法務委員会

2022-11-09 衆議院 全376発言

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会議録情報#0
令和四年十一月九日(水曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 伊藤 忠彦君
   理事 薗浦健太郎君 理事 谷川 とむ君
   理事 藤原  崇君 理事 宮崎 政久君
   理事 鎌田さゆり君 理事 寺田  学君
   理事 沢田  良君 理事 大口 善徳君
      東  国幹君    五十嵐 清君
      石橋林太郎君    岩田 和親君
      上杉謙太郎君    大岡 敏孝君
      奥野 信亮君    加藤 竜祥君
      神田 潤一君    熊田 裕通君
      島尻安伊子君    鈴木 馨祐君
      田所 嘉徳君    高見 康裕君
      津島  淳君    中曽根康隆君
      中西 健治君    西野 太亮君
      鳩山 二郎君    平口  洋君
      平沼正二郎君    深澤 陽一君
      山下 貴司君    末次 精一君
      鈴木 庸介君    中川 正春君
      山田 勝彦君    吉田はるみ君
      米山 隆一君    阿部 弘樹君
      漆間 譲司君    日下 正喜君
      平林  晃君    鈴木 義弘君
      本村 伸子君
    …………………………………
   法務大臣         葉梨 康弘君
   法務副大臣        門山 宏哲君
   法務大臣政務官      高見 康裕君
   最高裁判所事務総局経理局長            氏本 厚司君
   政府参考人
   (総務省大臣官房審議官) 三橋 一彦君
   政府参考人
   (法務省民事局長)    金子  修君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    川原 隆司君
   政府参考人
   (出入国在留管理庁次長) 西山 卓爾君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       寺門 成真君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房審議官)           安彦 広斉君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           野村 知司君
   政府参考人
   (厚生労働省大臣官房審議官)           日原 知己君
   法務委員会専門員     白川 弘基君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月九日
 辞任         補欠選任
  岩田 和親君     中曽根康隆君
  熊田 裕通君     平沼正二郎君
  津島  淳君     中西 健治君
  深澤 陽一君     上杉謙太郎君
  吉田はるみ君     末次 精一君
同日
 辞任         補欠選任
  上杉謙太郎君     深澤 陽一君
  中曽根康隆君     大岡 敏孝君
  中西 健治君     島尻安伊子君
  平沼正二郎君     熊田 裕通君
  末次 精一君     吉田はるみ君
同日
 辞任         補欠選任
  大岡 敏孝君     岩田 和親君
  島尻安伊子君     神田 潤一君
同日
 辞任         補欠選任
  神田 潤一君     西野 太亮君
同日
 辞任         補欠選任
  西野 太亮君     津島  淳君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 民法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)
     ――――◇―――――
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伊藤忠彦#1
○伊藤委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、民法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官三橋一彦君、法務省民事局長金子修君、法務省刑事局長川原隆司君、出入国在留管理庁次長西山卓爾君、文部科学省大臣官房学習基盤審議官寺門成真君、文部科学省大臣官房審議官安彦広斉君、厚生労働省大臣官房審議官野村知司君及び厚生労働省大臣官房審議官日原知己君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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伊藤忠彦#2
