外務委員会

2020-04-10 衆議院 全176発言

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会議録情報#0
令和二年四月十日(金曜日)
    午前九時五分開議
 出席委員
   委員長 松本 剛明君
   理事 岩屋  毅君 理事 木原 誠二君
   理事 鈴木 憲和君 理事 中山 泰秀君
   理事 山田 賢司君 理事 大西 健介君
   理事 山内 康一君 理事 竹内  譲君
      小野寺五典君    尾身 朝子君
      城内  実君    黄川田仁志君
      新藤 義孝君    杉田 水脈君
      鈴木 貴子君    鈴木 隼人君
      武井 俊輔君    中曽根康隆君
      中谷 真一君    中山 展宏君
      阿久津幸彦君    小熊 慎司君
      岡田 克也君    玄葉光一郎君
      森山 浩行君    岡本 三成君
      赤嶺 政賢君    杉本 和巳君
      井上 一徳君
    …………………………………
   外務大臣         茂木 敏充君
   外務副大臣        鈴木 馨祐君
   外務副大臣        若宮 健嗣君
   外務大臣政務官      尾身 朝子君
   外務大臣政務官      中谷 真一君
   外務大臣政務官      中山 展宏君
   防衛大臣政務官      渡辺 孝一君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  山内 智生君
   政府参考人
   (内閣府知的財産戦略推進事務局長)        三又 裕生君
   政府参考人
   (外務省大臣官房儀典長) 海部  篤君
   政府参考人
   (外務省大臣官房審議官) 小野 日子君
   政府参考人
   (外務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官)           大隅  洋君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 山中  修君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 遠藤 和也君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 河津 邦彦君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 齋田 伸一君
   政府参考人
   (外務省大臣官房参事官) 御巫 智洋君
   政府参考人
   (外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長)   久島 直人君
   政府参考人
   (外務省北米局長)    鈴木 量博君
   政府参考人
   (外務省中東アフリカ局長)            高橋 克彦君
   政府参考人
   (外務省経済局長)    山上 信吾君
   政府参考人
   (外務省国際協力局長)  鈴木 秀生君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官)  浅沼 一成君
   政府参考人
   (防衛省地方協力局次長) 青木 健至君
   外務委員会専門員     小林 扶次君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十日
 辞任         補欠選任
  穀田 恵二君     赤嶺 政賢君
同日
 辞任         補欠選任
  赤嶺 政賢君     穀田 恵二君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 投資の促進及び保護に関する日本国とアラブ首長国連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一号)
 投資の促進及び保護に関する日本国とヨルダン・ハシェミット王国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第二号)
 包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定を改正する第一議定書の締結について承認を求めるの件(条約第三号)
 投資の促進及び保護に関する日本国とモロッコ王国との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第四号)
 投資の相互促進及び相互保護に関する日本国政府とコートジボワール共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第五号)
     ――――◇―――――
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松本剛明#1
○松本委員長 これより会議を開きます。
