災害対策特別委員会

2019-12-04 参議院 全129発言

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会議録情報#0
令和元年十二月四日(水曜日)
   午後一時開会
    ─────────────
   委員の異動
 十一月二十日
    辞任         補欠選任
     高橋はるみ君     太田 房江君
     山下 雄平君     野村 哲郎君
 十一月二十一日
    辞任         補欠選任
     矢田わか子君     小林 正夫君
 十二月三日
    辞任         補欠選任
     三宅 伸吾君     宇都 隆史君
 十二月四日
    辞任         補欠選任
     宇都 隆史君     羽生田 俊君
     野村 哲郎君     山下 雄平君
     馬場 成志君     酒井 庸行君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         杉  久武君
    理 事
                足立 敏之君
                長峯  誠君
                吉川 沙織君
                矢倉 克夫君
    委 員
                岩本 剛人君
                宇都 隆史君
                小野田紀美君
                太田 房江君
                加田 裕之君
                酒井 庸行君
                野村 哲郎君
                羽生田 俊君
                元榮太一郎君
                山下 雄平君
                小沼  巧君
                小林 正夫君
                芳賀 道也君
                水岡 俊一君
                宮崎  勝君
                室井 邦彦君
                武田 良介君
   衆議院議員
       災害対策特別委
       員長代理     原田 憲治君
   国務大臣
       国務大臣
       (内閣府特命担
       当大臣(防災)
       )        武田 良太君
   副大臣
       内閣府副大臣   平  将明君
   大臣政務官
       内閣府大臣政務
       官        今井絵理子君
       国土交通大臣政
       務官       和田 政宗君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        林  浩之君
   政府参考人
       内閣府政策統括
       官        青柳 一郎君
       文部科学省総合
       教育政策局社会
       教育振興総括官  寺門 成真君
       厚生労働省社会
       ・援護局障害保
       健福祉部長    橋本 泰宏君
       農林水産省大臣
       官房生産振興審
       議官       鈴木 良典君
       農林水産省大臣
       官房参事官    上田  弘君
       農林水産省農村
       振興局整備部長  安部 伸治君
       林野庁森林整備
       部長       小坂善太郎君
       中小企業庁事業
       環境部長     奈須野 太君
       国土交通省大臣
       官房技術審議官  徳永 幸久君
       国土交通省水管
       理・国土保全局
       長        五道 仁実君
       観光庁観光地域
       振興部長     村田 茂樹君
       環境省大臣官房
       審議官      正林 督章君
       環境省環境再生
       ・資源循環局長  山本 昌宏君
       環境省環境再生
       ・資源循環局次
       長        森山 誠二君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○災害対策樹立に関する調査
 (派遣委員の報告)
 (広域避難の在り方に関する件)
 (防災教育の推進に関する件)
 (被災農家に対する営農継続支援に関する件)
 (災害廃棄物・堆積土砂等の処理に関する件)
 (災害救助法による住宅の応急修理制度に関す
 る件)
 (災害時の避難行動に資する情報提供に関する
 件)
○令和元年特定災害関連義援金に係る差押禁止等
 に関する法律案(衆議院提出)
    ─────────────
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杉久武#1