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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伊藤忠彦#3
○伊藤委員長 次に、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所事務総局経理局長氏本厚司君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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伊藤忠彦#4
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
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伊藤忠彦#5
○伊藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山下貴司君。
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山下貴司#6
○山下委員 自由民主党の山下貴司でございます。
 今回の民法改正は、懲戒権の規定の見直し、あるいは嫡出推定規定の見直し等について、私が法務大臣のときに諮問をさせていただいたことでございます。そして、それが、今、私も大臣当時、法務委員長としていろいろ御指導いただいた、そしてまた、自ら議員になる前も少年の問題とか家族の問題を見詰めておられた葉梨大臣の下、こうやって法案としてまとまる、これを審議させていただくというのは、本当に私にとって喜ばしいことでございます。
 今回の懲戒権の規定、これが、今お配りしている資料一のように、現行民法では、親権を行う者は、八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができるという、この規定が、いわゆるしつけ名目での児童虐待、これを正当化する口実に使われているのではないかという懸念がありました。また、嫡出推定規定の見直しについても、やや形式的に過ぎる厳格なこの嫡出推定規定が、破綻した婚姻関係で生まれた子などのいわゆる無戸籍者問題の遠因となっているのではないかという指摘がございました。
 そこで、懲戒権に関する規定や嫡出推定規定の見直しについて、先ほど申し上げたとおり、法務大臣当時、法制審議会に諮問させていただいたということで、熱心な御議論を経て、そしてまた葉梨大臣の下でこうやって成案になるということ、本当に感謝申し上げます。
 本日は、先ほど申し上げた二つの大きな問題、懲戒権規定の見直し、そして嫡出推定規定の見直し等についてお話を伺いたいと思います。
 まず、懲戒権の見直しについてということで、そこの資料一に、新しい、改正案の八百二十一条ということで原案を記載させていただいております。
 そこで、懲戒することができるという懲戒権は当然削除されているわけですけれども、親に対する、親権を行う者に対する禁止事項として、体罰その他子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならないということが書いてあります。
 ちょっと私、正直に告白しますと、私は、こういう民法という基本法で体罰という言葉、あるいはその他定義が必要な言葉について記載することについては、若干消極的だったわけであります。というのは、親が許される行為、親が許されない行為であれば、例えば学校教育とか、いろいろな場でも許されないはずであります。そういったことを考えると、ここは、体罰というところについて、しっかりと当局の方からこういうことなんですということを明示していただきたいというふうに考えております。
 そこで、当局に、体罰又はその他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動、これは一体どういうものなのかということを、当局のお考えを伺いたいと思います。
 そして、併せて、こうした体罰その他の行為をした場合、どういう法的効果を生むのかということについてもお答え願いたいと思います。
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金子修#7
○金子政府参考人 お答えいたします。
 本改正法案における体罰は、子の問題行動に対する制裁として、子に肉体的な苦痛を与えることを意味するものであります。改正法案の八百二十一条で禁止される、子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動につきましては、子に不当に肉体的又は精神的な苦痛を与え、その健やかな身体又は精神の発達に悪影響を与え得る行為を指すものと考えております。
 これに該当するかどうかということは、一般的には、当該行為の態様のほか、子の年齢や健康、心身の発達状況、当該行為が行われた場所的、時間的環境等が考慮されるものと考えております。