 投資の促進及び保護に関する日本国とアラブ首長国連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件、投資の促進及び保護に関する日本国とヨルダン・ハシェミット王国との間の協定の締結について承認を求めるの件、包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定を改正する第一議定書の締結について承認を求めるの件、投資の促進及び保護に関する日本国とモロッコ王国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び投資の相互促進及び相互保護に関する日本国政府とコートジボワール共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各件審査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房儀典長海部篤君、大臣官房審議官小野日子君、大臣官房サイバーセキュリティ・情報化参事官大隅洋君、大臣官房参事官山中修君、大臣官房参事官遠藤和也君、大臣官房参事官河津邦彦君、大臣官房参事官齋田伸一君、大臣官房参事官御巫智洋君、総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長久島直人君、北米局長鈴木量博君、中東アフリカ局長高橋克彦君、経済局長山上信吾君、国際協力局長鈴木秀生君、内閣官房内閣審議官山内智生君、内閣府知的財産戦略推進事務局長三又裕生君、厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官浅沼一成君、防衛省地方協力局次長青木健至君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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松本剛明#2
○松本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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松本剛明#3
○松本委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。竹内譲君。
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竹内譲#4
○竹内委員 おはようございます。公明党の竹内譲でございます。
 きょうは投資関連協定の質疑ということなんですけれども、その前に、やはり新型コロナウイルス対策に関しまして、外務省に関連する質問を少しさせていただきたいというふうに思っております。
 緊急事態宣言を受けまして、本当に深刻な状況に陥っているわけでございます。世界も同時に、大変、パンデミックということで憂慮すべき状況にあるというふうに思っております。
 その中で、少しでも参考になる国のことを我々はやはり学ぶべきではないかなというふうに思っておるわけでございまして、まず最初に、台湾の状況につきましてお聞きしたいというふうに思います。
 国際的な機関の報告によりますと、台湾ではかなり感染者数が抑えられており、死者数も少ないというふうに伺っております。いろいろ特徴ある活動をされているようですけれども、これらの点につきまして、感染の状況と感染対策の特徴などにつきまして、外務省から報告をお願いしたいと思います。
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遠藤和也#5
○遠藤政府参考人 お答え申し上げます。
 四月九日、昨日付の台湾の衛生当局の発表によれば、台湾での累計の感染者数は三百八十名、亡くなられた方は五名と承知しております。
 台湾では、新型コロナウイルス対策といたしまして、例えば、健康保険カードを活用したマスク購入制度、それからフェイクニュースに対する規制強化措置等がとられているほか、三月十九日からは、外国からの全ての入境者に対して一律十四日間の自宅隔離措置を義務づけているものと承知しております。
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竹内譲#6
○竹内委員 台湾の場合は、SARSのときの大変貴重な経験があるというふうに伺っておりまして、七十三人が当時は亡くなったということで、早くから手を打ったというふうに聞いております。
 私の知る限りでは、地域と一体となった予防対策であるとか、それからまた、指揮センターというのがあって、市民に現状を理解してもらう、情報共有がしっかりされている。それから、ケアセンターというところがあって、いろいろ隔離された方々につきましての日常生活の支援とか、買物とかお弁当とか薬とか、そういうセンターもあるというようなことで、いろいろ伺っているところでございます。
 しかし、台湾でも、何か自粛疲れというのもあるそうでありまして、やはり日本と同じように花見が増加したりというようなことで、オーバーシュートの可能性もあるということで、引き続き油断なくやっていかなければならないというのを伺っているところであります。
 それから次に、韓国の状況なんですけれども、韓国は、御承知のように、最初のときに大きく感染者数が増大をしたんですけれども、その後、ある時点からかなり抑えられている、抑制的になっているというふうに伺っております。
