総務委員会

2017-05-17 衆議院 全84発言

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会議録情報#0
平成二十九年五月十七日(水曜日)
    午後一時開議
 出席委員
   委員長 竹内  譲君
   理事 古賀  篤君 理事 左藤  章君
   理事 坂本 哲志君 理事 田所 嘉徳君
   理事 葉梨 康弘君 理事 小川 淳也君
   理事 奥野総一郎君 理事 輿水 恵一君
      青山 周平君    池田 道孝君
      大西 英男君    鬼木  誠君
      金子万寿夫君    菅家 一郎君
      小林 史明君    新藤 義孝君
      鈴木 憲和君    高木 宏壽君
      谷  公一君    土屋 正忠君
      冨樫 博之君    宮川 典子君
      武藤 容治君    宗清 皇一君
      山口 俊一君    山口 泰明君
      逢坂 誠二君    黄川田 徹君
      近藤 昭一君    鈴木 克昌君
      高井 崇志君    武正 公一君
      稲津  久君    梅村さえこ君
      田村 貴昭君    足立 康史君
      吉川  元君
    …………………………………
   総務大臣政務官      冨樫 博之君
   参考人
   (岡山県真庭市長)    太田  昇君
   参考人
   (中央大学名誉教授)   今村都南雄君
   参考人
   (日本自治体労働組合総連合副中央執行委員長)   福島  功君
   総務委員会専門員     塚原 誠一君
    —————————————
委員の異動
五月十七日
 辞任         補欠選任
  金子めぐみ君     宮川 典子君
同日
 辞任         補欠選任
  宮川 典子君     青山 周平君
同日
 辞任         補欠選任
  青山 周平君     金子めぐみ君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 地方自治法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)
     ————◇—————
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竹内譲#1
○竹内委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、地方自治法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として日本自治体労働組合総連合副中央執行委員長福島功君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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竹内譲#2
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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竹内譲#3
○竹内委員長 本日は、本案審査のため、参考人として、岡山県真庭市長太田昇君、中央大学名誉教授今村都南雄君及び日本自治体労働組合総連合副中央執行委員長福島功君、以上三名の方々に御出席をいただいております。
 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。
 本日は、御多用中のところ当委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。
 次に、議事の順序について申し上げます。
 まず、各参考人からそれぞれ十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。
 なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
 それでは、まず太田参考人、お願いいたします。
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太田昇#4
○太田参考人 真庭市長の太田でございます。
 参考人として、私から、今回の地方自治法等の一部を改正する法律案について意見を申し述べたいと思います。
 まず一点目、内部統制についてでございます。
 どのような組織であっても、事務の適正性を確保する、そして効率的、効果的な業務を推進していく、そのためには、適切に情報が集められ、重要度に応じて各レベルでの判断をしなきゃならないというふうに思っております。これは地方自治体であろうと同じでございます。
 しかしながら、職員の異動ということがございます。そしてまた、新しい案件もあります。複雑な、各部局にまたがるようなものもございます。それから、真庭市が九カ町村合併ということで、そういうふうに合併をして、十年たっても一緒になってまだまだというところもございます。そういうようなところで、適切に情報が集められ、共有され、そしてレベルに応じた判断、これがなかなか難しいという現実もあります。
 そうしたいわゆるリスク、これを、事前にそういうものがあるものだというのを認識して体制を整えていく。そして、そういう中で一定の、過度の安心はしたらだめですけれども、安心感を持って首長が政策判断に集中していくということ、それが大事だと思っておりますから、民間でも進んでおりますが、こういう内部統制について進めていくというのは大事であり、その根拠というのは必要だろうというふうに思っております。
 次に、監査制度の充実強化についてでありますが、私は、従来から、地方自治体の監査機能をもっと充実させなきゃならないというふうに思っておりました。
 ある改革をした県の首長さんがおっしゃっていましたけれども、監査委員事務局にやり手の職員を持っていったんだということを言われていましたが、そういうことで、いい意味で強化をする必要があると思っております。先ほど述べました内部統制というのが一方ではある。一方では、監査についても、いい意味で強化していく必要があるというふうに思っております。