 それから、体罰等をした場合の効果ですけれども、体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動は、民法八百二十条が規定する監護教育権の行使として許容されることのない、監護教育権の範囲外の行為と評価され、そのような行為があった場合には、親権喪失や親権停止の審判における要件判断の考慮要素となり得るほか、民法七百九条の要件を満たす場合には、子に対して不法行為による損害賠償責任を負うことがあるものと考えております。
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山下貴司#8
○山下委員 これ、体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をした場合に、やはり親権の例えば剥奪であるとか、そういった重大な効果もあるわけですね。ですから、その点はやはりきちんと明確にすべきだろうと思いますけれども、ちょっと重ねて聞きます。
 判断基準ですね。これは、将来的には、個別案件だから裁判所で決められるということであるんですが、裁判所というのは、事が起こってから決めるんですよ。だから、事が起こる前に、こういったことは許されないんですよということをある程度明確にしておく必要があると思うんですが、その点について、今の説明でちょっと抽象的に過ぎたかなと思うので、さらに、どういうふうな具体的な概念ということを考えておられるのか、体罰あるいはその他の言動について、いかがでしょうか。
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金子修#9
○金子政府参考人 具体の場面はなかなか御説明が難しいところがあります。こういう場合は当たるのか、こういう場合は当たらないのかというような御説明は可能かと思います。
 今後、いわば御家庭において指針とされるようなものにつきましては、当たるか当たらないかということについては、これが御家庭の中で問題になるわけですから、そこは分かりやすくするような工夫を、パンフレットを作ったりとか、そういうようなことは進めていきたいと考えております。
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山下貴司#10
○山下委員 それは是非お願いしたいと思います。というのは、これは民法という基本法ですから、ここで親でも許されない行為は当然学校の先生や他人も許されないわけであります。ですから、民法という基本法の中に入ることによって、相当程度、これが基準になる可能性がございます。
 現段階ではそういった基準を明らかにされておられないので、今回、衆議院の調査局の法務調査室の中で取りまとめていただいた、これは百四ページからのもので、学校教育法、これをちょっとよすがに聞かせていただきたいんです。
 学校教育法十一条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例ということで、(一)で体罰、これはもう体罰、駄目ですよということ。あるいは、認められる懲戒ということで、学校の先生が、放課後に教室に残すとか、授業中に起立させるであるとか、あるいは掃除をさせるとか、当番を多く割り当てるであるとか、そういったことがあります。あと、正当な行為として、様々、危害を及ぼすような暴力行為に対して、これを制止したりするというようなことがあると。
 この参考事例というのは、許される基準を文科省なりに整理したものということでありますが、家庭生活でもこういった同様の事例というのは起こり得ると思われますけれども、これは通告してあるので局長に伺いたいんですけれども、ここで許される、認められる懲戒とか正当な行為とかで挙げられているような事例に関しては、これは親としても許されるというふうに考えていいのかどうか。
 というのは、具体例が法務省から提示されていないので、こういったものをよすがにするしかないということと、加えて、これは文科省が許される行為として出しているものなんですが、それが今回の新法によって許されなくなるということがあるのかどうか。それは、ないのであればないというふうにお答えいただければと思います。
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金子修#11
○金子政府参考人 お答えいたします。
 民法が適用される場面が家庭における監護、教育の場面ということで、それから、文科省が出されている参考事例、これは学校における教育の場面ということで、場面は異にするという面があるので、直ちに当てはめるということが難しいところがございます。
 ただ、その上で、御紹介いただいた参考事例の具体的な例を見ながら、それを家庭の中で起こった場合になぞらえて考えますと、例えば、子が問題行動を起こし、又は起こそうとしている場合に、その体を押さえて制止したり、腕を引っ張って移動させたりといった行為、こういう行為につきましては、一般的に、子に対する制裁を目的としたものではなく、不当に子を肉体的、精神的に傷つけるものとも認められないと考えられることから、監護教育権の行使としても許容されるのではないかと考えます。