○委員長(杉久武君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨日までに、高橋はるみ君、山下雄平君、矢田わか子君及び三宅伸吾君が委員を辞任され、その補欠として太田房江君、野村哲郎君、小林正夫君及び宇都隆史君が選任されました。
 また、本日、馬場成志君が委員を辞任され、その補欠として酒井庸行君が選任されました。
    ─────────────
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杉久武#2
○委員長(杉久武君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府政策統括官青柳一郎君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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杉久武#3
○委員長(杉久武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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杉久武#4
○委員長(杉久武君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、去る十一月二十七日に本委員会が行いました令和元年台風第十九号等に係る被害状況等の実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。長峯誠君。
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長峯誠#5
○長峯誠君 十一月二十七日、長野県において、令和元年台風第十九号等に係る被害状況等の実情を調査してまいりました。
 参加者は、杉久武委員長、足立敏之理事、吉川沙織理事、矢倉克夫理事、元榮太一郎委員、小林正夫委員、室井邦彦委員、武田良介委員、また、現地参加されました羽田雄一郎議員、そして私、長峯誠の十名でございます。
 現地調査の概要を御報告いたします。
 十月十二日から十三日にかけて、台風第十九号の影響により、長野県内では初めてとなる大雨特別警報が発令されるなど、記録的な大雨がもたらされました。
 長野県では、千曲川流域を中心とした河川の氾濫や土砂災害等により、死者五名、負傷者百四十四名などの人的被害に加え、県内の広範囲にわたり、住宅、道路、河川等の土木施設、鉄道施設、農地や農林業用施設などに甚大な被害が生じました。
 現地におきましては、まず、JR長野駅に到着した後、バスの車中にて、長野県及び長野市当局から被害の状況等について説明を聴取いたしました。
 その場で、長野県当局からは、千曲川、犀川、天竜川で国管理区間と県管理区間が分かれている状態となっているいわゆる中抜け区間等について、国による一元管理の必要性が強調されるとともに、災害予防システムの構築等、防災情報の提供体制の強化等について要望がありました。
 その後、長野市穂保地区に赴き、千曲川における堤防決壊現場の被災・復旧状況を視察いたしました。
 同地区での破堤箇所は長さ約七十メートルにも及び、これにより濁流が住宅地等を襲い、地域に重大な浸水被害を及ぼすこととなりました。
 これに対し、国土交通省では、十月十三日の早朝に緊急復旧工事に着手し、十七日には仮堤防が、そして三十日には鋼矢板仮締切り堤防が完成いたしました。
 同省北陸地方整備局では、千曲川において堤防決壊等の原因究明と再度の被害を回避する復旧対策等に対する指導及び助言を行うことを目的とする千曲川堤防調査委員会を設置いたしました。
 同委員会では、これまでに、決壊地点では越流が生じており、越水による洗堀が決壊の要因になったとの可能性を指摘しているとのことであります。
 この地区での生活、なりわいの再建には再度の災害を防ぐことが欠かせないことから、堤防の抜本的な復旧に向けた工法の選択が待たれるところであります。
 次に、同市長沼地区の農産物直売所アグリながぬま及びその周辺の被災状況を視察いたしました。長沼地区は、先ほどの穂保地区からも至近であり、ここでも多くの浸水被害が発生いたしました。
 農業被害に関しては、特に今回、リンゴ畑等が甚大な被害を受けており、当地付近のリンゴ畑では間近にその被害状況を視察することができました。一日も早い営農再開のためには、畑に堆積した土砂の撤去作業をいかに効率的に行うのかという点などが課題となっております。
 次いで、同市のJR東日本長野新幹線車両センターに移動し、当該被災箇所及び被災車両を視察いたしました。
 台風第十九号の影響による千曲川の氾濫等の影響で、北陸新幹線では長野新幹線車両センター構内及び新幹線車両が冠水するなど、設備等に甚大な被害を受けました。
 JR東日本によれば、同センターは長野市のハザードマップで浸水想定区域に指定されており、それを踏まえて約二メートルのかさ上げを施していたものの、今回はそれを上回る浸水規模であったとのことであります。
 再び同様の事象を生じさせないためにはどのような対策が必要なのか、今後、当地を所有する独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、JR東日本及び国土交通省との間で検討していきたいとのことであります。