 そういう中で、監査のあり方を徹底するということで、各自治体において監査基準をつくっていくということは大事だと思います。ただ、なかなか、真庭のように人口五万を切るようなところで、一からつくれと言われるよりは、少し参考になるものがあった方がありがたいと思っております。
 そういうことで、今回の改正については必要なものだというふうに思っております。ただ、それをうのみにするのではなくて、それぞれがまた監査基準をこなしていくということが大事だと思っています。
 その次に、首長等の損害賠償責任の見直しでございます。
 住民訴訟制度、これ自体は本当に必要な、緊張感を持つのに非常にいい制度だと私は思っております。ただ、いたずらに萎縮をするようなことがないことも大事だろうというふうに思っております。
 過去の経験から、そしてほかの事例から、国の方が法律の解釈誤りをして地方自治体が違法性を問われたとか、それから、相手方との交渉が必要な土地の購入で、過失がないのになと思うようなことで責任を問われるケースなどもありました。
 私は、京都府の職員をしておりました。そのころ、その中の京都市さんのことでありますけれども、京都市長さんに対して二十六億円余の損害賠償を認めた判決がなされました。
 つまびらかには存じませんけれども、住民ニーズに応えてゴルフ場開発を不許可にした、そしてその結果、開発業者から損害賠償を求められて用地を購入した、その価格決定が高過ぎたということで損害賠償を求められたものですけれども、この価格そのものは、民事調停において裁判所の判断に従った、そしてまた鑑定もし、議会の議決も得ているというものでありますが、住民訴訟では、裁判所が決定するときに異議を申し立てなかったことに首長、市長の過失があるというようなものでありました。
 こういうものについてまで、二十六億円という損害賠償は、結局、相続の方が限定相続したというようなことをお聞きしておりますけれども、こういうことについては、やはり少し制度として考えていただく必要があると常々から思っておりました。
 今回の改正は、条例によって、善意でかつ重過失がない場合に賠償責任の限度額を設けるというもので、これぐらいは、会社法でもあるように、していただかなければならないというふうに思っております。
 一方、損害賠償請求権の議会による放棄の議決ということもございますけれども、これについて、監査委員の意見聴取を義務づけるということでありまして、やはりこういうことは安易にすべきじゃないということもありますから、まさに、監査制度の強化とともに、監査委員の意見を義務づけるというのは必要なことだろうというふうに思っております。
 今回の改正で、首長や職員の個人責任のあり方について、自治体が条例によって事前にルールを決めた上で、事後的に請求権を放棄する際に監査委員の意見を聞く、先ほど申し上げましたけれども、そういうことで、これまで以上に、首長の方も議会に対して説明をする責任が強化されるというふうに思っております。
 次に、地方独立行政法人の業務への窓口関連業務等の追加についてでありますが、各自治体それぞれ、行政を経営するという観点から仕事をしていると思っております。
 市町村の、特に地域福祉関係の仕事とか、仕事量も権限も非常に増しております。そういう中で、市役所が担う業務、それを、行政サービスを提供して、市が何でもすればいいんだというのから、自治体が地域を経営して、そして市が経営責任を果たすとともに、住民との協働の中で一緒に仕事をしていくという住民参加という観点も必要だろうというふうに思っております。
 そういうことで、真庭市でも、市がやるべきこと、できること、それは徹底的にしよう。しかし、協働すること。そして、一定、出せるものは出していく。全体として、行政が円滑に、そして行政サービスを上げていくということになることはやろうというふうにしております。
 その中で、民間委託もそうでありますけれども、中山間の地域では一人の職員が多くの仕事を抱えています。そういう中で、民間に委託することがなかなかできないような、そして、しようにも民間企業がないというようなこともあります。
 そういう中で、民間企業ではなくて地方独立行政法人というような、行政にほぼ近い、また首長の関与もできるというような、そういうところに一定の業務を負わせるという方がかえっていいんじゃないかという思いを持っております。
 今回、地方独立行政法人に窓口業務を行わせるということで、いろいろな意見はあるかもしれませんけれども、みずからつくった法人でその一連の業務を、今の民間委託ならば受け付けと引き渡しという機械的なことしかできない、一定、定型的なものに限り全体を任せることができるということは、これはコスト削減にもつながりますし、そしてまた、一定の縛りを法律改正の中で関与してかけるということですから、これはこれでいいものだというふうに思っておりますし、そういう選択の余地を広げていくということが必要だろうと思っております。
 そういうことで、安易なアウトソーシングがいいとは言いませんけれども、先ほど申し上げましたように、まとめれば、行政の仕事が非常に多様化して多くなっている、その中で、安易に職員をふやすわけにもいかないという中で、公平性、公正性を担保しながら、地方独立行政法人の関与を強めながらそこに定型業務を出していくということは、私は、一つの選択、それができるようにしておくということが必要だろうというふうに思っております。
 以上、私の参考人としての考えを陳述させていただきました。
 御清聴ありがとうございました。拍手
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竹内譲#5
○竹内委員長 次に、今村参考人、お願いいたします。
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今村都南雄#6
○今村参考人 一連の地方自治法本体の一部改正とあわせて、御承知のとおり、地方独立行政法人法、この改正が提案されております。
 私は、まずはこの冒頭陳述では、地方独立行政法人法の一部改正、この問題を中心に意見を述べさせていただきたいと思います。
 申しおくれましたが、私の専攻は行政学でございまして、これまで、国の行政改革との関連では、かつて、ちょっと古い話になりますが、総理府に置かれておりました行政改革委員会の官民活動分担小委員会の参与として、いわゆる官民関係のあり方について調査審議する機会がございました。また、地方自治との関係では、小泉内閣時代に、地方制度調査会の委員を二十七次と二十八次、二期務めた経験がございます。