 また、御指摘の参考事例のうち、例えば、問題行動をした子に清掃活動を課したり、家庭でいえば、何か問題行動があったときにどこどこを掃除をさせるとかいうことになろうかと思いますが、そういうこととか、あるいは、食事中に立ち歩く子を叱って席に着かせるといった行為は、これらを親権者による監護教育権の行使に当てはめた場合にも許容されるものだというふうに考えております。
 それから、御質問の後半ですけれども、この全ての行為について検討したわけではありませんが、民法の規定が今回改められることによって、今まで許容されたものが許容されなくなることがあるのかという御質問かと思いますが、これは教育現場でどのように判断されるかという問題かと思いますが、一般的に言えば、今まで許容されていたものを今回の改正によって許容されなくするというような趣旨のものではなくて、本来的に許容されなかったんだけれども、それを明示的にするという、そういう趣旨の改正であることを考えれば、そのようなことには一般的にはならないんじゃないかなというふうに思っています。
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山下貴司#12
○山下委員 ありがとうございます。
 我々の世代は、親からげんこつを食らって育ったというところが当たり前に行われていた部分がございます。なので、そういったことで、今回の法律ができることによって混乱しないように、是非、法務省におかれては、分かりやすくやはり伝えていただきたいので、先ほどおっしゃったパンフレットとか、そういったものも工夫して周知に努めていただきたいと思います。
 それでは、嫡出推定規定の見直しについて御質問しますけれども、この改正は、離婚後三百日以内に生まれた子に対する前の夫の嫡出推定の規定を維持しながらも、特則として、再婚した場合には直近の再婚配偶者の嫡出と推定するというもの、あるいは、父による嫡出否認の訴えについて、出訴期間を父が子の出生を知ってから三年に延長するとともに、父親だけに認められていた嫡出否認の訴えを母親や子自身にも認めたこと、事実に反する認知について争うことができる期間や人的範囲を制限した、あるいは、生殖補助医療などにより出生した子について特則を設けるということで、科学技術の進展によって真の親子関係の確定が可能になったことも踏まえながら、子の利益を最大限に配慮しつつ、適正な改正がなされたものと考えております。
 そこで、今回、私が伺いたいのが、これは資料の一に戻りますけれども、改正法案附則四条の二についてであります。
 この嫡出否認の訴え、これ、適正化は無戸籍者を救うということがありました。そういった趣旨で見ていると、これ、施行後一年を経過するまでは、施行日前に生まれた子も嫡出否認の訴えを提起できることとされていると。
 この施行日前に生まれた子というのは、既に成人した子、例えば私どもなんかは成人しているんですが、そういった者も含まれるのか。元々、無戸籍者ということであったわけですけれども、既に戸籍に入っている者も、今後一年、施行後一年は嫡出否認の訴えを、きちんとしたエビデンスがあればできるのかということについて伺いたいと思います。
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金子修#13
○金子政府参考人 お答えいたします。
 私どもが把握している中でも、無戸籍のまま成人にまで達している方というのが、かなり、二百名近くいらっしゃいます。そういう方についても施行日より前に生まれたお子さんに含まれるということで、先生の御質問に対しては、成年に達した者も含まれるということになります。
 それから、御指摘されましたように、この経過規定を見ますと、目的としては、主として無戸籍者の解消ということではございますけれども、対象は限定しておりません。現在、お子さんが戸籍を有する場合でありましても、これまで、子やお母さんから嫡出否認の訴えの提起が認められていなかったために、血縁関係のない夫又は前夫の子として戸籍上扱われることを甘んじて受け入れておられたという方も存在すると考えられますので、このような方につきましても救済を図ることに必要性、合理性が認められるというふうに考えておるところでございまして、そういう趣旨から、戸籍のない場合に限定していないということになります。
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山下貴司#14
○山下委員 今おっしゃったように、無戸籍者を救うために、もう既に戸籍に入っていても、あるいは成人しても手遅れではない、今後、施行後一年間はできるのだということ、これは、法務省としても、是非、周知徹底していただきたいと思います。
 次に、これは今回の改正では直接ないんですが、親権、それと養育費の問題、それと面会交流の問題、この三つは実は違うというところは指摘しておきたいんですが、養育費の支払いについてちょっと伺いたいと思います。
