。
 もちろん、これはかなり広くて深い話だと思うんですね。大変難しい問題で、おとといも徳永委員が物流のコストの問題を指摘されましたけれども、そういう問題も絡んでくると思いますし、米価の問題も喫緊の問題としてあろうかと思います。そういったことで、大変難しいことではあろうと思いますけれども、これは農政の、私、核心部分だと、このように思っておりまして、是非本腰を入れて取り組んでいただきたいなと、このように要望しておきたいと思います。
 次に、もう一つ、今回の農協法の改正経過を通じて私が感じましたことは、農水省とJAグループはもっと風通しを良くする必要があるんじゃないかと、こういうことでございました。
 もとより、両者は共に我が国の農業と農家のために働く組織でありますから、両者の関係がしっくりしないことで困るのは日本の農業と農家なわけであります。もちろん、組織が違えば利害が衝突することもありますけれども、それでも、基本的な信頼関係というものがベースにあればそれも一時的なことで済むわけであります。私は、そうした風通しを良くする、信頼関係をつくっていくという効果的な方策は人事交流だと、このように思っておりまして、まさに同じ釜の飯を食うということによって、確かに地道な取組ではありますけれども、組織全体の信頼関係というものも醸成されていくんじゃないかなと、このように思っております。私自身の役所勤めの経験からもそのように思います。
 そこで、これも人事権者である林大臣にお尋ねしたいんですけれども、今回の農協改革、これは非常にいいきっかけだと思いますので、農水省とJAグループ双方の職員を派遣し合う、そういう人事交流を行ってはどうかと思いますけれども、お考えをお聞かせください。
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林芳正#18
○国務大臣(林芳正君) この官民の人事交流でございますが、人事交流を通じて官民の相互理解を深める。今委員からも、同じ釜の飯を食うと、こういうふうに言っていただきましたが、こういうことをして双方の組織の活性化、それから人材の育成にもつながっていくと、こういうふうに思っております。
 農林水産省においても、こういう目的に沿って食品産業等々の民間企業等と人事交流を行っておるところでございます。JAグループとは現在人事交流を行っておりませんが、先方から要請があれば対応を検討したいと思っております。
 農協改革を適切に推進していくためには、改革の趣旨、やっぱりJAグループ、それから農業者を始めとする現場の皆さんに正確に理解をしていただくと、これが重要であります。したがって、人事交流をするしないにかかわらず、JAグループや農業者の皆さんとの意見交換、これは積極的に行ってまいりたいと思っております。
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古賀友一郎#19
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 今、林大臣から一つのメッセージが発せられました。これを受けてJAグループも本当に考えてほしいなと思うんです。やっぱり問題意識を共有すること、そこからきちんとやっぱり意識をすり合わせていくということは大変重要だと思いまして、これから農協改革始まっていきますけれども、そういった問題意識をきちんと組織同士が共有していくことは大変重要でございますから、そういった意味も含めて是非これは積極的に取り組んでいただきたいと要望を申し上げたいと思います。
 次に、ややちょっと今度は大風呂敷を広げますけれども、農政の政策体系について伺いたいと思います。
 今日は、独法改革、それから農協改革ということで話を進めてまいりましたけれども、農水省の政策の在り方についても問題提起をしたいと思います。
 私は、農政が産業政策であり、かつ地域政策であることはそのとおりだと思いますけれども、より本質的には安全保障政策であると捉えておりまして、食料有事の際も国民を飢えさせないだけの食料自給力を保持しておかねばならないからこそ、他の産業とは差別化され、二兆円以上もの税金を投入して支えることも許容されるんだと、このように考えております。
 そうした観点から、昨年来、この食料自給力の問題について自分なりにこだわって取り上げてまいりまして、その指標を目標化すべきなどと主張をしてきておりますけれども、今回、問題提起する農政の体系整備という観点からも、この食料自給力目標を中心に据えることによってぶれない体系を構築できるのではないかと考えております。