 さて、御承知のとおり、我が国の独立行政法人制度は、イギリスのエージェンシー、いわゆるエグゼクティブエージェンシー、これがモデルでございました。
 その導入、制度化に先駆けて、これまた古い話になりますが、ちょうど私が行革委員会の官民活動分担小委員会にかかわっていたころでございますが、当時の総務庁長官武藤嘉文国務大臣みずからがエージェンシーの調査のために英国に出かけられまして、その調査結果の概要を記したペーパーなどが資料として提供されたことがございます。
 ところが、その年、といいますのは一九九七年のことでございますが、その年の暮れ近くに、御承知のとおり、行政改革会議最終報告におきまして、日本版エージェンシー、独立行政法人制度の制度設計が出されたわけですけれども、これは率直に申し上げて、行政のスリム化を急ぐ余り、イギリスのエージェンシーとは似て非なるものになってしまいまして、いわばエージェンシー化の外国産モデルをつまみ食いするところにとどまってしまったのではないか、そういう印象を私は持ちました。
 その結果として、私見では、我が国の独立行政法人制度、これは一般国民にとって非常にわかりにくいものになっている。一部では、ぬえ的な存在になっている、正体不明だと。実は、そのことは、独立行政法人通則法及び地方独立行政法人法の定義規定、今度の法律案関係資料におきましても二条は参考の中に入っておりますけれども、見ましても、そもそものこととして、なぜ独立の法人格を有する独立行政法人なのか、そのことがすんなりと理解できないわけでございます。
 しかし、今さらながら恐縮でございますけれども、我が国の独立行政法人制度は、独立の法人格を有する独立行政法人、これを設立するところに最大の特徴があるわけでして、イギリスのようなエージェンシーではございません。だからこそ、制度の名称自体に、独立行政法人、この用語が用いられているわけでございますから、この点に鑑みましても、地方独立行政法人法に即して申し上げますと、地方独立行政法人とは何か、このことに関して、その設立の主体たる地方公共団体の方々も含めて、なぜ当該普通地方公共団体とは別個に独立の法人格を有する独立行政法人を設立する必要があるのかということを十分に自治体関係者に理解していただくことが出発点ではないか、そのことが肝要ではないか、このように考えるわけであります。
 このことと関連しまして、といいましても、定義規定の第二条、これは、この法律案関係資料では地方独立行政法人法第二条に関しましては四十一ページですかにございますので、それをごらんいただければと思いますが、この定義規定の第二条は改正の対象になっておりません。おりませんけれども、今度の一部改正で一つの焦点となる対象業務、すなわち窓口関連業務について、公権力の行使に係る事務も含めて、包括的に新設の申請等関係事務処理法人にその業務を行わせることの当否、これを取り上げさせていただきたいと思います。
 地方独立行政法人とは何か。このことに関する地方独立行政法人法第二条の定義規定との関連で見ますと、このたびの法改正、具体的には、別表、改正法律案の百十三ページ以下に一括して掲げられておりますが、この申請等関係事務について、それを地方独立行政法人の業務の範囲に新しく追加する、法の二十一条の第五号がそれでございますが、さらに、新設の、申請等関係事務処理法人に関する特例を定めた、これは第八章の二の諸規定、これに従って、同法人にその業務を行わせることとする。そうなりますと、法文上、それらの業務は、定義規定、二条で言うところの「地方公共団体が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、」そこに含められてしまうことになります。
 しかしながら、現時点でそうなることを前提にすることができない個別の地方公共団体におきましては、そうした窓口業務が果たして地方公共団体がみずから主体となって直接に実施する必要のないものなのかどうなのか、それを判断しなければなりません。
 ですから、本来でありますと、この第二条の条文につきましても、地方独立行政法人とは何かに関する定義規定でございますが、一部修正をすることがせめてものこととして必要ではないかと私は考えまして、地方公共団体がみずから主体となって直接に実施する必要のないものと認めることが、認めることができるもののうちぐらいですね、語を差し挟まないと、地方公共団体は、これは自分の問題として受けとめかねる問題ではないか、こういうふうに思うわけです。
 ここでは、その点、ひとまずおきますが、一体、このたびの改正が時宜を得た改正であるかどうか、この点を問題にさせていただきたいと思います。
 窓口業務の現場に行ってみれば一目瞭然のことでございますけれども、とりわけ基礎自治体の各部署で現に行われている窓口業務は、来庁した住民の求めに応じてぱっぱと処理できるような、単なる定型的な事務ばかりではございません。個別の申請をきっかけにして、定型的な事務処理にはなじまない住民側のさまざまな事情を察知して、各部署の協力を得ながら対処しなければならないことが少なくないわけであります。
 昨今では、このことをアウトリーチという片仮名用語で表現することが多くなっているようでございますが、元来それは、行政分野でいいますと、福祉行政の分野で、通例の業務範囲を超えてアウトリーチ、手を差し伸べることが必要になる場合にその言葉を使いますけれども、まさにそのアウトリーチが、昨今では福祉行政以外の他分野でも非常に多くなっております。
 要は、自治体の窓口業務は、定型的な申請事務処理であっても、申し上げたアウトリーチの必要性を察知するアンテナ機能、これが殊のほか重要になっているわけです。したがって、定型的な申請事務処理を一括して外部委託するとか、あるいは申請等関係事務処理法人に委ねるとかいったことは、現場の実情を見ますと簡単にはまいりません。
 このようなことから、窓口業務に関するこのたびの法改正が果たして時宜にかなっているのかどうか、ましてや、人口減少社会における自治体間の連携強化、その連携強化の方策としてそれを役立てようとする狙いが戦略的に有効なものであるかどうか、これらの点について慎重に考える必要があるのではないかと思う次第でございます。
