法務委員会

2020-12-02 衆議院 全147発言

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会議録情報#0
令和二年十二月二日(水曜日)
    午後一時開議
 出席委員
   委員長 義家 弘介君
   理事 伊藤 忠彦君 理事 稲田 朋美君
   理事 奥野 信亮君 理事 宮崎 政久君
   理事 山田 賢司君 理事 稲富 修二君
   理事 階   猛君 理事 大口 善徳君
      安藤 高夫君    井出 庸生君
      井野 俊郎君    大塚  拓君
      神田  裕君    黄川田仁志君
      国光あやの君    小林 鷹之君
      杉田 水脈君    武井 俊輔君
      辻  清人君    出畑  実君
      中曽根康隆君    野中  厚君
      百武 公親君    深澤 陽一君
      藤原  崇君    盛山 正仁君
      八木 哲也君    山下 貴司君
      吉野 正芳君    伊藤 俊輔君
      岡本あき子君    寺田  学君
      中島 克仁君    中谷 一馬君
      松田  功君    松平 浩一君
      屋良 朝博君    山花 郁夫君
      浜地 雅一君    藤野 保史君
      串田 誠一君    高井 崇志君
    …………………………………
   参議院議員        秋野 公造君
   参議院議員        古川 俊治君
   参議院議員        石橋 通宏君
   参議院議員        梅村  聡君
   参議院議員        伊藤 孝恵君
   法務大臣         上川 陽子君
   厚生労働副大臣     三原じゅん子君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    小出 邦夫君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           大坪 寛子君
   政府参考人
    (厚生労働省雇用環境・均等局雇用環境総合整備室長兼子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長)  岸本 武史君
   参考人
   (非配偶者間人工授精で生まれた人の自助グループ) 石塚 幸子君
   参考人
   (帝塚山大学非常勤講師) 才村 眞理君
   法務委員会専門員     藤井 宏治君
   厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月二日
 辞任         補欠選任
  大塚  拓君     杉田 水脈君
  神田  裕君     百武 公親君
  黄川田仁志君     辻  清人君
  山下 貴司君     八木 哲也君
  池田 真紀君     松田  功君
  寺田  学君     中島 克仁君
  中谷 一馬君     伊藤 俊輔君
同日
 辞任         補欠選任
  杉田 水脈君     安藤 高夫君
  辻  清人君     黄川田仁志君
  百武 公親君     神田  裕君
  八木 哲也君     山下 貴司君
  伊藤 俊輔君     中谷 一馬君
  中島 克仁君     寺田  学君
  松田  功君     岡本あき子君
同日
 辞任         補欠選任
  安藤 高夫君     大塚  拓君
  岡本あき子君     池田 真紀君
    ―――――――――――――
十二月一日
 生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律案(参議院提出、参法第一三号)
十一月二十日
 国籍選択制度の廃止に関する請願(阿久津幸彦君紹介)(第七〇号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第七三号)
 同(高木美智代君紹介)(第七四号)
 同(長尾秀樹君紹介)(第七九号)
 同(柚木道義君紹介)(第八〇号)
 同(荒井聰君紹介)(第一一三号)
 同(辻元清美君紹介)(第一一四号)
 同(小川淳也君紹介)(第一三五号)
 もともと日本国籍を持っている人が日本国籍を自動的に喪失しないよう求めることに関する請願(阿久津幸彦君紹介)(第七一号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第七五号)
 同(高木美智代君紹介)(第七六号)
 同(長尾秀樹君紹介)(第八一号)
 同(柚木道義君紹介)(第八二号)
 同(荒井聰君紹介)(第一一五号)
 同(辻元清美君紹介)(第一一六号)
 同(小川淳也君紹介)(第一三六号)