 もちろん、現行でも農政が体系化されていないと言うつもりはありません。しかし、例えば、食料自給率四五%を目指すという目標はございますけれども、その四五という数字がどういう意味を持つ数字かというと、今が三九パーですから、それよりも高くて、かつ頑張れば手が届きそうなレベルということで、その数字自体に特に戦略性があるとは私は見ておりません。
 また、農地の確保は十年後に四百四十万ヘクタール、あるいは農業労働力の確保は十年後に六十歳代以下で九十万人以上という、それぞれ当面の目標はございますけれども、そもそも、これだけの生産力を保持しておく必要があるという、そういうビジョンはないわけでありますから、農地や労働力をどれだけ確保しなければならないかが分からないわけでございまして、その目標で十分なのかどうかもこれは当然分からないわけであります。また、輸出についても、一兆円という目標はございますけれども、その数字の持つ意味というのもこれははっきりしないわけであります。
 加えて、その目標の関連性についても、これはもう明確ではないところがありますので、これもまた山田太郎委員がかねてから問題提起されております一人十ヘクタール問題のように、農地面積の目標と労働力目標がかみ合っていないのではないかという、こういう指摘も出てくるわけであります。
 こうしたことは水産行政も同様でございまして、水産基本計画では、平成三十四年度の漁業生産量の目標を平成十七年度水準の四百四十九万トンとしておりますけれども、その目標も、これはその前の基本計画策定時の実績値を参考にしているということで、特に戦略性があるものとは見ておりません。
 農水省の政策がどういう着地点を目指して、私、よく北極星という表現を使うんですけれども、どういう北極星を見ながら進んでいっているのかという、それがまさに農政のビジョンでありまして、そこからこの体系というものが形成をされていくのではないかと、このように思っております。
 そのためには、まず究極の目標というものをピン留めする必要がありますけれども、食料自給率というのは平時を含めた現状の自給状況を表しているにすぎない指標でありますから、一概にこれが何%がいいのかという究極の目標値を設定するのは難しいのではないかと思っております。
 その点、食料有事の際も国民を飢えさせないだけの生産力保持というこの食料自給力目標はそうした目標にふさわしいのではないかと思いますし、これだけの生産力を保持するにはこれだけの農地を確保しておく必要があるんだ、その農地を耕作するにはこれだけの農業労働力が要るんだと、もし仮にそれだけの農地と労働力の確保が客観的に困難であるとするならば、それをカバーするために単位当たりの収穫量を何割伸ばす必要があるというような話になってくるんじゃないかと思いますし、さらには、それだけの供給力、生産力を維持するためには、平時において余剰となる分は少なくともこれだけは輸出に回しましょうとか、あるいは飼料用に回しましょうとか、そういうように各種の施策が有機的に関連をして自給力目標を中心に一つの体系としてまとまってくるんじゃないかなと、このように思うわけでありますけれども、そうした私に言わせればより進化した体系といいますか、そういう体系の構築について、林大臣の御見解をお伺いできればと思います。
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林芳正#20
○国務大臣(林芳正君) まずは、北極星というお話がありましたが、一番大事なことは、基本法にもありますように、食料の安定供給、これを将来にわたって確保していく、これが国家の最も基本的な国民に対する責務であると、こういうふうに考えておりまして、そのために国内農業生産の増大を図って自給率を向上させていくと。さらに、この基本法では、自給に併せて輸入、備蓄でもってやっていくと、こういうことが書いてあるわけでございます。
 これを受けて、三月にも食料・農業・農村基本計画を作りましたけれども、自給率の目標については実現可能性というものも重視をいたしまして、カロリーベースで三十七年度四五%、生産額ベースで七三%、まずはこの実現を図るということを最優先して戦略的にやっていくということにいたしましたが、今委員からもお話がありましたように、カロリーベースということになりますと、例えば花など、こういうものが栽培されている農地、これはいざということになればほかのものにも転用できる、こういうことですから、そういうところが持っている食料の潜在生産能力、こういうものは反映されない、そして我が国農林水産業が有する食料の潜在生産能力という意味では一定の限界があると、ずっとこういう議論があったわけでございます。
 したがって、今回の基本計画で初めて潜在生産能力を評価する食料自給力指標ということを示したところであります。今回初めて作ったということでございまして、例えばこの生産の転換に先ほど言った花をじゃ芋に変えるのにどれぐらい期間が掛かるのかと、こういったことは考えておりませんので、現実とは切り離された一定の前提で潜在的な能力を試算したと、こういうことであります。