 最初の意見陳述は以上でございます。拍手
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竹内譲#7
○竹内委員長 次に、福島参考人、お願いいたします。
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福島功#8
○福島参考人 日本自治体労働組合総連合の福島といいます。
 本日は、参考人として意見陳述を御承認いただき、ありがとうございます。
 地方自治法等の一部を改正する法律案のうち、地方独立行政法人法の一部改正について意見を述べたいと思います。
 結論的には、地方独立行政法人の業務に申請等関係事務を追加することは、窓口業務の行政サービス水準を低下させ、地方自治体の業務の集約そして統廃合を促進して地方自治体を空洞化させることにつながるものと考えており、反対であります。
 窓口業務を地方独立行政法人に委託することは、以下の三つの点で重大な問題があるというふうに考えています。
 第一は、窓口業務を地方自治体の業務から切り離すことによって、住民の基本的人権を守る自治体の機能が損なわれることであります。
 自治体の窓口業務の役割は、出生から死亡まで、住民生活の権利取得にかかわる重要な場面において、憲法が保障する基本的人権を保障することにあると考えています。国民主権や地方自治に基づく主権者としての確認や証明、そして生存権や幸福追求権に基づく権利の保障としての各種保険、そして年金、生活保護、保育など、さらには、家庭生活における権利に基づく権利の保障としての戸籍や結婚、離婚、相続など、さらに納税の義務に基づく各種の業務などがあります。
 先ほどの今村先生が述べられたアウトリーチにかかわる問題でありますけれども、こういった業務がある上で、窓口に訪れる住民の方は、自分や家族の抱えている問題が十分に整理をされないまま役所を訪れる方が少なくありません。とりあえず訪れた窓口で、自分の抱えている問題や家族の状況を話してから用件に入る方もおられます。窓口業務にかかわる自治体職員は、住民の話を聞いて相談に応じ、さまざまな制度の窓口にもつなぎながら、その人の抱えている問題を解決していきます。
 滞納している税金を納めに訪れた住民の生活の状態を聞いて、減免の要件に該当すると認められる場合については、減免申請ができることを説明したり、生活保護の窓口につなぐこともあります。
 また、税金のほかにも滞納している公共料金がないかを尋ね、国民健康保険料も滞納しているのであれば、保険証を取り上げられて病院に行けなくなる、こういうことがないように、生命や健康を優先する立場から、国保料をまず支払うよう助言することもあります。
 住民の基本的人権を保障する最善の対応ができるように、職員には深い専門的な知識が必要です。窓口に訪れた住民とコミュニケーションをとりながら、他の窓口の部署とも連携をして、住民の求める課題にきめ細かに対応できる総合的な判断力が求められます。
 窓口業務を定型的な業務とそうでない業務に切り分けて、定型的な業務とみなした業務を外部に委託すれば、本来は一体であるべき窓口業務が分断されることになります。自治体職員と地方独立行政法人の職員との間で業務について直接的なやりとりをすれば、それは偽装請負になってしまいます。
 結果、窓口業務を委託することで業務が非効率的になるとともに、自治体職員は窓口に訪れた住民の状況を直接に把握することもできず、関連する行政部門との連携にも支障が生じます。また、自治体職員の専門性やノウハウも失われることにつながります。
 第二の問題点は、住民の個人情報の管理や不正な請求などに対して、適正な対応ができなくなる、こういうおそれがあることであります。
 自治体が保有する個人の住民の情報は、常に外部からの窃盗や漏えいの危機にさらされています。窓口では、犯罪や不正な目的による申請が行われることが少なくありません。成り済ましによる虚偽の申請を見抜いたり、家庭内暴力や闇金融などの不正な請求から住民の安全、権利を守らなければなりません。
 申請に訪れた方に対して、不審な点があれば質問をし、相手の挙動などを観察しながら虚偽を見抜く熟練した能力も求められます。
 窓口業務を担う職員には高い専門性が必要であり、業務に必要な専門性は、経験を積み重ねる、そういう中で養われるというふうに思います。専門性を育成、そして維持、継承するためには、地方公務員として安定した身分を保持し、安心して業務に従事できる賃金、労働条件を保障することが必要であります。
 一方、地方独立行政法人は、原則として企業会計原則によることとされ、毎年度の目標設定により、段階を追って経費削減などのリストラを推進することが求められており、住民の福祉の増進を図る役割を持つ地方自治体とは異なる運営が求められています。
 地方独立行政法人が業務の効率化を優先することにより、法人職員が低賃金で短期間雇用の非正規職員にされれば、業務についての専門性が蓄積されなくなります。短期間のうちに地方独立行政法人の職員が次々と入れかわることになれば、住民の個人情報の管理にも支障が生じてまいります。
 法案では、地方独立行政法人の業務の適正を確保するためとして、設立をした市町村から法人への立入検査や監督命令を行えるようにする、このようにしていますが、問題が発生してから事後的に対応を行うものでは、住民情報の漏えいなどで失われた損害は回復できないというふうに思います。
 第三番目は、複数の市町村の窓口業務を一括して地方独立行政法人に委託するようにすることで、地方自治体の業務の集約、統廃合を加速させることにつながることであります。
 政府は、骨太方針の二〇一五の中で公的サービスの産業化を打ち出して、このように言っています。「市町村で取組が遅れている分野や窓口業務などの専門性は高いが定型的な業務の適正な民間委託の取組の加速をはじめ、公共サービスの広域化、共助社会づくりなど幅広い取組を自ら進める。その際、窓口業務のアウトソーシングなど汎用性のある先進的な改革に取り組む市町村数を二〇二〇年度までに倍増させる。」このように述べているわけであります。
 窓口業務を一括して地方独立行政法人に委託をすることで、地方自治体の空洞化が一層進められるおそれがあると思っています。