 法務局・更生保護官署・入国管理官署及び少年院施設の増員に関する請願(稲富修二君紹介)(第一三四号)
同月二十六日
 法務局・更生保護官署・入国管理官署及び少年院施設の増員に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一七五号)
 同(笠井亮君紹介)(第一七六号)
 同(城内実君紹介)(第一七七号)
 同(菊田真紀子君紹介)(第一七八号)
 同(穀田恵二君紹介)(第一七九号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第一八〇号)
 同(志位和夫君紹介)(第一八一号)
 同(清水忠史君紹介)(第一八二号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第一八三号)
 同(田村貴昭君紹介)(第一八四号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第一八五号)
 同(畑野君枝君紹介)(第一八六号)
 同(藤野保史君紹介)(第一八七号)
 同(宮本徹君紹介)(第一八八号)
 同(本村伸子君紹介)(第一八九号)
 同(岸本周平君紹介)(第二三四号)
 同(黒岩宇洋君紹介)(第二三五号)
 同(寺田学君紹介)(第二九八号)
 同(照屋寛徳君紹介)(第二九九号)
 治安維持法犠牲者に対する国家賠償法の制定に関する請願(小沢一郎君紹介)(第二二二号)
 同(神谷裕君紹介)(第二二三号)
 同(岸本周平君紹介)(第二二四号)
 同(黒岩宇洋君紹介)(第二二五号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第二二六号)
 同(中川正春君紹介)(第二二七号)
 同(長谷川嘉一君紹介)(第二二八号)
 同(松田功君紹介)(第二二九号)
 同(宮本徹君紹介)(第二三〇号)
 同(屋良朝博君紹介)(第二三一号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第三〇〇号)
 同(逢坂誠二君紹介)(第三〇一号)
 同(岡本充功君紹介)(第三〇二号)
 同(菅直人君紹介)(第三〇三号)
 同(関健一郎君紹介)(第三〇四号)
 同(辻元清美君紹介)(第三〇五号)
 同(寺田学君紹介)(第三〇六号)
 同(本多平直君紹介)(第三〇七号)
 国籍選択制度の廃止に関する請願(中川正春君紹介)(第二三二号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第二九六号)
 もともと日本国籍を持っている人が日本国籍を自動的に喪失しないよう求めることに関する請願(中川正春君紹介)(第二三三号)
 同(佐々木隆博君紹介)(第二九七号)
同月二十七日
 法務局・更生保護官署・入国管理官署及び少年院施設の増員に関する請願(池田真紀君紹介)(第三四五号)
 同(櫻井周君紹介)(第三四六号)
 治安維持法犠牲者に対する国家賠償法の制定に関する請願(池田真紀君紹介)(第三四七号)
 同(櫻井周君紹介)(第三四八号)
 同(清水忠史君紹介)(第三四九号)
 同(重徳和彦君紹介)(第三五〇号)
 同(畑野君枝君紹介)(第三五一号)
 同(村上史好君紹介)(第三五二号)
 同(本村伸子君紹介)(第三五三号)
 同(横光克彦君紹介)(第三五四号)
 同(吉川元君紹介)(第三五五号)
 同(生方幸夫君紹介)(第三八四号)
 同(川内博史君紹介)(第三八五号)
 同(菊田真紀子君紹介)(第三八六号)
 同(近藤昭一君紹介)(第三八七号)
 同(高木錬太郎君紹介)(第三八八号)
 同(矢上雅義君紹介)(第三八九号)
 同(海江田万里君紹介)(第四六四号)
 同(尾辻かな子君紹介)(第五一八号)
 同(大河原雅子君紹介)(第五一九号)
 同(奥野総一郎君紹介)(第五二〇号)
 同(亀井亜紀子君紹介)(第五二一号)
 同(下条みつ君紹介)(第五二二号)
 同(武内則男君紹介)(第五二三号)
 同(日吉雄太君紹介)(第五二四号)
 同(道下大樹君紹介)(第五二五号)
 同(柚木道義君紹介)(第五二六号)
 同(吉田統彦君紹介)(第五二七号)
 国籍選択制度の廃止に関する請願(近藤昭一君紹介)(第三八二号)
 もともと日本国籍を持っている人が日本国籍を自動的に喪失しないよう求めることに関する請願(近藤昭一君紹介)(第三八三号)
 選択的夫婦別姓の導入など、一日も早い民法改正を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第四五二号)
 同(笠井亮君紹介)(第四五三号)
 同(穀田恵二君紹介)(第四五四号)
 同(志位和夫君紹介)(第四五五号)
 同(清水忠史君紹介)(第四五六号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第四五七号)