 最後に、長野県庁にて、長野県及び長野市と意見交換を行いました。
 まず、阿部長野県知事及び加藤長野市長にそれぞれ見舞金を手交した後、特別交付税総額の増額等の財政支援の必要性、地方の声を踏まえた国土強靱化の推進、リンゴを始めとする農業被害に対する支援、観光需要の喚起に向けた対策の在り方等について意見が交わされました。
 以上が調査の概要であります。
 今回の調査におきましては、想定を超えた規模の大雨がもたらした甚大な浸水被害を目の当たりにし、河川改修や堤防強化、排水機場の増設などの抜本的な治水対策を早期に実施するとともに、水位情報や堤防決壊の危険性等に係る適時適切な情報提供等のソフト面の取組を進めること、また、被災者の日常生活の回復に向けた各種施策による支援、さらに、なりわいの再建に向けた中長期的な取組を着実に実施する必要性を感じた次第であります。
 終わりに、今回の調査に当たり御協力をいただきました皆様に心から御礼を申し上げ、被災地の一日も早い復旧復興をお祈りし、派遣報告といたします。
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杉久武#6
○委員長(杉久武君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
 これより質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
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長峯誠#7
○長峯誠君 先週の長野県視察の中で、知事と長野市長さんから具体的な要望がございましたので、何点かお伺いをいたします。
 まず、千曲川について、国が管理する区間と県が管理する区間が併存する中抜け区間になっているとのことです。川上から川下まで一元的に管理するためには、川の途中で管理者が変わることは望ましくないと考えます。中抜け区間を解消すべきと考えますが、国土交通省の見解を伺います。
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五道仁実#8
○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
 今回の台風第十九号により、千曲川とその支川において、堤防の決壊や護岸の崩落など、甚大な被害が発生いたしました。このうち、長野県が管理する千曲川のいわゆる中抜け区間を含む五か所の被災箇所については、長野県知事からの要請を受け、復旧工事を県に代わって国直轄で進めることといたしました。まずは、この権限代行による被災箇所の早急復旧に向け、全力で尽くしてまいります。
 委員御指摘の中抜け区間の一元管理については、千曲川の河川管理や改修が円滑に進むことが最も重要というふうに考えてございます。そのため、体制がどのようなものが一番よいのか、今回の洪水で中抜け区間においてどのような課題があったのか等を総合的に踏まえて検討を進めてまいります。
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長峯誠#9
○長峯誠君 次に、環境省に伺います。
 今回、半壊以上の住宅の解体、撤去に関しましては、所有者に代わって市町村が負担する公費解体制度を活用できます。しかし、この廃棄物は指定された仮置場に持ってこなければいけないというふうになっております。
 仮置場が不足する場合は解体業者が直接処分するケースも認めるべきと考えますが、いかがでしょうか。
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山本昌宏#10
○政府参考人(山本昌宏君) お答えいたします。
 今委員御指摘のありました公費解体につきましては、仮置場の確保状況等に応じまして、仮置場を経由して処分することもあれば直接処分することもあるということで、いずれも補助対象となるものでございます。
 被災市町村の状況に応じまして、できるだけ家屋の解体が円滑に進むよう、支援業務の知見がある環境省職員によるきめ細かなサポートをしながらしっかりと対応したいと考えております。
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長峯誠#11
○長峯誠君 直接も大丈夫ということですので理解しました。
 次に、農林水産省にお伺いをいたします。
 農地に堆積した土砂の撤去につきましては、災害復旧事業の対象になっております。しかし、長野市では、膨大な被災箇所の復旧事業を進めるのに時間を要しております。リンゴは、粘土のような堆積土砂のせいで根っこが呼吸できずに枯れてしまうそうでございます。農家の中には、来年の作付けに間に合わないということで、補助事業を待たずに自力で、あるいは自分で業者に依頼して土砂撤去をする動きもあるようでございます。
 このような自力で行う土砂撤去も、できれば定額補助などで支援できないのか、お伺いいたします。