 私は、法務大臣のときに民事執行法の改正を行って、養育費の強制執行に関して、元の配偶者の給与債権からの執行を容易にするため、勤務先情報や口座情報など、差押えに必要な情報を取得できる財産開示制度を整えました。ただ、こういった財産開示をやるためには、養育費の取決めをした公正証書や判決とかの債務名義が必要なんですね。でも、大体離婚する場合はもう顔を見るのも嫌な状態ということで、DVなんかもあったりすると、そうした取決めをしないまま別れられる方が非常に多いし、その後で調停や審判を受けろといってもなかなか厳しい経済状態にある方も多い。実際に養育費の取決めをしているのは母子家庭で四三%ですが、実際に支払いを受けている方は四分の一以下なんですね。
 養育費の請求権は、まず子供のための権利で、ある年齢の子供が健康で文化的な最低限度を送るための養育費は計算できるはずであります。現に生活保護の算定ではそういうふうに考えていると思っていますが、養育費については、父母間の協議や調停、審判などの債務名義がなくても、一定の要件の下で、少なくとも一定額の養育費請求権が当然に発生して、別途債務名義なんかを得なくても強制執行できるということになれば、相当数の生活に苦しむシングルマザーの皆さんが助かるんじゃないかというふうに思われます。
 もちろん、個別の家庭環境によって増減が必要であれば、それは別途の手続で調停、審判などをやってもらうということですが、まずは、当然に一定の養育費についてはできるのだということを考えるべきではないかと思っており、法務大臣のときにもそういうふうに考えておったんですが、今、法制審の中で、そういった論点についてはどのように検討されているのか、簡単にお願いします。
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金子修#15
○金子政府参考人 委員御指摘のとおり、養育費の取決めあるいはその実施が低調であるということの背景として、DVなどの様々な理由により父母間の協議をすることが困難な事例があるものと承知しております。
 御指摘の法制審議会家族法制部会におきましては、現在、一定の要件の下で毎月一定額の法定養育費請求権が発生するような新たな制度を創設することや、その請求権に一般先取特権を付与することで債務名義を得なくても執行手続をすることができるようにすることを含めた養育費の履行確保に向けた様々な方策を検討しているところでございます。
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山下貴司#16
○山下委員 是非よろしくお願いしたいと思います。
 それでは、最後に葉梨大臣の意気込みを伺って終わりたいと思います。
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葉梨康弘#17
○葉梨国務大臣 とにかく、国民のコンセンサスを得ながらしっかりやっていきたいと思います。
 それと、私は改めて思いますのは、法務省は基本法制を持っていますので、諮問をしてから実現するまで結構時間がかかるんですね。ですから、継続性もしっかり大切にしながら、しっかり進めていきたいと思います。
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山下貴司#18
○山下委員 よろしくお願いします。
 終わります。
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伊藤忠彦#19
○伊藤委員長 次に、田所嘉徳君。
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田所嘉徳#20
○田所委員 自民党の田所嘉徳でございます。
 質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。
 今、刑法犯の認知件数というのは、平成十四年の頃ピークでありまして、二百八十五万件ありました。しかしながら、令和二年では六十一万件ということで、激減しております。昨年は国連の犯罪防止刑事司法会議、コングレスが開催をされまして、まさに世界に誇るべきだという、そういう安全な数値になってきたというふうに思っております。
 しかしながら、児童虐待の相談対応件数は、平成十二年からでも、一万八千だったんですけれども、二十万件を超えておりまして、十一倍以上ということで、急増をしております。
 これはまさに、私は、人の成長過程の中で、人間大好きという、そういう感性をしっかりと備える、そういう意味で非常に大きな問題があると思っておりますし、虐待の連鎖というようなことにもなってしまうということだと思います。DVも高水準にある、将来の日本にとって非常に問題があるというふうに考えているわけであります。