 同(田村貴昭君紹介)(第四五八号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第四五九号)
 同(畑野君枝君紹介)(第四六〇号)
 同(藤野保史君紹介)(第四六一号)
 同(宮本徹君紹介)(第四六二号)
 同(本村伸子君紹介)(第四六三号)
同月三十日
 法務局・更生保護官署・入国管理官署及び少年院施設の増員に関する請願(石川香織君紹介)(第六一二号)
 同(松平浩一君紹介)(第七三六号)
 治安維持法犠牲者に対する国家賠償法の制定に関する請願(阿久津幸彦君紹介)(第六一三号)
 同(石川香織君紹介)(第六一四号)
 同(笠井亮君紹介)(第六一五号)
 同(金子恵美君紹介)(第六一六号)
 同(穀田恵二君紹介)(第六一七号)
 同(高井崇志君紹介)(第六一八号)
 同(藤野保史君紹介)(第六一九号)
 同(古川元久君紹介)(第六二〇号)
 同(山川百合子君紹介)(第六二一号)
 同(山花郁夫君紹介)(第六二二号)
 同(阿部知子君紹介)(第六八七号)
 同(階猛君紹介)(第六八八号)
 同(篠原孝君紹介)(第六八九号)
 同(小宮山泰子君紹介)(第七三七号)
 同(白石洋一君紹介)(第七三八号)
 同(田村貴昭君紹介)(第七三九号)
 同(津村啓介君紹介)(第七四〇号)
 同(長尾秀樹君紹介)(第七四一号)
 同(堀越啓仁君紹介)(第七四二号)
 同(松平浩一君紹介)(第七四三号)
 同(森山浩行君紹介)(第七四四号)
 同(山崎誠君紹介)(第七四五号)
 同(志位和夫君紹介)(第八〇七号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第八〇八号)
 同(緑川貴士君紹介)(第八〇九号)
 同(赤嶺政賢君紹介)(第八六五号)
 同(小川淳也君紹介)(第八六六号)
 同(笠井亮君紹介)(第八六七号)
 同(穀田恵二君紹介)(第八六八号)
 同(志位和夫君紹介)(第八六九号)
 同(清水忠史君紹介)(第八七〇号)
 同(塩川鉄也君紹介)(第八七一号)
 同(田村貴昭君紹介)(第八七二号)
 同(高橋千鶴子君紹介)(第八七三号)
 同(照屋寛徳君紹介)(第八七四号)
 同(畑野君枝君紹介)(第八七五号)
 同(藤野保史君紹介)(第八七六号)
 同(宮本徹君紹介)(第八七七号)
 同(本村伸子君紹介)(第八七八号)
 同(今井雅人君紹介)(第九五三号)
 同(岡島一正君紹介)(第九五四号)
 同(中島克仁君紹介)(第九五五号)
 同(西岡秀子君紹介)(第九五六号)
 国籍選択制度の廃止に関する請願(井出庸生君紹介)(第九四九号)
 同(枝野幸男君紹介)(第九五〇号)
 もともと日本国籍を持っている人が日本国籍を自動的に喪失しないよう求めることに関する請願(井出庸生君紹介)(第九五一号)
 同(枝野幸男君紹介)(第九五二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律案(参議院提出、参法第一三号)
     ――――◇―――――
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義家弘介#1
○義家委員長 これより会議を開きます。
 参議院提出、生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。参議院議員秋野公造君。
    ―――――――――――――
 生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
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秋野公造#2
○秋野参議院議員 ただいま議題となりました生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律案につきまして、発議者を代表いたしまして、提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 近年、我が国ではいわゆる生殖補助医療の技術が進展し、生殖補助医療を受ける方も増加しておりますが、生殖補助医療については、法律上の位置づけがなく、懐胎及び出産をすることとなる女性の健康の保護や当事者の意思の尊重、生まれる子の福祉への配慮といった共有されるべき理念も法定されておりません。
 また、現に生殖補助医療により生まれた子は相当数に上り、今後も生まれることが見込まれるところ、生殖補助医療により生まれた子の親子関係については、最高裁判例や解釈によって一定の方向性が示されているものの、法律上明確な規律がないため、その子の身分関係が不安定となり、その利益を害するおそれがある状況が続いていると指摘されております。