 二〇一四年に東京都の足立区が戸籍業務を民間企業に委託したところ、戸籍法違反であるとかあるいは偽装請負の問題が発生して、住民からも批判を呼び、一部を直営に戻さざるを得なくなりました。
 今回の法案は、骨太方針の二〇一五に基づき、地方独立行政法人を突破口にして、窓口業務の包括的な委託を進められるようにする意図で提出されたものであるというふうに考えざるを得ません。
 自治体の窓口業務は、これまで述べてきましたように、住民の基本的人権にかかわる重要な業務を担っており、地方自治体がみずから主体となって、正規の自治体職員が直接担うことが必要であるというふうに考えています。したがって、今回の法改正に反対であることを改めて表明し、陳述を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。拍手
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竹内譲#9
○竹内委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
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竹内譲#10
○竹内委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷公一君。
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谷公一#11
○谷委員 自由民主党の谷公一でございます。
 きょうは、それぞれ御予定のある中、三人の参考人の皆さん、わざわざ足を運んでいただきまして、ありがとうございます。
 それでは、順次御質問をさせていただきます。
 先ほど来お話がございましたように、今回の法改正は、自治体の内部統制体制の制度化、監査制度の充実強化、自治体の長等に対する損害賠償の一部免責、窓口業務について地方独立行政法人の活用等々があろうかと思います。
 さて、太田市長にお尋ねをいたします。
 京都府副知事時代に大変お世話になりまして、隣の兵庫県でございますので、ありがとうございました。市長二期目ということで、人口減少に歯どめをかけるために、地元の中山間の地域資源を最大限に活用しながら、地域エネルギー自給率の先進地と言われ、また、合計特殊出生率が全国トップクラスの二・二一というしっかりとした成果を上げていることに、まず心より敬意を表したいと思います。
 さて、まず、自治体の長等に対する損害賠償の話であります。
 先ほどのお話の中で、これはいろいろ、過去の地方行政に従事した経験から、評価するというお話でございました。
 そうしますと、次に具体論になりますけれども、では、どの程度までがということでございます。
 法案では政令に委ねるということでございますけれども、民間のベース、民間企業などとの均衡などから、年収の六倍程度という意見もございます。それについて、太田参考人の御所見をお伺いしたいと思います。
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太田昇#12
○太田参考人 今の御質問でございます。
 果たしてどの程度の基準、最低基準がいいのかということ、いろいろ御意見ありますけれども、私は、やはり民間と同じ程度というのがふさわしいのかなと。それ一つしかないという思いがあります。
 仮に六倍ということになりますと、知事ですと二千万を超えているところもありますけれども、二千万弱のところ、首長ですと一千万から一千五百万ぐらいのところが多いと思いますけれども、そうすると、六千万から、市町村長でも、一億ですね。やはりそのぐらいがふさわしいのかなと。
 それも、要件として、先ほど申し上げましたように、善意または重過失がないときということでありますし、そして、一定、参酌基準を決めていただいて、あとは、やはり地方自治体の議会で議論をしていただく、そして、首長の方もまた具体的な提案をするということでやっていけばいいのではないか。そういう意味では、地方分権の中で、参酌ということになっておりますから、あとは、市民意見も入れながら自治体で決めていくということであります。
 具体的に、やはり、結論を申しますと、民間並みということが妥当な参酌基準だということを申し上げておきます。
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谷公一#13
○谷委員 ありがとうございます。
 次に、内部統制の話に移させていただきたいと思います。
 同じく、太田参考人にお尋ねします。
 内部統制に関する整備ということが必要だというふうに先ほどおっしゃられたと思います。
 そうすると、人口五万人の真庭市、どうされますか。参考人の市長としてのお考え。真庭市という、それぐらい全国たくさんあると思うんです。十万人を切る地方の普通の都市といいますか、そういう場合どうあるべきか。法律では義務づけられてはおりませんけれども、今の参考人のお考えをお尋ねしたいと思います。
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太田昇#14
○太田参考人 御承知のとおり、都道府県で既につくっているところもありますし、大きな自治体は、事務能力を含めてかなりつくりやすいのかなと思います。
 そういう意味では、御質問のとおり、なかなか、人口五万弱のところ、つくるのは難しいなという思いは正直ございます。しかし、私は、ちょっと時間はかかりますけれども、真庭市でも挑戦していきたいと思っております。
 というのは、そんな高尚な話じゃなくて、恥ずかしい話ですが、結構、基本的なところの認識が不十分で大きなミスが起こってしまうということがございます。
 実は、私が市長になっても、町村時代ですけれども、固定資産税の評価のときに、鉄筋コンクリートを、鉄骨を鉄筋というふうに認定してしまって、そうすると、鉄骨の方が安いのに鉄筋で十年以上取っていまして、時効は五年ですけれども、あと内部基準もありまして、十年分返したということがありまして、そうすると七千万ぐらい。それがたくさん出てきたんですね。事務の基本をきちっとこういうふうにすべきだみたいな、そういうレベルの内部統制方針はこれはぜひとも必要だと思っておりますし、そういうことで行政が緊張感を持っていく、つくる過程でも緊張感を持つ、つくっても緊張感を持つということは大事だろうと思っておりますので、挑戦していきたいと思っております。