 この辺の、韓国の状況と感染対策の特徴について報告をお願いします。
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遠藤和也#7
○遠藤政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、現時点での状況でございますが、韓国政府の発表によれば、現時点で韓国国内の新型コロナウイルスの感染状況は、累計感染者数は一万四百二十三人、亡くなられた方は二百四名というふうに承知しております。
 韓国における感染症対策といたしましては、一つは、国内におきまして、例えばですけれども、感染症を受けた感染者の動きなどの情報公開の徹底をかなりやっているということと、ドライブスルー方式の検査を含めたPCR検査の実施、それから、感染者のみならず接触者の自宅隔離措置、外出、集会等の自粛要請等を実施しているとともに、水際措置といたしましては、四月一日以降、原則として全ての入国者に対する十四日間の隔離等を実施しておるものと承知しております。
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竹内譲#8
○竹内委員 韓国で今注目すべきは、総選挙を今やっているということでありまして、あれだけソーシャルディスタンシングというふうに言ってきたにもかかわらず、選挙の様子を見ていると、かなり接触している雰囲気があるんですね。本当に大丈夫かというふうにこちらが心配になるぐらいでありますけれども、その辺は我々としても引き続きフォローしていきたいというふうに思っているところであります。
 さて、もう一つ、ドイツの状況でございますけれども、ドイツも大変感染者数は多いと伺っておりますが、医療崩壊をせずにかなり持ちこたえておるというふうに伺っております。さまざまな参考にすべき事例もあると思いますので、ドイツにつきましても同様に報告をお願いしたいと思います。
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河津邦彦#9
○河津政府参考人 お答え申し上げます。
 まず、感染状況でございますけれども、ドイツのロベルト・コッホ研究所の発表によりますと、四月九日時点でございますが、感染された方は十万八千二百二名、亡くなられた方は二千百七名となってございます。
 次に、感染対策の内容でございますけれども、ドイツ政府は、四月六日、いかなる国から帰国するかを問わず、ドイツへの帰国者に対する十四日間の隔離措置の実施を各連邦州に対して推奨することを決定しております。
 また、国内におきましては、三月二十二日に、ドイツ全土で、公共空間における同居家族以外の三名を超える集まりの禁止といった接触制限、全ての飲食店の閉鎖等を実施する指針を発表しておりまして、四月一日、この指針を四月十九日まで延長することを決定しております。
 御指摘のございました医療体制の方ですけれども、ドイツは、例えば人口当たりの集中治療室の病床数も多くございまして、高度な医療体制を有する国でございまして、現時点においてドイツの医療施設が大幅に逼迫しているという情報はございません。
 一方で、ロベルト・コッホ研究所は、地域によっては医療システムへの負担が非常に高くなるため、集中治療病床や医療従事者の増強等、重症患者の急増に備える対応がとられている、このように承知をしております。
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竹内譲#10
○竹内委員 やはり大変参考になったと思いますね。やはり、公共空間、三名以上の集まりは禁止しているとか、それから、飲食店につきましても、四月十九日までこれはクローズだというふうな今お話がありましたけれども、この辺、日本としても非常にこれからよく考えていかなければいけない点だというふうに思った次第であります。
 そのほかにも、抗体検査の問題とかいろいろあろうかと思いますけれども、外務省関係にきょうは絞っておりますので、個別の国の話はこの辺にさせていただきたいと思います。
 全体として、この緊急事態宣言の状況下で、やはり外務省として果たすべき役割は何かということを、緊急経済対策の内容も含めてお伺いをしておきたいというふうに思います。
 私としては、きちっとこの状況を、海外に対して説明責任を果たすということが一つあろうかと思います。英語だけではなくて、さまざまな言語でも、正確に、誤解のないように発信していくことが大事だと思っていますし、それからまた、感染症対策としては、自分の国のことだけ考えているのではなくて、私ども公明党も、国際的に活動している感染症対策のそういう世界的な団体に対して、GAVIとかCEPIとかそういうものがあるわけでありますが、これらに対しても積極的な資金拠出をするべきだということを求めてまいりました。この点、どうなったか。
 そしてまた、海外の邦人保護とか在外公館のやはり機能維持ということは非常に重要でありますので、そういう点につきましても、さまざまな点から要求をしてきたわけでございます。
 この辺につきましてトータルに、大臣の方から、ぜひ外務省としての果たすべき役割についてお話を願いたいと思います。