 本法律案は、このようなことから、個人の人権に配慮した生殖補助医療に関する法整備が求められている等の生殖補助医療をめぐる現状等に鑑み、生殖補助医療の提供等に関し、基本理念を明らかにし、並びに国及び医療関係者の責務並びに国が講ずべき措置について定めるとともに、生殖補助医療の提供を受ける者以外の者の卵子又は精子を用いた生殖補助医療により出生した子の親子関係に関し、民法の特例を定めようとするものであります。その主な内容は次のとおりです。
 第一に、生殖補助医療の提供等に関する基本理念を明らかにし、不妊治療として心身の状況等に応じて適切に行われるようにするとともに、懐胎及び出産をすることとなる女性の健康の保護が図られるべきこと、実施に当たっては、必要かつ適切な説明が行われ、各当事者の十分な理解を得た上で、その意思に基づいて行われるべきこと、精子又は卵子の採取、管理等の安全性が確保されるべきこと、生まれる子について、心身ともに健やかに生まれ、かつ、育つことができるよう必要な配慮がなされるものとすることとしております。また、生殖補助医療の提供等に関する国及び医療関係者の責務について定めるとともに、国が講ずべき措置として、知識の普及等、相談体制の整備及び法制上の措置等について定めております。
 第二に、生殖補助医療により出生した子の親子関係に関する民法の特例を定めることとしております。具体的には、女性が自己以外の女性の卵子を用いた生殖補助医療により子を懐胎し出産したときは、その出産をした女性をその子の母とするとともに、妻が夫の同意を得て夫以外の男性の精子を用いた生殖補助医療により懐胎した子については、夫は、民法第七百七十四条の規定にかかわらず、その子が嫡出であることを否認することができないこととしております。
 第三に、国会で検討が行われることを前提に、生殖補助医療の適切な提供等を確保するための事項として、生殖補助医療及びその提供に関する規制のあり方、生殖補助医療に用いられる精子、卵子又は胚の提供又はあっせんに関する規制のあり方、他人の精子又は卵子を用いた生殖補助医療の提供を受けた者、当該生殖補助医療に用いられた精子又は卵子の提供者及び当該生殖補助医療により生まれた子に関する情報の保存及び管理、開示等に関する制度のあり方等について、おおむね二年を目途として、検討が加えられ、その結果に基づいて法制上の措置等が講ぜられるものとしております。
 以上が、この法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
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義家弘介#3
○義家委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
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義家弘介#4
○義家委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として非配偶者間人工授精で生まれた人の自助グループ石塚幸子君及び帝塚山大学非常勤講師才村眞理君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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義家弘介#5
○義家委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 引き続き、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として法務省民事局長小出邦夫君、厚生労働省大臣官房審議官大坪寛子君及び厚生労働省雇用環境・均等局雇用環境総合整備室長兼子ども家庭局児童虐待防止等総合対策室長岸本武史君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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義家弘介#6
○義家委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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義家弘介#7
○義家委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申出がありますので、順次これを許します。稲田朋美君。
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稲田朋美#8
○稲田委員 自由民主党の稲田朋美です。
 まず、この法案の必要性について、提出者の古川先生にお伺いをいたしたいと思います。