 したがって、今後この試算の前提をどうするかということをいろいろ御意見を聞いて、国民的な議論、これをしていかなければいけないと思っておりまして、まずはこういう試算でも示さないと議論が始まらないわけでございますので、この議論をしていって、検討を進める必要があると、こういうふうに考えております。
 食料自給率の向上を図るとともに、食料自給力の維持、これも念頭に置かなければならないと、こういうふうに思っておりまして、そのためのいろんな施策、農地の確保ですとか担い手の育成確保、こういうものを総合的かつ計画的にやっていくという姿勢が大事だと思っております。
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古賀友一郎#21
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 今大臣の答弁を伺っていて、そのイメージしている価値観といいますか、そういうものは共有できているのではないかなと、私も本当に心強く感じました。食料安定供給が国家の最も基本的な責務である、そこから出発していくと、もう基本法もそういうふうに書いてあるわけですから、これはもうその位置付けというのは恐らくは揺るがないんだと、このように思います。
 今大臣おっしゃいましたように、確かに、この食料自給力指標というのはまだ一定の試算だということでありまして、まだまだ始まったばかりということも認識しております。ただ、私は、これは本当に、こういう概念を出していただいたことは我が意を得たりということで大変うれしく思っておりますけれども、確かにまだこの食料・農業・農村基本計画も改定して始まったばかりということで、十年間の目標でございますけれども、今すぐそうしてくれと言っているわけではございませんで、そういう意識を持ってこれから、五年後の基本計画の見直しの時期もやってまいりますから、そこに向けて着々と準備を進めていってほしいなと、このように思っております。
 よく、この農政については猫の目農政とやゆすることがありますけれども、私は、やっぱりこの一本筋がびしっと通っているということが大変重要だなと、このように思っておりまして、そういう意味で、このぶれない体系の整備というのが本当にこれから我が国農政の課題ではないかなと、このように思っておりますので、是非よろしくお願い申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 次は、同じ食料自給でありますが、オペレーションに関しての質問でございます。
 この食料自給力は、先ほど大臣もおっしゃいましたように、潜在的な能力でございますので、実際の食料有事の際にその能力をきちんと顕在化させて、国民に食料を提供できるかどうかが課題というわけであります。
 二か月前の当委員会では少し時間が足りなかったので、その続きということで、まず、流通面の問題をお伺いしたいと思います。
 これは、食料有事の際に増産した食料が国外に持ち出されることなくきちんと国内で供給される仕組みになっているかどうかということでありますけれども、国民生活安定緊急措置法によりますと、主務大臣が生産、流通を行う者に対して売渡先を指示をしたり、割当て、配給を行う規定が定められておりまして、違反者にはそれなりの制裁措置は用意はされておりますけれども、輸出自体を規制できるわけではないわけであります。
 一般に輸出は関税法で規制することができまして、そのために許可又は承認がなければ輸出できないように法令で規定しておく必要がありますけれども、現在、この国民生活安定緊急措置法上の指定物資については許可、承認の対象とはなっておりません。
 輸出貿易管理令という政令にこの指定物資を書き込んで、その輸出を経産大臣の承認に係らしめるというこの方策も考えられるのではありますけれども、いずれにしても、この食料有事の際には適切に輸出を管理、規制する必要も出てくると思いますが、そうした場合にどのように対応する、そういう措置があるのか、伺いたいと思います。
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高田修三#22
○政府参考人(高田修三君) 輸出承認について定めている外国為替及び外国貿易法は、第四十八条三項におきまして、経済産業大臣は、外国貿易及び国民経済の健全な発展などのため、政令で定めるところにより貨物の輸出について承認を受ける義務を課することができると規定しております。具体的には、輸出の承認を要する貨物などを輸出貿易管理令において定めております。