 そこで、改正案では、虐待を禁止するという形ではなくて、平成二十三年の改正でも対応できなかった懲戒権の規定を削除したわけであります。体罰を明示的に禁止したということでありますけれども、これは、懲戒の規定が児童虐待を正当化する口実にも使われる、お墨つきになっては困るということでありまして、そういった抗弁も散見されるという中で行われたわけでありますけれども、同じ法律であっても、時代背景の変化によってその規定の捉え方が違ってくるという例だろうというふうに思っておりますが、現在において、この懲戒権を削除した意義についてまず聞いておきたいと思います。
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金子修#21
○金子政府参考人 懲戒権に関しましては、御指摘のとおり、平成二十三年の民法の改正のときに削ることも検討されたのですが、それは実現されず、そのときに、監護、教育が子の利益のために行使されるべきであるということが明確化されたわけであります。
 しかし、その後も、懲戒の文言が民法八百二十条の監護教育権を超えた強力な権利であるかのような印象を与えることなどから、児童虐待を正当化する口実に利用されているという指摘や、懲戒として体罰が許容されるといった誤解を与えかねないといった指摘がされていたところでございます。
 そこで、この改正法案におきましては民法八百二十二条の規定を削除することとしたわけですが、その意義としましては、児童虐待の防止に向けた明確なメッセージを国民に向けて発することにより児童虐待の防止を図るということにあるものと考えております。
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田所嘉徳#22
○田所委員 改正法の、離婚後に前夫に嫡出推定が残るということの問題点についてちょっとお聞きしたいと思います。
 無戸籍者が発生する原因とされてきた、婚姻の解消等の日から三百日以内に生まれた子は前夫の子と推定するという規定を残して、その例外を設けて、母が再婚した後に生まれた子は再婚後の夫の子と推定するということにしております。これは実態にも合うんだということだろうと思います。そこで、前夫の子との推定を嫌って無戸籍としてしまうことが、それによって防止されるというわけだろうというふうに思います。
 しかしながら、母が、離婚後に新たなパートナーがいても再婚をしないで、事実婚でよしとする、あるいは、すぐには再婚に至らないという場合などには、相変わらず前夫の子としての推定が働き、無戸籍の原因が残るということにもなるんだろうと思います。
 それでは、婚姻の解消の日から三百日以内に生まれた子について、推定規定を廃止した方がこの発生を抑えることになるというふうにも考えられるわけでありますけれども、この規定を維持したその理由についてお聞きしておきたい。
 そして、改正法案の、再婚後の夫の子とすることの規定がどの程度の効果が期待できるかを推測するために、離婚後三百日以内に生まれた子のうち、母が離婚後三百日以内に婚姻して、その後に出生した者の割合についてもお聞きしたいと思います。
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金子修#23
○金子政府参考人 まず、三百日推定規定を維持した理由について御説明いたします。
 現行法にもあるこの規律の趣旨は、第一に、一般的な妊娠期間からしますと、婚姻の解消等の日から三百日以内に生まれた場合には、婚姻中に懐胎した可能性が相当程度あるということで、すなわち、我が国では、協議離婚の制度の下で、離婚に先立って一定期間別居するということが離婚の要件とはされていないために、婚姻中に夫の子を懐胎し、子の出生前に協議離婚に至り、しかる後に子を出生するといった事案が一定数存在するものと考えられるという点が一つ目の理由、趣旨です。
 第二は、婚姻の解消又は取消しの日以降に生まれた子について、例えば、一律に前婚の夫の子と推定しないものとするということが考えられますが、そうすると、真実は前夫の子である場合であっても、前夫の認知によらなければ直ちに子の法律上の父が確保されないということになって、子に父が与えられない結果、子の利益を害するおそれがあるという点にあります。
 このような趣旨は現在においても妥当すると考えられますので、この三百日推定規定を維持するということにしました。
 なお、法務省が令和二年に実施した調査の結果によりますと、離婚後三百日以内に出生した無戸籍者のうち、母の再婚後に出生した者の割合は約三五%でございました。
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田所嘉徳#24
○田所委員 三五%という数字を見ますと、六割以上が改正法案では無戸籍の原因が解消しないとも捉えられるわけであります。
 したがって、婚姻の解消の日から三百日以内に生まれた子については前夫の子と推定するという現行法の規定を廃止して、前夫の嫡出子として届けるか、あるいは嫡出でない子として届けるか、いずれかを選択して出生届をすることができるようにするということも、テクニカルな問題として、私は可能ではないかというふうに思うので、そういったことも考慮する必要があるんだろうというふうに思っております。
 続きまして、改正法の施行前の子の救済ということで、先ほどもお話に出たわけでございます。