 テーマとなっております生殖補助医療の適用というのは、生命の誕生、そしてまた人間の尊厳、さらには、関係者、生まれた子供の人権にかかわる、極めて重い、そして重大なテーマだと思います。また、民法が制定されていた当時には予想されていないものであって、親子や家族のあり方に重大な影響を与える問題だと思っております。
 参議院の法務委員会での審議において、この法律によっても検討事項とされているさまざまな重大な点、そしてまた、参議院の可決後も、私のところにいろいろな懸念や課題の声が寄せられております。例えば、生殖補助医療によって出生した子の出自を知る権利をどうするのか、さらには、そのための情報の管理をどうするのか、また、代理懐胎を認めるのか、さらには、代理出産の場合の親子関係はどうするのか、事実婚、シングル、同性カップルの場合の適用はどうするのかなど、重要な論点が検討事項になっているかと思います。また、法案第三条四項の表現のうち「心身ともに健やかに生まれ、」という表現が、障害者権利条約に反するのではないかといった指摘もございます。
 参議院では十四もの附帯決議がなされており、今指摘した課題については本法附則三条の検討事項となっておりますが、こういった課題や懸念、また検討事項も多い中において、でも、今早急にこの法案を成立させるべき理由について、古川先生にお伺いをいたします。
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古川俊治#9
○古川参議院議員 稲田先生の御質問にお答えしたいと思います。
 現に生殖補助医療によって生まれた子というのは、正確な統計はございませんが、一万例を超えているというようなことも言われております。また、今後も引き続きそうした子が生まれてくるということもわかっております。
 そのような中で、生殖補助医療を使って出生した子についての親子関係というものは、最高裁判所の判例や解釈によって一定の方向づけはございますが、明確な規律がないために、裁判になることも多く今までもありました。そのような状況が続いている中で、やはり社会的に一番基本的な人間関係であるこの親子関係というものをしっかり定めていくことが、子の福祉の観点からも重要であると考えております。
 過去の検討におきましては、二〇〇〇年より以前から、既にこの第三者配偶子を使った生殖補助医療に関する親子関係については議論が始まり、二〇〇三年に政府の方でも一定の見解が出たと考えられておりますが、現在まで立法がございません。
 一刻も早くこのような状況を打開するために、現在、この附則三条を含め、法律をここで定めさせていただきまして、早急にさまざまなこの生殖補助医療をめぐる現状に制度をつくるということを今考えているところでございます。
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秋野公造#10
○秋野参議院議員 私の方から、附帯決議の意義につきまして御答弁をさせていただきたいと思います。
 参議院における法案審議を通じまして、与野党、会派を超えて多くの附帯決議を賜ったところであります。これらは検討すべき事項にとどまらず、留意すべき事柄についても細かくいただきまして、今後の議論はこれらの附帯決議に沿って行われるべきことと、発議者一同、考えております。
 また、附帯決議がなされたこと自体がこの法案提出を契機としたものと御評価をいただけるならば、これは発議者一同としてもこの上ない喜びでありまして、改めて早期成立をお願いをして、今後の議論につきましても議員各位の御指導を賜りたいと考えているところであります。
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稲田朋美#11
○稲田委員 それでは、本法案の肝というべき、第九条、第十条の、民法における親子関係の規定の特例についてお伺いをいたしたいと思います、民事局長。
 まず、九条関係なんですけれども、今、現行民法では、妻が婚姻中に懐胎した子は夫の子と推定するとして、父子関係については規定されておりますけれども、母親については、自分が懐胎をして出産をした事実があるということから、民法上には規定はないけれども、懐胎し出産した女性が出生した子の母親であり、母子関係は懐胎、出産という客観的な事実により当然成立することを前提とした規定を設けている、これは最高裁の決定の文言でございますが、それが民法の前提でございます。
 では、民事局長にお伺いしますけれども、この本法案の九条は、まさしくその民法の考え、また最高裁の決定と合致をしているわけですけれども、仮に九条がなければ母子関係は確定しないということなのでしょうか。お伺いいたします。
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小出邦夫#12
○小出政府参考人 お答えいたします。