 有事の際に輸出貿易管理令の改正により特定の物資について迅速に輸出承認に係らしめるということにつきましては、国連安保理決議を踏まえたこれまでの対応に倣えば、閣議決定から三日ほどで公布に至っており、迅速に対応できるものと考えております。
 さらに、経産大臣は、特に必要があると認めるときは、同法五十一条に基づきまして、省令におきましても一か月以内の期限を限り貨物の船積みを差し止めることが可能です。
 委員御指摘のいわゆる食料有事の際には、食料政策を所管する農林水産省などと連携しつつ、これらの措置により必要に応じ迅速に対応いたしたいと考えております。
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古賀友一郎#23
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 一か月間だったら省令で何とかすぐ対応できると、政令の対応でも三日で可能だという話でありました。この問題提起は、私はそういう食料有事の際に備えて、できることは平時からきちんと備えておくことが必要じゃないかなと、こういう意識の下にお尋ねをいたしましたけれども、今政省令はそのようになっていないわけですけれども、実際にそういうことが起こったときにはきちんと対応してくださるということでございますので、実際の事に当たっては迅速に御対応いただきますように是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、これは前回も伺ってやや途中で終わったんですけれども、国民生活安定緊急措置法上の生産業者の範囲について確認をさせていただきたいと思います。
 前回は、この法律第十五条の生産業者がどの範囲の人まで含むかというこういう質問に対しまして、小泉副大臣から、当該物資を現に生産している者のみならず緊急増産の必要性に応じ生産する能力のある者等も含まれるとの御答弁をいただきました。しかし、この等が付くことによって生産業者の範囲が一気に曖昧になってしまうわけでございます。
 現実に、生産業者は省令で定められるということになっておりますので、この法律上の外延がはっきりしないということは、これは役所の一存で様々な人たちに食料増産を義務付けることができるということになるわけでございまして、義務付けられる方からすれば大変な権利の制約となるわけでありますから、この等が具体的にどの範囲の人まで指しているのかということで、私、小泉副大臣にお答えいただけるのかなと思いましたら、今日は議員席の方におられるので、おやっと思っておりますので、是非適切な方に御答弁いただければと思います。
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佐藤速水#24
○政府参考人(佐藤速水君) お答えいたします。
 国民生活安定緊急措置法に基づきまして緊急増産を行う際には、議員御指摘のとおり、政府対策本部において事態の深刻度に応じまして緊急増産ですとか生産転換すべき品目を政令で指定いたします。それとともに、主務省令で定める手続に従いまして、都道府県を通じて、物資の生産の事業を行う者、生産業者を特定いたすこととしております。
 議員御指摘の緊急措置法に規定された生産業者についてでございますが、事態の深刻度に応じまして、実際に当該物資を生産している方だけではなくて、その生産するための土地ですとか機械を保有している者といったように生産能力を有していらっしゃる方、さらには、果樹農家のようにその作物を生産したことはないけれども生産することが期待される方、そういう方まで含まれ得ると考えております。
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古賀友一郎#25
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 期待される人まで含んでいるということでありますから、かなりこれは広い概念だろうと思います。事は食料有事ですから国民の命に関わる話でありますので、その食料を増産してもらう人を省令で柔軟に定められるようにしておくということの必要性というのは私も大変よく理解しておりまして、そのようにすべきだとも思っておりますけれども、これは一方で法的許容性の問題というものも、必要性だけじゃなくて、そっちの面もやっぱり意識しておく必要があるんだろうと、このように思っておりまして、その点についてもしっかり理論武装といいますか吟味をしておいていただきたいと、こういうふうに思っております。