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鈴木良典#12
○政府参考人(鈴木良典君) お答えをいたします。
 台風第十九号などによる果樹の被害については、長野県の千曲川流域のリンゴ農家を始め広範囲で浸水被害が発生し、被災園地に土砂が流入し樹体が衰弱するといった事態が生じております。
 これを踏まえ、十一月七日に発表した対策パッケージでは次期作に向けた樹体の洗浄や樹勢の回復に必要な作業への支援として十アール当たり七万四千円の定額補助を措置しており、この中で農家が自力で行う土砂撤去も支援することとしております。
 これらの対策により、被災された果樹農家が一日も早く経営再建できるよう、全力で取り組んでまいります。
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長峯誠#13
○長峯誠君 それぞれ前向きな御答弁をいただいて、ありがとうございます。
 長野市を始め被災地の皆さんの一日も早い復興のために、本委員会としても引き続き力を尽くしてまいりたいと存じます。
 次に、広域避難についてお伺いいたします。
 足立区、江東区、江戸川区、葛飾区、墨田区のいわゆる江東五区では、今年の五月に配布された水害ハザードマップで、二百五十万人が区外へ避難する広域避難を呼びかけておりました。
 しかし、今回の台風十五号では、発令基準雨量の六百ミリが目前に迫る中、鉄道の計画運休が決定されていたため広域避難の呼びかけは見送られました。一方、埼玉県加須市では、広域避難指示を夜中の午前一時に発出をしまして、九千五百人が避難をいたしました。大型バスも用意しましたが、幹線道路は大渋滞となって、避難先に到着したのが朝方になった方もいらっしゃったそうでございます。
 また、結果として、浸水被害は発生せず空振りに終わりました。危機管理は空振りは許されるが見逃しは許されないというのが鉄則でございますから、空振りを責めることは適当ではないと思います。しかし、どちらの事例も広域避難の難しさと課題を浮き彫りにしたと言えますが、政府として広域避難の在り方をどう考えるのか、防災大臣にお伺いをいたします。
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武田良太#14
○国務大臣(武田良太君) 広域避難につきましては、平成二十七年関東・東北豪雨の際に課題となったわけでありまして、これを踏まえまして、中央防災会議の下にワーキンググループを設置し、平成三十年三月、三大都市圏のゼロメートル地帯を念頭に、大規模かつ広域的な避難において想定される課題や基本的な考え方等について取りまとめたところであります。現在、東京都と共同で関係自治体、交通事業者、河川管理者等で構成する検討会を設置し、荒川下流域を中心として避難場所及び避難手段の確保等について検討を進めております。
 一方、台風第十九号では、埼玉県加須市等において広域避難が実施をされました。その際、深夜の避難情報の発令や車の渋滞等の課題が明らかとなりました。また、荒川下流域におきましても、広域避難のタイミングや公共交通機関の計画運休が近づく中での避難手段の確保など、課題が顕在化をいたしました。
 今後、中央防災会議の下に設置しましたワーキンググループにおきまして広域避難についても検討し、関係機関と連携して大規模な広域避難の実効性確保に向けた取組を進めてまいりたいと思います。
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長峯誠#15
○長峯誠君 今回は、雨量の予測も相当変わっていったのでなかなか難しかったということでございます。完璧な雨量予測技術があれば広域避難も現実的でしょうけれども、台風の進路や雨量予測はかなり大きな幅を持って提供されます。適切な避難を実施しつつ、住民や自治体に過度な負担が掛からないように、国としてしっかりリーダーシップを発揮していただきたいと思います。
 次に、土砂災害警戒区域について伺います。
 宮城県丸森町では、土砂災害警戒区域に指定されていない場所で土砂災害が起こり、三名の方が犠牲になりました。このうちお二人は、ほかの地区からわざわざ避難してきた方だったそうでございます。現在の指定率は八八%になっているものの、都道府県ごとにこれはかなりばらつきがございまして、最も低い県では三三%にとどまっております。未達成の県の取組を促進させるように、これは政府に求めておきたいと思います。
 さらに、警戒区域に指定する要件に当てはまらないということで警戒区域から外された地域でも土砂災害が起きました。基礎調査に用いられる地形図の精度が低いという指摘がございますけれども、基礎調査の精度を上げるためにどのように取り組まれるのか、国交省にお伺いをいたします。
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五道仁実#16
○政府参考人(五道仁実君) お答え申し上げます。
 土砂災害防止法に基づく基礎調査は、まず、地形等により土砂災害が発生するおそれがある箇所を概略的に調査することとしております。一方、概略調査に用いる地形図の精度には限界があり、土砂災害が発生するおそれがある箇所を把握できない場合があるといった課題があると認識しているところでございます。