 現行法上、第三者の卵子提供により生まれた子の母子関係を直接規定している規定はございません。もっとも、委員御指摘のとおり、母子関係につきましては、判例上、自然懐胎かあるいは生殖補助医療による懐胎かにかかわらず、分娩者が母となるとの解釈がされておりますので、これによりますれば、第三者の卵子提供により生まれた子につきましても分娩者が母となるものと考えられると考えております。
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稲田朋美#13
○稲田委員 ということは、やはり、九条を規定することによって、民法制定時には予定をしていなかった母子関係についても確定ができるということだと思います。
 次に、十条関係についても民事局長にお伺いいたします。
 十条で、夫の同意を得て、夫以外の精子を用いた生殖補助医療で妻が懐胎した場合について規定がされております。
 現行民法のもとでは、妻が婚姻中懐胎して出産した子については民法七百七十二条の推定がございますが、それに対しては、一年間に限って夫は嫡出否認の訴えを起こすことができます。もし仮にこの規定がなければ、同意を得て懐胎をしたという場合でも、嫡出否認の訴えが起こせるということになるのでしょうか。お答えください。
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小出邦夫#14
○小出政府参考人 お答えいたします。
 現行法上、第三者の精子提供により生まれた子の親子関係について明記した規定はなく、また、これについて明確に判断した裁判例も見当たらないところでございます。
 もっとも、現行法は、夫が子の出生後、その子が嫡出であることを承認したときは、嫡出否認をすることができないという規定を置いておりまして、子の出生前に、医療実施について夫が事前に同意したということのみでこの規定が直接適用されることはないと考えられるところですが、一般的に、妻の生殖補助医療に同意した夫が生まれた子について嫡出否認の訴えを提起することは、信義則違反又は権利の濫用に当たり、許されないと解釈されております。
 また、下級審の裁判例で、第三者の提供精子を用いて夫の同意のもとで行われた人工授精により生まれた子に関し、母親も、夫と子の間に父子関係が存在しないといった主張をすることは許されないと判示したものがございます。
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稲田朋美#15
○稲田委員 そういたしますと、今民事局長の答弁のとおり、判例によって、多分、今の民法の考え方からしても、信義則上、また権利濫用として、同意があるような場合には認められないと解釈はされるけれども、やはりそれをここの十条でしっかりと明記することに意義があると思います。
 古川提出者にお伺いをいたします。
 では、この規定の中で規定のない、同意がない場合の認知請求ですね、同意がない場合の嫡出否認、そしてそれに伴う認知請求についてどのようにお考えなのか。また、将来認知請求がされるというおそれがあれば、精子提供者はますます減少するのではないかというふうに思いますけれども、その点も含めてお答えください。
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古川俊治#16
○古川参議院議員 ありがとうございます。
 妻が、夫の同意を得ることなく、夫以外の男性の精子を用いた生殖補助医療により懐胎したという場合につきましては、本法律案で規定するところではなく、各事案に応じて裁判所において決定される、その場合には、親子関係の規律、民法の規定により裁判所が判断をされるということになるというふうに考えております。
 今先生の御懸念の、将来的に認知請求を受けるかもしれないということで提供者が減るのではないかということでございますが、この点については、医療機関の方で現在は夫の同意を確実に確認をしているというふうに承っております。
 しかしながら、仮にそのようなことがあった場合に、夫の同意を得ないで、第三者の精子が使われて出生したというような子の親子関係について、今後、附則第三条の検討の中で検討することも除外はされていないというふうに考えております。
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稲田朋美#17
○稲田委員 今御答弁ございましたように、今のような点についても、附則三条で検討することも考えられるということでございます。
 その附則三条の二年以内の検討なのでございますが、本案についての検討事項は大変多岐にわたっておりますし、また附帯決議もついているところですが、ここに言う二年なんですけれども、これは検討に着手する期限なのでしょうか、それとも、二年内に一定の結論を得る、そういう二年なんでしょうかということでございます。