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茂木敏充#11
○茂木国務大臣 新型コロナウイルス感染症は、現在、百八十四の国・地域で約百五十三万人の感染が確認をされ、そのスピードも加速をしているわけであります。
 最初、十万人に感染者が拡大するまでは六十日かかりました。十万人から二十万人になるのには十一日です。二十万人から三十万人は四日、それ以降は二日ぐらいで十万人ずつふえて、今、百五十万を超える、こういうふうにスピードも加速をしておりまして、世界的な広がりを見せている。
 このような中で、海外に渡航そして滞在する邦人の保護、これは外務省の最も重要な責務の一つでありまして、間違いなくその重要性というのは高まっていると考えております。また、感染症の拡大防止という国際社会が直面する難しい問題の解決に向けて日本の役割は極めて大きい、このように考えております。
 まず、情報発信、注意喚起等でありますが、外務省としては、これまでも、在外邦人及び海外渡航者の安全を確保するため、感染症危険情報の発出、レベルの引上げ、これを適時行いまして、また、在外公館のホームページであったり外務省の海外安全ホームページへの関連情報の掲載等、適切な情報発信、情報提供、注意喚起に努めているところであります。
 今後も、世界各国におけます航空便の運航、今、急にとまったりしています、そういった情報であったりとか、移動制限措置等を含みます在外邦人及び海外渡航者の安全の確保のために必要な情報の発信、更に強化をしていきたいと思います。
 情報発信という点では、同時に、海外に対して、日本に対する正しい認識を持ってもらう、こういったことが重要でありまして、今般の緊急事態宣言の内容であったりとか考え方も含めて、我が国の現在のコロナウイルスの状況であったりとか取組を各国に対して丁寧に説明しておりますし、また、これを続けていきたいと思っております。
 さらに、新型コロナウイルスの感染の国内での蔓延を防いで、そして世界的な感染拡大を防止するために、各国の取組とも足並みをそろえて、水際対策についても引き続き実施をしていきたいと思っております。
 四月の三日から、かなり水際措置が強化をされる、こういう形になりまして、世界全体でも、各国から入ってくる外国の方、現在、百数十名から百人を切る、こういったところで推移をしている。この問題が起こる前は毎日十万人、日本に海外の方がお越しになった、この状況からさま変わりをしているんじゃないかなと思っております。
 また、邦人の帰国支援などについても、本省、在外公館が現地邦人としっかりと連絡をとりつつ、現地政府への働きかけであったり空港までの移動の支援といった必要な支援を行っております。
 これらの支援によりまして、これまで、臨時商用便、さらには民間のチャーター機の運航が実現して、移動であったり出国が困難な国々から約四千六百名の邦人が出国又は帰国できているという状況でありまして、これは毎日、世界全体の状況について、私を中心に、領事局、そして各地域局、さらには関係する在外公館の方で状況をアップデートして、この国だったらどういう出国手段があるかということを検討しながら、日々対応というのも考えているところであります。
 最後に、国際協力、これも非常に重要でありまして、これは、G7、G20の首脳電話会談、さらにはG7の外相の電話会談でもこの重要性を確認をしたところであります。
 日本としてもしっかりこういった支援の先頭に立っていきたいと考えておりまして、医療体制、保健システムが脆弱な国々を支援するために、今回の緊急経済対策におきましても、ユニセフ、さらには途上国へのワクチンであったりとか予防接種支援に取り組みますGAVI、こういった国際機関への拠出と同時に、二国間の無償資金協力、さらにはJICAによります技術協力、こういったことも実施をしていきたいと考えております。
 そして、こういったことをやっていくとなると、邦人の保護を進めるとなると、外務省の人間、在外公館の人間がきちんと働けなければいけないということで、外務省の感染防止対策、これも徹底をしていかなきゃならない。テレワークをする、一つの課を二つに分けてデュアルで仕事をすることによって、機能全体がとまってしまう、こういったことも避ける。こういった安全対策もとりながら、邦人の保護、安全確保に万全を期してまいりたいと考えております。
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竹内譲#12
○竹内委員 よろしくお願いいたします。
 それでは、投資関連協定につきまして質問を幾つかさせていただきたいと思います。
 今回、この法案を出されているわけでありますが、これまで九十四の国・地域をカバーして、現在の目標数を大体おおむねクリアすることとなってきたわけでありますけれども、この投資関連協定につきましては、経済界からも継続して要望が出されておりまして、世界の主要な各国と比較してもまだ少し開きがあるというふうに思います。
 政府として、二〇二〇年以降の新たな具体的な目標や戦略を明確にすべきではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
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茂木敏充#13