 以上です。
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谷公一#15
○谷委員 ありがとうございます。
 さすがに真庭市らしく、義務づけられていないけれども、できる限りそれらに取り組んでいきたいという決意を述べられたのではないかと思います。
 さて、監査制度について、三人の参考人の方にお尋ねしたいと思います。
 少し主要な論点ではございませんが、今回の法改正のうち、監査委員、「条例で議員のうちから監査委員を選任しないことができる。」という規定がございます。
 私も、県の職員であったり、あるいは当時の自治省でしばらくいたこともありますけれども、個人的にはいかがなものかなと思っていました。県会議員が監査、一年ですね。大抵、役の一つですわ、議長、副議長、監査委員とか。そういうことが果たして有効なのかなと。果たして職員の方に、なかなか、プレッシャーというのか、しっかりとした監査のあり方としていかがなものかなと思います。そういう意味で、条例で議員のうちから監査委員を選任しないという仕組みができたということは、私は評価します。
 三人の方にお尋ねします。
 こういうような規定をどう捉えて、どう評価されるのかということをお尋ねしたいと思います。
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太田昇#16
○太田参考人 私も、選択の余地を広げておくということがいいと思っております。
 議員さんには、議会には悪いんですけれども、谷先生がおっしゃるように、一つのポスト的な感じになっている一面はあります。
 それと、大統領制で、市民の代表である議会と議員と、そして首長と、そこがきちっと対峙する意味でも、私は、議員の方に、審議会の委員に入るとか、そういうようなことはいかがなものなのかという思いであります。
 議員は議員で、市民の代表として市民からの意見をまとめて議論していく、そして首長の執行部とという形でやるのが本来で、とかく、正直言いまして、行政の方も、取り込もうと思って、逆に審議会の委員なんかにするケースがありますが、私は意識的にそういうことを、制度をきちっと説明した上で外していっております。そういう方が健全。
 ただ、いろいろな考え方がありますから、少なくとも選択の余地。私は、自治法全体、選択の余地を広げていっていただきたい。昔は都道府県の部の名前まで自治法で決まっていた、そういうがんじがらめの規制から、どんどん選択の幅を広げて、あとは自治体が責任を持つ、有権者が最後は責任を持つ、そういう地方自治が本来あるべき姿だと思っております。
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今村都南雄#17
○今村参考人 私が地制調、地方制度調査会にかかわっていたころのことを思い出しますと、ついにここまで来たかと。百九十六条ただし書きが入ったこと、やはりこれはどきりとさせられました、率直なところ。
 やはり監査委員の伝統的なあり方、これは例えば政治学でいいますと、アリストテレスの政治学からもう始まっておりまして、非常に歴史がございます。ですから、こうあるべきだというようなことを話しますと、いろいろな意見が開陳されるのではないかと思います。
 しかし、私がかかわっていたころは、せいぜい、識見を有する者から選任する監査委員、これをもっと増加した方がいい、そういうのが二十七次だったですかな、二十八次ですか、地制調でございまして、今、太田市長がお答えになりましたように、選択の余地を広げるということにしろ、ただし書きで「監査委員を選任しないことができる。」というこの文言は時代の流れかなというふうに感じております。
 積極的に、それについて、こうすべきだという考え方が今まとまっているわけではございません。
 以上でございます。
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福島功#18
○福島参考人 私が所属をしている自治体労働組合の見解ということではなくて、私個人の見解で少し述べさせていただきたいというふうに思います。
 私も、昨年の三月まで京都府の職員として二十九年間、府の、京都の仕事をさせてもらいました。当然、我々の業務について、監査委員の皆さんが監査されるということが定期的にございました。
 私は、地方自治は、首長とそして議会というその二つの、いわゆる二元代表制をとっていることのやはり意味というのを、今回の制度においても考える観点ではないかなというふうに思っております。
 そういう意味で、議選の監査委員の方を義務づけを外すということは、ある意味、議会の中でのチェックというのも当然できるわけでございまして、そういう点からどう自治体が判断をするのか、そういったことにもつながる点では一つの選択の幅を広げた、そういうものじゃないかなというふうに思っているところであります。
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谷公一#19
○谷委員 ありがとうございました。
 もう時間となりますのであれでございますけれども、今の太田市長の立法府と行政府のあり方は、我々国家についても言えるかと思います。幾つかの法律で、国会議員も審議会の委員になっている。個人的にはどうかなと。そういう意味で、国会の方も見直してはどうかという太田市長の思いを遠慮がちに言われたというふうに受けとめさせていただきたいと思います。
 きょうは、三人の参考人の皆さん、どうもありがとうございました。
 以上で質問を終わります。
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竹内譲#20
○竹内委員長 次に、鈴木克昌君。
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鈴木克昌#21
○鈴木(克)委員 民進党の鈴木でございます。
 まず、お三方の参考人、本当に御多用の中お越しいただきまして、ありがとうございます。私からもお礼を申し上げたいと思います。
 太田市長さんにおかれましては、二期目の御当選おめでとうございます。ただ、人口四万八千人という市で、しかも、二〇〇五年ですか、九町村の合併という、私も実は首長を経験してまいっておりますので、そういう意味では非常に悩みもわかるし、大変だなというふうに思っております。