 先生は、参議院の答弁の中で、二年以内に国会で議論してまとめるんだということを表明することに大きな意義があるというふうにおっしゃっておられました。ただ、余りにも多うございますので、結論が出たものからしっかり改正なりなんなりをやっていくというふうに考えてよろしいんでしょうか。
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古川俊治#18
○古川参議院議員 論点は多岐にわたっていると考えられておりますが、先ほど稲田先生がおっしゃいましたように、出自を知る権利あるいは代理懐胎等が大きな論点になるというふうに考えております。
 一定の考え方というのは、比較的、論点についていろいろな考え方がありますけれども、一定の考え方も示されているところでございまして、そこについてさまざまな案を持ち寄って話し合うことは可能であり、その結果に基づいて、一定の法制上の措置というのは二年以内にできるのではないかというふうに考えております。
 もちろん一遍に全ての課題を解決することはできないかもしれませんが、その場合には、解決できる課題だけでも解決をしていくということが大事だと考えております。
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稲田朋美#19
○稲田委員 それでは、今述べられました生殖補助医療における生まれた子の出自を知る権利ですけれども、附帯決議において、この権利のあり方というふうに書かれているところでございます。仮に二年後にこの権利を認められるというふうにするというふうになった場合、現在の情報も確保されなければ、二年後にその権利を保障するということはなかなか難しくなると思います。
 検討中も含めて、情報管理の必要性、またその体制等についていかがお考えでしょうか。提出者にお伺いをいたします。
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古川俊治#20
○古川参議院議員 御指摘いただきましたように、情報の管理は極めて今後の問題として重要だと考えております。
 この点につきまして、附則三条の一項におきまして、精子又は卵子の提供者に関する情報の開示に関するあり方、あるいは、他人の精子又は卵子を用いた、生殖医療に用いられた精子又は卵子の提供者に関する情報の保存及び管理、開示等に関する制度のあり方というふうに書いてありますので、どのように保存していくか、それを担保する方法についても、この検討の中で話し合われるというふうに考えております。
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稲田朋美#21
○稲田委員 親子関係という民法の根幹をなす法律関係について、想定しなかった生殖補助医療の提供によって生じる親子関係を安定的なものにするため、かつ、生殖医療が適切に行われるようにするため、本法案は意義のあるものだというふうに考えます。一方、検討事項も多くありますので、本委員会における審議を踏まえ、早急に検討し、結論を得て、必要な措置を講ずることをお願いをしたいと思います。
 ありがとうございます。
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義家弘介#22
○義家委員長 次に、大口善徳君。
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大口善徳#23
○大口委員 公明党の大口善徳でございます。
 生殖補助医療につきましては、行為規制は、厚労省の厚生科学審議会生殖補助医療部会で議論されて、平成十五年ですか、報告書が出ております。また、親子法制については、法務省の法制審議会の生殖補助医療親子法制部会で議論されていて、この民法の特例の要綱中間試案、これが平成十五年七月に出ている。ただ、それ以降、議論が進んでいない。
 そういう中で、やはり親子関係を法律にしっかり明記するということは非常に大事なことでありまして、本当に発議者の御努力によってこういう形で法案が提出されたことに対して敬意を表したい、こういうふうに考えております。
 法案について質問させていただきます。
 一つは、第三条四項の「心身ともに健やかに生まれ、」の文言が優生思想につながるのではないかとの御指摘がございます。障害者団体等からもございます。この文言を用いた理由と指摘される懸念について、御所見をお伺いしたいと思います。
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石橋通宏#24
○石橋参議院議員 御質問ありがとうございます。
 御指摘をいただいた御懸念については私ども発議者のところにも届いておりまして、丁寧にお答えをさせていただきたいと思います。