○茂木国務大臣 世界各国と比較してということでまず申し上げますと、貿易、さらに投資に関する協定で、今、世界的に保護主義的な動きが強まる中で、日本は、御案内のとおり、TPP11、一時、アメリカが離脱をして、漂流してしまうのではないか、これを主導して合意に導き、TPP11、おととしの十二月に発効し、さらには昨年の二月に日・EU・EPAが発効し、そして、交渉は難しいだろうと言われていた日米の間でも、日米貿易協定、これが合意し、ことしの一月一日から発効ということになっておりまして、これらの協定によりまして、日本を中心に世界のGDPの六割をカバーする自由な経済圏が誕生して、このことについては国際社会からも高い評価がなされている、このように考えております。
 その上で、投資関連協定について申し上げますと、我が国は、今回御審議をお願いしている投資協定を含めまして、現在までに七十八の国・地域との間で投資関連協定を発効済み又は署名済みでありまして、これらに交渉中のものを加えますと、九十四の国・地域をカバーすることになります。
 政府としては、御指摘のように、二〇一六年に投資環境整備に向けたアクションプランを定めまして、二〇二〇年までの目標として、世界百カ国・地域と投資関連協定を署名することを目指して、その締結促進に集中的に取り組んできたところでありまして、二〇一六年から見ますと、三十五だったものが七十八まで来ている、倍増以上しているという形でありますけれども、今後も、中東、そして中央アジア、中南米、アフリカ等の未締結の国々との間で投資関連協定の交渉を積極的に進めていきたいと思っております。
 その上で、二〇二〇年以降どうしていくか。これにつきましては、まず、ことしまでに、どんな形になったか、成果というのを一度きちんと検証した上で、来年以降の方針、新たな戦略についてはよく検討していきたいと思っております。
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竹内譲#14
○竹内委員 その関連でありますけれども、これまで保護型協定というのがやはりかなりありました。経済界からも自由化型協定への見直し要望が出されているところであります。
 大臣、今、成果をまず検証してというふうにおっしゃいましたので、そういうことになろうかと思いますが、今後、新規の締結だけではなくて、古くなった保護型協定についてもどうするのか、自由化型へと改正していくべきではないかというふうには私は思いますけれども、このあたりについてはいかがでしょうか。
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茂木敏充#15
○茂木国務大臣 竹内委員とは全く同じ考えでありまして、政府としては、投資参入後の投資財産の保護のみならず、投資参入段階での自由化についても規定をします自由化型協定の方が、日本企業の海外進出を後押しする観点から望ましい、そのように考えておりまして、我が国経済界も、新規の投資関連協定の締結に加えて、自由化型への改善、例えばトルコなどの投資関連協定について、今、保護型であるものを投資型への見直しを要望しているところでありまして、政府としては、こうした経済界を含めたさまざまな要望であったり相手国の事情等を総合的に勘案しながら、今後とも、グローバル化の中で投資をより促進するような投資協定となるように取組を進めてまいりたい、このように考えております。
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竹内譲#16
○竹内委員 よろしくお願いします。
 そこで、個別の話に少しなってまいりますが、我が国とASEAN諸国、各国との間では、既に個別に投資協定あるいは投資章を含むEPAが発効しているわけでございます。今回のAJCEP協定のような、いわば枠組みの整備にとどまる本改正議定書を新たに締結する意義について、改めて確認をしたいと思います。
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山上信吾#17
○山上政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘の投資章でございますが、この投資章につきまして留保表が効力を生ずるまでは、投資財産の設立段階における内国民待遇や特定措置の履行要求の禁止等に係る義務は適用されないということになっております。
 他方、この改正議定書が発効後、ASEANとの間で投資章の留保表の協議を開始することが定められておりまして、留保表が効力を生ずることによりまして、これらの義務について適用範囲が明確になる次第でございます。
 したがいまして、適用範囲の拡大等、既存の二国間の投資関連協定からのさらなる改善を図るべく、外務省としてもしかるべく交渉してまいりたいと考えております。
 また、留保表が効力を生ずる前の段階におきましても、例えば、一定の規定、公正な待遇、収用及び補償の規定、それから、こういった投資家の保護に関する規定が適用されることになっております。
 また、既存の二国間の協定とも比べましても、例えば、日・フィリピンのEPAで規定されなかったISDS条項、それから、ラオスとの日本との間の投資協定に含まれていないパブリックコメントの努力義務などが規定されているところでございまして、これらの規定によりまして、この改正議定書の投資章には意義があると考えております。