 このような課題に対しまして、従来の地形図より詳細に起伏等が判読できる地形データを活用することで基礎調査の精度向上が可能な場合があるというふうに考えております。
 このため、基礎調査の精度向上に向け、有識者の意見も踏まえながら、概略調査手法の改善を図り、これを活用した土砂災害警戒区域の指定を促すことで市町村の警戒避難体制の更なる整備を支援してまいります。
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長峯誠#17
○長峯誠君 お手元に資料を配っておりますけれども、本年五月から防災気象情報に五段階のレベルを付けて公表する運用が始まりました。防災気象情報が多岐にわたり分かりにくかったものがシンプルに伝わるようになり、確かに感覚的に捉えやすくなったとは思います。
 しかし、従来の避難勧告、避難指示がレベル4であることが誤解を招くのではないかと危惧をいたしております。レベル4が発出されても、五段階の中での4ということで、まだ大丈夫なんじゃないかという感覚につながるのではないかというふうに考えます。
 また、レベル5でございますが、これはもう既に災害が発生しているという段階なので、レベル5を出されたところで、では住民はどうすればいいのかと。もう避難することはできないので諦めてください、避難しなかったあなたが悪いのですよと言われているような受け止めにもなりかねません。レベル5を出したところで、的確な避難行動につながっていかないのではないかと考えます。
 レベル5を設定する積極的な意味があるのか、防災大臣にお伺いいたします。
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武田良太#18
○国務大臣(武田良太君) 災害に関する情報は、受け手である住民に確実に伝わり、正しく理解され、適切な避難行動を取ってもらうことが重要であると認識をいたしております。
 警戒レベル5につきましては、平成三十年七月豪雨を踏まえ、中央防災会議の下に設置したワーキンググループにおきまして、「実際に災害が発生しているとの情報は、住民の命を守るための行動にも極めて有益である。」と報告されたことから、災害が実際に発生している段階を警戒レベル5として可能な範囲で発令し、住民に命を守る最善の行動を求めることといたしております。
 台風第十九号におきましては、福島県本宮市等で警戒レベル5の災害発生情報を発令し、周囲が危険な場合は二階へ避難するなど命を守る行動を取ってください等と呼びかけたと聞いております。
 警戒レベル5の呼びかけが住民の避難行動にどのような影響を与えたかについて、実態を把握、検証した上で、中央防災会議の下に設置しましたワーキンググループにおきまして、災害リスクと取るべき行動や、行政による避難の呼びかけについて検討し、必要な対策を進めてまいりたいと存じます。
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長峯誠#19
○長峯誠君 よろしく御検討をお願いいたします。
 次に、避難行動について伺います。
 多くの方々にとって、避難勧告はイコール避難所に行くことと受け取られているのではないでしょうか。これは大変危険なことです。実際に、避難所に向かう途中で水に流される方が後を絶ちません。
 私が考える避難行動の手順は、第一に、ハザードマップで自宅が安全なら自宅にとどまる、第二に、自宅が危険であれば親戚や知人宅に身を寄せる、第三に、行き先のない人は避難所に行くというものであります。ある意味で避難所は最後のセーフティーネットなのであります。このような避難行動に関する国民のリテラシーを高めていく必要があると考えます。
 また、メディアで避難率という数字が出されます。百人に避難勧告が出て一人しか避難所に行かなかったら、マスコミで言う避難率では一%です。しかし、残りの九十九人の方が親戚や知人のおうちに身を寄せていたとしたら、実際の避難率は一〇〇%なんですね。
 私が市長時代に、災害時要支援者名簿を作成をいたしまして、避難準備情報を出した段階で全ての対象者に市役所から直接電話で連絡を取りました。約七十名ほどいらっしゃいましたけれども、ほとんどの方が親戚のうちに行くという返答でございました。そもそも避難所はアメニティーが劣りますので、できれば行きたくないというのが心理だと思います。そのとき、避難所に行きたいと希望する方は一名でございました。で、移動手段がないということで公用車で送迎をして、雨が降る前に全員の避難を完了させました。
 マスコミが言う避難率という考え方が誤った避難行動を助長しているのではないかと危惧をいたしますけれども、防災大臣の御意見をお伺いいたします。
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武田良太#20
○国務大臣(武田良太君) 災害時、適切な避難行動を取ることができるよう、住民は常に自らの命は自らが守るとの認識を持ち、地域の災害リスクと取るべき行動について理解することが重要であり、委員御指摘のとおり、避難行動に関する国民のリテラシーを高めていくことが必要だと考えております。