 まず、本法律案は、先ほどの趣旨説明にもございましたとおり、その立法趣旨の柱の一つに生殖補助医療によって生まれ来る子供たちの福祉と権利の尊重を位置づけておりまして、法案第三条第四項は、そのことを基本理念の中に明記するために設けたものでございます。
 その趣旨は、障害者権利に関する条約第十条そして第十七条も念頭に置きながら、全ての子供が障害の有無にかかわらず、心身ともに健やかなる環境、これはつまり、安全で良好な環境で生まれ、そして育つ権利を有するということでございまして、当然、そのためには、お子さんを出産する女性についても、妊娠から出産に至るまで、健やかなる、つまり安全で良好なる環境が得られなければならず、その環境を整えるために必要な配慮がなされなければならないということを意味しております。
 こういった立法趣旨を明らかにするために、本法律案の「心身ともに健やかに生まれ、」の文言につきましては、法的な安定性と整合性の観点からも、次世代育成支援対策推進法や母子保健法等において同様の趣旨で用いられております、健やかに生まれという法律用語を使用したところでございまして、これらの立法例と同様に、障害を有する子の出生を否定的に捉えるとか優生思想につながるものでは全くなく、全てのお子さんたちが安全かつ良好な環境において生まれることを意図して用いたものでございます。
 また、心身ともに健やかに育つという趣旨の文言も、児童福祉法、これは平成二十八年改正後でございますが、またいわゆる成育基本法等においても用いられているところでございまして、これらの健やかにという文言につきましても、決して、障害を有する子供たちを排除したり、優生思想を想起させるような趣旨ではございません。
 なお、「必要な配慮」の具体的な内容といたしましては、例えば妊婦さんたちに対する健診等が考えられますけれども、生殖補助医療は通常の妊娠、出産の過程とまた異なることから、特に念入りな健診等の対応も必要になることもあり得るということも考慮させていただいた規定でございます。
 ありがとうございます。
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大口善徳#25
○大口委員 次に、第三条の基本理念につきまして、女性のリプロダクティブヘルス・ライツ、性と生殖に関する自己決定権の保障、確保が含まれていると理解してよろしいんでしょうか。
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秋野公造#26
○秋野参議院議員 生殖補助医療の提供等に関する基本理念について定める第三条におきまして、第一項では、「提供を受ける者の心身の状況等に応じて、」との文言、第二項では、「各当事者の十分な理解を得た上で、その意思に基づいて」との文言を用いておりまして、生殖補助医療の分野に関しては、リプロダクティブヘルス・ライツという概念に沿っているものと考えてございます。
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大口善徳#27
○大口委員 次に、第十条についてお伺いします。
 「夫は、民法第七百七十四条の規定にかかわらず、その子が嫡出であることを否認することができない。」と、手続的規定になっております。夫を父とするとの実体的な規定にしなかった理由についてお伺いします。
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秋野公造#28
○秋野参議院議員 御指摘のとおり、第十条は、民法が父子関係について嫡出推定制度を採用していることを踏まえて、「嫡出であることを否認することができない。」と手続的に規定をしてございます。
 すなわち、民法第七百七十二条第一項が、妻が婚姻中に懐胎した子の父子関係について夫の子と推定すると想定しており、その上で、夫は、民法第七百七十四条により嫡出否認をすることができるところ、これら民法の規定を踏まえて、本法律案の第十条では、夫は、民法第七百七十四条の規定にかかわらず、嫡出であることを否定することができないと規定をさせていただいております。
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大口善徳#29
○大口委員 次に、第十条の夫の同意ということについてお伺いします。
 同意の内容が、条文上、より明確になるようにする必要があるのではないかと思われます。例えば、夫が同意書に、妻が第三者の精子を用いた生殖補助医療により懐胎することには同意するが、みずからの子として引き受けることまでは同意しないと記載した場合、第十条の同意に当たると言える、同意があると言えるのかということ、また、精子提供者が誰であるか具体的に知った上で同意する必要があるのか、お伺いしたいと思います。
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