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竹内譲#18
○竹内委員 少し局長も触れられましたが、やや細かい議論になりますが、AJCEP協定は、自由化型協定ではあるものの、投資財産設立段階に関する紛争につきましては、ISDS手続に基づく仲裁に付託することができないと規定されているわけであります。この辺、設立段階の自由化の意義が減殺されるのではないかという指摘もありますが、この点につきましてはどのように考えますか。
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山上信吾#19
○山上政府参考人 お答えいたします。
 ただいま委員御指摘の点、まさにそのとおりでございまして、改正後のこの協定、五十一・十三条というのがございます。ここにISDSの手続が定められておりまして、どういう紛争が調停、仲裁に付託することができるかという規定がございまして、御指摘のとおり、投資財産の設立段階に関する紛争につきましては、この改正議定書のISDS手続に基づく調停又は仲裁に付託することはできないということになっておるところでございます。
 もっとも、この改正議定書の締約国としては、この議定書を締結することによりまして、一定の規律に服することになります。例えば、今後協議される留保表が効力を生じた後は、投資財産設立段階における内国民待遇や特定措置の履行要求の禁止等の義務を遵守することが求められます。
 また、仮に、これらの義務に対する違反があった場合に、紛争解決手続ですが、投資家と国との間のISDS、これに付託することはできませんが、締約国間の紛争解決手続に付託することは可能になる、こうしたことを通じまして、投資自由化の意義は確保されるものと考えております。
 なお、ブルネイ、タイ、フィリピンを除くASEAN各国とは、既に二国間のEPA又は投資協定によりまして、投資財産の設立段階に関する紛争についても、それぞれの二国間の協定に基づくISDS手続を適用することが可能となっている、こういう側面もございます。
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竹内譲#20
○竹内委員 このAJCEP協定第六章、サービスの貿易の章では、ポジティブリスト方式が採用されているわけであります。投資家の便宜を考えた場合、これはやはりネガティブリスト方式の方が望ましかったのではないかというふうにも思いますが、この辺につきましてはどのようにお考えですか。
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山上信吾#21
○山上政府参考人 お答えいたします。
 委員御指摘のとおりかと思います。ポジティブリスト形式、ネガティブリスト形式という二つの形式がある中で、一般的に申し上げれば、ネガティブリスト方式、これは自由化義務の例外分野を特定する形式でございますが、この形式によりまして、締約国がサービス貿易の自由化を約束していない分野をより明確に把握できる、こういうメリットがあるのではないかと考えております。
 他方、ASEANの主張でございますが、ASEAN側は、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、こういった国々との協定における約束表でポジティブリスト形式を採用しておるという経緯がございます。こういうこともございまして、日本とのこの改正議定書の交渉におきましてもポジティブリスト形式を採用することを主張したという経緯がございます。
 これに対しまして我が国としてはどうしたかということでございますが、規制の透明性や予見可能性を高めることは重要である、こういう考えに立ちまして、各国が、サービスの貿易における関連規制のうち、市場アクセス及び内国民待遇に関する規定に基づく義務に適合しない措置を列挙した透明性に係る表、この表を作成することを強く求めたということがございます。
 最終的には、交渉の結果、この改正議定書ではポジティブリスト形式を採用することとなりましたが、その一方で、今申し上げたサービス貿易の透明性や予見可能性を高める、いわゆる透明性に係る表を作成することが義務として規定された、こういう交渉経緯がございます。
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竹内譲#22
○竹内委員 では、最後に、もうこれで終わりますが、同様に、我が国にのみAJCEP協定では最恵国待遇義務がかかることになっております。この理由や今後の展望についてお聞きして、終わりたいと思います。
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山上信吾#23
○山上政府参考人 お答えいたします。
 端的に申し上げれば、ASEAN側の姿勢がかたかったということが申し上げられるかと思います。
 ASEANは、各国とのサービス貿易に係る交渉におきまして、最恵国待遇を約束しないという方針で臨んできておりまして、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドといった国々との協定においても、一切、サービスの貿易につきましては最恵国待遇義務を負っていないということがございます。我が国との協定におきましても、当初からこの最恵国待遇義務を負うことについて強く反対しておりました。