 それから、福島さんにおかれましては、いわゆる自治体の職場の中での偽装請負や、きょうお話にはなかったんですけれども、違法派遣とか、そういった関係について非常に情報を発信されておるというお姿、大変敬意を持って拝見させていただいておるところでございます。
 きょうはやはり今村先生に中心的にお伺いをしたいと思って、先生の「“古希”を迎えた地方自治法」という自治研の本を読ませていただいて、これだけで三時間ぐらい先生の御指導をいただきたいと思うんですが、限られた時間が十五分ということでありますので。
 いずれにしましても、日本の戦後教育で最も頻繁に使われた地方自治に関する格言として、イギリスのジェームズ・ブライスの地方自治は民主主義の学校という表現がある、古希を迎えた地方自治法のもとにおいて、果たして地方自治は民主主義の学校になぞらえることができるのかどうかという先生のお話や、それから、地方自治法が制定されて今日に至るまで、いわゆる昭和の大合併や平成の大合併がやってきたことの中で、小地域における自治がどうなっていっておるのかというような御指摘や、それから、国から地方へ、プラス官から民へという、これもちょっと長くなるので割愛させていただきますが。
 本当にそういった御指摘については私も非常に一々ごもっともだというふうに思うところがありまして、本来ならこれでお伺いしたいところでありますが、きょうは地方自治法等の一部を改正する法律案ということでありますので、それに沿って御質問をさせていただきたい、このように思っておるところであります。
 住民訴訟なんです。
 きのう、この中におみえになるんですが、武蔵野の市長をやられた土屋議員が、自分の任期中に、被告になったり原告になったり、両方やっている、こういうお話をされました。実は、私も蒲郡の市長時代に、被告になったり原告になったり、経験をしておるんですね。そういう中で、まず最初に、この住民訴訟についてのお考えをお伺いしたいと思います。
 太田市長は十分御理解されると思うんですけれども、やはり市長になると、何としても地方を活性化させたい、そして流れを変えていきたいということで、新しい事業にチャレンジをするわけです。また、それがなければ首長を目指す意味はないわけでありますけれども、そういう中で、いわゆるいろいろなケースで高額な賠償を求められるということはあるわけですね。これはやはり市長の手足を縛るというか、やる気をそぐというか、極端なことを言えば、なり手がなくなってしまうというようなケースもあるのではないかなと思うんです。
 太田市長にお伺いするには余りに生々しいので、今村先生に、その辺のところをどのようにお考えになっておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
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今村都南雄#22
○今村参考人 答えにくいですね。というのは、初めに月刊自治研のつい最近書いたもののことを触れられましたけれども。
 住民訴訟については、先刻御承知のとおり、やはり戦後入った新しい仕組みでございまして、特に、我が国に非常に独自なものと言われているのは、住民監査請求が前置主義になって、前に置かれていて、住民訴訟がある。
 住民訴訟がもたらす効果というのは、非常に、首長さんなんかは特にそうなんでしょうけれども、びっくりするほどの損害賠償額の請求がそのまま認められるようなケースもあるわけですね。古い例では、三セクや何かの事案を見ましても、これは気の毒だと正直に感じました。にもかかわらず、私は、この住民訴訟の制度、この重要性に鑑みて、そういう問題はあるんですから、物には限度という、請求に一つの限度を設けるとか一部減免の仕組みを導入するとかいったことはあってもいいと思うんですが、この制度そのものは大変重要。
 これは、やはり自治体において住民が主権者でございますから、ここの考え方に立つ限り、いろいろな工夫、試行錯誤があるかとは思いますけれども、この制度の拡充が求められることが原則的には必要であるという認識。その上で、いろいろな工夫をしていく。
 今度の改正でもそうでございますけれども、特に、今度の提案との関係でいきますと、議会の権利放棄の議決ですね。この扱い方について、私は、新設の二百四十二条の十項ですか、ちょっとこれは、条文上は自由に権利放棄できるような読み方ができるわけであります。
 これを、もっと要件を限定する必要があるのではないかという印象を持ちました。このままでは少し、言葉は語弊がありますけれども、ずぼらな規定になっていないかなという印象を、このたびの改正、条文を拝見した限りでは持っております。
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鈴木克昌#23
○鈴木(克)委員 ありがとうございました。
 私も、ちょっと過激に、市長のなり手がなくなるのではないかというような言い方をしたわけでありますが、確かに大事なことであることは十分理解をしておるつもりなんですが、やはり大きな矛盾のないように、制度を少しずつでも見直していく必要があるんじゃないのかな、こんな思いで質問をさせていただいたということでございます。
 次に、監査についてもお伺いをしたいと思うんです。
 先ほど、谷公一議員の方からお三方に御質問がありました。太田参考人は、監査については、選択の余地を残すのはいいことだ、こういう御趣旨だったと思います。今村参考人は、時代の流れを感じる、こういうお話だったと思います。それから福島参考人は、地方自治は首長と議会の二元代表制だからという御趣旨だったというふうに思います。
 いずれにしましても、私は、やはり監査というのは非常に大事なことだというふうに思います。形骸化ということでなくて、本当の意味での大所高所からアドバイスをし、そしてきちっとした指摘ができるような、そういう体制であるべきであるというふうに思うんですが、非常に重要な問題なものですから、あえてお三方からもう一度端的にこの監査についてのお考えをお示しいただければと思います。太田参考人からお願いいたします。
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太田昇#24