 例えば、避難勧告等に関するガイドラインにおいては、避難行動の原則としまして、立ち退きが必要な場所なのか、また上階への移動等で命に危険が及ぶ可能性がなくなるのか等についてあらかじめ確認した上で避難行動について判断すべきであるとしております。また、避難につきましては、公的な避難場所への避難のみではなく、親戚や知人宅への避難や屋内での上階への避難など、各個人の居住地の地形、そして住宅構造等により様々な形態がございます。
 今回の台風第十九号では、自宅で被害に遭われた高齢者、また自動車での移動中に被災された方が多かったと聞いております。このため、ワーキンググループにおきまして、災害リスクと取るべき行動や行政による避難の呼びかけについて、住民の理解の実態を把握、検証した上で必要な対策を検討してまいりたいと思います。
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長峯誠#21
○長峯誠君 国民のリテラシー上げるというのは大変な作業だと思いますけれども、粘り強く進めていただきたいと思います。
 次に、リエゾンについてお伺いいたします。
 各府省の担当者を自治体に直接派遣して国との迅速な連携を図るリエゾンは、近年の災害で目覚ましい活躍をいたしております。私が地元で新燃岳が噴火した際に、九人のリエゾンが一か月常駐していただきました。三百年ぶりの火山噴火という低頻度な災害であったため、自治体に一人も経験者がいませんでした。国の知見をお借りできたことは大変有り難いことでございました。
 今回の台風では、千葉県で長期間の停電が生じましたが、国交省のリエゾンは数多く派遣されていたものの、電力所管の経産省や通信所管の総務省のリエゾンは必ずしも各自治体に派遣されていなかったとの指摘がございます。
 リエゾン派遣については、どこでどのようにマッチングをしているのか、内閣府にお伺いいたします。
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青柳一郎#22
○政府参考人(青柳一郎君) お答えいたします。
 政府のリエゾンの派遣につきましては、基本的には被災状況等を踏まえて各省庁において実施しているところでございます。
 内閣府について申しますと、大規模な自然災害が発生した場合において、発災後速やかに内閣府の調査チームを派遣すると。現地では、関係省庁と被災地方公共団体とも連携をしながら、被災地の状況に応じて、場合によって必要と認められる場合に、内閣府から関係省庁の方に追加の職員派遣を依頼するということもあり得るところでございます。
 現在、先ほど来、検証のお話ございますけれども、台風十五号、十九号を始めとした一連の災害に係る検証チームにおきまして、国、地方自治体の初動対応についても検証を行っているところでございまして、その検証結果も踏まえて、リエゾンの派遣についても、今後、政府一体となった対応が行われるように取り組んでまいりたいと考えております。
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長峯誠#23
○長峯誠君 恐らく、市町村では、どこにどのようにリエゾンを依頼していいか分からない、いや、それどころか、リエゾン派遣を要請するという発想すらないケースが多々あると思います。是非とも、このマッチング機能については今度の検討の中でしっかり形にしていただきたいと思います。
 次に、自治体間の職員派遣について伺います。
 私は、先日、栃木県佐野市で災害ボランティアに参加し、浸水家屋の泥のかき出し作業を行いました。ボランティアセンターには様々な自治体から職員が派遣されておりました。
 この派遣ルートには、総務省がマッチングするもの、地方三団体を通じたもの、個別自治体同士の相互協定に基づくものなど様々な取組があるようでございます。より迅速に的確な人材を派遣するために自治体ごとの応援・受援計画を作成する必要がありますが、現在どの程度策定が進んでいるのか、全ての自治体で策定されるためにどのように取り組まれるのか、内閣府にお伺いいたします。
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青柳一郎#24
○政府参考人(青柳一郎君) 御指摘のとおり、大規模災害時に被災地方公共団体のみで災害対応を全て実施することは困難なので、他の地方公共団体から応援を受け入れるために体制を整備することが重要でございます。この受援体制につきましては、消防庁の調査によりますと、平成三十年の六月時点、BCP、業務継続計画を定めている市町村が千四百二団体ございますけれども、このうちで受援に関する規定を備えている市町村は六百八団体、四割程度ということで、ちょっと残念な水準でございます。
 内閣府としては、平成二十九年に受援体制の必要性や考え方を示したガイドラインを策定をして、研修会等を通じて作成を促進してきたところでございますけれども、最近の災害の頻発状況を見ますと、御指摘のとおり、全ての市町村で受援体制を構築する必要があると考えてございます。
 現在実施中の一連の災害の検証も踏まえまして、どのような方策があるか、かちっとした受援計画というレベルでないものでも、最低限の事項について定めるように働きかけるということで、いろいろな方策、ちょっと検討してまいりたいと考えます。