 前夫の子となることを嫌って無戸籍にしてしまう、そういう中にあって、嫡出否認は夫にしかできない。非常に問題であって、これが子や母にも拡大されることになったことは当然で、早くやるべきだったのかもしれません。封建的な背景があった制度なのかもしれません。
 しかし、私は、大変重要な、救済としての規定が盛り込まれているというふうに思っています。
 附則のうち、経過措置に関する規定、附則第四条二項において、子及び母は、施行日から一年間に限り、施行日前に生まれた子について嫡出否認の訴えを提起することができるとしておりまして、大変この意味は重大だというふうに思っております。分かっていれば、たくさんの人が待っていて、これに対応するかもしれません。嫡出否認権の拡大の効果を遡及的に及ぼす大きな特典でもあるというふうに考えているわけでありまして、絶大な効果も期待される。これが最大限生かされなければならないんですが、これを一年間とした、その期間の理由についてお尋ねをしたいと思います。
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金子修#25
○金子政府参考人 一年間という短期間にした理由は、今いるお子さんについては既に問題が顕在化している状況にありまして、今後、この法案が通った後、施行日まで、この法案では一年半とされていますけれども、その間にも準備が可能だと考えております。そこから更に一年の間に出訴していただければというふうに思っていますので、この一年間というのは短過ぎるということはないものと思っています。
 他方において、その状態の解消のために、逆に言うと、嫡出否認の訴えを提起される可能性というものを、ずっとこの間、そういう状況が続くということになり、これがいわば身分関係がいつまでも確定しないという状況を生み出しますので、長期にすることにはそのような弊害もあるというふうに考えております。
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田所嘉徳#26
○田所委員 施行までの準備期間というものもあるだろうということでありますが、そうであるならば、この時限的な救済措置が生かされるためには、周知徹底をしっかりする、そして実効あらしめるようにする必要がありますけれども、それについてどのように取り組んでいくのか、お聞きしたいと思います。
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金子修#27
○金子政府参考人 お答えいたします。
 経過規定を作って、何とかその期間に、これまで訴えを提起できなかったお子さんあるいはお母さんの側から訴えを提起するという機会を与えましたので、そういう機会を逸することなく使っていただくというためには、嫡出否認の訴えが、この経過規定により、子やお母さんに対してもできるんだということをきちんと周知、広報する、これは極めて重要なことだというふうに考えております。
 具体的な周知方法につきましては今後検討されていくことになりますが、法務局の方で無戸籍者として把握できて連絡がつく方がいらっしゃいますので、そういう方々については個別に連絡をすることを含めて、十分に検討してまいりたいと考えております。
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田所嘉徳#28
○田所委員 子の嫡出の否認権者が拡大されて、子あるいは母にも父との父子関係を否認することができるようになったわけであります。
 母による否認権が認められることによって、例えば、DV夫の子となる戸籍は拒否できる、戸籍でなくなることがあります。あと、無戸籍を生まないことにつながるんだろうと思います。
 ただし、当該母親が虐待をしていたということも少なくありません。そういった場合に、否認権を認めることは、かえって子にとって害悪ともなってしまうわけでありまして、改正法案では、母の否認権行使について、「その否認権の行使が子の利益を害することが明らかなときは、この限りでない。」こうしているわけであります。
 否認権の悪用や濫用、これを防止するための規定と思われるわけでありますけれども、この内容、子の利益を害することが明らかな場合とは、具体的にどんな場合を想定されているのか、お聞きしたいと思います。
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金子修#29
○金子政府参考人 いかなる場合が子の利益を害することが明らかなときという要件に該当するかにつきましては、個別具体的な事案に即して判断されるべきでありますけれども、一般的には、例えば、母が自ら子を養育する意思や能力がなく、父を失うことで子が経済的に困窮するような状況になるということが分かっていながら、父子関係を断絶させるような目的で嫡出否認を行使するというような場合はそういうものに該当するというふうに考えられます。
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