○太田参考人 申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、監査の重要性については述べたとおりでありまして、首長として、事務局も、人数はなかなかふやせないんですけれども、いい職員を入れて、そして、単なる事務監査じゃなしに、行政監査というようなことで、勧告できるようなことまでしてもらえるようにしたい、そういう配慮をしていきたいと思っています。
 そういう中で、選択制でもって、それぞれの自治体で考えていくということの改正は賛成であります。
 以上でございます。
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今村都南雄#25
○今村参考人 この監査制度の部分は、一般的なことはともかくとしまして、改正法案の百九十八条の四第五項、これは若干疑問があります。
 つまり、「総務大臣は、普通地方公共団体に対し、監査基準の策定又は変更について、指針を示すとともに、必要な助言を行うものとする。」これが新設で入っています。
 なぜ監査委員だけにこれが入るのか。御承知のとおり、自治法二百四十五条の四の方に基づきまして、総務大臣は技術的助言をすることは可能なわけですね。加えて、総務大臣に対する義務づけ的な規定が、「監査基準の策定又は変更について、指針を示すとともに、」という部分をどうしてここで挿入する必要があるのかということが私としては疑問に思っております。
 監査が重要だということについては、全く異存はございません。
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福島功#26
○福島参考人 法案についてはちょっとコメントを差し控えさせていただきたいと思いますけれども、監査の重要性という点でいえば、私も、先ほども述べたように、京都府の職員として毎年のように監査を受けていました。
 そういう中で、職員の側からすると、ついうっかりミスをしてしまうというふうなことも含めてあったりしますし、そういったことに気づかされるという点であるとか、あるいは、本当に今、人が少なくされている中で、そういう制度も含めて職員が十分勉強するという機会もなかなかなく、日々仕事に追われているという状況なんかもございます。
 そういう点では、その時々、状況を振り返りながらという点でも、一般的な議論にはなりますけれども、監査体制そのものが強化をされるという点でいえば大変重要なことだというふうに考えております。
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鈴木克昌#27
○鈴木(克)委員 質問もあと五分を切ってしまいましたので、最後に今村参考人にお伺いをして終わりたいと思うんですが、今村先生は、行政学、行革委員として、いわゆる行政改革にずっと取り組んでみえた。先ほどの御発言の中で、スリム化を急ぐ余りに不完全な形になった部分があるというふうにおっしゃったわけですね。
 地方独立行政法人法の一部改正について先生にお伺いしたいんですが、この地独法については、何なのか、それから必要性ということを人々にもっとしっかり知らせる必要があるんじゃないか、こういうお話をされたわけです。そこについて、いわゆる行革の一環だというふうに捉えることもできるし、それから逆に、先ほどのように、非常にスリム化を急ぐ余りに問題も残したということですよね。
 いわゆる地独法について、先生は今、行革を唱えてみえた立場でどのようにお考えになっているのか、お示しをいただきたいと思います。それを最後の質問にしたいと思います。
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今村都南雄#28
○今村参考人 古い話で、二十年前の話になりますけれども、先ほどちらっと言及しました前の武藤総務長官の武藤ペーパーというものをごらんになれば、現実の独立行政法人の制度とのギャップがおわかりになると思います。
 イギリスの場合には、エージェンシーというのはあくまで行政機関でありまして、日本の特殊法人というものとはわけが違うわけでございます。したがって、その武藤ペーパーにも、エージェンシーの仕組みというのは、これはコンスティテューションの変革にかかわるものではない、あくまでもマネジメントの変革だというようなことから説き起こし、さらには、エージェンシー制度を具体化するのには市民憲章的なアイデアをきちんと同時に入れなくてはいけないというようなことも書いてあるわけです。そのいずれもがきちんと理解されないままに日本の独立行政法人制度は急がなければならなかった、こういうことであります。
 今申し上げましたように、日本の、国の独立行政法人に関しては特殊法人改革と密接に絡んでおります。問題は、地方独立行政法人。これについては、実際に大学の講義などをしますと、ほとんどの学生は、皆目わからない、こういうふうに率直に言います。
 ですから、先ほども言いましたように、定義規定、この関係資料では四十一ページにありますが、この第二条、「「地方独立行政法人」とは、」と規定があります。せめてと私が先ほど言いましたのは、地方公共団体がみずから主体となって直接に従事する必要のないもの、これが前提にあるんです。これは誰が判断するか。言うまでもなく、設立主体の地方公共団体である。地方公共団体の判断でそういうふうに実施する必要がないと認められるもののうちということがここに明記されれば、かなり地方公共団体側の受けとめ方も変わってくる。
 観念ではわかっているんです。設立主体は地方公共団体。しかし、これは、地方公共団体がみずから主体となって直接に従事する必要のない、それを考えるのは国側だろう、それには反対という考え方があるわけです。
 その辺からもう議論がすれ違ってしまうわけでありまして、そういう、これは全く今度の改正案には入っていませんけれども、第二条の定義規定をもっとごく普通の、例えば法学部の学生なんかが見てわかるように書くのが必要だということを申し上げたということでございます。
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鈴木克昌#29
○鈴木(克)委員 どうもありがとうございました。
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