 現実に発動したときに、下手すれば裁判というそういうトラブルにならないようにしておいていただきたいと思うわけですけれども、法的にそれが許容されるんだと、広く範囲を取って、実際にかなり広いところまでこれは省令で書けそうなわけでありまして、具体的には例えばゴルフ場の経営者に芋を植えてくれとか、各家庭で庭を耕してちょっと芋を植えてくださいとか、極端な話、そこまで行ってもいいぐらいな話に読めるわけでありますが、その辺の許容性について御見解を伺いたいと思います。
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佐藤速水#26
○政府参考人(佐藤速水君) 実際にこの緊急措置法に基づきまして省令で生産業者を特定する際には、この緊急措置法の目的、すなわち、我が国経済の異常な事態に対処するため、国民生活との関連性が高い物資等の需給の調整等に関する緊急措置を定め、もって国民生活の安定と国民経済の円滑な運営を確保すると、こういう緊急措置法の目的に従いまして、その時点での事態の状況を正確、的確に捉えまして、その上で指定された物資の生産の事業を行う者を適切に定めるということにしたいと考えております。そういう意味では、法的には問題ないというふうに考えております。
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古賀友一郎#27
○古賀友一郎君 ありがとうございました。
 私は、この問題、大変公共の福祉での要請が高い問題であると思いますから、そういった範囲で国民の権利が制限されるのはやっぱりやむを得ないと思うんです。だから、そういった理論武装をきちんと、これは内閣法制局も含めてきちんと整理しておいていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
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柳澤光美#28
○柳澤光美君 おはようございます。民主党・新緑風会の柳澤光美でございます。
 今回が二回目で恐らく最後の質問になるかと思います。前回に引き続き、少し私の思いを込めて質問させていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 徳永理事から御下命をいただいて質問に立つことになりましたが、この農林水産省所管の独立行政法人については、本当に知識がなくて、資料を読ませていただいたり、説明を受けましたけれども、正直、複雑過ぎていまだによく分かりません。ピントが外れた質問があるかと思いますが、お許しいただきたいと思います。
 まず最初に、独立行政法人改革の評価についてお伺いしたいと思います。
 独法改革は、行政機能のアウトソーシングや効率を目指し、二〇〇一年に制度がスタートし、その後、農林水産省所管の独立行政法人を含め、多くの統廃合の改革が行われてきました。農林水産省所管では、二〇〇一年十七法人でスタートし、現在、十三法人となっています。
 これまで行われてきた農林水産省所管の独立法人改革について、どのように評価をされているのか、目的は何だったのか、その目的は達成されたのか、何ができて何ができなかったのか、簡潔にお聞かせいただきたいと思います。
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西
西郷正道#29
○政府参考人(西郷正道君) 先生御指摘のとおり、独立行政法人制度が始まって以来、累次の統合などが行われてまいりました。
 このうち、研究機構を題材に取って考えてみますと、平成十三年の独立行政法人化のときは、農業研究を行っていた十二の機関を統合いたしました。それから、その後も累次ありまして、最近では十八年に農業工学研究所、それから食品総合研究所、農業者大学校などを統合してきて至っております。
 これまでの統合におきましては、例えば、研究といいますか、畜産部門とか、水稲の育種とか、栽培分野、これが分かれて研究していたのを一緒にして、自給率向上に向けた飼料用の稲の効率的な研究開発を実施いたしますとか、あるいは、地下水位制御と申しまして、農地の中の地下、水がどの程度、水位が制御できるかといったことのシステムをつくりまして、その結果を大豆の安定生産技術に用いるとか、そういった各研究所の壁を越えました総合的なプロジェクト研究などが実施できてきたというふうに思っております。
 ただ一方、統合による組織の拡大によりましてどうかということがあるわけでございますが、間接部門の組織見直しによる研究支援業務の効率化、あるいは内部組織、研究所いろいろございますけれども、の長への権限移譲等による意思決定の迅速化などによりまして、これまで大過なく運営ができてきたというふうに評価しているところでございます。
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