 こうした状況の中で、交渉の結果、我が国としては、とるべきものは相当程度とれたのではないかという感触を得ました。具体的には、これまでのASEAN構成国との二国間のEPAや、それから、ASEANが中国等の第三国との協定で約束している水準を上回るサービスの貿易に係る自由化の約束をASEAN側から確保することができたと考えております。また、自然人の移動の分野でも、WTOのサービス貿易協定、二国間EPA又はTPPを上回る約束を確保できたということでございます。
 加えて、主要なASEAN構成国のほとんどにつきましては、既に二国間のEPAやTPPにおいて、我が国のサービス提供者に対して最恵国待遇を与える義務が確保されているということでございまして、以上を踏まえまして、総合的な観点から、このような結果を受け入れたということでございます。
 最後に、今後の展望ということでいえば、やはりサービス貿易の一層の自由化を図るという観点で、全ての国が最恵国待遇義務を負うべく協議していくことは重要であると考えておりまして、この改正議定書が発効した暁には、できるだけ早期にこの改正議定書の見直しを行うべく、ASEAN側に働きかけてまいりたいと考えております。
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竹内譲#24
○竹内委員 終わります。ありがとうございました。
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松本剛明#25
○松本委員長 次に、岡田克也君。
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岡田克也#26
○岡田委員 岡田克也です。
 まず最初に、投資保護協定関連について若干御質問したいと思います。
 まず、日・UAEの投資協定ですけれども、ここで天然資源が協定の対象外ということになっております。UAEは、日本にとりましては主要な石油あるいは天然ガスの輸出国で、もちろん、近年いろいろな関係が深まっていることは承知をしておりますが、天然資源が除かれているということは、果たして、投資協定を締結することの意義が大きく失われてしまっているのではないか、そういう気もするわけであります。
 なぜ天然資源が除かれているのか、そして、そのことについて、投資を行う日本企業からの不安とか不満はなかったのか、事務方で結構ですから、御答弁いただきたいと思います。
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高橋克彦#27
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 アラブ首長国連邦の憲法上、天然資源は、アラブ首長国連邦を構成する各首長国の公共財とみなす旨規定されております。これを踏まえまして、連邦政府を締結主体とする本協定においては、交渉の結果として、天然資源はこの協定の対象とならないと規定するに至りました。
 一方、この規定は、天然資源に関連して行われる投資全てをこの協定の適用対象外とするものではございません。例えば、天然資源を加工、精製する工場などについては、この協定上の投資財産として保護を受けることになります。
 外務省として把握している範囲においては、日本企業からも、本件協定に対する特段の不満は上がっていないと承知をしております。
 先ほど委員御指摘ございました石油の件でございますけれども、我が国企業の自主開発油田に十分な保護を与えることについては、我が国は以前からアラブ首長国連邦政府に対して政府レベルで働きかけておりまして、アラブ首長国連邦首脳からも、十分配慮をするという確約を得ております。
 引き続き、アラブ首長国連邦との間では、さまざまな協議の場を通じて両国の意思疎通をより一層緊密にしながら、我が国投資家や企業への悪影響を及ぼすような大きな問題が生じないよう最大限努力していきたいと考えております。
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岡田克也#28
○岡田委員 次に、先ほど竹内委員の質疑の中にもありましたが、保護型と自由化型の話であります。
 UAE、ヨルダン、モロッコの投資協定、つまり五つの投資協定のうちの三つについては保護型であるということですが、まずお聞きしたいんですが、これは事務方で結構ですが、例えばドイツとかイギリスとか韓国、こういった国とUAEやヨルダンやモロッコとの投資協定も同じように保護型なのでしょうか、それとも例外はあるんでしょうか。
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高橋克彦#29
○高橋政府参考人 お答えいたします。
 今委員から御指摘のございましたドイツ、イギリス、韓国に関しましては、アラブ首長国連邦、ヨルダン及びモロッコがそれぞれ締結した投資協定について、いずれも保護型となっております。
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