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長峯誠#25
○長峯誠君 次に、林野庁に伺います。
 今回の台風で、千葉県で多くの倒木が道路を塞いだり電柱を倒したりしました。建設業や自衛隊などの活躍もあり、それらの倒木は速やかに除去されました。しかし、道路から離れた山林にはいまだ多くの倒木が残っています。私の地元でも、去年の台風で二百町歩ほどの倒木が生じました。一年たった今でも半分ほどしか除去が進んでおりません。理由としては、所有者はお金にならない倒木除去に消極的だと、あるいは、作業班は収入が多く安全な主伐を優先してしまうと、さらに、反り返った倒木の内部には揚力という物理力が働いておりまして、チェーンソーを当てると木が裂けて激しく跳ね上がります。プロの作業班が慎重に作業しても事故が起こることがあります。
 しかし、これらの倒木を放置しておけば、次に大雨が来たときにはこれらの倒木が橋や堤防を破壊する凶器となります。速やかに倒木除去を進めるべきと考えますが、林野庁として取組をお伺いいたします。
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小坂善太郎#26
○政府参考人(小坂善太郎君) お答えいたします。
 議員御指摘のとおり、台風等の被害を受けた森林、それにつきましては、公益的機能をきっちり発揮する観点から、森林整備事業により被害木の伐採、搬出と、さらにはその後の植栽等に対し、国と都道府県合わせて七割の支援を行っているところでございます。
 また、森林所有者の自助努力ではなかなか森林の復旧が期待できない、そういった森林につきましては、森林所有者と市町村が協定を結び、その協定に基づき市町村等が森林整備する場合は、事業費の全額を国と都道府県、市町村で負担する、いわゆる森林所有者の負担のない復旧ができる、そういう事業も措置しているところでございます。
 今後とも、このような支援措置を活用しまして、都道府県、市町村とも連携して、被災した森林の早期復旧が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
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長峯誠#27
○長峯誠君 最後に、大臣に伺います。
 相次ぐ自然災害を受けて、防災を所管する省庁を創設してはどうかという議論が出ています。かつて政府では、アメリカのFEMAをモデルにした日本版FEMAを検討したことがございました。その際は継続検討という結論だったと記憶しております。私も、当初は日本版FEMAが必要ではないかと思っていましたが、今は現状の体制の方がよいのではと考えております。
 全国各地で起こる災害にきめ細かく対応するためには、手足を持っている組織が必要です。現在の我が国では、国交省がその役割の多くを担っています。もし防災省や日本版FEMAというものをつくるとするならば、それだけ手足をつくらなければなりません。もし手足のない総合調整の組織とするなら、今の内閣府防災と同じであり、改めて省庁を創設する意義は見出せません。専門性の高い職員を養成するという意見もお聞きしますが、国交省から出向した職員が内閣府防災の中心を担う方が、専門性の観点からも、国交省との連携の観点からも適切ではないでしょうか。
 防災省の設置について防災大臣としてどうお考えか、伺います。
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武田良太#28
○国務大臣(武田良太君) 委員は防災士の資格をお持ちというふうに伺っております。その観点からの御指摘であろうかと思いますが。
 災害対応につきましては、おっしゃるとおり、今回かなり町村会、知事会からも評価をいただいておるわけでありますが、総理の指揮の下に内閣官房、内閣府が中心となって省庁横断的な取組を行って、各省庁と自治体の適切な役割分担の下、被災地の迅速な復旧、早期の復興に取り組んできたところであります。
 いずれにせよ、防災体制の実質的な充実強化は重要な課題であるとともに、関係省庁や地方自治体の連携の在り方についても、今回の台風第十五号、十九号を始めとした一連の大規模災害の検証を踏まえて不断の見直しを進め、御指摘の諸外国の防災体制も参考としながら、国だけでなく、地方自治体と一体となって危機管理体制の確保に努めてまいりたいと思っております。
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長峯誠#29
○長峯誠君 二〇一六年の糸魚川大火の際に、消防庁の職員が現地に到着したのは発災から十時間以上たってからでございました。その間、情報収集、連絡調整など、もろもろの支援に携わっていたのは北陸地方整備局でありました。国交省のネットワークと知見はすばらしい財産でございます。
 大規模災害が頻発する状況を踏まえ、整備局の体制強化を政府に求めて、質問を終わります。
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